2005年12月31日

【ポートランド】バス通りにLRT乗入れ

これはニュースではありませんが,最近TriMetのサイトを見た時に興味
深い計画を見つけましたので報告したいと思います.

オレゴン州ポートランドでは,1977年から都心部を南北に縦貫する二つの
通りをバスに開放し,その他の車両の通行を一部を除き制限しました.
この二つの通りとは5番街(Fifth Avenue)と6番街(Sixth Avenue)のこと
で,ポートランド トランジットモール(Portland Transit Mall)と名付け
られました.どちらの通りも一方通行で二本で双方向をカバーします.
ここにはポートランド市のみならず,周辺地域からの路線バスがほぼ全て
集結し,南北を走る通り全体がハブの機能を果たしていました.

トランジットモールと言うと,路面電車やLRTが走る歩行者空間を思い
描くことが多くなりましたが,ご承知の通りさまざまな形態があり,ここ
ではバス通りと幅の広い歩道という空間です.歩道は幅が広いだけでは
なく,彫刻や噴水などのオブジェクトも少なからず点在しています.
Portland Transit Mall 現在の様子など
(Adam J. Benjamin氏のサイトへのリンク)
非常に充実した内容ですが,本人の都合により残念ながら今後の更新は
ないそうです


ここにライトレールのMAXを乗入れるという計画が,2003年前後に明らか
にされます.30年近く経過したトランジットモールの魅力の低下から吸引
力が低下しているため,これを再生させるという目的がまず一つ.そして
現在のMAXが将来線路容量が足りなくなる恐れがあることから,その救済
路線を作らなければならないという目的もありました.MAXの新路線を
市の南東の方角に伸ばしたいことから,現在の東西を軸とした路線から
ではなく,南北を軸とした路線から延長させるのが都合もいいのでした.

トランジットモールへのMAX乗入れには反対意見も多かったようです.
二つ目の目的にあげられた線路容量の問題は,MAXの全系統が通る都心部
の問題もさることながら,その入口にあたるスチールブリッジのほうが
ボトルネックになるという指摘もあります.橋の上も都心部同様にLRTは
低速で走行しなければなりませんし,橋の取り付け部分の軌道の基礎に
亀裂が見つかり,週末にMAXを区間運休させて緊急に補修工事を行った
ことは,こちらでも紹介したことがありました.

スチールブリッジ補修工事

さてMAXをトランジットモールに走らせるとして,車線をどう振り分ける
のか,電停とバス停をどうするのか,前置きが長くなりましたが,今日の
ポイントはそこです.

現在のトランジットモールは,場所により2車線と3車線になっています.
基本的に路線バスが2車線を使いますので,3車線の区間では一般車両の
通行も許可されていますが,2車線の区間は走れません.2車線のところ
では,歩道の幅がその分広くなっているのです.
バス停は方面ごとにわかれており,各方面2ブロックごとになりますが,
全体ではトランジットモール上の全ブロックにバス停が並んでいます.
バスが2車線を要するのも,停車用車線と通過用車線に分ける必要がある
ためで,それだけバスが走っています.

次に現在すでにMAXは都心部を東西に横断していますが,そこでは原則と
して進行方向左側の車線を走り,左側の歩道に電停を設け,左側のドア
から乗降しています.通りに路線バスは走っておらず,電停はほぼ2ブロ
ックおきにあります.


TriMetやポートランド市では,MAXをバス通りのトランジットモールに
通すにあたり,幅広の歩道を通常の幅に戻して3車線を確保するのは止む
を得ないことと,バス路線の短縮は考えず今のままとすること,できれば
全区間で一般車両が走れるようにしたいということなどを前提に,大きく
分けて次の3案を検討したそうです.

中央車線走行,中央安全地帯から乗降
日本でおなじみの安全地帯を道路中央に設けて,その島で乗降りさせる
というもので,電停の幅など,全てをスリムにしなければなりません.
また乗降客の道路横断が危険という声もあります.

左側車線走行,左側歩道から乗降
現在のMAXと同じ方法ですが,一般車両が中央車線走行では無意味になっ
てしまうため,一般車両を左側車線,MAXを中央車線とし,電停の場所
だけMAXが左側車線に寄るか,歩道幅を左側車線の分だけ拡張して,MAXが
中央車線を走りながら左側歩道(幅拡張)から乗降するオプションもあり
ます.前者は一般車両とMAXの動線が交差して危険ですし,後者では一般
車両が電停のあるブロックは通れなくなってしまいます.

中央車線走行,右側歩道から乗降
MAXが中央車線を走りますが,電停手前で右側車線に移行し,右側の歩道
で乗降してもらうというもので,バス停と競合することになりますし,
両者の動線が交差する心配もあります.
電停の場所だけ歩道幅を右側車線の分だけ拡張して,MAXは中央車線を
走りながら右側歩道(幅拡張部分)から乗降するオプションもあります.
しかしこれもバスと著しく競合します.
どちらにしても,この案では一般車両はトランジットモール全区間を通行
できるようになります.
どの案になるか続きを読む
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2005年12月30日

【フィラデルフィア】泥仕合に巻き込まれる地下鉄

ペンシルベニア州フィラデルフィアの都心と,ニュージャージー州の南部
にあるカムデン(Camden)を結ぶ,州間地下鉄という言うべきPATCOライン
が,ペンシルベニア州知事から脅しを受けています.
PATCO (日本語版 ウィキペディアへのリンク)

事の発端は,両州の間に流れるデラウェア川の浚渫計画を巡るものです.
これはデラウェア川の水深を,103マイル(約165km)に渡って現在の水深
40フィート(約12.2m)から45フィート(約13.7m)まで掘り下げ,大型貨物
船の通行を容易にし,近隣の港湾施設との競争に後れを取らないように
しようというものでしたが,ニュージャージー州側の逡巡により長い間
論争の的になっていたようです.(詳細はご容赦ください)

両州の合同行政機関であるデラウエア川港湾局(Delaware River Port
Authority)が,予算を認めるかどうかに掛かってきているわけですが,
その期限が明日(12/31)に迫り,浚渫計画をすすめたいペンシルベニア州
の知事は,もしもこれが認められない場合には,PATCOをシャットダウン
すると発言したというのが,今回の報道です.
Rendell says he'd close PATCO over dredging fight
(Philadelphia Inquirerのニュースへのリンク)
Rendell says he'd shut down PATCO over dredging battle
(phillyBurbs.comのニュース(Associated Press)へのリンク)

ご承知のかたには退屈な話ですが,上記ウィキペディアにも記されている
ように,PATCOラインの歴史は古く1936年開業です.ニュージャージー州
カムデン郡からフィラデルフィアへの通勤の足として,今は一日38,000人
が利用しているそうです.つまりもしもPATCOラインが運転できなくなる
ような事態に陥ると,困るのはニュージャージー州側だということです.

州境のデラウェア川はベンジャミン・フランクリン橋で越えます.同じ
ニュージャージー州のPATHは,マンハッタンまでハドソン川を地下でくぐ
りますが,こちらでは壮大な眺めを体験できます.ベンジャミン・フラン
クリン橋はつり橋で,道路部分の外側をPATCOは走るため,片側の車窓は
こわいほど見晴らしが良く,また現在の車両は運転室が片側にしかなく,
先頭部分では運転室越しではなく,ガラス一枚を隔てただけのパノラマが
広がります.
PATCOラインはフィラデルフィア市内では橋の取付け部分を除き,地下を
走りますが,途中には1970年代に営業を止めた廃駅もあり,結構面白い
ものですし,カムデン側では最初の2駅だけが地下区間で,その後は高架
線が続きます.

報道にあるシャットダウンとは,もちろん物理的なことではなく,財政
援助を打ち切るというものです.現在デラウエア川港湾局が所有,運営
しているベンジャミン・フランクリン橋の自動車通行料金は,片道$3です
が,一部はPATCOの運営に回されているようです.これを止めるという
ことのようです.
通行料金は片道のみ徴収で,往復走っても$3です.フィラデルフィア行き
車線のカムデン側に料金所があります.

公式サイトにある年次報告書をざっと見る限りでは,港湾局が管理する
4つの橋の通行料収入の合計は,PATCOの収入の約10倍です.
PATCOだけでは赤字ですが,港湾局全体としての収支としては,橋の通行
料金からの収入で補完されているという形なのでしょう.

知事はフィラデルフィア市長時代にPCCカー路線の復活に尽力したり,
最近はSEPTAのストライキで労使交渉の仲介にあたり,ストを終結に導い
た人物で,こちらでも何度か紹介しています.
前市長の介入でスト終結
PCCカー復活の経緯


PATCO : Port Authority Transit Corporation, PATCO Speedline
車両の画像などは,こちらを.
NYCsubway.org - PATCO High Speed Line
(NYCsubway.orgのサイトへのリンク) 橋を渡る画像もあります

PATCOのニュージャージー側のカムデンでは,NJ Transitの非電化ライト
レール,リバーライン(River LINE)とも接続しています.
【サウスジャージー】運賃$1.25で最大73分乗車

フィラデルフィアもさることながら,このカムデンというところは,人口
8万人ほどの街ですが,全米369都市の中で最も危険な街というレッテルを
実は今年も貼られています.これはMorgan Quitno Pressという都市別の
犯罪率などを調査,発行している私的機関が毎年発表しているリストに
よるもので,カムデンは昨年に続き今年もワースト1なのです.
リストは下記リンク先でご参照ください.
TOP AND BOTTOM 25 CITIES OVERALL
(Morgan Quitno Pressのサイトへのリンク)
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2005年12月29日

【サンフランシスコほか】大晦日の晩は運賃無料

欧米でも年の瀬という言葉があるのかどうかわかりませんが,興味を惹か
れるようなニュースがだんだん無くなってきました.
そこでベイエリアでは,12/31の夜は運賃が無料になる公共交通機関が
多いとの情報を聞きつけて,公式サイトを中心に調べてみました.

ライトレール

サンフランシスコ(Muniメトロ)
12/31夜8時から1/01朝6時まで無料,一部区間で未明まで運転時間延長.

サンノゼ(VTA)
12/31夜7時から1/01朝4時まで無料,一部区間で未明まで運転時間延長.

サクラメント(RT)
12/31夕方6時から営業運転終了まで無料,ダウンタウンを午前2時発車で
各方面に向けて特別運転.
Some RT routes free for New Year's Eve bash
(Sacramento Beeのニュースへのリンク)

地下鉄

サンフランシスコ,オークランドほか(BART)
12/31夜8時から1/01朝3時まで$6で乗り放題のパス発売中.

鉄道

サンフランシスコからサンノゼ(Caltrain)
12/31夜11時から営業運転終了まで無料,1/01未明はサンフランシスコ発
午前2時発まで3本の特別運転.

この他に西海岸では,ポートランドのTriMetが12/31夜8時から営業運転
終了まで無料で,ブルーライン(LRT)が午前3時まで特別運転を行います
が,年が明けた1/01からはまた運賃値上げが待っています.
ロサンゼルス(Metro)では,12/31夜9時から1/01真夜中まで無料です.
ということは,1/01は終日無料?

全部は調べていませんが,東海岸ではボストンが12/31夜8時から運賃が
無料になるようです.
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2005年12月28日

【カッセル】増設の電停は安全地帯なし

道路の真ん中にある路面電車の電停に,車道より一段上の乗り場(安全
地帯の島)がないところが日本でもまだ見られるようですが,それは欧米
でも同じです.米国でも知る限りはサンフランシスコやフィラデルフィア
など,昔からある路線にありますし,ドイツなどではどこでも見られる
光景と思います.しかしさすがに新しい電停に,島がないのは珍しいの
かもしれません.

ヘッセン州カッセルでは,新たに増設された電停が島なしにだったこと
で,乗降客に危険ではないかという声を取り上げた報道がありました.
安全地帯のない電停はカッセルでは初めてのタイプだったのです.問題の
電停はFriedrich-Ebert-StraßeとQueralleeの交差点に増設された,
Kassel Queralleeという新しい電停のようです.
ちなみにKVGの路線図PDF版をダウンロードして見てみましたが,まだ掲載
されていませんでした.今のところウェブ上の時刻表だけが対応している
ようで,その時刻表では0番,4番,8番系統が通っていることがわかり
ます.(0番系統も路線図には載っていません)
KVG : Kasseler Verkehrs-Gesellschaft AG

どんな電停になったのかは,下記ニュースのほうに画像がありますので,
ご覧いただくのが一番でしょう.(消滅していたらご容赦ください)
安全地帯はありませんが,電停に相当する車道部分が,乗降りに適した
高さ(本来ならあるはずの島の高さ)まで,かさ上げされています.それ
でも乗客は道路上で待つことはもちろん出来ず.電車が来るまで歩道で
待つことになります.電車が到着すると,電停の手前にある自動車向けの
信号が赤になり,車が電車の脇を走らないよう安全対策が一応採られて
います.ドイツの交通法では,電停で電車が停車中は乗降客がいる時は
その手前で停止,いない場合でも徐行で通過ということになっていたかと
思います(と言うか皆そうしています)が,信号がある以上は電車が動き
出すまで停車したままでいなければならないのかもしれません.

