2005年08月31日

【ラスベガス】危うしLRT案(BRT案の台頭)

ネバダ州ラスベガスでは,南東に位置するヘンダーソン(Henderson)とを結ぶ
33マイル(約53km)の公共交通(Regional Fixed Guideway)(以下RFG)を,
どのような形で導入するか現在検討が行われています,その候補にはライト
レール(LRT)案のほかに,ディーゼル駆動のライトレール案,ゴムタイヤ式
路面電車案,そしてBRT(Bus Rapid Transit)案があります.
RFGの概要は,RTCのサイトにあります.
(RTC) Regional Transportation Commission of Southern Nevada
Proposed Regional Fixed Guideway (RFG) website

先週末,投資家や商工会議所,大学や学校関係者などコミュニティの様々な
メンバーからなる運営委員会(Steering Committee)が開催され,その場でLRT
案に対抗するBRT案の代表として,ご当地ラスベガスで営業されているMAXが
紹介されました.
MAX (Metropolitan Area Express)
(MAXを運営するRTCのサイトへのリンク)

MAXのようなBRTならレールを敷かない分だけ安く上がりますし,レールの上
しか走れないライトレールよりルートに多少の融通がききます.
しかもラスベガスでは実物がすでに活躍しているだけに,LRT対BRTはBRTの
ほうが有利かも知れません.
Light rail may get MAXed out
(Las Vegas Review-Journalのニュースへのリンク)
Residents speak out on RTC's light rail plan
(Las Vegas Sunのニュースへのリンク)

現在MAXはラスベガスのストリップから北にしばらく行ったダウンタウンの
バスセンターから,北東にあるネリス空軍基地(Nellis AFB)のゲート前まで
昨年より走っています.

上記サイトにもありますが,MAXは順調に数字(利用者数)を伸ばしています.
メインとなる大通りで専用レーンを走り,バス停はまるでLRTの電停のように
大きな屋根が架かり,自動券売機まで備わっています.バスは乗降時の運賃
支払が当たり前ですが,ここではLRTのように乗車前に切符を買います.車内
には券売機はなく,運賃収受も行わないのもLRTそっくりで,これにより乗降
時間を減らして所要時間を短縮できます.

またMAXのバス停は同じ道路を並走するバス路線とは別の場所に設けられて
います.最初は不思議に思えましたが,他の路線バスとの干渉を避けて専用
レーンを走るためかもしれません.バス同士の連絡ができませんが,ダウン
タウンへ向かう際の行き先は同じですし,乗換えても無意味なので接続させ
る必要がないのでしょう.このあたりはバスでフィーダーサービスを行うLRT
とは少し趣が異なります.


見た目は最新式の低床LRTそっくりです.もちろん100%低床化を実現している
ほか,米国では自転車をバスの前に設けられた車外専用ラックに載せて運ぶ
ことがありますが,ここではLRTのように車内に搭載することができます.

バスはフランス生まれのCivisというブランドで,ルノー(Renault)とマトラ
(Matra)が開発したものです.現在両者はそれぞれフィアットとシーメンスの
傘下に入っていますが,米国への進出に際しては,可能な限り米国製部品を
使ったとどこかのサイトで読んだ記憶があります.ラスベガスへの投入で
好評を得れば,米国の他の都市への売り込みもされるでしょう.

このハイブリットバスの特徴の一つには,光学式ガイド装置があります.
ガイドウェイバスのようなローラーがガイドレールに沿って走るのではなく
特殊なカメラで道路上にペンキで描かれた点線をなぞるように走ります.
狭いところを走るためではなく,プラットホームがあるMAXのバス停で,バス
のステップとホームの端をぴったり一致させて停車するためのものです.

今年3月に乗った際は,この光学式ガイド装置が稼動しておらず,ドライバー
の腕で幅寄せして停車させていました.教官が乗込んで試験のようなことを
行っている光景にも出くわしましたので,その日はたまたまだったのかも
知れません.ただしこの装置はトラブルが多いという話も聞き及んでいます
ので,使われなくなった可能性もあります.専用レーンとは言え右折車両は
乗入れできますので,汚れたりペイントが消えかかってしまうとセンサーの
読取りエラーが頻発するのです.


デザインを凝らしたバス停とMAX LAS MAX1
バスの前にある白い点線が頭上のカメラが読み込む目印になります

MAXの車内 LAS MAX2 自転車用のラックは一番後ろにあります

LAS MAX3 レールが敷かれていそうな雰囲気

RFGがLRTに決まるか,MAXに影響されてBRTになるか,
予定ではこの秋にも委員会が推薦する方式が決定され,それに基づいてRTCが
Locally Perferred Alternative (LPA)=地元が推薦する代案 として採用する
と,その後RTCではいくつかの案の比較検討とLPAを,FTA(Federal Transit
Administration)=連邦公共交通局に提出し,2008年に着工,早ければRFGの
開業は2013年の終わりごろになります.
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2005年08月30日

【フィラデルフィア】9/04からPCCカー復活

新車同然の形で再生されたPCCカー(PCC-II)が,現在バスで運行されている
フィラデルフィアの15系統に9/04から再投入されることが,SEPTAのサイトで
発表されていました.13年振りに古巣への復帰です.
長らく路面電車が走っていなかったこともあって,SEPTAのサイトでは軌道を
ふさいで駐車しないよう呼びかけています.
再開に先立ち9/01に,フィラデルフィア動物園前で何かイベントが行われる
という情報もあります.
Trolleys Return to Route 15: Sept. 4
(SEPTAのWhat's Newへのリンク)
プレスリリースには載っていなかったので,気付くのが遅くなりました.


元々1992年のバス転換は一時的なものであり,当初は1997年にもLRTとして
新車で復活する予定でしたが,予算不足などから延び延びとなります.計画
されていたGirard Avenue内の軌道優先権は幻と消え,それまでと同じく左折
車線を共用する形で妥協し,車両もPCCカーの更新という形で予算を浮かした
のでした.(PCCカー=Presidential Conference Committee trolley car)

Philadelphia Trolley TracksのサイトのRoute 15 / Girard Avenue Trolley
よれば,1947年製造のPCCカー18両をPCC-IIに改造した主なポイントは,
空調,
台車新調,
インバータ(IGBT)制御化,
リフト設置による車椅子対応,
Kawasakiカーに準じた運転台コンソール,
などとなっており,15年の延命を図っているそうです.

画像は Trolley Driver's Web Pageに豊富にあります.

SEPTA(Southeastern Pennsylvanian Transportation Authority)が改造を委託
した先は,Brookville Equipmentという鉱山で使われる機関車や車両などを
製造する会社で,ニューオリンズで昨春開業している Regional Transit
Authority(RTA)のキャナルストリート(Canal Street)線の車両も請け負って
いました.Brookville Equipment CorporationのサイトにもPCC-IIの紹介が
少しあります. SEPTA Trolley Cars

【ニューオリンズ】
ハリケーンカトリーナ(Katrina)によるニューオリンズの被害が徐々に明らか
にされていますが,キャナルストリート(Canal Street)では路面電車の軌道
上にパームツリーが倒れているようですし,水没してしまったところもある
でしょう.スーパードームの屋根表層を引き剥がしたほどの強風ですので,
何があっても不思議ではなく,復旧にも時間が掛かりそうです.

WWL-TV, Channel Four のサイトによる8/30現在のキャナルストリート
右側がミシシッピ川の方角で,画像には写っていませんが右側にはリッツ・
カールトンホテル(住所 921 Canal St)がある場所だと思われます.
ここでもかなり悲惨な様相を呈していますが,他の場所ではもっと深刻な
事態となっているようです.
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2005年08月29日

【BART】マイレージ制度を準備中

日常生活のあらゆる場面でマイレージやポイント制度と関わる今日ですが,
唯一聖域とも思えた通勤鉄道の世界にもマイレージ制度が誕生します.
米国では鉄道でもAmtrak(アムトラック)が,すでに購入切符の金額に応じて
ポイントが貯まるカードを導入していますが,BARTのような通勤鉄道の分野
での導入は,(ワシントンDCで地下鉄やバスを管轄するMetroが行っている3年
間の試験的なものを除くと)米国では初めてになるそうです.

下記の記事に記されていますがBARTの利用者は,国内線の格安運賃で人気の
高いサウスウェスト航空や,米国で最も混雑するアトランタの空港の利用者
よりも多いため,航空会社のマイレージ制度よりも大きな市場になるはずと
みています.

日本では事務処理の煩雑さが敬遠されるのか,それとも競合が少なくて利用
者を囲い込みする必要がないからかわかりませんが,この分野での積極的な
展開はあまり見られません.
これに対して米国では自家用車という強力な競争相手があります.今は原油
高からくるガソリン代高騰で公共交通機関へ人が流れていて順調そうに見え
ますが,少しでも収入源を増やし魅力あるものにしたいのでしょう.


BARTを利用すると,その頻度に応じてBARTの無料乗車券をもらえたり,まだ
未定ですが現金との引換えも可能にするようです.最終的には提携するクレ
ジットカード会社が決まってからになり,登場は今年末の予定です.

参考記事
BART credit card in the works Customers might be able to get cash or
free tickets with it

(San Francisco Chronicle紙のニュースへのリンク)
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2005年08月28日

【Caltrain】サンフランシスコの対岸へ

これまでサンフランシスコとサンノゼを結んでいる通勤鉄道カルトレイン
(Caltrain)が,今度はサンフランシスコ半島から海を渡って対岸まで,
早ければ2010年にも運転されることになりそうです.

現在の計画ではイーストベイのユニオンシティ(Union City)から,朝のラッ
シュ時に6本の列車が運転され,サンフランシスコ湾を渡ってレッドウッド
(Redwood)でCaltrainに合流し,うち3本は南下してサンノゼへ,残る3本は
サンフランシスコ空港そばのミルブラエ(Millbrae),又はサンフランシスコ
まで行きます.夕方の通勤時間帯にはその逆ルートです.
東岸のユニオンシティ(Union City)駅ではBARTと連絡するほか,途中駅では
Amtrakなどとも連絡できるようになります.

サンフランシスコ湾を渡るのは,BARTのようにトンネルではなく橋になりま
すが,新設ではありません.既に橋は架けられていて,しかもそれは1909年
にサンフランシスコ湾に架けられた最初の橋なのです.
参考 Walk Around a Restored Marsh

上記サイトなどによれば,Southern Pacific鉄道の貨物列車がその橋を長く
使っていましたが,オークランド港の台頭から1980年代に貨物列車の運行が
廃止され,橋はそのまま放置されていました.1990年代(後半?)には火事で
橋の西側?を失っています.
そのDumbarton鉄道橋には,途中2か所に旋回橋の部分があります.これは湾
を航行する船舶のためで,1か所は湾の水深の一番深い東側に,もう1か所は
東岸に渡りきった後の湿地帯の中にあります.
湾に残されているDumbarton鉄道橋の旋回部分の画像は,BayRail Alliance
サイトで見ることができます.
二つ目の旋回橋はMSN. Virtual Eathでしっかり確認可能です.

