2006年09月29日

【シャーロット】5年後に決定延期とLRT危機

ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)都市圏の公共交通網整備
計画で,輸送機関をバスラピッドトランジット(BRT=Bus Rapid Transit)
にするかライトレールかの決定が,先月から先送りになっていた話があり
ました.シャーロットから南東方向の衛星都市,マシューズ(Matthews)へ
向かうSoutheast Corridorです.
2006-08-24 LRTとBRT どちらを選ぶ?
今週水曜に委員会が開かれ,委員による投票の結果,BRTにするかLRTに
するかの結論を下すのを,少なくとも5年先まで遅らせることにしたと
いう報道がありました.

委員会(Metropolitan Transit Commission)ではBRTを望んでいましたが,
ライトレール派の声も多く,鉄道でなければ沿線にあたるIndependence
Boulevardのビジネスの助けにはならず,地域の活性化にもならないと
し,建設費は高くても,長期的にはその見返りがあるはずと主張していた
のです.委員が賛成多数で結論を5年先に延期したのは,今ここで決定を
下して,将来ライトレールへ(BRTからの転用?)の道を閉ざすことを避け
たいということもさることながら,時間をかけてライトレール派の声を
鎮めようという狙いもあるようです.

サウスイーストコリドー(Southeast Corridor)への大量輸送公共交通の
導入は,今回の決定延期により,着工が当初予定の2010年は無理となり,
早くても2011年か,それ以降の着工になることが確実となりました.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
CATS : Charlotte Area Transit System
2025 Corridor System Plan 5方面への交通整備計画概要
サウスイーストコリドー Southeast Corridor 計画概要
(CATS 公式サイトへのリンク)

5年先に結論を持ち越すという報道 :
September 28, 2006
Commission Delays Vote On Mass Transit In Southeast Charlotte
(WSOCTV.com ニュースへのリンク)
Thu, Sep. 28, 2006 Rail? Bus? Neither for now
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)
9/28/2006 Officials put off SE light rail decision
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)

一方,シャーロットではSouth Corridorに建設中のライトレール,Lynxの
試運転が行なわれていますが,その予算超過が今月初めに発覚した件が
ありました. 2006-09-09 LRT設計問題で経費膨れる

この話題で今週は持ちきりでした.関係者らが予算オーバーを以前から
知っていたことが判明,CATSのCEOが辞職を求められる一幕もあったそう
です.CEOは続投を表明しましたが,関係者らは今週順番にシャーロット
市議会で追求されていました.

一連の騒動の後,ライトレールに投入される0.005%(half-cent)の売上税
を,他の交通関係に税金を回そうという動きが出てきました.売上税を
投入することを廃止にする動議を,2007年11月の住民投票に盛り込もうと
しているのです.この住民投票にかけられるかどうかは,5万人以上の
署名が必要ということで,専用ウェブサイトまで立ち上げられました.
Stop The Train Mecklenburg

ライトレールへの税金投入停止を求める声があるという報道 :
9/26/2006 County GOP calls for light rail cuts
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)
September 28, 2006
Some Leaders, Residents Call For Repeal Of Tax Funding Light Rail
(WSOCTV. ニュースへのリンク)

二つの話題の過去ログ :
2006-09-09 LRT設計問題で経費膨れる
2006-08-24 LRTとBRT どちらを選ぶ?
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2006年09月28日

【シカゴ】サークルライン計画でLRTは除外

交通機関が整備されれば,2016年夏季オリンピックの招致合戦でシカゴが
少しでも有利になることもあって,サークルライン(Circle Line)計画が
急ピッチで進められています.
2002年に計画の全容が明らかにされていますが,具体的なルートだけで
なく,どの輸送機関を用いるか,実に134通りもあった候補の中から,
今年5月の第一次説明会の際には,14にまで絞り込まれていました.

サークルライン(Circle Line)とは,シカゴ郊外からダウンタウンを通る
ことなく,他の地区へ向かうための手段です.ダウンタウンの交通量を
減らすことが目的で,シカゴのループから放射状に延びている鉄道(CTAと
通勤鉄道のMetra)の,ほとんど全ての路線と接続をとります.
CTA : Chicago Transit Authority
Metra : Northeast Illinois Regional Commuter Railroad Corporation

ルートに関しては,5月の段階で6から3に絞り込まれていました.東側に
ミシガン湖が広がるシカゴでは,郊外は西に広がっています.どこまで
西に寄ったところに,サークルラインを通すかが各案の違いでした.
これが今週のCTAによる第二次説明会では,2つになります.
残った候補はAshland Corridorと,Ashland/Ogden Corridorで,下で紹介
する記事では,文字で地名だけによる説明がなされています.大まかな
地図は,CTAからの9/14付け案内にPDFファイルへのリンクがあり,その
中に5月の時に説明されたものが載っています.
どちらもAshlandを通るということは,今年6月より暫定的に走らせている
ピンクライン(Pink Line)の,Paulina Connectorが活用されることになる
のかもしれません.


輸送手段については,速度,駅間隔,輸送力,信頼性などで判断されて,
11あった候補から,5月の段階で通勤電車(Heavy Rail Rapid Transit),
ライトレール(Light Rail Transit),バスラピッドトランジット(Bus
Rapid Transit)の3つが残っていました.LRTとBRTは,いずれも地上走行
となる一方,通勤電車は高架と地下を走ります.今回,このうちライト
レールが外されてしまいました.
Heavy Rail Rapid Transitとは,現在CTAが走らせているL(エル),地下と
高架(ごく一部で地上)を走る電車のことで,機関車牽引のコミューター
レールとは別ものです.
輸送力が並外れて高いことを買われて電車は残りましたが,高架区間は
少なくなるようです.LRTが外れた理由については,コストが高いからと
CTAでは説明しています.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
Circle Line計画概要 (2002年のもの)
06/26/2002 Loop the Loop - Proposal for new Circle Line
現在の路線図 CTA | System Map - Central/South
09/14/2006 Circle Line Alternatives Analysis Study (説明会の案内)
このページに,5月の説明で使われた,計画図などを載せたPDFファイル
へのリンクがあります.下の方をみてください.
(CTA 公式サイトへのリンク)

CTAより候補が絞られた説明があったことを伝える報道 :
Thursday, September 28, 2006 Rail transportation hot topic
(Medill News Service nwitimes.com ニュースへのリンク)
September 27, 2006 CTA Circle Line down to 2 options
(Chicago Sun-Times ニュースへのリンク)
September 26, 2006 Circle Line choices winnowed down to 2
(Chicago Tribune ニュースへのリンク)
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2006年09月27日

【タンパ】Google Transitで経路検索可能に

オレゴン州ポートランドとその周辺で運転されている,TriMetのバスと
MAXのスケジュールで,2005年12月より試験的に運用されてきたGoogle
Transitが,このたびその地域を増やしました.

Google Transitとは,二ヶ所の住所を入れると,その間を公共交通機関で
移動する場合の経路,時刻などが表示されるものです.経路はGoogle
Maps上で表示されますので,サテライトモードに変更したり,拡大や画面
移動も思いのままになります.
時間の指定は可能ですが,残念ながらバスやライトレールなどのモード
選択はできません.しかし,ワンクリック(Drive Thereをクリック)する
だけで,公共交通機関利用から,自動車で移動する場合の経路にも切り
替えできます.

今回加わったのは,オレゴン州Eugene (Lane Transit District),ペン
シルベニア州Pittsburgh (Port Authority),ワシントン州Seattle (King
County Metro),ハワイ州Honolulu (TheBus),そしてフロリダ州Tampa
(HART).カッコ内は,路線検索できる交通事業者の名前です.

HARTの担当者によれば,Google Transitで検索できるようになることで
基本的にHARTの経費負担はなく,HARTの技術スタッフが時間外に作業した
だけで済んだとのことです.
ポートランドTriMetでの試行以来,多くの交通事業者がGoogle Transitに
注目していたようです.
HART : Hillsborough Area Regional Transit Authority

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
タンパがGoogle Transitで検索できるようになったことを伝える報道 :
Sep 26, 2006 Google Makes Public Transit Easy In Tampa
(Tampa Tribune ニュースへのリンク)

Google Transit (トップページへのリンク)
各地のサンプルで試してみると,今回追加のうち,ユージン(Eugene)と
ホノルル(Honolulu)で運賃が出ます.さらに,それが自動車で移動した
場合と比べて安いかどうかまで一目瞭然になっていました.自動車移動の
費用は,1マイル44.5セントで計算されているそうです.

早速,実際にタンパTECO Lineの起終点で使ってみました.
Transit Trip Planner Take the Hillsborough Area Regional Transit
800 - Tampa Historic Street Car (Google Transit へのリンク)

路面電車のTECO Lineが,800番系統として表示されるはずです.
日付は9/27 午後5時を選択していますが,他の時間に変えることもでき
ます.また,画面左側に表示されている出発時刻の欄には,所要時間も
加えられていて,800番の路面電車では20分所要となっています.これ
より時間の短いものは,すべて路線バスです.出発時刻をクリックする
だけで,経路などの表示が変わります.
Drive There をクリックすると,自動車の場合の経路が表示されますが,
こちらの所要時間はあてになりません.同じ区間が3分と出ます.距離
(2.4マイル)から機械的に算出しているだけのようです.

TECO Line Streetcar
(Tampa Historic Streetcar Inc. 公式サイトへのリンク)

タンパ ストリートカー関連 直近の過去ログ :
2006/8/11 ストリートカー延長へ動き出す
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2006年09月26日

【フェニックス】ライトレールの警備

先日,アリゾナ州スコッツデールで一部住民がライトレール計画に反対
していることが報道されていましたが,その理由の一つとして,ライト
レールが犯罪を呼び込むというものがありました.
2006/9/21 【スコッツデール】LRTは生活の質を落とす?

このスコッツデールの例に限らずライトレール反対派は,全米の統計は
ライトレールが他の大量輸送機関よりも犯罪が多いことを示していると
主張するそうです.
件数では,全米で2002年から2004年にかけて,対人犯罪が1600件少々,
対物犯罪が3800件弱と報告されていて,重犯罪はありません.

しかし,犯罪率でみると,他の通勤鉄道やバスなどよりも高いのです.
下記で紹介する報道によれば,2000年のデータを使い旅客あたりとマイル
あたりの犯罪率をアリゾナ州運輸省が出してみたところ,ライトレールは
暴力行為ではバスの3倍,窃盗行為はバスの6倍もあったそうです.
この報道は,スコッツデールの西隣のフェニックス(Phoenix)で,2008年
末に開業予定のValley Metro Railのライトレールは,拳銃を携行しない
警察官が警備にあたることになりそうだということを報じるものでした.

ライトレールが開通する区間は,沿線から0.5マイルの範囲で犯罪率が
フェニックス市全体の2倍近く高いとのことです.しかし,実際にValley
Metro Railが走り始めてからどうなるかは予測つきませんし,路線バスで
どれだけの犯罪があるか,路線別ではValley Metroは把握していません.
統計では,公共交通の乗り物の中では,外の世界より犯罪率は低いことが
裏付けられています.現在でもフェニックス市警察では,法執行力を持た
ない警官補佐など50人を投入して,路線バスや乗換えターミナルなどの
警備にあたっています.

ライトレール開業後は,市警察の中に部署を設けて,バスやライトレール
車内で,運賃支払の確認を取るとともに,非武装ながら警備にあたり,
犯罪発生時は,ライトレール路線が3つの市にまたがっていることから,
該当する各市の逮捕権限のある警官(法執行官)が,無線で呼ばれて駆け
つけるようにする計画です.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
Sept. 25, 2006 Unarmed police to help patrol light rail
(The Arizona Republic ニュースへのリンク)

この中ではテキサス州ダラスと,コロラド州デンバーの例も紹介されて
います.どちらも,ライトレールは外の世界よりも安全だそうです.
市の予算に左右されないように,交通警察はできるだけ独立した存在に
なっていることが重要だと,ダラスの担当者は語っていました.
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2006年09月25日

【InnoTrans】展示された東欧製の低床車

ベルリンでは,世界最大規模の鉄道見本市,InnoTrans 2006が開催されて
いました.2年に一度のこの見本市では,車両を幾つも丸ごと展示できる
レールを敷いた会場まで用意されています.
近年は現地まで行かなくても,ウェブサイト上で公開される画像を見る
こともできるようになりましたので,今回どんな車両が展示されたのかを
見てみます.見本市に展示された車両が,必ずしもその後のトレンドに
なるわけではありませんが,これまであまり知られていないポーランドと
チェコ製の低床車両を調べてみました.

【ポーランド】Pesa Bydgoszcz 121N :
ポーランドからは,Pesa Bydgoszczが低床連接車両を出展しました.
今月末までにポーランド北部の人口13万人弱のElbląga(エルブロンク)へ
納入が予定されている,3車体で全長20m少々,低床部分はレールからの
高さが35cmの,121Nというモデルが展示されました.
はっきり確認できたわけではありませんが,100%低床車のようです.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)

InnoTrans 2006で展示されている様子 :
Titel: DS100225 (www. album-berliner-verkehr. de へのリンク)

製造メーカのサイトから :
Low-floor city tram (諸元など,英語版ページ)
Niskopodłogowy tramwaj miejski (ポーランド語版)
(PESA Bydgoszcz S.A. 公式サイトへのリンク)

PESA (tramwaj) (製造メーカのまとめページ)
Tramwaje w Elblągu (エルブロンク市の路面電車まとめ)
(ポーランド語版Wikipedia へのリンク)
上段のページに,100% niskopodłogowaという記載があります.メーカの
ページでは,NiskopodłogowyとLow-floorが対になっているようですし,
low floorをポーランド語に訳すと,Niska podłogaとなることから,100%
niskopodłogowaは100%低床という意味ではないかと思われます.
辞書サイト :
Free Polish-English-Polish Translator and online Polish Dictionary
..ということで,
Wikipediaの記述に間違いなければ,全低床車両なの
かもしれません.なお,2007年2月から,ワルシャワの市電で期間契約?
(okres kontraktu)というようなことも記されています.