この方式は別に珍しくもないのですが,電停手前の信号は見逃されやすい
のではないかとか,乗降を容易にするための車道のバンプ(かさ上げ部)の
高さが20cmにも及び自動車の走行に危険でないのか,どうして歩道寄りに
軌道を移せないのかなどと批判が出ています.
軌道を移設できないのは予算の都合のようです.現在の方法は45万ユーロ
なのに対し,軌道を歩道に近い車線に移すと100万ユーロは掛かるとの
ことです.
車道のかさ上げ(スピードバンプみたいなもの)は,低床車が走る区間で
特に効果があるのだと思います.これはドイツやオーストリアではよく
見られ,20cmが高いかどうかはよくわかりませんが,下記ウィーンの画像
とか他の街のものと,今回取り上げられているサイト上の画像を見比べて
みると,確かに高いような感じにも見えますが....

それらの批判を報じた数日後,今度は他の都市ではどうなっているのか
紹介されました.そこではオーストリアのウィーン,ドイツのゲーラ,
イェーナ,フライブルクが引き合いに出されています.
ゲーラでは信号機がありませんし,ウィーンでも信号機があるのはごく
一部だったと記憶しており,交通量が少ないところでは標識だけでも問題
ないのではないかということと,イェーナでは夜間の安全確保で照明を
十分にしていることなどが記されています.またフライブルクでは,信号
取り付けで事故数が減ったという例があるそうです.

なおカッセルでは,2つの電停の移転?でも同様のスタイルにすることが
検討されているようです.
Schildbürgerstreich oder Super-Lösung?
Neue Straßenbahn-Haltestelle auf Friedrich-Ebert-Straße, Ecke
Querallee, wird kritisiert - KVG: In vielen Städten funktioniert
diese Form
(HNA Onlineの12/21付けニュースへのリンク)
電停の雰囲気がわかるのは,12/27付け.
In Wien kein Problem
Tramhaltestellen in der Fahrbahnmitte: Wie funktionieren sie in anderen Städten?
(HNA Onlineの12/27付けニュースへのリンク)

追記,ドイツ語版Wikipediaに画像が紹介されています.
Straßenbahn Kassel (この項目は2006年1月にできました)
Kassel Querallee電停の画像 Bild:Querallee.jpg


ウィーンの安全地帯なし電停の例
Wien4
上では普通の電停のように見えますが,実は人のいるところは車道です.
下は乗降りがひと通り終わって,車がソロソロと前に出てこようとして
いるところです.画面からは判りにくいのですが,車道は歩道ほどでは
ないものの多少かさ上げされていて,手前に見える横断歩道のすぐ先の
ところがスロープになっています.

Wien5
こちらは車道のかさ上げはありませんが,手前に信号機が設置されて車が
停止するのを促します.(電車は手前から奥のほうへ向かっています)


こんなサイトもありました.Straßenbahn, Haltestelle, Überholen?
(FAHRTIPPSのサイトへのリンク)
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2005年12月27日

【ヒューストン】LRT 事故の多さを改めて懸念

テキサス州ヒューストンではライトレールと自動車などの事故が多いと
紹介したことがありますが,10月末に開業したカルフォルニア州ロサン
ゼルスのBRT(bus rapit transit)でも事故が多いことを取り上げて,
両者を比較しながら改めて安全性を問う記事がありました.
Similar bumpy roads for transit in LA, Houston
(Houston Chronicleのニュースへのリンク)
同紙によるライトレール関係の特集ページは,今では事故関連の記事で
埋め尽くされてています.Hot topic: Metro light rail
同紙による事故マップ(2004年末までの68件分) Clash Log
先週末にも今年54件目,開業以来の2年足らずで通算121件目となる事故が
ミッドタウンで発生,LRTの乗客6名と運転手に,相手の運転手の計8名が
病院に運ばれる軽症を負っていたのです.

ヒューストンのLRT,METRORailはテキサス州ハリス郡(Harris County)
のMETROにより運営されています.
METRO : Metropolitan Transit Authority

一方LAのBRT,オレンジラインも先週末までの時点で事故件数が既に8件
を数えているそうです.METRORailは試運転の段階から事故がありました
が,オレンジラインも同じでした.
ロサンゼルスもヒューストンも,米国で最も空気の汚染度が高い地域と
言われるほどの車社会です.LRT導入はLAが15年近く早く,またヒュース
トンでは今後の計画として,LRT建設予定路線にLRTに先立ち利用者が増え
るまでBRTを導入することを検討していますので,注目するのでしょう.
(LRT計画がバス(BRT)に後退した例で紹介)

両者はともに事故原因は主に自動車側にあって,設計上の欠陥ではないと
していますが,どちらも事故は交差点で多発しています.
道路との交差点数は,LAオレンジラインが36か所(約14マイル),このうち
遮断機付きは9か所で,ヒューストンではこれが62か所(約7.5マイル),
遮断機付きは10か所となっているそうです.約200mごとに交差点がある
ことになりますが,これは都心部走行のせいでしょう.

もちろんこれまで無策だったわけではなく,ヒューストンではLRTが接近
した際には,交差点の信号機を全方向とも赤にする措置を施し,事故率を
低下させましたし,LAでは交差点内でバスを徐行させるなどを実施して
います.しかしバスの徐行は所要時間を延ばすことにもなるとの指摘も
受けています.


これとは別に,米国特有かもしれない踏切の無謀横断による事故の多さ
も,LRTには災難です.
少々古い記事からになりますが,2002年までの12年間に発生した,米国の
ライトレールによる犠牲者数の都市別リストがありました.
ヒューストンは開業前ですので載っていませんが,事故件数が多くても,
今のところ犠牲者は1人のはずですので,載せても下位でしょう.
Light-rail fatalities, 1990-2002
(USA TODAYのニュースへのリンク)

ここでは断トツでLAに最初に開業したLRT,ブルーラインが一番になって
います.Blue Line (公式サイトへのリンク)
ブルーラインでの事故は踏切で多く,遮断機が設けられていても,それを
(歩行者の場合は)くぐりぬけたり,(自動車の場合は)破壊するなどして
軌道上に進入した結果,高速で走行するLRVにはねられたことが主な原因
のようです.ライトレールの速度を見くびっているため,遮断機が降りて
いても渡ってしまうのだと思われますが,低速で長大編成の貨物列車を
普段見慣れていると,どうせこちらに来るまで時間が掛かるのだから,
開かずの踏切で足止めされる前に渡ろうと,考えてしまうのでしょう.


LAで10月末より営業を開始したバス専用道を走るBRT(bus rapid transit)の
オレンジラインに関するサイト
Metro Orange Line - Photo Gallery
(MTAの公式サイトへのリンク)
MTA : Los Angeles County Metropolitan Transportation Authority(Metro)
関連過去ログ
BRTオレンジラインは事故多発?
BRTオレンジラインは成功?
平面交差のバス専用道
オレンジライン開業秒読み
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2005年12月26日

【フィラデルフィア】15番トロリー PCCカーII

ホリデーシーズンでニュースもここ数日は休眠状態です.そこで今日は,
最近の収穫を紹介させていただきました.
PHL_greeting

フィラデルフィアPCCカーII 関連の過去ログ
トロリー23番は復活遠のく?
PCCカー復活の経緯
9/04からPCCカー復活

PCC car : President's Conference Committee Car
PCCカー 解説 (ウィキペディア 日本語版)
PCC streetcar 解説 (Wikipedia 英語版)
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2005年12月25日

【シアトル】モノレール 営業再開への選択肢

モノレール同士のすれ違いざまによる接触事故から1ヶ月近くが経過しま
したが,いまだに営業運転再開の目処はたっていません.
このモノレールはシアトル市が所有し,運行はSMS(Seattle Monorail
Services)が行っています.今シアトル市では,修理が済み次第直ちに
営業を再開すべきなのか,それとも数百万ドルを投じて安全性を高め,
場合によっては今後数十年先まで運行可能なようにしてから営業を再開
すべきなのか,選択を迫られているようです.

この2年間は長期運休が続いていましたが,それ以前は年間に200万人を
シアトルセンターまで運び,市とSMSは合わせて80万ドル以上の利益を
得ていました.少しでも早く営業を再開することで運賃収入を確保し,
長期的な保守対策に資金を投じるべきという意見がSMSから出ています.
この路線は,11月に住民投票で否決された新モノレール計画路線の一部
に生まれ変わることになっていたため,先延ばしにしていたメンテナンス
の必要があり,またこのところ事故続きで,市民も安全性を心配する
ようになってきました.これらのことも考慮しなければなりません.

Fixing monorail: A patch job or major overhaul?
(Seattle Timesのニュースへのリンク)

紹介されている選択肢は次のようなものになります.

車体の修理だけ
損傷の程度はそれほど重くないということなので,修理だけを済ませて
これまで通り運転再開.

1編成だけの運転
輸送に2編成を必要とするのは年間に数えるほどしかないので,衝突の
危惧がない1編成だけで,インフラには何も手を加えず運転再開.
あるいは2編成で運転する場合には,場内信号を増設するなどして対応
したり,今回のような運転士による信号見落としに備えて,自動停止装置
を導入.

コンピュータ制御化
自動運転化.導入コストは500万ドル,加えて100万ドルが年間に?必要.

新車導入
これを機に車両を交換.新モノレール(グリーンライン)計画では,日立製
の1編成が800万ドル.

配線の見直し
衝突の原因となった狭隘部のある配線になったのは,モールが原因
紹介していますが,これを無くすにはウェストレイク駅を作り直さなけれ
ばならず,膨大な費用が必要.新モノレール(グリーンライン)計画では,
ちなみに一駅1000万ドルの見積り.
また車両が逸送して,線路端に衝突する事故もこれまで4回起きている
ことから,終端部に余裕部分を設けるべきという意見も.
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2005年12月24日

【ポートランド】MAX 氷雨に二連敗を喫す

オレゴン州ポートランドでは,月曜早朝に悪天候により,ライトレールの
MAXが一部路線で運転できず通勤客らの混乱を招きました.
自然が相手では止むを得ないようにも思えますが,昨年も同様の状況で
27時間もMAXが運休したこともあり,MAXを運営するTriMetを責める報道が
ありました.
MAX : Metropolitan Area Express (LRT)
TriMet : Tri-County Metropolitan Transportation District of Oregon

特に車の運転が危険になるほど悪天候下では,車での移動を避けて公共
交通機関が利用されることもあり,それを機会にMAXの良さを実感して
もらういい機会なのですが,逆の印象を与えてしまったようです.
Editorial: TriMet fails again in storm response
(Portland Tribuneのニュースへのリンク)

昨年に続き今週初めにMAXを悩ませた悪天候とは,日本はあまり馴染みが
ないかもしれない,freezing rainでした.(ice stormとも呼ばれます)
氷雨や氷晶雨,雨氷とも訳される雪より始末の悪い雨のことです.
これは霙(みぞれ)のようなものではなく,雨粒がたとえどこに落ちても,
その場で瞬間的に凍り付いてしまうという危険な雨で,電車線(架線)を
氷結させ,電車を止めてしまうのでした.
フリージングレインとは,元々雪として落下していく粒が,落下の途中で
暖かい空気の層を通り,そこで一旦融けて雨になり,さらに地表の直前で
再び冷たい空気の層を通るというような条件が重なると,粒の物質構造が
特殊な状態になり,どこに落ちてもその衝撃で瞬時に結晶化してしまう
という,たちの悪い雨のことを言うそうです.
木の枝全体が氷で覆われていたりするような映像が,日本でも報じられ
ることがあると思います.架線や電線が除去する間もなくそうなって
しまうのですから,ひとたまりもありません.
アメリカやカナダでは知られていますが,ウィキペディアでは英語と,
デンマーク,ドイツ,フランス,オランダの各国語のみ解説があります.


2004年の教訓として,TriMetでは架線にプラスチック製のカバーをつけて
氷結しても送電に影響がでにくくするようにしたり,日本の霜取りパンタ
のような,氷をかきとる専用パンタグラフをMAXの2編成に装備したりして
いました.また悪天候が予測される時は,普段より運転間隔を狭めて氷が
付着しにくくなるようにしたり,場合によっては深夜もそのためだけに
電車を動かしました.
これらが今回一部の路線では功を奏したのですが,運転ができなくなった
区間には,砕氷パンタ付きの車両が入線していなかったようですし,架線
もプラスチック製のカバーごと氷に包まれてしまったのです.
Malfunctioning MAX raises new questions
TriMet equipment, adopted following a 2004 storm, fails to stop
disruptions on the east side
(Oregonian 12/20付けニュースへのリンク)
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2005年12月23日

【チューリッヒ】コブラ量産車が落成

日本でも新潟で大停電の被害がありましたが,木曜はチューリッヒでも
停電があり,トラムが5時間以上にわたり運転できなくなり,バスが代行
したそうです.それはさておき...

独自に開発された100%低床車両コブラ(Cobra)は,2001年より6両が先行
してチューリッヒのトラムに投入され,2003年に正式導入が決定してい
ました.その量産車がレマン湖の東端にあるVilleneuveのボンバルディア
(Bombardier)の工場でようやく完成したそうです.予定では2006年3月
から月に2~3両のペースで,全68両が2009年中に納入されます.
一編成のお値段は,340万スイスフラン(1スイスフラン=95円とすると3億
2300万円)也.
Die Cobras kommen
(Tages-Anzeiger Onlineのニュースへのリンク)
Die Cobra geht in Serie
Erstes von 68 neuen Zürich-Trams bei Bombardier fertiggestellt
(NZZ Onlineのニュースへのリンク)
Niederflurig und mit Klimaanlage
(Zürcher Oberländerのニュースへのリンク)

チューリッヒ交通局(VBZ)のサイト内のコブラに関するページ(ドイツ語)
Das Cobra Tram (VBZ公式サイトへのリンク)
VBZ : Verkehrsbetriebe der Stadt Zürich

コブラの詳細に関しては,下記サイトが日本語でよくまとまっています.
VBZ Be 5/6 (フリー百科事典『ウィキペディア 日本語版へのリンク)
先行車両はウィキペディアに記載されているように,ボンバルディアの
プラッテルン(Pratteln)工場で製造されましたが,その工場はボンバル
ディアがリストラで閉鎖したため,量産車はVilleneuveの工場になりま
した.今はないVevey社の工場です.契約上コブラはスイスで製造しなけ
ればなりませんので,かつてコブラの競争相手を設計した会社の工場での
製造とあいなった次第です.

