2005年11月30日

【チューリッヒ】粗大ゴミ回収トラムの電気製品版

市内を定期的に巡回して粗大ごみを集めて回るカーゴトラム(Cargo-Tram)の
成功に気を良くしたチューリッヒの交通局(VBZ)と廃棄物の処理と再生を
行なう当局(ERZ)は,今度は電気製品等を回収して回るEトラム(E-Tram)を
2006年1月よりスタートさせると発表しました.
VBZ : Verkehrsbetrieben Zürich
ERZ : Entsorgung + Recycling Zürich
Nach Cargo-Tram auch E-Tram unterwegs
(Limmattalonline.chのニュースへのリンク)

対象となるのはコンピューターからステレオ,テレビなどの電気製品です.
2003年春に導入されたゴミ回収のカーゴトラムと同様に,不当投棄を少し
でも減らすことが目的で,E-TramもCargo-Tramと同じ市内9ヶ所の回収場所
(主に側線のある電停)に月1回程度の割合でやってきて,15時から19時まで
受付するようです.場所などはERZのサイトにPDFファイルがありました.

追記 :
車両はほとんど写っていませんが,下記ニュースサイトで回収受付の
模様を画像で見ることが出来ます.
Den Elektro-Schrott gratis im E-Tram entsorgen
(20min.chの2/06付け?ニュースへのリンク)


カーゴトラムの詳細については,おそらく日本語でもあると思うのですが,
今回は時間がなくて探せませんでした.英語版なら下記がお勧めです.
様子がよく判る画像も掲載されています.
Cargotram Zürich's domestic refuse takes to the rails
(shadowfax氏のファンサイトへのリンク)

なお上記サイトのニュースログによれば,アムステルダムなどでも導入が
検討されているようです.ただしカーゴトラム(Cargotram)という名の通り
物資輸送が主な目的のようです.オランダのはウィーンの配給電車のような
ものかもしれません.

ついでながら,先日お伝えしたバーゼルのコンビーノが改修工事を受けに
ドイツへ旅立つ
際の搬出の一部始終を紹介しているサイトがありました.
Abtransport Be 6/8 310 nach Krefeld
(Guido Studer氏のファンサイトへのリンク)
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2005年11月29日

【カッセル】ポイント誤作動で脱線

月曜日にヘッセン州カッセル(Kassel)の路面電車で,ポイント故障のため
電車の股裂きがあったようです.話には何度か聞くことがあっても,実際に
見聞する機会は滅多にないと思います.今回は写真入りでニュースになって
しまいました.

連接車両の最初の台車が分岐器を通過した後,ポイントが転換してしまい,
後部台車が別の方向に向かって最終的には脱線したもようです.
幸い営業運行に入る前の車両だったようで,けが人などはいません.
下記サイトでは,前後がバラバラにわかれた車両の,もげた連接部分や,
クレーンに吊るされた車体を十数人がかりで復線する模様などまで掲載して
います.ビデオのリンクも主にその作業の様子です.
Straßenbahn auseinander gebrochen
(hr onlineのニュースへのリンク)

この事故で不通の間はバス代行となりましたが,車両と電車線の損害は
6万ユーロに及ぶ見通しだそうです.
ポイントがなぜ転換してしまったかについては触れられていません.
カッセルでは系統ごとにトランスポンダで制御していたでしょうか.記憶が
あやふやですが,もしもそのあたりの誤作動だったとすると,少々こわい
ものがあります.

追記
原因が明らかにされました.カッセルでは路面電車ごとにチップ付きカード
を持ち,そのチップに記憶された系統情報を車載の無線発信機から軌道側の
受信機へ伝達することによって,分岐器の切り替えを行なっていました.
カッセルに限らずヨーロッパではよく見られる方式だと思います.

今回事故は早朝に起きました.先週末よりの一足早い冬将軍の到来により,
ポイントの可動部にゴミや枯葉などが凍結していて,電車からの系統情報を
分岐器側で受信していたにもかかわらず,完全に切替が終了していない中途
半端な状態で電車が通過してしまいます.このため最初の一台車2軸分までは
切替え前の進路に入ってしまい,その後可動部が動いて完全な位置に固定
され,本来の進路を形成してしまったため,3車体のうちの2車体目の台車
からは,先頭とは別の方向に向かってしまったということらしいです.

もちろんそのような事故を未然に防ぐため,分岐点の通過速度は進路の
確認が可能な低速(15km/h前後)に制限されていることに加え,完全に進路が
形成されると信号機がそれを示します.今回の事故では運転手が進路の
目視確認を怠ったばかりか,その信号機を無視してポイントに突っ込んで
しまったために起きたようです.
原文がドイツ語のため誤訳誤解はご容赦願います

ポイントの拡大写真まで掲載して事故原因を報じるサイト
Tramfahrer fuhr trotz Verbot
(HNA.deのニュースへのリンク)
このサイトではニュースが残っているのは発行後一週間程度までです

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2005年11月28日

【シアトル】衝突のモノレールは年内再開が絶望的

土曜の夜に起きたモノレール同士の衝突事故で,ウェストレイクセンターと
シアトルセンターを結ぶモノレールは,年内の運転再開が困難な状況です.

そもそもモノレールで対向車両同士がぶつかるということ自体が理解でき
ない話ですが,ウェストレイクセンター(Westlake Center)駅には2線ある
もののホームは片側一ヶ所だけで,2本同時に停車することができないよう
になっています.しかも島式ホームではありません.どうやって外側に停車
したモノレールへ乗降するかを,こちらで紹介したこともあります.
43年目のモノレール参照

行き違いが不要なことと特殊な乗降方法のため,ウェストレイクセンター駅
への入口から2本のレール間隔が狭くなっていました.今回の衝突はそこで
起きています.通常なら信号や無線で連絡を取り,ウェストレイクセンター
のモールを建設した1988年に現在のような形になって以来,これまで何事も
なかったのですが,感謝祭の休日シーズンがはじまったばかりの土曜の夜は
別だったようです.
今回の件とは無関係かもしれませんが,ウェストレイクセンター駅の
レールの下に信号機が見えます(オレンジ色の楕円内に左右2基)
この部分でレールの間隔は約122cmです
SEA monorail
この他にも駅への進入口に,信号機があるようです.

衝突事故とはいえ正面衝突ではなく,お互いの車両をこすりあったような
もので,乗り合せた2本のモノレールの乗客84人は2名の軽傷を除いて無事
だったようですが,車両のダメージの程度はまだわかりません.どうやって
両者を引き離すか,その方法も検討中とのことです.

AP通信で世界的に配信されたものではなく,独自の取材で記事を掲載して
いるサイトを紹介しておきます.
Monorail trains collide
(11/27付けSeattle Timesのニュースへのリンク)
No Monorail Service For Rest Of The Year
(KOMOのニュースへのリンク)
Seattle Times紙のサイトでは,過去の事故例をとりあげています.また衝突
した車両の画像はもちろんのこと,地図上に場所を示しています.テレビ局
KOMOのサイトでは,はしご車を使って救出される乗客や,車体のこすった
跡などを見ることができます.
flickr でも早速投稿されています
Monorail Crash(1),Monorail Crash(2) その他あり
(Brian Teutsch氏のフォトへのリンク)

その後,週があけて月曜日のシアトル二大新聞紙のサイト
Monorail collision result of hazard created during 1988 track redesign
(11/28付けSeattle Timesのニュースへのリンク)
Investigators to look at three possible causes for monorail crash
(Seattle Post Intelligencerのニュースへのリンク)
PI紙では事故原因の3つの可能性として,運転手の過失,信号機または無線
の故障を挙げています.


今年はシアトルのモノレールにとって,受難な年になりました.
夏前に端を発した新しいモノレール計画のつまづきから始まり,7月には
車両故障で立ち往生,そして11月の住民投票ではついに新しいモノレール
の建設が見送り
になってしまったばかりです.その悪夢から1ヶ月もたたない
うちに,今度は衝突事故が起きてしまいました.これより先に9月には,現
路線の改修には今後数百億ドルが必要と言われていましたし,車両損傷の
程度によっては,このまま...ということがあるのかもしれません.
開業以来43年目ということで,今年は厄年だったのでしょうか.
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2005年11月26日

【ストラスブール】Citadisの営業運転開始

先日新路線の工事の再開が許可されたばかりのストラスブール(Strasbourg)
で,その新線向けに導入される新車が一足先に営業を開始した模様です.

