2006年03月31日

【リンツ】トラム地下駅に迷い込む自動車

リンツには900mmゲージの路面電車が走っています.Cityrunnerと呼ば
れる低床車も走るほか,2004年9月には,リンツ中央駅の前後を地下化
しています.その地下区間に自動車が迷い込んでしまったのが,昨年の
10月でしたが,その時の監視カメラの映像がインターネット上に流れて
しまいました.百聞は一見にしかずです.
Car in the subway (YouTubeへのリンク)

VWゴルフが走り抜ける駅は,全部で3つ出てくると思われます.
Herz-Jesu-Kirche
flickr で見るリンツ(Linz)の路面電車
Straßenbahn kommt an (ecker's photostreamへのリンク)

Unionkreuzung
Auto im U-Bahntunnel (Bahn Linzへのリンク)

最後に出てくる駅が,Hauptbahnhof(中央駅)でしょう.
Linz Linien Linienplan (路線図)
(LINZ AG LINIEN 公式サイトへのリンク)

Auto im Bim-Tunnel: Angst vor Nachahmern
(3/28付け OÖNachrichtenのニュースへのリンク)
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【シアトル】LRT建設工事に伴う苦難

LRTのCentral Link建設工事が佳境に入っているRainier Valley地区で,
沿線の店舗が苦しむ様子がまた報じられています.
工事は2年前から開始されていますが,予想を超える難工事となり,1年
遅れで来年5月まで工事が掛かることになってしまいました.難工事とは
言え,ここでは地上走行です.隣のビーコンヒルトンネルや,空港寄りの
高架橋のほうが,素人目には大工事に映りますし,Sound Transitの公式
サイトでも盛んに様子を取り上げていますが,問題は,道路下に眠る地下
埋設物の移設に手間取ったからでした.予期せぬ場所に管が走っていたり
したのです.工事が長引けば,それだけ工事で客が寄りつかない時期も
長引くわけで,沿線のお店が苦境に陥っているという構図です.

LRTを建設するSound Transitは,これまでに670万ドルを事業救済のため
沿線の商店主らに提供してきました.今後も,基金として4千万ドル余が
将来この地域の開発の手助けに,用意されることにはなっています.
Rail work clogs the way on MLK
(Seattle Timesのニュースへのリンク)

下記リンクより,公式サイトのCentral Linkライトレール路線図をご覧
いただけるとわかりますが,シアトルのダウンタウンから南下する路線
は,すぐに直角に東に曲がり,ビーコンヒルをトンネルでくぐり抜けて
います.その後はまた直角に南に進路を戻しますが,その地点から南が
今回話題のレーニエヴァレー(Rainier Valley)地区です.LRTは,MLK=
Martin Luther King Jr. Way通りに沿って地上を走るのです.
Link Light Rail Projects (路線図あり)
(Sound Transit 公式サイトへのリンク)
終点のシアトルタコマ空港と,シアトルのダウンタウン間で見る限り,
やや寄り道しているように見えます.実際現在運行されている空港への
バスは,LRTとは離れたところを走っています.
参考 Route Map Route 174 (路線図)
(King County Metro Transit 公式サイトへのリンク)

シアトルタイムス紙によれば,LRTが現在の空港バスのように距離の短い
産業地帯を走り抜けるのではなく,レーニエバレー経由になったのは,
1990年代の初め,荒廃した一角を立て直すために,市議により選ばれた
からだそうです.レーニエバレーは,移民の多いコミュニティでした.
古くは欧州や日本から,最近はベトナムやアフリカなどから流れ着いて
定住した人たちが占めています.どちらかというと見捨てられた感のある
その地域に,LRTを通して便宜を図ろうというつもりだったのでしょう.
しかしその地域だけが地上走行になることを知り,一部の住民は差別だと
受け取ってしまいます.

このような背景もあり,工事開始に際しては,工期を短くすることと,
沿道への気配りを示せると公約した業者に発注します.しかし,前述の
ように予想しなかった難工事になったことで,工期短縮のため従来の区画
ごとに工事を進めるのではなく,一括して道路を掘り返したことが裏目に
出てしまいました.完成後この地域が潤わなかったら,報われません.

シアトル セントラルリンク LRT 関連過去ログ :
2006年1月 ビーコンヒル トンネル掘削始まる
2005年10月 Central Link向けLRV建造中
2005年10月 LRT空港乗入れ一歩前進ほか
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2006年03月29日

【シアトル】沿線出資の路面電車にGOサイン

ダウンタウンの北にあるユニオン湖(Lake Union)の湖岸にあたる,サウス
レイクユニオン(South Lake Union)地区の再開発計画で,目玉ともなる
路面電車建設計画が,シアトル市議会の承認を得ました.これにより
今後順調に運べば,この夏にも着工されて,早ければ2007年夏には開業
できることになっています.

サウスレイクユニオン地区再開発計画は,シアトルの市長が強力に推し
進めるプロジェクトの一つで,バイオテクノロジーの拠点として雇用促進
と住宅の増加を図ろうとしています.その交通手段としてダウンタウンの
ウェストレイクセンター(Westlake Center)と直結させるための,路線
長1.3マイル(2キロ強)の路面電車(ストリートカー)が建設されます.

建設費の半分は,沿線の土地所有者から集められます.そのあたりは,
昨年10月に「ストリートカー特別税」で紹介していますが,各オーナー
が支払う金額は,路面電車の開通前後で生じる土地の価格差に基づいた
査定により算出されます.
LID : Local Improvement District
LID対象エリアは,路面電車の軌道からおおよそ400mまでの範囲です.

ここからが最新の動きです.
路面電車の建設費は,当初4750万ドルでしたが,今月中旬の段階で300万
ドル増えて5050万ドルになることが明らかになります.この増加分を,
どうやって埋めるかが問題になりました.
2週間ほど前に開かれた市の運輸委員会では,路面電車に懐疑的な市会
議員が,市の一般資金からの流用を避けたいとして,LIDによる負担分を
増やす提案を行います.これは土地オーナーが出す金額が増えることを
意味していました.
しかし,市の側は連邦から予算を獲得できる見込みがあるとして,その
提案には賛成ではありませんでした.昨年はハリケーン カトリーナの
影響もあり,満足に獲得できなかった連邦予算が,今年は可能性がある
と考えていたのです.
この月曜に,市議会本会議で路面電車計画が承認されましたが,同時に
採択の結果,市議の提案は承認されず,現段階では沿線土地オーナーの
大幅負担増は免れました.ただし,今年終わりになってみないとわかり
ませんが,もしも,市が連邦やその他から資金を満額調達できなかった
場合には,増額があるのかもしれません.

市議会が路面電車計画を承認したニュース
Council votes not to raise assessments for streetcar
(Seattle Timesのニュースへのリンク)
City Council approves streetcar
(Seattle Post Intelligencerのニュースへのリンク)
Streetcar Gets the Green Light
(City of Seattle 公式サイトへのリンク)

建設費が上昇して沿線負担額を引き上げる案があることを告げるニュース
Steinbrueck wants streetcar tax
(3/14付けSeattle Post Intelligencerのニュースへのリンク)
Streetcar taxes for South Lake Union landowners may rise
(3/14付けSeattle Timesのニュースへのリンク)
The Streetcar Gets More Expensive
(3/15付けSeattle Weeklyのニュースへのリンク)

路線図,これまでの経緯など,シアトル市の公式サイト
South Lake Union Streetcar (簡単な路線図あり)
In depth Issue & Topics : South Lake Union (特集)
(City of Seattle 公式サイトへのリンク)

サウスレイクユニオン地区には,足を踏み入れたことがありませんが,
撮影時期不明ながらWindows Live Localのバードアイで見る限りでは,
低い建物や駐車場ばかりで,再開発計画があることも頷けるような場所
です.そこに路線バスではなく路面電車(ストリートカー)を通すのは,
buildthestreetcar.orgというサイトのFAQのページ(下記参照)によれば,
バスよりも路面電車のほうが経済効果があることが実証されているから
だそうです.先行投資になるわけですが,成功例として,ポートランドの
路面電車をあげています(MAXではなく市電のほうです).
一方バスは,既に開発された地域の足としては申し分ないとしながらも,
再開発の手助けにはならないとしています.
Why can’t more buses be added to serve the South Lake Union
neighborhood?
(buildthestreetcar.org FAQのページへのリンク)

以下は個人的な感想です.
オレゴン州ポートランドのケースは確かに成功していますが,その後に
続いた米国の都市で,成功例を見つけるのは難しいかもしれません.
こちらでも何度か取り上げているフロリダ州タンパは,電車の存続すら
危ぶまれていたほどです.
また,シアトルでは運賃無料ゾーンに隣接しながらも,1.25ドルか1.50
ドルの運賃を徴収して,運営費の一部にあてる予定です.これに対して
ポートランドでは,路線の大半が無料運賃ゾーン内ですので,その辺りの
差が出るかもしれません.

さらに,来年開業に関して,軌道敷設工事がライトレールと比べてスト
リートカーは,車両が軽いことで道路を掘り返す深さが浅く済み,水道管
など地下埋設物移設も不要となることが多く,短期間で可能ということに
なっています.今回は線路長2.6マイル分を工期1年余で行うことになり
ますが,実際ポートランドでは迅速な建設ができましたし,不可能では
ないのでしょう.しかし,今回で場所が確定した車庫が,軌道敷設ほど
短期間に建設できるものでしょうか.

加えて,車両の用意が2007年内に間に合うのかどうか,すでに水面下で
発注しているなら別ですが,気になるところです.
ポートランドでも,延伸部分の線路は出来上がっているものの,車両数
の都合で延長開業は今夏になっています.
シアトルでは,ウォーターフロントを走っていたレトロ調の車両を引っ
張り出してくれば,何とかなるかもしれませんが,計画では近代的車両
ということになっています.


シアトル South Lake Union ストリートカー 関連過去ログ :
2005年10月 ストリートカー特別税
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2006年03月28日

【シャーロット】Lynx成功の鍵はzoning変更に

先月の話になりますが,ノースカロライナ州シャーロットで建設中のLRT
には,Lynx(リンクス,ネコ科オオヤマネコ)と名前が付きました.
Light rail will be called the Lynx
(2/23付けNews 14 Carolinaのニュースへのリンク)

シャーロットには猫が他にもいます.そもそもライトレールを運営する
事業者が"CATS"ですし,シャーロットをホームとするNBAのチーム名も
ボブキャット(Charlotte Bobcats)です.
もっとも,猫つながりでリンクスと命名したわけではないようで,実は
大衆に勝手に呼び名を付けられるよりも,先に付けておいたほうがいい
という判断からのようです.
なお,開業予定は2007年秋にずれ込んでいました.
CATS : Charlotte Area Transit System

Lynxという名称は他の分野でも広く使われているようです.ちなみに,
交通機関では,フロリダ州オーランドとその周辺で路線バスを運行して
いるCentral Florida Regional Transit Authorityが,Lynxを名乗って
いるばかりか,そちらでもライトレールの計画もあるようです.
オスロとストックホルムをX2000で結んでいた列車はLinxでした.


次のニュースは,開業を遅らせるものではありませんが,ライトレール
建設に伴い,沿線ではゾーニング(zoning)の変更が行われます.しかし,
その再考を求める地区が現れたという話題です.

ゾーニングとは,土地の利用方法を,その土地や周辺にあわせて決めて
いく建築規制ですが,その改訂が,シャーロットではLRTの成功に欠かせ
ないものと考えてられいます.駅を中心に据え,周囲に商業地区と住宅
地区をバランスよく配置するTODを行うには,ゾーニング変更がシャー
ロットでは必須とされているのです.
他の都市とは異なり,ゾーニングの改訂を行わず自然に任せたままでは,
交通機関の利用率が上がらないと,計画の責任者は語っています.
シャーロットも1938年までは路面電車が走っていました.しかし,それ
から70年近くも,軌道系の都市内公共交通機関はありません.
TOD : Transit-oriented development (公共交通指向型都市開発)

今回そのゾーニング改訂に異議を唱えたのは,Dilworth(ディルワース)
という地域です.シャーロットのダウンタウンに相当するUptownのすぐ
南に位置していて,70年前のストリートカーも線路を伸ばしていました.

問題は,住宅やショッピングセンターなどを建設するデベロッパーに,
駐車場設置を義務付けないことと,19世紀の末に開発されて,低層住宅で
構成されている地域に,建物の高さ規制がなくなることです.ただでさえ
駐車場が不足気味なので,これ以上賑わっても車を置く場所がないという
ことですが,なぜかLRTで集客という考えはないみたいです.

妥当なゾーニング変更ではないという,猛烈な市への働きかけにより,
決定は1ヶ月先送りとなり,その間に市はその変更しない場合の,周辺
地域への影響を調査することになりますが,1ヶ月という短期間で懸念が
払拭されるとは,Dilworthの住民は思っていないようです.
Dilworth light-rail dispute develops
(Charlotte Observer のニュースへのリンク)
Dilworth disputes light rail rezoning
(News 14 Carolinaのニュースへのリンク)

シャーロット ライトレール Lynx 公式サイト :
CATS / Rapid Transit Planning / South Corridor
(シャーロット市とメックレンバーグ郡の公式サイトへのリンク)

シャーロット ライトレール 関連過去ログ :
渋滞緩和策の切り札が渋滞を招く?
LRT工事本格化でトロリー運休
LRT開業まであと1年半
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2006年03月27日

【ワシントンDC】モール循環バス新登場

今週から桜まつりが行われるワシントンD.C.では,観光客が増えるこの
時期を見越して,先週からナショナルモールを循環するシャトルバスが
運行を開始しています.Circulator(サーキュレーター)と呼ばれるバス
は,時刻表を必要としない運転間隔(5分から10分)で,国立航空宇宙博物
館,ナショナル・ギャラリーなど,一連のスミソニアン博物館群が点在
するモールを巡回します. Circulator (公式サイト)
DC Circulator Launches a New National Gallery of Art/Smithsonian
Loop Around the National Mall - 3/17/2006

(The Downtown Business Improvement District リリースへのリンク)

実はこのCirculator,路線は3本目になります.ユニオン駅とジョージ
タウンとの間を結ぶ東西のラインと,ポトマック河畔からモールとチャ
イナタウンを経由してコンベンションセンターに至る南北のラインが,
昨年7月より運転を開始していました.(路線図は上記公式サイトで)

バスはベルギー製で,この地域の通勤の足を担うメトロバスとは異なる
装いで,赤をまとい黄色のサインカーブ模様がアクセントの外観,大きな
窓ガラス,3か所もドアがあるなど,人目を惹いてきたはずです.
flickrで見る DC Circulator
rllayman's photos / Tags / downtowncirculator

上記リンク先のコメントにもありますが,およそ米国の路線バスとは思え
ない車内です.日本では全く珍しくありませんが,米国では下車を告げる
には水平に張られた紐を引っ張るか,紐を模したテープ状のスイッチを
押すのが大半で押ボタンは少数派ですし,降車時に中扉を開けてもらう
ためのボタンも見たことがありません.気付いてもらえない場合には,
ドライバーにバックドアプリーズと叫ぶしかありませんでした.
また,一番後ろにはたいていエンジン機器が詰まっていて,後方の視界が
開けているバスなど,少なくとも米国の低床バスにはなかったでしょう.
路上のパーキングメーターで切符が買えてしまうところも面白いです.

実はこのバス,カルフォルニア州オークランドで走らせる予定で,当地の
AC Transitが購入したバスですが,使われずに車庫で眠っていたものを,
買い取ったものでした.
ワシントンでの使用にあたり,空調などを強化したようですが,それでも
米国製の強烈なクーラーに慣れっこの市民には不満があったようですし,
座席数が思いのほか少ないのも不評だったようです.
Washington, D.C., circulator system picks up
(2006年1月 Metro Magazineのニュースへのリンク)
Van Hool Buses (AC Transit 公式サイトへのリンク)
Transit on Tuesday (2005/7/19付け DCist ブログへのリンク)

Circulatorは,公式サイトでも紹介されているように,珍しい官民協調
体制が取られています.コロンビア特別区の運輸省と,ワシントン首都圏
交通局WMATAに,2つのビジネスグループのほか,コンベンションセンター
や,沿線4つのBIDが構成メンバーに名前を連ねる非営利団体のDC Surface
Transit, Inc.が加わっています.
(顔ぶれの詳細はCirculatorの公式サイトで)
WAMTA : Washington Metropolitan Area Transit Authority
BID : Business Improvement District
直訳ではビジネス改善地域となりますが,その地域の土地所有者と商業主
らが資金を出し合い,それを地域活性化やマーケティング,メンテナンス
などに活用する制度で,官民が手を携える街づくりの一手法.
州により名前が異なるそうですので,オレゴン州ポートランドの市電導入
や,ワシントン州シアトルで導入予定の路面電車の資金調達に関わって
いる,LID(Local improvement district)と同じシステムと思います.


そして,バス運行そのものは,表に出ることがほとんどないように思わ
れるのですが,First Transitが担っています.英国などで交通機関の
運営を手広く行っている,Firstグループの米国での一員のようです.
First Transit Awarded Contract To Provide New Bus Service In
Downtown Washington, DC

(First Transit プレスリリースへのリンク)

Circulatorを走らせる目的は,観光客への便宜を図るだけでなく,地域
内の移動の足となることや,沿線の店に人が集まるようにすることです.
もちろん,道路混雑の緩和と,大気汚染の緩和もあります.
地下鉄とメトロバスを運営するWMATAとの違いは,WMATAが郊外からダウン
タウンへの通勤需要に応えるのに対して,Circulatorは都心内での移動
需要を満たすためにつくられます.単純な比較はできませんが,日本では
東京の丸の内シャトル,メトロリンク日本橋が,好例かもしれません.

これまでの2路線によるサーキュレーター(Circulator)は,徐々に良く
なってきているとは言え,乗車率が今ひとつ冴えず,予想を下回る結果
に終わっていました.しかし,観光資源の豊富なナショナルモールを巡る
路線を加えることにより,相乗効果が期待されています.2時間以内で
あれば,Circulator同士の乗換えは無料だそうです.
Circulator Bus Service Heading Toward the Mall
(3/19付けWashington Postのニュースへのリンク)

路線新設に際して,車両増備の話はどこにも出てきません.AC Transit
からはバスを29台購入していました.これまでの2路線は24台で賄われて
いて,残り5台は改修でベルギーのメーカーに送られたあと,預けたまま
になっていました.今回はそれを戻して使うのかもしれません.

ワシントンポスト紙が書いているように,モール循環路線を設ける案は
計画当初からありました.ところが,モール一帯は国立公園扱いになって
いる関係上,バス一本走らせるだけでも連邦のお役所が絡んできます.
また,今はTourmobile Sightseeing Inc.という業者だけが,独占的に
旅客輸送を行えることになっていたのです.
このツアーモービル(Tourmobile)を利用するには,大人一人平均20ドル
が必要です.観光ツアー形式になっているためです.
しかし,国立公園を管理する役所のNPSとツアーモービル(Tourmobile)
との契約は,2007年に切れます.
このため,NPSは代替手段を模索してきました.新設のCirculator路線
は,NPSが管理する公園内の輸送手段を必要とするエリアのごく一部を
カバーするだけですが,直接利害の対立するTourmobileだけではなく,
NPSも歓迎ムードではないようです.これはNPSの貴重な財源となって
いる,営業権を与えて得られる見返りが,Circulatorでは得られないから
という見方もあります.
NPS : National Park Service
Tourmobile (公式サイトへのリンク)
Transportation Study
(NPS公式サイト National Mallのページへのリンク)
Speaking of mobility...
(3/21付け Rebuilding Place in the Urban Space ブログへのリンク)

その他の関連リンク :
Circulator計画のPDFファイル
(全てダウンロードすると199ページ4MB近いファイル容量)

District of Columbia Downtown Circulator Implementation Plan
(コロンビア特別区 運輸省 公式サイトへのリンク)
運転開始後3ヶ月の時点でのあるブログ.ガラガラだと言っています.
D.C. Circulator buses mostly empty
(2005/10/06付けLive from the Third Rail ブログへのリンク)

Circulatorは,要は都心循環シャトルバスということで,米国でも特に
珍しいわけではありませんが,評判の芳しくないWMATAのバスと非常に
好対照なバスを投入しながら,これまで苦戦してきたり,現在バス専用
レーン導入が検討されている南北ルートの一部は,路面電車(ストリート
カー)計画とも重なるなど,今後も動向を注視したいと思います.
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2006年03月26日

【シアトル】LRTは浮橋を渡っても大丈夫?

シアトルと,ワシントン湖を隔てて対峙するベルビュー(Bellevue)とを
結ぶ公共交通機関では,LRTが有力視されています.
しかし,湖に独自の橋を架けるだけの予算は掛けられないでしょう.
そこで,ハイウェイのエキスプレスレーン(Express Lane)に軌道を敷く
ということになりますが,湖をまたぐハイウェイは,世界にも稀にみる
長さを誇る浮橋だったのです.

コンピューターシュミレーションだけでなく,重しを載せたトラックを
実際に走らせる実験まで行い,ワシントン湖にかかる浮橋は,LRTを走ら
せても大丈夫という結果が昨年出ています.

これまでの経緯 :
2005年8月 LRTは湖に浮かぶ橋を渡れるか?
2005年12月 LRTは湖の浮橋を渡れるかも

ところが,LRT計画を進めるSound Transitは,委託した主に州外の識者
から,LRT走行にイエローフラッグを示されることになります.現段階
では危険とまでは言わないまでも,懸念は残るというのです.

まず,悪天候時の通行止めがあります.LRTが通る計画のエキスプレス
レーンは,1989年に開通したHomer Hadley橋にありますが,これまでに
2回,強風で通行止めになっています.これがもしも,LRTが通っていた
となると,もう2回は通行止めになっていただろうというものです.
ただし,これは浮橋にかかわらず,どこでもありうる話でしょう.

もう一つの懸念材料は,浮き橋の岸近くにおける安定性です.浮き橋の
取り付け部分は湖面と同じ高さではありませんので,ハイウェイはここで
少し傾斜しています.この傾斜部分と湖面上に浮かぶ,浮き橋の大部分を
占める区間とのジョイント部分が,試験で上下10インチ(25センチ強),
左右で5インチ(13センチ弱),最大で動くことがわかりました.
Sound Transitは,どのような形でハイウェイ上にレールを敷くのか,
詳細をまだ詰めていません.それにより動きが変わるものと思われ,
識者らは詳細をSound Transitに文書で求めています.
また,ワシントン州運輸省の浮き橋設計マネージャは,トラックによる
走行試験では,浮き橋の挙動を確認できたものの,それによる列車その
ものへの影響は未知のままで,それは軌道の設計次第と指摘します.
Panel raises concerns over I-90 bridge light rail
(3/24付けSeattle Timesのニュースへのリンク)

浮橋の様子をバードアイへのリンクで :
Interstate 90 floating bridges across Lake Washington Seattle side
(Windows Live Local bird's eye)
北向きのバードアイですので,画面下がLacey Murrow橋,上がエキス
プレスレーンが付属するHomer Hadley橋です.
画面下のLacey Murrow橋では,右が湖面に浮かぶ部分,左が岸に向かって
いる部分になり,左にスクロールしていくと,シアトル側の岸が見えて
きますし,右にスクロールするとHomer Hadley橋の湖面に浮かぶ部分が
見えてくるはずです.
I-90 floating bridges across Lake Washington Mercer Island side
(Windows Live Local bird's eye)
こちらは南向きのバードアイで,シアトルの対岸 Mercer Island側の
取付部になります.

橋の正式名称と,長さ,通行車線
(左端の数字は,浮き橋の長さにおける世界ランキング順位)
2. Lacey V. Murrow Memorial Bridge (2,019m) I-90号線 東向き車線用
5. Homer M. Hadley Memorial Bridge (1,772m) I-90号線 西向き車線用
と,LRT軌道が敷設されるもしれないエキスプレスレーン(Express Lane)

ここで出てくるエキスプレスレーンとは,曜日や時間帯により,車流の
方向を変える特設車線のことで,区間により1人だけしか乗っていない
車両の通行は制限されます.詳細は州運輸省のサイトへ.
Interstate 5 and Interstate 90 Express Lanes
(WSDOT 公式サイトへのリンク)
WSDOT : Washington State Department of Transportation

なお,このベルビューへのLRT案を含む,"Sound Transit 2"計画に対する
住民投票が,本来なら今年11月に行われる予定でしたが,2007年11月に
持ち越しとなりました.経緯は「"Sound Transit 2"一年遅れに」で.
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2006年03月25日

【ニース】LRVバッテリー走行お披露目

フランスのラ・ロシェル(La Rochelle)にあるALSTOMの工場内実験線で,
ニース向けのLRVはここ数ヶ月試験を重ねていましたが,この度CANCAの
メンバーを乗せたまま,ボタン操作でパンタを下ろしてバッテリー走行を
披露しました.
CANCA : Communauté d'Agglomération Nice Côte d'Azur
ニース市と,その郊外の市町村など,複数の自治体が集まった共同組織
で,CANCAの場合は,24の地方自治体から構成されています.域内人口は
50万人近くで,その7割がニース市に集まっています.


架線レス(ワイヤレス)は,フランス語では"sans-fil"となります.
metroFrance.comの記事では,ワールドプレミアという表現も出てきます
し,架線レストラムウェイのパイオニアと持ち上げています.
Un tram pionnier du "sans-fil"
(metroFrance.comのニュースへのリンク)
première mondiale pour le futur tram
(Sophia Netのニュースへのリンク)

NiMH(ニッケル水素)バッテリーは,温度25度に保たれるように箱に収め
られた上で,トラムの屋根上に搭載されています.すでにご紹介の通り,
ガリバルディ広場(Place Garibaldi)を横断する485mと,マッセナ広場
(Place Masséna)を横断する435mの区間では,景観保護のため架線が
張られず,このバッテリーから給電を受けて走ることになっています.

20本納入される路面電車のうちの最初の1本目がニース入りするのは,
今年12月に予定されています.

これらの広場で,今週初めの段階で改修工事に取り掛かったという報道も
ありました.2007年9月開業を果たすためには,来年早々までに何回かに
分けて行わなければなりません.
前回お伝えしている,トラム開業遅れと部分開業の可能性に関する情報は
何もありませんでした.
Début des travaux d'aménagements du tram
(3/21付けmetroFrance.comのニュースへのリンク)

追記 (2006/3/31):
下記記事に,ALSTOM工場での視察の詳細が報じられています.
まず,バッテリー方式による架線レス実現の利点として,軽量化,
保守の簡便さ,毒性の低さ,リサイクル可能,耐用年数5年などを
あげています.
バッテリー駆動の操作は簡単で,交通量により使い分ける3段階に
分かれていて,色分けされています.青が混雑なしの場合で,
時速30キロ以上での走行,黄は混雑時で同30キロ以下,赤が渋滞
時などの低速または停車になります.
操作手順は,切替え時にボタンを押すだけですが,バッテリー走行
区間の入口に近づくと,赤いランプが点滅して注意を喚起します.
もしも運転手が切替を忘れると,チャイムと音声メッセージが流れ
ますが,それでも切り替わらない場合には,警告音が強くなるそう
で,モード切替はドアが閉まっている時に限られるようです.
Tramway de Nice : Première mondiale…à La Rochelle !
(3/30付け Le Petit Niçoisのニュースへのリンク)

なお余談ながら,バッテリーを供給するSaft社は,アルストムだけでは
なく,シーメンスにも売り込みを図りたいようです.しかし,
アルストムはボルドーで実用化された,APSという架線なしで走る
技術も持っています.

また,更に余談となりますが,350km/h以上で走行可能なAGV(次世代
TGV)が,間もなくお目見えしそうなことなども記してあります.


ニースのトラムウェイ リンク集 :
Tramway de Nice (トップページ)
voir le plan (公式路線図) (他にもPDFファイル版あり)
(公式サイトへのリンク)
Un tramway pour Nice
(ニース市公式サイトへのリンク)

位置関係把握のための非公式路線図 (PNGファイル)
資料を基に独自に構成したもので,公式のものではありません.
緑色の区間は,自動車の走行が禁じられているところになります.

ニースのバッテリートラム,路面電車関連 過去ログ :
2006年2月 トラム開業遅れと部分開業の可能性
2005年11月 来秋の納入に向けたLRV1号車
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2006年03月24日

【ロサンゼルス】LRTアクアラインには反対?

つい先日話題にしたばかりのLA第4のLRT,エキスポ線(Expo Line),正式
名称 Mid-City/Exposition Light Railは,アクアライン(Aqua Line)
なると思われていましたが,路線名となるカラー決定に際して,まだMTA
内でも意見の対立があるようだとの報道がありました.
MTA Squabbles Over Hue-Mongous Decision
(Los Angeles Timesのニュースへのリンク)
MTA Board Clashes Over Colors
(NBC4.TVのニュースへのリンク)
MTA : Los Angeles County Metropolitan Transportation Authority
LACMTAとも,Metroとも呼ばれますが,同じ組織

アクア(aqua)=水色は,明るくて(bright)感じがよく(pleasant),発音も
しやすいということで選ばれていましたが,MTAの委員の意見がまとまり
ません.近くの大学のシンボルカラーとの兼ね合いがあるなど,政治的な
駆け引きもあるようで,カーディナルライン(Cardinal Line)=深紅という
案も出てきましたし,中間色を希望する人からプラチナライン(Platinum
Line)などの候補もあがりました.

路線カラーの問題では,地下鉄レッドラインのうち,ウィルシャー通りの
路線を,ノースハリウッドへ向かう路線と区別するため,パープルライン
(Purple Line)とする案や,ハイウェイのバス専用レーンを走る路線を,
シルバーラインやブロンズラインにすることも検討されています.
LRTでは,ブルー,グリーン,そしてゴールドが現在LAでは使用されて
います.しかし,これから先に路線が増えた場合には,アルファベットで
表現されることになるかもしれません.

米国のような多民族国家ならではの問題として,ブラックやブラウンは
採用されないでしょう.肌の色を連想させるからです.特にこの路線は,
アフリカ系やラテン系の多い地区を通るのでなおさらです.もちろん,
路線図で表示困難となるホワイトもあり得ないでしょう.
また,ブルーやレッドは,ギャングを暗示させる(gang-connotation)と
いう意見もあります.

エクスポラインの結論はまだ出ないようですが,ラインカラーとしてでは
なく,路線名としてアクアラインというのは,道路では東京湾にあって
も,鉄道ではまだないかもしれません.
米国ではニューヨークやサンフランシスコなどで,既にアルファベットや
数字が使われています.シカゴやワシントンDCでも,そろそろ色が足り
なくなってくるかもしれません.
世界の鉄道路線カラーをまとめた日本語のサイトがあったように思うの
ですが,今回見つけることが出来ませんでした.

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2006年03月23日

【深夜バス】BART沿線へ終夜運転

深夜バスは日本でも珍しいものではありませんが,鉄道が保守作業のため
運休する深夜から未明にかけての時間帯に,その鉄道沿線のほぼ全域を
カバーする終夜運転は,米国でも他に例を見ないかもしれません.それも
単独のバス事業者が行うのではなく,複数の事業者が連携してダイヤを
組んでおり,週末にも運転されるようになります.
これでサンフランシスコのダウンタウンでBARTの終電に乗り遅れても,
地域によっては乗換えが必要ですが,関係する5事業者の協力で,少し
でも多くの場所へ,少しでも少ない乗換え回数でたどり着けるように工夫
されたそうで,ほとんどのBART主要駅へ深夜バスだけで移動できます.

"All Nighter"と称する深夜バスが,3/21公式にスタートしました.
ベイエリアで路線バスを運行する,次の5つの事業者が連携します.
AC Transit (Alameda-Contra Costa Transit District)
Muni (San Francisco Municipal Railway)
SamTrans (San Mateo County Transit District)
County Connection (Central Contra Costa Transit Authority)
Wheels (Livermore Amador Valley Transit Authority=LAVTA)

各路線の時刻や,路線図(PDFファイル形式)などは,www.511.org に用意
されています.
All Nighter - Late Night Bay Area Transit (MTC 公式サイトへのリンク)
MTC : Metropolitan Transportation Commission
"All Nighter" Closes the Late-Night Gap in Regional Transit Service
(AC Transitのニュースリリースへのリンク)

ベイエリア各地で独自の報道があります.
Agencies introduce All Nighter buses
(San Francisco Chronicleのニュースへのリンク)
New bus service fills void left by BART during night
(Contra Costa Timesのニュースへのリンク)
Late-Night BART Riders Get Bus Service
(KGO-TVのニュースへのリンク)
Live a little: All Nighter ready to roll
(Insidebayarea.comのニュースへのリンク)

基本的に1時間に1本の運行ですが,トランスベイ路線(ベイブリッジを
渡ってサンフランシスコとオークランドなどイーストベイを結ぶ路線)の
土休日に限っては,30分間隔になります.

このトランスベイ路線は,オークランドやバークレイなど,イーストベイ
地区でバスを運行する,AC Transit による運行です.AC Transit では
これまでサンフランシスコ内では,トランスベイターミナル(Transbay
Terminal)以遠を走ることがありませんでしたが,All Nighter 800系統
は,マーケットストリートを走るようになりました.これでBARTの終電が
出てしまった後でも,トランスベイターミナルまで移動することなく,
ベイブリッジを渡ってオークランドなどイーストベイまで行くことを可能
にします.
AC Transit は,かつて二段構造のベイブリッジの下段を走った鉄道,
Key Systemの後継にあたります.Key Systemの詳細は,路線図なども
含めて,ウィキペディアの英語版にまとめられています.


各事業者の担当するエリアは,サンフランシスコ市内はMuni,サンフラン
シスコ国際空港などがあるサンマテオ郡へは,SamTransになります.
SamTransはBARTだけでなく,CaltrainのPalo Alto駅まで運転されます.

一方,イーストベイでは,今回初めて深夜バスが走る区間もあります.
BART路線は色で呼ばれることはありませんが,路線図では便宜上
色分けされていますので,カラーごとに分類すると次のようになります.
BART : Bay Area Rapid Transit

赤 : Richmond駅まで
サンフランシスコのマーケットストリートから直通でAC Transit
緑 : Fremont駅まで
オークランドからAC Transit
黄 : Pittsburg/Bay Point方面
オークランドからConcord駅までCounty Connection
青 : Dublin/Pleasanton方面
BARTの終点を越えてLivermoreまでWheels

MTCでも,トリッププランナーをサイト上で提供していて,駅名と時刻
などを入力すると,旅程が表示されます.試しに平日深夜にパウウェル
(Powell)駅から,アラメダ郡ダブリン(Dublin)駅までを検索してみると,
5分乗継の乗換えが2回あり,2:06発で3:46着の,所要時間1時間40分,
運賃5ドルと出てきました. TakeTransit Trip Planner

オークランドでの乗換えでは,ダイヤは一応連携していますが,運賃は
別建ての合算となります.しかし深夜バス割増というようなことはなく,
全て通常の普通運賃です.
このための資金は,ベイエリアの橋の通行料金を$1値上げしたことにより
得られる年間1億2500万ドルの中から,年間180万ドルの補助を受けること
によって賄われますが,それはもちろん住民投票で2004年に承認された
法案,"Regional Measure 2"に定められていることです.

この多方面にわたる深夜バスの終夜運転により,深夜から未明にかけての
道路混雑が少しでも解消され,飲酒運転などの防止にもつながると期待
されています.
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2006年03月22日

【ロサンゼルス】第4のLRT着工間近ほか

LAで4番目になるLRT路線,Mid-City/Exposition Light Rail計画が,
着工まで大詰めを迎えています.通称エキスポ線(Expo Line)は,開業
後には色を付けられてアクアライン(Aqua Line)になりそうです.
この路線は最終的に太平洋岸のサンタモニカ(Santa Monica)までを目指し
ますが,まず第一期分として,ダウンタウンからカルバーシティ(Culver
City)までの8.5マイル(約13.6キロ)が年内には着工されて,ブルーライン
と都心内のターミナルを共用した全長9.6マイルの開業予定は,2010年を
目指しています.
第一期区間には8駅(オプションで+1駅)の新設が予定されていて,この
うちの2駅(La Cienega,La Brea)は高架,3駅にパークアンドライドが
設置されることになっています.

今月初めには,NEPA(米国環境政策法)で定める基準を満たしたとして,
FTAがLRT計画を承認したのを受けて,このLRT建設のジョイントパワーズ
オーソリティ(合同当局?)のExposition Metro Line Construction
Authorityは,3社のジョイントベンチャー(FCI/Fluor/Parsons)と,DB
契約(設計と建設)を4億2千万ドル強で交わしました.
FTA : Federal Transit Administration
NEPA : National Environmental Policy Act (米国環境政策法)
FCI/Fluor/Parsons : FCI Constructors (45%), Fluor Enterprises
(30%), Parsons Transportation Group (25%)
FCI Constructors wins $420 Million Design-Build Light Rail Project
in Los Angeles

(Flatiron Construction Corp.のプレスリリースへのリンク)
今週に入ると,間もなく設計作業に着手というプレスも出されます.
Parsons to Begin Design Work on New Light Rail Project in Los Angeles
(Parsons プレスリリースへのリンク)

沿線各市とMTAで構成される建設当局のサイトに,路線図があります.
MTA : Los Angeles County Metropolitan Transportation Authority
Exposition Metro Line Construction Authority (公式サイト)

建設予定地 Vermont (Windows Live Local bird's eye)
東向きのバードアイです.東西に走るExposition Boulevardは,画面上
ではやや斜めの上下になり,中央に見えるVermont Avenueとの交差点の
前後に,Vermont駅が設けられるのでしょう.
このバードアイでは,ヴァーモント通り(Vermont Avenue)を境に,エクス
ポジション通り(Exposition Boulevard)の東側(画面の上)は中央分離帯が
芝生ですが,西側(画面の下)では中央に単線の線路跡が見えています.
(画面下にスクロールするとよくわかります)
撮影時期は不明ですが,これが恐らく廃止されたSouthern Pacific貨物線
で,LRTはここを複線で走るのだと思われます.この線路跡は,MTAが既に
買い取って所有しています.

建設コストは総額6億千万ドルと見積もられています.
先週末には,カルフォルニア州から2億8百万ドルを,交通混雑緩和プロ
グラム(TCRP)の一環として得ることができました.それ以外にも4月には
3億1500万ドルを,南カルフォルニア州交通改善プログラム(STIP)から,
ロサンゼルス郡とシェアする形で獲得できる見込みです.
Metro Secures $208 Million in State Funding for the Exposition
Light Rail Transit Project

(3/16付け LACMTA ニュースリリースへのリンク)
LACMTA : Los Angeles County Metropolitan Transportation Authority


LAの話題をもう一つ.LAX(ロサンゼルス空港)と,ユニオン駅を結ぶ直行
バス(FlyAway)が,先週より運転され始めました.
Non-stop bus service to airport terminals will depart every
30 minutes for $3 fare

(3/09付け Los Angeles World Airports ニュースリリースへのリンク)
FlyAway Bus Schedule, Information and Parking Rates
(公式サイトへのリンク)

New Flyaway Airport Shuttle Service to Directly Benefit Thousands
of Public Transit Riders at Union Station

(3/15付け LACMTA ニュースリリースへのリンク)

今月末までなら,交通公共機関の切符類などを提示することで,運賃が
無料になりますが,タクシーのレシートでもいいそうです.
フリーウェイのHOVレーン(high-occupancy vehicle lane)を走ることに
より,所要時間は45分とのことです.これまで公共交通機関でその区間を
移動するとなると,乗換えが必要で1時間以上は掛かりました.鉄道で
行くとなると,グリーンラインのAviation駅までまずシャトルバスで出る
必要があり,さらにそこから最低2回乗換えて1時間少々です.

HOVレーンとは,2人以上(場所によりそれ以上)が乗った自動車以外は
走ることを許されない車線のことです.
Century Freeway (Interstate 105) HOVレーン
(Windows Live Local bird's eye)
このバードアイでは,LRTのグリーンラインが中央を走り,その両側が
HOVレーンになっています.東向きですので,画面上のほうにスクロール
していくと,グリーンラインのHawthorne駅が見えてきます.

Century Freeway & Harbor Freeway HOVレーン
(Windows Live Local bird's eye)
こちらは,さらにI-105号線を東へ進み,I-110号線(Harbor Freeway)との
インターチェンジ手前です.画面上を見ていくと,恐らくFlyAwayが通る
であろうHOVレーンの分岐の様子を見ることが出来ます.通常のレーン
とは別に,高架橋を建てて本線を跨いでいるところが凄いです.
左側に並ぶ9コマのサムネイルのうち,真ん中の列の一番上をクリックで
表示させると,グリーンラインのHarbor Fwy駅が見えます.

地表の中央やや画面右には怪しい単線も見えますが,その線路がI-110を
跨ぐところの左下,I-110の中央分離帯のところには,影になって見え
にくいですが,HOVレーンのシーサスクロッシングがあります(左上のコン
パスで北を上にするとよく見えます)
.これはHOVレーンを走る路線バス
が,I-105の下に設けられた島式ホームの停留所を使うために設けられた
もので,両側にドアを設けられるLRVなら不要ですが,BRTでない普通の
バスではドアが片側のみのため,この交差が必要なのです.バス停がなぜ
相対式ではなく島式なのかは不明ですが,グリーンラインのホームからも
直結して楽に乗換えできます.今回のFlyAwayはこの島式ホームを通り
ませんが,もしも,空港から公共交通機関で,復元されたレッドカーが
週末に走るSan Pedroへ行く時には,ここでの乗換えがいいでしょう.
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2006年03月21日

【ヒューストン】見た目より大変なLRT運転

テキサス州ヒューストンのライトレール,METRORailで使用されている,
シュミレーターで電車運転を体験した記者の記事がありました.
ちなみに,シュミレーターのお値段は49万ドルです.

レールの上を転がるだけでステアリングの不要な電車は運転が簡単,と
思い込んでいた記者が,電車の視点からみる自動車や歩行者の無謀さを
認識し,バスの4倍も重い電車の止め方の難しさを学び,慎重に恐る恐る
走ってはダイヤを守れないことなどを知り,ダウンタウンの併用軌道での
運転がいかに大変であることに気付くとともに,インタビューなども交え
て,興味深い記事に仕上がっています.

オペレータの言葉を借りると,ライトレールの運転は,誤りの許される
範囲(margin for error)がほとんどなく,絶えず注意を怠らないように
しなければなりません.
また,信号無視の車や割り込み,不注意な歩行者などはバスの運転でも
同じですが,ライトレールでは鉄道向け信号と,道路の交通信号の両方を
遵守しなければなりません.
Not easy for operator to stay on track
(Houston Chronicleのニュースへのリンク)

記事の終盤では,乗務員室内のスイッチ類のレイアウトまで,文章だけ
になりますが載せています.日本の路面電車などと違うかなと思われる
部分では,デッドマンスイッチ(EB装置)が足載せ式になっているらしい
こと,警笛が右手によるボタン操作になることなどでしょうか.この警笛
にも4種類あります.ホイッスル2種類(大音量,ソフト),鐘(ゴング),
クラクション(horn)となっています.
運転席の背後には,赤く塗られた金属棒があります.ポイントが正常に
機能していない時には,これを使って人力でレールを動かし,進路を確保
するための棒だそうです.ビデオスクリーン式モニター画面,自動診断
ソフトがインストールされたノートパソコンがあるなど,テクノロジーの
塊のなかで,ただの金属棒だけが異質に映ったのかもしれません.

METRORailでは,米国の他の都市のLRTと比べて一般道路上を走る距離が
長く,自動車の運転マナーがあまりよくないことも影響しているのか,
衝突事故の絶えないLRTとして知られてしまっています.
もちろん対策は色々と講じられていて,最近では問題の多い2か所に,
赤く点滅する警告灯を路面に埋め込んでいたりします.
Pavement signals will flash at 2 trouble spots
(3/12付けHouston Chronicleのニュースへのリンク)

Downtown Transit Center電停 (A9.com, Inc.地図サイトへのリンク)
右下に4つサムネイルが表示されると思います.これをクリックすると
別ウィンドウで画像が拡大されます.


ダウンタウンのMETRORailは,道路の中央を走るセンターリザベーション
方式ですが,停留所は島式ホームです.道路幅の都合で両方向で一緒に
ホームを設けることが出来ず,交差点を挟んで片方向ずつの配置になって
います.また,電停のない区間でも線路の間隔を広げたまま中央分離帯に
しています.他ではあまり見ないレイアウトかもしれません.
自動車は,電車接近中にライトレールの線路を交差する左折(場所により
右折)を禁止されていますが,違反する車も多いようです.

ヒューストン METRORail関連過去ログ :
LRT 事故の多さを改めて懸念
LRT迷走電流問題解決せず?
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2006年03月20日

【パリ】桜並木を走りそうなトラムT3

パリで今年暮れ開業予定の路面電車T3系統は,パリ市内をぐるりと囲む
環状線の一角を形成する,boulevards des Maréchauxを走ることになり
ますが,その通りにはトラムウェイT3建設工事の一環として,千本以上の
多種多様な樹木が植えられ,これに軌道敷地に植えられた27万平方mに
及ぶ芝生とあわせると,さながら庭園通りの様相をみせるようです.
そこを走るCITADISも,きっと絵になることでしょう.

先週からは,いくつかの電停に花が咲く木が植えられ始めています.
Cerisier(桜),Poirier de Chine(中国梨?),Magnolia(モクレン),
Amélanchier(バラ科のサービスベリー)などが選ばれており,恐らくは
この春から,白やピンクの花を咲かせるのかもしれません.
Tramway T3 : La campagne de plantations reprend ! L'objectif
des 1 000 arbres sera dépassé !

(パリ市公式サイトのニュースへのリンク)

そのT3では,以前にも紹介の通り,路線を延長して環状化する計画があり
ます.今年末に開業の区間と,今回計画の路線が全通すると,パリ市の
南と東の半分以上を囲むような格好になります.
現在CNDP(公開討論全国委員会)が行われており,その場では当局(STIF,
RATP,パリ市)からT3延長計画内容が詳細にわたり明らかにされ,T3の
延長を住民が受け入れるかどうかが話し合われています.
CNDP : Commission nationale du débat public
STIF : Syndicat des Transports d'Ile-de-France
CNDP開催については,以前にも紹介しています

現在想定されている,T3の延長計画については,CNDPのサイトに路線図が
見つかりました.想像図なども交えたページの中に埋もれています.
Espace presse débat public / Photos du projet
(CNDPのサイトへのリンク)

この年末にT3が開業する区間は,パリ15区から14区13区にかけてとなり
ますが,その後は東側に伸びセーヌ川を渡って12区に入り,やがて進路を
北に向け,20区と19区を走り,西に転じてパリ市の最北端にあたる18区
までが現在計画されています.

CNDPでは,18区内での終点の位置を巡る質問(なぜPorte de la Chapelle
までしか延長せず,Porte de Clignancourtまで行かないのか)や,なぜ
もっと停留所を増やせないのか(今の路線バスPC系統は320m間隔,T3では
電停の間隔が平均450mから500mに),その他にも様々な質疑応答が出て
いるということを,20 Minutesのサイトが3/09に報じていました.
PC : Petite Ceinture(パリの小環状線).元々は鉄道が走っていました
が,かなり以前からバスになり,現在は運転系統が3分割されています.
なお,3路線とも起点終点で運転区間が少しずつ重なっています.
La banlieue nord veut aiguiller le tramway vers elle
Des stations un peu plus espacées que pour le PC
« Le secret d'une ligne, sa régularité»
(3/09付け20 Minutesのニュースへのリンク)

パリ市電,トラム関連の過去ログ :
68年振りのトラムウェイ(路面電車) (T3向け車両搬入)
路面電車69年目の復活に向けて発進 (T3で試運転開始)
T3延長計画の公開討論会ほか (CNDP開催決まる)
【イルドフランス】2006年はトラム年!?
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2006年03月19日

【シンシナティ】幻の地下鉄を現実に?

東京に地下鉄ができる以前に,オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)では
地下鉄が建設されようとしていました.1916年に現在の価値で1億ドルを
越すプロジェクトが投票で承認されます.しかし,1920年に着工された
ものの,その後の政争や政治腐敗,自動車の台頭などに見舞われて,
大恐慌を迎える前に工事は中止されました.
その時の地下道のうち2.2マイル分が,80年以上経た今日もひっそりと
道路(Central Parkway)の下に残っているそうです.上を道路が走って
いることもあり,状態は良好だそうで,地下道内を巡るツアーも時々は
行われているようです.

幻のシンシナティ地下鉄のことを簡潔にまとめたサイト :
Cincinnati Subway (英語版 Wikipediaへのリンク)
シンシナティ地下鉄計画 (日本語版 Wikipediaへのリンク)
(シンシナティの地下鉄のことを詳細に載せたサイトへのリンクもあり)

幻の地下鉄 探訪ツアーの画像集(102枚あります) :
Cincinnati Advance Subway Tour - 22 Oct '05
(J.D. Ellis (jdellis) のサイトへのリンク)
地下道への入口がある中央分離帯のバードアイ画像(東向き)
Tunnel entrance at Central Parkway and Race Street
画面で上下に走る片側4車線の道路が,かつては運河で,今は地下鉄を
走らせるため造られた地下建造物の上を走るCentral Parkway.
向きは逆ですが,上のトンネルツアーの画像集95枚目に出てくる場所で,
このあとのCincinnati Enquirerの記事にも出入口の写真があります.
(Windows Live Localへのリンク)

今回その地下道に鉄道を走らせ,3か所に設けられている地下駅も再活用
しようという動きがあります.シンシナティの当局では80年前の地下道を
現在の基準に適合させて,地下鉄として再利用可能かどうか,改修には
どれだけの経費が掛かるのかなどを調査することになっていて,年内には
結論が出そうです.
Subway plan resurfaces
City study to take another look at abandoned tunnels
(3/15付けCincinnati Enquirerのニュースへのリンク)
Cincinnati revisits abandoned subway
(3/16付けThe Plain Dealer (Associated Press)のニュースへのリンク)

上記ウィキペディアにもありますが,シンシナティのあるハミルトン郡
(Hamilton County)では,売上税の税率を引き上げて,シンシナティと
その周辺地域に,LRTなど軌道系を含む都市交通網を26億ドルかけて構築
しようとしたことがあります.しかし,その是非を問う2002年11月の住民
投票で,反対票が賛成の2倍となる大差で否決されていました.
実現はなりませんでしたが,この時すでに地下道がライトレールを走らせ
られる規格であることが確認されていたようです.

2002年当時の計画図,その後の動きを下記サイトで見ることが出来ます.
Cincinnati Metro Area Commuter & Light Rail Planning
(CINCINNATI-TRANSIT.netへのリンク)

上記サイトの後半にもありますが,今年に入ってからも,LRT建設を巡る
話は絶えず出ているようです.道路混雑は年々ひどくなる一方です.
シンシナティの位置するオハイオ州をはじめ,川一つ隔てたケンタッキー
州や,すぐ近くのインディアナ州では,人口の増加がうなぎのぼりで,
どんどん都心より離れた地域に住むことを余儀なくされています.
米国の他都市で成功している例を目にした賛成派は,再び計画を練って
います. Light rail dream is not dead
(2/06付けCincinnati Postのニュースへのリンク)

ライトレールとは別に,市内を南北に縦貫するストリートカー(路面電車)
を走らせようという計画もあります.直線で3.5マイルくらいの距離です
が,建設コストは1億ドル,運営費は年間200-300万ドルです.
Streetcar Desire Two set to roll out new rail master plan
(2/10付けCincinnati Business Courierのニュースへのリンク)

地下道の話に戻りますが,もしも,今回の調査で建設費が膨大になる
ことが判明すると,地下道はすでに一部の区間で行われているように,
地上の建造物の重さに耐えられるように,永久に封鎖されるわけでは
ないものの,地下空間を建造素材で充填されてしまうかもしれません.
posted by NeiTech at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国北東部 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年03月18日

【サクラメント】大学と最寄りLRT駅を結ぶBRT

カルフォルニア州サクラメントでは,州立大学サクラメント校と最寄の
ライトレール(ゴールドライン)の駅を結ぶ,ストリートカー(路面電車)の
計画がありましたが,それは過去形になってしまったようです.

カルフォルニア州立大学は,計画中の"Sac State Tram"と名付けられる
BRT,bus rapid transit(バス ラピッドトランジット)に,92万4千ドルの
資本補助を受けられることになった,と発表しました.
この"Sac State Tram"こそ,州立大学のキャンパス内や周辺の諸施設,
RTの運営するLRTの最寄り駅,University/65th Streetを連絡する交通
機関なのでした.
RT : Sacramento Regional Transit District

加州州立大学の報道 :
Sac State Tram project gets rolling with SACOG grant
(California State University, Sacramentoのニュースへのリンク)
地元の有力紙サクラメントビー紙は,簡単な報道に留まっています.
Grant aims to set up CSUS light-rail link
(Sacramento Beeのニュースへのリンク)

"Sac State Tram"のSac Stateとは,州立大学サクラメント校のことです
ので,まさに大学のためのトラムなわけですが,計画では2008年に部分
開業ののち,2010年には全通させたいとしていて,建設費は2千万ドルに
なると見られています.今回の資金は設計などに費やされます.
大学がこのような交通機関を計画するのは,学生らが自動車通学するため
生じる,周辺道路の混雑や,駐車場不足などが引き金になっています.

大学では調査を行っていて,キャンパスとLRTの駅の間が便利になれば,
車ではなくLRTを使うと答えた人が,53%いたと昨秋公開していました.
原文では"street car"があれば,となっていますが,その後の内容では
BRT(bus rapid transit)になっていますし,挿絵も流線型の連接バスに
なっています.
アンケートの回答率は68%ですが,その中でライトレール利用者は僅か
10%だけでした.学生に配られるカードを示せば無料で利用できるにも
かかわらずです.その他の詳細はこちらに載っています.
Plan to link campus with light rail on track
(California State University, Sacramento 10/31付けニュースへのリンク)
なお,現在学内には学生や関係者のみが利用できる,Hornet Expressと
呼ばれるバスによるシャトルサービスがありますが,LRTの駅までは行っ
ていません.シャトルの名前に選ばれたHornet(スズメバチ)は,大学の
マスコットです.
Hornet Express Shuttle
(California State University, Sacramentoへのリンク)

BRTのシステムは,オレゴン州ユージンとスプリングフィールドを結ぶ
予定の"Emx"
と似たようなものになるそうで,専用レーンを走り,車両は
もちろん低床で,ドアも両側に設けられるとあります.
昨秋の記事によれば,車両は40人前後の定員,5分から7分程度の運転
間隔で走らせるようです.

大学への足として,LRTに駅を設けたケースがサンディエゴにあります.
同じカルフォルニア州立大学系列のサンディエゴ州大です.昨年7月の
グリーンライン開業時に,大学の目の前にに地下駅が設けられました.
サクラメントでも,25年前にライトレールを建設する際に,線路を大学
敷地内に通すことも考えられていました.ところが,その時点では駐車場
が十分足りていて,とても今のような状況を想像できなかったのです.

このBRTは,単なる大学への足に留まらず,SACOGの計画する道路混雑の
緩和と大気汚染の改善する計画と歩調をあわせ,さらに周辺地域の再開発
とも連動することにもなっています.
SACOG : Sacramento Area Council of Governments
サクラメントを含む周辺6つの郡の自治体の連合体で,地域交通計画の
立案や出資を行なっています.

2005年1月付けの日付がある下記サイトでは,まだ路面電車でした.
Sacramento — University Trolley (Rail Transit Online, January 2005)
(APTA Streetcar and Heritage Trolley Siteへのリンク)

サクラメントでは,西サクラメントとを結ぶストリートカー(路面電車)
計画もあります.LRTではなくストリートカーが考えられています.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国ベイエリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年03月17日

【ミュンヘン】市電路線を巡る百年論争

先週は,季節外れの雪でトラム(路面電車)の運行が数日にわたり乱れた
り,今週は,トレーラーに載っていた建設用クレーンが落下して,走行
中の市電車両を切り裂くという事故があるなど,このところ不運続きの
ミュンヘンですが,昨日は,路面電車路線の百年越しの論争に終止符を
打つかもしれないバイエルン州行政裁判所?(Verwaltungsgerichtshof)
の審理がありました.

百年越しの論争は,ミュンヘン市電を英国庭園の中に通すかどうかです.
ミュンヘンには英国庭園(Englischer Garten)と呼ばれる,都市内では
世界最大級の面積を誇る公園があります.広さではニューヨークのセント
ラルパークを上回るとのこと.衛星写真で見ても,イザール川沿いに広が
っているのがわかります.下記リンクでは,左下に中央駅があります.
Englischer Garten 衛星写真 (Google Localへのリンク)

原文がドイツ語ですので,例によって誤解や誤りがあるかもしれません.

ミュンヘン市では,1901年から庭園を挟むSchwabing(庭園の北東側)と
Bogenhausen(庭園の南東側)の両地域を結ぶ市電建設を望んでいました.
それは後世になると,市の東側に位置するBogenhausen(13区)と,中央
やや西側に位置するNeuhausen(9区)を,真っ直ぐではなく,北へ弧を描く
ように結ぶ路線(Tram Nordtangente),今は幻の22番系統の一部として
計画されます.その8キロの路線のうち,すでに6キロ分は完成済みで,
他の系統で使用されていますが,英国庭園を含む2キロが未完成でした.

Tram Nordtangente(英語風に読むなら,ノース タンジェント)は,有望な
路線として,1991年には市議会からも満場一致で支持されますが,その
10年後には,オーバーバイエルン(Oberbayern)政府により建設を拒否
されてしまいます.オーバーバイエルンは英国庭園の所有者なのです.
ミュンヘン市はこれに対して告訴していましたが,それが5年後になって
ようやく審理されるということのようです.

ウェブサイト上の新聞報道 :
Tram durch Englischen Garten: Oberstes Gericht entscheidet
(tz heuteのニュースへのリンク)
Zug im Englischen Garten
(Merkur Onlineのニュースへのリンク)
公式発表 :
Verwaltungsgerichtshof verhandelt über die Tram durch den
Englischen Garten
(SWMのニュースリリースへのリンク)
SWM : Stadtwerke München GmbH
ミュンヘン市の公共サービスなどを管轄する下位組織で,市電をはじめ
として,地下鉄Uバーンやバスなど,交通機関を運営するMVG(Münchner
Verkehrsgesellschaft mbH)などを子会社として傘下にもっています.

庭園通過反対派としては,市電が走ることにより電車線(架線)や架線柱が
景観の目障りになるほか,交通安全上の懸念をいだいているようです.
反対派のサイトの中には,合成写真を載せて架線などが景観を台無しに
することを主張しているところもありました.賛成派としては,架線は
樹木が繁れば覆い隠されてしまい,目立たなくなると考えています.
(冬場はどうなるんだという突っ込みはありません)

安全上の問題は,オーバーバイエルンが拒絶した理由ですが,公園内を
横断する公道が既に建設されていて,市バス路線も走っています.
専門家の意見では,路面電車の停止距離は,バスよりも短いとしていて
(逆のような気がしますが),バスがトラムに変わることにより,安全性は
改善されるとしています.

裁定はまだ出ていません.来週文書による通知がなされるようです.
追記 (2006/3/31) :
3/30に裁定が出て,SWM側の主張は却下されました.
2001年に出された,景観保護の観点から英国庭園を守ることは,
市電の新路線より優先度が高いとした,オーバーバイエルンの
決定に抗議することはできないとのことです.
現時点では英国庭園に路面電車を通すことは出来ないままです.

オーバーバイエルンの拒否を覆すためには,ライプチッヒにある
連邦行政裁判所に場を移すしかありません.しかし,それにはまた
時間が掛かります.
Aus für Tram durch den Englischen Garten
(3/30付け tz heuteのニュースへのリンク)
Tram durch den Englischen Garten gestoppt
(3/30付け Süddeutsche Zeitungのニュースへのリンク)

Keine „Genehmigung“ für die Straßenbahn durch den
Englischen Garten

(3/30付け Bayerischer Verwaltungsgerichtshof
プレスリリースへのリンク)



Strassenbahn-Forumによれば,庭園内を架線レス(ohne Oberleitung)で
路面電車を走らせることも一時考えられたようですが,話は進まなかった
そうです.

計画路線の22系統を,予想図?として載せているサイトがありました.
Linienplan Tram München 2025
(Die Homepage von Christian Lennartzへのリンク)
お目当ての画像は,メニューの"Pläne"をクリックすると,右のフレームの
一番下にリンクが出ます.2025年のミュンヘン市電路線図なのでしょう.
その画像では,Tivoli straße(現在の市電17番)と,その左横のGisela
straße(U3, U6への乗換え駅)との間が,英国庭園になります.
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2006年03月16日

【フランクフルト】2008年からの地下鉄新車ほか

フランクフルト(アム マイン)の軌道系市内交通機関には,他のドイツの
大都市にも見られるように,近郊鉄道のSバーンがあり,それよりも少し
輸送力や走行距離が落ちるUバーンと,基本的に市内のみを併用軌道で
走る路面電車の,大別して3種類があります.

このうちU-Bahnは,都心で地下を走ることから,地下鉄と言えますが,
もちろん地下を走るだけではなく,地上では専用軌道をライトレールや
通常の鉄道のように走る区間があったり,一部区間には併用軌道の区間も
残っていて,これは各路線の歩んできた名残りでもあります.
併用軌道の停留場の一部には,安全地帯の島がなく,道路から直接乗降
するところさえあります.

そのUバーンの車両更新に関しては,ヘッセン州政府が公共交通機関の
車両への補助金投下を取り止めたため,長く論争が続いたようですが,
フランクフルト市が銀行からの融資を受け,2005年12月に100本の発注を
公告,ボンバルディア(Bombardier)が受注しました.
今回はその詳細がボンバルディアから発表されています.高床タイプの
FLEXITY Swiftモデルが選ばれ,2003年の猛暑の経験や,地球温暖化の
影響を考えてか,フランクフルトの地下鉄車両では初めて空調付きです.

車両更新は,路線U1, U2, U3, U7で現在使われている"U2"タイプの車両
と,路線U5, U6で使われている"Ptb"タイプの車両が,古いもので車齢40年
近くになり,交代時期が迫ってきていることによります.
"U2"タイプと同型の車両は,カナダのエドモントン,カルガリー,米国の
サンディエゴでも走っています


メーカーと交通事業者VGFのプレスリリース
Bombardier Awarded A 300 Million Euro Contract For 146 High-Floor
Light Rail Vehicles For Frankfurt/Main

(Business Wireへのリンク) 英語

U-Bahn-Typ "U5": VGF gibt Auftrag an Bombardier - 146 neue
Fahrzeuge - Lieferung von Anfang 2008 an

(VGFのニュースリリースへのリンク) ドイツ語
VGF : Stadtwerke Verkehrsgesellschaft Frankfurt am Main mbH

地元の新聞報道
VGF zahlt neue U-Bahnen allein
Verkehrsgesellschaft Frankfurt vergibt Millionen-Auftrag für U-Bahn
(Frankfurter Neue Presseのニュースへのリンク) ドイツ語

今回発注される車種は"U5"タイプと呼ばれますが,フランクフルトでは
車種にも路線名にも共にUを付けるため,紛らわしくなっています.

新しい"U5"タイプは,編成の長さにより長短二種類に分類されます.
"U5-25" 車長約25m 2車体連接車(3台車/座席48-立席130) x54本
"U5-50" 車長約50m 4車体連接車(6台車/座席104-立席258) x46本
"U5-50"は,"U5-25"を2本連結したような形になりますが,車内通路は
前から後まで貫通しています.
合計100本は,プレスリリースの146本と数字があわないのですが,全部を
25m車に換算すると,"U5-50"46本が92になって,合計146になります.

"U5-25"の車長は,10年前から路線U1, U2, U3に投入されている,"U4"
タイプの車長24.49mと揃えられていて,"U5"タイプが2008年から2015年に
掛けて投入されていくと,この2車種で統一できるようにしています.
更に"U3"タイプの車両の置換え用として,ボンバルディアとの契約には
24本のオプションも,146本とは別に用意されています.

VGFでは,路面電車の低床車両,ボンバルディアFLEXITY Classicモデルを
2003年から投入していて,そのS-Wagenで培われた経験が,"U5"タイプ
にも生かされることになります.
車内にはバリアフリー対応の設備や,旅客案内装置が設けられるほか,
ヴァンダリズム対策として,29本に車内監視カメラを設置します.これは
今回発注分の2割ほどですが,Sタイプの路面電車では四分の一の両数への
設置だけでも,破壊行為への抑止効果がみられたそうです.


ところで,2005年のVGFの利用者のうち,3%の人が有効な切符を持って
いなかったことが明らかにされています.詳細はドイツ語になりますが,
下記で紹介されています.
Drei Prozent der Frankfurter fahren ohne Fahrschein
(Strassenbahn Magazinのニュースへのリンク)
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2006年03月15日

【ジュネーブ】軌道建設工事 あと21ヶ月半

ジュネーブの路面電車16番系統の延長工事が,今年1月から既に始まって
います.コルナヴァン(Cornavin)駅から空港の南側を通りすぎて,最終
的にはメイラン(Meyrin)地区まで延びることになりますが,終点はCERN
(欧州素粒子物理学研究所,欧州合同原子核研究機構)になることから,
TCMC(tramway Cornavin-Meyrin-CERN)とも呼ばれています.

このうちの第一期区間が,コルナバン駅からAvanchets地区までとなって
いて,2007年12月の開通を見込んでいます.着工から足掛け2年の工事に
なりますが,ほぼ全線が併用軌道になるようです.
Transports publics genevois
(ジュネーブの公共交通機関を運営する,TPG公式サイトへのリンク)
Projets d'extension du réseau de tramways, TCMC
(トラム延長計画 公式サイトへのリンク) 予定路線図などへのリンクあり

このうち,ジュネーブ市内のServette通りでの工事に関する記事があり
ました.この通りは,ジュネーブの陸の玄関口であるコルナバン駅近く
から,ほぼ北西に伸びる道路で,新しい路面電車はここを走ります.
Découvrez ce que sera la rue de la Servette en 2008!
(Tribune de Genèveのニュースへのリンク)

記事は,Servette通りは,もはや(交通の)動脈ではなく,(穴だらけの)
エメンタールチーズ(のように工事で穴が掘られた)というくだりから,
くもの巣に捕らわれた蚊のように,毎日のようにそこを走るドライバーは
観念している?というくだりまで,フランス語らしい表現で始まります.
その部分の理解はあやふやですが,トラム軌道敷設の工事の間,沿線の
住民や商店関係者らは大変だということを言わんとしているのでしょう.

その後,記事は質疑応答形式で綴られます.
道路のあちこちを(エメンタールチーズの穴ように)掘り返しているのは,
軌道建設のためだけではなく,これを機に地中の水道管,ガス管,電線,
電話線などのライフラインを刷新する目的もあるそうです.
通りにはGoogle Earthでも確認できるように,中央分離帯に並木があり
ます.しかし,そこに路面電車を通すため,今年1月以降は木が切られて
いるようで,その総数は96本にも及びますが,埋合せとして2007年秋には,
新たに104本が通りの両側に植樹されるそうです.

これらは,2月の段階でジュネーブ州より公式の案内が出ていました.
Tram Cornavin-Meyrin-CERN: première étape
(ジュネーブ州公式サイト2/08付けFAOへのリンク)

トラムは通りの端(路肩)を走らないのかという問いに対しては,交差する
道路が多く,複雑になるので不可能と簡単に切り捨てられています.
答えは中央部分の走行しか方法がないとしていますが,個人的には,
もう少し突っ込んでほしいところです.

交通の流れは改善されないのかという問いもあり,それに対して,かつて
Lausanne通りと,Acacias通り(いずれもジュネーブの南部)の路面電車の
軌道建設工事で得た経験を元に,最善を尽くすとあります.

その他には,レールが敷かれるのは来年に入ってからということと,建設
費が3億5千万スイスフラン(95円換算で332.5億円)で,この金額には調査
費と車両の費用は含まれないなどが記されていました.

第2期工事となるメイラン(Meyrin)までは,早くても2008年末の開業です
が,開通後には14分で結ばれるそうです.16番系統はメイラン(Meyrin)
までで,その先のCERNまでは,現在バスが使っている14番が召し上げら
れてトラムの系統番号になるようですが,建設には更に1年以上が必要と
しています.記事ではCERNまで行く路線を15系統としていますが,公式
サイト
では14系統になっていました.
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2006年03月14日

【ウィーン】地下鉄新車の量産車登場ほか

ウィーンの地下鉄(U-Bahn),U1からU4までの路線への次世代向け車両と
して,Vタイプと称する車両が用意されています.その先行試作車1編成は
2000年末より営業運転を行なっていましたが,その量産車がようやく,
この春から営業運行に就く見通しとなりました.

1998年当初は2003年に導入される予定でした.それが2000年には2004年
からになり,2002年の段階で2005年納入,2006年営業運転開始とされ,
度重なる遅れがありました.
2002年6月に,日本流で言う4M2Tの6両編成が25本発注され,2009年までに
納入されることになっています.
量産車の完成が遅れた理由の一つには,2000年11月にオーストリアの
Kaprunで発生した,ケーブルカー火災事故の悲劇を教訓に安全基準が
改められ,それに対応する必要があったこともあるようです.
Wien: Erste neue U-Bahnen sind ausgeliefert
(derStandard.atのニュースへのリンク)

ウィーンのUバーンと言えば,このサイト(英語版)が参考になります.
V stock (The Vienna Metro Systemへのリンク)
Vタイプ車両はウィーンでは初めての,空調付き地下鉄になるそうです.
また,前述の安全基準の強化により,椅子が金属製になり,煙センサーも
増やされてるとのことです.

derStandard.atの記事では,この他にも以前ご紹介している,ウィーンの
シーメンス工場で製作中だった,ハンガリーのブダペスト向けコンビーノ
(Combino)の第一号が落成して,ブダペスト側に引渡されたことが載って
います.2月の過去ログ(【Combino】ブダペスト向けウィーンで製造中)
に,追記の形で情報を追加しました.
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2006年03月13日

【ボルドー】二期工事と芝生の撤去ほか

地表集電による架線レスのトラム(路面電車)を,世界に先駆けて採用した
ボルドーでは,足掛け2年近くにわたり,そのトラブルに苦しめられて
いましたが,利用客数は予想を超えて伸びており,各路線の延長工事も
たけなわといったところだそうです.
(以下,原文がフランス語につき,誤解誤訳はご容赦ください)


APS(Alimentation par le sol,地表集電)の故障も,昨年末で全運行の
1%になっていましたが,それが今年2月末の時点では0.45%にまで下げる
ことができました.今後の目標としては,2006年末までに0.2%に下げる
ことです.数字はAPSに起因する10分を越えない故障数?だそうです.
一時から比べると,格段に信頼性をつけたAPSですが,既報の通り,A線の
末端ならびに末端近くにあった地表集電区間は,従来の,そして前後の
区間で採用されている,架線からの集電方式になることになっています.
なお,当初の計画よりも減らされていますが,今回延長される第2期区間
でも,APSは一部で採用されます.

利用者数は,昨年12月に一日の乗車人員としては最高の,19万2千人を
記録しました.日頃も17万から18万人を輸送します.これは前年比26%の
増加であり,当初予測の14万人をも上回るものです.
ボルドーだけでも約23万人の人口があり,周辺地域を含むCUB全体では
1999年現在で66万人以上の人口があります.元々地下鉄が走っていても
不思議ではない規模ながら,地質の問題などから地下が掘れず,また,
フランスの他都市で採用されていた高架の新交通システムをも見送って
きましたが,やはりそれなりの需要があるのでしょう.
フランスのナントでは一日22万人の輸送人員があります.しかし,その
路線網は45キロにも及び,ボルドーの1.5倍以上の規模での話です.
CUB : Communauté urbaine de Bordeaux
ボルドーと,その周辺の26のコミューン(市町村にあたる地方行政の最小
区画)からなる都市圏.同様の都市圏はフランス国内に14か所あり,その
うちボルドーは,リヨン,リール,マルセイユに次ぐ人口で4番目の規模
です.ナントの都市圏は人口でボルドーに次ぐ5番目で約56万人.


芝生軌道に関しては,第1期区間で6ヘクタール(開業時には7万3千平方
メートルで約9キロの区間という記録もあります)
が植えられましたが,
その半分はたなざらし状態?になっていて,この夏にも枯れてしまうか,
雨が絶え間なく降れば泥まみれのマット状態になるとあります.

開業当初,芝生へのスプリンクラーに水道水が使われているのは問題と
いう話もあったようです.それで散水を止めて枯れてしまったのでしょ
うか.全てではなく5%から10%だけのようですが,芝生は石畳かアスファ
ルトに変換されます.
第2期区間でも,同じく6ヘクタール分の芝生が導入される予定でした.
しかし,12%分減らされることになり,残りもその植樹方法が変えられ,
地中深く水を求めて根を下ろせるようにするようですし,最終的には
産業用水なども,可能な限りCUBが使えるようにするようです.
Moins de pannes, moins de gazon
(Sud Ouestの3/08付けニュースへのリンク)

第2期区間の工事は,順調に進んでいるようですが,二つほど問題があり
ます.一つ目はボルドーに隣接するコミューンで,A線の西側への延長先
にあたる,Mérignacでの地下水による道路工事の遅れ.
二つ目はC線の北側への延長にある,ボルドーのplace Paul Doumerでの
APSの梁?の納入遅れです.この広場の両側にある2つの通り,cours de
Verdunとcours Portalの間の直接通行(交通整理?)の回復(復活,再建?)を
阻む柱の納入が遅れていると書かれているようですが,意味不明です.
そもそも,そこがAPS区間になるのかどうかさえ,確認できていません.

なお,APSはA線の西側への延長先になるMérignacに,800m弱設けられます
が,教会があって架線柱や電線を避けるためのようです.
しかし,下記文書には,APS区間でも架線柱を設けると記されていると
思われるくだりがあり,APS区間になることは間違いありませんが,その
理由や,架線柱が設けられるかどうかは謎です.APSへの信頼が揺らいで
いた時のものかもしれません.

Le jour du premier rail de la deuxième phase du tramway
(ボルドー メトロポール 2005/11/25付けニュースリリースへのリンク)
(PDFファイル)


トラムの第二期区間完成後には,路線長が現在の倍近くになり,43.3kmに
なります.下記から延長分を含む路線図をダウンロードできます.
LE TRAMWAY - LE RESEAU (CUB公式サイトへのリンク)

新たな路線が出来るわけではありませんが,現在ある3路線の終端は,
7か所とも全て延長されることになっています.A線はガロンヌ川の右岸で
二股にわかれていているため,終端は全部で7か所になります.
このうち,A線のガロンヌ川右岸での南側への延長となる,現在の終点
である,CenonからFloirac(どちらもコミューンの名前)に至る路線では,
今年12月から試運転が開始される予定で,順調にいけば2007年2月の延長
開業となり,その後は2007年から2008年にかけて完成次第,各路線別々に
順次開業していくようです.
Deuxième phase : premiers essais en décembre
(Sud Ouestの3/08付けニュースへのリンク)

A線のMérignacへの延長には,別の記事もあります.延長開業は2007年
6月が予定されています.
Le chantier est à l'heure
(Sud Ouestの3/11付けニュースへのリンク)
芝生問題の解決策という小見出しもありますが,飲料水に頼らず水撒き
できる方法として,意味不明ですが中間層?からの水の供給を受けられる
ようにすると書かれています.やはり,散水制限によりスプリンクラーが
止められて,今は芝が枯れているのかもしません.

ブルゴーニュ門(Porte de Bourgogne)の電停で,芝生軌道に散水する
スプリンクラーの洗礼を受けるCITADIS (2004年5月撮影)
BOD Bourgogne2 BOD Bourgogne1
左側がピエール橋(Pont de Pierre) / 右側はブルゴーニュ門と,奥の
尖塔はサン・ミッシェル大聖堂(Basilique Saint-Michel)のもの

ボルドー Tramway 関連過去ログ :
2006年2月 Tramパークアンドライドの話題ほか
2006年1月 架線レスを売り込み開始?
2005年12月 ワイヤレストラムのその後
2005年10月 トラム延長と架線レスのゆくえ
2005年8月 地表集電は信頼性を取戻したか
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2006年03月12日

【River LINE】大人片道$8弱を税金で負担

ニュージャージー州の南部,デラウェアバレー(Delaware Valley)を走る
NJ TransitのディーゼルカーによるLRT,River LINEが,じわじわ乗客を
増やしていることが,また記事になりました.

以前にも,運賃$1.25で最大73分乗車できるライトレールということで
紹介していますので,詳細はそちらをご覧いただきたいのですが,その時
も,運転コストのうち運賃収入が占める割合が5%足らずと記した記事が
ありました.今度はそれに関して興味深い数字が出されています.

運転コストの一人分片道あたりを出すと,運賃$1.25だけでは当然足り
ないわけですが,その不足分は$7.77になり,それは補助金で賄われて
いる計算になるそうです.
同じNJ Transitが運営する,ハドソンベルゲンライトレール(Hudson-
Bergen Light Rail=HBLR)が補助金に頼るのは,同じく大人片道あたり,
$3.21だそうです.
補助金はニュージャージー州から出ているわけですが,これはとりもな
おさず税金から出ているということです.
ニュージャージー州の住民は,更に建設費の返済も負担しなければなり
ません.年間4900万ドルだそうですが,これはリバーラインの建設に,
連邦からの補助金が出なかったため.州の負担が大きくなったツケという
ことにもなるようです.

連邦政府が資金を出さなかったのは,この路線が必要と思われなかった
からで,路線名の由来ともなるデラウェア川の対岸には,確かに大幹線の
通勤鉄道が走り,通勤列車やAmtrakが行き交っています.現役で使われて
いる貨物線を利用する形とはいえ,それと並行する路線だったのです.
River Line system map (路線図 GIFファイル形式)
(NJ TRANSIT 公式サイトへのリンク)

おまけに,沿線には古びれた工業団地の街ばかりで,人口も減少している
地域を走っています.リバーラインが,通勤客輸送に費用対効果の高い
手段になれるかどうかは,常に疑問視されていました.
輸送人員は,2月の平日の場合,前年比で1千人の増加となり,7千人近く
にまでなりましたが,それでも前述のHBLRの三分の一です.

運営するNJ Transitは,路線の成功はどれほど多くの乗客を集めたかでは
なく,どれだけの経済効果を沿線にもたらしたかで判断すべき,として
います.これに関して記事では,多少の例が出されているものの,いず
れも大きな話ではなさそうです.

AP通信の記事ですので,数多くのサイトで掲載されていますが,地理的に
近いペンシルベニア州のサイトへのリンクを紹介しておきます.
タイトルは違いますが,内容はどちらも同じです.
Riders Slowly But Sure Buying Into The Riverline
(CBS 3 フィラデルフィアのニュースへのリンク)
After two years, derided light rail line finding more riders
(Wilkes Barre Times-Leaderのニュースへのリンク)

左 : フィラデルフィアの対岸,カムデン(Camden,キャムデン)では,
併用軌道になり,自動車より歩道寄りを走っています.レンガ色の建物
や,それにあわせた歩道が色鮮やかでした.
(車内より対向車両を撮影.本当は下車して撮ってみたかったのです
が,カムデンは米国でも屈指の犯罪発生率の高い地域なのです)

RiverLINE1 RiverLINE2
右 : フィラデルフィアとカムデンを結ぶ,PATCOとの乗換え駅,Walter
Rand Transportation Centerに停車中の回送車両

左の画像は,Cooper Street/Rutgers University 電停付近になります.
(Windows Live Localのbird's eyeへのリンク)

リバーライン 関連過去ログ : 運賃$1.25で最大73分乗車
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【ボストン】シルバーライン接続の第3案

ボストンのBRT(bus rapid transit),シルバーラインの分断された区間を
結ぶ,フェーズ3の新たな提案が出されました.今度は最初の時と同様に
地下区間が長いのですが,反対の多かった地下への出入口の位置を移動
しています.(これまでの経緯は過去ログをご参照いただけると幸いです)

7ヶ月前に一旦棚上げになっていた計画が,復活することになるため,
back on trackという表現も,記事のタイトルに使われています.
また,今度の案は前案と比べ,反対派が少ないような印象も受けます.
もちろん,1987年に地下鉄(該当地区では高架鉄道)のオレンジラインを
奪われて,その代替交通機関が,格好だけライトレールに似せたバスに
されたことに腹を立てている連中には,なだめる効果はなさそうです.
Officials endorse Silver Line tunnel
(Boston Globeのニュースへのリンク)
Silver Line project put back on track
(Boston Heraldのニュースへのリンク)

フェーズ3(第三期)区間ということと,その区間の提案が,これで3つ目
ということで,多少混乱するかもしれません.ボストングローブ紙の地図
をリンクしておきます.見比べることが出来るでしょう.
Downtown tunnel (今回の第3案)
Silver Line options (最初の地下第1案と地上のみの第2案,2/10現在)
(Boston Globeのニュースへのリンク)

今度の第3案は,一番距離が長くなるようですが,地下区間の長さは,
第1案とそれほど変わらないように見えます.出入口の位置を変えただけ
で,周辺への影響を軽減できるようですが,それは何といっても,第1案
では障害になっていた,ニューイングランドメディカルセンターへの悪
影響が排除されるからでしょう.
また,第1案の時の建設コスト,7億7千万ドルも多少減らせられるかも
知れないとのことです.しかし,第3案の建設にどれだけ掛かるのかは,
正確にはまだ公表されていないようです.
全てが計画通りに運んで,2009年に着工,2013年かその翌年に完成する
だろうと,当局ではみています.

いずれにしても,都心の地下にトンネルを掘ることは,それがどのような
工法であっても,その工事期間中は地上交通の混乱を招くことになり,
2003年末に十数年の工事の末にようやく完成した,ビッグディッグ(Big
Dig)の工事から回復しつつあるボストンにとって,新たな頭痛の種になる
だろうとボストングローブ紙は書いています.
シルバーラインの第3期は,Big DigをもじってLittle Digとも呼ばれる?
ようですが,Big Digとは,都心を高架で走っていたハイウェイを,地下
に潜らせる大事業でした.特に港の周辺では大工事になり,ドキュメン
タリー番組などでも取り上げていたかと思います.


ボストン シルバーライン(Silver Line) 関連過去ログ :
シルバーライン延長に新提案 (地上のみの第2案)
シルバーライン BRT対LRT (反対で計画を一旦棚上げ)
地下鉄の路線図にシルバーライン
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2006年03月11日

【クラーゲンフルト】路面電車復活ならず

オーストリア南部のケルンテン州の州都クラーゲンフルト(Klagenfurt)
は,交通の要衝でもありますが,同時に恐らくディーゼル車から排出され
ている,粒子状物質の値が非常に高くなっていました.

それもあり,クラーゲンフルトでは1963年まで走っていた,路面電車の
復活を検討し始めます.インスブルックの調査機関に,その実現の可能
性を探らせていたのですが,否定的な結果が昨日もたらされました.
Doch keine "Bim" für Klagenfurt
(Kleine Zeitungのニュースへのリンク)
Keine Straßenbahn für Klagenfurt
(ORFのニュースへのリンク)

建設コストが高くなり過ぎて,運営できないだろうというものです.
東西を結ぶ路線が想定されていたようで,ÖBB(オーストリア連邦鉄道)
との乗入れは考えられていません.新路線の建設コストは,キロあたり
1200万ユーロから2000万ユーロとされ,全体では1.5億ユーロないしは
2億ユーロ(150円換算で300億円)の投資が必要とのことです.
これに対して,見積もられた利用者数は,一日1万7千人でした.
バスで運べる人数なので,路線バスを充実させたほうがいいということ
のようです.

バス専用レーンが検討され,BRT(bus rapid transit)のようになるのかも
知れませんが,結局バスそのものは,天然ガスを燃料とするバスよりも
安上がりということで,ディーゼルエンジンのバスになりそうです,

オーストリアでは,ディーゼルエンジン車へのフィルター取り付けや,
バイオディーゼル燃料の普及に補助金を出しているそうです.

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2006年03月10日

【シアトル】"Sound Transit 2"一年遅れに

現在ライトレール(Central Link)が建設されている,シアトルとその周辺
には,更なる都市交通網の整備計画があります.年々増え続けるだろう
人口で,道路混雑はますます激しさを増すことが予想されています.
どこに線路を敷くかなど,候補の中からある程度まで絞っている段階で,
下記リンクにあるような路線が検討されているようです.
Sound Transit 2 : Regional Overview: Potential Projects
(Sound Transit 公式サイトへのリンク)
Sound Transit : Washington state's Central Puget Sound Regional
Transit Authority

Sound Transitは,King(キング郡), Pierce(ピアース郡), Snohomish
(スノホミッシュ郡)の,3つの郡の議会により設立され,その地域にまた
がる公共交通機関を運営しています.(各郡内には,郡独自の交通機関も
あります)

現在建設中の,LRTのCentral Linkも,Sound Transitによるものです.

新たな路線に関しては,その財源に税収が必要なことから,Central Link
がかつて得たのと同様に,住民投票による賛同を得なければなりません.
当初今年の11月に行なわれる予定でしたが,スノホミッシュ郡が,今年は
見送る法案を議会が通してしまったため,来年に持ち越しとなってしまっ
たのです.3郡のうちの1つでも欠けるとダメなので,Sound Transitの
次期路線は,最低でも1年の遅れを着工前から背負うことになりました.

Sound Transit hits roadblock
(Seattle Timesのニュースへのリンク)
Legislature OKs transit, viaduct plan, adjourns
(Seattle Post Intelligencerのニュースへのリンク)
Legislature delays a vote on roads and transit a year
(Daily Heraldのニュースへのリンク)

見送るのは,懸案となっている道路改修と,公共交通機関の整備の投票
を,二つ抱き合わせにするからで,これは道路改修計画を煮詰めるための
時間稼ぎのようです.
Sound Transitにはいい迷惑ですが,Seattle Times紙によれば,単独
投票よりも,抱き合わせのほうがいいという見方があることを紹介して
います.単独で投票を行なうと,郊外では公共交通機関の恩恵を受け
にくいため,反対される可能性が高く,一方道路のほうは,シアトル市で
ボツになる可能性が高いというのです.しかし,共倒れになった場合に
は,更に1年以上の遅れも覚悟しなければなりません.

道路の改修とは,地震で倒壊の危険性がある,Alaskan Way Viaduct
(アラスカン ウェイ高架橋=二重構造の高速)と,ハイウェイ520号線の
浮橋です.耐震偽装が発覚したわけではなく,どちらも建設から年月が
経ち過ぎて根本的な対策が必要な時期なのです.


キング郡内で計画されている,道路改修などの場所を示す地図
Proposed Regional Transportation Investment District Map
(King County 公式サイトへのリンク)

二段構造の高速道路の建替え,もしくは地下トンネル化,平面化などに
まつわる,これまでの経緯.
In-Depth : Alaskan Way Viaduct
(City of Seattle 公式サイトへのリンク)

一方,第一期のLRTとも言える,Central Linkの建設工事は,三分の一
以上が完成してきたと,タコマの新聞がウェブ上で報じています.
ライトレールは,いずれタコマまでやってくる可能性がありますが,その
時期も,今回の一件で最低でも1年先になってしまいます.
Light rail promises carefree commute
(Tacoma News Tribuneの3/08付けニュースへのリンク)

Central Linkでは,約15マイル(約24キロ)の路線のうち,4マイルが高架
区間,3マイルがトンネルを含む地下区間,残りが地上の走行となって
います.高架区間では,カナダのバンクーバーを走るSkyTrainの高架と
同じ方法で建設されているそうです.
地下は,ダウンタウンのバストンネルを2年間に亘って閉鎖して改修して
いることや,山岳トンネルのボーリングマシンが稼動したことなどを,
こちらでもすでに紹介しています.

開業は2009年予定ですが,昨年8月に最初のレールが締結された場所は,
架線があれば,いつでも近畿車輛製LRVが走ってきそうな気配です.
SODO light rail station and tracks
Photo of the Week (March 3 - March 10, 2006)
(Sound Transit 公式サイトへのリンク)

Central Link関連 過去ログ :
【シアトル】バストンネル2年間の一時閉鎖
【シアトル】Central Link向けLRV建造中
【タコマ】LRTの昇圧と大型LRV乗入れへ
【シアトル】ビーコンヒル トンネル掘削始まる
posted by NeiTech at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(7) | 米国北西部 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年03月09日

【携帯つり革】販促ツールに最適?

日本でも昨年紹介されている,携帯つり革(マイつり革)は,つかまり棒に
引っ掛けるタイプの「Transtrap」というボストン生まれの商品でした.
これに対して,ニューヨーク生まれの「Metrogrip」という商品もあり,
こちらはナイロン製の強靭なベルトの両端が輪になっていて,それを棒を
跨ぐように回して,両方の輪をつかんで使うというものです.
Personal, Portable Strap For Commuters : Products
(リンク先はどちらも公式サイト)

百聞は一見にしかずで,両者の画像が並ぶブログがありました.
引っ掛けるか,回すかの違いがありますが,どちらもこれで急ブレーキに
耐えられるのか,滑り止めがあるようですが,少々心配でもあります.
Battle of the Germophobes
(Gothamistの2005/11/21付けブログへのリンク)

こんな商品が米国で販売されているのも,地下鉄やバス,ライトレール
などでは,着席が前提となっているため,さすがに,つかまる棒はあり
ますが,つり革はほとんどないか全くないのが現状だからでしょう.
しかし,利用者急増などもあり,着席できずに車内で立たなければなら
ないケースも増えてきました.つかまり棒を掴んでいれば済む話ですが,
雑菌ばい菌を恐れて金属棒を握れない人のために,自分専用の持ち運ぶ
吊り輪(紐)が生まれたようです.

今回は,どちらかというと潰しが利いて他の用途にも使えるかもしれない
回すタイプのMetrogripが,販売促進用の実用的な粗品として,会社の
名前やロゴを入れられる,というプレスリリースが出されていました.
米国での話ですが,自社の名前が入った,ちょっと風変わりなつり輪を
顧客が地下鉄で使ってくれれば,車内の人にも宣伝になるということを
売りにしています.事務用品や小物類では,渡した人だけにしか見られ
ませんが,Metrogripなら幅広い人の目に留まるだろうというものです.
ちなみに,通常価格は$6.50で,最低2500個以上のカスタムメイドなら,
紐の色も変えられるそうです.
New Subway Straps Offer Businesses an Innovative Advertising Idea
for Brand Marketing

(PRWebのニュースへのリンク)

つり革がふんだんにある日本の場合でも,ラッシュ時には足りないことも
ありますし,誰が前に握っていたか判らないつり手には掴まりたくない
という潔癖症の人にも,案外お勧めかもしれませんので,販促用に採用
する会社が出てきても,不思議ではないかもしれません.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国北東部 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年03月08日

【マイアミ】路面電車計画に東西線の追加

マイアミストリートカーの公聴会が,3/08に開催されます.
前回,建設コストの見積は1億3000万ドルと紹介していました.マイアミ
市の公式サイトにある"Project Update Brochure 2005"でも,2004年の
金額ながら1億3226万ドル弱となっています.

しかし,今回紹介するMiami Herald紙の記事では,2億ドルに膨れ上がる
となっています.市の公式サイトにある前述のブローシャをよく見ると,
2つのループからなる路線のうち,そのブローシャには南北のループしか
載っていません.東西のループは後から密かに追加され,それがコストを
膨らましているようです.
これまで公然のように2つのループから成ると紹介していましたし,市の
サイトに掲載の路線図でも,東西のループが記されていますが,Miami
Herald紙によれば,この公聴会が東西ループの公式発表の場になるのだ
そうです.

Public to have chance to chime in on proposed Miami streetcar
system; new spur proposed

(Miami Heraldのニュースへのリンク)

マイアミ市公式サイトにある路線図へのリンク
Miami Streetcar Project
現在,"Proposed Route, February 2006 (Subject to Change)"という
表示がありますが,前に見たときには無かったような....


東西ループの行き先には,複数の病院,メディカルリサーチセンターに,
裁判所から弁護士事務所などを抱えるCivic Center総合施設などがあり,
通勤需要が高いことが考えられ,それをストリートカー計画に盛り込む
ことになりますが,当初はトロリースタイルの循環バスが検討されていた
ようです.

記事によれば,南北ループに東西ループを加えることで,早ければ2008年
とされていた開業は,順調にいっても2010年になるそうです.
また,その運営も市営に限定せず,公私で広範囲に検討されるようです.
独立組織の創設や,通勤電車のMetrorail,バスや無料の新交通システム
(Metromover)を運行する,Miami-Dade Transitとの共同運営に加えて,
私企業へのDBOM(設計,建設,運営,保守)も選択肢に含まれます.


マイアミ ストリートカー 関連過去ログ :
路面電車計画に補助金獲得へ 2006年2月
建設費を賄うためには,連邦政府から資金を得る必要があり,そのため
市の担当者は,連邦政府の役人との会談を用意しました.
ストリートカー復活へ弾み 2005年11月
米国上下両院の予算交渉委員会が,マイアミ市の計画するダウンタウンの
ストリートカー計画に,200万ドルを与えることを承認していました.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | 米国南東部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年03月07日

【フェニックス】LRTレール敷設開始ほか

フェニックスのダウンタウンから,テンペ(Tempe)を通り,メサ(Mesa)に
至るValley Metro Railは,METROと命名され,現在この地域でバスを運行
する公営企業のValley Metroが運行することになっています.
METRO light rail (Valley Metroのサイトへのリンク)

開業は2008年12月を予定していますが,早くも最初のレールが敷設される
との報道がありました.早い段階で線路が敷かれる1.25マイルは,来春
にも一足早くLRVが試運転を行なう試験区間になります.
Light-rail work on right track
(Arizona Republicのニュースへのリンク)

フェニックス初となるLRTのレールは,併用軌道になるワシントンスト
リート(Washington Street)の中央に,56丁目ストリート(56th Street)
との交差点近くに敷設されます.
開業後の電停名では,Priest Dr/Washingtonの近くです.
(Valley Metroのサイトへのリンク)
ちょうどフェニックス(Phoenix)とテンペ(Tempe)の境界付近です.

Arizona Republic紙の記事には,Valley Metro Railの建設部長の話も
掲載されていますが,彼女は,2004年半ばまでミネアポリスのLRTで従事
していたそうです.
オーストリアの製鉄所で製造された軌道は,ヒューストン港で陸揚げされ
て,そこから鉄道でフェニックスまで運ばれます.その後は沿線6か所に
設けられる作業所で溶接されていくわけですが,溶接作業は今後夜間に
行なわなければならないようです.これは溶接時の温度が非常に重要な
ためだそうで,暑すぎても寒すぎても不可ですし,急速に冷却させたり,
逆に冷却が緩慢でもいけないでそうです.フェニックスでは夏の暑さが
障害になりますが,前任の地,ミネアポリスでは,逆に寒冷地のために
苦労したとのことでした.

さて,この他にも今日はフェニックスのLRTに関する記事があります.
LRTは道路の中央を走ることもあり,工事期間中には店舗へのアクセスが
不便になることや,工事中の道路の通行を敬遠する人たちがいることなど
から,沿線のビジネスが影響を被っているという話題です.
LRT開業後の効果を信じて楽観視している商店主がいる一方で,撤退を
検討中の店もあります.普通の道路工事とは違い,工事期間が2年にも
及ぶことが,ネックになっているようです.閉店する店が,本当はLRTの
せいではないとしても,きっかけを与えたことにはなるのでしょう.
Light-rail work digging into sales at Valley stores
(Arizona Republicのニュースへのリンク)

1月にも「LRT工事期間中の手厚い対策」で紹介していますが,当局が用意
した,対策を講じるプログラムへの参加が,あまり多くないそうです.
プログラムの内容は,コミュニケーションの充実,オペレーション(工事
中の標識などの設置など),マーケティングアシスト(セミナー開催や,
割引を受けられるMetroMaxカードなどの各種プロモーション),そして
コーディネーターやビジネスを援助する専門家などの派遣でした.


フェニックス Valley Metro Rail 関連過去ログ :
LRT運賃で経費の三分の一を
LRT工事期間中の手厚い対策
LRVモックアップ公開へ
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(4) | 米国中部 I このエントリーを含むはてなブックマーク

【ミュンヘン】積雪で路面電車運休続く

3月としては記録的な積雪で,バイエルン州ミュンヘンの路面電車では,
土曜の深夜から安全上の理由で運転見合わせが始まり,日曜には全路線が
運休,月曜には10路線のうち2路線のみが動き,火曜も5路線のみの運転と
なる予定で,マヒ状態が続くようです.
Aktuelle Meldung: MVG nimmt Betrieb einzelner Tramlinien wieder auf
(MVGのニュースリリースへのリンク)
MVG : Münchner Verkehrsgesellschaft mbH
このリリースによれば,大雪の後の最初の平日となった3/06に運転された
路線は,15系統と25系統だけだったこと,3/07(本日)も,この2路線に
19,20,21系統を加えた,5路線だけの運転に留まることがわかります.

50cmにも及ぶ積雪を短時間に除去できる機器を持っておらず,軌道の除雪
作業は,もっぱら人力に頼るのみのようで,MVGだけではなく消防や建設
関係の部署からの応援はもちろん,民間建設業の従業員やニュルンベルク
の交通局VAGからも,助っ人が来ているようです.
VAG : Nürnberger Verkehrs AG
ニュルンベルクは雪が少なかったようで,VAGからは除雪機器も貸し出さ
れて,月曜の夜に到着したというような話もあります.


月曜(3/06)の未明には,ミュンヘンの路面電車軌道は,このような状態
だったということがわかる画像が紹介されています.
Situation heute morgen um 1:00 Uhr [m3B]
(Strassenbahn-Forumへのリンク)

追記 :
南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)が,詳細を報じました.
Kampf gegen Eis und Matsch
MVG will Winterdienst aufstocken
(Süddeutsche Zeitungの3/08付けニュースへのリンク)

その他,MVGからも12項目にわたる状況説明が出ています(3/09現在)
Information zu den witterungsbedingten Problemen bei Bus
und Tram
(MVGのニュースリリースへのリンク)

これらによれば,ドイツ語が難解で間違っている部分もあるかと思い
ますが,
路面電車網が混乱した原因として,次のことが挙げられて
います.
1. 除雪の優先順位の問題
トラムの2倍以上の輸送人員がある,地下鉄Uバーンの地上区間と,
バスを優先したため,路面電車網の除雪に取り掛かった時には,雪が
すでに凍結してしまった後だったようです.
2. 除雪車両の問題
ミュンヘンには軌道向けの除雪車が2両しかなかったようです.
以前は,深夜から未明にかけて運転される路線(Nachtlinien)が設定
されていなかったため,専用の除雪車が4両ありましたが,終夜運転
開始にあたり,これで除雪ができるとし,老朽化した除雪車の後継を
導入しませんでした.
軌道の除雪は,石畳の区間や,芝生軌道の区間もあるため,道路用の
ものでは簡単に代用できなのでしょう.
加えて,一旦除雪しても,脇の道路を走る自動車が再び軌道内に雪を
持込む形となり,除雪を何度も繰り返すことになります.最終的には
雪を排雪場まで運ぶ必要がありました.
3. 故障などが同時多発した問題
場所によっては1メートル近くも積もった雪で,ポイント凍結による
不転換や,架線の氷結が,各所で同時に発生しました.
架線障害による停電と,立ち往生した車両が残されたままだった
ため,電気駆動の除雪車両が存分に走れませんでした.
4. 手作業の問題
多くの電停などでは,手作業による除雪を行なわなければなりません
でしたが,人手不足に悩まされました.消防士らの応援も,火曜と
水曜には少なくなってしまったようです.
5. 低床車の問題
底部と路面との隙間が10センチほどしかない低床車両の多くが,脱線
だけではなく,雪を巻き込んでモーターが故障するなど,災難にあい
ます.しかし,取って代われるだけの在来車が残っていませんでした.
6. 違法駐車車両の問題
言うまでもないでしょう.

その後の報道によれば,お詫び?として,3/14に電停でプリッツェル
(Brezn)を当局が路面電車の乗客らに配ったそうです.
MVGの幹部らも早朝,18番系統のWestendstraße電停に出向いて
参加しました.
Tram-Stopp durch Schneechaos: MVG verteilt Brezn
an Tram-Fahrgäste – als Dankeschön für ihre Geduld

(Das Informationsportal für den öffentlichen Personenverkehr
3/15付けニュースへのリンク)


奇しくもその数時間後,同じ18番系統のWestendstraßeで,トレー
ラーに搭載されたクレーンが落下し,路面電車の車体を20mにわたり
切り裂くという事故が発生,けが人が24人にも及んでいます.
Baukran schlitzt Tram in München auf - 24 Verletzte
(Muenchen24.info 3/14付けニュースへのリンク) 他多数あり


同じバイエルン州のアウクスブルクでは,3/06の夜の段階で通常運行に
戻ったようですが,それまでは運転されながらも遅れが出ていました.
普段なら全てのドアから乗降りができるのに,多くの電停に大雪で雪が
残っていたため,一部のドアから一列縦隊で乗降しなければならなかった
のが,遅れの原因になっていたようです.
Pantherspiel am Dienstag - Überall wieder Unterricht
(Augsburger Allgemeineのニュースへのリンク)

3/04から3/06にかけての,アウクスブルクの軌道の状態
Schneechaos in Augsburg
(vga-hp.de Forumへのリンク)
特に#5の投稿では,周囲はひざの高さほどもある積雪の中で除雪された
電停に,路面電車が到着する様子が伺えます.
posted by NeiTech at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ I このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年03月06日

【大雪】架線障害などで路面電車運休

スイスやドイツ南部に,この週末は記録的な大雪が降ったことは,日本
でも盛んに報道されていています.こういう時にこそ,現地の路面電車
など,軌道系交通機関が雪に強いことを示してもらいたいものですが,
残念ながら軒並みダウンしてしまったようです.

スイスのチューリッヒ,バーゼル,ドイツのバイエルン州ミュンヘン,
アクスブルクなどの路面電車網が,今回の大雪で運休などの影響を受けた
ことが報じられています.

チューリッヒ (Zürich)
Der Tag, an dem lange gar kein Tram fuhr
(Tages-Anzeiger Onlineのニュースへのリンク)
バーゼル (Basel)
Schnee in Basel: Zwölf Stunden ohne Bus und Tram
(Basler Zeitungのニュースへのリンク)

スイスでは24時間にチューリッヒで54cm,バーゼルで49cmもの降雪があり
ました.このため両都市ともこの土日には,半日以上路面電車やバスが
動かない事態に陥っていたのです.
ちなみに,昨年12月に名古屋で半世紀ぶりの記録的な大雪が降った際は,
24時間で23cmでしたから,単純には比較できなくても,その倍以上です.


軌道上に降り積もった雪も障害になりますが,チューリッヒでは,ドアの
開閉に問題が生じたようです.電停に積もった雪でドアが開かなくなる
ことに加えて,雪がドアの開閉装置の中に舞い込み,開いたドアが今度は
閉じなくなる恐れがあったとか.このため路面電車の運転再開は,バス
より遅かったようです.
また,両都市とも雪で沿道の木が倒れ,架線障害を招いて運休という
ような状況でした.

flickr で見る今回の大雪
バーゼル編
CyberWriter's photostream (リンク先にも多少あり)
neffin1's photostream (リンク先にも多少あり)
チューリッヒ編
Dom Dada's photostream (リンク先にも多少あり)

ドイツの状況を報じるサイト (他にも多数あり)
Lage nach Schneechaos im Süden leicht entspannt
(ZDFheuteのニュースへのリンク)
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | スイス このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年03月03日

【ラスベガス】モノレールが無料に!?

昨年末に$3から$5に運賃を値上げしていたモノレールが,今度はプロモー
ションとして,片道無料で乗車できることになります.

報道によれば,今月末よりvegas.comlasvegas.comなどで,旅行商品
(サービス)を購入すれば,片道の無料のバウチャーが発行され,当日は
それをモノレール駅で待機するベガスドットコム(vegas.com)のスタッフ
に提示すると,片道切符と引き換えてもらうというものです.
期間は半年で,ベガスドットコムの全面広告モノレール車両も走ります.

ベガスドットコムは,ラスベガスサン紙の発行者でもある,Greenspun
Corp.が所有しています.一日に200万人が訪れるサイトとのことで,
そこでホテルなどの予約をした人に,モノレールの存在をアピールして,
片道だけ一度は無料で乗ってもらって便利さを実感してもらい,その後は
自前で運賃を払って乗ってもらおうという魂胆のようです.
Monorail counts on free rides
(Las Vegas Review-Journalのニュースへのリンク)
Las Vegas Monorail to offer free tickets in Web site ad deal
(Las Vegas Sunのニュース(AP記事)へのリンク)

1月の利用者数は,昨年の一日平均2万8千人より大きく下回り,1万8千人
に留まっています.予想を大きく下回る利用者数と収入で,2月にはラス
ベガスモノレールの格付けが軒並み下げられていました.
Firm downgrades Las Vegas monorail bond rating
(Las Vegas Sunの2/10付けニュース(AP記事)へのリンク)
posted by NeiTech at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国南西部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年03月02日

【タンパ】土俵際で残る路面電車

フロリダ州タンパで,2002年開業のレトロ調ストリートカー(路面電車)
を運行するHARTlineが,バスに専念したいことを理由に,運行を他に譲り
たいとしていた問題で,2/28にHARTlineと,電車のオーナーであるTampa
Historic Streetcar Inc.との間で,初の会議がありました.TECO Line
Streetcarの将来が,その場で議論されたのです.
HARTline : Hillsborough Area Regional Transit Authority
(タンパを含むヒルズボロー郡のバスなどの公共交通機関を運営する当局)
路面電車(TECO Line Streetcar System)は,HARTlineから独立している
Tampa Historic Streetcar Inc.という非営利組織が運営していますが,
実際の電車の運行はHARTlineが行っています

両者の初会議があることを報じるニュース
Streetcars: Half Full Or Empty?
(The Tampa Tribuneの2/26付けニュースへのリンク)

記事では,予測される議題として,路面電車運営の再検討,タンパ港湾
当局からの財政支援を確実にすること,路面電車の軌道とCSXの線路が
交差する地点に掛ける経費の削減,沿線の自宅所有者にも路面電車特別税
を負担してもらうかどうか,などを挙げています.
いずれも過去ログでも紹介しています.


この運営システムの再検討こそ,HARTlineが求めているものです.通勤客
対象のバス運行に集中し,観光客しか乗らないような,ノスタルジックを
売りにする路面電車の運行からは手を引きたいためです.HARTline自身が
負担するわけではありませんが,赤字も当初予想されていた以上でした.
HARTlineの理事を務める,Hillsborough郡のコミッショナー2名が,路面
電車の運行に反対しています.

現在赤字の補填には,基金(endowment)があてられています.その基金も
予定の10年間より早く,底をついてしまうのではないかとも言われていま
すが,少なくとも2009年までは持ちそうで,それまでにコンドミニアム
などの建設が進み,沿線の人口が増えて,地元客の利用も増えていくの
ではないかと期待されています.
この基金(endowment)の出所がよくわかりませんが,何でも1990年台後半
に,ダウンタウンとHarbour Islandをつなぐ橋を走っていた,ピープル
ムーバー(空港にあるような新交通システム)を,1999年に廃止する際の
協定に基づき得られている?ようです.
ピープルムーバーに関する資料は,ウェブサイト上にはほとんどないよう
で,画像も見つかっていません.判っているのは,今は跡形もなく撤去
されているということです.廃止の理由は,利用者があまりにも少なかっ
たからでした.


反対派の理事の一人は,週末だけの運転に縮小すれば,廃止ではないの
で,連邦政府からの補助金を戻さなくて済むし,赤字も圧縮できると発言
していました.路面電車支持派は,もちろんその案にも反対です.
現在利用者数の三分の二が,週末の乗車ですが,もしも週末だけの運転
になってしまうと,電車の運行が頼りないように見えて,沿線への投資が
減ると考えているからです.

さて,その結果は,実は二つにわかれています.
下記の記事では,路面電車の将来は決まらず,再び話し合いの場がもた
れるとしています.
Battle over Tampa's streetcar leaves taxpayers in the middle
(ABC Action Newsのニュースへのリンク)
これに対して,二人の理事が反対したものの,HARTlineによる運行のまま
残ると,下記の記事では報じています.
Tampa trolley troubles
(Bay News 9 Tampa Bayのニュースへのリンク)
どちらが正しいのだろうかと思案しているところに,日付が変わり次の
ニュースが舞い込み,最悪の事態は回避され現在のまま維持されることが
判明しました.
HARTline Stays In Streetcar Business
(The Tampa Tribuneのニュースへのリンク)

会議では,残り少なくなる基金以外の方法で,赤字を埋める方法の模索
や,ダウンタウンの奥深くまで走らせるため,2-3マイルの延長すべきか
どうかは結論を出せず,3月に再び会合することになったそうです.

しかし,路面電車は,新聞社には嫌われているのかと伺わせるような,
辛らつな記事もありました.
All Aboard For The Ride Of Your Wallet
(The Tampa Tribuneのニュースへのリンク)


タンパ ストリートカーの危機,過去ログ :
2006年1月 開業を早まったのかも (運行会社の拒絶)
2005年10月 3周年を迎えた路面電車の懸念 (危機の前兆)
2005年8月 沿線住民にも路面電車税を (今回議題の一つに?)
posted by NeiTech at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国南東部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年03月01日

【Muni】過半数が無賃乗車?!

サンフランシスコ市内でLRTやバスなどを運行する Muniは,マーケット
ストリートの地下鉄区間(Market Street subway)の3駅と,バス一路線で
行なった調査の結果,半分以上の乗客が,運賃を適正に支払っていない
という実態に直面しています.
Muni : San Francisco Municipal Railway

調査結果の詳細は明らかではありませんが,53%から73%の乗客が,不正
乗車していたというのです.Muniでは,あくまでこれはスナップショット
(snapshot)であり,システム全体では10%から20%の範囲だろうとしていま
すが,実際問題として,Muniは年間に1600万ドルから2400万ドルを,運賃
逃れにより,損失しているそうです.

マーケットストリート下の地下区間では,MuniはBARTと並んで自前の自動
改札機を設けています.もっとも自動改札と言っても,日本では遊園地
などで見かけるぐらいの,三本棒の回転式のものです.この棒を跨いだり
潜り抜けたりしているようです.
改札機の横には,切符売り場がありますが,経費節減のため人員が削減
されているあおりで,無人の売り場もあることも,大きな影響を与えて
います.場所によっては自動券売機もありませんので,窓口が閉まって
いると,わざわざ係員のいる窓口まで歩いていく必要が本来はあるのです
が,それをせずに乗ってしまうということなのでしょう.下車の際は切符
の回収はありません.

バスでは,乗る時に乗務員に有効な切符を所持していることを示すルール
になっています.これはたとえ切符を既に持っている場合でもです.
ところが昨年Examiner紙が行なった調査でも,30人中22人が,運賃を
支払っていることを証明する切符などのProof of Paymentを,示すこと
なく乗っていたそうです.
下記に公式サイトの該当ページをリンクしていますが,Muniメトロ(LRT)
の地上区間では,運賃を既に支払っていることを物理的に証明できる,
切符,乗継券,定期券など,Proof of Payment(POP)を持っていれば,
どのドアからでも乗車できますが,POPがない場合には,必ず一番前の
ドアから乗って,運賃を支払わなければなりません.


Muniは,米国の他の交通事業者同様に,資金難に陥っています.恐らく
予算がないため,切符を検査する人員も少ないのでしょう.
Muniでは,来年400万ドルで50人の運賃インスペクターを雇いたいとして
いるそうです.
Survey: More than half of Muni riders don’t pay
(San Francisco Examinerのニュースへのリンク)

MuniのProof of Paymentルールの説明
Fares & Sales: Proof of Payment (SF Muni公式サイトへのリンク)
Muniは,最初にNラインから,1998年にProof of Paymentシステムを導入
し始めて,2000年には鉄道線全体に広めています.現在の大人普通運賃
は$1.50で,90分以内なら乗継も可能です.

日付が変わり同じExaminer紙が,Muniには運賃インスペクター(検査員)が
13人しかいないことを冒頭に,この件の続報を伝えています.
Muniの一日の利用客は,推定で約70万人です.
Muni to hire fare inspectors
(San Francisco Examinerのニュースへのリンク)
370万ドルで40人を雇い,少なくとも1480万ドルの増収を目論みます.
これまでは,鉄道線だけだった切符の検査も,バスにも広げることにして
います.記事では,ロサンゼルスやポートランドが,交通警察官も切符の
車内検査を行なっていることにより,不正乗車率を低く抑えていると,
紹介しています.Muniでは警乗はあっても,検札は行なっていません.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国ベイエリア このエントリーを含むはてなブックマーク
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