日本語のウィキペディアにも記されていますし,ご承知のかたも多いと
思いますが,VBZが独自の低床車にこだわったのは,電停のホーム長さに
わけがありました.チューリッヒの主要電停はホームが37mあります.
シーメンスが当時売り込み中だったレディメイドのコンビーノ(Combino)
は,モジュールの組合せにより自在に車両長を変えられますが,32mと
42mという選択肢になり,VBZが欲しかった車両長に調節できなかったの
です.ここで通常なら42m車にあわせてホーム延長も検討されるところ
ですが,道路を遮断してしまうため不可能でした.当時のBombardierの
低床車やALSTOMのCitadisは,メーターゲージ(軌間1000mm)のVBZに合う
車両をつくっておらず,メーターゲージも可能なCityRunnerも,車両幅
2.4mの関係で?採用が見送られたようです.
実際にはコンビーノに38mという選択肢もあったはずで,1mの延長なら
何とかなったのではないかという気もしますが,VBZの構想段階ではまだ
コンビーノやその他レディーメイドの100%低床車が,誕生前かその直後
で,メリットに気が付かなかったのかもしれません.


今回報道されている中にも書かれていますが,コブラの歩んだ道もまた
平坦ではありませんでした.9年前に新車導入が決定され,量産先行車が
納入されたのが5年前,その後は技術的なトラブルに見舞われました.
改良が重ねられ,変わっていないのはデザインだけというようなことも
記されています.もしかしたらコブラが持っていた独特の駆動メカニズム
や操舵機構も変わってしまっているのかもしれません.
コンビーノの車体構造問題の影響も受けました.ベースとなるデザインが
同じらしく,やはり耐用年数の半ばで問題が生じることが明らかにされ,
強化が図られました.そのせいで納期も半年遅れたようですし,量産車は
若干先行車両より重いそうです.

しかし低床化がもたらす乗降のしやすさに加え,夏のエアコン,カーブ
通過時の軋り音の解消など,利用者や沿線には待ち望まれていた量産車
です.68両全てが配備されると,理論上はチューリッヒ市内のどの電停で
待っていても,2本に1本は低床車両がやってくることになるようです.
もちろんコブラだけでは数があいませんが,Tram-2000で既存のトラムの
中間に組み込まれ,部分低床を実現する車体(Sänfte)を含みます.

またコブラ(Cobra)は,チューリッヒの北部に建設中で,将来は空港へも
延長される Glattalbahnにも投入が予定され,35両の追加も控えている
ようです.
Wo fährt die Glattalbahn? (計画路線図)
(Glattalbahn公式サイトへのリンク)

英語になりますが,チューリッヒのトラム(路面電車)に関する情報は,
このサイトが更新頻度も高く,今回も参考になりました.
Newslog (Trams of Zürich のサイトへのリンク)
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2005年12月21日

【ニューオリンズ】セントチャールズ線は来秋再開か

深い緑色の路面電車が,カナル通りに帰ってきて数日が経ちますが,次の
ステップの情報が入ってきました.
車両は無事だったものの,架線などをハリケーン カトリーナ(Hurricane
Katrina)に破壊されたセントチャールズ線(St. Charles Avenue line)の
復旧工事が,来年1/09から開始される予定です.1100万ドルを掛けて,
カトリーナで被災しなければ9月から開始されるはずだった,架線やその
他の電力関係の設備のオーバーホールを兼ねて行なわれるそうです.

オーバーホールが必要だったのは,この路線へ600Vを供給する変電所が
1940年代のものという古さであったことと,3ヶ所ある変電所が,どれも
路線の中ほどに集まっていたため,今回全て被災してしまったのですが,
これを2つは路線の両端に分散させるなどの必要があったのです.もしも
被災前に変電所を分散していれば,早い機会に末端での再開が可能だと
いうことのようです.

復旧工事によりRTAでは,カナル通り(Canal street)から,CBD(Central
Business District)内の1.5マイルを,早ければ2006年10月か,遅くとも
同年12月までに暫定再開させたいとしています.ただしこの日程は万事
うまく運んだ場合のスケジュールで,再びハリケーンの襲来があったり,
工事中に何らかの問題があれば話は別です.
RTA (NORTA) : New Orleans Regional Transit Authority

Rebirth in works along St. Charles
But streetcars won't rumble until at least next fall
(Times-Picayuneのニュースへのリンク)
この記事によれば,カナル通りから,リーサークル(Lee Circle)の少し先
Calliope streetまでが,セントチャールズ線の暫定区間になるよう
です.RTAは全線の運転再開時期については言及しませんでした.工事を
請け負う Boh Bros Construction Co., L.L.C.からの情報が求められる
ところです.

費用は一部保険で賄われるほか,FEMA(Federal Emergency Management
Agency)(=連邦緊急事態管理庁)が,足りない分を補うのでしょう.一方
カトリーナ前に予定されていたオーバーホールでは,FTA(Federal
Transit Administration)(=連邦交通局)が補助金を出していました.

なお一部で運転が再開されたキャナルストリート線(Canal Street line)
と,全線再開のリバーフロント線(Riverfront Line)の車両修繕は,連邦
政府からの援助を7000万ドルまで使えることになったそうです.
$70 million available for streetcar repairs
(Times-Picayuneの12/18付けニュースへのリンク)


12月15日 路面電車 12/18営業再開予定
12月13日 路面電車 復活に向けた試運転
11月16日 電車復帰への道は険しそう
10月06日 交通機関に4700万ドル
10月02日 セントチャールズ線バス代行で
9月05日 路面電車の車庫も浸水か?
8月29日 ハリケーン・カトリーナ 襲来 (ウィキペディア)
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【ミネアポリス】LRTとトンネル内の氷との闘い

ミネソタ州ミネアポリスのハイアワサ ライン(Hiawatha Line)は,予想を
上回る利用者数があります
が,冬場にはウィークポイントがありました.
空港の下を走るトンネル内にできる氷塊で,徐行運転を余儀なくされる
のです.

氷は地表から80フィート(約24m強)下を走るトンネルの壁から染み出て
きた地下水が凍結したものです.通常トンネル内は摂氏12度から15度前後
ですが,寒冷の地ミネソタ州の外気を,LRVがトンネルに進入する際に
持ち込んでしまうため,トンネルの壁や床に氷塊を作ってしまいます.
ミネアポリスの冬は厳しく,最低気温が摂氏マイナス20度を下回る日も
あり,最高気温もマイナスの日本で言う真冬日が連日続きます.


安全走行に支障をきたすため,本来なら時速40マイル(約64km/h)で走れる
ところを,同25マイル(約40km/h)に減速しなければなりませんでした.
昨シーズンにこれを体験したMetro Transitは,今シーズンからの対策と
して,夏のうちにトンネル内壁のつなぎ目をふさぎ地下水の染み出しを
減らすほか,11月にはトンネル入口にファンを設け,このエアカーテン
作用でLRVが冷気をトンネル内に運び込むのを防ごうとしたのです.
ファンには4万ドルが投じられました.

しかしそれでも12月の第二週の段階では氷塊は出来てしまいます.北行
(ダウンタウン方面行)のLRTは徐行運転を行いました.遅延は1分ほどに
留まりますが,毎晩トンネル内の氷塊を除去しなければなりません.
ファンの向きを調整して,それ以降は減速せずに済んでいるようですが,
それでも氷が出来てしまう場合には,電気ヒーターなどで溶かすしかない
でしょう.そのためのコンセントは既に設けているそうです.
Ice still gives trouble to LRT tunnel tracks
(Minneapolis-St. Paul Star Tribuneのニュースへのリンク)
Light rail plagued by ice dams
(KTSP.comのニュース=APへのリンク)

トンネル内の氷結防止対策のグラフィック版
Metro transit working to prevent light-rail ice buildup
(Minneapolis-St. Paul Star Tribuneの11/17付けニュースへのリンク)

ハイアワサ ライン Metro Transit: Hiawatha Line (Route 55)
(Metro Transit公式サイトへのリンク)
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2005年12月20日

【タコマ】LRTの昇圧と大型LRV乗入れへ

ワシントン州タコマは,シアトルへの空の玄関口シアトル・タコマ空港に
名前が付いていることで知られるほか,北九州市と姉妹都市にもなって
います.ここに2003年夏に開業したLRTのTacoma Linkが非常に好調で,
同じルートをバスで走っていた時代よりも多くの利用者があるそうです.
Tacoma Linkは1.6マイルと距離が短いことや,タコマドーム駅とダウン
タウンを結ぶだけという性格上からか,運賃が無料になっています.

Tacoma Linkを運営するSound Transitは,現在シアトル市内と空港とを
結ぶLRT,Central Linkをはじめとする路線網を建設中ですが,将来を
見据えて,早くもピュージェットサウンド地区(Puget Sound)における
次世代の交通網を計画しています.

12月第2週には立案された81の計画についての費用や,利用者数予測の
第一報が公開されました.Sound Transitでは,その81の計画全てを着手
するのではなく,利用者数予測,建設および運営コスト,所要時間の短縮
度合いや定時運転がどれだけ確保できるか,他のシステムとの接続性や
機動性,環境にやさしいかどうかなどを基準に,ある程度の数にプランを
絞り込もうとしています.Sound Transitではその草案を来年3月までに
にまとめたいとしていますが,先週とりあえず81のうち20を外したと発表
していました.
Sound Transitの次世代交通計画は,ST2と呼ばれています.

タコマ市のLRT関係の計画では,空港からタコマドーム駅(Tacoma Dome)を
結ぶLRTが選ばれています.この路線が開業すれば,シアトルのダウン
タウンからタコマのダウンタウンがライトレールで直結することになり
ます.またタコマのダウンタウンから西側にあるコミュニティカレッジ
(Tacoma Community College)への路線も盛り込まれました.
Sound Transit narrows projects
(The News Tribuneのニュースへのリンク)

現在のタコマリンク(Tacoma Link)も,大型のLRV乗入れに伴い改良される
ことになります.この事業が何年先の話か明確には記されていませんが,
今のチェコ製LRVは,寿命を迎えているいないにかかわらず,引退を余儀
なくさせられることになっています.設備などの改良点は次の通り.
* 750Vから1500V電化へ昇圧
* 電車線(架線)のレール面高さを1500V対応の20フィート(約6m強)へ
(現在は18フィート,約5.5m弱)
* ホームの長さを現在の倍200フィート(約61m弱)に延長(大型車2本対応)
シアトルからのセントラルリンク(Central Link)は,一編成95フィート
(約29m弱)の車両を将来ピーク時に最大で4本連結する必要があり,その
ままではタコマのダウンタウンまで乗り入れできないため,その時には
タコマドームかその手前で乗換えになるようです.

昇圧などの工事期間中はバス代行となるほか,交差点を曲がる際に大型
LRVは徐行を強いられることになるようです.これはセントラルリンクの
大型車両が最少曲線半径を100フィート(約30m強)としているのに,その
交差点の西行き路線(カーブの内側)では,曲線半径が90フィート(約27.5m
弱)しかないということです.現在のチェコ製車両では問題ありません.

詳細は下記リンク先にあるPDFファイルでご覧になれます.
South Corridor Potential ST 2 Projects
(Sound Transit公式サイトへのリンク)
現在のタコマリンク,Tacoma Link Light Rail
(Sound Transit公式サイトへのリンク)

ST2は最終的には2006年11月の住民投票で,売上税の税率引き上げが承認
されるかどうかにかかってきます.すでに売上税0.4%や自動車車両ライ
センス税0.3%がSound Transitの資金源になっていますが,売上税を最大
0.5%上乗せしたいというものです.
Sound Transitは,タコマ市を含むピアース郡 (Pierce County),シアト
ル市を含むキング郡 (King County)(南北と東の3ブロックに分割),その
北側にあたるスノホミッシュ郡 (Snohomish County)がエリアです.
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2005年12月19日

【ベルリン】不正乗車と運賃体系と検査員

不正乗車は洋の東西を問わず頭痛の種のようですが,意図的にではなく,
複雑な運賃体系が元で図らずも不正乗車をしてしまうケースや,車内で
改札する係員の知識不足により,不正乗車で罰金を支払わなければなら
ないケースもあるようです.

ドイツでは地下鉄をはじめ,ほぼ全ての鉄道に改札というものが存在しま
せんし,路面電車やバスも,運転士に切符類を見せることなく乗降りが
可能になっています.このため抜き打ちで検査が行われ,その時に有効な
乗車券類や証明書等を持っていない場合には,弁解無用でSchwarzfahrer
(不正乗車)とみなされ,元の運賃から比べると高額な罰金を払わなくては
なりません.罰金はベルリンの場合,40ユーロです.