新車はALSTOM製Citadis403で,新設されるE系統などのために2008年までに
41編成が投入されることになっています.これまでの五十数編成に匹敵する
ほどの大量の増車で,昨年より姿をウェブサイトなどで見掛けてしました
ので,すでに営業運転にも入っているのかと思っていました.
今回は11/22に1編成がまず走り始め,次にクリスマス市の始まる土曜日から
3編成が加わるとのことです.

路線計画などは,下記サイトにわかりやすい地図がありました.
Tramways de Strasbourg Extension Horizon 2006-2008
(TRAMATEURSのサイトへのリンク)
日本語での紹介は,こちらに詳しく掲載されています.
ストラスブールのトラム (Le Tramのサイトへのリンク)

100%低床式LRVのパイオニア的存在で,その斬新なスタイルが一世を風靡した
ADtranz(現在のBombardier)製のEurotramの雰囲気はそのままですが,下記
サイトでは色合いの選択や光線の加減などで,美しいデザインに仕上がって
いるとほめたたえています.ちなみにツートンカラーの二色はラズベリーと
サフランの色なのだそうです.
また恐らく監視カメラによると思われる,保安面の対策が施されていること
をさりげなく記しているのが,今時らしいかもしれません.
Le nouveau tramway strasbourgeois en service
(CUS Magazinのニュースへのリンク)

新しいトラムウェイ(Citadis)の画像に加えて,市長やCTS,CUSの幹部らが
テープカットを行なっている画像もあります.
CTS : Compagnie des Transports Strasbourgeois
(=ストラスブール交通会社)
CUS : Communauté Urbaine de Strasbourg
(=ストラスブール都市圏共同体)
和訳名は,いずれも上記Le Tramのサイトより
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2005年11月25日

【バーゼル】車体改良でコンビーノ旅立つ

車体上の問題が昨年発覚して,一時期採用していたほぼ全ての都市で一定
の距離を走っていたコンビーノ(Combino)が,旅客営業から外されるという
ことがありました.一年前の段階でほとんど暫定的に復帰しているものの,
本格的な改修はこれからです.

バーゼル(Basel)では改修を受けるコンビーノの28両のうちの第一号が,
シーメンス(Siemens)の工場があるドイツのクレフェルト(Krefeld)に向かっ
て,水曜日にピギーバック(セミトレーラー)で出発しました.バーゼルに
戻ってくるのは来春の予定で,その後は詳細にわたって検査が行なわれ,
問題なければ残りのコンビーノも2007年末までに改修を終えたいとして
いるようです.
Sanierung der Basler Combino-Trams läuft an
(Basler Zeitungのニュースへのリンク)
Erster Combino huckepack unterwegs ins Trockendock
(webjournal.chのニュースへのリンク)

問題はアルミ製の車体の接合部分に小さな亀裂が見つかったというもので,
衝突などの衝撃が加わると天井が抜け落ちる可能性があり,このため12万
キロ以上走ったコンビーノを運用から外す事業者が続出しました.
コンビーノが1998年に最初に導入されたドイツのポツダム(Potsdam)をはじめ
として主力車両になっていたところも数多く,代替車両の手配も大変だった
ようです.
昨年末までに改修第一段階として,車体への荷重軽減のためベアリングを
挿入したり補強を行なうなどをして急場をしのぎ,とりあえず営業運転に
復活していました.

時期を同じくしてドイツのエアフルト(Erfurt)で試験車両が運転されたり,
スイスのベルンでは荷重軽減策としてダンパーを挿入した台車を試験する
などのほか,オランダのアムステルダムでは新モデルを投入して,今年に
入ってから本格的に開始された改修の第二段階に備えていました.
Information on Combino
(シーメンスの英語版公式サイトへのリンク)
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2005年11月24日

【ロサンゼルス】BRTオレンジラインは成功?

LAで先月末より走り始めたBRT(bus rapit transit)のオレンジラインに
関しては,すでに概要を開業一週間前に,そして開業前夜には平面交差の
バス専用道
の危険性についてこちらでも紹介してきました.

開業から3週間が経過した段階で,平日の利用者数が1万人から1万2千人と
なっているそうです.当局の予測では5千から7千人でしたから,これは成功
と喜んでいるようです.

しかし専門家らは勝利宣言には早すぎるとみています.
まず予測人数そのものが目標を低く設定しているとして,これは過去にLRTの
Gold Line(ゴールドライン)で,予測を大幅に下回る利用者数だったことの
反動ではないかと思われます.
次に人数そのものも大事ながら,自家用車からの移行組がどれだけいるのか
が重要としていて,単に他のバス路線からの移行では,渋滞緩和の目的には
無意味だというのです.実際MTAでは移行がどれくらいか把握していない
上に,渋滞緩和が達成されているかどうかの調査もまだです.3200台収容
可能な5ヵ所のパークアンドライドの駐車場は,利用率20%の状態で,どうも
自家用車をやめてバスに乗換えた人は多くなさそうです.
MTA Sees Success in Orange Line
(Los Angeles Timesのニュースへのリンク)
Metro : Los Angeles County Metropolitan Transportation Authority(MTA)
Orange Line (MTA公式サイトへのリンク)

記事にはLAのライトレールの一日の乗車人数も掲載されていました.
Blue Line(ブルーライン) 73,000人,
Green Line(グリーンライン) 32,000人, (MTA公式サイトへのリンク)
ちなみに地下鉄規格のRed Line(レッドライン)は別格で112,000人です.
ブルーラインは北米のLRTでは一番ではないかと見られています.何度か
乗りましたが,3編成連結でも絶えず混雑していて,北米一も頷ける印象が
ありました.
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2005年11月23日

【アトランタ】ピーチツリーストリートに電車を

ジョージア州アトランタの目抜き通りピーチツリーストリート(Peachtree
Street)を行き交う路面電車が,いよいよ数年後にはお目見え(復活)する
ことになるかもしれません.

二年前に設立された非営利団体のAtlanta Streetcar, Inc.(ASC)が路面電車
の導入を勧め,今その次のステップへ進もうとしています.
2002年よりその座に就いているShirley Franklin市長が,今週の月曜日に
新たな特別委員会(タスクフォース)を指名しました.都市再生計画に精通
するデベロッパー二人が中心になっています.この委員会が今後ASCの
あとを継ぐことになりました.
これにより市長の二期目の最終年(2010年)までには,同市をほぼ南北に貫く
ピーチツリーストリート上を,南は同市のダウンタウンから北はバック
ヘッド(Buckhead)まで12マイルほど走り,地下鉄のMARTAや,やはり
構想中のLRTベルトライン(Beltline Transit)とも接続する路線が走っている
可能性が高まりました.その他ASCが推奨したダウンタウンを循環する路面
電車も走っているでしょう.
MARTA : Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority

これらは観光客に人気の場所を巡ることにもなり,観光客にとってもより
魅力的な都市になることを目指しています.

非営利団体から,市長やタスクフォースに名を連ねるビジネスリーダーが
先導するようになり,具体的な話はまだなもののアトランタのストリート
カー復活は,より現実味を帯びてきたことにはなりますが,建設コストが
3億3500万ドル,年間の維持費は2300万ドルに及ぶ資金をどう調達するか,
これが最大の課題で市長もそれを認めています.
これまで連邦からの基金からホテル税やレンタカー税などによる観光客
負担まで,多岐にわたり検討されていますが,恐らく住民への課税はなく,
沿線の企業に負担を求めていくことになりそうです.

連日にわたり報道された記事
Franklin unveils big plans for Peachtree corridor
(Atlanta Journal Constitutionのニュースへのリンク)
Streetcar could be built in 3 to 4 years
(Atlanta Business Chronicleのニュースへのリンク)
Streetcars in Atlanta's Future?
(WXIA-TVのニュースへのリンク)
Mayor takes wheel of trolley project
(Atlanta Journal Constitutionのニュースへのリンク)
Mayor to take over Atlanta streetcar project (AP)
(Macon Telegraphのニュースへのリンク)
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2005年11月22日

【ニース】来秋の納入に向けたLRV1号車

暴動の話は収まってきましたが,今また国鉄が民営化反対のストを行なって
いるフランスからの話題です.