Elbląga(エルブロンク)の運行事業者 :
Zarząd Komunikacji Miejskiej w Elblągu sp. z o.o.
Elblągu Mapa (路線図 / 黄色がトラムで5路線あり)
(公式サイト?へのリンク)

【チェコ】PRAGOIMEX VarioLF :
一方,チェコからは,在来車を改造した部分低床車両のVarioLFが展示
されました.
InnoTrans 2006で展示されている様子 :
PRAGOIMEX a.s.: Straßenbahn VarioLF mit Anhänger
(LOK Report へのリンク)

製造メーカのサイトから :
Company PRAGOIMEX a.s. (英語版スタートページへのリンク)
ACTIVITIESのメニューの中から,LOWFLOOR TRAM VARIO LFを選択すると,
Lowfloor tram VarioLFのページが表示できます.車両概要から諸元,
図面や車両の画像などもあり,VarioLFのことがよく判ります.

ČKD TATRAのT3を改造して,車体中央部を低床化したのがVarioLFです.
低床化率は36%,レール面からの高さは,他車と同じ35cmです.この他,
連結する低床のトレーラー(付随車)も今回展示されています.

ドイツ語の路面電車フォーラムから,すでにVarioLFがチェコ東部の街,
オストラヴァ(Ostrava)(人口30万人超)で営業運行に就いている様子を
垣間見ることが出来ます.
(CZ - Ostrava) - Straßenbahnen des Typs VarioLF (m11B)
(Straßenbahn-Forum へのリンク)

InnoTrans公式サイトへのリンクを含め,InnoTrans 2006の主な展示物を
リストにしたドイツの鉄道雑誌のページがあります.
InnoTrans 2006 (LOK Report へのリンク)

チェコと言えばシュコーダ(Skoda)が知られています.
Skodaの展示は,イタリアのサルデーニャ島南部のカリャリ(Cagliari)
向けモデル06Tでした.
Skoda: Straßenbahn für Cagliari (LOK Report へのリンク)
カリアリでは,1971年に廃止された路面電車が近々復活するようです.

製造メーカのサイトから :
ŠKODA se představila na InnoTrans 2006
屋内展示のモデル14Tは,ポルシェデザインのプラハ向けの車両(モック
アップ?)でしょう.
Low-floor tramcar 06 T
Low-floor tramcar 14 T
(ŠKODA HOLDING a.s. 英語版へのリンク)
Škoda 14 T (チェコ語版 Wikipedia へのリンク)

カリャリ(Cagliari)の路面電車に関するイタリア語の掲示板から :
Discussione TRAM DI CAGLIARI 21ページ目
(Mondo Tram Forum へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2006年09月24日

【カディス】広軌のトラムトレイン計画

アンダルシア州(Andalucía)には,トラムトレイン(tren-tranvía)計画も
あります.実現すれば,スペインではアリカンテ(Alacant / Alicante)に
次いで2ヶ所目になるでしょう.

場所は,大西洋に面する歴史的に由緒ある港湾都市,カディス(Cádiz)
から,その近郊のSan Fernandoと,Chiclana de la Fronteraの2つの街を
結ぶものです.カディスは島のように突き出した港町で,砂州でつながる
付け根の街が,サンフェルナンド(San Fernando)です.
カディスは,セビリャから�道で2時間弱,マドリッドからは直通列車
では5時間以上かかりますが,セビリャで高速�道のAVEに乗り継げば,
4時間台でたどり着くことが出来ます.

トラムトレインになるのは,カディス(Cádiz)にはセビリャからADIFの
�道線が伸びてきていて,サンフェルナンドとカディスの間の砂州の部分
では,そのADIFの線路を走ることになるからです.
ADIF : Administrador de Infraestructuras Ferroviarias
2005年にRENFEから分割した路線などインフラを所有する会社
サンフェルナンド(San Fernando)と,チクラナ・デ・ラ・フロンテーラ
(Chiclana de la Frontera)が,乗換えなしでカディス(Cádiz)と結ぶこと
で,公共交通の利便を高めることが,このトラムトレインの目的です.

サンフェルナンド(San Fernando)とカディス(Cádiz)の間には,ADIFの
線路上を近郊電車Cercanías(セルカニーアス)がすでに走っています.
その関係もあって,サンフェルナンドでは街の中央を貫く通りのカジェ
レアル(Calle Real)を走る計画で,チクラナからサンフェルナンドの街の
西はずれまでがトラム,そこからカディスまでがトレインです.
新設するトラム部分は13.6キロ,ADIF線は10.5キロの走行となる見込み
で,所要時間38分を目指します.新設部分の建設費は1億4050万ユーロと
されていますが,これはレールを敷くだけの額という資料*もあります.
ピーク時には10分間隔で電車を運転して,一日平均11600人の利用が予測
されています.

この計画も,アンダルシア州政府(Junta de Andalucía)の主要都市交通
改善計画に沿ったものでした.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
まずは,地図で位置関係の確認を :
San Fernando (Calle Real) (Google Mapsへのリンク)
矢印が,サンフェルナンドの目抜き通りカジェ レアル(Calle Real)に
あたります.
チクラナ・デラ・フロンテーラ(Chiclana de la Frontera)は,画面上で
その右斜め下(南東の方角)にあり,この縮尺ではカディス(Cádiz)まで
収まりませんが,画面左上(北西の方角)に砂州がありますので,その先を
たどれば見えてきます.

現在は路線バスが運行されています.その会社のサイトで路線図を見る
こともできます.
Plano : Consorcio de Transportes Bahía de Cádiz
M-010 Cádiz-San Fernando : Calle Realを走る路線(チクラナに行かず)
M-020 Cádiz-Chiclana : チクラナ行はCalle Realを経由せず
このように,現在Cádiz-Chiclana間のバスは,サンフェルナンドではその
目抜き通りを素通りしています.
Plano de la red de transporte metropolitano (PDFファイル)
(Consorcio de Transportes Bahía de Cádiz へのリンク)

カディスの近郊電車Cercanías(セルカニーアス)路線図 :
Mapa de Zonas de Cádiz (Renfe Cercanias へのリンク)
Cádiz駅からCortadura駅とBahía-Sur駅の間までが,広軌(1668mm)で直流
3000V電化されているADIFの線路を,Cercaniasと一緒に走ることになり
そうです.広軌の路面電車というのは,もしかして初めてでしょうか.

今年6月の時点で計画の概要を伝える報道 :
22-06-2006 El proyecto del tranvía de la Bahía de Cádiz incluye
17 paradas y un carril bici

(EL PAÍS ニュースへのリンク)
*�道業界紙による英語の記事 :
September 2006 Tram-train proposed for Cádiz
(Railway Gazette ニュースへのリンク)

サンフェルナンドでは,カジェ レアル(Calle Real)に路面電車を通す
ことに反対の意見もあるようで,最近では連日その報道があります.
ただし,それはアンダルシア自治州の与党PSOE(スペイン社会労働党,
サパテロ首相もPSOE)に対向する,野党PP(国民党)の候補が先導している
ようで,例えば,こちらの9/22付け報道のタイトルもそうです.
El PP retoma su campaña en contra del trazado del tranvía
(Diario de Cádiz ニュースへのリンク)

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2006年09月23日

【べレスマラガ】県からの資金なしの路面電車

べレスマラガ(Vélez-Málaga / Velez-Malaga)の路面電車を少しご紹介
しましたが,折りしも,マラガのメトロとの接続計画が報じられた記事の
中に,トレデルマル(Torre del Mar)までの9駅4.7キロの区間を,10/15に
開業させる予定と記したものがありました.

昨今のスペインでの路面電車復活またはライトレールの新設は,お隣の
フランスにも負けないくらいの勢いがあります.かつては多くの都市で
路面電車が走っていたそうですが,いずれも1960年台から70年にかけて
廃止の運命を辿っていきました.それが1994年のバレンシア,1999年の
アリカンテ(Alacant / Alicante),2002年のビルバオ(Bilbao / Bilbo),
2004年のバルセロナなど,各地でライトレールとしてよみがえり,2007年
以降にも幾つかの都市で開業が予定されています.

その中で,べレスマラガは少し異彩を放っているかもしれません.
全体計画の一部分ではありますが,コスタデルソルの海岸から4キロほど
内陸に入った人口6万5千人前後の街から,10年前に人口1万4千人だった
海岸沿いの街,トレデルマルまでという路線です.
この地方で一番大きな街(人口約56万人)のマラガまで,30キロ以上離れて
います.リゾート地でも,特に観光客向けというわけでもなさそうです.
下記に紹介しているリンク先にある路線図では,南半分で路線が東側に
くの字型に曲がっていますが,そこにはトレデルマルの病院があって,
電停名もHospital Comarcalになっています.
沿線には路線バスも走っていますが,バスは近隣の市町村を結ぶもので,
途中にバス停がないなど,市内の移動には使いづらいのかもしれません.


2004年に着工された開業予定区間は,建設費を1800万ユーロと見積もられ
ていますが,その資金はEU(欧州連合 / Unión Europea)と,アンダルシア
自治州政府の評議会?(Junta de Andalucía)が出しました.
マラガ県(Provincia de Málaga)は建設費を出していません.県からの
資金なしに路面電車を建設したのは,スペインではここが初めてだそう
です.EUは,コスタデルソルを東西に走る海岸沿いの自動車道整備にも,
資金援助を行なっています.

第二期区間も既に着工されていて,700万ユーロを投じてべレスマラガ
市内を1.3キロほど北に向かうものです.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
ベレスマラガの市電が10/15に開業予定という情報が載った報道 :
22 de septiembre de 2006
El tranvía de Vélez enlazará con la línea 3 del Metro en Rincón
(Diario Málaga Hoy ニュースへのリンク)

今月初めに間もなく開業を知らせる報道をまとめた市のサイト :
04 septiembre
Ultiman los trabajos en trazado primer tranvía andaluz, en Vélez
Proyectos : El tranvía (プロジェクト概要)
(Ayuntamiento de Vélez-Málaga へのリンク)

こちらはマラガのメトロの話も混じった非公式サイトですが,日付ごとに
トピックを並べて記事へのリンクを張っています.
MetroMálaga (マラガ都市圏の交通に関する非公式サイトへのリンク)
10/1/2006 Presentado en público el primer tranvía de Vélez-Málaga
から下に,車両がお披露目になった際の画像,路線図があります.
ここの画像を見ると,道路中央を走る区間がありますが,どうやらそこ
では単線のように見えます.

県が建設費を出していない事は,この記事のタイトルにも現れています.
24/02/2006 (Noticias Ya.com ニュースへのリンク)
Vélez-Málaga será el primer municipio de España en tener tranvía
sin ser capital de provincia


当初の予定では,夏前に開業しているはずでした.それがずるずると遅れ
ていきます.その理由はよくわかりません.
今年2月の時点で開業の遅れを報じる英語のニュース :
14th February 2006
Further Delay to The Velez Malaga - Torre del Mar Tram Service
(Velez Malaga News ニュースへのリンク)

2006年5月の時点でも,開業日ははっきりしませんでした.
19 de mayo de 2006 La puesta en funcionamiento del tranvía entre
Vélez y Torre del Mar sigue sin fecha

(Sur Digitalニュースへのリンク)
この記事にある画像は,べレスマラガ(Vélez-Málaga)側の第一期の起点に
なる,Parque Jurado Lorcaと思われます.画面の奥が西になり,電車は
画面手前で左(南側)にカーブを切って,トレデルマル(Torre del Mar)に
向かってavenida Rey Juan Carlos I(通り)を南下していきます.画面
右に写っている樹木は,Parque Jurado Lorca(公園)でしょう.

Google Mapsのサテライトモードで,路面電車の軌道を追跡 :

Parque Jurado Lorca (Google Maps 衛星画像へのリンク)
表示された場所から,どんどん画面下(南)に移動していくと,それまで
道路の真ん中を単線?で走っていたのが,途中から道路の東に移ります.
そこから線路は複線になったように見えますが,その辺りは道路の両側
とも空き地(農地?)のようです.しばらく走って,自動車専用道N-340の
下を抜けたすぐ南側で,大きく東側にカーブして南東に進路をとります.
その先の線路南側にある建物が,車庫ではないでしょうか.線路が分岐
しているのが見えます.
道路なのか軌道なのか画面では判断しにくくなりますが,路線図の線形を
頼りに進んでいくと,周辺に駐車場を抱えた病院が見えてきます.線路は
そこから南南東に向きを変えて,両側が開発中らしき場所を通り過ぎ,
海岸にたどり着く手前で,N-340a(旧道)に合流して,再び単線に戻って
道路上を南西にトレデルマル(Torre del Mar)中心部に向かいます.
画面で道路上には白い軌跡が見えていますが,これが軌道敷ではないで
しょうか.それが途切れたところが,トレデルマル側の終点Paseo Larios
と思われます.

終点まで行ったら,一息ついてコスタデルソルのビーチもぜひ楽しんで
ください.


CAFの100%低床車は,5車体の両運転台仕様,全長31mx車体幅2.65mの車両
で,座席定員54名で,立席を含めると200人以上を輸送できます.この
価格は3本で516万ユーロとのことです.ほぼ同じ仕様の車両が,セビリャ
メトロにも導入されます.
CAF : Construcciones y Auxiliar de Ferrocarriles

べレスマラガ市電に導入されている100%低床車両の概要 :
enero de 2006 (Revista Vía Libre へのリンク)
Presentado el material móvil del tranvía de Vélez-Málaga
VELEZ MALAGA LIGHT SUBWAY (英語版)
(CAF 公式サイトへのリンク)

Vélez Málaga - Torre del Mar // Metro de Málaga
(www. tramvia. orgへのリンク)
上段にべレスマラガ路面電車の路線図,車両の画像があります.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

過去ログ :
2006/9/22 【マラガ】コスタデルソル東部は低床車で
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2006年09月22日

【マラガ】コスタデルソル東部は低床車で

アリゾナの砂漠にあるリゾート地から,一気に地中海のビーチリゾート,
スペイン南部のコスタデルソル(Costa del Sol)へ飛びます.
この地中海の海岸沿いに広がる観光地の中心に,約56万人が暮らすマラガ
(Málaga)市があります.マラガには国際空港(AGP)もあり,欧州各地から
直行便が飛んでいるほか,RENFEによる鉄道の便もあります.マドリッド
からはTalgo200で4時間少々,アンダルシア州の州都セビリャ(Sevilla)
からなら2時間半程度の乗車です.また,スペインの大都市で走っている
近郊電車のCercanías(セルカニーアス)も2路線あり,空港にも接続して
います.そのマラガでも,今年1月からメトロ(Metro de Málaga)の建設が
始まっています.

スペインには,ライトメトロ(metro ligero)と呼ぶカテゴリがあります.
マドリッドやバルセロナ,バレンシアなどの地下鉄とは異なり,セビリア
(Sevilla / Seville)で建設中のメトロや,ポルトガルのポルト(Porto /
Oporto)で運転されているような,都心部は地下を走り,郊外では地平
または高架を,低床車が走るものです.これをライトレールと訳しても
問題ないでしょう.ドイツならシュタットバーン(Stadtbahn)と呼ばれる
ような鉄道です.

マラガで建設中のメトロ2路線は,路線の大半が地下を走りますので,
ライトメトロとは少し趣きが違うかもしれません.それでも車両は低床
車が使われます.2009年の開業を目指して現在工事が進められているよう
ですが,その他にも計画中の路線があります.そのうちの3号線が昨日
話題になりました.
地中海沿岸のコスタデルソルでは,マラガから西側には近郊電車が走って
います.しかし,東側の公共交通は現在は路線バスだけです.メトロも
建設中の2路線は,マラガ中心部のすぐ東側(Malagueta)が終点です.
3号線は,そこからさらに東へ,コスタデルソルの海岸沿いに延伸して
いく構想でした.

その3号線は,MalaguetaからEl Paloまで行き,そこから更にRincón de
la Victoriaまで路線を伸ばす計画であることが,明らかにされました.
その上で,Rincón de la Victoriaでは,べレス・マラガ(Vélez-Málaga)
から伸びてくる予定の路面電車(Tranvía)と接続して,相互乗り入れ?する
話がまとまったというのが,昨日の報道です.

べレス・マラガ(Vélez-Málaga)は,やや内陸に入った人口6万5千人ほど
の街だそうです.そのベレスマラガと,海岸線のTorre del Marという
ところの間に,4.7キロの路面電車を建設中です.というか,もう完成
していて,いつ開業してもよさそうなのに,延び延びになっています.
その路面電車(Tranvía de Vélez-Málaga)が,海岸沿いのTorre del Mar
から西側のマラガを目指して路線を海岸沿いに伸ばし,Rincón de la
Victoriaからマラガのメトロ路線に乗入れて,将来べレス・マラガから
マラガ市のRENFE駅などに,直接乗換えなしで行けるようにするという
構想なのです.

べレス・マラガの路面電車はCAF製の100%低床車が導入されています.
セビリャのメトロで採用されている車両と同一のシステムだそうです.
一方,マラガのメトロも同じ規格になるようですので,コスタデルソルの
マラガから東側は,旅客鉄道の走らない状態から一変して,将来は低床
車両で移動できるようになるのかもしれません.

べレス・マラガの路面電車は,昨年12月に車両が搬入され,4月に試運転
も開始されていて,6月末には開業と伝えられていました.しかし,その
後は何の情報もなく,ひそかに開業したのかとも思われましたが,先月末
報道があり,9月末から10月上旬の間に開業するということに,現時点
ではなっているそうです.
予定通りならアンダルシア州では初の路面電車ということになりますし,
CAFの100%低床車が本格的に運転されるのも,ここが初めてになるのでは
ないでしょうか.(Bilbaoには全低床のプロトタイプが1本あるようです)

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
まずは位置関係を把握するために... :
Rincón de la Victoria 所在地 (Google Maps へのリンク)
表示される地図の画面右側に,Vélez-Málagaと,Torre del Marの地名が
確認できると思います.マラガ(Málaga)市は,画面左のほうになり,この
縮尺のままでは画面に収まりませんが.左側に表示されるメニューバーの
左向きの矢印をワンクリックすれば現れます.

マラガメトロとべレスマラガ市電の接続計画を伝える報道 :
21.09.2006 Primer paso para unir el Metro y el tranvía veleño
(20 minutos ニュースへのリンク)
21 de septiembre de 2006
VÉLEZ MÁLAGA: El tranvía enlazará directamente con la línea 3
del metro de Málaga

(Diario Málaga ニュースへのリンク)

マラガの近郊電車(セルカニーアス) Cercanías Málaga (路線図)
(RENFE Cercanías 公式サイトへのリンク)

Metro de Málaga MÁLAGA Spain (英語表記の非公式サイト)
(UrbanRail.Net へのリンク)
Estaciones (路線案内と路線図へのリンク)(スペイン語のみ)
(Metro de Málaga 公式サイトへのリンク)
MetroMálaga / Metro Planos del anteproyecto (マラガのメトロ路線図と駅一覧)
(マラガ都市圏の交通に関する非公式サイトへのリンク)

市役所?のサイトが事実上のべレスマラガ市電の公式サイトのようです.
Proyectos : El tranvía (Ayuntamiento de Vélez-Málaga へのリンク)

今回話題の2鉄道の概略などを記したページ(非公式) :
Vélez Málaga - Torre del Mar // Metro de Málaga
(www. tramvia. orgへのリンク)
スペイン語表記ですが,上段にべレスマラガ路面電車の路線図,車両の
画像があり,下段にマラガメトロの路線図などがあります.

べレスマラガ市電に導入されている100%低床車両の概要 :
VELEZ MALAGA LIGHT SUBWAY (英語版)
(CAF 公式サイトへのリンク)
CAF : Construcciones y Auxiliar de Ferrocarriles

現在マラガのRENFE駅前にあるバスターミナルから,べレス・マラガまで
路線バスが,平日は一時間に2本程度の割合で出ています.
バス会社 Alsina Graells Sur (公式サイト英語版トップページ)
Routes and timetables (路線と時刻表検索)
路線 Line 638 - MALAGA-VELEZ MALAGA // 運賃 : 2,52 ユーロ

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2006年09月21日

【スコッツデール】LRTは生活の質を落とす?

アリゾナ州の世界的に知られたリゾート地,スコッツデール(Scottsdale)
でも,地元住民向けに大量輸送可能な公共交通が求められています.
フェニックスの西隣りにあるスコッツデール市は,2000年に人口20万人強
だったのが,5年後の国勢調査では23万4千人にまで増えています.
市は計画をまとめ,2003年には市議会もそれを承認し,市の南北を走る
通り,スコッツデール・ロード(Scottsdale Road)に,BRT(bus rapid
transit)か,ストリートカー,ライトレールのいずれかを建設したいと
して,沿線各地で意見を聞く公聴会を開きはじめました.
(決して初めからライトレール建設ありきではありません)

現時点ではライトレールに決まったわけでもないにもかかわらず,市は
鉄道(路面電車かライトレール)にするつもりでいると勘ぐられて,ライト
レール反対派が早くも攻勢に出てきたとの報道がありました.

ライトレールは建設資金がかかります.ストリートカー(streetcar)も
BRTよりは高くなります.時代遅れの技術に金の無駄遣いだというのと
ともに,反対派の言い分としては,スコッツデール中心部の品性(または
個性,原文はcharacter)をぶち壊す恐れがあり,犯罪を増やした挙句に,
線路を敷くスコッツデール・ロード(Scottsdale Road)の混雑が増すこと
になりかねず,これらによりスコッツデールでの生活の満足度が回復でき
ないほど損なわれるというのです.

高級リゾート地なだけに,米国では車を持てない貧乏人の移動手段という
偏見を持たれる公共交通でレールや架線が目立つ鉄道は,一部の人たち
には気に障る存在なのかもしれません.


もちろん賛成派もいて,ライトレールは道路混雑を緩和,スコッツデール
南部の再生を促すとしています.建設費は掛かるものの,ライトレールは
スコッツデールに必要不可欠で,その負担をすべきと考えているのです.
市から委託されたプランナーは,住民らの意見で,ルートと交通機関の
種類で6つある選択肢を,2つか3つに絞り込もうとしています.そして,
どの交通機関が採用されるかは,来春決まる予定です.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
スコッツデールは,現在ライトレールを建設中のフェニックスの衛星都市
にあたり,両者の間には路線バスが走っていますが,利用者が多くて,
この区間ではライトレールを建設する計画があります.
Valley Metro Transit System Map (路線図)
スコッツデール市内を走る路線バスも,Valley Metroが運営しています.
(スコッツデール・ロード(Scottsdale Road)を南北に縦貫する路線バス)
Route 72 - Scottsdale/Rural
(Valley Metro 公式サイトへのリンク)

ライトレールの強硬な反対派が現れたことを伝える報道 :
Sept. 20, 2006 Public braces for light rail
Sept. 20, 2006 Some at meetings hostile to light rail
(The Arizona Republic ニュースへのリンク)
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2006年09月20日

【ポルト】D線開通1周年で1千万回の利用

ポルトガル第二の都市ポルト(Porto / Oporto)は,市全体で人口約26万人
ですが,その周辺を含む都市圏では人口は150万人を超えます.
それにもかかわらず,大量輸送可能な公共交通機関の整備が長い間遅れて
いました.中心部では車の騒音と排気ガスに悩まされ続けていたのです.

しかし,1990年半ばから欧州最大規模の13億ユーロを投じる交通システム
計画がスタートします.非電化だった狭軌鉄道を電化と標準軌に改軌して
ライトレールに転換,中心部ではトンネルを掘って地下を走らせます.
この掘削工事にはかなり神経を使ったとの話です.
最初の路線は2002年12月に開業し,ストラスブールやミラノでお馴染みの
100%低床車,ユーロトラム(Eurotram,現在はFlexity Outlookと改名)が
Metro do Portoとして走り出します.Metro do Portoは,その後も順調に
路線を延ばし続け,現在では5路線70キロにまでなりました.このうちの
約1割が地下区間です.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
路線図など : PORTO (UrbanRail.Net へのリンク)
Conheça o mapa da rede intermodal Andante
(Andante へのリンク)

現在5路線が走るうち,唯一他の路線と線路を共有しないD線(イエロー
ライン)(Linha D,amarela)が,先日9/17に開通一周年を迎えました.
この一年間の利用者数は,イエローラインだけで1千万回を超えたそう
です.一日平均3万の人数ではなく利用回数があったことになります.
ポルトメトロ(Metro do Porto)全体では,同じ一年で3440万回の利用が
あったということです.

D線で利用数の一番高かったSão Bento駅は,他の4線との乗換駅となる
Trindadeから南へ2つ目の駅です.São Bentoは広軌鉄道への乗換駅にも
なっています.南行のライトレールはその駅を出ると,Ponte Dom Luís I
(ドン・ルイス1世橋)でRio Douro(ドウロ川)を渡ります.その光景を,
Mosteiro da Serra do Pilar(セーラ・ド・ピラール修道院)から俯瞰した
写真が,鉄道サイトや雑誌などでよく見かけます.
一例 : Directory: /pix/pt/metro (一番下に俯瞰写真あり)
(The Railfaneurope.net Picture Gallery へのリンク)
橋の上 : Metro Porto Showing 97-108 of 156 pictures
(Photographs by Nuno Fonseca へのリンク)
下記はライトレールは写ってませんが,橋の全体像をつかめます.
Porto Ponte Dom Luís in flickr
二段構造になっている橋の上段は,今はライトレールと歩行者専用になり
ましたが,昔はトラムが,その後はトロリーバスが走っていたそうです.
自動車は下段を走りますが,ライトレールの走る桁のすぐ下ではなく,
ずっと下がった川面の近くにあります.橋の北側には,河岸の斜面を上下
するケーブルカー(Funicular dos Guindais)もあるそうです.flickr
中にはそれが写っているものもあります.

利用回数に話を戻しますが,2005年は年間1850万回の利用があったと,
今年1月発表されています.これは1月から12月の話で,先ほど全体では
3440万回と記しましたが,これは2005年9月から2006年9月までの回数と
思われ,2006年だけの数字がどこまでいくか期待されます.
ちなみに,2004年は年間984万回,2003年は同596万回だったそうです.
路線が年々延びていることもありますが,利用数は年々倍増しているの
です.今年5月には,E線(バイオレットライン)(Linha E,Violeta)が空港
(OPO)への乗入れも果たしました.

ポルトメトロ(Metro do Porto)では,非接触ICカードを開業時から全面
的に採用していることから,自動改札がなくても容易に利用回数の集計が
可能なようです.


18 de Setembro 1º Ano da Linha Amarela
3 de Janeiro 18,5 milhões de clientes em 2005
(Metro do Porto 公式サイトへのリンク)

その他メトロポルトのニュースでは,Andante(非接触ICカード)でパーク
アンドライドが可能になるという話が先月ありました.
ブルーライン(A線)などの終点になっている,Estádio do Dragão駅(ドラ
ゴンスタジアム駅)を皮切りに,17か所で実施されるようです.メトロに
乗車しても料金が必要で,12時間の駐車で65セントとのことです.
18 de Agosto de 2006
Estacionamento à borla acaba nos parques do metro
(Jornal de Notícias ニュースへのリンク)
2006-08-28 Metro do Porto vai avançar com o sistema «Park & Ride»
(Fábrica de Conteúdos ニュースへのリンク)

このAndante(アンダンテ)は,メトロだけでなくSTCPの路線バスや近郊
鉄道(CP PORTO),ドン・ルイス1世橋の近くにある,Metro do Portoが
運営するケーブルカーでも利用できます.
Linhas e Operadores (Andante利用可能路線一覧)
Notícias Andante Park & Ride
(非接触ICカードAndante 公式サイトへのリンク)

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2006年09月19日

【APS】オルレアンのB線で採用され4都市に

架線が目障りになりそうな場所に路面電車を走らせるのに,ワイヤを一切
張らずに路面に埋め込んだ第三のレールから集電するAPSが,ボルドーで
軌道に乗ってきたことから,今年に入って採用を決めた都市が,ランス
(Reims),アンジェ(Angers)に続いて,オルレアン(Orléans)で3都市目と
なりました.オルレアンはパリから南西に約130キロの所に位置します.
APS : Alimentation Par le Sol (地表集電システム)

域内の人口約25万人のオルレアン(Orleans)では,2000年に18キロ弱の
南北縦貫型の路面電車を走らせていますが,今度は東西横断型の路線を
新設するにあたり,アルストム(Alstom)が車両製造から軌道の建設まで,
システム全体を請け負うことになります.全低床車(Citadis 302)27本
(うち6本はオプション),レール,地表集電のAPS,信号装置などを含めた
総費用は1億800万ユーロです.
先に開業している南北の1号線(ラインA)も,やはり同社の低床車ですが,
こちらは部分低床のCitadis 301が22本導入されていました.約18キロの
路線開業に,当時19億フランスフラン(約2.9億ユーロ弱)掛かりました.

東西に走る2号線(ラインB)は,オルレアン市だけでなく東西に隣接する町
にも線路を延ばし,延長は約12キロ,電停数は26に及びます.このうち
オルレアン市中心部の旧市街地で,1キロ前後のAPSによる架線レス区間が
設けられます.開業予定は2011年です.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
アルストムのプレスリリースと,LRTAのニュースページより :
18 September 2006 Orléans in France selects Alstom for its second
tram line, opting for APS

(Alstom ニュースルームへのリンク)
18 September 2006 Alstom to build and equip Orléans second tramway
(Light Rail Transit Association ニュースへのリンク)
両者では細かいところで若干数字が異なる部分があります


オルレアン市と,その都市圏(l'AgglO)のサイトにあるトラムの資料 :
déplacements | les projets | tram est-ouest
le tracé du tram est-ouest entier (路線図)(JPGファイル)
(ville d'Orléans 公式サイトへのリンク)
Communauté d'Agglomération Orléans Val de Loire (l'AgglO)
Cleo, Construire la Ligne Est-Ouest (PDFファイル)
(Communauté d'Agglomération Orléans Val de Loire 公式サイト)

APSが採用されるのは,路線図上の電停名,place de l'Etape,Jeanne
d'Arc,de Gaulleの間だと思われます.
la ligne à Orléans (オルレアン市内拡大図あり)
place de l'Etapeから南下したあと西に曲がりますが,その曲がり角の
東側には大聖堂(Cathédrale Sainte-Croix d'Orléans)があり,オルレ
アンと言えばジャンヌダルクが有名ですが,その名前が付けられる電停
Jeanne d'Arcは,まさしくrue Jeanne d’Arc(ジャンヌダルク通り)上に
あります.架線を張らないのは,ここの景観を保護することが目的です.
なお,de Gaulleで南北に走る1号線(ラインA)と交差します.
De Gaulle(Place de Gaulle,ドゴール広場の最寄電停)

インターネット上でその通りを見てみると... :
Orleans Cathedral and Rue Jeanne d'Arc in flickr
Orléans "rue Jeanne d’Arc" (Google Images 検索結果)

下記ページによれば,東西を連絡する専用軌道の公共交通機関は,南北の
トラムが開業した翌年から本格的に計画が進められ,2003年11月に現在の
ルートに落ち着いたようです.その時点でトラムバス(tram-bus,ガイド
ウェイのことか?),ゴムタイヤのトラム(tram-pneu),そしていわゆる
路面電車(tram-fer,鉄車輪のトラム)の選択肢がありました.これが路面
電車に決定したのは,2005年3月のことですが,ナント(Nantes)の4系統
のように,BRTになる可能性もあったのでした.
下記ページに詳細を記したPDFファイルへのリンクがありますが,2004年
11月に住民1500人を対象にして実施された調査で,東西を結ぶ公共交通で
望む方式は?という問いに対し,路面電車と答えたのが56%,ゴムタイヤ式
トラムが30%,バスはガイドウェイバスと通常のバスを合わせて14%という
結果が出ていたそうです.実物が目の前にある強みかもしれません.
Transport en commun en site propre (2eme ligne) (歩み)
(Agence d'urbanisme de l'agglomération orléanaise へのリンク)
TSCP : transport en commun en site propre (専用軌道の公共交通)
SEMTAO : Transport en commun de l'agglomération Orléanaise
(公式サイトへのリンク)
SETAO : Société d'Exploitation des Transports de l'Agglomération
Orléanaise

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APS 関連過去ログ :
2006/7/14 【APS】アンジェとランスで採用 3都市に
2006/6/21 【Alstom】APSがイノベーション賞受賞
2006/1/10 【ボルドー】架線レスを売り込み開始?
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2006年09月18日

【River LINE】夜間運転区間の延長計画

先月,国勢調査局の発表で,米国で最も裕福なニュージャージー州にあり
ながら,全米一の貧困率とされたカムデン郡(Camden county).
フィラデルフィアの対岸にあたるそのカムデンから,同州トレントンに
向かうRiver LINEは,カムデン中心部で路面走行する以外の大部分は,
貨物鉄道とレールを共用しています.
貨物列車とリバーラインのディーゼルLRVは,運転時間を完全に分ける
ことにより,安全を確保しています.日中はライトレールが走り,夜間は
貨物専用にしているのです.この関係から,リバーラインは午後10時まで
しか運転できませんが,今回一部の区間で夜間の運転延長を来夏より開始
するとの発表がありました.

夜間運転時間が延長されるのは,カムデン側からPennsauken/Route 73駅
までとなります.現在は,その一つ手前の36th Street駅まで深夜運転が
あります.それに加えてこの夏には,そこからPennsauken/Route 73駅
まで午後10時以降に無料シャトルバスを走らせました.その結果はプレス
リリースでは成功と記され,報道ではあまり振るわなかったように書かれ
ていますが,どちらにしても,列車をカムデンから直通させるほうが良い
と判断されたのです.

Pennsauken/Route 73駅には,36th Street駅より広い452台分のパーク
アンドライド用の駐車場があることと,主要幹線道路に近いことから,
カムデンからここまで深夜の運転が延長されれば,帰宅利用が増えるの
ではないかと期待されています.

リバーライン(River LINE)は,カムデン(Camden)の中心部では路面走行
ですし,フィラデルフィアとカムデン郡を結ぶ通勤電車PATCOとの乗換え
駅のWalter Rand Transportation Centerから一駅先の36th Streetまで
は,貨物鉄道の敷地内でも,線路は共用せず自社のレールを走るため,
例外的に午後10時以降でも運転できました.36th Street駅のすぐ南側
には,車庫もあります.しかし,そこから先へ夜間運転を延長するには,
36th Street駅の先にある単線区間がネックになっていました.

リバーライン(River LINE)を運営するNew Jersey Transitは,単線区間
でも安全に貨物列車とディーゼルカーの自社ライトレール車両とが共存
できるよう,信号保安設備に130万ドル掛けて改善することになります.

NJ Transitの規定では,2万5千ドル以上の契約は競売にしなければなら
ないそうですが,今回は競売なしでリバーラインを建設した,Bechtel
コーポレーション率いるSouthern New Jersey Rail Groupと契約を結んで
います.これに関してNJ Transit側では,これはリバーレール建設時の
DBOM("design, build, operate and maintain")契約の一部であって,
新規契約でないため入札不要との見方を新聞社に示したそうです.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
River LINE System Maps (3種類の地図から選択可)
Hours of Operation (始発と最終列車の時間案内)
(River LINE 公式サイトへのリンク)
River Line system map (路線図 GIFファイル形式)
New Jersey Transit Press Releases : September 13, 2006
EXPANDED LATE-NIGHT SERVICE IN THE WORKS FOR RIVER LINE
(NJ TRANSIT 公式サイトへのリンク)

深夜の運転区間が延長されたことを伝える報道 :
Saturday, September 16, 2006 River LINE plans later service
(Cherry Hill Courier Post ニュースへのリンク)

話題にしている場所の航空写真 :
(Windows Live Local Bird's eye へのリンク)
Pennsauken/Route 73 (Park and Ride)
Pennsauken NJ Transit Atlantic City Lineとの立体交差 (単線)
36th Street 駅 (Camden)
リンク先画面で表示される,8つサムネイルのうち中央下のサムネイルを
クリックして,更に画面下のほうへ移動すると,車庫も見えてきます.

リバーライン(River LINE) 関連過去ログ :
2006/3/12 【River LINE】大人片道$8弱を税金で負担
2005/10/31 【サウスジャージー】運賃$1.25で最大73分乗車
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国北東部 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年09月17日

【Muni】ケーブルカー大幅値上げで客足遠のく

2005年9月より前に,サンフランシスコ(San Francisco)でケーブルカー
(Cable cars)に乗られた人が,次に乗車機会があったら,びっくりする
かもしれません.運賃が2005年9月から5ドルに値上げされています.

財政難で台所が火の車のMuniは,2003年に10年振りの運賃値上げをして
3ドルになっていたケーブルカーの運賃を,2年後の2005年に5ドルにまで
引き上げました.率にして67%という大幅値上げです.
Muni : San Francisco Municipal Railway

Muniは,路線バスやライトレールの運賃も同時に値上げしましたが,上げ
幅は25セントで$1.50です.しかも,それで乗換えができます.これに
対してケーブルカーでは,1993年からたとえ乗換えでも乗車のたびに片道
運賃を支払わなければならなくなっていました.

BARTと異なり,ケーブルカーでは正確な乗車人員を把握することができ
ません.そこで,現金による運賃収入の増減で利用者数の増減を推し量る
ことになります.観光客向けのパス類や定期券などもありますので,正確
ではありません.それが,67%の値上げに対して23%しか増えていません
でした.先週はじめ,サンフランシスコ市長は片道5ドルにした運賃が,
乗客減を招いたと認める発言をしています.

もっとも,乗客の減少は必ずしも運賃の大幅値上げだけに起因するわけ
ありません.冬の間の天候も影響しましたし,マーケットストリートから
フィッシャーマンズワーフに行く,走る路面電車の博物館とも言えそうな
Fラインが,多くの観光客に浸透してきたことも影響しているようです.
しかし,ケーブルカーの運賃値下げや乗換を可能にするように求める声も
高まってきてます.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
Tuesday, September 12, 2006 A fare too steep?
(San Francisco Chronicle ニュースへのリンク)
記事の中には1時間あたりの運転コストが表になっています.
それによれば,ケーブルカーはライトレールの2倍近い経費が掛かって
いることになります.電気バス(原文ではElectric busとありますが,
トロリーバスのことかも)
から比べると,3倍近い数字です.

先週Muni利用客らは,ご難続きだったようです.その締めくくりは金曜に
朝のラッシュを終えたころから,ほぼ一日中運休したケーブルカーです.
道路に埋設している牽引用のケーブルが擦り切れ,それを交換するために
Powell-Mason線と,California Street線の運転ができませんでした.

Friday, September 15, 2006
Out-of-service cable cars top off rough Muni week
(San Francisco Chronicle ニュースへのリンク)

更新が滞っていて情報は最新ではありませんが,見た目にわかりやすい
路線図が下記にあります.
A map of San Francisco and it's historic cable car lines
(San Francisco Cable Car へのリンク)
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国ベイエリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年09月16日

【セビリャ】市電建設工事中に遺跡見つかる

スペインの話が続きます.アンダルシア州セビリャ(Sevilla/Seville)で
この夏,市電と中心部は地下を走るメトロの両方の工事のため,街中では
あちこちの道路が掘り返され,車両が通行止になっていました.
8月から線路の敷設が始まった路面電車の工事でも,歩行者も通行制限を
受けたようで,一過性のものだと思われますが,商店の売り上げが落ち
たり,ホテルの稼働率が下がるなど弊害が一部で出ているようです.

以前にもご紹介していますが,セビリヤで復活する路面電車は,セビリャ
大聖堂の前では景観上の理由から架線を張らず,バッテリーで走ることに
なっていましたが,車両の手当てが間に合わず,仮設の架線を張ることに
なり,先月はその承認も当局から下りていました.
架線レスと関連性があるかどうかは判りませんが,バッテリー走行する
ことになっていた区間は,どうも単線のようです.複線の前後と比べて
特に道路幅が狭くなるようなことはないようで,これも景観上の理由から
なのかもしれません.


地下を走るメトロは開削工法ですので当然として,路面電車の工事でも
道路を完全に掘り返している様子が,現地からの画像でも伺えます.
道路下に埋設されている水道管などの作業もあるのでしょう.
そうした中で今週,セビリャ大聖堂の近くで工事中に11世紀から12世紀
ごろの遺跡が発見されました.その時期のセルビアはイスラム勢力が支配
しています.遺跡にもアラビア文字が記されていました.考古学者による
調査が行なわますが,工事が中断されて開業予定にも影響を及ぼすかも
しれません.

遺跡が発見されたことと,その後を伝える報道 :
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
12-Septiembre-2006 Los trabajos del Metrocentro de Sevilla
descubren una necrópolis árabe

(Terra España ニュースへのリンク)
13.09.2006 El metrocentro desentierra un cementerio islámico
(20 minutos ニュースへのリンク)
13 de septiembre de 2006 Las obras en el tramo de la necrópolis
estarán acabadas en diciembre

15 de septiembre de 2006 Adepa pide que los restos de la Avenida
no se destruyan y se integren en la reurbanización

(ABC Sevilla ニュースへのリンク)

あちこちが掘り返されている工事中の街中の様子(画像集) :
La Sevilla del 1 de septiembre - Diario de Sevilla (サムネイル)
Avenida de la Constitución (カテドラルの前)
(Diario de Sevilla ニュースへのリンク)
Avenida de la Constituciónが,架線レスになる単線区間です.ただし,
当面は暫定的に架線柱が建てられ,単線になる以外は前後の区間と変わり
ありません.

現在建設中のメトロと,メトロセントロ(Metrocentro=路面電車)の概要 :
Otros tranvías >> España >> Sevilla
(www .tramvia.org へのリンク)
このページに二つある路線図のうち,下段が路面電車のものです.
画面左が北になりますので,方角にご注意ください.
Plaza NuevaとArchivo de Indiasの間が単線になっていますが,この図
では線路の上側に大聖堂の建物があることになります.
現在工事が行なわれ,来年開業が予定されているのは,Plaza Nuevaと
Pradoの間だけです.Pradoの先,現在バスターミナルがある一角に車庫が
設けられます.また,PradoとSan Fernandoの間は,地下をメトロも並行
して走ることになっています.とりあえずPlaza Nuevaまでというのは,
そこに市庁舎があるからでないかと思われます.


こちらは掲示板への投稿ですし,やはり全部スペイン語ですが,画像だけ
見ていても面白いかもしれません.
Seguimiento de las obras de Metrocentro. Sevilla
(SkyscraperCity へのリンク)
2ページ目には,レールが敷かれている様子が伺えます.3ページ目には
メトロとの並走区間での上下の乗換えのイラストが,フラッシュで製作
されていて見ることができますが,これは恐らく非公式のものでしょう.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

関連過去ログ : 2006/8/05 大聖堂前は仮設の架線で
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2006年09月15日

【ムルシア】2年半は運賃無料の市電10月着工

スペイン南東部にあるムルシア(Murcia)で,10月にも路面電車の試験的な
路線を着工することが,正式に承認されて業者も指名されたという報道が
ありました.

ムルシアはムルシア州の州都で,バレンシア州アリカンテ(Alicante)から
更に南西に約80キロほど走る位置にある,人口40万人を擁する都市です.
スペインの首都マドリッドからは,南東に約400キロほど離れていて,
鉄道で最速でも4時間前後は掛かります.
地中海沿岸のアリカンテは,1999年に路面電車が復活し,その後はトラム
トレインの計画も進んでいますが,ムルシア(Murcia)も,1929年までは
市内を電車が走っていたそうです.

10月に着工されるのは,街の中心部にあるplaza Circularから,北西に
延びるJuan Carlos I 通り上の1.5キロほどの区間で,いずれは延長され
ムルシア大学(UMU)のキャンパスの一つ,Campus de Espinardoまで行く
路線の,今回はそのごく一部分だけです.
距離が短いことと,道路の上を交通信号に従いながら走る軌道のため,
約半年後の2007年4月ごろには完成し,その後すぐに開業する予定です.
なお,最初は試験的な路線であるため,30ヶ月間(2009年末まで)の運賃は
無料だそうです.
読み違いかもしれませんが,軌道そのものや敷設方法,配置などに様々な
方法が試されて,その結果を踏まえて,その後の路線建設に反映させて
いくようです.将来的には今回の路線を中心に,合計3路線,約18キロの
計画があります.

途中の電停は7か所に設けられますから,平均して約200mごと,平日の
運転間隔は15分,土日は20分が予定され,平日は朝7:30から夜21:30まで
運行されます.

車両に関しては,CAFかBombardierのいずれかになるようですが,まだ
正式決定されていない模様です.
1.5キロの先行試験開業では,どこからか借りてくるのかもしれません.
アリカンテ(Alicante)も,スペインでいち早く1994年に市電を復活させた
バレンシア(València)から,低床車両を借りて1999年に暫定開業させて
いますし,セビリャ(Sevilla)で工事が佳境に入っている路面電車でも,
一時借用が予定されています.


(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
地元では数多くの報道がありました.その中から抜粋しています.
Jueves, 14 de septiembre de 2006 El tranvía circulará en abril
entre la plaza de la Redonda y Espinardo

(La Verdad ニュースへのリンク)
14 de septiembre de 2006
La empresa Acciona llevará a cabo un tramo experimental del
tranvía en Murcia a partir del mes de octubre

(Región de Murcia Digital ニュースへのリンク)

計画されている3路線の概略図が掲載されている今年4月時点の資料 :
Abril 2006 Próxima parada del tranvía, Murcia
(la economía ニュースへのリンク)

第一期区間の3路線,約18キロに投じられる資金は,7千万ユーロです.
(8千万ユーロという資料もあり)
また,市電の運営は地域で路線バスを運行するLATbusが,同様に受託する
ようです.年間の運営費には500万ユーロが見積もられています.

市電を導入するのは,増え続ける自動車による混雑を緩和することが目的
です.ムルシアでは人口当たりの自動車台数が,マドリッドなどに次いで
スペインで3番目に高く,住民当たり2.7台なのです.
路面電車は,スペインでも各地で見直されていて,その安全性や環境への
配慮が評価されていますが,一方でバレンシアで過去3年間に13件もの
人身事故が報告されていることから,懸念も残るようです.
地下鉄は,経済的な問題で市の計画には採用されませんでした.地質的に
ムルシアでは地下掘削は難工事が予想され.高くつくとみられたのです.

1.5キロの試験線では大学キャンパスまで通えませんが,いずれは延長
されることになります.現在市内から大学までは,LATの路線バスが運行
されています.その路線図が周辺との位置関係を把握しやすいでしょう.
planos de líneas のページで「39」を選択するか,
(路線図GIFファイルへの直接リンク)
39: Campus Universitario de Espinardo - Murcia
(LATbus へのリンク)
LATbus : Transporte público de viajeros de Murcia y viajes
discrecionales

完全に重複する路線バスはありませんが,路面電車が走ることになる,
Juan Carlos I 通りを通るのは,3種類ある39系統のうちの,Cです.

試験線は,上記 la economíaに掲載されている計画図の,ZIG ZAGあたり
までではないかと思われます.ZIG ZAGはエンターテイメントセンター
ですが,カルフール(Carrefour)のショッピングモールなども隣接して
いるそうです.地図 : Zig Zag Murcia Location
(Layetana Inmobiliaria へのリンク)

起点のPlaza Circularと,Juan Carlos I 通り
Murcia (Valenciaや,Alacantとの位置関係を表示)
(Google Maps へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2006年09月14日

【ブダペスト】Combinoの近況(2)

ブダペスト(Budapest)に導入されたコンピーノ,またの名のコンビーノ・
スープラ(Combino Supra)が,初期故障に悩まされている話の続編です.

オーストリアの新聞紙Die Presseが,経済面でブタペストのコンビーノが
故障続きであることを取り上げました.これまでのコンビーノはドイツで
製造されていましたが,ドイツの工場は2004年に発覚したアルミ車体の
問題を改修することに専念するためか,ブダペスト向けのコンビーノ・
スープラは,ウィーン工場で製造されていたのです.

ブダペストで路面電車を運営するBKV Zrtは,コンビーノ・スープラを
40本購入することになっています.契約した2002年には全部で1億6000万
ユーロ(1億5千万ユーロと記す資料も)だったのが,2004年には1億3600万
ユーロに減額されました.車体強度問題の騒ぎで発注を取消す事業者も
あったなかで,仕様の変更こそありましたが,契約を維持したのです.

Die Presseの記者は,コンビーノ問題が出た時点で,ブダペストは何故
ウィーンで問題なく走っている同じシーメンス製のULFに変えなかった
のか,1本あたりの価格もULFの方が安いのにと書いています.
ULF : Ultra Low Floor

ウィーンのULFは1本240万ユーロで,値引き後でもコンビーノ・スープラ
(Combino Supra)は1本300万ユーロを下らないと紹介されています.
しかし,ブダペストのコンビーノが全長54m,車体幅2.4mに対して,ULFは
5車体のAタイプだと全長が24m前後,7車体のBタイプでも35m強しかなく,
車体幅も2.3m強しかありません.当然定員もブダペストのコンビーノ・
スープラほどはなく,定員や車両の床面積あたりの価格で比較すると,
ULFのほうが高くなります.
実際,ウィーンのULFのままではBKV Zrtが求める収容力に対応できず,
ULFを9車体にしたり,5車体を2本併結する必要があるでしょう.


7月に2本のコンビーノが営業運行に就きましたが,ご紹介しているように
ドアの故障などで運行中止に追い込まれます.代わりに50年前の車両が
一時的に投入されたらしく,市電の今度の新車は50歳でオーストリア製に
あらずと,ブタペスト市民に皮肉られたようです.
その後,8月の終わりに復帰したようで,シーメンスとしては完璧との
ことでしたが,改善されたとは言いがたく,故障回数が50回目を目前と
いうような状況のようです.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
BKV Zrt. : Budapesti Közlekedési Zártkörűen Működő Részvénytársaság
Főoldal (トップページ)
A Combino villamos (コンビーノのページ)
VIDEÓK (ビデオへのリンクのあるページ)
(BKV Zrt. 公式サイト)

ビデオのページには,「SIEMENS COMBINO」が3本あります.
A LEGHOSSZABB VILLAMOS (SPOT)は,世界一長い路面電車ということを
うたう広告のようです.
次の「COMBINO A TOTALCAR-ban」は,バラエティタッチでコンビーノを
紹介するもので,言葉が判らず会話の内容は不明ですが,台車の下から
見上げた映像などもあり,10分と少々長めですが,見ているだけで興味
深いです.Tシャツの日本語にも注目?!
最後の「SIEMENS COMBINO」は,シーメンスのプロモーションでしょう.
こちらも貴重な映像で,ナレーションはなくBGMだけです.

オーストリアの新聞社による今回の記事(ドイツ語) :
13.09.2006 "Combino": Pannenserie in Budapest
(Die Presse.com ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っている可能性もあります.ご容赦ください.

関連 過去ログ :
2006/8/03 【ブダペスト】Combinoの近況
2006/2/09 【Combino】ブダペスト向けウィーンで製造中
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2006年09月13日

【バーゼル】2008年秋に全コンビーノ復帰か

コンビーノ(Combino)の修繕問題で,バーゼル(Basel)BVBから昨年11月に
修理のため工場入りしていた1編成は,完了予定を過ぎても満足な結果を
得られず帰還が遅れていましたが,ある装置を加えることでシーメンスの
コンピュータシュミレーション上で35年間の車両設計寿命を満たすことが
確認できたとして,12月にも戻ってくることが明らかにされました.
残りの27本についても,一度に6本までを限度にドイツのクレフェルト
(Krefeld)工場に運ばれて,2008年秋までには全車の改修を終えられる
とのことです.それにより,2008年6月から開催される,欧州サッカー
連盟(UEFA)主催のEURO 2008大会の輸送は,何とかしのげそうです.
BVB : Basler Verkehrs-Betriebe (バーゼル交通会社)

BVBは,コンピュータによる理論的な車両構体の強度解析だけではなく,
実地測定による裏付けを欲していますが,スイス連邦の当局が資料を受け
取って,認可が下りるものとみています.
追加される装置とは,車体間の相互の動きを圧力で制御する,一種の揺れ
制御装置(原文ではhydraulische Wanksteuerung)で,これで車体の位置を
適正に保つことにより,アルミ車体の接合部への負担が軽減されて車両
寿命が延びるとともに,乗り心地も向上するとしています.なお,費用は
明らかにされていません.

修理のための工場入場が本格化することにより,トラム2系統では低床
車両が全く走らない状態が2年続きます.2系統に低床車を一切入れない
代わりに,他の系統への低床車の割合を高めるものですが,2系統が選ば
れたのは,他のトラム路線や,低床バスが導入されている路線と重複して
いる区間が多いからだそうです.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
路線図 Liniennetz (BVB 公式サイトへのリンク)

バーゼルは次に導入する低床車を,Stadler Rail AG(シュタットラー)の
Tangoに決定していますが,最初の車両が到着するのが2008年の予定で,
それから少なくとも2年間は試運転が行なわれることになっています.

バーゼルの地元紙による今回の報道 :
12.09.2006 Basler Combino-Trams sollen zur EURO 08 saniert sein
(Basler Zeitung ニュースへのリンク)

今年7月初めの時点でも,入場しているBVBのコンビーノが戻ってくるのは
12月の見通しと言われていました.その場合は営業運行への復帰は2007年
になることから,残りの27本も同じくらい時間が掛かるなら,その半分が
修理を終えるだけでも6-7年は必要だと,同紙は書いていたものです.

コンビーノのような車両では,間に連接部分を挟む(同一車体内ではない)
台車中心間の距離が従来の車両に比べて長くなり,車体間の連結部分に
大きな力が加わることになります.しかし,他の車種には設けられている
車体間ダンパがコンビーノにはなく,動きを吸収にづらい連結方式だった
ことから,走るたびに車体にストレスが溜まっていきました.

このため,設計どおりの車両寿命まで走らせるには,連接上部に生じる
車体間のねじり力から構体を保護すること,台車と車体の結合からくる力
から構体を保護すること,その他の力からも耐えられるように,構体を
強化することの3つが必要とされてきました.その方法として,以前から
今回の措置のような対策は,5車体コンビーノではアムステルダムの車両
などで実験されて提案されていたはずです.
今回は,計算によって7車体のバーゼル車にも有効な方法が提示された
というのが,ニュースになったのかもしれません.


他の都市のコンビーノに関しては,先月次のような報道がありました.
16.08.2006 Combino noch nicht repariert
(Märkische Allgemeine ニュースへのリンク)
ポツダムの記事ですが,タイトルからして良い話ではないようです.

30.08.2006 Sanft und fest dank der Combino-Kur
(Badische Zeitung ニュースへのリンク)
こちらはバーゼルと同じ7車体のコンビーノを所有する,フライブルク
(Freiburg)の記事です.タイトルでは良さそうな話ですが,残念ながら
記事を読むことが出来ません.

下記画像のような,S字カーブで生じる車体間の捻れによる力が,過小
評価されたのが間違いの元でした.おまけに,詳細な実験の結果,即座に
安全性を損なうことにはならないことが後で判明しますが,それこそ後の
祭りだったのです.
走行距離が同じなら,車体構成によって亀裂を生じさせる影響の強弱が
異なりますが,フライブルクが採用した7車体の両運転台が,一番影響を
受けやすいとのことです.


バーゼル(Basel) 片運転台方式7車体 :
左は,建物の横線と比べると判るように,下り坂の入口です.
右のようなS字カーブを通るたびに,車体は悪影響を受けます.
BVB_Combino1.jpg BVB_Combino2.jpg

フライブルク(Freiburg) 両運転台方式7車体 :
VAG_Combino1.jpg

誤訳や誤解で内容が間違っている可能性もあります.ご容赦ください.

バーゼル コンビーノ関連 過去ログ リスト :
2006/5/09 新車はTangoに決定
2006/4/05【Combino】バーゼル車の改修に遅れが
2005/11/25 車体改良でコンビーノ旅立つ
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2006年09月12日

【パドヴァ】トランスロール11月に延期

イタリアのパドヴァ(パドバ)(Padova)に導入される予定のゴムタイヤ式
トラム,トランスロール(Translohr)は,9/11に実施の路線バスのダイヤ
改正と同時に,ひとまず旅客なしでの運転が開始されるとお伝えしていま
したが,その前日の報道によれば,11月に延期になった模様です.何日
からという具体的な日付はありません.

元々は,2003年3月に工事が始まり,2004年9月には運転開始となるはず
でした.ところがその予定から丸二年が経過しても,いまだに営業でき
ない状況に陥り,その間に費用が5900万ユーロから8600万ユーロに膨れ
上がっています.

遅れている理由が記事に書かれています.イタリア語の記事のため解読が
難しいのですが,こんなことが書かれているのではないかと思います.


トランスロールを走らせるには,まず特有のガイド用のセンターレールを
敷くことになりますが,道路を掘り返して完全に作り直さなければなり
ませんでした.それに加えて,ガイド用のレール自体も敷き直すという
ことがあったようです.道理で,レール(案内軌条)を剥がした跡と思わ
れる画像があったわけです.
もう一つは,世界に先駆けて早々にトランスロール(Translohr)の車両が
パドヴァ(Padua)にやってきますが,それはプロトタイプで外界を走った
ことがなく,さまざまな問題の試験に供されました.どうも,Lohr社とは
そういう契約になっていた?ようです.

以下は,パドヴァ在住者?が投稿した掲示板からになりますが,建設の際
には,業者の誰もがトラムが何であるかを理解していなかったということ
もあるとか.
前回もご紹介しているように,旅客なしの運行を30日間行なわなければ
なりませんが,その掲示板の投稿によれば,これがどうも10月半ばごろ
から開始されるようです.その上で11月から営業運行開始というのが,
現時点でのスケジュールなのでしょう.車庫が仮設のため来春まで当面は
3本のみが使用されることになります.運行後も万が一に備えて,路線
バスがバックアップできるようにするそうです.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
Domenica, 10 Settembre 2006 «Entro novembre saliremo sul tram»
(Il Gazzettino Online ニュースへのリンク)

Aggiornamenti Metrobus Padova スレッド12ページ目
今回参考にした,#224 の投稿 (by Sonic from Padova)
(SkyscraperCity の掲示板へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っている可能性がかなりあります.

関連過去ログ リスト:
【パドヴァ】
2006/8/09 トランスロール9月運行開始
【クレルモン=フェラン】
2006/9/10 80パーミル走行試験
2006/7/27 Translohr 10/14デビュー
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(5) | イタリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年09月11日

【ハーグ】検札員の装備と車掌乗務を検討

ハーグ(デンハーグ)(Den Haag)では,今秋から運転されるランドスタット
レール(RandstadRail)において,アムステルダムやロッテルダムで実施
されているように,路面電車での車内改札員に警棒や拘束具を所持させる
ばかりでなく,車掌を復活させることを計画中との報道がありました.
最終的な認可は下っていませんし,どれだけの人数になるかも明らかに
されていませんが,警棒など(wapenstok en handboeien)の所持は検査員
全員ではなく,車掌復活も全ての電車ではありません.車掌が乗務する
のは,時間や区間を限定して実施される模様です.

ハーグとその周辺で市電を運営するHTMは,市電の保安対策として今年
600万ユーロを投じます.さらに,ランドスタットレール(RandstadRail)
で結ばれるハーグとズーテルメール(Zoetermeer),それにデルフトなどを
加えた都市圏?のStadsgewest Haaglandenからの1千万ユーロを加えた中
から,数年間の?検札員の費用として300万ユーロが捻出されます.

市内を走る路面電車での車掌復帰は,ハーグで実施されれば,オランダ
ではアムステルダムと2003年11月からのロッテルダムに次いで3都市目に
なります.
昔ながらのシステム以外の近代的な路面電車やライトレールで,車掌が
乗務しているのは,米国や西欧では例が少なく,オランダの2都市で近年
復活した以外では,最近開業した都市を含めて,英国とオーストラリアに
数ヶ所あるだけです.
いずれも,運賃逃れを減らして収入を確保するとともに,乗客への案内
業務だけでなく,保安要員の役目も担っているようです.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
10-09-2006 Controleurs Randstadrail krijgen wapenstok
(Brabants Dagblad ニュース(ANP配信記事)へのリンク)
10-09-06 Wapenstok voor controleurs sneltram
(NOS JOURNAAL ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っている可能性もあります.ご容赦ください.

RandstadRail関連 過去ログ :
2006/09/03 トラムトレイン10月までお預け
2006/8/26 在来線のライトレール化遅れる
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2006年09月10日

【クレルモン=フェラン】80パーミル走行試験

クレルモン=フェラン(Clermont-Ferrand)にトラムが復活するまで,あと
1ヶ月少々となりました.開業は10/14に予定されています.

試運転の走行区間は,北から南へ伸びていったようですが,先月には南の
終点(CHU G. Montpied)までたどり着いたようです.途中にSNCFの線路を
越える跨線橋があり,空車状態での試運転は難なく終えていましたが,
先週は14トンのバラストを搭載して,最大荷重として260名が乗車して
いるのと同じ状態にした上で,8%(80パーミル)の勾配がある600mのSaint-
Jacques跨線橋を通る試験が行なわれました.
トランスロール(Translohr)のSTE 4は,理論上は13%(130パーミル)まで
対応可能なようです.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
08/09/2006 jeudi 7 septembre le tram monte le viaduc Saint Jacques
en charge maximale

Le tracé (概略と詳細な路線図)
Design et Caractéristiques techniques (デザインと性能)
(SMTC - Le tram 公式サイトへのリンク)
SMTC : le Syndicat Mixte des Transports en Commun de
l’agglomération clermontoise

Viaduc Saint-Jacquesは,終点の二つ手前のUniversitésと,一つ手前の
St Jacques Doletの間にあります.
ligne A Champratel - CHU G. Montpied (PDFファイル)
(T2C 公式サイトへのリンク)
T2C : Transport en Commum de l'Agglomération Clermontoise

Google Mapsでは衛星画像は無理ですが,他のサイトで見ることができ
ます.Mappy Town mapsのMap欄に下記データを入力してください.
Street に Viaduc Saint-Jacques
Placeに Clermont-Ferrand
Post codeに 63000
CountryはFrance-DOMを選択した上で,Aerial photosにチェックを入れて
OKボタンを押すと,衛星画像が表示されるはずです.
Viaduc Saint-Jacques Clermont-Ferrand 63000 France

ところで,この跨線橋の所ではありませんが,試運転の様子がビデオ投稿
サイトにアップロードされています.日本でも見ることが出来るトランス
ロール(Translohr)ですが,フランスの街中を走る様子を一足先に眺めら
れます.
Tramway de Clermont ferrand (Dailymotionへのリンク)
似たようなサイトのYouTubeは日本人利用が多いのに対し,Dailymotion
ではフランスからの投稿が多いようです.tramwayで検索すると,他にも
色々出てきます.

撮影は,9/06とあります.撮影場所も丁寧に記されていますので,路線図
などとあわせてみれば,現地へ行かれるかたには事前のロケハンになる
かもしれません.

同じメタリックな塗装ながら,赤系統のクレルモン=フェランに対して,
青系統の車両が入ったイタリアのパドヴァ(Padova)では,9/11(月)から
実施の冬ダイヤ改正より運行が開始されます.しかし,1ヶ月は乗客なし
の予定で,どちらが先にトランスロール初の運賃を支払った旅客を乗せた
営業運転を開始するのか,微妙なところです.
追記 : 2006/9/11
その後の情報によれば,パドヴァ(パドバ)のほうは11月からにまたまた
延期になったようです.


関連過去ログ リスト:
【クレルモン=フェラン】
2006/7/27 Translohr 10/14デビュー
2006/6/17 中心部でトラム試運転
2006/2/14 電停プロトタイプ公開

【パドヴァ】
2006/8/09 トランスロール9月運行開始
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【フランス】30年ぶりに車の交通量減少へ

2005年のフランスの自動車交通量は,1974年以来30年振りに減少した,
という調査報告がフランス運輸省から発表されたと報道がありました.

フランス国内の移動手段で自動車の占める割合は83%,次いで鉄道が10%,
バス5%,航空機2%というのが2005年の構成です.1990年代には平均して
2%増加してきた自動車が,2004年には増加なしになり,ついに2005年には
マイナス1.4%に転じたというものです.自動車の交通量が減少するのは,
1973年の石油危機以来のことだとか.
高速道路網の交通量は引続き増加していることから,この減少は近距離
移動での自動車利用機会が減ったことが影響しています.その引き金に
なっているのが燃料価格の上昇で,2004年から2005年にかけては24%も
上がっていました.

都市交通をみると,1996年から2005年までの10年間で,鉄道と地下鉄は
2.8%の増加がみられます.報告書の中にあるグラフをみると,1995年には
ストライキがあり,1990年を100とした場合,ストのあった1995年には
正確な数字は読み取れませんが,90台前半まで落ち込んでいましたので,
多少増加率は大きくなっているのかもしれません.同じく1990年を100と
すると,グラフでは2005年は120を上回っているように見えます.

公共交通の運賃に関しては,1999年以降1.8%上昇していますが,これは
インフレーション(1.5%)よりも僅かに上回るだけに留まっています.
公共交通全体では同じ10年間で3.4%の伸びがあり,特にパリ(Paris)では
4.1%も伸びました.

また,専用軌道を有する交通機関(TSCP),つまり路面電車(tramway)や,
地下鉄(métro)などがある地域では,路線バスだけの地域より,3倍も公共
交通が利用されていることが示されました.
TSCP : transport en commun en site propre
2005年の段階で,フランス国内では15の地域(Agglomération)で,少なく
とも1系統のトラムかメトロが走っています.今年2006年は既に2ヶ所で
トラムの新規開業があり,さらに年内に1ヶ所予定がありますので,この
数字は18になるでしょう.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
このページの中に,報告書のPDFファイルへのリンクがあります :
Évolution contrastée de la mobilité des Français en 2005
または,SESP en bref (n° 10 Août 2006が該当)
(フランス運輸省 économie & statistiques サイトへのリンク)
運輸省 正式名称 : Le ministère des Transports, de l’Équipement,
du Tourisme et de la Mer
SESP : service économie, statistiques et prospective


報道は,APの記事が配信されています.
08.09.06 (Nouvel Observateur (AP) ニュースへのリンク)
La circulation automobile baisse en France pour la première fois
depuis 30 ans


公共交通の利用者増加に関しては,ドイツでも以前報告されていました
し,米国でもガソリン価格が高騰したこともあって,どこも軒並み増えて
いるようです.
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2006年09月09日

【シャーロット】LRT設計問題で経費膨れる

サウスカロライナ州シャーロット(Charlotte)で建設中のライトレール
は,当初の予定から遅れて現在は2007年11月には開業することになって
いますが,今週再び予算超過問題が浮上して,場合によっては更に遅れる
ことになるかもしれません.建設費の48%を補助金で出した連邦政府との
取り決めで,完成期限は2007年12月31日までと定められているのですが,
2005年5月から着工し,現時点で全体の56%の工事が終了したところです.

9.6マイル(約15.4キロ)の路線は,最初の計画では2億2700万ドルで建設
されるはずでした.最近はそれが4億2700万ドルに膨れ上がっていたの
ですが,更に増えるというのです.
ライトレールを建設し,運営するCATSは,この設計を担当したParsons
Transportation Groupを予算が超過した原因をつくった張本人として,
同社に損害賠償を求める動きを示しました.設計ミスにより,工事が進む
たびに問題が見つかり,例えば同じ場所を二度掘り返すなど,予定外の
費用が掛かったと言うものです.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
CATS : Charlotte Area Transit System

設計上の問題点は,建設の段階になって初めて見つかるありさまで,その
せいでCATSは予算をどれくらい超過するのか,その金額を具体的に示す
ことすらできない状況です.
Parsonsは,カルフォルニア州パサデナに本社をおき,昨年は30億ドルを
越す収益をあげた,交通インフラのデザインなどを手がける会社です.
ROADS & HIGHWAYS (Parsons Corporation へのリンク)

2005年にその座を外されるまでは,Parsonsはライトレール計画の筆頭
設計者でした.しかし,最近の度重なる間違いにより,計画から完全に
外れることになります.今や問題はParsonsとCATSだけに留まらず,CATS
と市の担当者の監督責任など,市長や市議会の政治問題にまで発展して
いるようです.

多くの報道がありますが,異なる機関から時系列順に並べてみました :
Sep. 06, 2006 Light-rail price is on the rise again
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)
September 6, 2006
CATS could be out millions over light rail mistakes
(WCNC ニュースへのリンク)
September 8, 2006 City turning up the heat on CATS
(Charlotte Business Journal ニュースへのリンク)

WCNCのニュースには,TV放映されたビデオへのリンクが現在ありますが,
そのビデオの中には,搬入された第一号のLRVが,すでに完成している
区間で試験していると思われる走行の様子も映っています.行き先表示は
愛称名であるLYNXになっていました.

大型の公共事業では,訴訟沙汰は珍しくないそうです.
シャーロットではありませんが,ワシントン州シアトルでは,これとは
逆に,施工主のSound Transitが,建設請負業者から費用上昇分を求める
訴えを受けていました.
Friday, September 8, 2006
Contractor sues Sound Transit for additional light-rail money
(Seattle Times ニュースへのリンク)

シャーロット 関連過去ログ :
2006/8/24 LRTとBRT どちらを選ぶ?
2006/6/12 LRV間もなく到着
2006/3/28 Lynx成功の鍵はzoning変更に
2006/2/14 渋滞緩和策の切り札が渋滞を招く?
2005/12/16 LRT工事本格化でトロリー運休
2005/8/27 LRT開業まであと1年半
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2006年09月08日

【コロンバス】市電復活の見積り明らかに

オハイオ州コロンバス(Columbus)で,ダウンタウンに路面電車の復活を
目指すグループ(Downtown Streetcar Working Group)が,提案の詳細を
発表したという報道がありました.

提案するルートなどは既に公表されていましたが,ブルー,グリーン,
レッドの3ルートを提案し,7通りの組合せで建設費を算出しています.
たとえば,最少はダウンタウンをZ字型に周回するグリーンラインのみの
建設で4200万ドル,最大では南北縦貫のレッドラインとグリーンラインの
組合せで1億7900万ドルといった具合です.
ブルーラインは,レッドラインの一部のみとなっています.詳細は下記
記事にProposed routes and costsとしてリンクがあります.

建設費は,連邦政府とオハイオ州などからの資金を当てにするとともに,
コロンバス市では公債を発行するなどして資金を調達します.

運行費は,年間460万ドルから570万ドルと見積もられました.
このために,ダウンタウンの駐車場,レストラン,ホテルなどの利用料金
には一定額が上乗せされることになります.また,沿線の商業者には,
従業員の数に応じて負担を求めるようです.

上乗せ料金では,たとえばホテル宿泊費に1ドル,駐車料金に25セントを
追加して,その代金支払と引換えに発行されたレシートを持参すれば,
市電に料金なしで乗車できるようにするというものです.
コロンバス市長は,全市が対象となるような増税をせずに運営すべきと
発言していました.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
Downtown Columbus Streetcar Working Group
(Downtown Columbus のサイトへのリンク)

ルート案,見積り額などが発表されたことを伝える報道 :
Thursday, September 07, 2006 Downtown fees could power streetcars
(Downtown fees floated as streetcar idea)
The Hot Issue:
Should Columbus build a streetcar system through surcharges on
Downtown parking, restaurants and hotels?

(The Columbus Dispatch ニュースへのリンク)

The Hot Issueでは,駐車料金やホテル,レストランに追加料金を導入
してコロンバスに路面電車を建設すべきかという問いに対し,オンライン
投票とともに,かなりの数のコメントが寄せられています.コメント数が
200を超えた時点では,反対が67%で三分の二を占めています.

前回 : 2006/8/19 路面電車復活への道を探る
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2006年09月07日

【デンバー】UPに続きBNSFもライトレール拒否

コロラド州デンバー(Denver)には,2004年に住民投票で承認された,中心
部から三方向9路線の公共交通網を整備する,20年先を見据えた予算総額
47億ドルのFasTracks計画があります.
ライトレールや電車(大型車両),ディーゼルカー,バス(BRT)などが候補
で,どれにするかは各路線ごとに検討されています.輸送量が考慮される
ことはもちろんですが,長距離の路線では,ライトレールより早く走れて
経費も安くなる,電車かDCのコミューターレール(commuter rail)が有利
とされています.
しかし,それ以外にも問題がありました.少しでも経費を抑えるために,
貨物線と同じ敷地(right-of-way)を走る場所が多くなりますが,貨物鉄道
会社がライトレール車両の走行を断ってきたのです.

以前にも紹介しているDIA(デンバー空港)への路線(イーストコリドー=
East Corridor)は,UPからの要請によりライトレールを選択肢から外す
ことになりました.電車かDCです.
UP : Union Pacific Railroad

そして今度は,デンバーから西に11.2マイル(約18キロ)の計画線ゴールド
ライン(Gold Line)が走る予定になっている,軌道敷地の所有者BNSFも,
ライトレール走行を認めないとRTDに通知してきたと報道がありました.
LRVのような軽量車両ではなく,より重量があり,堅牢な車体を使う大型
車両のコミューターレール(電車か気動車)にして欲しいというのです.
BNSF : Burlington Northern Santa Fe

ゴールドライン(Gold Line)は,元々ライトレールで計画されています.
しかし,予算超過になる可能性があることから,コミューターレールも
選択肢として残されていました.
今年7月の段階では,BNSFはライトレール走行に反対しておらず,既に
実施例もあることや,ライトレールと貨物線のレールの間のスペースを
大きくとることで,安全は保たれると考えられていたのです.
今回BNSFからの通達を受けて,RTDはライトレールを選択肢から外すか,
ライトレールのままにするなら,BNSFの敷地を利用しなくてもいいように
ルートを考えなければなりませんが,それには新たな土地買収が必要で,
さらに経費がかさんでしまいます.
場合によっては,デンバーのダウンタウン内ではライトレールが路面走行
するといったことも,あるかもしれないようです.開業予定は2015年に
設定されています.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
FasTracks Gold Line (路線図と概要)
(RTD 公式サイトへのリンク)
RTD : Regional Transportation District

ゴールドライン(Gold Line)は,ゴールデン市(Golden)へは行きません.
ゴールデンへ行くのはWest Corridorのほうで,そのウェストコリドーも
ライトレールが検討されています.
ややこしい話ですが,ゴールドライン(Gold Line)が走ろうとしている
敷地は,BNSFのデンバーからゴールデン市(Golden)へ向かう路線の一部
で,一日4本の貨物列車が走っているそうです.
蛇足になりますが,BNSFの路線はゴールデン市郊外にあるクアーズ社の
醸造所,Coors Breweryへ行くことから,Beer Line(ビール ライン)とも
呼ばれているようです.

BNSFがライトレール走行を認めないことを伝える記事 :
September 6, 2006
Railroad says RTD can't use light rail on Gold Line
(Rocky Mountain News ニュースへのリンク)
少し前になりますが,関連する記事 :
(この記事の時点ではBNSFはライトレール走行に反対していませんでした)
July 26, 2006 Light rail's freight expectations still alive
(Rocky Mountain News ニュースへのリンク)

FasTracks 関連 過去ログ :
2006/7/06 予算削減で新設LRT設計変更か
2006/6/22 コミューターレールは電車かDCか
2005/12/01 空港への鉄道はLRTが不利に
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2006年09月06日

【グレシャム】MAX開通から今年で20年

1986年9月05日,オレゴン州ポートランド(Portland)から東のグレシャム
(Gresham)まで,この地域で初めてのライトレール,MAXが開業しました.
今年は20周年にあたります.特別な行事はないようですが,地元の新聞が
20年前を回顧する記事を出しています.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
TriMet : Tri-County Metropolitan Transportation District of Oregon
MAX : Metropolitan Area Express
Making Tracks Toward Tomorrow
(TriMet 公式サイトへのリンク)
現在TriMet 公式サイトのトップページには,MAX at 20という文字に,
その背景にAvanto(S 70)の新車と,在来車がトランジットモールで交差
する様子を入れた画像が出てきます.

20年前にライトレールでポートランドと結ばれたグレシャムは,ポート
ランドから東に18キロ近くの位置にあり,2004年時点で9万4千人強の人が
暮らしています.

そのグレシャム(Gresham)にとって,1949年に旅客列車が去って以来,
MAXは37年振りの鉄道復活でした.
今でこそ全米から注目されるMAXですが,20年前からそうだったわけでは
ありません.
旅客鉄道の廃止は,自動車の台頭です.鉄道廃止もあいまって,台数は
飛躍的に増加し,1970年代には道路不足の警鐘が鳴らされます.しかし,
ハイウェイ建設反対運動も同時に起こった時代でした.ハイウェイ建設
反対は,環境問題の観点からもさることながら,道路計画で移転を余儀
なくされたり,街が分断されるのを嫌ってということもあります.
反対運動は各地で広がりをみせ,問題は政治絡みとなりますが,反対派が
選挙で当選するなどして,この時期には米国各地で高速道路建設計画の
凍結があったそうです.
ポートランドでも,8車線のマウントフッドフリーウェイ(Mount Hood
Freeway)計画が凍結されます.このフリーウェイは,グレシャムとポート
ランド間を行き来する車の混雑を解消するためのものだったため,グレ
シャム市民の当時の落胆は大きかったようです.
フリーウェイ建設のための連邦政府からの補助金は,ライトレール建設に
そのまま振替えられることになりました.
当初Banfield Light Rail計画と名づけられた現在のMAXブルーラインは,
グレシャムのダウンタウンを避けるように走り,市民も最初は冷たかった
のは,その影響と言われています.
その後は状況が変わっていくのは言うまでもありませんが,それでもMAX
ブルーラインのウェストサイドMAX(Westside MAX),1998年に開業した
ヒルズボロー(Hillsboro)へ向かう線の計画が承認される1992年までは,
沿線への投資や開発も,今のようなものではなく,月並みなものだった
そうです.

はしょっていますので,詳細は記事をご参照ください :
City leaders recall light-rail’s bumpy road to Gresham
(Gresham Outlook ニュースへのリンク)

その他,最近のMAXの話題としては,
冬場の氷雨による架線凍結防止策として,グレシャムでこの夏もワイヤに
アイスキャップを取り付ける工事が,利用者の一番少ない土曜の午前中を
半日運休してバス代行にした上で行なわれました.
August 24, 2006 TriMet continues ice cap installation in Gresham
(TriMet ニュースリリースへのリンク)

関連過去ログ :
2005/12/24 【ポートランド】MAX 氷雨に二連敗を喫す
2006/5/11 【ポートランド】新MAXはAvanto顔に

余談 :
鉄道の未成線の痕跡が場所によって残っていることがあるように,ハイ
ウェイにも,建設凍結で使われる見込みのない出入口,ゴーストランプ
(ghost ramp)なるものがあります.今回取り上げたMount Hood Freewayの
ghost rampの画像が下記ページにありましたので,ghost rampでページ内
検索してみてください.
Interstate 405 Oregon (Interstate-Guide.com へのリンク)

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2006年09月05日

【ロサンゼルス】ダウンタウンの市電復活案

今週中にも,ロサンゼルス市(Los Angeles)のCRA,コミュニティ再開発局
というところから,LAのダウンタウンに路面電車を復活させる研究が発表
されるという報道がありました.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
CRA/LA : Community Redevelopment Agency of the City of Los Angeles

具体的な路線が示されるわけではありませんが,小規模な建設ブームに
沸いているダウンタウンの,南部と北部を結ぼうとしています.
同じような話は,Downtown Red Carなどこれまでもありました.しかし,
下記記事にもあるように,市当局の発案であり,しかも,交通事業者や
公共交通関係の部署からではなく,中心街とその周辺地域の再活性化を
目指す,再開発関連の機関から出たことに,注目してもいいでしょう.

LAのビヤライゴサ(Villaraigosa)市長は,公共交通の整備に熱心ですが,
千載一遇のチャンスとなるかもしれない財源を,どの方面のライトレール
計画に投資すべきかで頭がいっぱいのようです.市長の計画では,現在の
ライトレールを市内ダウンタウン内まで延長し,地上を縦横に走らせて,
ブルーラインやゴールドライン,今月中には着工予定のエキスポライン
(アクアラインローズラインかは未定)を相互に接続させるようです.

現在LA中心街には,DASHと呼ばれるシャトルバスが走っています.
DASH Downtown Weekday Schedules (路線図あり)
(LADOT 公式サイトへのリンク)
LADOT : Los Angeles Department of Transportation


バスに乗るのが嫌いな人でも,電車なら乗ると米国では言われています.
路面電車は,(記事によれば)見た目に美しい(aesthetically-pleasing)
こと,走りも静かで,車の間をジグザグに走り抜けるようなこと(weave
in and out of traffic)もしないからです.そして,米国の他の地域でも
実例があるように,他の軌道系交通機関と同様に,地域開発を呼び寄せる
ことができます.2本のレールのもつ信頼性と一目瞭然さ(reliability
and obviousness)が,バスより勝るのです.

もちろん,問題は山積みで,費用は6000万ドルとも7300万ドルとも言わ
れています.多少は沿線の商業者が負担したとしても,連邦政府からの
補助金を得られなければ,最低でも4千万ドルを一度に調達しなければ
なりません.そして,ロサンゼルスではダウンタウンだけでなく,そこへ
向かう周辺からの道路混雑が日に日に悪化しています.これを解消する
ために,ライトレールも延長させていく必要もあり,25年先を見据えて,
その優先順位の問題も報道されています.

ロサンゼルスには,かつては周辺を含めて千マイルに及ぶ軌道が敷かれて
いたそうです.全廃から43年半が経ちました.

September 4, 2006
In Los Angeles, the Desire of Some Is Named Streetcar
September 3, 2006
Which Way for the Next Light-Rail Line in L.A. County?
(Los Angeles Times ニュースへのリンク)
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2006年09月04日

【ノーフォーク】LRT計画のFTA認可が間近に

米国海軍の基地があることで知られる,ヴァージニア州ノーフォーク市
(Norfolk)で計画中のライトレール計画に,今月中にも連邦(FTA)からの
最終的な認可がおりるようです.
FTA : Federal Transit Administration

ワシントンDCから南に約250キロにあるノーフォーク市は,郡に属さない
独立市で,2000年の人口は23.4万人ほどですが,周囲を含めた都市圏まで
範囲を広げると,165万人弱が暮らしています.