記事原文がドイツ語のため,誤訳誤解があるかもしれませんが,
次の記事で問題にあがったのは,ドイツ鉄道(DB)が割引カード(BahnCard)
で,100キロ以上の都市間乗車券購入する際に摘要のCity-Ticketです.
BahnCardは,年間にいくらか支払ってカードを得ると,切符を買う際に
毎回25%や50%の割引がきくというものです.
City-Ticketは,日本でもお馴染みで発着駅の市内全ての駅で乗降り可と
いうものですが,ドイツでは一歩進んでいて,DB駅だけでなく地下鉄や
バス,路面電車など市内交通全てに摘要されます.2003年12月から始まっ
た比較的新しい試みですが,今月の冬ダイヤ改正を機に,市内交通まで
利用できる都市は80を超えました.

City-Ticketは,都市によって使える範囲が限られていて,例えばフラン
クフルト(マイン)では空港駅まではカバーしていませんし,ベルリンも
Sバーンの環状線以内と定められています.
ところが日本と同じで切符には何々市内とだけしか記されませんので,
範囲を超えて乗ってしまうとか,逆に乗車可能なゾーン内にもかかわら
ず,抜き打ちの切符検査員がCity-Ticketを理解していなくて,罰金を
請求してしまうことがあるそうです.
Schwarzfahrer, weil der Kontrolleur sich irrte Immer Ärger um
verwirrende Tarifregelungen

(Tagesspiegelのニュースへのリンク)

City-Ticketの案内 (ドイツ語)
City-Ticket Mit der BahnCard kommen Sie weiter.
(Deutschen Bahn AG公式サイトへのリンク)
このページからリンクしているFAQページの9番目の項目に,摘要範囲が
書かれています,

切符の検査員の資質も問われているように思われます.BVGでは50人を
専属で雇っているほか,外注?で130人を車内改札のため使っています.
彼らの時給は5.5ユーロ+1.8ユーロ?ということや,11月のベルリンの不正
乗車率は,地下鉄 3.1%,バス 1.7%,路面電車 4.1%という興味深い数字
も,下記記事に掲載されていました.
Drei Prozent fahren in Berlin schwarz
(Berliner Morgenpostの12/12付けニュースへのリンク)
BVG : Berliner Verkehrsgesellschaft

ベルリンでは不正乗車率がバスでは低く,路面電車では高くなっています
が,場所が変わると数字も変わるようで,フランクフルトの2004年の数字
では,地下鉄 3.1%,バス 4.3%,路面電車 3.87%だったようです.
ÖPNV online - Nahverkehr Frankfurt am Main Aktuell 2005
(25.01.2005) VGF-Schwarzfahrerbilanz 2004の項目を参照
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2005年12月18日

【ボストン】グリーンラインにブレダ車を追加発注

ボストンのグリーンライン用として投入されながら,数々の故障を繰り
返し,使い物にならないLRVの代名詞とも言えたイタリア製車両を巡り,
マサチューセッツ湾交通局(MBTA)は製造メーカへの支払を途中で止め,
途中だった納入の残りの受取を拒否していた問題が,ようやく解決した
もようです.
MBTA : Massachusetts Bay Transportation Authority

加えてMBTAは,遅くて混雑するグリーンライン(Green Line)の改善を,
路線改良と車両の投入により図ろうとしています.ちなみにグリーン
ラインの平均利用客は,現在一日あたり20万人だそうです.

軌道のアップグレードに掛ける経費は950万ドルで,新しく入る車両が
走れるようにするほか,2008年までに9か所ある徐行区間の解消を図り,
スピードアップを目指します.
一方車両投入のほうは,何とAnsaldoBredaからの購入です.
この会社こそ,レモン(欠陥という意味あり)とまで呼ばれたType 8を製造
し,冒頭に記したMBTAともめていたイタリアのBredaが合併により生まれ
変わった新会社だったのです.新たに投入される車両というのも,どう
やら同じType 8のようです.
MBTA plans upgrade to make Green Line more efficient
(Boston Globeのニュースへのリンク)
T looks for lemonade in sour trolley deal
(Boston Heraldのニュースへのリンク)

Boston Herald紙のタイトルにあるレモネードは,もちろん欠陥品という
意味のレモンと引っ掛けていて,さらに不愉快なとか不快なという意味と
酸っぱいを意味するsourを掛けているのが面白いです.


実は新車の投入両数に関して,両記事に相違があります.
Boston Globe紙が85両までとしているのに対し,Boston Herald紙では
45両で,どちらも納期は2007年まで(Boston Globe紙は1月と明記)です.
(Boston Globe紙はAssociated Press配信記事のようです)

Type 8は,グリーンラインの希望の星として,MBTAがBredaから2000年
までに100両もの大量購入を予定していた低床式LRVです.他都市に導入
実績がないなかでの2億2200万ドルに及ぶ契約を1995年に交わしました
が,その時期は低床車導入ブームだったのかもしれません.
ところがやってきた車両は故障が相次ぎます.近畿車輛製など他の車両の
3倍の頻度で故障していたそうで,挙句の果てには何度も脱線し,軌道の
せいとされたMBTAは軌道補修に950万ドルも投じていました.
その後次々納入される車両も,ブレーキ故障から電気機器の不具合まで
故障のてんこ盛り状態で,とうとう欠陥品(レモン)のレッテルを貼られる
始末です.Type 8車両は主にグリーンラインのうちでもB系統で使用され
ていましたが,2004年半ばの段階で使える車両は常時半分程度,40両の
うち20両ほどだったと言います.
RAILROAD.NET Forumには,こんなタイトルのスレッドがあるくらいです.
Type 8 status, how many active:
(RAILROAD.NETのフォーラムへのリンク)

一年前の2004年12月には,MBTAはすでに契約のうち1億4300万ドルを支払
い,100両中47両を受領した段階で,残り53両の受取を取消し,残金も
支払わないとBredaに通告しました.その後は今回の発表まで,1年に及ぶ
両者によるこう着状態が続いていたようです.

しかし法廷闘争は避けたいのと,AnsaldoBredaの新体制により,状況が
一転したということなのでしょう.MBTAはAnsaldoBredaに,性能表通りの
機能が発揮できる状態で2007年までの車両納入を要求し,もしも運行が
できない状態なら,代金は支払わないという条項を契約書に盛り込んだ
ようです.今度こそ上手くいってほしいものです.
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2005年12月17日

【アトランタ】車社会で生き延びていくために

人口約470万人を擁し,28ものカウンティ(郡)からなるアトランタ都市圏
(Metro Atlanta)で,公共交通機関を担う6事業者が,運輸計画理事会
(Transit Planning Board)を共同で新設する運びになりました.車社会の
アトランタとその周辺で,各事業者が生き延びていくための結成です.

アトランタ都市圏では,長らくMARTAだけが公共交通機関を運営してきま
した.アトランタ市を含む2つの郡内に限られますが,高速電車とバスを
運行しています.
MARTA : Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority
しかし近年になると,アトランタ市外の周辺地域の人口が急増し,他の
幾つかの郡でもバス運行を始めるようになります.(下記の事業者)
Cobb Community Transit
Gwinnett County Transit
C-TRAN など
また11の郡とGRTAが共同で運行する Xpressというバスもあります.
GRTA : Georgia Regional Transportation Authority

ところがこれらはいずれも財政危機に直面しており,MARTAはそれまで
蓄えていた予備金を2009年までに使い果たしてしまいますし,新設のバス
事業者は,連邦政府からの開業資金をあと2年で打ち切られます.

こうした状況の中でこの組織は,各事業者の計画を立案する機能をコー
ディネイトし,州や地域自治体からより多くの財政援助を獲得することを
目的としています.個々の事業者では自前のエリアだけの整備にとらわれ
成し得ない地域交通網の構築を,新組織で十分な資金を元に行うべきと
ARC委員長は語っているようです.
ARC : Atlanta Regional Commission

また今後2年間に,共通運賃の導入や各事業者の重複路線の削減,案内
電話番号や公式ウェブサイトの共通化などが考えられているほか,2年後
には現行のシステムのみならず,構想段階のプロジェクト,こちらでも
紹介しているベルトライン(Beltline)のLRT構想や,ピーチツリースト
リートの路面電車
(Atlanta streetcar)などをも,法的な強制力を持って
監視できる地域の公的機関を設立していきます.
New regional transit board approved
(Atlanta Business Chronicleのニュースへのリンク)
Officials endorse new transit planning board
(Atlanta Journal-Constitutionのニュースへのリンク)
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【シアトル】LRTは湖の浮橋を渡れるかも

シアトルとワシントン湖をはさんで対岸のベルビュー(Bellevue)を結ぶ
公共交通機関の整備として,Sound TransitではLRT導入を検討しており,
それは来秋行われる住民投票で,承認を得たい交通計画の候補の一つにも
なっています.

シアトルからベルビューへ行くには,ワシントン湖にかかる道路橋を通る
必要があります.ところがハイウェイのI-90は珍しい浮き橋で,世界的に
みても距離の長い浮橋をライトレールは通過する例はなく,また設計段階
ではLRV走行を想定していませんので,十分な検証が必要でした.
すでに2001年にはコンピュータによるシュミレーション結果が出ていた
ものの,ワシントン州運輸省は,実際に試験を行うことを求めます.

そうして行われたのが,9月の実車実験です.
8月に「LRTは湖に浮かぶ橋を渡れるか?」」で詳細を紹介しています.
もちろん走らせるのはLRVではなく,車両重量を想定した重しを搭載した
トラックの隊列だったわけですが,その実験結果の分析が終了し,コン
ピュータでシュミレーションしたように,LRVの通行に支障なしという
結論が,木曜日にワシントン州運輸省から出されました.
これで長年このLRT計画の前進を阻んでいた,心配の種が払拭されたこと
になるでしょう.

実験結果はコンピュータによる解析結果と,驚くほど相関関係があるそう
で,軽量化や強度を高めるなど,橋の構造に若干の改良が必要です.
詳細は下記記事をご参照ください.
Test shows I-90 bridge can take light rail
(Seattle Timesのニュースへのリンク)

ただこの段階でLRT建設が決まったわけではなく,現在Sound Transitは
来秋行われる住民投票で承認を得るために,計画を絞り込もうとしてい
ます.コストのかかり過ぎる計画や,高い利用率が見込めない計画,
リスクの高い計画などは除外されることでしょう.どの地域のあの計画が
残りそうだとか排除されそうだとかで,また新聞紙面をにぎわせている
ようです.

シアトルとベルビューなどイーストサイドを結ぶ計画が外されることは
ないと思われますが,最初はBRT(bus rapid transit)で建設して,あと
からLRT化というようなことにはなるかもしれません.
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2005年12月16日

【シャーロット】LRT工事本格化でトロリー運休

ヴィンテージトロリー(旧型車両の路面電車)を運行しているノースカロ
ライナ州のシャーロット(Charlotte)は,来年2月から路面電車の運行を
一年間休止することを発表しました.
これは2007年に開業を予定しているLRT(ライトレール)関連の工事の関係
です.現在は単線になっている区間を複線化するほか,橋の拡張とあり
ますので,恐らくフリーウェイに架かる橋を広げる工事なのでしょう.

2004年6月より電化された本格的な運行を開始していたCharlotte Trolley
は,同名の非営利組織とシャーロット市の当局(CATS)により運営されて
います.わずか2マイルほどの距離ですが,昨年CATSが運営するように
なった際の見込みの,倍以上となる年間26万4千人を輸送しています.

シャーロットの中心部を縦貫していて,主に週末の観光客や,コンベン
ション参加者などが主な利用客ですが,学校が引率する児童の利用も
多く,全体の25%を占めているのが特徴かもしれません.
ちなみにシャーロットの中心部は,ダウンタウンではなくアップタウン
(Uptown)と呼ばれています.
CATS : Charlotte Area Transit System

運休に伴いシャトルバスが運転されることになっていて,通勤にも若干
使われていることもあり,利用者に対する説明会も行なわれます.しかし
商売上トロリーの恩恵を受けていた人たちにとっては,頭痛の種です.
Trolley to shut down for a year
(News 14 Charlotteのニュースへのリンク)

Volunteers to stay busy with trolley idled

They'll revive bid to build museum, work on vintage vehicles
(Charlotte Observerのニュースへのリンク)

Observerの記事では,路面電車の博物館建設をCharlotte Trolley Inc.が
再申請したことも報じられています.

トロリーはLRT開業後も運転されると思いますが,一方でこんな記事も
ありました.それによればサウスエンド地区では,住民らがトロリーの
運休と,それに取って代わるLRTの説明を受けるようです.
South End Neighbors Discuss Community Issues
(WSOCtv.comのニュースへのリンク)
サウスエンド(South End)地区は,LRTの走る予定で現在工事中の,サウス
大通り(South Boulevard)が通り,現在はシャーロットトロリーの終点に
もなっています.
Charlotte Trolley Map (路線図)
(シャーロットトロリー公式サイトへのリンク)

なお肝心のライトレールは,今年8月の段階でLRT開業まであと1年半
紹介していましたが,当初2007年4月に開業予定が,予算の超過を抑える
ため,工期を延長して8月以降の開業にずれこんでいます.
Light rail setback means more delays
(News 14 Charlotteの11/29付けニュースへのリンク)

建設中のLRT公式サイト (CATS公式サイトへのリンク)
CATS / Rapid Transit Planning / South Corridor
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【Muni】サードストリートLRTの開業遅れ

サンフランシスコのCaltrain駅にほど近い,4th & King Streetsから,
川を渡って一路南下し,Mission BayやBay View地区を通って,最終的に
やはりCaltrainのBayshore駅までを結ぶ,Third Street light railは,
当初の予定では今秋開業しているはずでした.
Third Street Light Rail: Overview
(SF Muni公式サイトへのリンク)

今年10月の段階では,それが2006年7月にずれ込みます.それでもまだ
予算内に収まっており,総費用も5億8千万ドルでした.
$580M project will link Bayview to downtown
(San Francisco Examinerの10/02付けニュースへのリンク)

それが12/15付けの報道では,2006年末まで開業が1年以上遅れることが
明らかにされます.しかも予算を2100万ドル超過し,総費用も6億ドルに
迫ります.
Muni Third Street rail delayed, over budget
(San Francisco Chronicleのニュースへのリンク)
New SF light rail behind schedule, over budget
(KESQのニュースへのリンク)

今回は計画の64%のみが完成したことを報じていますが,遅れや予算超過
の原因などに関しては,詳しく記されていません.これが10月の報道では
現在のMuniのN系統(N Judah Line)の終点を出てすぐのところで渡る橋,
4th Street Bridgeの改良工事に伴ういざこざが,理由に挙げられていま
した.この橋は1916年建造と大変古く,ライトレール通行に耐えられる
ようにすることと,耐震性を持たせることから改良工事が実施されたの
ですが,これが思わぬ難工事だったのでした.