ニース(Nice)では現在トラム(路面電車)を建設中で,3路線が計画されている
うち,最初の路線(8.7km)が2007年初頭の開業予定になっています.
Bienvenue sur le site du tramway de Nice

使用されるLRVはALSTOMの La Rochelle工場で完成しており,乗務員による
習熟運転も始められており,来年秋にニースへトラックで移送されるまで
続けられるようです.下記記事にはニース向けCITADISの画像もあります.
Le tram niçois roule déjà... à La Rochelle
(metroFrance.comのニュースへのリンク)

La Rochelle工場では,ニース向け車両の製造ラインにカテドラル(大聖堂)
(cathédrale)というニックネームを付けているそうです.その周りでも同じ
CITADISの仲間を導入するフランスの都市向けの車両が製造されています.
しかしニース向けのものは,標準型からノーズや座席などを変えて,納入先
にあわせたカスタマイズを行なっているようです.フランス語の記事のため
読み誤っている可能性もありますが,ニースの乗務員らはLRVを見て,他の
都市向けの車両と比べるのを我慢できない(ほど素晴らしい)そうです.
画像を見る限りではボルドーに似ていますね.

デザインを担当したEric Rhinn氏は,出入口のガラス窓の高さから座席の
曲線に至るまで,完成品を嬉々として設計通りか確認していますし,運転
手らは運転台の仕様をチェックして,使いやすいようボタンの色などを
工場を出てニースに向かうまでの間に改修していくようです.

ニースのLRTでは,ダウンタウンの一部で架線を外し,バッテリーで走行
する区間が長さにして500mで2ヶ所にあります.バッテリーにはニッケル
水素電池(Ni-MH電池)が使われ,その発注が先月決まったニュースリリース
が下記サイトにありました.
NiMH traction batteries for Nice trams
(SPG Media Limited のサイトへのリンク)
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2005年11月21日

【ヒューストン】LRT計画がバス(BRT)に後退した例

マイアミと同じケースだと思われますが,テキサス州ヒューストンのMETRO
でも,連邦政府から1200万ドルの予算を獲得できるようです.
Congress OKs $12 million for Metro, other projects
(Houston Chronicleのニュースへのリンク)

記事にもありますが,Metro Solutions計画として2003年11月の住民投票で
承認された計画路線に予算が投入されるわけですが,一部区間は当初ライト
レールで計画されていたものの,予測利用者数が少ないため一人当たりの
建設費がFTAの基準を満たさなくなり,とりあえずBRT(bus rapid transit)で
開業し,その後利用者数が達した段階でLRTに変換することになっています.
METRO Solutions : Rail Component Fact Sheet
METRO Solutions Plan Maps : Rail Component (地図)
(METROの公式サイトへのリンク)
METRO : Metropolitan Transit Authority of Harris County
FTA : Federal Railroad Administration

Metro Solutions計画のFAQのページには,BRTとLRTの比較も掲載されて
います.LRTということで住民投票の際に計画に賛成票を投じたものの,
ふたを開けてみれば最初はバスラピッドトランジットとは言え,バスとして
開業するとは何事か,というような声に答えるためのものでしょう.例えば
このようなことが書かれています.

車両の耐用年数
ライトレール(FTAが用いる数字) 25年,バス 12-18年
キャピタルコスト
鉄道 350万ドル,バス 110万ドル
(利用者数が低い場合はバスのほうが低コスト,逆に利用者数が多い場合
には鉄道のほうが低コスト)
METRO Solutions : Frequently Asked Questions
(METROの公式サイトへのリンク)

BRTで開業する区間には,レールが敷かれるようですし,ライトレールに
転用可能なバス停になるようですが,予算削減の関係で架線はなしです.
BRTからLRTに変換する例は,現在シアトルで進行中ですが,ヒューストンの
場合は果たしてどうなるでしょう.
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2005年11月20日

【シアトル】渋滞緩和のための交通機関は何に?

モノレール計画が住民投票で否決されて十日が経ち,新しくモノレールが
建設される予定だった地区の交通機関がどうなるのか,まだ何も決まって
いませんが,Seattle Post Intelligencer紙が土曜日にもかかわらず,
ウェブサイト上で特集記事を掲載しています.
Which way to go now without monorail?
(Seattle Post Intelligencerのニュースへのリンク)

2001年に行なわれた調査では,大量輸送可能な公共交通機関を必要とする
West Seattleや,Ballard (どちらもWikipediaへのリンク) 地区などには,
高架でシアトルのダウンタウンと結ぶことにより,利用者増加が見込めると
結論づけていました.そのほかストリートカー(路面電車)や,車道から分離
された専用車線を有するBRT(bus rapid transit)も選択肢でした.

今週市議会は,この2001年の調査は予備的なものであったとして,これを
現在の状況にあわせてアップデートし,問題点を見極めるための予算を,
来年分の中から63万ドル弱ほど割り当てました.

税金問題,これは財源として避けて通れない問題です.
否決されたモノレール計画では,自家用車の価値に1.4%の課税を選んで
いました.1万ドルの車の所有者は年間$140を納税するという仕組みです.

交通機関のモードは何にするのか,これも大きな問題です.
モノレールのほかには,高架橋やトンネル走行のライトレールに加えて,
路面電車やBRTも候補にあがっていました.この中で建設コストが安上がりの
BRTや路面電車では,自家用車の利用を止めて公共交通機関に移行する人が
少ないだろうとみられています.

特に路面電車では,利用者一人当たり年間コストが一番高くなると,
2001年の調査では位置づけられていました.
またシアトルに点在する急坂を昇り降りできないことや,併用軌道となる
ための弊害,道路上の駐車スペースや車線が削減される不都合も指摘されて
います.なお急坂問題に関しては,ライトレールが建設費削減のため地表を
走ることになっても影響する,シアトル特有の問題です.
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2005年11月19日

【マイアミ】ストリートカー復活へ弾み

米国上下両院の予算交渉委員会が,マイアミ市の計画するダウンタウンの
ストリートカー計画向けとして,マイアミ市に200万ドルを与えることを
承認するニュースがありました.
Miami may get $2M for streetcars
(South Florida Business Journalのニュースへのリンク)

マイアミ市は,ダウンタウンの主な場所を南北に結ぶ路面電車(ストリート
カー)路線を計画しています.予算次第で距離は前後するようですが,
とりあえず10キロ弱になる見込みです.下記サイトのProposed Routeが
路線図を含んだページになっています.
Miami Streetcar Project
(マイアミ市の公式サイトへのリンク)

Frequently Asked Questionsのページには,何故バスではなく路面電車が
必要になるのかが記されています.
それによれば,ダウンタウン内の交通需要が高まるなか,専用線が必要な
鉄道の路線拡張には限度があること,自動車以外の交通機関を整備したい
ことから,併用軌道を走る路面電車が選択されたとしており,バス増車で
対応しない理由としては,路面電車は一台でバス数台分の輸送力があり,
運行維持費がバスより安くなることと,路面電車はバスより人を惹きつける
ことを挙げています.
後者は路面電車が便利で,快適で,魅力的で,頼もしさがあることから,
バスに乗らない人でも路面電車には乗り,公共交通機関の利用者数が増えた
と,米国他都市の例が示していることを紹介していました.

マイアミのダウンタウンに路面電車が復活すれば,1940年台以来のことに
なります.

なおマイアミにはこれとは別にライトレールの計画があります.
マイアミ-デイド郡がすすめるBayLink計画です.こちらはマイアミ市と,
Biscayne湾を隔てたマイアミビーチ市(Miami Beach)を結ぶものです.
Rail Projects - Bay Link (Miami Beach Extension)
(マイアミ デイド郡の公式サイトへのリンク)
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2005年11月18日

【ヒューストン】LRTホーム上も切符所持義務付け

米国のライトレールは,どこも無賃乗車対策に手を焼いているようです.
テキサス州ハリス郡(Harris County)のMETROが運営する,ヒューストンの
METRORailでも同様です.
METRO : Metropolitan Transit Authority
METRORail (英語版 Wikipediaへのリンク)

METROでは,ライトレールのプラットホームの床に"paid fare zone"と記す
ことにしました.このペイドフェアゾーン内にいる際は,切符を買うか,
有効なパス類を所有しているか,あるいは市の裁判所で(罰金の)切符を
もらうか,いずれかになるというものです.ゾーンはホームの屋根のある
部分をほとんどカバーしています.(下記リンク参照)
Get tickets ready: You're entering the 'paid fare zone'
Graphic: METRORail Ticket Zones
(Houston Chronicleのニュースへのリンク)

昨今では治安上の問題から,切符やパス類を持たないでホームに立っていて
も取り締まられる場所もあるようですが,ゾーンを明確にすることは,
その狙いもあるようです.