この橋を使って湾を横断する通勤列車を走らせる構想は10年以上前からあっ
たらしく,貨物列車が廃止されてしばらくたつ1993年(1994年説あり)には,
西岸のサンマテオ郡が権利をSouthern Pacific鉄道から買い取りました.

そこに列車を走らせるためには,橋の前後の取付け部分や,両岸を走る鉄道
線との連絡を改善するための工事もさることながら,まず20年以上使われて
いなかった橋の耐震性を高めて補修しなければなりません.湾の東側にある
旋回橋はより経済的な跳ね上げ橋に変ります.船舶の交通量がそれほど多く
ないことから,普段は橋が架かった状態で固定され,船が通る時だけ跳ね
上げられることになるでしょう.もう一方の湿地帯の中の旋回橋はそのまま
新しく作り直される予定です.

すでに資金は調達されていて,環境に対する影響の調査もほぼ終了している
ことから,何事も起きなければプロジェクトは次のステップ,着工へと進み
ます.2006年着工2010年完成で,Caltrainによる運行となる予定です.

参考記事
Commuter train over Dumbarton will connect Peninsula, East Bay
(San Francisco Examinerのニュースへのリンク)
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2005年08月27日

【シャーロット】LRT開業まであと1年半

ノースカロライナ州シャーロットでは州で初めてのLRTが今年5月から建設中
です.まだ3ヶ月足らずですが地元のニュースサイトが取り上げました.
Light-rail line begins to take shape
(News 14 Charlotteのニュースへのリンク)

シャーロットは一度も訪れたことがないので土地勘がありません.そんな時
便利なのがGoogle MapsやMSN. Virtual Eathです.リンクは中心街側の終点
となる予定のSeventh Street駅周辺を表示するばずです.

よく見るとすでにレールが単線で敷かれているようです.衛星画像を線路に
沿って南西の方角にドラッグしていくと,複線になりました.ここで交換を
行なうのでしょうか.でもLRTは予定では複線のはずで,行違い設備の必要は
ないはずです.実はこれはLRTに先立ち開通していたシャーロットトロリーの
線路でした.このトロリー=路面電車は,路線が非電化のうちに開業していま
すが,架線が張られるまでの何年かの間は,発電機をぶら下げて運転されて
いました.線路は将来LRTと共用するようです.

この路面電車は,1938年までシャーロットを走っていた車両を改造したもの
をはじめとして,いずれも車齢50年以上のつわもの揃いです.なおこれとは
別に,将来はダウンタウンに路面電車を復活させる計画もあります.

建設中のLRTの詳細は,CATS=Charlotte Area Transit Systemのサイトが参考
になります.開業は2007年春を予定していて,工期が2年と短いのは路線の
ほとんどが貨物線など,すでに線路が敷かれた場所を通るからでしょう.
CATS / Rapid Transit Planning / South Corridor
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2005年08月26日

【タンパ】沿線住民にも路面電車税を

フロリダ州タンパの路面電車が,いかにも順風満帆のように先日は書いてい
ますが,実は予期しなかった保険などが嵩んで昨年は210万ドルの営業損失に
なりましたし,問題も抱えているようです.

運営費対策では,これまで沿線の商業者だけに課税していたものを,住民に
まで対象を広げた新税にすることが可能かどうか調査することになります.
New Streetcar Tax Could Be Studied
(Tampa Tribuneのニュースへのリンク)

沿線は米国の住宅景気に支えられているのか,コンドミニアムの建設が進ん
でいて,それにより住民が増えれば路面電車税(正式にその名前が付いている
わけでなく,ここで便宜的にそう呼ぶだけの税金)による収入増が期待できる
とみています.

この調査までは市議会が承認しましたが,実際に住民らが路面電車税を払う
ことになるかどうかは未定です.水道料金の値上げも予定されていますし,
一部の住民は渋滞の一因となる路面電車に反感さえ持っています.
元々コンベンションセンターやホテルなどのシャトル輸送を目的にしていて
観光客向けです.計画時には住宅景気でコンドミニアムが建つとは考えられ
ていませんでした.

路面電車沿線ということで土地が値上がりした地主は別として,商売を営む
人には,線路から離れていて恩恵にあずかれないと不満もあるようです.
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2005年08月25日

【ミュンヘン】中央駅〜空港が10分で

先週末ドイツ連邦政府が,トランスラピッド(Transrapid)=磁気浮上式高速
鉄道に1億1300万ユーロを投入することを表明し,これまで対象とされていた
長距離の分野だけでなく近距離での活用も視野に入れ,車両や設備などの
更なる開発が可能になりました.
Federal Government gives 113 million euro for advancement of the
Transrapids
(Die WELTのニュースへのリンク)
113 Millionen Euro-Spritze für Transrapid
(tagesschauのニュースへのリンク)

これを受けてミュンヘン中央駅からフランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港
までを結ぶトランスラピッド建設計画に大きな弾みがつくことになります.
発表を行ったシュトルペ(Stolpe)連邦運輸相(Bundesverkehrsminister)は,
"Es ist Zeit, dass wir das jetzt machen."(今こそ我々がそれを造る時)
と発言したほどです.

計画では中央駅から空港まで約37kmを約10分で結びます.先に上海で実用化
された路線より若干長く,運転間隔は上海は伝え聞くところ20分間隔だそう
ですが,ミュンヘンでは10分を計画しています.ルートは最終決定案かどう
かは判りませんが,Magnetbahn-Bayernのサイトによれば,空港から郊外まで
アウトバーン92号線に沿って走り,外周道路に達してから中央駅まで一気に
南下するようです.鉄道ではS1系統(Sバーン)のほうに近いルートです.
早ければ2007年に着工とか.もしも来月の総選挙で政権が変わっても,方針
が変わらないで欲しいものです.


余談ですが,
米国もラスベガスとアナハイム(ロサンゼルス近郊のディズニーランドのある
所)を磁気浮上式高速鉄道で結ぶ計画が1988年からあります.これまで地道な
調査には予算が出ていましたが,先月ついに連邦政府が4500万ドルの予算を
計上して,まず第一期としてラスベガスから42マイル(約67km)離れたPrimm
までの建設が早ければ2008年に始まるかもしれません.もちろん今回の予算
だけでは着工まで至らないものの,環境調査などを済ませられます.
New federal funds revive Maglev project
(Las Vegas Business Pressのニュースへのリンク)
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2005年08月24日

【サンディエゴ】PCCカーの復活を夢みて

米国では多くの都市で市街地に路面電車を復活させようとする動きが活発に
なってきています.都心の経済再生の起爆剤としての期待が持たれている
からです.車両は観光客からの注目を集めるために,ほとんどがレトロ調の
ものを投入しています.
米国ではバスには乗らない人でも,軌道を走るトロリー(路面電車)なら乗る
という人が多いようです.


カルフォルニア州に限っても,2003年にはサンペドロで新規開業しています
が,ここでは週に三日だけの運転で,車両もかつてロサンゼルスを中心に
縦横無尽に走っていたRed Line Carを改造したものと,そのレプリカで運用
されています.いずれは延長されて都市の交通機関としての役目も果たす
計画がありますが,今の段階では完全に観光用と言ってもいいでしょう.
いずれ機会があれば紹介したいと思います.

すでにLRTが走っている街でも,経済効果と観光客集めなどのため,古典的な
電車を日時や路線を限定して復活させているケースがあり,西海岸の有名な
街だけでもサンフランシスコ,サンノゼ,ポートランドなどがあります.

前置きが長くなりましたが,すでに真っ赤なトロリー(LRT)が1981年から走っ
ているサンディエゴでも,元の市議会議員がかつて13年間だけサンディエゴ
の街中を走っていたPCC(Presidents' Conference Committee)カーを復活
させようとしています.
Nostalgia on wheels
Ex-councilman wants old electric streetcars refurbished and back in
operation downtown
(San Diego Union Tribuneのニュースへのリンク)

この記事によれば,復活させようと目星をつけているPCCカーは,かつては
サンフランシスコを走っていた車で,現在はサウスレイクタホで保存されて
います.残念ながらこれは戦後モデルで,サンディエゴを走った戦前モデル
ではないですし,PCCカーはサンディエゴの当時の路面電車の中では新参者
でしたが,PCCカーなら十分ノスタルジックに浸れますし,こだわってずっと
古い車両にするよりも,整備や保守もしやすいと考えているようです.

この話は車両の購入もまだですし,購入後も実際に走れるようになるまでは
最低でも2年かかりますが,是非頑張ってもらいたいものです.

記事ではこの他,先日紹介したタンパの新規開業の話や,1992年までPCCカー
を使っていたフィラデルフィアが,9月に現役復帰させる話も載せています.

フィラデルフィアの件は興味深いので調べてみましたが,なんと台車は新造
され,冷房化改造も施され,もちろん車椅子用のリフトも搭載されるという
ほとんど新車に近い形になったPCCカーが使われます.
すでに準備ができているように見えるにもかかわらず,1年以上再デビューは
お預けになっているようです.それはPCCカーの新しい車庫の出入口で沿線の
住民が道路規制に反対しているからだとか,色々情報が飛び交っているよう
ですが,一部には9/04から運転開始の情報もありました.
8/25追記,8/24付けSEPTAのダイヤ改正プレスリリースには,PCCカーを投入
予定の15系統の記載がありませんでした.

こちらもニュースになったらいずれ紹介したいです.

先日サンディエゴを訪れた際には,トロリーの車庫に先月開業したグリーン
ライン用の部分低床車SD 70の他に,見慣れないクラシック車両を見かけたの
ですが,なんとウィーンからやってきた車両とのことでした.やはり営業線
での復活があるのかと期待しましたが,先日8/06に San Diego Electric
Railway Association
が管理するナショナルシティの車庫へトレーラーで移動
していったそうで,この車両の復活はどうやら望み薄のようです.
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2005年08月23日

【ロサンゼルス】LRTゴールドラインは鈍足で不評

米国では路線に色の名前がつけられることが多いですが,ロサンゼルスでは
Metro Rail(地下鉄とライトレール)にGold Lineがあります.
開通は新しく2003年7月ですから,ようやく2周年を迎えたばかりで,現在は
ロサンゼルスのユニオン駅とパサデナ(Pasadena)とを結んでいます.しかし
当局の予測を大きく裏切り,利用者数が低迷しています.

理由は14マイル(22.4km)に36分前後を要する足の遅さが指摘されています.
計画段階では29分だったそうですが,一部沿線住民が警笛などの使用中止を
求めてきたため,その場所では安全のため徐行を余儀なくされるなど,想定
外の速度制限が積もりに積もって所要時間が長くなったようですが,これが
利用を検討していた人たちから敬遠されたのだと言われています.
確かに目一杯全力疾走するロングビーチへのブルーライン専用軌道区間から
比べると,ゴールドラインの走りは途中で眠くなります.


パサデナの地元紙のウェブサイトに掲載された記事,Gold Line no golden
arches
によれば,ゴールドラインなどを運営するLACMTA(Los Angeles County
Metropolitan Transportation Authority)では,対策として急行運転を現在
検討中だとか.
しかし待避線もない中でどんなダイヤを組むのかや,途中通過駅への対応は
どうするのかなど,実現までにはまだ難問が山積みでしょうし,若干の時間
短縮だけで果たして利用者が増えるのか疑問です.


ところでゴールドラインは2009年末ごろ路線が延びることになっています.
ユニオン駅から東に向かい,リトルトーキョーを経てイーストロサンゼルス
地区まで6マイルの工事が昨年から始まりました.(Eastside Extension)

Flickrで見るゴールドラインEastside Extensionの看板
Coming Not So Soon (Uploaded on June 28, 2005 by Fire Monkey Fish)

さらにパサデナからも東に延長する計画(Foothill Extension)があり,先月
末に連邦から予算がつきました.これでそれまで渋っていたLACMTAもついに
重い腰を上げ,正式なプロジェクトとして立ち上がることになるでしょう.
Gold Line Extension Switches to Fast Track
(LAタイムズの記事へのリンク)

パサデナから東のFoothill Extensionは24マイル(38.4km)で,2014年開業を
目指します.これまでLACMTAが及び腰だった理由はわかりませんが,反対者
は,南側にLACMTAも一部出資するMetrolinkのSan Bernardino Lineが走って
いて,これと競合するのではないか主張していました.一方Metrolinkの
San Bernardino線が線路容量の限界からこれ以上は増発できず,ゴールド
ラインの延長は必要という見方もあるようです.
ただ今の速度では延長の末端部からユニオン駅まで75分前後も掛かることが
予想され,ライトレールの車両で一時間以上の乗車は大変なのではないかと
思います.


最後にゴールドラインでは現在シーメンスのLRVが使用されていますが,来年
以降はこれにAnsaldobreda社の50両が加わる予定です.
Metro Inspects New Italian-made 2550 Light Rail Vehicle
(MTAのニュースリリースへのリンク)
LAでAnsaldobreda社の車両は,ブレダ時代のRed Lineで実績があります.
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2005年08月22日

【タンパ】路面電車に落雷

今月初めにもミネアポリスのLRTが,変電所への落雷でストップするなどの
ニュースがありましたが,今度はトロリー(路面電車)に直撃です.

路面電車への落雷というのはあまり聞きませんが,絶対数が少ないからで,
鋼鉄製ボディにトロリーポールですから,雷には絶好の標的ですね.

Lightning strikes Tampa trolley
落雷を受けた時トロリーは停車中で,屋根から火が吹きましたが車掌が消し
止めて事なきを得ました.また誰も乗っていなかったそうです.

フロリダ州には一度も足を踏み入れたことがないのですが,タンパは落雷が
多い場所のようです.NHLにもライトニング(Tampa Bay Lightning)という
チームを持っているほどです.

タンパでは2002年秋にダウンタウンを走るトロリー(路面電車)が復活しまし
た.Birney Safety Carsのレプリカ車両です.(Gomaco Trolley Company製)
タンパも1946年まで路面電車が走っていました.今回の復活はルートが違い
ますが,先代がBirney Safety Carで,今回のレプリカは通し番号になって
いる懲りようです.なおモーターや台車枠などは,イタリアはミラノの路面
電車から部品が流用されましたが,もちろん車椅子対応と必需品のエアコン
が取り付けられたほか,交差点信号機の優先権を与えるトランスポンダー
など,現代の路面電車に必要な機器が一通り搭載されています.
これらの情報は,Transportation Research BoardのLRT News Vol 18, No.2
に詳しく掲載されています.

沿線にはホテルをはじめコンベンションセンター,クルーズ船ターミナル,
水族館などが建ち並び,運営に際しては民間企業の強力な支援のもと非営利
企業を通じて沿道への新税導入,命名権付与などと引き換えの寄付金,広告
収入,そして片道$1.50の運賃収入によって賄われます.また最初の3年間は
Hillsborough Area Regional Transit (HART)からのCMAQ(congestion
mitigation and air quality)基金も使われます.
(タンパはHillsborough郡に属しています)

American Public Transportation Association(APTA) Heritage Trolley
SubcommitteeのTampa Project Descriptionのページが参考になります.

タンパ TECO Line (公式サイトへのリンク)
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2005年08月21日

【ボルドー】トラム 地表集電は信頼性を取戻したか

ボルドーにはAPS(Alimentation par de Sol)という特殊な地表からの集電に
より,路面走行にもかかわらず,架線からではなく第三軌条で走る路面電車
(トラムウェイ)が2003年末に登場しています.架線をなくしたのは一部区間
だけですが,街並みの景観を守り,消防はしご車の通行の妨げにならない
ようにするためだったそうです.このため単に広場を横切る程度の長さでは
なく,例えばB線の架線なし=APS区間は,乗車時間20分弱にもなります.

実際に歴史的建造物の周辺などでは,架線レスというボルドーの選択は正し
かったと誰もが実感すると思います.
ビクトワール広場BOD Victoire

しかし一方で技術的にまだ時期尚早だったと思われるAPSシステムは,開業の
初日からトラブルに見舞われます.
その後も毎日のように電気系統のショートなどで電車が立ち往生し,運転が
再開されるまで一時間以上待たされることが半ば日常茶飯事となってしまい
ました.立ち往生した電車が他の電車に牽引されていったり,軌陸車がやっ
てきて牽引していったこともあります.
軌陸車のお世話に...BOD unimog

業を煮やした当時のアランジュペ市長は,APSの製造元アルストム社に対して
目標の定時運行率に達しない場合には,APSを止めて普通の架線集電に切替え
るようにと圧力を掛けてきました.ここまでは有名な話です.

地元のSudouest紙のサイトには,開業前からトラム関連記事専用のページが
用意されています.以前はトップページからのリンクがありましたが,最近
リンクがなくなったので,もう関心が薄れたのかと思っていました.つまり
APSによるトラブルも少なくなったのだろうと思ったのです.

しかし現実は違ったようでした.
トップページからのリンクがなくなっていたものの,ページ自体はスリム化
して存続されており,今年6月にもやはりAPSによるトラブルが記事になって
いました.詳細はフランス語で解読できませんので省略しますが,A線の末端
部分に飛び地のようにあるAPS区間が,今後架線集電式に変わるのではないか
と思わせる記載があります.A線末端区間には本来の目的ではなく,自治体の
見栄のためにAPSが採用された場所があります.しかしAPSトラブルによる
トラムのたびたびの運休で.CenonとLormontも根を上げたのでしょう.

わずか一停留所間だけのAPS区間(Lormont)
BOD Bois Fleuri
(芝生になっている場所に架線柱がありません)

その他に7月の記事ではA線延長の話題が載っています.
A線延長の予定はたびたび延期されてきましたが,現在のところ9月末を予定
しています.記事では先月19日に初めて試運転電車が走ったことが記されて
いました.これで第一期開業区間が全通することになりますが,延長される
2.8kmにも一部にAPS区間が設けられています.
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2005年08月20日

【ボストン】シルバーライン BRT対LRT

先日シルバーラインの紹介をしたばかりですが,補足と新しい話題が入って
きましたので再び書かせていただきます.

まず補足からですが,MBTAがワシントン通りにシルバーライン(BRT)を整備
したのが,裁判所命令を受けたからと一部のサイトにあった件です.
これらのサイトはWikipediaを参照していました.しかし参照元のWikipedia
では,その部分が修正されています.自由に加筆修正できるWikipediaですの
で,裁判所命令というのは話を面白くするための脚色だったのでしょう.
Silver Line critiques (Wikipediaへのリンク)

追記 :
オレンジライン移設の経緯などを,日本語で記したサイトがありました.
そのほかボストンにまつわる興味深い話が満載のブログです.
Bostonが夢見たもの〜1.オレンジと緑の物語
Orange Lineにまつわる物語
(*Harvard Design留学 日々雑感* ブログへのリンク)

シルバーラインは第二期まで2路線が完成済で営業中ですが,すでに紹介して
いる通り,2路線は互いに接続していません.その2路線を連絡するトンネル
がシルバーラインの第三期(フェーズ3)でした.

まだまだ計画を練っている段階で,トンネルの位置さえ決まっていなかった
のですが,それは周辺住民やトンネル出入口となりそうな病院からの反対が
思いのほか強かったからです.反対意見が多いと連邦からの予算も獲得でき
なくなります.このためMBTAはこの計画を一時棚上げすると発表しました.
あくまで一時的な保留であり,中止ではないとしているようですが,反対派
は勢いづくことでしょう.

その反対派にはLRTを推すグループもあります.1987年にワシントン通りの
高架が撤去され地下鉄オレンジラインが去って以来,話が出ていましたが,
今がアピールする千載一遇のチャンスかもしれません.ルートは現在のシル
バーライン(第一期)が走るワシントン通りから,グリーンラインの地下駅
Boylstonまでを結ぶもののようです.

参考記事
Taking a step back on plans for tunnel
Silver Line opponents see chance to kill plan
その他の多数記事あり
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2005年08月19日

【シアトル】どうなるモノレールの将来

シアトル市内の足として期待されているモノレールプロジェクトが今存亡の
危機に立たされています.

【シアトル】43年目のモノレールでも少し書きましたが,スペースニードル
へ向かう今のモノレールを取り壊し,新たに14マイル(22.4km)にも及ぶモノ
レールをシアトル市内に建設して,道路渋滞を解消しようという計画があり
ます.2002年に市民投票で承認された,自動車を登録する際に1.4%を上限と
して課税される物品税(Motor Vehicle Excise Tax)によって賄われるものです.
(Motor Vehicle Excise Taxのリンク先はSMPのサイトになります)
SMP=Seattle Monorail Project

しかしその新モノレール(グリーンライン)計画が頓挫しそうです.
SMPが6月に発表した計画が猛反発を受けたところまでは紹介済ですが,おさ
らいしておくと,自動車登録時の税金が将来予測を下回って,十分な財源が
確保できない恐れが出てきたことと,当初予測よりコストが掛かることで,
それを踏まえたSMPの計画は,2050年まで膨大な利子を払い続けることになる
のですが,それが反感を買いました.