4th Street Bridge 改修工事計画概要
Peter Maloney Bridge Seismic Retrofit & Rehabilitation
(サンフランシスコ市 公式サイトへのリンク)
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2005年12月15日

【ニューオリンズ】路面電車 12/18営業再開予定

ハリケーン カトリーナ(Hurricane Katrina)の襲来後,初の運転となった
月曜の試運転の翌日に行われたスタッフのミーティングで,RTAは今度の
日曜からの仮営業再開を決めました.当初はクリスマスイブまでの再開
でしたから,一週間近く繰上げたことになります.
READY TO ROLL (Streetcars will return to N.O. on Sunday)
(Times Picayuneのニュースへのリンク)
RTA (NORTA) : New Orleans Regional Transit Authority

セントチャールズ アベニュー線(St. Charles Avenue line)車両*の35両
のうち8両を使って,キャナルストリート線(Canal Street line)の一部と
リバーフロント線(Riverfront Line)の全線で営業を再開します.
* Perley A. Thomas Streetcar

リバーフロント線
French MarketからConvention Centerまでの全線
キャナルストリート線
French MarketからCrozat Streetまで
Google Localによる位置確認

どちらも3月までは無料で開放されることになっています.なお両線とも
朝から夜までの運転に留まり,被災前にキャナルストリート線の一部で
行われていた24時間(終夜)運転は行われません.

各線とも3両ずつが運用に就き,残る2両は予備車になります.
フレンチマーケット電停からカナル通りの分岐まで,両線とも同じ線路を
走ることになるのは,被災前と同じです.
上記記事では,ハイブリッド キャナルストリート/リバーフロント線と
記されていますが,RTAのサイトにアップロードされている被災前の路線
図で確認する限り,キャナルストリート線のうちシティーパーク行の45
系統(Route 45)は,リバーフロント線をフレンチマーケットまで走って
いました.もう一方の墓地行の42系統(Route 42)はカナル通りの南端で
折返ししていたようです.

この区間では車庫がありませんが,側線などがあるようですので,そこに
留置でしょうか.

この営業再開は,日本でも映像付きで報じられるかもしれません.
日本時間 月曜日の海外ニュースは要チェックですね.

キャナルストリート線が,なぜ部分再開に留まるのか,セントチャールズ
線はどうなっているのかなどは,先日詳細を紹介していますので,ここ
では割愛します.【ニューオリンズ】路面電車 復活に向けた試運転
ご参照ください.これまでの経緯についてのリンクもあります.
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【サンディエゴ】PCCカーがやってきた!

本来ならタイトルは「PCCカーが戻ってきた!」なのかもしれません.
かつて「PCCカーの復活を夢みて」と題してご紹介したことがあります
が,一歩前進して車両を買い付けたようです.
Vintage Trolleys To Give San Diego Blast Of Past
(NBC Sandiego.comのニュースへのリンク)

2両の戦後型PCCカーが,ネバダ州のサウスレイクタホよりサンディエゴに
到着しました.非営利組織のSan Diego Vintage Trolley Inc.がMTSに
より最近設立されており,この団体が企業などから寄付金を集めながら,
車両復元を行っていくことになっています.
MTS : Metropolitan Transit System (サンディエゴでLRTやバスを運行)
San Diego Vintage Trolley Inc.に関しては,下記サイトに紹介されて
います.
San Diego - November 2005 PCC Plan Advances
(APTA Heritage Trolley and Streetcarのニュースへのリンク)

サウスレイクタホからやってきたPCCカーは,サンフランシスコのMuniで
走っていたものらしく,ニュースサイトのスライドショーでは,一つは
サンフランシスコとスライドショーの2枚目で判明しますが,もう一両の
5枚目と最後の9枚目に出てくる白と橙色?の塗装は,前身がどこかまでは
わかりませんでした.元セントルイスに似ていますが違いそうです.

比較的状態の良いPCCカーを選んだようですが,それでも復元には大変な
量の作業が待っています.今後全てが順調にいって,2008年までにダウン
タウンのループ線を走らせたいとしています.

ループ部分を構成する路線は,コンベンションセンターのあるウォーター
フロント地区を走りますし,近くには観光地のガスランプ・クオーター
(Gaslamp Quarter)や,大リーグのパドレスがホームグランドにしている
PETCO Parkもあります.そこに綺麗に復元されたPCCカーが走ることにな
れば,沿線の魅力も一層高まり経済効果も上がるのではないでしょうか.
San Diego Trolley System Map (路線図)
(MTS公式サイトへのリンク)
普段はループ線としての運行はありません.

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2005年12月14日

【フィラデルフィア】トロリー23番は復活遠のく?

フィラデルフィアではトロリー(路面電車)の路線が数多く残っている街の
一つですが,1992年にPCCカーの老朽化を理由に,SEPTAは3本の系統を
バス代行としました.廃止ではなく休止扱いといったところでしょうか.
SEPTA : Southeastern Pennsylvania Transportation Authority

廃止にならなかったのは,時の市長が将来LRTとして復活させることを
条件に,バス代行を認めたからです.当時の計画では新たにLRVを購入,
それを川崎重工車両が走っている他のトロリー路線に投入し,捻出した
川重車両を3つの系統(15/23/56)に充当するというものでした.

しかしSEPTAはLRTとしての再開の約束を果たすことなく,いたずらに時は
流れていきす.3つのうちルート15だけは,道路幅の広い区間が多いなど
の理由で,この9/04からPCCカーが復活しています.15系統でのほとんど
新車に近い改造(=冷房改造,車椅子用リフト装備,インバータ制御化
など)を施された,PCCカーII の復活の経緯もこちらで紹介したことが
あります.

前置きが長くなりましたが,休止中の路線も,実はまだ線路と架線は残さ
れた状態です.撤去する経費をも惜しんでいるのか,廃止でなく休止の
ために撤去できない状態なのか定かではありませんが,ダウンタウンでも
ペンシルベニアコンベンションセンターではルート23系統のレールと
ワイヤーが残されたままですし,古い街並みで人気を集めているジャー
マンタウン アベニュー(Germantown Avenue)も同様です.

ジャーマンタウン アベニューのほうは,下記サイトに画像が豊富にあり
ます.今にもトロリー(路面電車)がやってきそうな雰囲気ですが,残念
ながら現実に来るのはバスだけです.
ただ今回話題となるMount Airy地区には,PCCカーが静態保存されている
ようで,隣接するカフェの名前もその名の通り,The Trolley Car Diner
というものです.そのあたりの画像も下記サイトでご覧になれます.
Germantown Avenue Tour, Part 2 of 3, Germantown and Mount Airy
(PhillyBlogのフォーラムへのリンク)

線路と架線が残っているということは,車両があればすぐにでも運転を
再開できるということで,実際にはレールは交換しなければならず,現に
ルート15系統では取替えられているのですが,
沿線住民にとってはトロ
リー復活の希望を捨てずにこられた象徴のようなものだったわけです.
特にこのルート23の北端部などでは,イベント時にトロリーの運転計画も
立てられていました.

ところがSEPTAはこの軌道の一部を舗装してしまうという,一部沿線住民
にとっては暴挙にも思える行動に出たのです.
場所は前述のカフェのある辺りで,理由は交通事故が多発しているから
というものでした.
問題の場所の道路は,アスファルト舗装ではなくベルギー産ブロックを
敷き詰めた石畳です.その道路の様子も,PhillyBlogのフォーラムへの
リンクで見ることができます.このブロックが沈んでしまうため相対的に
トロリーの軌道が浮かんでしまい,それが元で事故が多いというのです.
ただ実際に道路の状態を上記リンクの画像で見てみても,危険な状態には
見えません.

選択の余地もなくレールを埋めてしまったSEPTAのやり方に,沿線住民は
激怒していると,下記サイトでは報じていました.
Is the Route 23 trolley history?
(Chestnut Hill Localの12/08付けニュースへのリンク)
Paving project angers Mt. Airy
(Philadelphia Inquirerの12/07付けニュースへのリンク)

SEPTA側では,ここにLRTを通すとしても,今のレールのままでは使えない
ため,一旦撤去の上で再敷設の必要があることを説明しつつ,資金もない
ため当面LRTとしての復活計画はないともコメントしています.
反対派はSEPTAの作業に対し,法廷に差し止め命令を求めましたが,棄却
されてしまいました.
州運輸省には,この通りの舗装を補修する計画があり,2007年かその翌年
の着手を予定していたところです.計画ではベルギー産のブロックは歴史
的なものとして残され,ルート23の区間も含まれています.
このため住民の怒りは簡単には収まりそうにありません.


ルート23系統の線路は,現役時にはChestnut Hillからずっと南下して,
ダウンタウンさえも通り越し,南フィラデルフィアまで伸びていました.
12.5マイルにも及びフィラデルフィアでも一番距離の長いトロリー路線
だったのですが,すでに今年6月の段階でレールは途中で分断されていた
ようです.
Route 23 Derailed
Welcome to the Chestnut Hill Local (June 23, 2005 Issue)
(Chestnut Hill Localの6/23付けニュースへのリンク)

今回トロリーのレールを埋められてしまった地域は,比較的裕福な人達が
住んでいる地域です.部分的にもトロリーを復活できれば,より観光客を
引き寄せられるし,地域の経済活性化の引き金になると考えていたと思わ
れます.レールが残っていても実際はトロリー復活の際には使えないわけ
で,今のレールはあくまで象徴的な存在でしかないわけですが,彼らに
とっては簡単に割り切れる問題ではないのでしょう.


ルート23系統や,9月に復活を果たしたルート15系統などの位置関係は,
下記サイトの地図が参考になります.
Philadelphia Trolley Map: 1976 to 2004
(Mike Szilagyi氏のサイトへのリンク)
今回軌道を埋められてしまったのは,ジャーマンタウン車庫よりも少し北
(上側)の場所と思われます.


ルート23が走っていた12丁目通り
左は復活したトロリーのルート15との交差点で,レールと架線が交差して
いるのが,わずかに判ると思います.右は都心部にあるコンベンション
センターで,ここも今はバスしか来ませんが,レールも架線もあります.
PHL 12th2 PHL 12th1
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2005年12月13日

【ニューオリンズ】路面電車 復活に向けた試運転

ハリケーン カトリーナ(Hurricane Katrina)で被災して以来,初めてと
なるストリートカーの運転が,試運転ながら月曜日に行われました.

ニューオリンズでは,車両は無事でも軌道が損害を受けているセント
チャールズ線(St. Charles Avenue line)があり,もう一方で軌道は無事
でも車両が損害を受けているキャナルストリート線(Canal Street line)と
リバーフロント線(Riverfront Line)がありました.
(電車復帰への道は険しそう でNY Times紙の記事を紹介)

しかしRTAではこれを逆手にとって,セントチャールズ線の車両を使って,
キャナルストリート線を限定的に運転再開させようと目論んだのです.
1960年代後半,旧キャナルストリート線がバスに取って代わられるまでは
珍しくもなかった光景が,40年の空白をおいて復活するとも言えます.
RTA (NORTA) : New Orleans Regional Transit Authority

そのための試運転が月曜日に行われたのですが,先週の段階でAPによる
報道もあり,地元だけに留まらず注目を集めていました.
Streetcars may roll again on some New Orleans lines
(Times Picayuneの12/09付けニュースへのリンク)

月曜日の試運転の様子は,当日夕方から再びAPにより報じられたほか,
その翌日にも詳細な報道がありました.地元の期待がうかがえます.
Historic streetcars tested on Canal line
Service may return by Christmas Eve

(Times Picayuneの12/13付けのニュースへのリンク)
N.Y. Times editorial adds to N.O. debate
(2theadvocate.comのニュースへのリンク)
Tests to determine when streetcar traffic resumes in New Orleans
(Times Picayuneの12/12付けのニュース(AP)へのリンク)
Streetcars could be running on Canal Street soon after successful test
(地元テレビ局WWLのニュースへのリンク)
画像はこちらのブログに豊富にあります.抜擢された930号車が,簡単な
クリスマス向けの飾りをつけている様子がわかります.
Canal Street Line Test
930 on Canal - Video
(All about the streetcars of New Orleansのブログへのリンク)

セントチャールズ線の路面電車を,キャナルストリート線の車庫に運ぶ
のも,セントチャールズ線を通すわけにもいかず,自前の牽引車両も被災
して失っていたため,大変な作業だったようです.結局はトラックに牽引
させて道路で移動したようですが,車庫を出たとたんに連結部が故障し,
二台目に交換した上でたどりついたとのこと.
またキャナルストリート線は被災程度は低かったものの,軌道上には被災
後の破片などが散乱していたため,RTAでは一週間前から除去作業を行っ
ていました.それでも一度は泥にはまってしまったようです.
更にダウンタウン近くでは,警察の先導が必要でした.長らく路面電車が
走っていなかったため,軌道上には駐車車両などがあったのです.