大都市の地下鉄のように改札口を設けないLRTなどでは,PoP(Proof of
Purchase),運賃を支払った証明(=切符など)の所有を義務付けています
が,物理的なバリアがないためどうしても無賃乗車が横行してしまいます.
それでもヒューストンはまだいいほうで,10月に行なわれた検査では1%以下
でした.これがオレゴン州ポートランドでは10%に達しているという話を
どこかで読んだ記憶があります.ポートランドには運賃不要ゾーンがある
ため,その影響があるのかもしれませんが,その他の都市でも数%は運賃を
支払っていないようです.

記事によれば,ヒューストンのMETRORailの場合,無賃が発覚すると$75を
その場で支払うか,市の裁判所に行くとなると,罰金など最終的には$500
以上を支払うことになるそうです.
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2005年11月16日

【ニューオリンズ】電車復帰への道は険しそう

ハリケーン カトリーナ(Hurricane Katrina)で被災した,ニューオリンズの
ストリートカーの現状が明らかになってきました.

やはりキャナル ストリート ライン(Canal Street line)の24両は,ハリ
ケーン襲来前に車庫に戻ったものの,その後の二週間に及ぶ浸水で,車輪と
モータが腐食してしまったそうです.リバーフロント ライン(Riverfront
Line)の7両のうち6両も同じくです.一方セントチャールズ アベニュー
ライン(St. Charles Avenue line)の35両は,車庫が浸水しなかったので
無事ですが,架線がずたずたの状態です.

浸水被害の車両の修繕には,一両につき100万ドル掛かるとか.これだけ
でも3千万ドルになりますが,NORTAでは連邦政府からの補助金をあてに
しています.セントチャールズアベニューラインの復旧には架線の修復が
必要ですが,まだまだ電気が通じていない家も多い中,路面電車の架線
復旧作業は優先事項ではありません.
NORTA : New Orleans Regional Transit Authority
NORTAのサイトでは,カトリーナ以前の路線図を再掲するようになりました.

厳しいタイトルのニューヨークタイムス紙
The Streetcars Don't Run Here Anymore
(New York Timesのニュースへのリンク)

NYタイムス紙の記事で知りましたが,このサイトはカトリーナ後も更新を
再開していました.かなり情報が豊富です.11月分は現状ではないと
思いますが,10月分ではセントチャールズアベニューのカトリーナ後の
様子などが写真入りで掲載されています.
All about the streetcars of New Orleans
October 2005 (October 26, 2005 St. Charles Avenue)
(seashell softwareのブログへのリンク)

このブログでの過去ログ
【フィラデルフィア】9/04からPCCカー復活 後半の一部のみ(8/30付け)
【ニューオリンズ】路面電車の車庫も浸水か? (9/05付け)
【ニューオリンズ】セントチャールズ線バス代行で (10/02付け)
【ニューオリンズ】交通機関に4700万ドル (10/06付け)
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2005年11月15日

【ボストン】グリーンラインのバス代行区間再開

昨年6月からバス代行になっていた,グリーンライン(LRT)のボストン北駅
から先の区間の改良工事が完成し,先週の土曜日より鉄路での運転を再開
しています.当初はこの夏に再開予定でしたが,工事が遅れていました.

ボストングローブ紙の記事には地図も掲載されています.
Lechmere, Science Park stations reopen
(Boston Globeのニュースへのリンク)

これまでボストン北駅(North Station)とサイエンスパーク(Science Park)
駅との間は,近郊列車などが発着する北駅の上に建つ,ボストンのNHLやNBA
チームがホームグランドにするTD Banknorth Garden(旧Fleet Center)の周り
を,歴史ある高架橋で走っていましたが,これが取り壊されたようです.
elevated tracks at TD Banknorth Garden (Google Localへのリンク)
リンク先の地図では,まだFleet Centerの下(南)側を走る,Causeway Stの
上を高架鉄道として走っていたのが伺えます.
Google Earthならもっと鮮明に見ることができるでしょう.

同時にグリーンラインの北駅は地下化され,地下鉄のオレンジラインとの
乗換えが,都心方向行に限り同一ホームで行なえるようになりました.
MBTAではこの北駅のことをスーパーステーションとか,スーパープラット
ホームなどと称しています.その全体像がなかなか見つからないのですが,
下記サイトに想像図がありました.
North Station Area Construction Project Update
(Boston Transportation Resourcesのサイトへのリンク)
MBTA : Massachusetts Bay Transportation Authority

ボストングローブ紙に記されていますが,地下の北駅を発車したグリーン
ラインは,ボストンのT(=MBTA)の中で最急となる勾配を駆け上がり,高架の
まま残るサイエンスパーク(Science Park)駅に滑り込みます.
次の終点Lechmere駅までの間の軌道や信号システムも更新され,最高速度も
引き上げられました.

現在終点Lechmere駅までやってくるのは,グリーンラインの中でもE系統
だけになりますが,そこから先へ延長する計画もあります.
Beyond Lechmere Planning
(MBTA 公式サイトへのリンク)
Bring the Green Line into Somerville
(STEPのサイトへのリンク)
STEP : Sommerville Transportation Equity Partnership

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2005年11月14日

【ミネアポリス】バスに乗らなかった人がLRTに乗る

ミネソタ州ミネアポリスに昨年6月に開業したライトレールのHiawatha Line
(ハイアワサ ライン)が,予測を65%近くを上回る利用者を運び好調です.
当初は土壇場でMetro Transitバスのストライキにより開業日が延期され
たり,開業後もLRT優先信号がうまく機能しないなどのトラブルがありました
が,1954年に70年近い歴史を刻んでいたTwin City Rapid Transitによる
路面電車が廃止されて以来,50年振りの復活でした.
Metro Transit: Hiawatha Line (Route 55)
(Metro Transit公式サイトへのリンク)

しかしこの予測の数字というのは,えてして曲者の場合があり,控えめな
数字を出しておくことがあります.
ミネアポリス(Minneapolis)とセントポール(St. Paul)のツインシティーズ
地域のバスなど公共交通機関を運営する,Metro Transitの上部組織となる
メトロポリタン委員会(Metropolitan Council)が基準としたのは,バスの
利用者数でした.それを元にライトレールの利用者予測を出したのです.

しかしふたを開けてみると,LRT利用者のうち40%はバスを利用したことが
ない人たちでした.その客層が利用者数を予想以上に押し上げたのです.

バスにも乗らなかったような人たちが,なぜライトレールに乗るのか.
最初は物珍しさがあったのかもしれません.しかし予測の65%近くを上回る
利用者を記録したのは,開業から14ヶ月経過した昨月のことです.10月は
74万2千人がハイアワサラインを利用ていました.

下記記事では,スムースな乗り心地,頻繁に運転され,しっかりとした
スケジュールが,バスを利用していなかった人たちまでLRTに引き寄せて
いるとしています.
For 40% of light-rail riders, transit stops with the train
(Minneapolis Star Tribuneのニュースへのリンク)

日本でも現在の路面電車のような貧弱な軌道では,とてもバスに勝る乗り
心地を得ることはできないかもしれませんが,しっかり整備して運転頻度を
高めれば,バス時代よりも集客できる可能性があるということで,これは
仮にどこかの都市で検討中のライトレールに対し,反対派などから,同じ
場所を走るバスでもこれだけしか利用者数がないのだから,軌道敷設は無駄
という意見が出た時の,反論材料として使える事例かもしれません.

((加筆訂正))
Minneapolis Star Tribuneの記事は既に存在していません.
非常に重要な記事のため,どこかにミラーやキャッシュがないか探して
みましたが,残念ながら見つかっていない状況です.
(記事自体が取消された可能性もあります)

似た内容のものが下記サイトにありましたが,2005年2月のものでした.
More than a third of light-rail riders are new to transit
(Metropolitan Councilのニュースレターへのリンク)
Minneapolis: Nearly 40% of light rail riders are new to transit
(Light Rail Now!のニュースへのリンク)
"Nearly 40 percent of LRT passengers are first-time transit users"
とありますので,LRT利用客の40%はトランジット(バスを含むと解釈)を
利用したことのなかった人たちだったということで,この部分のみ代用
できるのではないかと考えています.