SMPは幹部を辞職させるなど出直しを図りますが,事態は悪化の一途でした.
まずこの混乱で住民は嫌気がさしたのか,先週行われた調査では,今投票が
行われたら,モノレール計画は葬り去られるだろうという結果が出ます.
調査対象のうち56%がモノレールの計画中止を求めました.
Seattle's Love Affair With New Monorail Is Fading

SMPには選択肢が一応二つありますが,一つは増税ですので非現実的です.
となるとあとはコスト削減しかなく路線短縮案が浮上しました.しかしどの
区間を残し,どの区間を切るかの調整は難航が予想されました.

そこへ今度はシアトル市長が結論を9/15までに出すよう求めてきます.
11月に行われる住民投票でこの件を諮るためには,9月下旬が締切りだったの
です.期限までに結論が出なければ市の建設許可を撤回するとまで言われて
SMPは窮地に立たされました.

そのような状況下で8/17夜,SMPは3時間に及ぶミーティングを開きました.
まず数々の都市で交通関係の要職に就き,トラブルにまみれたラスベガスの
モノレールを窮地から救っている人が,臨時に11月末までSMPを率いることが
発表されます.一時間$240という高給で,ますます予算を圧迫しないか心配
ですが,SMPは高給に見合うだけの実績を他都市であげているとしています.

ところが今度はSMPと契約して建設を請負うCascadia Monorail Companyが,
路線の短縮だけではコスト削減額が全く足りないと言い出してきました.
いやはや一体どうなってしまうのか,とりあえず来週シアトルにやってくる
臨時代表の手腕に,モノレールの行く末は掛かってくるようです.

Seattle TimesによるThe Green Line 路線図

参考記事
Shortened monorail route may not save enough
Shortening Monorail Won't Save Enough Money
Bay Area transit expert tapped as monorail chief


米国にも言えるのかどうかはわかりませんが,ニュースの夏枯れというこの
時期に,モノレール計画はマスメディアに随分とネタを提供しています.
(逆に言えば夏枯れだからこそ他にニュースがなく露出機会が多いのかも)


シアトルではLRTも建設中ですし,路面電車は既にあって新設も計画されて
います.そこへ違うタイプの交通機関を建設することが,将来に禍根を残さ
ないかと心配するところです.
このモノレールはシアトル市内だけを走る予定で,ピュージェット湾の周辺
全域に将来走る可能性があるLRTとは管轄が別となることから,別システムも
一向に構わないようですが,これでは利用者不在ではないでしょうか.
また道路混雑解消のため路面を走行するのでは意味が無く,高架を走ること
が前提とされ,それにはLRTよりもモノレールのほうが安いという頭がある
ようです.もしかすると43年前から走っている現モノレールの執念なのかも
しれません.

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2005年08月18日

【ポートランド】大成功のストリートカーは来夏も路線延伸

米国では市街地再活性化のためストリートカー,路面電車を再導入しようと
計画中の都市がいくつも出てきています.さきごろ法律化された連邦政府の
トランジット・ビルでも,大半が道路予算に割り当てられていますが,全米
19の都市に路面電車復活のための予算がおりているのです.リストがあるわ
けではないので確信は持てませんが,各地のニュースサイトを見る限りでは
この数字は路面電車の分だけで,ライトレールトランジット(LRT)はその数に
含まれていないでしょう.

路面電車というと,速度が遅くて移動手段としてはあまり使い物にならず,
せいぜい観光客が好むトロリーのような印象が米国でもありました.しかし
それを覆したのが4年前に復活したポートランドの路面電車です.
いま都市再開発の専門家の間では,路面電車の復活がダウンタウン再活性化
にとって欠かせないものになってきたと言っても過言ではないのでないかと
思います.

そのポートランドのストリートカーは,今年3月に1km弱路線を延長していま
す.終点となったRiver Place地区は,それまでの沿線風景と違ってまだまだ
人通りもまばらな上,1軒のホテル(Residence Inn)とオフィスビルが1棟ある
だけですが,今後は開発が期待される場所だそうです.

そこからまた更に1km弱の延長工事を行っており,すでに工事は完成して先週
10日には試運転電車がもう走ったそうです.新しく終点となるSW Gibbs通り
とMoody通りの交差点周辺も,多少古い2002年ごろのものと思われる msn.
Virtual Earthの衛星写真
などで見る限り,まだ未開発の場所のようですが,
来年には高層マンションが2棟完成し,春以降入居が始まるそうです.

またmsn.Virtual EarthへのリンクにはOregon Health & Science University
の検索結果が出ていると思いますが,ストリートカーの終点となる場所から
その大学までロープウェイが建設中で,そちらも来年秋には完成予定です.

今からでもすぐ開業できそうな勢いですが,まだお客がいないのですぐには
開業しないようです.最速でもコンドミニアムへの入居が始まる来春になり
ますが,実は車両が足りないという事情もあるようです.
現在チェコ製の部分低床車が7本在籍していて,このうちの2本が予備で5本を
基本として運行しています.今回の延長に備えて3本追加発注していますが,
その到着は来年7月になるとのこと.それまで5本だけで運行しようとすると
運転間隔が今の12-13分から伸びてしまい好ましくありません.また予備車を
1本にすることも検討されていますが,不安が残ります.

ポートランドではMAXやストリートカーに今の時期は復古調の路面電車,ビン
テージトロリーも助っ人として休日を中心に運転されていますが,その車両
を新しい延長区間のみシャトル運転したらどうかという案も出たそうです.
今年3月の延長区間にはポートランド一の急坂があり,ビンテージトロリー
ではその坂を上り下りできないため,末端に封じ込めてシャトル運転にする
しかないのですが,それでは車椅子対応ができないため問題があります.

簡単に結論が出る問題ではないため,結局何もしないで来夏まで待つことに
なったのか,それともまだどうするか決めていないのかは判りません.

ポートランドのストリートカーの詳細は,英文になりますが,LightRailNow
の特集ページ
も参考になります.

ポートランドのストリートカーには,市民に向けた諮問委員会が設けられて
いて,その都度状況報告を行っています.委員会は一般に公開されて傍聴が
可能なほか,ウェブサイトで簡単な議事録を読むこともできます.
今回はその議事録をニュース代わりに参考としました.
Portland Streetcar Citizen Advisory Committee Minutes Listings

1995年からポートランドの南のLake Oswego市までWillamette Shore Trolley
が土日を中心に運転されています.2002年まではRiver Placeをポートランド
側の起点としていましたが,今回話題のPortland Streetcar延長工事に伴い
出発地点が南に移ってしまいました.
かつて乗降していたと思われる地点の衛星写真 (msn.Virtual Earthへのリンク).
その位置から160m南に移動したSW Moody通りとの交差点の現在(2005年5月)
PS sw Moody ave
撮影は南向きで,2002年までWillamette Shore Trolleyが走っていた線路は
この通りで分断されてしまいました.SW Moody通りは現在ストリートカーが
走っている道路です.
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2005年08月17日

【ボストン】地下鉄の路線図にシルバーライン

ボストンの地下鉄やバスを運行しているMBTA(Massachusetts Bay Transport-
ation Authority)では,駅に掲示している路線図が古くなったので更新する
と発表しました.現在の路線図には2002年の夏に鳴り物入りで開業したシル
バーラインが載っていないばかりか,グリーンライン地表区間の最近閉鎖
された4停留所が消されずに残ってたからです.
さらに場所によっては,1985年以降運休中のグリーンライン地表区間E支線の
末端部がまだ残ったままの路線図もあるそうです.

何とものんびりした話ですし,わざわざ報じるほどのことでもないと思います
が,シルバーラインが載っていないことと,路線図が一枚$40で600枚交換が
必要という費用のことを知らせたかったのでしょうか.

ボストンは最後に訪れたのが2000年の12月で,最近の情勢には疎いですが,

LRTのグリーンライン地表区間で最近閉鎖された4停留所というのは,B支線の
Greycliff Road, Mt. Hood, Summit Ave, Fordham Roadだと思われます.
昨年夏から地元とも合意の上で行われ,所要時間短縮が狙いのようです.

路線図に載っていなかったシルバーラインとは何でしょうか.
新しく地下鉄かLRTが開通したのかと思いきや,実はBRT(bus rapid transit)
の路線でした.BRTは【シアトル】LRTは湖に浮かぶ橋を渡れるか?で説明して
いますが,専用レーンなどを走り高速化を図ったバスです.

allaboutsilverline.comに路線図がありますが,シルバーラインは実はボス
トンに二ヶ所にあって,お互いが連絡しているわけでもありません.BRTを
地下鉄のように案内したいために,バスの色から名づけられたようです.

あとから2004年に開通した第二期区間では,デュアルモードの連接トロリー
バスが使われています.ボストン南駅からワールドトレードセンターに至る
までは,バス専用のトンネルをトロリーバスモードで走り,地上に出た後は
通常のエンジン走行となります.ちょうど昨年までのシアトルと同じような
感じなのでしょう.今年6月からはボストンハーバーを Ted Williamsトン
ネルで潜りローガン空港まで乗入れする系統も新設されました.

最初に開通した第一期区間のほうは,1987年まで地下鉄のオレンジラインが
高架で走っていたワシントン通りをバス専用レーンで行きます.
実はそこにMBTAがシルバーラインを地下鉄と同等に扱う理由がありました.

ワシントン通りは高架鉄道のオレンジラインが走っていましたが,オレンジ
ラインが1987年に西側に移動してしまいます.高架が老朽化したからなのか
理由はよく判りません.オレンジラインはMBTAの郊外列車やAmtrakが走る
線路沿いに移っていったのです.バスだけになってしまったワシントン通り
沿線住民のために,MBTAは交通機関の整備を約束しますが,その結果がBRT
のシルバーラインでした.一部のサイトに鉄道を奪ったMBTAへ裁判所が交通
機関の整備を命じたともありますが,詳細は不明です.

このような背景もあり,また他のバス路線との差別化も図りたいからこそ,
地下鉄と同じようなネーミングにして,地下鉄の路線図にシルバーラインを
入れる必要があったのでしょう.

