2007年01月31日

【マイアミ】市電計画は先行き不透明に?

フロリダ州マイアミ(Miami)のダウンタウンに,7マイル弱(11キロ弱)の
南北ループ線と,3マイル弱(4.7キロ弱)の東西ループ線の2つのループを
建設する,2億ドルのマイアミ ストリートカー計画は,昨秋まで順調に
計画が進んでいましたが,このところ足踏み状態です.
昨秋には,マイアミ市の委員会(Miami City Commission)が,この計画の
説明を受けて承認していく予定でした.しかし,それが延び延びになり,
今や早くても今年3月より前に,それが実現することはないだろうとする
報道がありました.

市内の人口は約38万強を数えるマイアミ市には,軌道系の都市交通として
マイアミデイド郡(Miami-Dade County)内に路線を広げる,高架鉄道の
メトロレール(Metrorail)と,同市のダウンタウンを同じく高架で走る,
新交通システムのメトロムーバー(Metromover)があります.
ストリートカーの守備範囲は,メトロムーバと同様に通勤鉄道のメトロ
レール線の東側になり,メトロムーバのカバーしていない,北部を中心に
路線を設けようとしています.そこは住民も多く,公園や各種施設なども
数多く建設されている地区になります.

しかし,市のコミッショナーに計画を諮れないのは,確実に賛成多数を
得られるとは言えない状況だからのようです.
路面電車の建設は費用が掛かりすