2006年07月31日

【FLEXITY Classic】シュヴェリンでも亀裂

メクレンブルク=フォアポンメルン州の州都,シュヴェリン(Schwerin)に
導入されている低床車も,30本のうち一時的に12本が運用から外れたと
金曜に報道がありました.カッセルと同じタイプの車両のためTÜVが検査
したところ,やはり中心ピン(ドイツ語でDrehzapfen)に亀裂が見つかった
からです.週明けにもさらにTÜVによる検査が行われて,修理が必要か
どうか判断されますが,仮に修理となった場合には,製造メーカの負担
になるそうです.
TÜV : Technischer Uberwachungs-Verein (技術監査協会)

シュヴェリンでこの車両を導入したのは2001年からです.通常これほど
短期間に中心ピン(bogie pivot, king pin)に亀裂が生じるようなことは
なく,今のところ原因に関しては何も報道されていないようです.

これで同様の亀裂発見は,カッセル(Kassel),エッセン(Essen)に続いて
3か所目になります.いずれもBombardier Transportation DWA Bautzenが
開発と製造を担っていた部分低床車両で,現在はFLEXITY Classicと呼ば
れているモデルです.

もしも,設計に何らかのぬかりがあって車体の動きからピンへの負担が
過度に高くなり,それが元で亀裂が生じたのなら,FLEXITY Classicを
導入している街はドイツを中心に多数あり,導入本数もありますので,
コンビーノのように致命的な問題ではなくても,影響は大きいかもしれ
ません.運行事業者にとっては頭の痛い問題でしょう.
ただし,今はFLEXITY Classicと一括りにされているものの,今回車体と
台車を結ぶ中心ピンに亀裂の見つかった3都市の車両は,FLEXITY Classic
と呼ばれる前の名称,LF2000とは区別している資料もあります.

これは推測になりますが,3都市に導入された車両の設計段階において
は,まだモジュラーデザイン車両という概念ではなく,これらの車両で
培われた技術に基づいて,必要に応じ車体数を変えられるLF2000が後に
誕生したのでしょう.
それではカッセルなど3都市の車両とLF2000との違いは何かと言えば,
設計や使われている技術はほとんど同じで,単に車体を簡単に増減できる
コンセプトに基づいているかどうかだけの違いなのかもしれません.
カッセル,エッセン,シュヴェリンの車両は,車体幅は見事に3都市で
異なります(それぞれ2.4m, 2.3m, 2.65m).この3種類の車体幅で問題が
なければ,ほとんどどの事業者からのニーズにこたえられるでしょう.
一方,車両長は若干差があるものの,3車体連接であることは共通です.

この他に,ポーランドのクラクフ(Krakòw)でも1999年という早い段階で
LF2000以前の車両を導入しています.同じ3車体連接ですが8軸ではなく
6軸車で,中間車体が短くなっています.

ボンバルディアのサイトで,FLEXITY Classicを導入済の都市名がわかる
ほか,各都市の車両の詳細を確認することができます.
Bombardier Light Rail Vehicles > FLEXITY Classic
(ボンバルディア - Bombardier - 公式サイト英語版へのリンク)

今回12本が運用離脱した,シュヴェリンの部分低床車両の詳細 :
Technische Daten Niederflur-Gelenktriebwagen Typ SN 2001
(NVS 公式サイトへのリンク)
NVS : Nahverkehr Schwerin GmbH

報道 : Freitag, 28. Juli 2006 Drehzapfen unter der Lupe
(Anzeiger Sternberg-Brüel-Warin ニュースへのリンク)

【FLEXITY Classic】問題 過去ログ :
2006/7/12 カッセルで運用離脱
2006/7/16 亀裂はエッセンでも
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2006年07月30日

【ケムニッツ】直通運転用にハイブリッド車

ザクセン州ケムニッツ(Chemnitz),かつて東独時代にはKarl-Marx-Stadt
と名前を変えられていた人口24万人台の街にも,路線長30キロ弱の路面
電車が走っています.路線は大半が市の南半分になりますが,その先の
郊外へ延びる鉄道線への直通運転も行なわれています.
2002年12月運転開始と歴史はまだ浅いものの,その道では先駆者のカール
スルーエでの方法をカールスルーエモデルと呼ぶのにならい,ここでは
ケムニッツモデル(Chemnitzer Modell)と呼ばれています.

カールスルーエとの違いは,車両に100%低床車が用いられていること,
鉄道線が当初非電化だったため,市電と同じ直流750Vに電化して,車両
には車輪の踏面形状を両者にあわせた特別仕様にする以外に手を掛けず,
市電で使用されている低床車と同じ形式(Variobahn)を使っていること,
市電やバスを運行するCVAGと,バス会社?Autobus Sachsen GmbHが共同で
会社をつくり,市電とは運営を別にしていることなどです.
CVAG : Chemnitzer Verkehrs-Aktiengesellschaft

その会社City-Bahn Chemnitz GmbHによる電車は,一桁番台の市電とは
別に系統番号522番が振られ,ケムニッツ中央駅(Hauptbahnhof)駅前から
Altchemnitzまでは市電6系統と同じ線路を走り,Altchemnitzからは鉄道
線に乗入れて,ケムニッツより約20キロ南のStollbergまで行きます.
ちなみに,Altchemnitz - Stollberg間が電化されるまで,Karsdorfer
Eisenbahn(KEG)のレールバス(VT 2.01)を市電路線ではなく全線を鉄道線
で走らせていたそうです.

City-Bahn Chemnitz(CB)では,市電との直通電車のほかにも郊外鉄道線と
ケムニッツ中央駅を結ぶ列車なども運行しています.そこでは鉄道線が
まだ非電化のため,Stadler Rail社のレギオシャトル,部分低床のディー
ゼルカー(Regioshuttle RS-1)を購入して運用しています.

公式サイトにはトップページに路線図が描かれ,そのバックには主力の
直通電車Variobahnと,Regioshuttleが並んで走っている画像が使われて
いるばかりか,一部路線は配線図まで載せているなど,コンテンツも充実
しています. City-Bahn Chemnitz GmbH (公式サイト)

郊外鉄道線と路面電車の直通運転は,実はケムニッツと経済圏をなして
いる隣町のツヴィッカウ(Zwickau)でも行なわれています.ツビッカウ
では路面電車が1000mmで鉄道線と軌間が異なっていたために,市電路線の
レールを3本にして,非電化の鉄道線を走るディーゼルカーが,そのまま
市内線に乗り入れてきます.これもまた他ではあまり見られない方法です
が,ツヴィッカウモデルとはほとんど言われていないようです.


ここまで前置きが長くなりましたが,先週CBに関する報道がありました.
CBには運行区間を他にも広げる計画がありますが,電化して市電と直通
した路線の利用が,6倍に増えたことが計画を後押しします.

今後は非電化区間ばかりではなく,既にドイツ鉄道により交流電化されて
いる区間もあることから,車両にお金を掛けて,電車とディーゼルカーの
ハイブリッド車の開発に取り組んでいるというのです.
現在すでにCBが列車を運行しているHanichen方面と,Burgstädt方面に
加えて,新たにMittweida方面とFlöha方面が考えられています.
新たに路線に加えようとする2区間は,すでに交流電化されています.

市内線と郊外線を直通する電気とディーゼルのハイブリッドと言えば,
こちらでも紹介しているヘッセン州カッセルのRegioCitadis(部分低床)が
ありますし,100%低床はチューリンゲン州ノルトハウゼンに導入されて
いるコンビーノ・デュオという選択肢もあるはずです.
これらでは流用できない何か事情があるのかもしれませんし,単に交通
事業者に特有の自社仕様好みなだけかもしれませんが,いずれにしても
2009年には,新車製造の段階までこぎつけたいようです.

それと同時に,CBが運行する522系統では,市電路線の先に鉄道線との
接点があり,そこ(Altchemnitz)から乗入れできましたが,今度は都合の
いい場所がないため,ケムニッツ中央駅を乗入れ可能なように改造する
必要があります.駅前のりばはすでに改造工事が終了しているようです
が,鉄道線のほうはまだです.これには2200万ユーロの建設費を要する
とのことで,2008年に着工するかどうか,この秋にも決定が下されます.

25. Juli 2006
Citybahn entwickelt neues Fahrzeug für Chemnitzer Modell
(Radio Chemnitz ニュースへのリンク)
27. Juli 2006 Citybahn ist eine echte ,Erfolgsbahn'
(Chemnitzer Morgenpost ニュースへのリンク)

ケムニッツ中央駅(Chemnitzer Hauptbahnhof)は,行き止まりの頭端式
ホームと,通り抜け運転できるホームが隣り合わせに並ぶ配線です.
CVAGのサイトに,中央駅の駅前のりばだけでなく,鉄道線配置も判る図が
掲載されています.以前は鉄道線ホームから発着していたStollberg行
は,同じ中央駅でも現在は駅前の電停からの発着となり,混乱を避ける
ため,駅前電停には101番のりばと大きな番号を振られています.
Haltestellenumgebungspläne Hauptbahnhof (PDFファイル)
(CVAG 公式サイトへのリンク)

衛星写真(下記リンク先)でも,駅の西側は行き止まりになっていることが
一目瞭然ですが,そこを市電との直通運転が行いやすいように改良する
ようです.市電は,下記リンク先では線路西側のStraße der Nationenを
画面下(南)からやってきて,Technische Universität Chemnitz-Zwickau
と記されている一角を中心に,ループ線を描いて運転されています.
Chemnitz Hauptbahnhof (Google Maps へのリンク)

flickr で見る Chemnitz Hauptbahnhof

誤訳や誤解で内容が間違っている可能性もあります.ご容赦ください.
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2006年07月29日

【サンノゼ】路面軌道を横切るレース開催

昨年より開催されている,San Jose Grand Prixが今年も始まります.
今"light rail"でニュース検索すると,この公道レースの話題ばかり引っ
掛かるのですが,それには訳がありました.

2005年サンノゼでのレースコースには,VTAのライトレールを横断する
場所がありました.軌道面が少し道路よりも高かったことから,チャンプ
カーが飛び跳ねてしまったのです.路面に吸い付いたように高速で走り
タイムを競い合うレースでは,ジャンプは禁物のようです.
そこで今年はその部分を改修したというのが,ニュースになって配信され
ていたのでした.
VTA : Santa Clara Valley Transportation Authority

昨年の経験をいかして,今年のコースではいくつか改善されたところが
ありますが,そのうちの一つがライトレール線路の横断です.車道のアス
ファルトと,ライトレールのコンクリートの間の段差を解消したのです.
さっそく時速160マイル!(時速257キロ超)でレースカーが通過したよう
ですが,レールを感じないほどと報じられていました.

地元紙を紹介しますが,ライトレールと関係のある部分は,どの記事も
似たり寄ったりです.(地図2点はJPGファイルへのリンク)
Sat, Jul. 29, 2006 Drivers digging track improvement
Fri, Jul. 28, 2006 In search of a smooth ride
No delays expected for construction
It's smoother in San Jose: Changes improve Champ Car competition
Map: Where the action will be
Track Map (Trackと言ってもレースのトラック)
(San Jose Mercury News ニュースへのリンク)

レースがライトレールの路線を横断することから,当然レース期間中は
その区間が運休になっています.詳細は公式サイトをご参照いただくと
して,簡単に説明すると,北からやってきた電車は,サンノゼではダウン
タウンで1ブロック離れた単線運行になっていることを利用して,ループ
運転して折返します.
一方,南からやってきた電車は,ダウンタウンに入らず,昨年のレース
開催時にはまだ開業していなかった路線の,Winchester(Campbell)方面に
直通します.このように普段行なわれない運転が行なわれるほか,運休
区間には代行バスが運転されます.下記リンク先のPDFファイルには,
ダウンタウンの臨時運転系統図がありました.

Ride VTA to the San Jose Grand Prix
VTA Reroutes and Closures During the San Jose Grand Prix (PDF)
(VTA 公式サイトへのリンク)

Champ Car World Seriesのレースを開催する都市には,ライトレールが
走っているところもあります.同じカルフォルニア州でもロングビーチが
4月に開催していますし,オレゴン州ポートランドやテキサス州ヒュース
トンでも開催されていますが,ロングビーチとヒューストンでは同じ一般
道路を封鎖してレースを行なっていても,ライトレール路線を横断する
ことはありませんでした.他にデンバー,トロント,エドモントンなどで
今年も予定されています.
Champ Car (英語版 Wikipedia へのリンク)

レールの写っている2005年レース関係の画像 in flickr
* cdean88's San Jose Grand Prix -vs- Lightrail
* Barnaby James' Old Layout
* Barnaby James' New Layout
* gmurray71's CIMG7992
* EastBayHardCore's IMG_1813.JPG
* EastBayHardCore's IMG_1810.JPG
* Jenguin's Race track and booths
* duoli's 90+ mph over lightrail track
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2006年07月28日

【Muni】Tサード 2007年1月暫定開業へ

サンフランシスコ(San Francisco)市内を走るライトレールMuni Metroの
サードストリート線(Third Street light-rail)は,完成の遅れと予算
超過を伴い,ようやく開業日を地元紙に報じられることになりました.
Muni公式サイトでは今のところ発表はありません.
Muni : San Francisco Municipal Railway

現在Nライン(N Judah)の終点で,Caltrain始発駅最寄りの4th Street &
King Streetから,Bayshore Boulevard & Sunnydale Avenueまでの5.4
マイル(約8.69キロ)が建設中で,ここをT Third(Tライン)は,バスより
10分短縮される31分で走る予定です.

今回の報道によれば,公式開業は2007年の4/07(土)ですが,同年1/13(土)
から暫定的に週末のみ運転されることになっています.ただし,この日程
も,今後何事も起こらず順調に行った場合の話のようです.

当初開業は2005年冬でした.それが2006年春になり,冬になり,建設費も
6億6700万ドルが,7億8700万ドルにまで膨れ上がっています.この建設費
は,大半が地元の売上税で賄われているようです.

Third Street Light Rail: Overview
(Muni 公式サイトへのリンク)

Wednesday, July 26, 2006 Third Street seeing streetcars
Test runs for light-rail project begin at last
(San Francisco Chronicle ニュースへのリンク)

サードストリートライトレールでは,Muni Metroの他線の一部で見られる
のと同様に,高床式ホームが採用されます.高床と言ってもスロープが
ありますので,車椅子でも問題ありません.場所によっては相対式ホーム
ではなく,島式ホームになるところもあります.

軌道は道路中央にあり,交差点の前後や電停ではピンク色の舗装が数m
おきに施されています.ドライバーに注意を喚起するためのものと思われ
ますが,他ではあまり見かけない珍しい試みでしょう.