参考記事
Signs of the times: T station maps to get much-needed updates
(Boston Herald紙のサイトへのリンク)
このほかAP配信として多数のニューズサイトで掲載あり
追記 :
オレンジライン移設の経緯などを,日本語で記したサイトがありました.
そのほかボストンにまつわる興味深い話が満載のブログです.
Bostonが夢見たもの〜1.オレンジと緑の物語
Orange Lineにまつわる物語
(*Harvard Design留学 日々雑感* ブログへのリンク)

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2005年08月16日

【ニューヨーク】地下鉄駅の半年間閉鎖

地下鉄R系統とW系統のCortlandt St.駅が,今週末の8/20から少なくとも半年
間,工事のため一時的に閉鎖となります.
地下鉄R線とW線のCortlandt St.駅は,マンハッタン南部のワールドトレード
センターがあった横にあり,ミレニアムヒルトンホテルのドアから一番近い
出入口がある地下鉄の駅でしょう.
なお同名の駅が地下鉄1系統と9系統の路線にもありますが,こちらは2001年
9月以降閉鎖のままで,電車は通過しています.

今回の工事は,地下鉄が昨年より建設を開始したFulton Street Transit
Center駅と,マンハッタンとニュージャージーを結ぶ地下鉄PATH(Port
Authority Trans-Hudson)がワールドトレードセンター跡地に建設する新WTC
駅(The permanent World Trade Center PATH station)を結ぶ地下連絡通路の
建設のためです.
PATHは,先ごろ川崎重工の米国現地法人Kawasaki Rail Car, Inc.に340両の
新車を発注して日本の新聞でも報道されました.


Fulton Street Transit Centerは,現在その周辺で複雑に絡み合う6つの駅を
統合するもので,乗換えの便宜を図るほか,老朽化した駅施設を再生するの
に加えて,これまで地下で分断されていた2駅に新たに連絡通路を設けます.
連絡通路は3駅間となる予定でしたが,最近の発表では予算不足で一ヶ所が
計画から削除されてしまいました.

古いもので1905年開業(レキシントン街の4系統と5系統が走るFulton St.駅)
から,新しいものでも1932年開業ですし,それぞれ当時は異なる会社が建設
していたわけですから大変なのでしょう.完成予定は段階的に2007年秋から
2008年冬に掛けてとなっています.

PATHの新WTC駅は,やはり段階的で2006年末ごろから最終的には2009年に全て
完成の予定で,この段階でPATHを含む地下鉄15路線にフェリーを加えた一大
交通拠点が出来上がり,一日25万人の利用が予想されています.

Fulton Street Transit Center (地下鉄を運営するMTAのサイトへのリンク)
Cortlandt Street R/W Station Closure
(一時閉鎖を告げるLowerManhattan.infoのサイトへのリンク)

WTC仮駅 (2005年3月現在)
WTC temporary
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2005年08月15日

【シュツットガルト】路面電車時代に幕

ドイツのバーデンビュルテンベルグ州シュツットガルトで最後まで路面電車
として残った15系統も,その路線の南側から順次シュタットバーン化工事が
始まります.南側の完成は2007年を,一部をトンネル化する北側は2010年の
完成を目指しています.

南側の区間には2002年冬に乗ったことがありますが,曲がりくねった坂道が
印象的で,軌間が広がり車両も大型になるシュタットバーン化が,果たして
ここでも可能なのだろうかと思ったものですが,2003年にSSB(Stuttgarter
Straßenbahn AG)は15系統のU15への変換を決断しました.

路線図を見てもわかる通り,15系統の南側の終点はすでにシュタットバーン
となったU7系統が走っており,他の場所のシュタットバーン化と異なり郊外
へ路線を延長するようなこともなく効果は限定的です.それでもシュタット
バーン化に踏み切ったのは,路面電車(GT4)の車齢が40年を超えてお金が掛か
るようになってきたことや,沿線住民がバス転換に反対したからでしょう.
"Arbeitskreis Linie 15"というワーキンググループも結成されていました.
延長はないと書きましたが,現在の終点Ruhbank(Fernsehturm)でU7の線路と
つながる予定ですので,U7の郊外方面への直通はあるかもしれません.


SSBの 路線図 (UrbanRail.Netのサイトへのリンク)

なお下の記事によりますと,ドイツ語の記事ですので怪しい解釈かもしれま
せんが,
SSBによる変換工事そのものは9/05からで,それに先立ち現地時間の
本日8/15より道路のバイパスが使えるようです.

SSBのサイトによればダイヤ改正が9/12に行われ,15系統の工事が行われる
南側では所要時間が2-3分長くなっています.

参考記事
Ende der Straßenbahn-Ära eingeläutet
Arbeiten zur Umstellung des 15er auf Stadtbahnbetrieb haben begonnen - Umleitungen ab 15. August

シュタットバーン(Stadtbahn)
ひとことで言えばドイツのライトレールトランジット(LRT).
シュツットガルトでは,古くからあるシュトラッセンバーン(Straßen-
bahn)=路面電車の発展形として,中心部軌道の地下化が完成した後の1985年
から,軌間を従来の1000mmから標準軌の1435mmに,車両も大型化して路線も
郊外まで延長するシュタットバーン(Stadtbahn)への変換を進めてきました.
路面電車の運行を続けながら変換を行ったため,シュツットガルトでは軌間
の違いからレールが3本並ぶところが随所に見られ,地下区間では路面電車と
シュタットバーン車両の床高さの違いから,低いホームと高いホームが混在
しています.

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2005年08月14日

【ダルムシュタット】ドイツ初 グリーンエネルギーで走るトラム

ドイツヘッセン州のダルムシュタット(Darmstadt)は鉄道で一度通ったことが
あるだけで,フランクフルトやマンハイム,ハイデルベルクなどに近いため
いつでも行けそうな気がして,街自体を訪れる機会がありませんでした.

そのダルムシュタットでドイツ初となるグリーンエネルギーで走るトラムが
このほどお目見えしたそうです.
HEAG mobilo investiert in Umweltschutz
Eine Straßenbahn und drei Omnibusse fahren ein Jahr lang klimaneutral
Erste Ökostrom-Straßenbahn Deutschlands fährt in Darmstadt
NaturPur-Bahn fährt klimaneutral
(リンク先は HEAG mobilo GmbHとその親会社のプレスリリースで,どちらも
本文はドイツ語になります)


英語すらおぼつかないのにドイツ語ではなおさら怪しい解釈ですが,
ヘッセン州環境省の協力の下,グリーンエネルギーで動く路面電車1編成と
バス3台が1年間走るようです.
なおグリーンエネルギーに相当する言葉は上のプレスリリースには出てきま
せんが,地球温暖化ガスの排出を減らすようなことが書かれていますので,
グリーンエネルギーと解釈しました.
またNaturPur Energie AGというダルムシュタットのグリーンエネルギー供給
会社名も出てきますが,発電方法などはよくわかりません.トラムはパンタ
グラフを付けたままですが,やはり燃料電池でしょうか.

トラムはマグデブルク(Magdeburg)でも使われている部分低床車(NGT 8D)と
同じタイプの形式ST 13で,車番は9873であることがリリース添付の画像から
判読できました.この車両は1998年製造で,これを改造したのでしょう.

ダルムシュタットの中心,Luisenplatzの衛星画像 (Google Maps)
ここは路面電車が交錯する場所で広場を横切っている様子も窺えます.

=== 訂正 ===
電車もバスも,排ガス削減のスローガンを掲げたラッピングだけの話で,
動力源は従来どおりです.三ヶ月以上前のものですが訂正させてください.
お騒がせしました.

乗降客らで賑わう街の中心部,ルイーゼン広場(Luisenplatz)の電停に
停車中のラッピング電車(9873号)
Darmstadt
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2005年08月13日

【シアトル】LRTは湖に浮かぶ橋を渡れるか?

シアトル市街地東側に広がるワシントン湖には,対岸に向けて3つの浮き橋が
掛かっていて,その長さはそれぞれ世界一位,二位,五位を誇っています.
1. Evergreen Point Floating Bridge (2,310m) 520号線
2. Lacey V. Murrow Memorial Bridge (2,019m) I-90号線 東向き車線用
5. Homer M. Hadley Memorial Bridge (1,772m) I-90号線 西向き車線用
このうち2と5は対になっていて,今回話題となる浮き橋です.

I-90(インターステート90号線)とワシントン湖の位置
Google Maps (道路地図)
msn Virtual Earth (衛星写真)

Sound Transitは,シアトルとワシントン湖の東岸に広がる地域を結ぶ公共
交通機関としていくつか候補を検討していましたが,先月はじめにはLRTか
BRT(bus rapid transit)のどちらかにすると決めていました.候補にはモノ
レールもありましたが,今回の混乱とは(恐らく)無関係で脱落しています.

もしも最終的にLRTに決めるとなると,一番問題になるのはワシントン湖の橋
でした.果たしてLRTの通行に耐えられるかという問題です.
I-90の橋は一方が2本目の橋として混雑緩和のため1989年に完成,もう一方は
先代の橋が水没したため1993年に再建されたもので,どちらも新しい橋です
が,さすがにLRTが走ることを想定していたわけではありません.

浮き橋の動きは複雑で,多くの要素が絡む上にデーターが少ないせいもある
のでしょうか,コンピューターシュミレーションだけではなく実際に実験を
行うことをワシントン州が要求したのです.とは言ってもレールを敷いてLRV
をどこかから借りてくるわけにいきません.

そこでSound Transitとワシントン州運輸省は,9月の週末に一部車線を閉鎖
して,LRTの車両重量を想定したトラックを走らせて橋の動きを観測する
ことになりました.

実験は Homer M. Hadley Memorial橋(北が上の地図では2つある対の橋のうち
の上のほう)の南側にあるHOVレーンを兼ねたExpressレーンが使われます.

LRVに見立てるトラックは重さがLRVと同じになるようにコンクリートの重し
を搭載して,計8台のトラックが4台ずつを一本のLRTとして隊列を組み,単に
走るだけでなく,橋の上を高速ですれ違ったりしてデータを収集します.

さて果たして結果はどう出るでしょう.もちろん結果が良くても即刻LRTに
決まるわけではありませんが,橋がLRVの走行に耐えられないとなれば,候補
から外されてしまいます.実験後の後追い報道があることを期待します.

flickr.comで見るHomer M. Hadley Memorial橋
(実験でトラックが走る車線はリンク先画像の真ん中になります)
Uploaded on August 8, 2005 by MistahRAY

参考記事
Trucks to pose as trains in test on I-90


Sound Transit (リンク先は公式サイト)
ピュージット・サウンド(Puget Sound)圏内の,シアトルがあるキング郡など
3つの郡の公共交通機関を整備する目的で1993年に設立.
住民投票の結果,1996年に権限を与えられ各郡に元々ある公共交通事業者と
ともに域内の鉄道,バスなどの計画から運営までを担っています.
このうちライトレールの分野では,2003年にタコマでTacoma Linkを開業させ
ているほか,2009年の開業を目標に現在シアトルでもCentral Linkの建設が
進んでいます.