月曜日の試運転は成功しました.しかし営業運転再開に向けて,まだまだ
試運転の回数をこなす必要があります.また十分な電力を確保できるか
どうかという問題もあり,それを見極めなければなりません.
仮の営業再開は,キャナルストリート線のごく一部(南端部)と,リバー
フロント線全線の僅か1.5マイル程で,クリスマスイブまでの営業再開を
目指しています.市民の足としてはほど遠い規模ですが,何といっても
ニューオリンズ復興のシンボルにしたいのでしょう.
RTAの幹部によれば,ストリートカーは無料開放になりそうです.

キャナルストリート線が南端部のごく一部(ミシシッピ川河岸からCrozat
まで)の再開に限られるのは,架線に電気を供給する整流器が損害を受け
ているからです.全線での再開は,米国の他の鉄道から調達するらしい
整流器の入手から設置,稼動まで,まだまだ時間が掛かるとのコメントが
ありました.

しかしもう一つ,もしかしたら厄介な問題になるかもしれないことがあり
ます.それはセントチャールズ線のパーレイ トーマス車(Perley Thomas
Streetcar)は,米国の歴史的建造物に指定されていて,勝手に移動でき
ないのです.この許可を関係組織に求めなければなりません.

実は車両をスワップする案と,この歴史的建造物指定の件は,11月の段階
で,上記のブログで紹介されていました.
The 900s on Canal - Dangerous Precedent...
(All about the streetcars of New Orleansのブログへのリンク)

1920年代に建造された件の車両(Perley A. Thomas streetcar)は,1964年
にカナル通りから現在のセントチャールズ線に移ってきましたが,セント
チャールズ線そのものと共にNational Register of Historic Places
指定されています.(データベースの検索結果は次の通り)
RESOURCE NAME : St. Charles Streetcar Line
ADDRESS : St. Charles Ave. route from downtown to Carrollton
LISTED : 1973-05-23

登録されたものは,保存方法が他にあり得ない場合に限り移動が許される
ようです.また移動させる場合には,現状を損なわないようにあらゆる
措置が施されなければなりません.セントチャールズ線の900番台の車両
を他の線区で運用できるかどうか,この条項があることでブログは懸念を
示していました.


上記WWLのサイトによれば,キャナルストリート線とリバーフロント線の
車両は,損傷状況を見極めるために製造元でもあるペンシルベニア州の
会社(Brookville Equipment Corporation)に送られているようです.

これまでの経緯 (逆時系列順)
電車復帰への道は険しそう
交通機関に4700万ドル
セントチャールズ線バス代行で
路面電車の車庫も浸水か?


セントチャールズ線の架線修復に関しては,未だ目途が立っていません.
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【ラスベガス】モノレールやっぱり慈善事業扱い

ネバタ州の税金委員会(Nevada Tax Commission)は,結局モノレールを
チャリティーステータスのままとし,引続き納税を免除することにした
ようです.
Las Vegas Monorail's Charity Status is Re-Affirmed
(KLAS-TVのニュースへのリンク)

この件に関しては,8月に慈善事業だった?として,9月には続報で,
納税免除の疑惑を紹介してきました.

クラーク郡の元コミッショナーとその義理の息子の二人が,モノレール
計画のコンサルタントとなり,後にモノレール従業員の給与などを支払う
ことになるTransit Systems Management(TSM)を立ち上げ,二人のうちの
どちらかが投資の見返りに巨額の利益を得ていたのではないかということ
で,ネバダ州の多くのリーダーらが,免税となるチャリティーステータスを
モノレールが得ていることに,疑問に持っていました.
(TSMは既にLas Vegas Monorail Co.に吸収され今は存在しません)

委員会が求めていた州課税省?(Department of Taxation)の調査結果が,
経営トップの得ていた報酬はモノレール計画の分相応のものだったとした
ため,委員会は結局のところ慈善事業扱いのままとしたのでした.

州法によれば,通常は地方政府などが提供する公共交通機関の組織は.
売上税を免除されます.モノレール側は,たとえカジノやホテル間を結ぶ
ものであっても,公共交通機関であることを繰返し強調してきました.

ただ委員の一人は,ネバダ州司法長官のオフィスに対し,モノレール計画
では誰が利益を得たのか,その過程で違法行為がなかったのかどうかの
調査を求められるよう提案しています.
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2005年12月12日

【ボルドー】ワイヤレストラムのその後

架線なしのシステム,APSの全ての区間で,地下給電ケーブルをより頑丈で
メンテナンスしやすいものに10月から交換してきました.20人程の作業員
らは,毎晩11時より早朝の4時まで,しばれる中で交換作業を行っていき
ます.すでに12/01の段階でA線の該当する3.5km分は終了し,APS区間が
4.3kmあるB線でも,市庁舎より大聖堂のほうに近い電停 Hôtel de Ville
からC線と接続して終点でもあるQuinconcesまでの区間を除き,交換が
終了しているようで,あとはその区間とC線の1.5kmです.
(APS : Alimentation par le sol )

同じジロンド県のEysines市の市長でもあるCUBの委員長が,交換作業の
視察に先日訪れた際に,新しいケーブルと交換した区間では今のところ
故障は起きていないと述べたと報道がありました.今度こそという思いが
あるのでしょう.
Les forçats de l'APS (Sudouestのニュースへのリンク)
ご覧になる時間帯によってはエラー表示になります

CUB : Communauté urbaine de Bordeaux
タイトルのforçatを仏和辞典でひくと,囚人や,苦しい境遇の人という
意味がでてきます.

12月末までに改善されなければ,架線レスのAPSを止めて通常の架線に
よる集電に切り替えるというのは,ちょうど一年前にも読んだような気が
しますが,これはデジャブーではなく,実際に同じことを繰り返している
のです.まさにAPSに囚われの身ということでしょう.

上記記事では,APSは設置する経費が通常の架線方式の3倍かかり,それを
機能させるには50倍の経費がかかるというような記述もあります.

これまでこの件は2回紹介してきました.
8月 地表集電は信頼性を取戻したか...
10月 トラム延長と架線レスのゆくえ
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【パリ】市電延長計画の公開討論会ほか

イルドフランスで3本目,そしてパリ市内では実に69年振りの復活となる
RATPのトラムウェイ(路面電車)T3号線が,来年末には開業する予定で,
こちらでもその車両搬入と試運転開始の報道を紹介してきました.
9月 68年振りのトラムウェイ (Citadis 車両搬入)
10月 69年目の復活に向けて発進 (試運転)
RATP : Régie autonome des transports parisiens (パリ交通営団)

T3号線そのものがまだ開業していない段階ですが,すでにその延長計画が
あります.(簡単な路線図は下記サイトで見ることができます)
Création de ligne : Maréchaux Est
(RATPのサイトへのリンク)

その延長について,CNDP(公開討論全国委員会)は,公開討論会を2006年
1月末から3ヵ月半の間に行うことを決めたという報道がありました.
公開討論会では当局(STIF,RATP,パリ市)からT3延長計画内容が詳細に
わたり明らかにされ,T3延長を住民が受け入れるかどうかをはっきりと
させます.(STIF : Syndicat des Transports d'Ile-de-France)
Lancement du débat public sur l’extension du tramway T3 à Paris
(Ville de Parisのサイトへのリンク)
Débat Public relatif à l’extension du tramway à Paris
(ASPCRFの12/05付けニュースへのリンク)

追記 :
討論会が2/06より開催され,300人が集まったとの報道がありました.
CNDPのサイトの閲覧も,一週間で2200人あったとされています.
CNDP EXTENSION DU TRAMWAY A PARIS トップページ
LE CALENDRIER DU DÉBAT PUBLIC(今後の予定)
du 30 JANVIER 2006 - 15 MAI 2006
(T3延長CNDP公式サイトへのリンク)

開催を報じるニュースサイト
La prolongation du T3 dans les mains des citoyens
(20 minutesの2/07付けニュースへのリンク)


CNDP(公開討論全国委員会)というのは,下記日本語サイトで紹介されて
いる通り,「市民がインフラ整備プロジェクト計画の早い段階から意見が
述べられるように公開討論会への参加を広く呼びかけ、中立的な立場で
討論会を運営および監視する行政機関」で,2002年2月に独立機関として
発足しました.
実際の公開討論会を運営するCPDP(公開討論特別委員会)は,既にCNDPに
よって5月の段階で委託されていると,上記ASPCRFのサイトにはあります.
CNDPとCPDPに関しては,下記サイトが参考になります.
社会資本整備が市民から理解されるために
(2004年度 日建協海外渡航調査のサイトへのリンク)
CNDP : commission nationale du débat public
CPDP : commission particulière du débat public

これまで国によるプロジェクト,例えば交通関係ではTGV専用高速新線を
ニースへ延伸する計画で,CNDPのもとで公開討論会が催されたことはあり
ましたが,地方団体によるプロジェクトで公開討論会が開催されるのは,
2002年にCNDPが制定されて以来はじめてのことらしいです.

パリ市の南側境界ギリギリを走る通り(Boulevards des Maréchaux)上を
走る路面電車T3は,東西両方に路線を延ばす話があります.
今回の延長は東側に伸ばす話で,一方西側に延長する計画もありますが,
こちらは2012年開催のオリンピック招致でロンドンに敗れたため,計画が
変わる?ようです.
T 3 : Mystérieuse Enquête Publique
(ParisCeintureのサイトへのリンク)

2002年のもので少々古いかもしれませんが,すでに開業しているT1,T2
(Trans Val-de-Seine)と,T3の位置関係は,下記サイトが参考になると
思います.T3は,T1やT2と異なりパリ市の外側を循環するGrand Tramを
形成するわけではないようです.
Le Grand Tram (計画図あり)
(STIF,イルドフランス交通連合のサイトへのリンク)
Paris backs vast tramway expansion (計画図あり)
(LRTAのサイトへのリンク)


一方最初に開業したT1号線も,パリ市の外側を循環するGrand Tramの一環
として?,西側への延長が2000年から6ヵ年計画(上記LRTAのサイトに記述
あり)の中に記されており,本日から来月末まで,通行する5ヵ所の地区で
アンケート?が行なわれるようです.2000年には事前の協議?がすでに行な
われている4,9kmの区間です.
Le tramway de St-Denis à Asnières-Gennevilliers ?
(Web Trainsのサイトへのリンク)


さらに来年の開業を控えているT4号線の車両に関して,レポートが掲載
されていました.これまで公開されているモックアップではなく,実物の
無地のままのトラムトレイン,シーメンス製Avantoの画像も掲載されて
います.SNCFに引渡され,本線上での走行認可を得るための各種試験を
受けているようです.
L’Avanto débarque à la SNCF
(MétroPoleのサイトへのリンク)
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2005年12月11日

【ベルリン】新しい路面電車210両を追加発注?

首都ベルリンでは,5億ユーロを投じる桁違いの発注を検討中のようです.
1970年代後半から配備された,170両を超えるタトラ(Tatra)製のKT4D,
100両近い同社製KT4Dtの置換え用として,BVGでは210両を新たに購入する
というニュースがありました.
BVG : Berliner Verkehrsgesellschaft
500 Millionen Euro für Straßenbahnen
(Berliner Morgenpostのニュースへのリンク)

記事原文がドイツ語のため,誤訳誤解があるかもしれませんが,
BVGではKT4D,KT4Dt,T6A2/B6A2を,2010年までに引退させるべく,152両
分の発注を既に入札にかけていて,ウィーンからULFがやってきたり,
ナントのIncentroが来て競い合っている段階だったはずです.
今回の210両というのは,152両が210両に(62両分が)増えるだけなのか,
それとも152両とは別にオプションで210両を加える(362両になる)のか,
この記事からは読み取れませんでした.

ベルリンの路面電車の総括的な資料は,おそらくウェブサイト上ではなく
文献で探したほうがいいのかもしれませんが,タトラ車は下記サイトに
よれば,KT4D : 171両,KT4Dt : 99両,T6A2/B6A2 : 182両とあります.
路線延長で必要となる分を含めて362両が正解でしょうか?
Berlin: Verkehr / Straßenbahn / Fahrzeuge
(berliner-verkehr.deのサイトへのリンク)
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【アウクスブルク】コンピーノの次は何?

アウクスブルク(Augsburg)は,路面電車の新車購入代金として,約1600万
ユーロをバイエルン州より受け取ることになりました.すでに調達済み?
の資金とあわせた合計約3200万ユーロを元に,市交通局は新車を10両導入
することにより,製造後30年を経た旧型車両を交代させていきます.
これで公共交通機関の近代化と改善を図りますが,これはバイエルン州の
市営交通財政法?(Gemeindeverkehrsfinanzierungsgesetzes)摘要に
よるものです.
Freistaat zahlt Augsburg 16 Millionen Euro für neue Straßenbahnen
(Frankenpost Onlineのニュースへのリンク)

アウクスブルクと言えば,41両のコンビーノ(Combino)導入直後に例の車体
構造上の問題が持ち上がり,一時期は大変だったようですが,製造元の
STS(Siemens Transportation Systems =シーメンス)の負担による改修が
今年6月までに全車両(821-836, 841-865)終了しているとのことです.
今度の10両が,どこのメーカ製のどのタイプになるのかは判りませんが,
置換え対象となるのは,マンハイムタイプと呼ばれるGT8の12両(801-812)
でしょう.製造年も1975-1976年ということで,30年を迎えます.

これまでの車両情報などは,これらのサイトに詳しく掲載されています.
Wagenseite (VGAの非公式サイトへのリンク)
Wagenparkliste Stadtwerke Augsburg Verkehrs- GmbH
(tram-Infoのサイトへのリンク)
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2005年12月10日

【カッセル】トランジットモールの危険性?

二回連続でヘッセン州カッセルの話題ですが,KVGのサイトを見ていたら,
トランジットモールの件が出ていました.
KVG : Kasseler Verkehrs-Gesellschaft AG

具体的なことは定かではありませんが,中心部でトランジットモールに
なっている,Königsstraße(ケーニッヒ通り)から,週末の午後は一時的に
路面電車の運転を取り止めているようです.
10月に記したトランジットモールから路面電車を追放?では迂回路がある
と記しましたが,モール内のKönigsplatz(ケーニッヒ広場)は,ほとんど
全ての系統が普段通っていて,そこを通行できない時はどうするのか,
その区間を運休して前後で折返し運転を行なっているかなどの詳細は,
依然わからないままです.

しかしトランジットモールに電車を通さないのは,どうやら安全上の理由
からのようです.
Straßenbahnen in Fußgängerzonen: Sicherste Strecken im Netz
(KVGの11/29付けプレスリリースへのリンク)

このプレスでは,記事原文がドイツ語のため,誤訳誤解があるかもしれま
せんが
,トランジットモール(Fußgängerzonen)内の路面電車は,路線網の
中でも安全な区間であることを言いたいようです.
言うまでもなく歩行者天国内をトラムが走っている都市は,ドイツでも
いくつもあり,歩行者だけの空間に路面電車が走ることで,人の流れが
さらに増えて多くのビジネスが潤っていると思われます.過去6年以上の
間,その31の事業者のうち25ヵ所で,人身事故が無いようです.
また電車の運転速度と,事故件数には関連性がみられない?とのこと.

カッセルの場合は,歩行者道路にトラムを通すかどうか意見が二分されて
いるようで,政党もバックについた政治問題にまで発展しているような
雰囲気が,下記ニュースサイトから伺えます.
過去にケーニッヒ通りの電車の運転を止めても,歩く距離が多少長くなっ
ただけで,大きな混乱はなかったようなことも記されています.
Tramfreie Königsstraße bleibt umstritten
(HNA.deの11/29付けニュースへのリンク)
このサイトではニュースが残っているのは発行後何日間かの間だけです


以前このサイトでは,クリスマス市の時のものと思われる,ケーニッヒ
通りの画像を見たことがあります.両側の歩道になっている所には全く
隙間がないほど人が歩いていて,真ん中を路面電車が半ば数珠つなぎの
ようになって走っていましたが,その前後にも人が横断している姿が写っ
ていて,よくこれで接触事故が起きないものだと思ったものです.

残念ながら現在その画像はサイト上から消滅してしまったようで,ご覧に
いれることはできませんが,週末の午後の渋谷や原宿あたりで,路面電車
が歩道の脇を走っていると想像すれば近いものがあるでしょう.
トランジットモールから電車を一時的に外したいという気持ちも,わから
なくはないです.

追記
クリスマスカードのオンライン版として出されているものですが,クリ
スマス市の開かれている夜のケーニッヒ通りをRegioTramの試運転?が走っ
ている様子を下記リンク先で見ることができます.上で書いた幻の画像
ほど人が出ていませんが,雰囲気は伝わっていますし,それは別にしても
きれいな写真です.
[KS] Weihnachtsgrüsse aus Kassel (m1B)
(Drehscheibe Online Strassenbahn-Forumへのリンク)

なおカッセルは,ドイツで初めて歩行者用道路ができた街です.1953年
に,Treppenstrasseが歩行者専用になりました.その後シュツットガルト
などが続きます.
The Demise of Germany's Pedestrian Zones
(Deutsche Welleへのリンク)
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2005年12月09日

【カッセル】RegioTramに追加の資金援助

北ヘッセン地方の鉄道網整備に,約4462万ユーロの追加投資がされること
が,昨日ヘッセン州より発表されました.RegioTramを2区間に新設?する
ための資金となります.RegioTramプロジェクトに投下されたこれまでの
金額を合計すると,約9730万ユーロに及び,これは北ヘッセンにとって
1991年に開業した高速鉄道InterCityExpress,ICE新線の建設に匹敵する
規模になります.このうち60%が連邦(国)からのものです.
Knapp 45 Millionen für Neubau der «RegioTram» in Nordhessen
(ddp via Yahoo! Nachrichtenのニュースへのリンク)

Verkehrsminister Dr. Alois Rhiel: Neubau der RegioTram kommt voran
– Weitere rund 44,6 Millionen Euro für den 2. Teilabschnitt -
Größte Investitionssumme in nordhessischen Schienenverkehr nach
ICE-Neubaustrecke

(ヘッセン州 経済交通開発省*のプレスリリースへのリンク)
*Hessisches Ministerium für Wirtschaft, Verkehr und Landesentwicklung


RegioTramとは,一言で言えば同じドイツのカールスルーエ方式のカッセル
版です.ヘッセン州北部の主要都市カッセルに周辺地域からの交通流入が
増えていて,これまで鉄道ではドイツ鉄道(DB)でカッセル中央駅か,ICE
など長距離線が停車するKassel-Wilhelmshöhe駅までやってきて,そこで
中心部に行くのにKVGの路面電車に乗り換えなければなりませんでした.
これを周辺地域から市内中心部まで乗換えなしの直通で運転しようと
いうのが,RegioTramのコンセプトです.

KVG : Kasseler Verkehrs-Gesellschaft AG
RBK : Regionalbahn Kassel
NVV : Nordhessischen VerkehrsVerbund
RegioTram
(ドイツ語版 Wikipediaへのリンク)
ドイツ語ですが路線図などへのリンクもあります


その要となるのがカッセル中央駅(Kassel Hauptbahnhof)の改良工事です.
RegioTramがスムースに市内に乗入れできるように,中央駅コンコースと
駅前広場は170mのトンネルでくぐりぬけることになっています.この夏より
工事が始まっていることは,すでにこちらでも紹介しました.

フランクフルトや,ハンブルク,ベルリン等からのICEなど長距離列車が
発着するヴィルヘルムスヘーエ(Kassel-Wilhelmshöhe)駅も,7番線から
10番線まで,RegioCitadisでの乗降りを容易にするため,ホームを21cm
かさ上げすることになりました.電停のかさ上げは,すでに市内中心部の
市庁舎前(Rathaus)と,Friedrichplatzでも行われているそうです.
その他にもWolfhagenへ向かうRT4の路線では,RegioCitadisなどの走行に
対応できるようアップグレードされ,またより早く高頻度の運転が可能に
なるように信号保安装置が刷新されます.

郊外から市内中心部への乗入れ開始は,2007年からを予定しています.
Der Linienplan des RegioTram-Netzes
(NVVサイトにある路線図へのリンク)
リンク先の画像にある路線図で,緑色の駅がRegioTram用に新設される
駅になります.各路線の目的地近くだけではなく,意外にもカッセル周辺
にも数駅設けられることになります.日本でも列車から電車に移行した
際に,主に地方都市で駅が増設されたのと同じなのでしょう.

RBKでは,ALSTOMより今回発注の最後のRegioTram向け車両(RegioCitadis)
を,先月下旬に受領しました.ただDB Netzによるインフラの整備が遅れ
ていることから,12/11からのダイヤ改正で,Kassel とMelsungen間(RT5)
でのRegioTram運転開始を,来春に遅らせることになったようです.

記事原文がドイツ語のため,誤訳誤解がありましたらご容赦ください
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2005年12月08日

【トランスロール】イタリアでもバッテリー搭載

ニースのトラムウェイ(路面電車)には一部に架線のない区間が500m(2ヶ所)
あり,その区間ではバッテリー駆動になることと,そのバッテリーを受注
した会社のプレスリリースを紹介したことがありました.
【ニース】来秋の納入に向けたLRV1号車

そのバッテリーを供給するバンクーバーの会社 Saftが,今度はイタリア
向けに導入が計画されているTranslohr,トランスロールにも採用される
ことになったとプレスリリースがありました.
Saft NiMH Batteries to Power Italian Hybrid Trams
(EV Worldのニュースへのリンク)

バッテリーはニースのCitadisに搭載されるものと同じと思われる, 576V
のNi-MH(ニッケル水素)のバッテリーシステムで,高出力,小型,メンテ
ナンスフリーが売り物とのこと.これにより500mから1kmまでの区間なら
架線がなくてもLRVを走らせることができるとのことです.
トランスロール向けに開発されたバッテリーシステムは,連続出力 80 kWh
の供給を可能にする能力を持ち,冷却装置や温度を監視して蓄放電を制御
する機能も備えます.

その他にも24Vのニッケルカドニウム電池を,ドア開閉などLRVの補助用
電源のバックアップとして供給されることになるそうです.バックアップ
向けのバッテリーに関しては,Saftの公式サイトに記述がありました.
Rail & Mass Transit / Light rail vehicles
(Saftの公式サイトへのリンク)

イタリアでは次の3都市でトランスロールを導入予定です.

* ラクイラ L'Aquila (Metrobus)
人口 約6万7千人,周辺都市まであわせると約30万人
2006年開業予定,全長 7.5km
Translohr STE3 形式採用

* パドヴァ Padua (Metrotram - Blue Line)
人口 約21万人
2006年開業予定,全長 10.5km
Translohr STE3 形式採用
建設費 5830万ユーロ
以前日本の鉄道雑誌で,軌道敷設済みであることが紹介されていたように
記憶しています.また車両もデモンストレーションだけかもしれませんが
次のサイトで紹介されているように既に搬入済みで,以前は今年開業の
予定だったはずです.遅れている理由などはわかりません.
tpl - APS metrotram (ex metrobus)
(Ivan Furlanis氏のサイトへのリンク)
下記サイトのリストによれば,給電(Alimentazione)の欄にバッテリー
(batteria di accumulo)の記載がパドヴァにだけあるので,今回の件は
パドヴァのことかも知れません.中世の街並みを残す場所で架線レスを
実現させるのでしょう.

* メストレ-ヴェネツィア Mestre-Venice
人口 約36万5千人,周辺都市まであわせると約53万5千人
2006年開業予定,全長 20km
Translohr STE4 形式採用
建設費 1億2850万ユーロ
Venezia e Mestre che cambiano: il tram
(公式サイトへのリンク)
Il Percorsoというリンクからは,衛星写真上に路線図を落とした画像が
出てきますが,それによれば,本土側のメストレ(Mestre)だけではなく,
ベネチア(ベニス)の島の方まで行くようです.

イタリア語によるトラム紹介サイトで,ゴムタイヤ式トラム採用の都市を
まとめ,都市ごとのデータも掲載されています.
TRAM SU GOMMA (Ing. Michele Tarozzi氏のサイトへのリンク)

トランスロールをはじめとするゴムタイヤ式トラムをまとめた日本語の
サイトでは,「検証 ゴムタイヤトラム」が秀逸です.
(Le Tramのサイトへのリンク)
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2005年12月07日

【ライプチヒ】Leoliner 量産車がお披露目

昨日2006年サッカーワールドカップ大会の組合せが発表され,世界中から
注目を浴びたザクセン州ライプチヒでは,もう一つ出来事がありました.
同大会開催に備えて投入される Leolinerの量産車が,ニコラオスデーの
12/06にデビューしたのです.すでにプロトタイプの2編成が1年半以上活躍
しているそうですが,これに若干手を加えた量産車は,年内に3編成にまで
なるとのことです.車両番号はプロトタイプの1301-1302に続く連番になる
ようで,今回お披露目されたのは1303でした.
Leipziger Straßenbahn in Serie - Erster „Leoliner“ rollt
Leoliner geht in Leutzsch an den Start
(Leipziger Volkszeitungのニュースへのリンク)

記事原文がドイツ語のため,誤訳誤解があるかと思いますが,
プロトタイプとの違いは,まず両端のデザインをよりモダンにしたこと.
ドイツ語版 Wikipediaによれば,同じライプチヒで一足先にデビューして
いる全長45mに及ぶBombardier製Classic XXLのように?(TFT液晶による
案内装置の導入?)変わるらしいです.
Leoliner (ドイツ語版 Wikipediaへのリンク)
その他にも最後尾のドアの新設(改良?)や,ブレーキ ライニングの磨耗を
最小限に留める制御を行うソフトウェアの導入,旅客案内用の音声装置?
や,車椅子用のステップの設置などがあります.

下記サイトに1303号車両のお披露目式?の画像がありました.
1303号車両は,ライプチヒの地域名(Stadtteile)の一つをとり,"Plagwitz"
と命名されたようです.
Taufe des ersten NGTW6-L auf den Namen "Plagwitz"
(Susanne Hilprecht氏のサイトへのリンク)
Präsentation und Taufe des ersten Serienleoliner
(Martin Böttcher氏のサイトへのリンク)
プロトタイプと量産車を見比べるのは,こちらがいいかもしれません.
NGTW6 Leoliner (olivers-bahnseitenのサイトへのリンク)

営業運転開始は1月中旬からで,LVBでは最初Classic XXLと共に15系統で
運用するようで,その後7系統に回します.どちらの系統でもFIFAワールド
カップで競技が行われる,Zentralstadionの最寄り電停を通るようです.
それまでにLeolinerを少なくとも6編成にまで増やし,期間中に訪れる世界
中の人達にPRしたいのでしょう.
LVB : Leipziger Verkehrsbetriebe GmbH
(LVBのサイトにあるプレスリリースでも発表されています)

大手メーカー製造のLRVが230万から250万ユーロするなかで,Leolinerは
110万ユーロという低価格を売り物にしています.最近では近くのハルバー
シュタットでも導入
が決まっています.