また,電停は交差点に設けられますが,少なくともWindows Live Localの
Bird's eyeで見る限り,相対式ホームの電停はファーサイドになります.
ファーサイドとは交差点の先に電停(ホーム)を設けるという意味ですが,
ライトレールが信号で優先されるなら,停車時間の短縮につながります.
ファーサイドに対して,よく見られる交差点手前の電停やバス停などは,
ニアサイドと呼ばれています.

カラー舗装とファーサイドが航空写真から確認できます.
(Mission Bay地区) Third Street & 20th Street
島式ホームになりそうな停留所.(現時点では建設中の画像のため不確か)
(Bayview地区) Third Street & Thomas Avenue
(Windows Live Local へのリンク)

Tラインは,大雑把に言えばサンフランシスコ半島の東寄りを南北に,
同市の境界まで走る路線で,Caltrainが走っているところよりもさらに
東側のベイ寄りになります.これまで路線バスだけが公共の足でした.
北から,Mission Bay,Bayview,Hunter's point,Visitacion Valleyと
大きくわけて3つの地区を通ります.
Mission Bayは,以前は鉄道の操車場だった場所ですが,近年急速に発展
しているようです.元は倉庫だった建物が,事務所になるばかりか,高級
レストランに化けていたり,高級コンドミニアムが建ち始めるとともに,
バイオ技術関連の研究所などがみられます.このことが影響しているの
か,米国国勢調査によれば,一人当たりの所得が市内で最も高い地域の
一つになっています.

路線図にも載っている,Islais Creek(川)を渡るとBayview,Hunters
Point地区に入りますが,一転してここは犯罪多発地域だそうです.
記事にもありますが,アフリカ系住民(African Americans)が多く住み,
サンフランシスコ市のなかでも低所得層が多く経済的にも停滞気味で,
今回の新路線は,この地域を活性化させると一部から期待されています.
この地域は体の不自由な人が住む割合も,市内では高いほうです.

市の南端にあるVisitacion Valleyは,アジア系,特にベトナムからの
移民が多く住む地域で,やはり所得は高くないようです.

U.S. Census Bureauのデータを,見やすいようにWikipediaが編集して
います.Maps of San Francisco (Wikipedia へのリンク)

下記リンク先は,米国主要都市のどの辺りに一人当たりの所得が高い人が
住んでいるのか,道路と共に中心地からの距離が同心円で描かれている
地図上で表示しています.米国の交通計画を語る上では必見かも.
City Income Donuts
(RADICAL CARTOGRAPHY へのリンク)

サンフランシスコのデータは,下記でより詳しく見ることができますが,
リンクが正常に機能しない場合は,U.S. Census Bureauのサイトで都市名
を検索してください.
Fact Sheet United States | California | San Francisco city
(U.S. Census Bureau へのリンク)

過去ログ : 2005/12/16 サードストリートLRTの開業遅れ
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2006年07月27日

【クレルモン=フェラン】Translohr 10/14デビュー

フランス中央部のクレルモン=フェラン(Clermont-Ferrand)のトラムが,
ゴムタイヤ式トラム(Translohr)(トランスロール)として10月に復活する
ことになっていますが,今回その日取りが発表されました.10/14(土)に
開業式典が行われ,営業運行はその後になります.

今後は10月開業に向けて,試運転区間が次第に広がります.8月末までは
北側の終点Champratelから,SNCF駅に近いplace du 1er Mai(5月1日広場)
(電停では1er Mai)まで,その後9月にはplace Henri Dunant(電停では
CHU Gabriel Montpiedで今回の終点)まで拡大されます.なお,試運転
では18本用意されているTranslohrのうち,4本だけが使われます.

また,8/03からは place Gaillard(電停ではGaillard)までの区間で,
トラムのパンタグラフが架線を通過することを検知する,いわゆるトロ
リーコンタクターで,その接近とともに交差点の信号機を制御する試験も
行われます.
ニュースリリースには,トラムは道路の通行優先権が最上位で,たとえ
非営業の電車でも,歩行者より通行が優先されることを忘れないように
とありました.

先月には中心街のplace de Jaude(ジョード広場)で昼間に試運転が行わ
れていましたが,そこで開業当日は盛大な式典が行われるようです.

Le tracé (概略と詳細な路線図)
Le tram et le nouveau réseau (トラムと公共交通概念図)
(SMTC - Le tram 公式サイトへのリンク)
SMTC : le Syndicat Mixte des Transports en Commun de
l’agglomération clermontoise

実際にトラムを運行するT2Cのサイトには,SMTCの路線図に描かれた全線
ではなく,今回はChampratelとCHU Gabriel Montpiedのみの開業である
ことが一目瞭然でわかる路線図があります.
T2Cの各系統には,トラムはアルファベット,路線バスには番号が割振ら
れていて,トランスロールによるトラムはA系統です.
トラムには他にB系統があります.こちらは,光学式ガイド装置を備えた
日本で言うところのガイドウェイバスです.
当初ハイブリッド式のCivisも併用されていましたが,Civisが故障続発の
ため,現在では通常エンジンのAgora Lのみのようです,
Plans du réseau (各路線ごとの路線図リンク)
ligne A Champratel - CHU G. Montpied (PDFファイル)
(T2C 公式サイトへのリンク)
T2C : Transport en Commum de l'Agglomération Clermontoise

26/07/2006
Marche à blanc : une montée en puissance progressive
Samedi 14 octobre 2006 : Inauguration du tram
(SMTC - Le tram ニュースリリースへのリンク)

下記サイトには,軌道が敷かれている場所の最近の画像があります.
TransClermont - Site Non Officiel sur les transports clermontois
- train bus tramway

(クレルモン=フェラン地方の非公式の交通関係サイトへのリンク)

クレルモン=フェラン関連 過去ログ :
2006/2/14 電停プロトタイプ公開
2006/6/17 中心部でトラム試運転
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2006年07月26日

【サンディエゴ】トロリー25周年を迎える

25年前の1981年7月26日,米国のLRTとして草分け的な存在となる,サン
ディエゴ・トロリー(San Diego Trolley)が営業運転を開始しました.
ダウンタウンからメキシコ国境の手前サンイシドロ(サン・シドロ?)(San
Ysidro)までの,現在ブルーラインと呼ばれている約16マイルです.

ダウンタウンを出てからは,SD&AE鉄道の敷地を走りますが,建設費が
8600万ドルと低予算だったため,単線区間がありました.また,建設の
遅れもあり,開業日も二転三転したようです.先日は,25周年を迎えた
そのトロリーの今後を展望する記事がありました.残念ながら決して
将来は明るいとは言えないようです.

まず,26年目を迎える開業時からの車両14本の修繕問題があります.
本来なら5年前には部品などを修理するべき時期になっていましたが,
予算が付きません.San Diego Trolley Inc.の代表者は,これが乗客の
安全性を脅かすものではないとしながらも,利用者からの信頼に悪影響を
与えることを懸念しています.
車両関係では少なくとも1億2500万ドル,軌道や信号関係などインフラに
至っては12億5千万ドルが必要とされていますが,この資金がすぐにでも
調達できるとは,誰も考えていません.
頼みの綱は,11月の住民投票で州の社会基盤公債法?が承認されること
です.そうなれば,サンディエゴにも10年間は新車導入や在来車の修繕の
一部にあてられる1億7千万ドル程度が割り当てられるかもしれません.

路線の延長計画も曲がり角を迎えています.
1996年に延長したOld Town Transit Centerから,さらに北上してUCSD
(カルフォルニア州立大学サンディエゴ校)まで延長の計画があります.
しかし,連邦政府からの補助金を得られません.最近では,Mid-Coast
extensionと呼ばれるその路線は,バスで十分足りるほどの輸送量しか
生み出さないとする批判も受けています.
UCSD : University of California San Diego

1995年に延長されたサンティー(Santee)では,自動車利用を想定して建て
られたショッピングセンター敷地内への乗入れを果たし,公共交通として
車に一矢を報いるのかとも思われましたが,一日の平均利用者が2千人を
切るほど低迷していて,延長は失敗と考えられています.

July 23, 2006 Rail service was a trailblazer, but some worry
about its long-term health

(San Diego Union Tribune ニュースへのリンク)

記事には,路線が延長していく様子が,日付と共に地図上で表示される
画像があったり,運賃収入で賄える経費の割合を,年毎に棒グラフにした
画像もあります.これだけでも見る価値があると思います.

サンディエゴは運賃収入で経費を賄える割合が他都市と比べて高くて,
58%だそうです.以下,デンバー37%,ポートランド35%,ソルトレイク
シティ27%,サクラメント22%,サンフランシスコ20%,ロサンゼルス17%と
なっています.
サンディエゴでの年別でみると,1989年には90%を超えていたようです.
ちょうどエル・カホン(El Cajon)まで延長された時期にあたりますが,
その後は1992年に一気に70%台まで落ち込み,2000年には60%を切るまで
低下しました.58%は2005年の数値ですが,開業以来の最悪だったらしい
前年より若干改善されています.

これとは別に,昨年7/10に新設されたグリーンラインが一周年を迎えた
時の記事も紹介しておきます.この路線では利用者の40%が,グリーン
ラインで公共交通を初めて使ったという客で占められているそうです.
大学のキャンパスの地下に駅が設けられていて,9月からは現在午後11時
台の終電を,午前2時近くまで延長することになっています.それにより
一日2万2千人以上の利用を見込んでいるのです.

2006-07-12
Trolley's Greenline reviving public transportation interest
(KPBS ニュースへのリンク)
KPBSは,サンディエゴ州立大学(San Diego State University)の放送局


路線図,時刻表などは,公式サイトで.
San Diego Trolley System Map & Timetables
Welcome to sdcommute.com
(MTS 公式サイトへのリンク)
MTS : Metropolitan Transit System

サンディエゴトロリー グリーンライン 過去ログ :
2005/9/01 トロリー利用者急増中
2006/4/30 LRTグリーンライン効果大
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2006年07月25日

【運賃無料日】LAでも検討中

Spare the Air day(スペア・ディ・エア・デー)でベイエリアの公共交通
機関が通算6日間も無料になったことは,すでに再三ご紹介の通りです.
最初に3日分の運賃無料化を補填する予算が組まれ,その実施時に乗車
率が高まったことから,3日分使い切った後も,手続き上は今週承認され
ることになっていますが,新たに3日分の予算が追加されました.そして
その追加分も先週で全て使い切っています.
結局のところ運賃が無料になった日は,6/22(木), 6/23(金), 6/26(月),
7/17(月), 7/20(木), 7/21(金)の6日でした.

一気に盛り上がった感のある運賃無料日ですが,不満の声も聞かれます.
例えばマンスリーパスなどの定期券利用者にとっては,全く恩恵がない
ばかりか,無料で利用者が殺到し,バスや電車が混雑していい迷惑だった
ということや,利用者が増えたのは明らかでも,自動車の域内交通量が
本当に減少したのかどうかや,目的である空気清浄化に効果があったのか
どうかということは,いまだはっきりとは示されていません.投入された
金額も膨大で,6日間で1360万ドルが,無料化への補償として交通事業者
に支払われますが,これはお金の無駄遣いだとも言われる始末です.

7/24/2006 Regulars complain about free transit
(Inside Bay Area ニュースへのリンク)

しかし,利用者数の増加という華々しい成功を目の当たりにして,他の
地域でも動きがあります.ロサンゼルス(Los Angeles)のVillaraigosa
市長が,同様の計画を検討するようにMTAなどの地域交通事業者に申し
入れたということが報じられています.
MTA : Los Angeles County Metropolitan Transportation Authority
ロサンゼルス郡内で,地下鉄,ライトレール,バスなどを運行.Metroや
LACMTAとも呼ばれています.通勤鉄道のMetrolinkは別.


ロサンゼルス版の運賃無料日は,一日ではなく一週間のようです.毎年
一週間を運賃無料週間にしようというもので,ベイエリアと同様にバスや
地下鉄,ライトレールなどが対象です.

2005年より現職のビヤライゴサ(Villaraigosa)市長は,道路行政を含む
交通行政全般にわたり熱心で,先月末までMTAの理事長職も兼ねるなど,
公共交通にも力を入れています.最大の目標はウィルシャー通りの地下鉄
レッドラインを,海岸線まで延長させることです.

市長は,運賃無料化で一度も公共交通を利用したことのない人たちにも
乗車する機会を与え,域内での移動手段を車から公共交通機関に変えて
もらうことにより,スモッグや道路混雑を減らそうと考えています.

July 21, 2006 L.A.'s Mayor Pushes a Free MTA Transit Week
(Los Angeles Times ニュースへのリンク)
7/21/2006 No free rides, but Spare the Air anyway
(Inside Bay Area ニュースへのリンク)
7/22/2006 Spare the Air campaign catches L.A. mayor's eye
(Daily Review Online ニュースへのリンク)

なお,直接この件とは関係ありませんが,サクラメントの州交通委員会
CTCは,MTAに対してLRV50本分の導入に,次年度は2650万ドルの資金を
出すことを決めたとの発表がありました.これらのLRVは,延長区間を
現在建設中のゴールドラインだけでなく,LRT路線網全体で使用される
ことになります.
CTC : California Transportation Commission

Monday July 24 California Transportation Commission Allocates
$380 Million in New Transportation Funding

(Business Wire via Yahoo! Finance ニュースへのリンク)

【運賃無料】 過去ログ リスト :
2006/6/23 今年最初のSpare the Airで
2006/6/29 軒並み2桁の利用者増加率に
2006/7/18 予算追加で今年は6日分に
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2006年07月24日

【ウィーン】ULF地下走行解禁近し?

ウィーン地下鉄の新車量産車が,なかなか当局からの営業運転の認可を
得られないという話がありましたが,市電の低床車ULFにも,似たような
話がありました.
防火対策の水準が低いため,地下区間を運行できないという問題です.
ウィーン市電には,3.3kmほどのトンネル区間があります.1950年代に
着工されて,1960年代終盤には予定区間全てが開通していますが,この
地下化は,言うまでもなく道路の混雑を回避するためです.ドイツ語で
ベルトを意味するギュルテルと呼ばれる,Gürtel Straßeの下に建設され
ました.同じように地下化された区間もありましたが,そちらは地下鉄
(U-Bahn)に転用されています.