BRT(bus rapid transit) (リンク先はWikipedia英語版)
名古屋の基幹バスやガイドウェイバスのように,バス専用レーンやバス専用
道路を使って路線バスを高速化したシステム.単に停留所を減らしただけの
急行バスが分類されることもあります.シアトルのダウンタウンを走るバス
トンネルもBRTになります.
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2005年08月12日

【BART】SFO空港への本数削減決定

昨日の分の続報です.
現地8/11のサンフランシスコ・クロニクル紙のウェブサイトが"Chronicle
Breaking News"として"BART Trims SFO Service"と伝えたところによれば,
日本時間8/11付けで【BART】空港へ快速運転開始か?に書いたサンマテオ郡
からの申し出のうち,平日朝夕ラッシュ時のみ延長していたRichmondからの
列車をDaly Cityまでとして,平日休日ともDaly City以南は終日15分間隔と
することを,BARTはしぶしぶ承認しました.

なお利用者数の伸び悩んでいるDaly City以南の駅の閉鎖は,少なくとも半年
見送られたため,【BART】空港へ快速運転開始か?に書いた快速運転は当分
実現しません

しかしSan Mateo County Timesの記事によれば,今年12月まで様子をみて,
改善がみられなければ来年2月から土日の2駅閉鎖がありうるとしています.
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2005年08月11日

【BART】空港へ快速運転開始か?

サンフランシスコ空港(SFO)にBARTが直接乗入れるようになって2年目の夏を
迎えました.乗入れ前にSFOでストップオーバーしたことはありませんが,
前より大幅に便利になったことは容易に想像できます.

そのSFO行のBARTに,サンフランシスコのダウンタウンから更に便利になる
快速運転が開始されることになるかもしれません.と書くと良い話のように
聞こえますが,実は逆に少しネガティブな話です.

計画では快速は土休日に限り15分間隔で運転されます.と言うか土休日には
SFO行全列車が快速運転を行い,他の系統が終着となるDaly City駅を出ると
SFO駅までノンストップというものですが,これは途中のサンマテオ郡(San
Mateo County)内の駅を経費節減で土日は閉鎖するための通過なのです.

ことの発端は,BARTとサンマテオ郡の間の確執にありました.
BARTはサンフランシスコ郡をはじめとする周辺の3つの郡の住民から税金を
得ていますが,サンマテオ郡は参加していません.そのためDaly Cityから先
SFOや終点のCaltrainとの乗換え駅MillbraeまでBARTを開業するにあたり,
サンマテオ郡は経費をBARTに支払うことになっています.

しかし2003年に開通した区間は利用者数の低迷が続き,期待はずれの状態が
続いています.予想されていた運賃収入を得られないサンマテオ郡の交通局
SamTransは,これまでにもBARTに経費削減を申し出てきました.例えば以前
ラッシュ時に運転されていた?Millbrae駅からSFO駅を経由せずに三角線の
一線を使いダウンタウンへ直通する電車が廃止されたのも,その経費節減策
の一環です.三角線の位置(msn Virtual Earth betaへのリンク)

今回SamTransはさらなる経費削減のためとして,
Daly City〜Milbrae間を終日15分間隔に(現在ラッシュ時は7分半)
系統の建替え(Millbraeへ行くのはDublin/Pleasantonからのブルーライン)
Daly City〜Milbrae間の割増運賃($1相当)
Daly City〜Milbrae間のSFO駅を除く途中2駅を土日は閉鎖

などを申し出てきました.利用者数が大きく低迷しているとは言え,最近は
微増傾向にあっただけに,BARTはこれに反対しています.

系統建替えは,現在Millbraeまで運転されているPittsburg/Bay Pointからの
イエローラインや,朝夕ラッシュ時のみMillbraeまで延長されるRichmond
からのレッドラインよりも,恐らく両数の少ないブルーラインのほうがBART
に支払う額が少なくできるからだと思われます.

BART路線図

そもそもBARTの構想段階にはサンマテオ郡は参加していましたが,その後
マリン郡とともに離脱しています.どうもその辺から歴史的に両者は仲が
良くなかったようです.加えて延長区間も開業前の利用者数予測が甘かった
のではないでしょうか.サンフランシスコ空港(SFO)駅ですらBARTの駅の中
では乗降客数が下から数えた方が早いくらいなのです.

サンマテオ郡は郡内を走る通勤鉄道Caltrainの経費も負担しています.
(San Mateo County Transportation Authority)
Caltrainは今月1日にダイヤ改正で好評の急行サービスBaby Bulletを大増発
させましたが,実はこれがBARTと競合しています.
Baby Bullet
直訳は小型の弾丸ですが,Bullet train=新幹線などの高速列車の意味も含ま
れているでしょう

サンマテオ郡が初期の段階でBART構想から離脱した際には,Caltrainの前身
だった鉄道があるのでBARTはいらないということだったようです.

BARTはCaltrainでサンフランシスコへ向かう通勤客が,Millbareで乗換える
ことを期待していました.Millbra駅はBARTとCaltrainの双方が乗換え易い
ようになっています.特にサンフランシスコへ向かう場合CaltrainからBART
への乗継は途中自動改札があるものの平面移動です.
しかしBaby Bulletの新設で,MillbraeでBARTに乗換えずそのままCaltrainで
サンフランシスコまで行った方が,運賃が安く時間も大して変らないことに
通勤客は気付いてしまいました.

BARTはSamTransのサービス削減策には反対していますが,最終的には受入れ
ざろう得ないのか,それとも何らかの打開策が出てくるのか,ここ数日中に
結論が出るかもしれません.

参考記事
SamTrans wants BART service cut
Peninsula BART Riders Could See Service Reductions
その他多数関連記事あり
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2005年08月10日

【BART】カーペットをはがされる

昨年American Public Transportation Association(APTA)が米国でナンバー
ワンの交通機関に選んだのが,サンフランシスコ,オークランドなどを結ぶ
BART(Bay Area Rapid Transit).米国で一番の通勤鉄道と言っても過言では
ないでしょう.(APRAのニュースリリース)

1995年から続いた初期車両のリノベーションは2003年に終了し,これにより
保守量が抑えられたほか,車両の信頼性も大幅に向上しています.

BARTでは通勤鉄道としては珍しく車内は絨毯敷きで,一見豪華な印象があり
ます.もちろん汚れてくると逆に見苦しくなるのですが,床全面に敷かれて
いるので車内は静かです.しかし最近これを合成ゴム製の床に交換する動き
が出てきました.
(米国では他にワシントンDCの地下鉄も車内を絨毯敷きにしています)

すでに2001年から12両だけカーペットをはがした車両が試験的に投入されて
利用者の声を聞いていたようです.否定的な意見は少なく今後2年で69両を
交換していくとのこと.そこでカーペットより高くなるだろう騒音が利用者
に受け入れられるかどうか,滑り具合はどうかなどがさらに調べられます.
BART全車両が交換されるかどうかは,その結果次第なのでしょう.

合成ゴム製の床は初期投資こそかさみますが,20年間交換なしで済むため,
経費を節減できるはずで,今後のテストで明らかにされていきます.BARTは
カーペットを7年周期で交換していました.本来は5年が推奨されています.

Flickr.comに現在のカーペット張りの車内の画像があります.
BART (Uploaded on May 30, 2005 by Craig Branagan)

参考記事
BART to cut more carpet from cars
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2005年08月09日

【サンノゼ】LRT新線の開業遅れ

サンノゼのサンタ・クララ・ヴァレー交通局(Santa Clara Valley Trans-
portation Authority=VTA)が8月12日に予定していた,CampbellへのLRT新線
(Vasona Light Rail Extention)は,9月に延期となる見込みと公式サイトで
先月発表がありました.Vasona Light Rail Extentionの路線図

当初は2006年1月開業とされていましたので,9月に延期でも予定繰上げに
なりますが,それもCampbellまでの大部分がユニオン・パシフィック鉄道
(Union Pacific=UP)の貨物線と平行していることが貢献したのでしょうか.

しかしLRTと言えども,路線が貨物線などと並走する場合にはFRA(Federal
Railroad Administration)が定めるヘビーレールに対する安全規則とも,
一部で折り合いをつけなければなりません.

延期となった理由をFRA側では,VTAが建設前に一部規則の免除申請をあげて
くれれば良かったものの,工事が完了した最近になって免除を申し出てきた
ために遅れが生じていると説明しています.

ライトレールのほうが15分間隔で電車を走らせるのに対し,UPの貨物列車は
週に3本程度のようですが,一ヶ所UPとVTAのLRT新線のレールが交差する場所
もあり,UP側では貨物列車が同じ場所を走っている時に,VTAが遠隔操作で
LRTを安全のため停止させることができるシステムの導入を求めています.

なお新線のうち一部区間,コンベンション・センターからSan Jose Diridon
(Caltrainとの乗換駅)までは先月末より運転を開始しています.
これはUP貨物線とは関係のない場所であったことと,先月末に行われたサン
ノゼ・グランプリの観客輸送のために先行開業したようです.

運行系統も昨年5月にBaypointeまで短縮されたMountain View(Caltrainとの
乗換駅)からの系統(Tasman West Light Rail Project)が,今度は8月1日より
Baypointeの手前でNorth First St.に曲がり,ダウンタウンを経由してコン
ベンションセンターから新しくできた区間をSan Jose Diridonまで,UPとの
並走区間の問題がクリアになればCampbell市のWinchester Transit Center
まで運転されることになります.VTAサイトの路線図ページ

この系統建替えで,North First St.のTasmanからダウンタウンまで二系統が
重複して走るようになり運転間隔も増えることになります.ちなみにその
ダウンタウンでは,先週と二週間後の週末の間,レール交換のためLRTが全面
運休となり,バスで代行されます.

せっかく折返し中線までつくって立派な駅になっているBaypointeは,活用
されたのは6年間だけになりそうな気配です.(world.nycsubway.orgの
San Jose Light RailページにBaypointeの画像があります)


参考記事
Delay to start of new rail line
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2005年08月08日

【ラスベガス】モノレールは慈善事業だった?

モノレールの話が出たところで場所をラスベガスに移動してみます.
ここにも公共交通機関と言えそうなモノレールが走っています.今のところ
カジノやコンベンションセンターを結ぶだけですが,ダウンタウンや空港へ
の延長構想もあります.

実はモノレールと呼べるシステムがラスベガスには4つあります.このうち
話題にするのは,昨年7月に大幅に遅れて延長開業して延長6.3kmとなった
Las Vegas Monorail のことです.他の3つはモノレールソサエティのサイト
にも載っていない?カジノ間を結ぶ米国で言う"Tram"です.
位置関係はVegas.comの Transportation Monorails が参考になります.

1995年に MGM Grandから Bally'sまでの1.1kmが既に開業しており,それを
延長する形で昨年1月開業予定でしたが,諸問題により7月まで延期されて
いました.なおGoogle MapsやGoogle Earthでは,現在Bally'sまでの時の
古い衛星写真が使われているようです.


延長後も部品が軌道下に落下する問題が生じ,昨年9月から安全性が確認さ
れた12月下旬まで運休を強いられます.また開業時の遅れや運休で,ダウン
タウンへの延長計画に対して連邦予算が付かず,棚上げ状態です.

モノレールはMGM MirageやCaesars Entertainmentといった世界に名だたる
カジノやホテルのオーナーが投資するPPP( Public-Private Partnership)
(公民が協力して効率化を図る)手法がとられ,経営はThe Las Vegas Mono-
rail Companyという独立した非営利法人が,将来得られるだろう運賃や広告
収入をあてにして発行されるネバダ州の公債を元に行うという,米国の公共
交通機関では例のない形態をとっています.しかし利用者数が期待に達して
おらず,厳しい状況に追い込まれています.

ただ一周年を迎えた最近になって,BankWest of Nevadaと3年間の車体広告
契約と,駅へのATM設置などで合意するなどの明るい話題もありました.
BankWest of Nevada monorail announcement

しかし先日,事によっては暗雲がたちこめることになるかもしれない状況が
発生しました.この会社はチャリティー・ステータス(charity status,慈善
事業扱いということ?)になっていて,2年前から州税が免除されていたのです
が,その資格が本当にふさわしいのかどうか,なぜその資格を当時得られた
のかなど,これから調査されるようです.

ラスベガスにはLRT建設計画もあります.またMetropolitan Area Express
(MAX)というバスも走っています.MAXは専用レーンを走り,まるで最新式の
LRVのようなスタイルの車両を使ったバスシステムです.

参考記事
Nevada Tax Commission to Investigate Monorail
Commission members question Vegas monorail's tax-exempt status
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2005年08月07日

【シアトル】43年目のモノレール

いくつかあるアメリカのモノレールのうちで,都市の公共交通機関として
利用されているのは,シアトルの他にはフロリダ州ジャクソンビル,ネバダ
州ラスベガスの三都市だけでしょうか.あとは遊園地や空港などで使われて
いるだけで,日本とは少し様子が異なります.

シアトルのモノレールは東京モノレールより古く,1962年3月開業ですから,
今年で43周年を迎えたことになります.最初に都市の公共交通機関と書きま
したが,実際はスペースニードルがある観光名所のシアトルセンターとトン
ネルバスの駅があるウェストレイクを結ぶわずかな距離ですから,観光用と
も言えなくもありません.しかし米国内では唯一補助金をもらわずに経営が
成り立っている公共交通機関とのことです.

車両は開業時から一度も変っていないようです.40年以上も経っているから
でしょうか,2004年5月末には運転中のモノレールが火災を起こし,その防火
対策が完了する12月まで長期運休を強いられました.

この7月にも,2本ある編成のうちの1本が運転中に突然停止してしまい,
自力では復旧できずにもう1本の編成が隣に横付けして乗客を救出すると
いうことがありました.
Seattle Monorail Gets Stuck
(横付け時の画像も掲載されています)

この記事にもあるように,立往生したのはBlue Trainのほうです.
(Blue Trainと言っても青い帯があるだけ)
その横に相棒のRed Trainを止めて,高所恐怖症の人は大変だったと思い
ますが乗客をRed Trainへ移し,故障したBlue Trainが目指していたウェ
ストレイク駅までRed Trainで行きました.

なんてことはない話なのですが,疑問がありました.
このモノレールは複線ですが途中に分岐点のようなものはなく,この5月に
乗車した時も単線並列のように見えたのです.シアトルセンターの駅は3面
2線構造で問題ありませんがウェストレイク駅のほうは1面2線なのです.
Red Trainの走る線路はウェストレイク駅にはホームがない状態で,これで
どうやってウェストレイクで下車できたのだろうと思ったのでした.今回に
限らずRed Train運転時にはどうしているのでしょう.
ウェストレイク駅では2本の線路の間隔が異常に狭くなっています.ホーム
がせいもありますが,2本に同時に車両が停車できないほどの狭さです.

しばらく自分の中だけで謎でしたが,答えをまずここで見つけました.
http://www.flickr.com/photos/oldking/17443725/
http://www.flickr.com/photos/zacmatic/22320478/

さらにモノレール好きのサイトを見てみると,このウェストレイク駅は,
Seattle Center Monorail - a Photo Essay などによれば,1986年に改造
されて現在の姿になったようです.
Monorail, Seattle -- A Snapshot History に開業当初のウェストレイク駅を
描いたポストカードの画像が掲載されています.

このモノレールは,まもなく建設される新モノレール,グリーンラインに
取って代わられるはずなのですが,2009年開業を計画しているそのグリーン
ラインは,シアトルのマスメディアに連日のように話題を提供しています.
公式サイトより見やすいThe Green Line 路線図

開業当初よりモノレールをシアトルをカバーする公共交通機関にしようと
いう動きが熱心な支持者を中心にあったようですが,いくどとなく頓挫して
いました.現在のSeattle Monorail Project(SMP)によるグリーンライン計画
は,2002年11月に市民投票によって支持されたモノレール税(正式には自動車
税"Motor Vehicle Excise Tax"の増税)を財源とするものです.

しかし予算が21億ドルに膨れ上がったことにに加えて,2050年までの利息
だけでも約90億ドルなることが今年6月下旬に明らかにされ,SMPは猛烈な
反発に遭います.その結果計画は頓挫してトップが辞職するという混乱を
招きました.今はいかに予算を少なくできるか,議論が交わされているよう
でして,昨年8月には日立の車両を採用する"Cascadia Monorail Co."
共同事業体として選ばれたものの,対抗馬だったカナダのボンバルディアの
車両を推す"Team Monorail"が巻き返しを図ったり,本当にモノレールが
必要なのかどうか,住民の声を問うべく2002年以降でも三回目となる再々
投票を求める声があがっていたりします.

The Seattle ChannelのMonorail Milestonesにこれらのことがよくまとめ
られています.

シアトルの二大新聞紙にはモノレール特集サイトもあります
http://seattletimes.nwsource.com/html/monorail/
http://seattlepi.nwsource.com/monorail/
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2005年08月06日

【シアトル】ウォーターフロントをゆく路面電車しばしのお別れ?

観光客に人気のウォーターフロント・ストリートカーは,正式にはGeorge
Benson Waterfront Streetcar Lineと最近名付けられましたが,これは
シアトルの市会議員を20年つとめ,昨年亡くなられた元薬剤師の名前が
付けられたものだそうです.(ジャズギタリストのかたではないです)
メルボルンからやってきたこのビンテージ・トロリーも,残念ながら
年内のうちに当分の間,運休に追い込まれます

理由は二つあり,ひとつは車庫の移転.シアトル美術館のオリンピック
彫刻公園(Olympic Sculpture Park)の一部に含まれているため移転を強い
られていたものの,代替地が決まらなかったので公園の工事が始まると
運転できなくなるというものです.

もうひとつは州道99号線の置換え工事のためです.99号線は現在ウォー
ターフロント地区では高架道路(Alaskan Way Viaduct)になっているのですが,
この高架は開通から今年で52年も経っていて老朽化が激しく,また2001年の
地震で高架橋と護岸の基礎部分に破損が生じたことなどから,高架道路は
地下化するなどの方向で取り壊しが検討されています.ウォーターフロント
ストリートカーは一部この高架道路の脇を走っていますので,工事期間中は
その区間を走ることができなくなるのです.

ひとつ目の車庫の問題への対応策は二つあります.
まず今の終点からさらに北に路線を1.2マイル延長し,そこに車庫をつくると
いう案で,これなら高架道路の工事期間中も,途中水族館から北側では営業
できます.これに対してもう一案はPioneer Squareへ移転するものです.
こちらは高架道路工事中は水族館から先の線路が使えても,工事で不通と
なる区間が車庫と路線を分断するため運転ができなくなります.

コストは北方延長案2000万ドル,Pioneer Square移転案900万ドルと差が
ありましたが,沿線の商業主らはウォーターフロントストリートカーが客を
運んでくれることもあり,高架道路工事がかなりの年月を要す可能性がある
ことから,2000万ドルを投資する価値があると期待しています.
【8/08追記】どちらになるかはまだ決まっていませんでした.

今の車庫の場所は,11月から彫刻公園の工事が始まるため運休となるのは,
遅くともそれまでになるでしょう.車庫の新築移転は二年あれば済むよう
ですが,高架道路の工事は2009年頃開始の予定ですので,再開できてもすぐ
運休となるか,下手すれば一旦再開せずにそのまま運休が続くのかもしれま
せん.高架道路工事の完成予定は順調にいっても2016年だそうです.

Google Mapsへのリンクと座標
現在の車庫の位置 47.615834 -122.356185
Pioneer Square 47.600506 -122.332453

参考記事
Trolley plan stirs debate over site
Trolley barn gets a boost

現在の車庫のある周辺を遠望する

Seattle Trolley Barn

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2005年08月05日

【ポートランド】全米向けLRVプロトタイプ製作に連邦資金がでる

先月末に大統領が署名して成立した交通関係への資金を調達する法案では,
資金の大部分がハイウェイ関係に使われますが,ごく一部は鉄道関係にも
割当があります.

オレゴン州クラッカマス郡(Clackamas郡)に工場を持つOregon Iron Works,
Inc.
(OIW)は,連邦から400万ドルの提供を受けて,全米向けLRVのプロト
タイプを製作することになりました.表向きはクラッカマス郡も参加して
いるポートランド周辺の公共交通機関を運営するTriMetを通じて資金提供を
受けます.

LRVと書きましたが,LRT(ライトレール・トランジット)で使用されるような
比較的大型の車両ではなく,ポートランドのストリートカーや,タコマ・
リンク
などが採用したチェコ製の低床式の路面電車タイプの車両で,
原語では"streetcar"となっています.

OIWでは政府系機関からの発注が多く,これまで乗り物関係では船の製造
実績があるようですが,取材を受けた同社の副社長は乗り気のようです.
その副社長によれば,製作されるプロトタイプはポートランドやタコマに
導入されている低床車のチェコの製造元からライセンスを得て同じような
ものになるだろうとのことです.

左がポートランド・ストリートカー,右がタコマ・リンクの車両
skoda streetcar

既にLRT向けの車両は,日本や欧州の企業が米国内に工場を構えていますし,
カナダにはこの分野で世界最大のメーカーもあります.しかしダウンタウンの
中だけを巡回するような路面電車タイプを製造するメーカーは現在米国内に
なく,古典的な路面電車(ビンテージ・トロリー)の分野でGomaco Trolley
Company
などがある程度です.そこに米国内で最新の低床型路面電車が
製造できるとなれば,従来Buy Americaルールでチェコ製電車の輸入では
得にくかった連邦予算を獲得することが容易になるでしょう.

今後はポートランドでの成功例(Streetcar)に刺激されて,LRTよりひと回り
小型の路面電車タイプを導入しようとする都市が出てくるでしょう.
Portland Tribuneの記事(下記参照)によれば,既に全米から80以上の都市が
ポートランドのストリートカー視察に訪れたそうです.都市開発とストリー
トカー建設を巧みに組合わせたポートランドの例は,Atlanta Streetcar,
Inc.のサイト
によれば,ナショナルモデルになっているそうです.

OIWのオレゴン工場は,Clackamas Town Center Transit Centerから近い
ところにあります.2009年開業予定のMAX,Green Line(I-205)がここを起点
にする予定です.

参考記事
OregonLive.com Iron Works plans to build prototype of streetcar
(8/06追加)
Portland Tribune Iron firm forges streetcar desire
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2005年08月04日

【シアトル】あの儀式はなくなっていた

シアトルと言えばダウンタウンのバストンネル(Metro Bus Tunnel)です.
今年で開業から15年目を迎えますが,当初から将来ライトレールへ転用できる
ようにレールが敷かれているなど話題が豊富でした.

いよいよLRT(Central Link)と共用するための改造工事の関係で,この9月
から2年間の閉鎖が予定されています.その間に設備を最新式にして低床
LRVでも乗降りしやすいように,路盤を掘り下げたりするそうです.
Downtown Seattle Transit Tunnel

1999年に訪れた際は,トンネル内はトロリーバスの天下でした.正確には
デュアルモードのトロリーバスで,トンネル区間だけポール集電による電気
運転を行い,地上に出るとエンジン走行でした.そのためトンネルの出入口
ではポールの上げ下ろしが見られたものです.

今年5月に再訪した際も,その儀式が見られると思っていましたが,なんと
トンネル内を走るバスがトロリーバスではありません.トロリーバスは地上だけ
になっていました.

代わりにバストンネルの主になっていたのは,ハイブリッドバスでした.
2004年末までに,それまでのデュアルモードのブレダ製トロリーバスから,
New Flyer Industries製のハイブリッドトロリーバスに全235両が置き換え
られたそうです.
New Flyer Articulated Hybrid Diesel-Electric Bus
transit.metrokc.gov/は日本からのアクセスが制限されていることがあり
ます.サーバに接続できない場合でもGoogleで検索してキャッシュで文章
だけを見ることができます.


上記サイトによれば燃費を20-30%ほど低くでき,メンテナンス面でも節約
できるそうなので,運行経費はブレダ車よりも30-50%節約できるとのこと.
キング郡のサイトによれば,ブレダ車は導入から12年経過して置換え時期
だったようです.

2007年のバストンネル(Metro Bus Tunnel)再開後もNew Flyer Industries製
ハイブリッドトロリーバスが使用され,このまま順調にいって2009年にLRT
(Central Link)が開業した暁には,一緒にトンネルを走ることになります.

Seattle Pine Street construction
Pine通りの建設現場

この下にLRTの折返し線が建設されています(ポールはトロリーバスのもの)
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2005年08月03日

【シアトル】LRTの空港乗入れに赤信号? (3)

サウスウェスト航空とSound TransitのCentral Link,これまたあまり関係
なさそうな組合せですが,LRTの空港乗入れに影を落とすことになります.

サウスウェスト航空は他の航空会社が使わない空港を拠点として,その
空港の使用料が安いことを利用して低運賃を実現させるほか,他社から
顧客の囲い込みを図ります.その具体例はシカゴやダラスなどでもみら
れる通りです.

シアトルでもシアトル・タコマ空港ではなく,かねてからキング郡国際空港,
通称ボーイングフィールドに興味を示していましたが,サウスウェスト航空
は,そのボーイングフィールドに,自前で旅客ターミナルを建設することを
キング郡に申請していたことが先月下旬明らかになりました.

ボーイングフィールドはシアトル・タコマ空港よりもシアトルのダウン
タウンから近く,約半分の距離に位置していますが,現在は民間の定期
旅客航路ではほとんど使われていないようです.
ボーイングフィールド 47.5300000 -122.3019722

サウスウェスト航空ではボーイングフィールドに移転することにより,
現在のシアトル・タコマ空港発着の三倍近い便数を将来飛ばすことが
でき,さらにシアトル・タコマ空港の使用料の値上げの影響を受けず,
今後も低運賃を維持することが可能としています.

サウスウェスト航空の現在のシアトル・タコマ空港での便数は38便だけ
ですが,シアトルのダウンタウンから近く,空港使用料も安いボーイング
フィールドの利便性が高いとなれば,同航空のライバル会社,たとえば
アラスカ航空なども移転するかもしれません.そうなると,シアトル・
タコマ空港に開く穴は大きくなります.

シアトル・タコマ空港では,最終的に三分の一以上の36%の旅客減にも
なるだろうとみており,サウスウェストの去就がはっきりするまで,
空港改良工事は凍結すべきと言っています.

便数が減れば空港利用客数が減り,ついにはLRTの空港乗入れ
計画が大幅に遅れるか白紙に戻ってしまう可能性があります.


参考記事
Airport may not get light rail
Port warning on cost to Sea-Tac if Southwest leaves

サウスウェスト航空のボーイングフィールド乗入れ反対意見サイト
Friends of Boeing Field
(インパクトのある画像です)
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2005年08月02日

【シアトル】LRTの空港乗入れに赤信号? (2)

空港の計画変更により,ダウンタウンから14マイル(22.4キロ)とは同時に
開業できなくなったAirport Link,Tukwilaから空港駅までの1.7マイル
(約2.7キロ)の路線は,空港敷地内に何とか駅の場所を確保することで,
本線より半年遅れで開業する予定と昨年12月に発表されましたが,
今その雲行きが怪しくなっています.

Sound Transitのウェブサイトに掲載されているAirport Linkをご覧いた
だくことが位置を把握するために役立つでしょう.

今ここにきて問題になっているのは,空港から少し離れた高速518号線の
車線増設計画です.一見LRTとは無関係なこの計画が完成しない限り,
空港にLRT駅が作れないのです.

予定されている空港のLRT駅は,いくつかの車線を移動したり増設する
ことにより初めて場所を捻出できたのです.


シアトル・タコマ空港には,ターミナルのすぐ隣に駐車場ビルが建ち,
LRTの駅は駐車場ビルの隅に設けられることになります.ここには現在
リターンランプがあります.リターンランプとは,一旦空港出口へ向か
った車両がまた空港へ戻るための車道のことで,これを移設することに
より場所を捻出しようとします.

リターンランプの移設先は,今の場所よりも空港アクセス道路のずっと
シアトル寄りまで行かないとスペースがありませんでした.かなり離れる
ことになるので,道順を間違えてリターンランプで空港に戻ろうとする
車は,次第に空港ターミナルが離れていくのを見て,更にあわててしまう
のではないかと思います.しかもしばらく走ることになる空港アクセス
道路は,時間帯によっては渋滞しますので,何とかその渋滞緩和策を
講じなければなりません.それが高速518号線の車線増設でした.
(位置関係は上記Sound Transitのウェブサイトが参考になります)

この高速518号線の車線増設は,ワシントン州のガソリン税増税により
工費が賄われることになるのですが,この増税撤回を求める発議権,
Initiative 912が投票で支持される可能性が出てきたのです.
これを書いている際に,GoogleでInitiative 912を検索するとトップに表示
されるのが,Stop the gas tax! (www.nonewgastax.com/)というページです.


もしもこれによりガソリン税の増税ができなくなると,高速518号線の
車線増設は財源を失うことになり,めぐりめぐってCentral Linkの空港駅が
建設できなくなってしまうのです.

参考記事
Transit board likely to OK light-rail link to Sea-Tac
Nexus Of Woes: Light rail to the airport

問題はそれだけに留まりませんでした.先月下旬,格安運賃で有名な
サウスウェスト航空がこの件とは別に波紋を投げかけてきます.

次回へつづく
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2005年08月01日

【シアトル】LRTの空港乗入れに赤信号? (1)

シアトルではCentral Linkと呼ばれるライトレールの建設が現在進め
られています.
シアトルには1999年と2005年の二回訪れていますが,
今年5月の段階で既に一部の高架橋の姿や,地下折返し線の工事が見らました.

シアトルの公共都市機関はバスが主役です.モノレールや路面電車も走ってい
ますが完全に脇役で,実はこの両者も最近話題がかなり豊富だったりします.
それはまた別の機会に書いてみたいと思います.

シアトル初のLRTとなるCentral Linkは,その計画発表から2003年に着工される
までも決して順風満帆ということはなく,ハラハラさせられたものですが,計画
当初の路線が一部短縮されて,とりあえず第一期区間としてシアトルのダウン
タウンからシアトル・タコマ空港まで2009年中に開業することになっています.

しかし今年7月になって立て続けにLRTの空港乗入れの雲行きが怪しくなる
報道
がありました.

もともとシアトル・タコマ空港へのアクセスは,LRT着工当時には一つ手前の
駅からバスでシャトル輸送をすることになっていました.これは当初LRTの駅が
盛り込まれた空港の拡張改良計画が2001年のテロなどによる需要落込みなど
で縮小し,空港内にLRTの駅を設ける場所がなくなってしまったからのようです.

その後昨年12月になり空港当局とLRTを建設運営するSound Transitによる
交渉で場所を確保し,LRT本体よりも半年遅れて2009年12月開業予定という
運びになりました.実はこれは開業のデッドラインで,2010年にバンクーバーで
冬季オリンピックが開催されるためです.
(なぜバンクーバーのオリンピックが出てくるのか,シアトルでも競技が行われる
のか,バンクバー空港だけでは受け入れ体制が不十分なのでシアトルでも
受け入れる必要があり,そのためなのかは不明です)


ここまでは良かったのですが,実は空港内に計画されたLRT駅の場所が色々と
問題を抱えていました.

次回へつづく
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