Leolinerは,LEOLINER Fahrzeug-Bau Leipzig GmbH (FBL) =LVBの
子会社による製造で,NGTW6 (Niederflur-Gelenktriebwagen 6achsig
=6軸の低床連接車)とも呼ばれます.低床化率は60%,座席定員 39 立ち席
定員 80,2編成を連結すると全長44mが以上になります.

ライプチヒが地元の雇用創出という目的も兼ねながら,独自にLRVを製造
するのは意義深く,低価格を実現したのも,100%ではなく60%部分低床に
留めたこと,必要でない技術的な機能を省いたこと,高価なアルミ製を
避けて鋼鉄製にしたことなどによるものです.また1年未満という非常に
短期間で製造できるのも特徴の一つでしょう.

市場は主に小規模な交通事業者で,少々古い記事になりますが,下記に
よれば,エジプトのアレクサンドリアや,スロバキアのブラチスラバなど
との交渉を行っているようです.
Leoliner - Eine Tram für alle Fälle
(Deutsche Welleの10/27付けニュースへのリンク)
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2005年12月06日

【ヒューストン】LRT迷走電流問題解決せず?

テキサス州ヒューストンに2004年1月に開業のライトレール METRORailは,
地元新聞紙上を賑わす頻度の比較的高いLRTの一つと言えるでしょう.
過去の自社記事をリストにしている新聞社のサイトがありました.
Hot topic: Metro light rail
(Houston Chronicleのニュースへのリンク)

METRORailは,テキサス州ハリス郡(Harris County)のMETROが運営して
います.METRO : Metropolitan Transit Authority

開業後の記事の多さは,主に事故によるものですが,リストにもある通り
開業20ヶ月目の8月には,早くも100件目の交通事故を記録しています.
ここの事故の多さは,併用区間の距離が長いことが関係していそうです.

リストの12/05付け記事にあるのは,今年5月に問題が明らかにされたMETRO
Rail(直流750v)が原因となる,レールからの迷走電流の一件です.
MetroRail still leaking electricity

迷走電流は川(Bayou)を渡る2つの橋の両端で検知されていて,レールを
枕木から移動しないようにするアンカーの取り付け不良が原因だったよう
です.これは改修されましたが,別に渡り線の周辺からまだ電気が漏れ
出ていることに,METRORailは悩まされています.これまでMETRORailでは
安全性に問題はないとしていますが,なぜか問題が明るみになってからも
詳細な報告書の公開を行っておらず,不満を募らせる人たちもいます.

If "stray current" isn't a problem,
why did Metro balk at FOIA requests?
(blogHOUSTONへのリンク)
FOIA : Freedom of Information Act (情報公開法)
このブログでは,新聞社のサイトより詳しく迷走電流の件など,Metroを
追っています.
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2005年12月04日

【シアトル】モノレールの欠陥配線はモールが原因

モノレールの事故速報では週末だったからか,Seattle Times紙よりかなり
出遅れた感じのSeattle Post Intelligencer紙でしたが,後追い記事では
貴重な情報を提供してくれました.一目瞭然の非常にわかりやすい地図も
掲載されています.
Monorail flaw tied to mall plan
(Seattle Post Intelligencerのニュースへのリンク)

事故原因は,やはり片方の運転手が本来停止しなけれなならない所を突っ
込んでしまったからですが,現場はレールの間隔が狭く2本のモノレールが
同時に走れない構造になっていて,その不自然な設計にも関心が集まって
いました.

副題が,Developers didn't want to give up retail space, so tracks
were narrowed となっていて,まさにそのままなのですが,ウェストレイク
センターのショッピングモールを建設する際に,店舗スペースを減らしたく
ない開発者らが駅の設計を変え,モノレールの駅をモール内からモールの
外側へ追いやったばかりか,ホーム下の通りの日当たりを遮らないように
大きな駅にしなかったことが,複線なのに十分な線路間隔を確保できなか
った理由のようです.

狭い間隔ですれ違いができない状態で建設されながらも,その後は今回の
事故まで当局は誰もこのことに関心を払わなかったのでしょう.
ウェストレイクセンター駅のホームを不思議に思っていた時に,色々と検索
しても得られなかった情報が,この記事一本で全て足りてしまいました.

また外側線から発着するRed Trainから乗降の際に使用される,折畳み式
タラップの原案を考え出したのが,ウォーターフロントストリートカー
生みの親であり,長年シアトルの市会議員をつとめたGeorge Benson氏で
あることも,興味深い話です.

Red Train用の折畳み式タラップは,下記サイトに画像があります.
Seattle Center Monorail - a Photo Essay Page One
(The Monorail Societyのサイトへのリンク)

Westlake Center 周辺 (Google Localへのリンク)
緯度経度 : 47.612051, -122.337302
Google Earthをお持ちの方は,この緯度経度を入力してみてください.


車体損傷程度の続報(12/06)

シアトルセンターに移送された両モノレールの被害状況が,マスコミにも
公開されたようです.
First Look At Monorail Damage Up Close
(KOMOのニュースへのリンク)

ウェストレイクセンター駅を発車しようとしたRed Trainの損傷がひどく,
側面の95%が傷つき電気部品が一部むき出しになっている場所もあります.
Assessing monorail damage
(Seattle Timesのニュースへのリンク)

一方過失のあった運転手により早まってウェストレイクセンター駅に進入
しようとしたBlue Trainは,比較的軽度のようですが,実際には分解して
みないとわからないとのことでした.

エンジニアも,ウェストレイクセンター駅のモノレール乗り場の階に店を
出している店主らも,望みを持ったままでいると報じていますが,昨年も
沿線火災をきっかけに,車両改修のため半年間の運休があったばかりだから
なのかもしれません.現在シアトルセンターへはシャトルバスが運転されて
います.
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2005年12月03日

【ロサンゼルス】BRTオレンジラインは事故多発?

LAで10月末より営業を開始したバス専用道を走るBRT(bus rapid transit)の
オレンジラインは,開業当初からその危険性が指摘されていました.
オレンジラインの概要などは開業秒読みの段階でも紹介しています.
Metro Orange Line - Photo Gallery
(MTAの公式サイトへのリンク)
MTA : Los Angeles County Metropolitan Transportation Authority(Metro)

しかし下記サイトのタイトルにあるように,1ヶ月余で4件目の事故が生じて
おり,バスの乗客に負傷者まで出てしまっています.
4th Crash on Orange Line Busway Injures 3 Passengers
(Los Angeles Timesのニュースへのリンク)

MTAでは事故はいずれも衝突してきた自動車に過失があり,バス側には何の
落ち度がないとしています.

安全対策として,MTAでは交差点での通過速度を毎時25マイル(約40km/h)
から同10マイル(約16km/h)に減速したり,主要交差点に警官を配備したり,
バスの視認性を向上させるため,ストロボライトを点灯させたりしている
ようです.
しかしその対策も不十分で,警官配備に至っては3回目の事故以降は市当局
がなぜか引き上げさせているようですし,ストロボ灯装備のバスはわずかに
2台だけ,交差点の徐行は守られていないという証言も出てくる状況です.

BRTには様々なタイプがあり,下記リンク先のWikipediaでよくまとめられて
います.そちらに掲載されている表にもある通り,LAでもハイウェイ上の
専用レーンを走るバスが既に走っていました.しかし専用レーンの大半は
ハイウェイ上のため,交差点が頻繁にあるわけではありません.
一方こちらでも紹介したことのあるボストンのシルバーラインは,一般道の
専用レーン走行ですので,頻繁に交差点を通過しますが,専用レーンは一般
道路の一部を割いているだけのため,それほど問題にはなっていないと
思われます.
BRT systems in North America - table
(英語版 Wikipediaへのリンク)

問題なのはLAのオレンジラインが鉄道線路跡を舗装しただけのバス専用道
を走り,そこは一般の車両が通行禁止となっていることから,一般車両には
馴染みがないこと,交差部分に遮断機があるわけでもないので,非常に
わかりにくいということでしょう.
遮断機を設けなかったのは,予算上の都合もあると思いますが,2年前に
LAで開業したLRTゴールドラインでは,これまで3件の衝突事故が起きて
いますが,いずれも事故車は遮断機を突き破っているとのことで,それで
遮断機は事故を防ぐ手立てにはならないと,少々首を傾げたくなりますが
MTAでは考えているようです.
なおオレンジライン向けに投入された連接バスの色がグレーなので,周囲に
溶け込んで目立たないのではないかという声もありました.ただ実際に事故
に巻き込まれたのは,Metro Rapidから助っ人にやってきた真っ赤な
バスだとのことです.
自動車側の慣れを待つしかないのかもしれません.
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2005年12月02日

【ノーフォーク】NSの廃線跡用地をLRT用に購入

ヴァージニア州ノーフォーク市は,米国海軍の基地があることでも知られて
いますが,ワシントンDCから約250キロ南に位置し,2000年の段階で周辺
都市を含めた人口が156万人になる都市圏を形成しています.

そこでもライトレール計画が進行中で,最新の情報ではノーフォーク市が
Norfolk Southern Railway(NS)から5マイルほどの使用されなくなっていた
貨物線跡を購入したところまで進展したそうです.もちろんそこにLRTが
走ることになっていて,その部分を含む第一期区間の7.5マイルは,ノー
フォークのダウンタウンから東に伸びる予定です.
Hampton Roads Transit LRT Home
(公式サイトへのリンク)

この10月には長年待ち望んでいたFTAからの計画承認(endorsement)を得て
おり,NSからの線路用地購入は,FTAから最終的な認可(approval)をもらう
ための最終条件の一つになっていました.
FTA : Federal Transit Administration

購入価格は500万ドルに加え,NS本社に隣接する市営の駐車場を割安料金で
提供することも含まれているもようで,あわせると760万ドル相当です.
過去には今回よりも長い距離でのNSとの交渉で苦い経験があっただけに,
区間を分割して交渉にあたり,FTAに申請した予算内で用地を獲得できた
ことは,LRT実現の大きなステップとなるでしょう.

ちなみにFTAが求めていたのは,NSからの線路用地購入のほかに,市内の
駐車スペースを制限する方針を,ノーフォーク市に取らせるということも
ありました.これは少しでも公共交通機関の利用を促進できるようにとの
ことで,ダウンタウンのビジネス街で,事務所面積の平方フィートごとの
割合で制限台数が決まるようです.

FTAの承認を得た時と,今回NSからの購入が決まったことを報じるサイト
Deal reached for light rail segment in Norfolk (12/02)
An inch closer for light rail (10/21)
Light-rail line gets push forward in Norfolk (10/19)
(Virginian Pilotのニュースへのリンク)

早ければ2ヶ月以内に最終的な認可をFTAから得て2007年に着工,2009年の
開業を目指しますが,建設費の半分は連邦からの資金で賄われます.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国南東部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2005年12月01日

【デンバー】空港への鉄道はLRTが不利に

デンバー周辺に鉄道網を構築するFasTracks計画の一つに,デンバー国際
空港(DIA)への路線があります.計画当初は列車か気動車で運転されることに
なっていましたが,今年になってライトレールを推す声が沿線の住民や開発
業者らの間からあがっていました.LRTのほうが加減速に優れているため,
ディーゼル機関による列車運転よりも途中駅を多く設けられます.列車では
8駅のところをLRTなら12駅が可能というものです.
また来年11月に開業日が先日繰り上げられたライトレールで建設中のT-REX
とその延長部分が,空港への路線と将来接続することにもなっています.
T-REX : Transportation Expansion Project
FasTracksの南東回廊線(Southeast Corridor)の一部

しかしLRTと列車の双方を研究していた当局は,正式な決定はまだなものの
列車運転が有利と考えていることが明らかになりました.
RTD derails light rail to DIA
(Denver Postのニュースへのリンク)
Light rail to DIA gets less likely
Study favors diesel over light rail on FasTracks airport line
(Rocky Mountain Newsのニュースへのリンク)

LRTが不利となったのは,次の理由によるそうです.

1. UP(Union Pacific Railroad)が軽量のLRV走行を認めないこと
線路を所有するUPは,安全上の理由から通行量の多いDIAへ向かう線区で,
列車より軽量のLRVが貨物列車と同じ線路上を走ることを認めないだろうと
最近RTDに通達していました.
RTD : Regional Transportation District
(デンバーをはじめとする周辺7つの郡の公共交通機関を運営する当局)

このUPの方針は,他のライトレールで計画中のFasTracksにも影響を及ぼし
そうです.またRTDのライトレールでは,既に利用頻度の高い貨物線上での
運行があるとのことです.

2. ユニオン駅の容量不足
列車ならAmtrakや他の通勤列車,スキー列車などと共有できても,電化を
必要とするLRT専用ホームを作ってしまうと他の列車と共用できず,問題が
生じるとしています.

3. 駅数を増やすことで予算が増えること
列車では7億ドル強のところを,LRTでは9億4500万ドルになってしまい,2億
5000万ドル近い差が生じてしまいます.

なお空港へ向かうFasTracksの東回廊線(East Corridor)は,2011年着工,
2014年開業を予定しています.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(6) | 米国中部 I このエントリーを含むはてなブックマーク
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