超低床車とも言われるULFは,この3.3km(Eichenstraße - Südtiroler
Platz間)の走行が認められていないのです.現在ULFは全路線での運用を
目指していますが,これまでこの地下区間を走る18系統と62系統に投入
されなかったのは,このためだそうです.
もっとも,地下区間を走る距離にも依存しているのか,初期の段階から
ULFが投入されてきた,6系統と65系統は,同じ地下区間の一部を走って
います.ですから,丸っきり地上のみというわけでもないようです.
該当区間の電停名と系統番号は,下記サイトがわかりやすいでしょう.
Premetro lines (Horst Prillinger氏のサイト-英語版-へのリンク)

下記報道によれば,運行するWiener Linienは,車内に追加の消火器を
設置するなど地下区間の走行認可を得られるように措置を施していて,
あとは時間の問題で禁止を解かれ地下も走れるようになりそうです.

しかし,その問題とも絡んで,斬新な構造が災いするのかシーメンスの
Simmering工場に居ることの多いULFは,動かない時間が長くなるので,
それによりブレーキや車軸に不具合が生じてしまうこともあるそうです.

21. Juli 2006 Auch die Tram "Ulf" hat Tunnelprobleme
(derStandard.at ニュースへのリンク)

そのほか先週は,地下鉄の新車量産車の投入が,安全ではないとの理由
により当局の認可が下りず,またまた先延ばしになるかもしれないという
話もありました.
9/02に地下鉄U1路線の北側の終点が,現在のKagranからLeopoldauまで
延長開業されるのに伴い,必要な車両数を確保するため同時にUバーンの
新車量産車(Vタイプ)運転開始が予定されていました.
すでにご紹介している通り,Vタイプの量産車は,納入も遅れが繰り返さ
れていて,2000年11月オーストリアのKaprunで発生した,ケーブルカー
火災事故を教訓に,安全基準が厳しくなったことも,遅れた理由の一つに
挙げられていて,春からの投入予定が遅れていたのです.

今度の問題の一つには,地下区間での非常時の避難手順がありました.
これは,最大1300名の乗客を,緊急避難時には70cmしかないトンネル壁と
車体の隙間をつたわって誘導する必要があったのですが,実は,定員が
878名だったので,その人数なら問題なしと解消されたようです.
予定通り9/02には営業運転できるようになりそうですが,最初の1300名と
いうのは,設計上可能な重量から割り出した人数だったとのことです.
なんだか狐につままれたような話でした.

21. Juli 2006
Klimatisierte Garnituren sollen bis 2. September rollen
20. Juli 2006
Noch mehr Verspätung für neue U-Bahn
(derStandard.at ニュースへのリンク)

関連話題 過去ログリスト :
2005/9/24 低床車ULFが2007年には全線に
2006/3/14 地下鉄新車の量産車登場ほか
2006/5/31 Uバーン新車は9月に延期
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2006年07月23日

【カールスルーエ】軌道間隔拡大で旧型車一掃か

カールスルーエ(Karlsruhe)市内で路面電車を走らせているVBKは,車両
近代化が進んでいて,KVVのサイトによれば,在籍する87本のうち70本が
部分低床車で占めるまでになっています.しかし,1950年代末からの旧型
車両を使わなければならない路線が残っているため,これ以上一気に刷新
することができないでいました.
VBK : Verkehrsbetriebe Karlsruhe GmbH
KVV : Karlsruher Verkehrsverbund

旧型車を使わなければならない問題の一つは,軌道の間隔が狭い場所が
市内の何箇所かにあることが挙げられています.在来車が車幅2.4mなのに
対して,1990年代から導入の低床車は,車幅2.65mを採用していました.
これはドイツ鉄道線へ乗入れる車両にあわせたのだろうと思われますが,
幅が広がれば,定員が増えたり居住性が高まる効果があります.
しかし,複線で軌道の敷設間隔が狭いと,幅の広い車両同士ですれ違う
ことができなかったり,車体幅だけに左右されるわけではありませんが,
曲線半径によっては車両限界を超えてしまう可能性も出てきます.

1983年以降,市内線の軌道はドイツ鉄道線(DB)との直通電車運転のため
次第に2.65m車に対応できるよう改修されていきますが,一部は未改修の
まま残った区間がありました.
このボトルネックと言ってもいい場所を抱える市内線5系統では,他の
路線が低床化されていっても,旧型車両のままでした.それでも,下記
サイトによれば,東西に走る5系統の東のほうにある電停,Kühlem Krugと
Entenfangの間は,2003年に改修したそうです.
Tram (Stadtwiki Karlsruhe へのリンク)

最後に残された西側の終点から1.1kmまでの区間が,2.65m車両が入れない
まま残されて今日に至っています.
具体的には,Hauptfriedhofで他の系統から分かれてTullastraßeを単独で
南下し,次にTullastraßeから東に曲がってRintheimer Straßeに入った
ところから,終点のRintheimまでだそうです.
Tullastraße/Rintheimer Straße - Rintheim (Rintheimer Str. - Rintheim)
(Google Maps へのリンク)

しかし,このたび残された区間の改修計画が当局により承認されたという
報道がありました.
軌道間隔を最大35cm広げるだけではなく,終点のループも10mほど広げる
ことになります.これで新しい低床車両が乗入れできるようになるそう
です.その他にも同区間内に電停を新設したり,既存電停の改修工事を
行なうなどして,予算はおよそ730万ユーロと見られています.

ところが,どうも州(Landとあるので,バーデン=ヴュルテンベルク州)
からの資金が,KVVとの約束(Finanzierungszusage)より少ないようで,
問題が生じているそうです.下に報道のリンクを張りますが,タイトルが
疑問形になっているのは,このためなのでしょう.

Mittwoch, 19. Juli 2006 Bekommen Rintheimer Gleise ein Facelifting?
(ka-news.de ニュースへのリンク)

予定通りなら,8月初めから9月末までは工事のためバス代行になるそう
です.そして完成後は,旧型車の営業運行終了が近いかもしれません.

追記 : 2006/8/17
低床車乗り入れが可能になるように,軌道改修工事が8/07から開始
されていましたが,その影響で今週末(8/18夜から8/21まで)は,
一部区間がバス代行になります.
04.08.2006 Schienenersatzverkehr nach Rintheim
(KVV ニュースリリースへのリンク)
短く報道もされました.
16. August 2006 Rintheim verliert kurzfristig den Anschluss
(ka-news.de ニュースへのリンク)

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2006年07月22日

【ミュンヘン】英国庭園の横断は架線レスで?

街中の公園としては世界でも最大級の広さがある英国庭園(Englischer
Garten)を横断する路線を,何とか開設したいSWMとMVGは,問題の場所
だけ反対理由に挙げられている架線を張らずに,電車を通す方法を探る
ようです. SWM : Stadtwerke München GmbH
ミュンヘン市(München)の公共サービスなどを管轄.
路面電車,地下鉄Uバーンやバスなどの市内公共交通機関を運行するMVG
(Münchner Verkehrsgesellschaft mbH)などを子会社にもつ.


英国庭園を横切る市電路線は,百年前から計画があったものの,景観破壊
などを理由に今日まで建設されずにいます.
問題の区間は,市の東側のBogenhausen(13区)と,西のNeuhausen(9区)の
間を結ぶ路線の一部にあたっていて,8kmの路線のうち前後6kmはとうに
完成して電車が走っていますが,英国庭園に阻まれた部分は,庭園を所有
するオーバーバイエルン(Oberbayern)政府が建設に反対していました.
SWM側は,裁判所にまで話を持込みましたが,今年3月末にバイエルン州
行政裁判所(Verwaltungsgerichtshof)がSWMの主張を退けていたのです.
ここまでは「市電路線を巡る百年論争」で紹介しています.

しかし,SWMとMVGはあきらめません.Tram-Nordtangenteと呼ぶ北側の
バイパス路線は,それだけ必要とされているのです.都心部に流れこむ
交通量を減らせると考えられているからで,架線レスで電車を走らせる
方法を探ることになります.

方法としては,フランスで採用されている地表集電(APS)のような,地上
にも大掛かりな装置を必要とするものではなく,近年は性能向上と軽量
化がめざましい,蓄電池を車体に搭載するバッテリートラムが考えられ
ています.具体的には,Stadler Railに発注した100%低床車Variobahnの
一両に,"Supercaps"と呼ばれる高機能のコンデンサを大容量で軽量化
されたバッテリとして屋根上に搭載して,2008年かその翌年にはテストを
開始させたいとしているのです.
軸重制限を越えない重量分だけの搭載でも,ブレーキにより生じる電力を
蓄積して,1km程は給電なしでも走れるようになるだろうとのことです.

下でリンクを紹介している南ドイツ新聞の記事によれば,誤訳かもしれ
ませんが,ミュンヘンでは架線のない区間がまだあった20世紀初めの頃,
その区間だけ蓄電池で駆動する機関車をトラムに連結して走らせていた
こともあるようです.


19.07.2006 Tram durch den Englischen Garten:
(MVG プレスリリースへのリンク)
20.07.2006 Moratorium im Verfahren, neue Technik ohne Fahrleitung
weiterentwickeln
(MVGと同じ内容)
(Stadtwerke München GmbH へのリンク)

19.07.2006 Batterie-Tram durch den Englischen Garten?
(Süddeutschen Zeitung ニュースへのリンク)
20.07.2006 Englischer Garten - Der Tram-Traum
(Münchner Wochenanzeiger ニュースへのリンク)

未完成の市電区間は,Elisabethplatz - Tivolistraße間で,現在は路線
バスが走っています.(橙色の点線部分)
muc01.png
青 : 路面電車(Tram)
灰色(点線) : 地下鉄(U-Bahn)
灰色(太線) : ドイツ鉄道,Sバーン
赤字のHauptbahnhof : ミュンヘン中央駅 所在地
資料を基に独自に構成したもので,正確ではないかもしれません

flickr で見る,Englischen Garten

ヴァリオバーン(Variobahn)は,低床車両の追加として昨年秋に3本が発注
されました.オプションとして19本も含まれています.
(リンク先はStadler Rail AG 公式サイト英語版)

Variobahn導入を発表するプレスリリース :
14.10.2005 Modernisierung der Münchner Straßen-bahnflotte:
SWM bestellen drei Variobahnen

(MVG プレスリリースへのリンク)

ヴァリオバーンは,ADtranzから販売されていた低床車で,ギアのない
ハブモータで駆動する方法により,車軸をなくして低床化を実現します.
Stadler Railは,ADtranzを吸収したボンバルディア(Bombardier)から
製造ライセンスを買っていました.ミュンヘン市電で活躍中の低床車は,
ボンバルディア(元AEG)製ですが,この発注では見積り額の折り合いが
つかなかったと言われています.

誤訳や誤解で内容が間違っている可能性もあります.ご容赦ください.

関連過去ログ :
2006/3/17 市電路線を巡る百年論争
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2006年07月21日

【アトランタ】市電計画への試金石

ジョージア州アトランタ(Atlanta)を南北に貫くピーチツリーストリート
(Peachtree Street)に,ストリートカー(路面電車)を導入しようという
動きで,先月計画路線を南へ2マイルほど延長する案を紹介したばかり
ですが,市長が今年始めに任命した特別委員会(タスクフォース)では,
今度は北への路線をあと半マイル伸ばす案を出してきました.DeKalb郡
にあるMARTAのBrookhaven/Oglethorpe駅まで行くことになりそうです.
タスクフォース(The Peachtree Corridor Task Force)では,この案も
含めて来年初めにアトランタ市長に提案を出す予定です.
MARTA : Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority

July 11, 2006 Peachtree streetcar could reach further north
(Atlanta Business Chronicle ニュースへのリンク)
July 17, 2006 Ahead of the curve
(Atlanta Journal Constitution ニュースへのリンク)

一方,市電計画とは別に,アトランタのダウンタウンでは観光客の足を
確保するため,名所やホテルなどを回るループ運転のバスが4月下旬から
走り始めました.Atlanta Tourist Loopと名付けられて,専用のバスが
MARTAにより30分間隔で運転されています.
Atlanta Tourist Loop (路線図など)
(MARTA 公式サイトへのリンク)
April 28, 2006 MARTA's Atlanta Tourist Loop (ATL)
(Atlanta Downtown Improvement District へのリンク)

そして今度は,ピーチツリーストリート(Peachtree Street)を,バック
ヘッド(Buckhead)からダウンタウンまで乗換えなしで直行する路線バスが
運行されることになります.現在も路線バスはありますが,乗換えを必要
としますし,同区間には高速電車もあることから,アトランタのダウン
タウンとバックヘッド間の行き来に使われることはありませんでした.

"The Peach"(ザ・ピーチ)と命名されるこのバスも,MARTAが特別塗装か
アートを施された車両で30分おきに運行されることになっています.
これによりMARTAの運営費は,年間60万ドル増となるそうです.
ピーチツリーストリートには,MARTAの高速電車が開通する1970年台まで
市バスが走っていましたが,高速電車の開業で,バス路線網の再編が行わ
れた際に分断されていました.

バックヘッドのBuckhead Coalitionが音頭をとったこのザ・ピーチは,
ダウンタウンの北側に位置するビジネス街であり,またショッピングの
メッカにもなっているバックヘッドと,近年沿道の開発が著しいピーチ
ツリーストリートを結びつけ,観光客と地元客の両者の利用が見込まれて
います.道路混雑緩和も期待されているようです.

June 27, 2006 MARTA: Time ripe for 'Peach' bus route
(Atlanta Journal Constitution ニュースへのリンク)
JULY 20, 2006 Peachtree to get new bus service
(TheStorygroup.com ニュースへのリンク)

ところで,相次いで走り始めるこれらのバスは,奇しくも路面電車計画
路線と重複しています.
ザ・ピーチの仕掛け人,アトランタの元市長でBuckhead Coalitionの代表
は,路面電車計画に批判的です.わずかな資金で達成できるバス路線網の
改善で足りるというのです.路面電車は建設に3億3500万ドルかかると
見積られていますが,南北へ路線を延ばせば,それだけ建設費も上がる
ことでしょう.
しかし,ザ・ピーチは路面電車の代用ではありませんが,市電計画の資金
調達ができるまで,同様のサービスを提供するものとしています.
アトランタストリートカー(Atlanta Streetcar, Inc.)の代表者も,この
バスに否定的ではありません.これらのバスが集客力を示せば,おのずと
路面電車計画にも好影響を与えるでしょう.

関連過去ログ :
2005/11/23 ピーチツリーストリートに電車を
2006/6/16 市電計画路線の延長案
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2006年07月20日

【ソルトレイクシティ】TRAX延長へ増税問う

ソルトレイクシティが属すソルトレイク郡(Salt Lake County)の議会は,
UTAが現在運行しているライトレールTRAXの延長計画に,不動産税(原文は
property tax)を増税して充当させるべきかどうかの投票を,今年11月の
投票項目に盛込むことを決定しました.
UTA : Utah Transit Authority

これにより,現在計画されているTRAXの延長4路線を数年以内に実現でき
るかどうかは,ソルトレイク郡の住民がそのために不動産税の増税を支持
するかどうかにかかってきます.
増税額は,20万ドルの価値がある家屋の場合で一年$108に相当しますが,
これをTRAX延長を促進させるための資金,8億9500万ドルに充てます.
建設を早めるためにはより多くの資金が必要で,この金額だけで4路線
延長が達成できるわけではありません.

そのTRAXの延長には,ソルトレイクシティ国際空港(SLC)への新路線も
含まれます.その他には,西方面のWest Valley City,South Jordan,
南方面のDraperへの延長です.

Maps Salt Lake City (現在のUTA路線図)
West Valley TRAX Corridor
Mid-Jordan TRAX Corridor (South Jordanへの延長)
(UTA 公式サイトへのリンク)

不動産税(property tax)の増税には反対意見もあります.売上税(sales
tax)やガソリン税(gas tax)を値上げすべきというものです.Deseret
Morning Newsの記事には,その辺りの話にも言及しています.

7/19付けのSalt Lake Tribuneの記事には,4路線の建設費見積りなども
掲載されているほか,同紙が行なった調査では60%がTRAX建設で不動産
税を増税することに賛成とも紹介しています.また,独自作成の路線図が
あります.(KSLでは自局TV画面のキャプチャで路線概略図を掲載)

07/19/2006 Next stop for TRAX: Ballot
(Salt Lake Tribune ニュースへのリンク)
July 19, 2006 TRAX tax is voters' decision
(Deseret Morning News ニュースへのリンク)
July 18th, 2006 Public to Vote on Fast-Tracking TRAX Issue
(KSL Television & Radio, Salt Lake City ニュースへのリンク)
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2006年07月19日

【チューリッヒ】2025年の市電路線網

人口37万人弱のチューリッヒ(Zürich)市で市電やトロリーバスなどを運行
しているVBZは,20年先を見据えた市電網計画を発表しました.
VBZ : Verkehrsbetriebe der Stadt Zürich

今でも網の目のように市電網が張り巡らされていますが,実現すれば,
チューリッヒ市内すべての地区(Quartier)と,市中心部が路面電車一本で
乗換えなしに結ばれることになり,また,南部,西部と北部に新たに開発
される地域同士も,やはり相互に路面電車で結ばれるほか,Sバーンとの
連携も強化されます.
Quartier : 細分化された街の単位.チューリッヒ市には区に相当する?
12のStadtkreisがあり,それを更に細かくしたのがQuartiereと呼ばれ,
チューリッヒ市には34あります.

Verkehrsbetriebe Zürich (VBZのまとめサイト)
Stadtteile der Stadt Zürich (StadtkreisとQuartiereのリスト)
Bild:Karte Quartiere Stadt Zürich (PNGファイル版の地図あり)
(ドイツ語版 Wikipediaへのリンク)

計画は2025年までに,5年ごとの4段階に分けて行われる予定です.
第一段階は,先日進展が見られたTram Zürich-Westです.3kmの新設路線
で,総工費は1億5千万スイスフラン.このうち,9千万をチューリッヒ州
から,残りは100万をSBB(スイス連邦鉄道),5900万をチューリッヒ市が
負担するというもので,2008年に着工,2010年12月の完成が見込まれて
います.(建設費の単位はスイスフランで,1スイスフランは約95円)
第二段階は,市電8系統の終点を,SバーンのHardbrücke駅を経由した上で
さらに西北西方向(Werdhölzli)へ延長させる計画で,Tram Hardbrückeと
名付けられています.
第三段階では,Tramtangente Rosengartenとして,チューリッヒ西部と
北部が市電で直結されることになります.
最終の第四段階では,現在S18系統としてチューリッヒStadelhofen駅まで
きているメーターゲージ鉄道Forchbahnを,中央駅(Hauptbahnhof)まで
乗入れさせることなどです.

詳細は公式サイトで.
Das VBZ Linienkonzept 2025 (地図などへのリンクあり)
Die vier Etappen der Netzentwicklung (4段階ごとの内容)
(VBZ 公式サイトへのリンク)

数多くのニュースサイトで報じられました.
18. Juli 2006 Dem Tram gehört die Zukunft
(NZZ Online ニュースへのリンク)
18.07.2006 Das «Züri-Tram» soll wachsen
Zürcher Tramliniennetz bis 2025 in vier Etappen ausbauen
(Tages-Anzeiger Online ニュースへのリンク)

Tram Zürich-Westに関する先週の報道 :
12.07.2006 59 Millionen für Tram Zürich-West
(Tages-Anzeiger Online ニュースへのリンク)
13. Juli 2006 Mit dem Tram Zürich-West geht es voran
(Neue Zürcher Zeitung ニュースへのリンク)

最初に着手されるTram Zürich-Westの概要と,路線図へのリンク :
Drei neue Tramkilometer durch ein aufstrebendes Quartier.
(VBZ 公式サイトへのリンク)

今回の報道によれば,この計画には財政的裏付けがまだされておらず,
Infras(チューリッヒのコンサルタント会社)の交通網開発研究をベースに
したこの白書を基にして,チューリッヒ公共交通網のさらなる発展のため
に,政策論議を行います.

なお,当初考えられていた北部Affoltern(Quartiere名)への新路線と,
市電1系統(Tramlinie Hohlstrasse)の復活は,今回の計画から外れて,
検討されるとしても2025年以降になってしまうようです.

この他にもチューリッヒでは,北部から市外にある国際空港まで伸びる
Glattalbahn(旧名称Stadtbahn Glatttal)が現在建設中です.
Wo fährt die Glattalbahn? (路線図)
(VBG 公式サイトへのリンク)
VBG : Verkehrsbetriebe Glattal

チューリヒはこの規模の都市としては珍しく,地下鉄が走っていません.
計画が立案されても,住民投票で否決されてきた経緯があり,近郊列車の
S-Bahnは別として,市内交通はこれまでバスと路面電車一筋でした.

その辺りのことも含め,インターネット上で恐らく最も詳しくチューリヒ
市電のことを記していると思われるサイトの次のページを紹介しておき
ます. Zürich: A city and its trams
(Trams of Zürich 非公式サイト 英語版へのリンク)
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2006年07月18日

【運賃無料】予算追加で今年は6日分に

ベイエリアで翌日は高温と無風でスモッグ発生と予報されると,その日は
Spare the Air day(スペア・ディ・エア・デー)と宣言されます.
月曜日(7/17)は,この夏4回目のスペアディエアデーでした.そしてベイ
エリア25社の運営する電車,バス,フェリーなどの公共交通機関が,今
シーズン4回目の運賃無料解放日になりました.

すでにご紹介しているように,今年の予算では3日目までが運賃無料で,
4日目以降は通常通り有料のはずでした.当初の予算は,6月下旬の平日に
3日連続で早々に消化していたのです.
しかし,この3日間の公共交通利用者増加率が,軒並み10%を超えるなど
効果が著しかったため,先週予算の追加が実は行われていたのでした.
今年は既に使われた3日分を含めて,合計6日間分の運賃を無料にできる
ようになり,昨日4日目を消化,10月までのシーズン中に残りは2日です.

MTCは,運賃無料で生じる交通事業者の損失を補償するため,530万ドルの
予算を追加することを,先週水曜(7/12)に委員会で決めました.財源は
カリフォルニア州が新たに設定していた,3700万ドルに及ぶ,交通網の
不測の事態に備えた予算などからです.
追加予算に,当初の予算の残りが98万ドル少々を加えた金額は,3日分の
運賃無料化を追加するのに十分な額でした.
MTC : Metropolitan Transportation Commission
追加予算が承認されたことを伝えるリリース :
Committees Vote to Extend Spare the Air/Free Transit Campaign
(MTC プレスリリースへのリンク)

月曜日の運賃無料デーを報じるサイト :
Sunday, July 16, 2006 4th Spare Air day this year -- gasp
Monday, July 17, 2006 Summer's finally here
(San Francisco Chronicle ニュースへのリンク)

このサイトの下のほうに,参加事業者のリストと公式サイトへのリンクが
あります. Three More Free Transit Days
(MTC 511.org へのリンク)

スペア・ディ・エア・デーでも,今回は運賃が無料にならない交通機関も
ありました.例えば,サンフランシスコ クロニクル紙に取り上げられて
いる,Alameda-Oakland Ferry です. (公式サイトへのリンク)

このフェリーは,6月までは参加していましたが,今回は増便の手当てが
つかず,無料は見送られました.過去3回は運賃無料で利用者が殺到した
ために,運航に30-40分の遅れが出ていたのです.それと,増便の費用
まではMTCが補填してくれず,自前で負担する必要があり,この問題で
参加継続できないとMTCに伝えているようです.

flickr で見る Spare the Air day (2006年6月分)

関連 過去ログ リスト :
2006/6/23 今年最初のSpare the Airで
2006/6/29 軒並み2桁の利用者増加率に

追記 : 2006/07/21
2006年は次の6日がSpare the Air dayで運賃無料となりました
6/22(木), 6/23(金), 6/26(月), 7/17(月), 7/20(木), 7/21(金)
もともと平日のみという設定ですが,曜日も週の初めと終わりに
集中したようです.

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2006年07月17日

【Sound Transit】ST2詳細明らかに

ワシントン州ピュージットサウンド(Puget Sound)の東側にある3つの郡
で,シアトルを中心としてバスや通勤鉄道を運営,ライトレールを建設・
運営するSound Transitは,今後の人口増加に対応して,経済の好調も
維持するための次世代大量輸送機関計画ST2の詳細を明らかにました.
これから公衆の意見を聞きつつ,税金を投入することから,最終的には
2007年11月に予定される住民投票で是非を問います.

Sound Transitのエリア :
キング郡 (King County) シアトル市など
スノホミッシュ郡 (Snohomish County) キング郡の北側
ピアース郡 (Pierce County) タコマ市などキング郡の南側
(各郡には郡内だけの交通事業者もあります)

このうち,特にシアトルからみて東側への交通が,ワシントン湖の存在で
隘路になっています.新たに橋を設ける予算がなく現在の橋を利用する
ことから,高速道路のエキスプレスレーン,BRT(バス ラピッド トラン
ジット)からライトレールまで,各種の案がありましたが,Sound Transit
は,一番資金を必要としながらも,早く大量に人を運べるライトレールを
選択しました.
人口増加で日増しに激しくなる道路混雑を緩和させるには,専用軌道を
走り渋滞に巻き込まれることもなく,輸送力もバスより高いことが買わ
れたのです.ハイウェイの橋をライトレールが通れることは,昨年9月に
トレーラーをLRVに仕立てた実証実験まで行って確認されています.

西をピュージェット湾に阻まれるため,ライトレールはシアトルを中心
として南北と東に延ばすことになりますが,このうち南北の軸は,Sound
Moveと呼ぶ1996年に住民投票で承認された計画に基づき現在建設中で,
その先への延長になるのに対して,東方面(Eastside)へは初めてのライト
レール路線になります.

Sound Transitでは,プロジェクトに投入する金額=税率に応じて,3つの
候補を用意しました.
新たに売上税に上乗せされる3つの税率は,0.3%, 0.4%, 0.5%です.
税率をいくらにするかにより,ライトレールを各方向にどこまで延ばすか
が左右されるというもので,3つのどの案(税率)になるかは,投票までに
決められることになっています.

最大の0.5%の場合,10ドルの買い物で5セントが新たに課税されるわけ
ですが,見積りでは平均的な世帯で年間125ドルになるそうです.
現在建設中の第一期分では,0.9%までの権限がSound Transitには与え
られていますが,実際には0.4%です.しかし,シアトルなどキング郡の
都市の多くの住民は,すでに8.8%の売上税を課せられています.

なお,これは20年先を見据えた計画ですので,仮に来年秋の投票で承認
されても,実際に延長区間やイーストサイドでライトレールが走るまで
には,少なくとも15年かかります.

公式サイトでは,3つの候補をPDFファイル版の地図で確認できます.
Update On July 13, 2006 Mapping the Future
プレスリリース :
Sound Transit seeks public input on three options for expanding
regional mass transit system

(Sound Transit 公式サイトへのリンク)

数多くの報道がありましたが,Eastsideとシアトル(Seattle)間にライト
レールが採用されたことを,いずれも大きく取り上げています.
July 14, 2006
Light rail chosen to link Seattle, Eastside
Sound Transit board concludes rail is the way to go East
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)
Sound Transit's board endorses light-rail link between Seattle, Eastside
(Seattle Times ニュースへのリンク)
July 14, 2006
Sound Transit Board Concludes Rail Is The Way To Go East
(記事はAP配信のものですが,シアトルとイーストサイドを結ぶ,I-90の
浮橋の上を,ライトレールが走っているように見せかけている合成写真が
掲載されています) (KOMO RADIO-TV ニュースへのリンク)
Eastside light rail rolls ahead: Unanimous Sound Transit board
chooses trains over fast buses for system expansion

(King County Journal ニュースへのリンク)

July 13th, 2006
Sound Transit offers three taxing options to pay for major expansions
July 14th, 2006 How far south will light rail make it?
(The News Tribune ニュースへのリンク)

この計画を住民投票に問うのは,本当は今年の秋の予定でした.しかし,
すでにご紹介しているように,2007年秋に延期されています.

また,いくつも案が出ていた中で,2009年末に開通予定のライトレール
(Central Link)の終点,シアトルタコマ空港からタコマのダウンタウン
まで延長して,ライトレールのTacoma Linkと接続という案もありました
が,最大税率が採用されても,これは途中までしか実現されません.
Pierce(ピアス)郡の納税者にとっては,税負担は一緒なので不公平感が
あるかもしれません.Bellevue(ベルビュー)市などのEastside(イースト
サイド)へは,いずれの税率でもライトレールが走るのです.
他にもタコマ(Tacoma)では,最大税率(0.5%)の場合を除き,タコマから
東へのライトレール延長が率に応じて計画されていますが,最大税率の
場合には,その延長が無くなってしまいます.

関連過去ログ リスト :
2005/12/17 【シアトル】LRTは湖の浮橋を渡れるかも
2005/12/20 【タコマ】LRTの昇圧と大型LRV乗入れへ
2006/3/10 【シアトル】"Sound Transit 2"一年遅れに
2006/3/26 【シアトル】LRTは浮橋を渡っても大丈夫?
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2006年07月16日

【FLEXITY Classic】亀裂はエッセンでも

1編成200万ユーロかけて購入した,最新鋭の部分低床車が問題を抱えて
います.ノルトライン=ヴェストファーレン州エッセン(Essen),という
よりもルール工業地帯のエッセンと言ったほうが判りやすいかも知れま
せんが,そこで路面電車やバスなどを運行するEVAGは,1999年から導入
している70%の部分低床車34本のうち,12本を運用から外しました.
EVAG : Essener Verkehrs AG

理由は,同じタイプの車両がカッセルで運用を外されたのと同様,車体の
センターピン(Drehzapfen)に亀裂が見つかったからです.キングピンとも
呼ばれる小さな円柱状のピンで,車体は台車と接続しています.

カッセルから連絡を受けて検査した結果,エッセンでは34本のうちピンが
無傷だったのは4本だけで,30本に亀裂が発見されましたが,12本だけを
運用離脱させ,残り18本は亀裂を抱えながら営業運転に就いています.
カッセルのKVGでもそうでしたが,万一中心ピンが破損しても,大きな音
がするだけで乗客が危険にさらされることはないとEVAGも説明します.

亀裂は肉眼で確認できるものではなく,電磁波で探すしかないほどです.
しかし,カッセルの例が示すように,それが非常にゆっくり時間を掛けて
大きくなっていきます.
現時点では製造メーカのボンバルディア(Bombardier)や,TÜVの技術者を
交えて,全力で解決策を探っているところだそうですが,暫定的な措置と
してピン部分の交換しかなく,それもカッセルでも交換が行われている
ことから,ピンの在庫がないという状況に陥っているようです.
TÜV : Technischer Uberwachungs-Verein (技術監査協会)

エッセンでは1500番台が割振られ,形式名がM8DNFのFLEXITY Classicは,
これまでの走行距離が約40万キロだそうです.主要検査が行われるのは
50万キロを超えてからでした.

Freitag, 14.07.2006 Haarrisse stoppen Bahnen Niederflurwagen
(WAZ ニュースへのリンク)
この記事には,カッセルと同様に,中心ピンの画像も小さく掲載されて
いますが,下記掲示板でも,記事部分だけ読むことが出来ます.
EVAG Essen 12 Niederflurwagen abgestellt
(Straßenbahn-Forum へのリンク)

FLEXITY Classicは,1998年にボンバルディアが買収したDWA,現在の
Bombardier Transportation DWA Bautzenが開発と製造を行っている,
モジュラーデザインの部分低床車です.
DWA : Deutsche Waggonbau AG

以前はLF2000というモデル名でしたが,BombardierがADtranzを吸収した
後に,FLEXITY Classicと改名されました.現在ドイツだけでも100本を
超える納入実績があり,モジュールデザインを生かして,2車体21m車の
デッサウ(Dessau)向けから,5車体45mのドレスデン(Dresden)やライプ
ツィヒ(Leipzig)向け車両まで,車両の長さもさまざまです.

いずれもモータ付きの動力台車がある部分だけが高床,残りを低床化した
もので,低床部分のモータなし付随台車では,車軸のない左右独立回転
車輪が用いられています.車軸がないことで低床化が実現したばかりでは
なく,動力台車と付随台車の車輪径を同じにすることもできました.

多くの路面電車事業者が,100%低床車の曲線通過性能,特にカーブでの
軋り音や,磨耗の早さなどに不満を感じ始めていました.車両低床化を
進めたくても,高価な100%低床車導入には躊躇していた事業者にとって,
部分低床のLF2000は絶好の買い物だったのです.
一度は100%低床車を入れたフランクフルト(VGF)やブレーメンですら,
低床車の追加は70%低床のLF2000にしているほどです.
つい先月も,ブレーメンのBSAGは,LF2000(現在のFLEXITY Classic)を
10本追加発注していたばかりでした.
VGF : Verkehrsgesellschaft Frankfurt
BSAG : Bremer Straßenbahn AG

Bombardier liefert 10 weitere Flexity Classic Straßenbahnen
nach Bremen

(boerse.de (Pressemitteilung) へのリンク)

Bombardier Light Rail Vehicles > FLEXITY Classic
(ボンバルディア - Bombardier - 公式サイト英語版へのリンク)

関連過去ログ :
2006/7/12 カッセルで運用離脱
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2006年07月15日

【マルセイユ】新トラム運営にVeolia参入へ

マルセイユ(Marseille)では,地下鉄(métro)とバスは公営のRTMが運営
していますが,現在工事で運休中のトラムを,大幅に延長して2007年に
再開業させた暁には,公営のRTMと私企業のConnex改めVeolia Transport
とのアライアンスが,最低でも8年運営することに決まりました.
RTM : Régie des Transports Marseillais (マルセイユ交通局)

MPMでは,1年半前から路面電車運営業者を募っていましたが,結局初日に
応募してきたRTMとVéolia Transport-Connexの連合だけしか候補があり
ませんでした.競合は,RTMが3社の中から連合相手をVeolia Transport
(当時Connex)に選ぶ時だけ?だったのです.
MPM : Communauté urbaine Marseille Provence Métropole

8年に及ぶDSP,公共サービスの民間委託では,年間1700万ユーロとされて
いるトラムの運営費は,地元とRTM-Veolia連合に,それぞれ半分ずつが
支払われることになります.
DSP : Délégation de service public

地下鉄とバスが公営のまま,路面電車だけ半分民営となる二重構造で,
異を唱える人たちは,路面電車が大幅に路線を伸ばして再開した時に,
地下鉄やバスからトラムへの利用者移行により,RTMの収入が年間630万
ユーロ減るとして反対しているようです.
これに対してMPMの代表(UMP)は,トラム増設の目的は公共交通機関への
利用促進にあり,年間1億7千万人から2億人が利用して,トラムだけでは
なく,公共交通網全体で利益を享受できるとしています.

14-07-2006 CHOISI POUR GÉRER LE TRAMWAY MARSEILLAIS
(Investir.fr ニュースへのリンク)
13.07.06 Tram : RTM-Connex gagne par forfait
« Pas de retard » pour l'inauguration du tram de Marseille
(20 Minutes ニュースへのリンク)

最下段の記事では,Noaillesトンネル(地下区間)で一ヶ月の四分の三?
ほど工程の遅れがあるものの,新生トラムの再開は予定通りと,MPMの
代表が繰返し述べているということから始まっています.

その記事によれば,開業時期は次の二段階にわかれます.
2007年5月か6月 開業予定
* Euroméditerranée - Blancarde
* Caillols - Eugène Pierre
Eugène Pierreは,以前68系統の路面電車だった時に,地下駅のNoailles
から走って地上に出たあたりです.
2008年6月 開通予定
* Noailles - Eugène Pierre (地下区間が大半の900m)

du nouveau tramway de Marseille (公式サイトへのリンク)

非公式路線図
Marseille_tramway2.png
2007年5-6月開業予定は橙色と緑色の太線区間で,緑色の破線は2008年
6月開業予定.
資料を基に独自に構成したもので,正確ではないかもしれません

その他に記事では,次のトラム建設の話から,トラムは毎日朝5時から
深夜0:30までの運転になるのに,地下鉄の終電は零時まで?になっている
とか,トラムはDSPにより,ストライキ中でも通常の3割減の運行を行う
ものの,地下鉄やバスはどうなるというような話が展開されています.

マルセイユ関連 過去ログ リスト :
2005/9/13 トラム運営にConnex参入?
2005/10/21 長引くストライキの原因はConnex
2006/2/07 新トラム来春開業は予定通り

誤訳や誤解で内容が間違っている可能性もあります.ご容赦ください.
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2006年07月14日

【APS】アンジェとランスで採用 3都市に

フランス北部のシャンパーニュ=アルデンヌ地方にある主要都市,ランス
(Reims)でも,2011年ごろには路面電車が復活することになりますが,
アルストム(Alstom)のシタディス(Citadis)が採用されることが,正式
決定となりました.つい先日(7/11)にもCitadis導入は,ロワール地方の
アンジェ(Angers)が決定しています.これで24か所目ですが,そのうち
フランスが15か所を占めています.(下にリストがあります)

それに加えてアンジェ,ランスともに,アルストムの架線レス トラムの
一つ,APSも採用されました.これでボルドーに続いて3か所になります.
APS : Alimentation Par le Sol (地表集電システム)

Within a concession associating ALSTOM and Bouygues, the Reims
Metropolitan Authority chooses an ALSTOM “APS” wire-free
CITADIS tramway
(Alstom プレスリリースへのリンク)
このリリースによれば,APS区間は全長11.2キロのうち,中心部の2キロ
だそうです.

Citadis導入決定を伝えるニュース(ランス) :
13/07/2006 Alstom : Reims adopte le tramway "Citadis"
(Boursier.com ニュースへのリンク)
Le consortium Alstom-Bouygues l'emporte pour le tramway de Reims
(Capital.fr (Reuters)ニュースへのリンク)
13/07/2006 Alstom et Bouygues remportent le tramway de Reims
(Batiactu ニュースへのリンク)
他にも多数あり

7/11にCitadis導入決定を伝えるニュース(アンジェ) :
11.07.06 Alstom retenu pour le tramway d'Angers
(Nouvel Observateur ニュースへのリンク)
11 Juillet 2006 Alstom : retenu pour le futur tramway d'Angers
(Voila.fr ニュースへのリンク)
他にも多数あり

ランス(Reims)
* 第一期 11.2km
* Citadis18本導入(32m)
* AlstomとBouyguesで,30年間の営業権(concession) 14億ユーロ
* 建設費 2億8200万ユーロ
* 2010年末か2011年はじめに開業予定
Le Tramway en projet (路線図あり)
(Reims Métropole 公式サイトへのリンク)
Tramway de Reims
TRAMWAY DE REIMS METROPOLE プレスリリース(PDFファイル)
(公式サイトへのリンク)
プレスリリースには,衛星写真に路線図を貼り付けた画像(18ページ目)
や.APSが採用されているイラスト(5,11ページ目)もあります.

アンジェ(Angers)
* 12km
* Citadis17本導入(32m)
* APS込み?で4500万ユーロ
* 2009年開業予定
Pour tout connaître du projet (具体的な計画内容など)
Première ligne // Le plan de la ligne (PDFファイル路線図)
(Angers Loire Métropole 公式サイトへのリンク)
Le tramway angevin (今のところ上記へのリンクのみ)
(COTRA 公式サイトへのリンク)

COTRA : Communauté des transports de la région angevine
アンジェとその周辺(人口28万人強の,Communauté d'agglomération
d'Angers Loire Métropole)で,バスなどの公共交通機関を運営,2009年
からはトラムも運営へ.
Tramway Arc-en-ciel (Angers)
(フランス語版 Wikipediaへのリンク)

Citadis を採用するフランスの都市 :
Angers, Grenoble, Le Mans, Lyon, Montpellier, Mulhouse, Nice,
Orléans, Paris, Reims, Strasbourg, Valenciennes
フランス以外 : Algiers, Barcelona, Jerusalem, Madrid, Melbourne,
Rotterdam, Tenerife, Tunis

関連過去ログ :
2006/1/10 【ボルドー】架線レスを売り込み開始?
2006/6/21 【Alstom】APSがイノベーション賞受賞
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2006年07月13日

【パリ】トラムT1系統のバス代行ほか

パリ交通公団(RATP)でも,夏休み期間中の運休に関する情報があります.
メトロ(Métro)5路線とRER2路線の他にも,路面電車のT1系統で区間運休
によるバス代行が行われます.

1992年にサンドニ市(St Denis)で開業したトラムT1は,7/17から8/25まで
の間は,1992年に開業したほとんどの区間がバス代行となり,2003年に
延長された区間のみ電車で折返し運転します.ホーム修復作業の内容は
不明ですが.2005年にも期間は4日間だけでしたが,同じ区間でホームの
修復を理由にバス代行になっていました.

地下鉄(Métro)では,6号線の高架区間で10年近くに及ぶ高架橋改修工事の
一環として,7/26から9/01の期間,Place d’Italie(イタリア広場)駅と
Bercy(ベルシー)駅の間が区間運休となり,途中の3駅は閉鎖です.

詳細はRATPのサイトで :
Métro - RER - tram : les travaux de l'été (夏季工事運休リスト)
Travaux sur la ligne T1 (T1 バス代行)
La ligne 6 rénove son viaduc (メトロ6号線 区間運休)
(RATP 公式サイトへのリンク)
RATP : Régie autonome des transports parisiens
RER : Réseau express régional

T1のバス代行は,今のところ報道機関にニュースとして取り上げられて
いないようですが,2003年に延長した先の地元サイトが紹介しています.
ただし,内容はRATPサイトとほとんど同じです.
26/06/2006 La ligne T1 interrompue cet été
(Noisy-le-Sec市 公式サイトへのリンク)

メトロ6系統のほうは,下記サイトでも紹介されています.
12/07/2006 La ligne 6 rénove son viaduc
(Web Trains へのリンク)

2004年にも,メトロ6系統は一部の高架区間で工事運休していました.
25 juin 2004 Ligne 6 : le viaduc de Corvisart en travaux cet été
(RATP 公式サイトへのリンク)
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2006年07月12日

【FLEXITY Classic】カッセルで運用離脱

カッセル(Kassel)で路面電車を運行するKVGとRBKは,新型の低床車32本の
うち18本を,月曜日より運用から外しています.

Kassel1.jpg
運用を外れたのと同型で,RBKが所有する車両.
RBK : Regionalbahn Kassel GmbH

これは,車体と台車(Drehgestell)をつなぐセンターピン(Drehzapfen)に
亀裂がある車両が先週発見され,万一に備えて同じ車種の全てを土日に
検査したところ,13本では2つの駆動台車ともピンに亀裂が,5本で1台車
に亀裂が見つかりました.
事態を憂慮したKVGは,同じヘッセン州ダルムシュタットにある当局と,
フランクフルトの連邦鉄道庁(EBA)と調整した結果,この18本については
安全のため一時的に車両運用から離脱させることにしたものです.現在
ピンの交換作業が行われているようです.

太さ7.5cm,長さ12cmの中心ピンは,車体と台車を連結させつつ,心皿の
上で回転するようになっていて,これにより台車は車体とは別に回転する
ことが可能となり,曲線での通過がスムーズになるほか,モータの牽引力
を,FLEXITY Classicでも重量38トンに及ぶ車体に伝える,重要な役目も
果たしています.
報道では,たとえカーブでこのピンが外れたしたとしても,車体が左右に
2-3センチ揺れるだけで,乗客が事故に遭うようなことはないと,KVGの
責任者が語ったことを紹介しています.
(枕バネがあるので,車体と台車が簡単に分離することはないということ
でしょうか)


中心ピンに問題が見つかったのは,KVGでは600番台の形式名8NGTWで,
ボンバルディア(Bombardier)製のFLEXITY Classicとして,カッセル以外
でもドイツを中心に活躍している70%部分低床車です.

KVGは,このタイプを最初に導入しました.第二世代の低床車とも言わ
れていますが,1999年から走り始めたKVGの600番台は,その草分け的な
存在です.
カッセルに特有なことと言えば,路面電車向けの規制(BOStrab)に適合
するだけでなく,普通鉄道のもの(EBO)にも対応していることで,これは
貨物線に乗入れする路線のために必要でした.

KVGの案内は,現在トップページから直接リンクしています.
低床車が18本も一時的に運転できなくなったため,予備車が出ています
が,いずれも高床車両です.
KVG : Kasseler Verkehrs-Gesellschaft Aktiengesellschaft
11.07.2006 : Mangelhaftes Bauteil legt 18 Niederflurbahnen lahm
のところにあります.
あるいは,下記掲示板に内容が掲載されています.
[KS]: 18 TW des Typs 8NGTW stillgelegt
(Straßenbahn-Forum へのリンク)

報道では,センタービンの画像を載せています(下段)
10.07.2006 Zapfen legt Bahnen lahm
Konstruktionsmangel? KVG zieht sicherheitshalber Niederflurbahnen
aus dem Verkehr
11.07.2006 Die Hälfte war gerissen
(HNA.de Hessen ニュースへのリンク)

上段の記事の内容を発端とするスレッドが下記掲示板にあります.
PM: [KS] Zapfen legt Bahnen lahm - Die KVG hat gestern 18 ihrer
32 neuen Niederflurbahnen aus dem Verkehr gezogen

(Straßenbahn-Forum へのリンク)

問題の車種の紹介と画像は,下記ファンサイトで見ることができます.
Niederflur-Triebwagen der 2. Generation (601 - 622 )
Triebwagen 601 - 622 (8NGTW)
Triebwagen 631 - 640 (8ZNGTW)
このサイトのニュースも必見
Kasseler ÖPNV-News 2006
この件に関する項目 (7/12現在)
11.07.2006 8NGTW teilweise stillgelegt
12.07.2006 Geänderter Wageneinsatz durch 8NGTW-Ausfall
12.07.2006 Mangelhafter Bolzen legt 18 Niederflur-Triebwagen lahm
(www. Tram-Kassel. de へのリンク)

メーカーのサイト :
Bombardier Light Rail Vehicles > FLEXITY Classic
(ボンバルディア - Bombardier - 公式サイトへのリンク)
Low-Floor Tramcar of the Kasseler Verkehrsgesellschaft
(KIEPE ELEKTRIK GmH 英語版サイトへのリンク)

問題がカッセルに限定されるのか,或いはFLEXITY Classicに共通なもの
なのか,カッセルの車両がFLEXITY Classicでは一番古いものになるため
気になるところですが,現時点では不明です.
KVGによれば,同じタイプを使用するエッセン(Essen)でも,検査を行った
ところ同じような結果だったそうです.ただし,上記掲示板によれば,
エッセンでは運用からは外していないようです.

追記 : 2006/07/15
その後,エッセンでも34本の低床車のうち12本が運用から外れた
という報道があるようです.EVAGから発表はなく,他に情報も
ない上,記事の中身は読めずに,Yahoo! NachrichtenやGoogle
Newsの検索結果で出てくる部分だけのため詳細は不明ですが,
やはり問題のピンに亀裂が見つかったからのようです.
Evag zieht die Notbremse
(NRZ ニュースへのリンク)

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2006年07月11日

【フェニックス】LRV第一陣落成

アリゾナ州フェニックス(Phoenix)を起点に展開するLRT向けの車両が,
東大阪市にある近畿車輌車両製作所の組立ラインから出たという報道が
米国でありました.

来月になると,完成した2本のうち1本は,人工気象室(climate chamber)
で摂氏53度(華氏127度),湿度95%という厳しいアリゾナの気象にさらさ
れても,車内が設計通り摂氏23度から26度程度に保てるかどうか試験を
受け,もう1本はニュージャージー州に運ばれて,微に入り細に入り設計
通りに完成しているかどうかを確認されます.
ニュージャージーは,どこに運ばれるのか報道にありませんが,ハドソン
ベルゲンライトレールのLRVは近畿車輌製ですので,その関連施設にでも
行くのでしょうか.近畿車輛USAの本社はフロリダ州です.


LRTを運行させるValley Metroは,近畿車輌と50本の契約を交わしていま
すが,残りは日本での工程を終えると太平洋を渡り,ロサンゼルス港か
ロングビーチ港で陸揚げされ,12月以降は月に2本ないし3本の割合で,
フェニックス入りとなる予定です.また,試運転で一般の人の目に触れる
のは,2007年3月が見込まれています.

米国連邦政府のバイアメリカン法(buy American)で,製造作業の62%は
米国内で行う義務があるため,近畿車輌の関連会社である,Kinkisharyo
International社はアリゾナにも施設を建設すると,Valley Metroは発表
しています.そこでは最終工程が行われ,新たな雇用も生みます.

Jul. 10, 2006 First cars for Valley are right on track
(The Arizona Republic ニュースへのリンク)

Valley Metro Rail (Valley Metro 公式サイトへのリンク)
近畿車輌USAのサイトにある,イラスト :
VMR Valley Metro Rail
(Kinkisharyo International 公式サイトへのリンク)

Valley Metro Railは,その軌道は大半が道路上になります.現在軌道
工事がたけなわといったところのようです.
View recent construction photos
(Valley Metro 公式サイトへのリンク)

道路工事は混雑を招き,人が寄り付かなくなるため,沿線には頭痛の種
ですが,工事は今ところ予定通り進んでいて,一部の地域では年内にも
土木工事が終了するという報道が,6月下旬にありました.
第一期区間の全長20マイル(約32.2km)に及ぶ軌道が全て完成するのは,
2008年春の予定で,その後は試運転などが重ねられ,開業は2008年12月と
予定されています.

June 28, 2006 End in sight for light rail barricades
(Business Journal of Phoenix ニュースへのリンク)
Jun. 29, 2006 Light-rail work wraps up in some Valley areas
(Arizona Republic ニュースへのリンク)

フェニックス Valley Metro Rail関連 過去ログリスト :
2005/10/27 LRVモックアップ公開へ
2006/1/12 LRT工事期間中の手厚い対策
2006/2/27 LRT運賃で経費の三分の一を
2006/3/07 LRTレール敷設開始ほか
2006/5/14 LRT衝突事故への対策
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2006年07月10日

【バーゼル】ドイツへ越境するトラム延伸

バーゼル(Basel)は,ドイツ及びフランスとの国境に接する街ですが,
同市を擁するスイスで面積が最も小さい州の,バーゼル-シュタット州
(Kanton Basel-Stadt)は,経済的には両国との国境はないに等しく,
ドイツやフランスからバーゼル市内へ通勤する人も多いとのことです.

このため,通勤ラッシュ時には道路混雑に悩まされる地域も少なくなく,
それを解消するために,現在は国境の手前で折り返しているトラムを,
越境させる計画が,路線復活と新規延長の両方で幾つかあります.
それによればBVBのトラム8系統は,現在の終点Kleinhüningen(バーゼル
北部)から,ドイツのヴァイル・アムマイン駅(Weil am Rhein Bhf.)まで
新たに延長されることになっています.
BVB : Basler Verkehrsbetriebe (バーセル市内でトラムやバスを運行)

Weil(am Rhein)駅にはICEは停車しませんが,バーゼルSBB駅(ICE始発駅)
から,ドイツに向かって2つ目の駅で,Kleinhüningen地区からは現在も
路線バスが運行されています.

Liniennetz (系統図) (BVB 公式サイトへのリンク)
TNW Haltestelle "Kleinhüningen" Basel (電停の位置を示す地図)
(GeoPortal Basel-Stadt (Stadtplan) へのリンク)
TNW : Tarifverbund Nordwestschweiz
(スイス北西部の公共交通機関の運賃と共通化するアライアンス)


計画では,現在の終点からBahnhof Weil am Rheinまでの約2.8km,うち
ドイツ領内1.8kmの延長で,新たに設けられる終点には,パークアンド
ライドの設備を設けることになっています.上記地図の点線で示されて
いるバスの経路を通ることになりますが,工期を2つにわけ,第一期は
ドイツ領内に入ったFriedlingens地区までです.

今回,その路線延伸計画に関する報道がありました.ドイツ側のWeil市
でも費用を負担することを決め?,バーゼル-シュタット州評議会では,
トラム8系統の延長に,高い優先順位を与えました.

建設費はスイス側が1400万スイスフラン,ドイツ側が2千万ユーロで,
これらは連邦政府からの資金だけで?賄われるようです.
その他の設計にかかわる経費?(Planungskosten)や,開通後の運営費は
地元負担となり,運営費は,バーゼル市が延長されるトラム8系統分を,
ヴァイル市(Weil)は,やはり国境を超えて走る路線バス55系統分を受け
持つことで,相殺する?ようです.

06.07.2006 Stadt Weil soll an Grenz-Tram Nr. 8 bezahlen
06.07.2006 Tram nach Weil: Basel will Planungskosten mitzahlen
(Basler Zeitung ニュースへのリンク)
06.07.2006
Weil rückt näher ans Basler Tramnetz
(webjournal.ch ニュースへのリンク)

トラム8系統延長計画概要 :
ÖV-Programm 2006 - 2009 (PDFファイル)
Page 37 に記述があります.
6.2.2.1.3 Verlängerung der Tramlinie 8 ab Kleinhüningen bis Weil am Rhein Bahnhof
(Basel-Stadt: Kanton und Stadt Basel のサイトへのリンク)

しかし,Tram Forum Baselによれば,当のKleinhüningen地区には,
トラムに反対する意見も出ているそうです.
Tramlinien wachsen über die Grenzen
(Tramforum Basel へのリンク)

バーゼルは国境に近い街だけあって,昔は国境を越える路線がいくつも
ありました.今もBLTが運行するトラム10番は,終点Rodersdorfはスイス
ですが,途中フランスを通り,電停(Leymen)も設けられています.
Die BLT-Linien mit den Umsteigebeziehungen im Überblick Tram:10
längste internationale Tramlinie Europas (JPGファイルの概略図)
(BLT 公式サイトへのリンク)
BLT : Baselland Transport

その他のトラム越境計画は,2005年現在の概略を英語で記したサイトが
あり,それによれば,トラム8番以外では路線復活と新規延長の両方の
フランスへの乗入れとなっています.
29.09.2005 - Basel's public transport strategy
(Zürich trams - unofficial homepage 英語版へのリンク)


誤訳や誤解で内容が間違っている可能性もあります.ご容赦ください.
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2006年07月09日

【カッセル】予算削減でRegioTramに打撃

これまで年間8500万ユーロだった補助金が,今後は年々950万ユーロずつ
減額されて,2009年の段階では今より2840万ユーロも少なくなることで,
額は今後の交渉で多少上下するかもしれないものの,カッセル(Kassel)を
中心とする北ヘッセン州のNVVでは,路線網の再編に着手せざろう得ない
ようです. NVV : Nordhessischen Verkehrsverbundes

6月下旬に投入路線がまた一つ増えた,レギオトラム(Regiotram)が対象に
なっています.
計画では,2006年1月下旬に電気とディーゼルのハイブリッドRegiotramが
走り始めたばかりの,Kassel市内線とHessisch Lichtenauを結ぶRT2が
廃止されそうです.急行運転はなくなり,カッセル市内線を走る路面電車
車両が,4系統としてHessisch Lichtenauまで行くだけになります.

Regiotram用として28本あるRegioCitadisは,どこかに売却か貸出しする
という案があります.KasselとSchwalmstadt間の路線で現在使われている
車両(電機+客車)の置き換えとして,2007年12月から投入という具体的な
話もあります.Schwalmstadtは文字通り街の名前で,この名前では駅が
ありません.カッセルからGießen経由でフランクフルトに至る,Main-
Weser Bahn線上の,いずれかの駅でしょう.一方,6月下旬に客車列車
からRegioTramに新たに置き換えられたRT5系統(Kassel - Melsungen間)
は,現状通りで将来も減便は予定されていません.

RegioTram関連以外でも,列車の運転が取り止められる区間,逆に増発が
検討される区間もあるようです.いくつか候補に挙がっていました.
また,2007年に運賃の5.9%値上げが予定されています.

06.07.2006 Hessen NVV stellt Weichen für Nahverkehr
07.07.2006 Hessen Einschnitte noch unklar
07.07.2006 Fritzlar-Homberg Tram-Wagen aufs Land
07.07.2006 Melsungen Fahrplan wie gehabt
(HNA.de Hessen ニュースへのリンク)

RegioTram (NVV 公式サイト へのリンク)

系統図などは,ウィキペディアのほうが見やすいかもしれません.今後
編集される可能性がありますので,リンク先は投稿時点のものです.
RegioTram Kassel (ドイツ語版 Wikipediaへのリンク)

今回の報道とは直接関係はありませんが,カッセル中央駅(Hauptbahnhof)
(Kulturbahnhof)の改良工事が進展しているようです.少しずつ姿を現し
ている様子が,下記リンク先(下段)の最新の画像で確認できます.
2007年夏には,ドイツ鉄道線からカッセルの市内線軌道に乗入れが可能と
なるというもので,RegioTramは,そのルートを通ってトラムトレインに
変身します.
RegioTram - News 2006 (情報豊富なサイトのニュース欄)
Umbaumaßnahme Kassel Hbf. für die RegioTram 01.07.2006 (01.07.2006)
(www. Tram-Kassel. de へのリンク)

追記 : 2006/07/13
NVVと連邦政府の交渉の結果,NVVは2440万ユーロの削減のうち,
2009年まで1440万ユーロを補償分として,獲得できるようになり
ました.これにより近郊列車運転系統再編のうち,RegioTram関係
は,次の通りになるようです.

* RT2 (Lossetalbahn Kassel - Hessisch Lichtenau)
現在3往復のうち,朝の1往復だけ残して廃止,市電4系統も3往復
廃止により,全体で10%の減便に.
* RT3 (Diemeltalbahn Kassel - Warburg)
Hofgeismar-Hümmeから先(Warburg)への運転を廃止,Hofgeismar
までの運転に短縮.
* RT5 (Fuldatalbahn Kassel - Melsungen - Bebra)
KasselからMelsungenまで現行通り.
* カッセル路面電車2系統,5系統 (Kassel - Naumburg)
Baunatal地区までのKNE区間?で各3往復が廃止.
KNE : Kassel-Naumburger Eisenbahn

* RT4 (Kurhessenbahn Kassel - Wolfhagen - Korbach)
2006年12月から実施のダイヤ改正から運転開始予定で,計画より
1往復減の5%削減に.
* 2007年第二四半期より,新路線のKassel-Schwalmstadt間で運転
開始予定.

12.07.2006 14,4 Mio. für NVV
12.07.2006 Die Bahn kommt bald seltener
(HNA.de Hessen ニュースへのリンク)

下段の記事には,HNA紙が描いたRegioTramの路線図があり,下記
リンク先には,現行のRegioTram路線図がありますので,見比べて
みるといいでしょう.
Der Linienplan des RegioTram-Netzes (GIFファイル画像)
(NVV 公式サイトへのリンク)


カッセル RegioTram(レギオトラム)関連 過去ログ :
2005/9/06 トラム-トレインの中央駅を着工
2005/12/09 RegioTramに追加の資金援助
2006/1/08 ハイブリッド トラム運転開始ほか
2006/1/31 ハイブリッド レギオトラム早くもダウン?

誤訳や誤解で内容が間違っている可能性もあります.ご容赦ください.
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2006年07月08日

【シアトル】路面電車の着工式行なわれる

シアトル(Seattle)中心街の北部に位置し,ユニオン湖の南岸にあたる
サウス・レイク・ユニオン地区(South Lake Union)の再生をかけ,5050万
ドルを投じるストリートカーが着工されました.建設費の半分は,開通に
より土地価格が上昇して利益を享受する地主が負担し,残りは地域と連邦
政府からの補助金,広告からの収入,市所有地の売却益などで賄うことに
なっています.

路線長1.3マイル(2.1km弱)となる路面電車は,2007年秋の開業を目指し
ています.開業後はシアトル市内のバスを走らせているキング郡のメトロ
トランジット(King County Metro Transit)が運営にあたり,年間30万人
から35万人の利用が見込まれていますが,サウスレイクユニオン地区には
2020年までに,2万人分の雇用と,1万7千人分の住居が新たに生まれて
いる予定です.

7/07の昼下がりには,この路面電車の着工式とブロックパーティーが,
上院議員や市長などが参列して行なわれたそうです.
上下線が分かれて部分的に単線区間となるTerry Avenueの,Harrison
Streetと,Republican Streetの間での話です.

Mayor Breaks Ground for South Lake Union Streetcar
(City of Seattle News Advisory へのリンク)
The South Lake Union Streetcar: Construction
Seattle's Center City Streetcar Network
(City of Seattle 公式サイトへのリンク)
下段のリンク先には,シアトル市内にさらに路線を広げる構想と,その
地図が掲載されています.

報道関係では,今のところシアトルタイムス紙が取り上げています.
同紙は本社が路面電車税の対象地域にあり,地主でもあることから,
建設費を出していて,関心が高いのかもしれません.
Seattle breaking ground today for South Lake Union streetcar
Planned streetcar route (詳細な地図)
(Seattle Times ニュースへのリンク)
下段のリンク先の地図は,通りの名前から電停の位置まで出ています.

記事では,オレゴン州ポートランドの市電がモデルになっていることを
盛んに紹介しています.その書き出しも,ポートランドへの羨望の思い
(envy)を鎮める,小さな一歩を着工で踏み出したというほどです.

また,サウスレイクユニオンの電車は新鋭車両が使われるため,運休中の
ウォーターフロントストリートカーよりは早く走れるものの,タコマの
ライトレールのような,きびきびとした走りは出来ないとしています.
理由は,タコマが道路上を走りながらも,大半の軌道敷が自動車の進入
から守られているのに対し,サウスレイクユニオンでは,電車と自動車が
ポートランド市電のように同じ車線を走るからだとしています.

一部には車線を分けるべきという意見もあるようですが,建設が短時間で
済むこと,沿線を分断する影響が少なくて済むこと,短距離なので車線を
分けても時間短縮効果が限られること,そして費用も少なくて済むこと
が,同じ車線を走ることにした理由のようです.

サウスレイクユニオン(South Lake Union) 路面電車関連 過去ログ :
2005/10/05 ストリートカー特別税
2006/3/29 沿線出資の路面電車にGOサイン
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2006年07月07日

【インスブルック】中心街改修で軌道撤去

インスブルック(Innsbruck)で,長らく議論が重ねられていた話に決着が
つきそうです.
インスブルック中央駅の西にあり,中心街を南北に走るマリアテレジア
通り(Maria-Theresien-Straße)は,インスブルック随一のショッピング
街で,現在自動車の通行が禁じられる歩行者天国になっています.
同時にインスブルック交通会社(IVB)が運行する路面電車が一部を通行
する,トランジットモールでもあります.
このマリアテレジア通りを改修するにあたり,市電をこれまで通りに走ら
せるか,それとも軌道を撤去してしまうか,という問題がありました.

最終的な市議会による決定は来週ですが,マリアテレジア通りの北半分
から路面電車を追放することが,ほぼ確実になったようです.
一般の自動車も引続き通行できませんが,旧市街で摘要されているのと
同様に,納品や配送の車両は,午前中限定で走れるようになります.
また,観光用の路線バス(ts)が走っていますが,これも引続き継続され,
締め出されるのは市電だけです.

現在マリアテレジア通りの北半分(北はMarkt-/Burggrabenから,南は
Anichstraßeまで)は,単線の軌道が走っています.下に系統図のリンクを
紹介しますが,2つの系統で市内を循環するループ線の一部として使わ
れているようです.200m前後の区間には,電停が1か所あるだけで,周囲
には代替になる路線も用意できそうなことから,この通りの区間が廃止に
なっても,それほど大きな影響はないかもしれません.トラムがなくても
人は集まってくるのでしょう.報道によれば,市民と商店オーナーらへの
アンケート結果でも,軌道撤去に賛成が優勢だったようなことが記されて
いました.

理由は,費用の問題もさることながら,景観上の問題です.

軌道を外すのと同時に架線も取り外されますが,どうもこれが目的のよう
です.通りの中ほどにアンナ記念柱(Annasäule)という塔がありますが,
架線がなくなれば,ゴールデンルーフ(Goldenen Dachl)まで見通しが利く
ようになる(原文ではfreie Sichtachse)というのです.
(今でもマリアテレジア通りから,ゴールデンルーフを見ることができ
ますが,確かに視界に架線が入ってしまいます.下記にリンクを紹介した
flickr にある画像でも確認できます)


インスブルック市からの公式発表 :
Aus dem Stadtsenat am 11. Jänner
Aus dem Stadtsenat am 5. Juli 2006
(Stadt Innsbruck 公式サイトへのリンク)
上段は今年1月の問題提議で,下段がほぼ決定を伝えるものです.

報道 :
5. Juli 2006 Lostag für Innsbrucks Maria-Theresien-Straße
6. Juli 2006 Ibk: Senat kickt Straßenbahn aus der Prachtstraße
(Tirol Online ニュースへのリンク)

報道に出てくる建造物 : (どちらもドイツ語版 Wikipediaへのリンク)
マリアテレジア通りにある Annasäule (ドイツ語版のみ)
Goldenes Dachl (英語版へのリンクあり)

ファンサイトでもこの件を伝えています :
Tram muss aus der nördlichen Maria-Theresien-Strasse weichen
(www. strassenbahn. tk へのリンク)

現在の路面電車 路線 :
IVB fahrplan // liniennetzplan (PDFファイルの公式系統図と路線図)
(IVB 公式サイトへのリンク) IVB : Innsbrucker Verkehrsbetriebe
非公式サイト Innsbruck: System Map (Tramwaycafe へのリンク)

周辺地図 :
ワンクリックで見ることができるのが,他に見つけられませんでした.
Maria-Theresien-Straße (Google Maps) サテライトモード不可

多少操作が必要ですが,軌道敷らしきものまで確認できる地図 :
Online-Stadtplan (Stadt Innsbruck へのリンク)
Viewの中から「Stadtplan」を選択,その下の「Adressen」はそのまま,
Straßeのリストから「Maria-Theresien-Straße」を選び,Hausnr.は何も
選択せずにStart Searchボタンをクリックすると,通りに面して住所が
Maria-Theresien-Straßeの建物全てが色づけされます.

flickr で見る Maria-Theresien-Strasse (Most relevant)

インスブルック 過去ログ : 2006/5/04 低床車受入れ準備工事
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2006年07月06日

【デンバー】予算削減で新設LRT設計変更か

コロラド州デンバー(Denver)と,その周辺の都市圏を結ぶ公共交通機関の
根幹となるFasTracksは,総額47億ドルに及ぶ大プロジェクトです.
2004年の住民投票で,売上税をこの計画に投じることが承認されました.

このFasTracksは,放射状に伸びる8方向とデンバー中心部の合計9つの
ルート(Corridor)からなり,そのうちの6ルートが新設,3ルートは既存の
LRTの延伸という形をとります.新設の6ルートのうち,ライトレールが
採用されるのは3ルートで,残りの3ルートは大型車両による通勤鉄道,
コミューターレールになります.(うち1つはBRTも併用)

9ルートとは言っても,これらが同時進行しているわけではありません.
5ルートはまだ準備段階です.最も進んでいるのは,デンバーと西隣りの
ゴールデン(Golden)を結ぶ,12.1マイル(約19.5キロ)のWest Corridor
で,LRTが計画されています.

先日話題に上げた,Boulder(ボルダー)とLongmont(ロングモント)を
デンバーと結ぶルートは,US 36 Corridor/Longmont Extensionと呼ば
れていて,デンバーとボルダー間はBRT(bus rapid transit)を併設予定
ですが,このルートと,DIA空港へ向かうEast Corridorが,続く二番手
で,現在ディーゼルカーにするか,電車にするかを現在検討中です.
DIA : Denver International Airport

West Corridorは,既に環境影響調査も承認され,先月は総合建設請負
業者なども選ばれて,現在最終的な設計段階にきています.
しかし,ここにきて建築資材の高騰,特に鉄鋼やセメントの価格が急上昇
しているため,建設費の上昇が明らかとなりました.
RTDは先週,FasTracks向けの47億ドルのうち,West Corridor分とされて
いた5億9300万ドルを,5億800万ドルまで減額しました.9ルート分47億
ドルに関しては,多少の余裕を含んでいます.全てが完成するまで12年も
要するプロジェクトのため,正確な費用を算出できないためです.
しかし,住民には予算オーバーにならないことを約束していますので,
抑えられる部分は,極力節約しなければなりません.
West Corridorの予算減額は,トンネル区間を高架に変更したり,区間を
短くするなどで行われ,通行ルートの一部変更を伴うものになります.
なお,ルート変更により,新ルートでの騒音,振動,安全性などの影響
調査も,一部補足する必要性が生じました.沿線住民からの反対意見も
出ています.結論は2007年初めになるようで,着工は2008年内に行い,
2013年開通の見通しです.

このような予算削減による設計変更は,他のルートでも起きるだろうと
みられています.

Fastracks Plans (地図と計画の概略)
West Corridor (地図と計画詳細)
(RTD 公式サイトへのリンク)
RTD : Regional Transportation District

June 28, 2006 RTD urged to make FasTracks cuts
July 5, 2006 Inflationary costs have FasTracks on defensive
July 5, 2006 FasTracks trains: Diesel vs. electric
(Rocky Mountain News ニュースへのリンク)

デンバー 過去ログ :
2005/12/01 空港への鉄道はLRTが不利に
2006/4/10 LRTストの影響は果たして...
2006/5/17 LRTを路面電車に変換?
2006/6/22 コミューターレールは電車かDCか
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2006年07月05日

【フランクフルト】Sバーン地下区間3週間運休

夏休み期間中の運休に関する報道が続きます.
フランクフルトでは市内中心部を走るSバーン(S-Bahn)の地下区間が,
今月末から3週間にわたり,工事で全面運休になります.工事は地下の
転轍機更新(Weichenerneuerung)で,夜間だけでは工事が不可能なため
終日運休にしなければならないようです.

Hauptbahnhof(中央駅)とKonstablerwache間,約1.4キロの区間にある,
30か所のポイントを交換するために,7/31から8/18までの期間,同区間
ではUバーン又は路面電車が代替輸送機関となり,Sバーンは前後の駅で
折返し運転になるというものです.このポイント交換と同時に,トラック
220台分の?バラストも,道床とともに入替えられるようです.

旅行客が一番利用することの多い,S8系統(Wiesbaden - Hanau)では,
ヴィースバーデン(Wiesbaden)から空港駅を経由してフランクフルトに
向かう電車は,Frankfurt Hauptbahnhof(中央駅)止まりとなり,地下駅へ
行かずに地上ホームでの折返しになります.地下ホーム(tief)も工事の
関係で使用できないためです.一方,反対側のハーナウ(Hanau)側では,
8/07までコンスターブラーヴァッヘ(Konstablerwache)での折返しで,
8/08から8/18までは,ハウプトバッヘ(Hauptwache)での折返しです.

なお,トンネル自体の工事ではないため,ハウプトバッヘ(Hauptwache)と
コンスターブラーヴァッヘ(Konstablerwache)の間は,Uバーン(地下鉄)の
U6とU7が同じトンネルを共用して走っていますが,Uバーンは影響を受け
ずに,一番頼りになる代替交通機関として増発されるようです.

Taunusanlage駅だけは,代わりの交通機関がありませんので,距離的に
一番近い,U6, U7のAlte Oper駅から歩くしかないようです.この駅の
一日に2万5千人が利用する8割は,近くにツインタワーを構えるドイツ
銀行(Deutsche Bank)本店の従業員だそうです.

Weichenerneuerung im Frankfurter S-Bahn-Tunnel
(Deutsche Bahn AG プレスリリースへのリンク)
Bus & Bahn aktuell
vom 31.07.2006 bis zum 19.08.2006 以下の部分
Informationsbroschüre Sperrung des S-Bahn-Tunnel in Frankfurt vom
31.7. bis 18.8.
(PDF, 660 KB)
(Rhein-Main-Verkehrsverbund へのリンク)

下記ニュースサイトは,運休区間と期間のわかる系統図も載せています.
Drei Wochen ohne S-Bahn
(F.A.Z. ニュースへのリンク)
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2006年07月04日

【ソルトレイク】乗客数自動計測装置導入へ

ユタ州ソルトレイク(Salt Lake City)都市圏で,TRAXと呼ぶLRTを運営
するUTAは,ドイツのカールスルーエを本拠とする,テレマティックスを
専門とする会社と,ライトレールの乗車人員を自動的に数える装置導入の
契約を交わしたそうです.
UTA : Utah Transit Authority

その会社のリリースによれば,米国では公共交通機関が資金を獲得する
際に,その金額は旅客数に左右されることから,乗車人員の計測は重要な
問題で,それにもかかわらず,これまでは時間もお金も掛かる手作業で
行われてきました.
今回ドイツの会社による赤外線を使った技術を導入することで,旅客数は
APCにより自動的に正確なカウントが可能で,しかも,そのデータは無線
LANを通じてセンターに集計され,車両運用の効率化も図れます.この
APCシステムは,TRAXのLRV41本に装備されることになっています.また,
オプションで28本の契約もあります.
APC : Automatic Passenger Counting

UTAの公式サイトにある,Fleet Fact Sheetによれば,シーメンス製の
SD-100とSD-160は,合計40本,一方サンノゼのVTAから1本約25万ドルで
2004年に購入したUTDC車両は,29本だそうです.
新車を導入すれば1本250万から300万ドルもするところを,その十分の
一の価格で手に入れたこのUTDC車は,UTA線内で運転できるようにアップ
グレード中とありますので,多少数字に差がありますが,まずはSD-100と
SD-160に装備して,その後はオプションでUTDC車に装備するという契約
内容なのでしょう.
UTA Fleet Fact Sheet (PDFファイル)
(UTA公式サイト Fact Sheetsへのリンク)
UTA TRAX (英語版 Wikipediaへのリンク)

カールスルーエの会社のサイトに英語版ニュースリリースがありました.
また,ドイツ語版のリリースそのままが,カールスルーエの新聞サイト
にも掲載されています.
29. Jun 2006 Salt Lake City awards large-scale contract to INIT
(init innovation intraffic systems AG ニュースリリースへのリンク)
Fahrgastzählsystem erobert US-Markt
(Online-Tageszeitung für Karlsruhe ニュースへのリンク)

INITのサイトによれば,米国の他のLRTでも,コロラド州デンバーと,
ミズーリ州セントルイスで,この会社のAPCを採用しているそうです.
デンバーの紹介ページには,ドア上に設置される赤外線センサーの画像も
あります.また,このシステム自体は,下段のMOBILE-APCのページで,
英語により簡単に説明されていました.
Denver/Colorado
MOBILE-APC
(INIT 公式サイトへのリンク)

セントルイス(St. Louis)の例は,昨年8月にミネアポリスで行われた,
Intermodal Operations Planning Workshopで紹介されており,その時の
発表内容が,2.7MBのPDFファイルになっています.
Session 10: Using New Technology to Improve Service Planning and
Scheduling
Efficient Collection of Ridership and On-Time Performance Data
(PDFファイル) (APTAのサイトへのリンク)
APTA : American Public Transportation Association

INITのサイトのPublicationsのページからもダウンロードできます.
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2006年07月03日

【ミュンヘン】市電の新路線が認可される

ミュンヘン(München)のトラム23系統(Linie 23)が,オーバーバイエルン
行政府(Regierung von Oberbayern)により認可されました.
ミュンヘン市電を運営するMVGの親会社SWMは,2004年に計画をとりまと
めた上で,ミュンヘン市より上位でバイエルン州より下位にあたる行政
区域(Regierungsbezirk)のオーバーバイエルン政府に計画を申請して,
2005年10月に公開討議などが行なわれていました.

SWM : Stadtwerke München GmbH
ミュンヘン市の公共サービスなどを管轄する下位組織で,市電をはじめ
として,地下鉄Uバーンやバスの交通機関を運営するMVGなどを子会社と
して傘下にもっています.
MVG : Münchner Verkehrsgesellschaft

報道機関は特に関心を払わなかったようで,ニュースのサイトには記事が
ありませんでした.今のところ鉄道関係の情報サイトと,当局のプレス
リリースだけに留まっています.
Grünes Licht für neue Tram!
Regierung erlässt Planfeststellungsbeschluss für neue Linie 23
zur Parkstadt Schwabing
(Stadtwerke München GmbH プレスリリースへのリンク)
Grünes Licht für neue Tram! (SWMと同じ内容)
(MVG プレスリリースへのリンク)
Neue Tram für München
Grünes Licht für Straßenbahnlinie 23 Münchner Freiheit – Frankfurter Ring
(Regierung von Oberbayern プレスリリースへのリンク)
Planfeststellungsbeschluss für Linie 23 ergangen
(BahnInfo-Aktuell へのリンク)

これで建設が決まったものと思いますが,開通予定はFördergeberに異存
するとあります.Fördergeberという言葉は手持ちの辞書にも無いので,
サイト上で検索してみたところ,スポンサーとか資金源という意味のよう
ですので,資金次第ということなのでしょう.一応MVGの見通しでは,
2007年春の着工ということです.

MVGのサイトには,23番トラムの専用ページが用意されていて,PDFファ
イルで路線図なども確認できます.
München bekommt eine neue Trambahnlinie!
(Pläne zur geplanten Tram 23) (MVG 公式サイトへのリンク)

23系統は,UバーンのMünchner Freiheit駅(U3, U6)から約3km北に伸び,
途中7か所に電停が設けられ,開通後は10分間隔で,Frankfurter Ring
(環状道路)まで約7分で結ぶことになっています.
途中Parzivalplatzからは,貨物線の廃線跡の敷地を利用するようです.
そのあたりから,路線の東側にParkstadt Schwabingが広がりますが,
ここは直訳すると,公園都市シュヴァービングということで,そこには
大量の雇用と住居が出来るため,バスだけでは輸送力不足と判断されて,
路面電車の出番となった次第です.

ミュンヘンのシュヴァービング地区に出現した,公園に囲まれた都市機能
に関しては,下記サイトで画像とともに知ることが出来ます.
Das Projekt (Parkstadt Schwabing へのリンク)

この23番は,実は既存の路面電車の路線網から独立しています.また,
都心に出るには地下鉄(Uバーン)に乗り換える必要があります.Münchner
Freiheitから中心街最寄のMarienplatzまで,地下鉄なら6分です.これが
路面電車で中心部まで伸ばすとなると,資金もそれだけ増えますし,所要
時間も地下鉄のようなわけにはいかないでしょう.それに何より街中に
これ以上軌道を敷けないのかもしれません.
もちろん車両の行き来が必要ですので,MVGのPDFファイルにある路線図
にも記されていますが,前述のParzivalplatzから,トラム12番の終点
Scheidplatzまで,連絡線も建設されるようです.

なお,オーバーバイエルンは今回の新路線は全線にわたり,特定の品種と
大きさの樹木を,軌道に沿って植えるように定めました.英国庭園内の
通行を認めなかった話
が思い起こされます.

Parkstadt Schwabing in Google Maps (Hybrid)
左手に見える,上下に木に覆われた部分が,恐らく廃線跡なのでしょう.
この撮影時期には,まだParkstadt Schwabingは建設たけなわといった
感じです.画面をどんどん北のほう(画面の上のほう)にマウスで移動して
いくと,やがてFrankfurter Ringが見えてきます.
Parzivalplatz in Google Maps (Hybrid)
Münchner Freiheitから,このParzivalplatzまでは,Leopoldstraßeの
真ん中を走ることになります.画面のParzivalstraßeに沿って,西側に
(画面左側に)移動していくと,ここを連絡線が通ることになりますが,
Uバーン(U3, U8)のScheidplatz駅の地表が見えてきます.Uマークが見え
るあたりが,ちょうどトラム12番のループです.
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2006年07月02日

【JFK】空港連絡AirTrainは大赤字だった

ニューヨークの空の玄関,ジョン・F・ケネディ空港(JFK)には,2003年
12月から各ターミナル間の移動や,最寄の地下鉄駅と鉄道駅などを結ぶ,
無人で自動運転される新交通システムが走っています.
AirTrainと呼ばれる8.1マイル(約13km)の新交通システム建設には,19億
ドルと,完成までトラブルもあって5年の歳月が費やされました.建設費
は,PFCという形で$3が航空運賃に上乗せされ,JFKを出発する航空旅客に
よって間接的に賄われたことになります.
PFC : Passenger Facility Charge

また,年間の運営費には4500万ドルを要しますが,これに対してニュー
ヨーク州やニューヨーク市からは補助金が出ないため,運賃は$5と比較的
高額に設定されています.地下鉄が全線で2ドルなのに対して,せいぜい
10分前後の乗車に対して5ドルも掛かりますが,それでもタクシーに比べ
れば安いですし,運賃が必要になるのは,地下鉄駅や鉄道駅からの発着
のみで,ターミナル間の移動とかなら無料で利用できます.改札口は,
乗換駅(Howard Beach, Jamaica)にしかありません.

このAirTrainが,開業から2年と4ヶ月(2006年3月まで)の間に,実に7千
万ドル近くの赤字を出していたことが,明らかにされました.
もっとも,当局PANYNJの反応はさめたもので,AirTrainは旅客サービスの
ためのもので,これで利益が生み出されるわけではなく,将来も収支が
あうこともないとのことです.同じPANYNJが運営する,マンハッタンと
ニュージャージー州のニューアーク(Newark)を結ぶ,通勤鉄道のPATHに
至っては,年間2億5千万ドルの赤字なのだそうです.
PANYNJ : Port Authority of New York and New Jersey
PATH : Port Authority Trans-Hudson

06/29/2006 : State Of The AirTrain: System Losing Millions
(6/29付け Queens Chronicle ニュースへのリンク)
タイトルの冒頭,State Of The AirTrainは,最先端の..という意味の
"state of the art"を引っ掛けているのでしょう.


この記事によれば,利用者数は次第に増えていて,2006年5月の時点では
一日平均1万人強が,運賃を支払って利用しているそうです.運賃不要の
ターミナル間の移動は別にしてです.しかし,この数字も,開業時に予測
されていた,1万1千人に僅かにまだ及ばないというものでした.
また,ドアの不具合などもあるようで,利用客の評価もあまり芳しくない
ようです.

AirTrain JFK (トップページ)
GETTING AROUND JFK AIRPORT (路線図と運転頻度など)
(PANYNJ 公式サイトへのリンク)
AirTrain JFK (より詳細な地図あり)
(英語版 Wikipedia へのリンク)

車両などの画像 :
JFK Airtrain (www.nycsubway.org へのリンク)
flickrで見る AirTrain JFK (Most interesting)
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2006年07月01日

【シアトル】バス代行からの復帰に暗雲

1982年にシアトルで復活した路面電車は,1920年代製の年代モノの電車が
ウォーターフロント地区を走ります.市営ではなくキング郡が運行する
このGeorge Benson Waterfront Streetcar,通称ウォーターフロント・
ストリートカーは,観光客にも人気がありました.
しかし,昨年11月に運行を一時休止することになります.北側の終点に
あった車庫の場所を,シアトル美術館オリンピック彫刻公園に明け渡さ
なければならなかったからです.(Olympic Sculpture Park)

そこで,存続を望むシアトル市とキング郡は車庫の代替地を決め,新しい
車庫が完成する2007年夏まで,一時的に全線でバス代行となりました.
ここまではここでも紹介しています.なお,代行バスは電車と同じ塗装を
施されているようで,下記サイトに画像があります.
George Benson Waterfront Streetcar Line Metro Route 99
(キング郡 Metro Transit 公式サイトへのリンク)

ところが,この計画に暗雲がたちこめます.
新しい車庫は出来ないかもしれないというのです.新車庫は南側の終点に
近い,Occidental Parkに建てられる予定で,隣接するPioneer Squareを
開発する業者が,小売店や駐車場,コンドミニアムなどとともに建設する
ことになっていました.この業者が,市と郡との間で同意していたこの話
から手を引くと言ってきたのです.

Pioneer Square周辺には,新たに建造物を建てる際の建物の高さ制限が
あります.周囲が古い街並みが残る地域だからです.それでも,車庫を
地上に設けることにより,収益を生むスペースがその分減るため,その
業者にだけは,高さ制限の例外(記事原文ではvariance)を認めることに
なっていました.市長は,それを市議会に指示します.しかし,市議会が
なかなかこの手続きをとらず,その間に商機を逸したというのが,開発
業者の言い分です.
Occidental Park in Pioneer Square
(Windows Live Local Bird's eyeへのリンク)
樹木に覆われた一角がOccidental Parkで,画面では上下に走る通りに
軌道が走り,上には交換所も見えます.


これは,市長と市議会の大物との間の,縄張り争いに巻き込まれたのでは
ないかという説もあるようです.また,市もストリートカーを運行する
郡にも,この新車庫に代わる案がないため,業者が市と郡からより多くの
資金を引き出させるための交渉ではないか,ともみられているようです.
いずれにしても,新車庫が出来なければ,ウォーターフロントストリート
カーの運行再開は不可能ということになってしまいます.

シアトルの二大新聞がこの件をウェブ上でも報じています :
Vintage streetcar may go down in history (again)
Waterfront Streetcar: Smell something? (opinion)
(6/29付け Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)
Trolley-maintenance barn plan on hold; streetcar future unclear
(6/29付け Seattle Times ニュースへのリンク)

Seattle Post Intelligencer紙は,South Lake Unionのストリートカーの
話も絡めています.サウス・レイク・ユニオン地区だけではなく,市内
広範囲に路面電車を走らせる可能性の調査を,シアトル市が行なっている
という話から,South Lake Unionの電車と車庫を共用させて,走る場所も
ウォーターフロントではなく,別の通りにしたらどうかというような話も
出ているようです.
そのSouth Lake Unionの路面電車は,2007年開業を目指していますが,
いよいよ7月第一週から建設が開始されそうです.

ウォーターフロント・ストリートカー運休関連 過去ログ :
2005/8/06 ウォーターフロントをゆく路面電車しばしのお別れ?
2005/10/09 車庫没収で路面電車運休に

サウスレイクユニオン(South Lake Union) 路面電車関連 過去ログ :
2006/3/29 沿線出資の路面電車にGOサイン


一方,同じシアトルでやはり昨年11月より一時的に運休しているのが,
シアトル・センターへ行くモノレールです.こちらは事故のためでした.

そのモノレールの運転再開に向けた試運転が,行なわれたようです.
運転再開は7月と紹介していましたが,現時点では8/01が予定されている
ようです.ただし,公式サイトでは日付までは案内していません.
Monorail's two trains to undergo test runs
(Seattle Times ニュースへのリンク)

Seattle Center Monorail
(Seattle Monorail Services. 公式サイトへのリンク)

シアトル・センター・モノレール事故関連 過去ログ :
2005/11/28 衝突のモノレールは年内再開が絶望的
2005/12/04 モノレールの欠陥配線はモールが原因
2005/12/25 モノレール 営業再開への選択肢
2006/2/10 モノレール7月再開を目指す
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | 米国北西部 I このエントリーを含むはてなブックマーク
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