2000年に着手以来6年の月日を要し,ここ3年はHRTとノーフォーク市の
当局がFTAに提出した,利用者数見込みや,建設費,財政,ダウンタウン
駐車場削減計画などの書類が,突っ返されることの繰り返しでしたが,
昨年10月には推薦評定(recommended rating)に昇格し,12月にこちらでも
紹介していましたが,最終的な認可は目前とされていました.
それからなお一年近く掛かったのは,FTAがHRTに更に細かな分析を求めて
いたからです.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
HRT : Hampton Roads Transit (地域でバスなどを運行する事業者)

FTAの厳しい審査の目を通れば建設開始も間もないようで,現時点では
2007年後半には着工され,2009年後半から2010年初めにかけての開業が
予定されていて,7.4マイル(約11.9キロ)の路線に,一日6500人から1.2万
人が利用すると予想されています.

建設費は当初2億ドル強でしたが,FTAから予算超過の危機評価(risk
assessment)分を求められて,2億3210万ドルになりました.このうちの
1億2800万ドルを連邦政府からの補助金で賄い,残りをノーフォーク市,
ヴァージニア州と,地域交通財源から,公平に分担することになります.
運営には年間620万ドルが必要とされ,これも連邦,市,州からの資金が
投入されますが,運賃は現行のHRTのバスと同じ$1.5になりそうです.

Hampton Roads Transit LRT Home
Project Map (計画路線図)
(HRT 公式サイトへのリンク)

何年もかかって漸く連邦の審査をパスしたことを伝える報道 :
September 2, 2006
Norfolk light-rail line passes federal review, years of delay
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)

昨年10月の段階の報道が,HRTサイト内にPDFファイルの形で掲載されて
います.(October 19, 2005付けThe Virginian-Pilotの記事)
Light-rail line gets push forward in Norfolk (PDFファイル)
(HRT 公式サイトへのリンク)

東側の終点予定地 Newtown Road (市の東端) 西向き
Norfolk State University (NSU) Station 予定地 西向き
この駅は高架になる予定で,駅の東側に車庫が設けられるそうです.
(Windows Live Local Bird's eye へのリンク)
どちらにも古い線路が写っていますが,これはNSのものです.路線は,
7.4マイルのうち約5マイルを,NSの貨物線跡地を走ります.
NS :Norfolk Southern Railway

過去ログ : 2005/12/02 NSの廃線跡用地をLRT用に購入
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2006年09月03日

【ハーグ】トラムトレイン10月までお預け

ハーグ(デンハーグ)(Den Haag)と,ズーテルメール(Zoetermeer)を結んで
いた鉄道(在来線)を.ライトレールに転換する話を先日ご紹介していま
した.6月に工事が大詰めを迎えるに際して,バス代行になった時には,
今日(9/03)からレギオシタディス(RegioCitadis)による運転が開始される
予定でしたが,それが数週間遅れるというところまでは,先日の話の中
でも触れています.
先週,8/30に安全性を確認するための試運転が行なわれ,新たな開業日が
発表される予定でしたが,試験の結果を受けて,さらに10月末まで延び
そうだという報道がありました.何日からという正確な日取りは,さらに
3週間の試験走行(proefrijden)を行なわないと出せないようです.

そもそもの工事の遅れは,7月の猛暑で電気ケーブル?のプラスチック製
カバーが開いてしまい,それを固定するのに手間取った?からでしたが,
8月にも,新しいトラムトレインの走行安全性を損なうような,何事か
厄介なことに見舞われたからのようです.

前回は,ズーテルメール(Zoetermeer)からのトラムトレインの運行は延期
でも,9/10からは,もう一方の在来線の活性化策として期待されている,
ロッテルダム(Rotterdam)のメトロ(metro)車両のハーグ中央駅乗入れが
開始されることになっていると紹介しましたが,そちらも影響を受けて
しまいます.
途中まではロッテルダムの地下鉄車両が走りますが,ハーグやデルフトに
接するNootdorp村(dorp)の駅からハーグまでは,代行バスに揺られること
になりました.

デン・ハーグとロッテルダム,ズーテルメールそれぞれの2点間輸送は,
別線でオランダ国鉄(NS)が列車を運行していますが,もうNSの列車が走ら
ない旧ホーフプレイン線(Hofpleinlijn),旧ズーテルメール アーバン線
(Zoetermeer Stadslijn)の沿線では,まだしばらくの間は,バス代行に
甘んじなければなりません.
RETのサイトにある,PDFファイル版の地図(Plattegrond traject)が,
関係する全ての路線を網羅していて,位置関係が判りやすいでしょう.
下記リンクをご参照ください.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)

ランドスタットレール(RandstadRail)のプレスリリースの他,HTMやRET
からも案内が出ています.

1-9-2006 Nieuwe planning voor RandstadRail
(RandstadRail 公式サイトへのリンク)

RandstadRailのサイトより具体的な情報が得られるのは,ハーグの市電
(HTM)と,ロッテルダムの地下鉄(RET)の公式サイトのほうです.
RandstadRail (9/10からの運転内容)
Routes en halten (HTM関連の路線図と駅名一覧)
Overzichtskaart zones RandstadRail-zonekaart (ゾーン)
(HTM 公式サイトへのリンク)
HTMは,ハーグの路面電車を運行しますが,アルファベット3文字は,旧名
(Haagsche Tramweg Maatschappij)に由来しているそうです.

Welkom bij de RET -- RandstadRail
Vervangend vervoer vanaf 10 september 2006
Plattegrond traject Den Haag - Zoetermeer PDFファイル地図
(RTM 公式サイトへのリンク)
RTM : Rotterdamse Elektrische Tram (Rotterdamse metroも運営)

数多くのニュースサイトが伝えています :
vrijdag 01 september 2006
RandstadRail komt pas eind oktober in bedrijf
(Algemeen Dagblad ニュースへのリンク)
01 september 2006 RandstadRail eind oktober van start
(Elsevier ニュース(Novumの記事)へのリンク)
01-09-06 Minstens maand vertraging RandstadRail
(Radio TV West ニュースへのリンク)

この他,ランドスタットレール関連のニュースとして,ハーグ市電(HTM)
3系統への乗り入れが12月にも予定されていますが,ピーク時の運転が
当初計画の7分間隔ではなく,10分間隔になりそうだという話や,
Westeinde病院(Westeinde Ziekenhuis)最寄の電停(MCH Westeindeのこと
か?)が移設により,500mも余計に歩かなければならないといったような
話もありました.

28-08-06 Minder trams Randstadrail in Loosduinen
29-08-06 Langer lopen 'ziekenhuishalte' RandstadRail
(Radio TV West ニュースへのリンク)
いずれもサイトポリシーによる公開期限切れで,記事が表示されないかも
しれません.


ランドスタットレール(RandstadRail)は,ハーグ中央駅から先も,市電
路線網の2方面に乗り入れする予定です.
1つは,Loosduinen地区へ行く3系統で,もう一つは,Uithof地区へ行く
6系統になります.どちらもハーグ中心部からみて西側にある地区で,
HTM3系統はRandstadRail 3に,HTM6系統はRandstadRail 4になります.

下記は非公式サイトですが,数多くの画像で状況把握に役立ちます.
De digitale tram (De digitale tram へのリンク)

30-8-2006(8/30)のところでは,Loosduinen地区へ行くHTM3系統の末端
で,ランドスタットレール(RandstadRail)乗り入れに対応する改修工事が
開始されてバス代行になっている様子が伺えます.
27-8-2006(8/27)のところでは,ハーグ市内でも試運転が行なわれている
レギオシタディス(RegioCitadis)の様子,鉄道線区間と軌道区間を結ぶ
連絡線(Netkous)の様子や,ロッテルダムの地下鉄との離合などもあり
ます.それ以前の日付分も全部一緒に表示されますが,ランドスタット
レール(RandstadRail)関連の画像が多く,関心の高さを伺わせます.

誤訳や誤解で内容が間違っている可能性もあります.ご容赦ください.

2006/8/26 在来線のライトレール化遅れる
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(5) | ベネルクス このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年09月02日

【ナント】専用軌道4系統目はバス運行

1985年に路面電車を復活させた,ロワール地方のナント(Nantes)では,
現在3系統の路面電車が走っています.当初の予想を上回る利用者数が
みられ,その後ブームになるフランスのトラムウェイ復活の先駆者です.

11月には,ナント中心部からみて南東の路面電車網空白地帯のVertouに
向けた,4本目の路線が開業するのですが,4系統目には電車ではなく,
バスが走ることになります.路面電車によるTramwayに対して,Buswayと
呼ばれるものです.鉄道ではなくバスになったのは,公共交通への補助金
負担が,国から地方自治体に大きく移行したことが原因です.そのため
安上がりにする必要がでてきました.

バスウェイ(Busway)には,路面電車やライトレールの特徴が生かされて
います.これまでの路線バスと異なり,道路中央の専用レーンを走り,
交通信号の優先権も与えられ,かさ上げされたホームから平面移動でバス
に乗れるようになり,運賃支払は車内では行わず,乗車前に切符を購入
してもらうことにより,連接バスの全ドアからの乗降を可能にします.
これらによって,表定速度を時速20キロに保ち,従来の路線バスよりも
運行時間の大幅な短縮を図るのです.これは,まさに英語圏で言うBRT
(bus rapid transit)なのでした.

沿線から500mの範囲には,約2万人が住み,そのうち1.8万人が通勤して
いると思われ,一日2.5万人の利用が見込まれています.将来は,中心部
から別の路線のバスウェイ化も検討されているようです.

このたび,そのバスウェイ(4系統)で使用される,天然ガス駆動(GNV)の
低床連接バスが,ドイツのマンハイムで関係者にお披露目されました.
ドイツでの公開は.Mercedes-Benz製Citaroが採用されたからです.
GNV : Gaz naturel pour véhicules

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
バスウェイの概要 :
Génération Busway (TAN 公式サイトへのリンク)
現在はトップページ内にある,「BusWay se dévoile」に,今回ドイツで
公開されたバスの画像があります.(en savoir + をクリック)
TAN : Transports de l'agglomération nantaise
(TANは,Semitanの商標) Semitan : Société d'économie mixte des
transports en commun de l'agglomération nantaise

メニューのDécouvrir BusWayにある,「Pourquoi BusWay ?」にトラムを
含めた路線図があり,中ほどにバスウェイはTSCPへの国の補助金が激減
したことへの対応策という意味の文章がみられます.
TSCP : transport en commun en site propre (専用軌道の公共交通)

「Découverte du véhicule」には,バス車両のデータがあります.
トップページに戻って,メニューLa ligne 4 en pratiqueの,「BusWay
mode d'emploi」には,このバス4系統の運転情報,路面電車との共通点,
このバスの乗り方などが記されています.

TANがカバーするエリア,Nantes Métropoleのサイト : ligne 4

11/06の開業日までのカウントダウンまである非公式サイト :
Ligne 4 - Busway (tan'express へのリンク)
停留所名と,乗換え系統も確認できます.停留所名をクリックすれば,
昨年着工後の推移を画像で見ることもできます.

連接バスが関係者に公開されたことなどを伝える報道 :
01.09.06 Le busway enfin dévoilé outre-Rhin
(20 Minutes ニュースへのリンク)

同じニュースサイトに収容されていた,バスウェイの想像図 :
Diaporama LE BUSWAY A NANTES (20 Minutes へのリンク)
全部で15画面あり,画面をクリックすると先に進みます.


TANのサイトやWikipediaでは,これがフランス初のBuswayとしています.
類似のものでは,ルーアン(Rouen)にTEORというガイドウェイバスがあり
ます.TEORとは,ルーアンの東西線というような路線ですが,こちらも
都心部では専用レーンを走り,切符は停留所で買えるため,連接バスの
全てのドアから乗降可能のようです.ちなみに,ガイドウェイシステムは
光学式で,バス停での幅寄せに使われています.
TEOR : Transport Est-Ouest Rouennais
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2006年09月01日

【リヨン】4本目のトラムはグリーンライン

リヨン(Lyon)では2009年春にはグリーンラインが開通する見込みです.
グリーンライン(ligne verte)と言っても,路線名ではありませんし,
ラインカラーというわけでもないのですが,リヨン第四のトラム路線(T4)
は,沿道を樹木で囲まれた路線になることから,今回記事の見出しになり
ました.そのT4は,来週にも第一期区間が着工されます.

Ligne T4は,T2が通るJet d'Eau - Mendès Franceを起点として南下し,
メトロD線(métro D)の終点,Gare de Vénissieuxを経由して,更に南西
方面に伸びていく,9.5キロの路線です.
このT4が通る道路に,10キロにわたり1400本もの植樹を行なうのです.
さらに電車は,道路の真ん中に設けられる芝生軌道の上を走ります.
これがグリーンラインたる所以です.
植えられる木は,ナシ(poiriers),モクレン(magnolias),セイヨウハシ
バミ(ヘーゼルナッツの木)(noisetiers),オーク(ナラやカシ)(chênes)
などだそうです.

T4の建設費は1億8500万ユーロとされており,2009年4月の開通後には,
一日2万2千人の利用が見込まれています.もちろん,沿線の開発にも一役
買うのでしょう.
T2との接続点(Jet d’Eau)から,TGVの発着するSNCFのPart-Dieu駅まで
の延長(第2期区間)は,来年決定されるようです.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
報道 : (20 Minutes ニュースへのリンク)
01.09.06 T4, le tramway sur une ligne verte

路線の詳細(路線図など) : Le tram T4
Le plan de mandat La carte du plan de mandat 2002-2007
(Le Sytral 公式サイトへのリンク)
SYTRAL : Syndicat mixte des Transports pour le Rhône et
l'Agglomération Lyonnaise

関連話題 過去ログ :
2006/6/28 【リヨン】11月末開業のLEAで試運転開始
2006/3/20 【パリ】桜並木を走りそうなトラムT3
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | フランス I このエントリーを含むはてなブックマーク
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