ただし数字が2月以前のものということで,空港やモールオブアメリカ
(Mall of America)まで延長されたのが2004年12月だったことを考える
と,物珍しさから乗っただけではないのかという反論には,残念ながら
対抗できないかもしれません.

より詳しくハイアワサ ラインを知るためのサイト
Minnesota Light Rail Delivers People, Pride and Progress
(雑誌design buildのサイトへのリンク)
Hiawatha Line (英語版 Wikipediaのサイトへのリンク)
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2005年11月13日

【ハレ】路面電車の車輪きしり音解消に向けて

ザクセン州ドレスデンの会社が,路面電車の車輪が曲線であげる"きしり音"
を減らそうとして,ザクセン=アンハルト州ハレ(Halle)で実験を行ない
ます.試験台車は2007年春にお目見えする計画で,ドイツ連邦政府はこの
計画に20万ユーロの調査費を出すようです.
Schalldämpfer für laute Räder
(Mitteldeutsche Zeitungのニュースへのリンク)

日本では路面電車よりも地下鉄でお馴染みの現象ですが,カーブを通過
する際の,キーキーという音を少しでも減らしたいというもので,これは
車輪とレールの角度(ボギー角)が大きくなる急曲線部で多く発生します.
輪軸柔支持(車軸と台車の結合を緩やかにすること)により多少は解消でき
ますが,そうすると今度は高速運転時に蛇行動を引き起こしかねません.
日本の路面電車ではせいぜい時速40キロ前後ですが,欧米ではその倍近い
速度まで出しますので,日本の地下鉄と同じようにカーブでの軋み音に
悩まされているというわけです.それも主に道路上でのことですから,
その騒音は環境問題にもなりかねません.

記事はドイツ語で専門的なことはわかりませんが,HAVAGのタトラ(Tatra)車
では既にバネを追加したり?,潤滑油を自動的に車輪に散布する装置を設置
したりしているようです.それでも寒くて乾燥した時期には騒音レベルが
90デシベルまで達しているとのことで,潤滑油の散布量を多くすることは
ブレーキの効きが悪くなる恐れがあるためできません.
HAVAG : Hallesche Verkehrs-AG

現在一般的には,音を少しでも軽減するために防音車輪を使ったり,下記
リンクのようなレールと車輪の双方の表面の状態を変えて,摩擦を調節する
素材を塗布するなどの方法が用いられています.
HPF(High Positive Friction) Onboard Sticks Transit
(Kelsan Technologies Corp.のサイトへのリンク)
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2005年11月12日

【ラスベガス】モノレールは空港へ?

ラスベガスのモノレールは利用者数が思うように伸びていません.
折りしも先日ストリップを強力なライバルとなりそうな,二階建てバスの
"DEUCE"(ジュースも運行を開始しており,先行きが懸念されます.
先月27日には,開業以来1千万人目の乗客を迎えましたが,平均利用者数は
3万人を切る状態が続いており,一日あたり5万ドルの赤字になっています.
Monorail ridership remains stagnant during October
(Las Vegas Review-Journalのニュースへのリンク)

しかし暗い話題だけでもないようで,先日クラーク郡(Clark County)の委員
会は,モノレールをマッカラン(McCarran)国際空港へ延長する計画の予備
調査を行うことを決定しています.当初はダウンタウン方向への延伸が優先
されていましたが,連邦政府から資金援助がなく,そちらは止まったままに
なっています.
McCarran plans monorail groundwork
(In Business Las Vegasのニュースへのリンク)

マッカラン空港を利用してラスベガス入りする観光客やコンベンション参加
者らは,空港からホテルまでタクシーを利用することが多く,タクシー待ち
の行列はかなりの長さに達します.路線バスも走っていますが,ストリップ
沿いのホテルには不便ですし,最初は利用しづらいものがあります.

確かに空港までモノレールが伸びてくれれば,観光客らには便利になるで
しょう.また手荷物をモノレールで運ばずに済むようなシステムも検討され
ているようです.これまで通り航空機に預けた荷物を空港で受け取り,
ホテルのチェックインも空港で済ませたあと,そこで荷物を再び預ける
ことができるようになれば,どんなに楽でしょう.

現在終点の先にある折り返し地点から,空港はすぐそばに見えます.
リンク先はGoogle Localの衛星画像です
リンク先の画像で,左上にMGMグランドホテルがあり,右下に誘導路の一部が
見えています.中央やや上に四角い建物が見えますが,そこは駐車場で,
そのすぐ下(南側)にモノレールの折返し施設があります.(撮影時にはまだ
建設されていないため,画像には施設が写っていません)

その駐車場から,折返し線上のモノレールと空港を望むとこうなります.
LAS Monorail1

Las Vegas Review-Journal紙では,シアトルで住民投票にかけられたモノ
レールの件
に触れ,結果がどうあれ,シアトルでの経緯はベガスでライト
レールを建設するかどうかや,モノレールを延伸するかどうかなどを決める
際の参考になるはずなので,注視すべきだという社説も掲載していました.
EDITORIAL: Light rail vote
(Las Vegas Review-Journalのニュースへのリンク)
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2005年11月10日

【ニューヨーク】戦後初の地下鉄新線へ一歩前進

今度の選挙でニューヨーク市長のブルームバーク氏が,再選を果たしたこと
までは日本でも報じられていますが,Transportation Bond Actが承認され
て,75年越しの地下鉄新線が,開通に向けて大きな一歩を踏み出したこと
までは触れられていないでしょう.
週末の運賃値下げという,少し早めのクリスマスプレゼントが功を奏した
わけでもないのでしょうが,セントラルパーク東側には現在地下鉄が一本
しか走っておらず,混雑緩和が急務と判断されたのではないでしょうか.

新しい地下鉄は二番街の下を走ります.それで名付けられたのがそのまま
ずばり,Second Avenue Subway(俗称SAS).
ただし系統は"T"になるようです.また現在の”Q”も一部区間を走ることに
なります.
最初に話が出てきたのが1929年で,1970年代に一度は着工されましたが,
ニューヨーク市の財政危機により中断されたままになっていました.今回
このまま順調に工事が再開されると,2012年に第一期区間が開業できる
見込みですが,これはニューヨークにとって第二次世界大戦後,初の地下鉄
新線ということになります.

Transportation Bond Act(運輸債法令?)承認を報じるサイト
2ND AVE.SUBWAY IS BACK ON TRACK
(New York Postのニュースへのリンク)
Voters Approve Transportation Bond Act
(NY1のニュースへのリンク)
その他にも多数あり

最初に開通するのは,レキシントン街の63丁目から二番街の96丁目の間に
なるようです.レキシントン街63丁目(Lexington Av/63 St)駅はSAS上では
ありませんが,Q系統が現在使われていない路線を使って57St駅から延長
され,そこから亘り線を使ってSASに乗入れます.公式サイトには路線図も
PDFファイルでダウンロードできるようになっていました.
Second Avenue Subway Alignment
(MTA公式サイトへのリンク)
MTA : Metropolitan Transportation Authority

最初は二番街を北上し,レキシントン街の路線(4,5,6系統)の補完の役を
果たします.その後は二番街を南下する計画になっています.
残念ながら日本語版はありませんが,例によってWikipediaがSASのことを
よくまとめています.
Second Avenue Line (英語版 Wikipediaへのリンク)
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2005年11月09日

【シアトル】モノレール計画 幕を閉じる

米国は火曜日が選挙の日でした.各地で泣き笑いがあったことでしょう.
シアトルのモノレールは,スペースニードルへ行く観光客主体の路線から,
都市交通の主役の座に登りつめることなく,終焉を迎えるのでしょうか.
市民投票の結果はNO=建設反対が圧倒的多数です.

Page 20, City of Seattle 選挙結果
(King Countyのサイトへのリンク)
Seattle Popular Monorail Auth. Proposition No. 1 Construction Of
Monorail By Modifying (YESが建設賛成票,NOが建設反対票)

これまでの経緯
(1回目) 8/19(2回目) 9/17(3回目) 9/25(4回目) 11/01

4度YESだった住民投票の結果が,5度目でNOに転じたのは,資金集めなどの
手法のまずさがありました.
今後シアトルの運輸省は,モノレールに代わる高速大量輸送機関の研究に
着手しますが,そうすぐにはまとまらないでしょう.そうなるとシアトルの
西側地区では今後も渋滞などに悩まされるでしょうし,老朽化して耐震性の
ない高架道路を取り壊すとなると,陸の孤島にもなりかねません.

モノレール計画の否決を報じるサイト
Monorail touches the third rail
(Seattle Timesのニュースへのリンク)
この他にも多数ありますが,killやrejectなどの言葉が並ぶなか,これは
タイトルがひねってあるので選んでおきます.
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2005年11月08日

【フィラデルフィア】前市長の介入でスト終結

SEPTAの2つの労働組合によるストライキで,一週間も地下�やLRT,バスを
奪われた市民らは,月曜の朝にテレビが報じたスト終了のニュースを聞いて
ほっとしたことでしょう.前日夕方から徹夜の会談で双方が妥協し,労組は
ストを終了しました.
SEPTA : Southeastern Pennsylvania Transportation Authority
フィラデルフィア・セプタ
(日本語のWikipedia,フリー百科事典へのリンク)

未明の解決だったため,朝のラッシュ時にはバスやLRTは半分程度の運転に
なりますが,夕方のラッシュには間に合うようですし,地下鉄は通常通り
朝から走り始めたようです.
なお期間中使えなかったパス類の一部払戻しなどの案内が,公式サイトに
掲載されています.
Service Interruption Refund/Exchange Policy

解決にはペンシルベニア州のRendell知事が尽力していました.Rendell氏は
1992年から2000年までフィラデルフィアの市長を務めていて,1998年のスト
の際には解決に力が及びませんでしたが,2003年よりペンシルベニア州知事
となり,今回はその面目躍如といったところです.これで来年の選挙に向け
再選への大きな弾みになったかもしれません.
昨年の大統領選挙でもこの知事の力により,ペンシルベニア州は民主党が
獲得しましたし,フィラデルフィア市長時代にも人気があったようで,市長
再選の選挙では8割もの得票があったそうです.
そして何よりも,ここでも紹介しましたが,バス代行のまま放置されていた
路線に,PCCカー復活のきっかけをつくったのも,市長時代の話です.

AP通信が流した記事を載せているサイトが多いなか,地元新聞ならではの
独自の記事をPhiladelphia Inquirer紙が掲載しています.
SEPTA strike is over
(Philadelphia Inquirerのニュースへのリンク)

今回初めて気が付いたのですが,在住者のかたのブログもありました.
The strike is over
(パパはフィラデルフィアで研究留学のブログへのリンク)
SEPTAストライキ解除
(NY Heaven -Chapter2 in Philly-のブログへのリンク)

フィラデルフィアは全世帯の三分の一がマイカーを持たず,他の都市より
公共交通機関に依存する割合が高いところです.今回SEPTAがストを行って
いる間に苦労した利用者は,果たしてSEPTAに戻ってくるのでしょうか.
PhillyBlogの交通機関などをテーマとした掲示板に,投票スレッドがあり
ます.それによれば現時点で54%近くがSEPTAを再び利用すると回答して
いますが,徒歩や自転車(バイク?)の合計も60%を超えています.
(複数回答なので合計は百%を超えます)
Poll: Post-strike commuting plans
(PhillyBlogの掲示板へのリンク)
スト期間中にどうやってフィラデルフィアに来たか,手段を問うスレッド
では,徒歩,自転車,マイカーの順ですが,どれもほぼ30%前後でした.
Poll: Post-strike commuting plans
(PhillyBlogの掲示板へのリンク)
どちらも絶対数が少ないですし,投票する層が限られているかもしれません
ので,これだけでは何とも言えませんが,1998年のストの際には,利用者が
戻るまでかなりの時間が掛かったとのことです.もっとも40日間続いたあと
ですから,さもありなんですが...

SEPTAは大きく4つの事業部にわかれています.今回のストにより運休した
地下鉄やLRTなどは,City Transit Divisionに属しています.それらは
1968年9月にフィラデルフィア・トランスポート・カンパニー(Philadelphia
Transportation Company)からSEPTAが獲得したものですが,地域の交通網を
統合することを恐らく資金的に補助するために,そのうち4路線(Subway)は,
フィラデルフィア市がSEPTAにリースする形をとりました.そのリース期限は
37年間で,つまりこの年末に期限が切れることになっているのです.

本来ならその問題にも手をつけなければならないのですが,SEPTAも市も
問題を2007年まで先送りしました.大変厄介な政治問題になりそうです.
SEPTA, city extend lease of subway
(Philadelphia Inquirerのニュースへのリンク)
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2005年11月07日

【Muni】ロケーションシステムを市バスにも導入

ガソリン価格の高騰で市バスの運転本数削減が行なわれたサンフランシスコ
で,GPSによるロケーションシステムを全ての市バスに導入することになり
ました.これによりバスがいつ来るか判らない不安を解消できます.

GPSによるロケーションシステム(AVL=Automatic Vehicle Locator)は,既に
1999年からMuniメトロのLRTと一部のトロリーバスに導入されています.
NextBusと呼ばれるそのシステムを,今回全ての市バスにまで広げようと
いうものです.必要な資金としてMTCは1120万ドルを,MTAがNextBusシス
テムに使用できるようにしました.この資金は,地域交通の情報技術増進の
ために使用される大型プログラムとして使われるものの一部です.

サンフランシスコ市を走るMuniの80の路線のうち,来年夏までにトロリー
バス路線への設置を完了させ,続いて2007年末までにバス路線への設置も
行なう予定です.
Muni : San Francisco Municipal Railway
MTA : Municipal Transportation Agency (Muniの上部組織)
MTC : Metropolitan Transportation Commission

市バスへのNextBus導入を報じるニュースサイト
SAN FRANCISCO’S MUNICIPAL TRANSPORTATION AGENCY
RECEIVES $11.2 MILLION TO COMPLETE NEXTBUS CITYWIDE

(American Chronicleのニュースへのリンク)
Muni to expand automated tracking system
Officials hope alerts on 'next bus' will ease wait anxieties

(San Francisco Chronicleのニュースへのリンク)

このNextBusシステムはなかなか優れもので,電停やバス停にリアルタイムの
運行情報を表示できるほか,インターネットを介してパソコンや携帯電話
からも確認することができます.次のバス到着まで何分かとか,地図上に
現在位置を表示することも可能です.

百聞は一見にしかずということで,Muniメトロ(LRT)の5路線を一度に表示
しているサイトを紹介しておきます.米国西海岸の早朝から深夜の間に
是非一度ご覧ください.一度見るとやみつきになるかもしれません.
San Francisco Muni (all 5 Metro lines)
(NextBusのサイトへのリンク)

GPSなのにマーケットストリートの地下区間などはどうやって位置検知を
行なっているのだろうかと疑問ですが,ATO(ここでは自動運転ですが米国
ではATCと表現)が導入されているほどですから,何らかの形で列車の位置を
把握しているのでしょう.その情報はNextBusシステムとは別に公開されて
います.Embarcadero駅にも大型スクリーンがあります.
MUNI Central Control
(MUNI Central Controlのサイトへのリンク)

このシステムは乗客への情報提供だけではなく,車両の位置が簡単に掌握
できるため,運用が乱れた時の収拾にも大いに役に立ちます.
NextBusシステムは,この他にもポートランドの市電でも採用されています.
(MAXには導入されていません)
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国ベイエリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2005年11月06日

【ポートランド】スチールブリッジ補修工事

オレゴン州ポートランド(Portland)は,City of BridgesとかBridgetownと
いう別名があるほど,橋の多い街です.近くをウィラメット川(Willamette
River)とコロンビア川が流れていてリバーシティとも言われるほどですが,
橋は数が多いだけではなく,それぞれの橋はまた美しさにも秀でています.

その中の一つ,スチールブリッジ(Steel Bridge)は可動橋で,しかも道路と
鉄道の併用であるばかりか,二段構造になっている珍しい橋です.
上段には道路とライトレールのMAX(Metropolitain Area Express)が走り,
下段は脇に歩道があり,真ん中をAmtrakや貨物列車などのヘビーレールが
走っています.

ポートランドの橋や,スチールブリッジをきれいな画像で紹介するサイト
Gallery 'Portland Bridges'Steel Bridge
(PortlandBridges.comのサイトへのリンク)

このスチールブリッジの東側の取付け部分で,MAX(LRT)が走る軌道を支える
強化コンクリート製の桁(girders)に亀裂が発見され,10/30より補修工事を
行なっていましたが,新たな亀裂が発見されたため,MAXの運行を止めて
工事を行なう必要が生じました.この日曜日には終日MAXは橋の前後で運転を
打ち切り,橋の区間はシャトルバスで結ばれることになります.もしもまた
新たな亀裂が見つかると,来週も同じようになるとのことです.

Steel Bridge closed to MAX service on Sunday
(TriMetの公式サイト,Rider Alertsへのリンク)
Bridge closures will reroute traffic, MAX
(The Oregonianのニュースへのリンク)
スチールブリッジ周辺の衛星写真,(Virtual Earthへのリンク)

現在のスチールブリッジは2代目で,1912年に完成しました.
二段の可動橋は上下が別々に昇降できる仕組みになっていて,川を通る船の
高さにより,例えば上段はそのままで下段だけを昇降させることも可能と
なっており,それができるのは世界でもここだけとか.さらに北米で2番目に
古い可動橋でもあります.

1984年から2年にわたり1千万ドルをかけた補修工事が行なわれ,1986年開業
のMAXの通行に備えました.今回亀裂が見つかった桁は,その時に補修された
ものかもしれません.
現在スチールブリッジはUnion Pacific鉄道の所有になっています.上段は
オレゴン州運輸省にリースされ,そこからMAXの軌道部分は更にTriMetに
又貸しされています.Union Pacific鉄道は他の鉄道会社などと共に1912年
にこの橋を建造したのでした.
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2005年11月05日

【ストラスブール】トラム延長工事再開

今フランス語のGoogleでTramwayのニュースを検索すると,いまだに続く
マルセイユのストの話題ばかりが出てくるのですが,先日その検索結果の
中にストラスブール(Strasbourg)の文字を見つけました.

記事は昨年10月に中断を命じられていたトラム路線延長の工事が,再開と
なることを伝えるもので,これはストラスブールの地方行政裁判所(Tribunal
administratif)が出したトラム建設中止の命令を,ナンシーにあるフランス
に五ヶ所しかない行政控訴院(Cour administrative d'appel)が撤回した
ことによるものです.13.5kmに及ぶ,B,C,Dの3路線の延長とE線の新設が,
これで前進することになりました.

Rétablissement de la Déclaration d'Utilité Publique pour le projet
d'extension tram
(ストラスブール市のニュースへのリンク)
Le tramway de Strasbourg reprend la voie des travaux
(Batiactuのニュースへのリンク)
Les travaux du tramway de Strasbourg peuvent reprendre
(Moniteur-Expertのニュースへのリンク)

工事が中断されていたことすら知らなかったですし,今ひとつ中止が命じら
れた理由もよく判らないのですが,どうも着工前の住民への説明や影響調査
が不十分だったからのようです.
また今回の延長でトラムが走ることになるNeudorf地区の住民の一部が,
路線延長に反対していることも関係しているのでしょう.
計画では地区内にあるWinston Churchill橋を架け替えることになっていて,
昨年夏に行われる予定だった現在の橋の取り壊し作業がまず止められ,
その後10月には,昨年4月に県が出していたトラム延長の建設許可が全区間
にわったって取消されました.

今回の取消命令撤回は,CUS(communauté urbaine de Strasbourg)が
昨年12月に求めていたものです.

延長される区間を含めた簡単な路線図が下記サイトで見れます.
Le réseau 2007 - 2008 (ストラスブール市の公式サイトへのリンク)

その他に参考になりそうなサイト(画像あり)
Images for Winston Churchill Bridge
(Nicolas Janberg ICSのサイトへのリンク)
Les extensions prévues du réseau des tramways de Strasbourg
(Tramway de Strasbourgのサイトへのリンク)

日本でLRTを説明する時には,必ずと言っていいほど紹介されるフランスの
ストラスブール.LRT導入希望者にとっていわば聖地みないなその場所で,
こんな話があったとは意外でした.
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2005年11月04日

【ワシントンDC】地下鉄の座席配置見直し

ラッシュ時の混雑緩和のため,地下鉄の座席数を減らす試みがワシントン
DCで行われます.来春から24両に3種類の試験的なレイアウトを施し,車内
装備のカメラで乗客の動きを解析しようというものです.コストは78万3千
ドルとのこと.結果次第で952両の座席配置を換えていくことになります.

3つのレイアウトは,いずれも座席数を減らし,ドア近くのスタンディング
ポールやドア横の風防板を撤去し,代わりにつかまり棒やつり革を増やす
というもので,ドア周辺に集中しがちな乗客を,少しでも車両の中央に誘導
しようというものです.

各レイアウトは減らす座席数が異なっています.
1つ目はドア横のレールと平行の座席を4つだけ撤去するもので,すでにこの
64席のレイアウトで次のBreda製の新車は発注されています.
2つ目は52席まで座席を減らし,レールと平行の座席を3つドアの中央のドア
のところに増やします.またバネ式のつり手が設けられます.
3つ目は2つ目のレイアウトをベースに48席まで座席を減らし,車端部には
折り畳み式の椅子,もう片方の車端部には座席ではなく腰あてを使用した
壁にもたれかかる立ち席スペースとし,また大型荷物や自転車,車椅子用と
しても使えるようにします.

ワシントンポスト紙では3種類のレイアウトをイラストで紹介しています.
Metro Considers New Seating Plan for Railcars
(Washington Postのニュースへのリンク)
レイアウトへはGraphicの欄にある,Proposed Seating Configurationsを
クリックしてください.

公式発表もあります.
Metro aims to test new rail car designs to reduce crowding on trains
(WMATAのニュースリリースへのリンク)
WMATA : Washington Metropolitan Area Transit Authority

現在の車内 flickr より
m e t r o (Mr. Pompiers氏のフォトへのリンク)
Non-Peak (rrenomeron氏のフォトへのリンク)
yes, orange (samuel_y氏のフォトへのリンク)
テストされるレイアウトでは,いずれも天井の捕まり棒が2本に増え,座席の
背から天井に伸びる握り棒はそのまま残り,ドア近くの床から天井に伸びる
スタンディングポールや,風防壁は撤去されます.

日本の通勤鉄道から比べれば,まだまだ余裕があるように見えます.しかし
ワシントンの地下鉄は,1960年代にハイウェイの代わりに建設が開始され,
開業は1976年と遅いほうでした.現在の座席配列は当時の自家用車で通勤
していた人たちを,いかに地下鉄に引き寄せるかに重点が置かれたため,
座席数を増やして着席乗車を前提としていたのです.おまけに床を絨毯敷き
にしているほどです.ところが一日70万人が利用するほどに成長し,転換期
を迎えているのかもしれません.ニューヨークやロンドンのようなロング
シート化の可能性も排除しないようです.
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2005年11月03日

【リトルロック】リバーレール ストリートカー開業1周年

アーカンソー州リトルロック(Little Rock)とノースリトルロックのリバー
レール(River Rail)が,11/01に開業1周年を迎え,当日は運賃が無料となり
ました.もっとも普段でも大人が往復で50セント,一日パスでも$2です.

この一年は,予想を超えた利用者があり,また沿線の不動産価格も上がり
ましたが,収入が予測の三分の二に留まる問題もあります.
しかし早くも来年夏までに,現在の2.5マイル(約4キロ強)の路線を更に少し
だけ,前大統領を記念するクリントン ライブラリー(Clinton Library)まで
延長する計画も,実現に向けて進行中です.
River Rail to celebrate birthday by waiving fares on trolley loop
(Arkansas Democrat-Gazetteのニュースへのリンク)
With River Rail`s First Birthday Come Plans & Problems for Growth
(KARK Little Rockのニュースへのリンク)

リトルロックはGoogle Earthで訪れるのみですが,リトルロックとノース
リトルロックの双方で路面電車のリバーレールはループを描いています.
ループはいずれも併用軌道ですが,両者の間にはアーカンソー川が流れて
おり,路面電車は道路橋の端をこの区間だけは自動車から隔離されて川を
渡っています.アーカンソー川と橋 (中央が電車の走る橋)(Google Local)

両都市あわせても人口は25万人足らずですが,川を挟む両岸の再開発の一部
としてリバーレールは開業しました.ダウンタウンのループ線による循環
運転は,ウィスコンシン州ケノーシャ(Kenosha)や,やや形は違いますが
オレゴン州ポートランドなどでも見られます.

リトルロックとノースリトルロックを結ぶ路線と,リトルロックのループ
だけを走る路線の二系統がありますが,CATAのバス路線とは接続だけで
路線の重複はほとんどありません.
営業は朝が普段は朝11時から開始とかなり遅く,例外は夏の間の土曜日で
7時半からです.終了は曜日により平日は午後10時か真夜中まで,日曜は
午後5時で終了となっています.これでダウンタウンの中で人の流れを補助
する役目を担っているのでしょう.
River Rail Streetcar Project (公式サイトへのリンク)
CATA : Central Arkansas Transit Authority

車両はGomaco製のレプリカ.フロリダ州タンパで導入されているものより,
全長がやや短い車両です.来年の路線延長で車両が追加されますが,増備
される車両は抵抗制御ではなくチョッパ制御だそうです.またいずれもPCC
カー以外で米国では珍しくレールブレーキを装備していますが,これは
アーカンソー川を渡る道路橋の勾配で安全を確保するためのようです.

参考になるサイト
Arkansas Vintage Trolley Systems
(Railway Preservation Resourcesのサイトへのリンク)
Little Rock, AR (路線図へのリンクあり)
(APTA Heritage Trolley and Streetcar Siteのサイトへのリンク)
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2005年11月02日

【フィラデルフィア】SEPTAのストライキ DAY-2

フランスのマルセイユがスト28日目の朝を迎えたころ,フィラデルフィアの
市民は,翌朝はいつもより早く起きて家を出なければならないことを再確認
しつつ浅い眠りにつきます.そして迎えたハロウィーンの朝は,慣れない
通勤電車に乗ったり,自転車で長距離走ったり,いつもの何倍もの距離を
歩いて,それぞれの職場,学校へと向かったのでした.
まもなくスト3日目の朝を迎えます.

フィラデルフィアでは三分の一の世帯が自家用車を持たず,公共交通機関に
頼る生活を送っています.このため交通機関のストは北米の他都市よりも
大きな影響を与えやすく,今回のストライキで影響をこうむるのは,一日
40万人とも50万人とも言われています.

ストライキ決行で運転されていないのは,ほぼ全ての市内路線バスのほか,
次の軌道系交通機関で,地下鉄やLRTは全滅の状態でした.近郊からの通勤
列車以外で動いているのは,デラウェア川の対岸から通勤客を運び,都心は
地下を走る第三軌条のPATCOだけです.

スト決行中で運休の路線一覧
(リンク先は全てwww.nycsubway.orgのページ)
Market-Frankford Line (市内の東西を縦断する地下鉄)
Broad Street Line (市内を南北に貫く地下鉄と,支線)
Subway-Surface Lines (10, 11, 13, 34, 36) (都心部は地下を走るLRT)
Trolley Route 15 (PCC-IIが走るLRT)
Route 100 Norristown High Speed Line (第三軌条式LRV)
Routes 101 & 102 Media-Sharon Hill Trolleys (LRT)

この9月にPCCカーが復活した15系統もスト決行中の路線に含まれています.

逆にSEPTAでも動いているのはRegional Rail(通勤列車)です.
フィラデルフィア空港や,ニュージャージー州トレントン(Trenton)まで行く
列車は動いています.同じSEPTAでも機関車牽引の通勤列車が動くのは,
機関士が所属する組合の契約期限が異なるからだそうです.
下のリンク先に動く路線とスト決行中の路線を示す路線図もあります.
Service Interruption Plan (SEPTAのサイトへのリンク)
SEPTA : Southeastern Pennsylvania Transportation Authority

とにかく都心部へ出るには動いている通勤列車で行くしかないのですが,
運賃はいつも通り必要ですし,通勤時間帯には乗車前に切符を買わなければ
なりません.車内で購入することができないためです.また夕方都心部の
駅から乗る場合も,乗車前に運賃支払のためコンコース階に並ぶのですが,
帰宅の人が集中して長蛇の列になっています.

これが一日なら我慢できるものの,いつ終わるかが判りません.
前回1998年にストがあった時は何と40日間続いたそうです.この時も最初は
今回と同じようにRegional Rail(通勤列車)は動いていましたが,のちに
ストライキ中の組合員の集会やピケラインがエスカレートして,その通勤
列車を一時止めてしまいました.

今回のストの理由は,ヘルスケアの支払負担の問題などで組合とSETPAの
交渉が決裂したためです.スト突入2日目の夜を迎えた段階で,仲裁者が
組合交渉者とSEPTA側との会合をお膳立てしましたが,地元テレビ局
CBS 3のLocal News Briefsによれば,徹夜の交渉も物別れに終わった
ようです.

もしも来週もストが続くようなら,小学校でスト対策として実施している
バスサービスを,中学高校でも実施を検討することになっています.

ストライキを報じるサイトの一部
SEPTA Strike Survival Guide
Gridlock Inside SEPTA's Rail Stations
(CBS 3のニュースへのリンク)
400,000 Hit by Philadelphia Transit Strike
(New York Timesのニュースへのリンク)
その他多数あり
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国北東部 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2005年11月01日

【シアトル】モノレール:審判の日まであと7日

5度目の住民投票を11/08に控えて,この週末にはモノレール推進派が色々と
イベントを行ないました.1票でも多くのYes(建設賛成)票獲得のためです.
10/29には計画中のモノレール路線を歩こうというもので,10/30には現在の
モノレール路線で,モノレールと車,自転車,徒歩,犬?がレースを行なう
というものだったようです.いずれも若手のモノレール推進派が手がける
2045 Seattleのブログで呼び掛けがされていました.
March Saturday at 11 am for the Monorail! (10/29への呼びかけ)
Monorail Race on Sunday (10/30への呼びかけ)
(2045 Seattleのブログへのリンク)

行進の様子は,地元テレビ局のサイトで紹介されています.
Monorail Supporters Hit The Streets
(KOMOのニュースへのリンク)

一方シアトルの二大新聞紙のサイトでは全く紹介されていませんが,それも
そのはず,両紙ともモノレール建設の是非を問う投票にはNo(建設反対)を
推奨していました.下記サイトには賛成派と反対派のリストが囲み記事の形
で掲載されています.
Latest monorail battle low-budget
(Seattle Timesのニュースへのリンク)

夏前までは14マイルだった計画は,資金調達計画の信頼性に疑問符がつき,
市議会や市長からも見放されるなか,路線短縮を泣く泣く承諾した経緯が
あります.短縮された新しい路線図や,モノレール建設賛成の理由28か条
などが,2045 Seattleのブログにあります.
The Seattle Monorail Green Line Map, Facts & Benefits (新路線図)
28 Reasons to Vote Yes
(いずれも 2045 Seattleのブログへのリンク)
Updated Route Map (公式サイトの新しい路線図)
こちらは建設中のCentral Linkとの位置関係がよく判るようになっています
(Seattle Monorail Projectへのリンク)


これまでの経緯は,こちらでも三度紹介していました.
(1回目) 8/19(2回目) 9/17(3回目) 9/25

雰囲気としては,SMPの進めるモノレール計画は市民からの賛成多数を得ら
れないような感じがします.二大新聞をはじめ,政治家や実業家など,影響
力のありそうな反対派が多いのです.またシアトルに大量輸送ができる公共
交通機関が必要と考えている人たちでも,SMPの手法,特に資金調達方法を
疑問視しています.

それではもしも今回否決されたとして,交通機関をどうするかという話は
ハイウェイへの投資以外あまり出ていませんが,少なくともモノレールが
ダメならライトレールでというわけにはならないでしょう..モノレールは
ライトレールより建設費が安く済むというのがうたい文句でした.

シアトルの場合は再利用できそうな既存の貨物線などがありませんし,併用
軌道(道路上の路面走行)では,渋滞にますます拍車をかけ使い物にならない
と考えられていて,高架かトンネルが前提となっています.高架橋建設なら
ライトレール用よりモノレール用のほうが安いというわけです.

Sound TransitのLRT(Central Link)も当初計画案から路線を短縮して承認
されました.ダウンタウンではバストンネルを利用し,それ以外では一部で
高架橋も建設中です.


SMP=Seattle Monorail Project (Seattle Popular Monorail Authority)
SMPは,シアトル市内を走るモノレール(グリーンライン)の建設から運営
まで行う独立した組織で,その運営を左右する理事会のメンバーは,直接
選挙で選ばれたり,市長や市議会から任命されています.今回の選挙でも
反対派から立候補者が出ていて,当選すれば廃案に持ち込むでしょう.


なお仮に賛成多数で5度目の市民投票を通過できたとしても,すぐ建設という
ことにはなりません.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国北西部 I このエントリーを含むはてなブックマーク
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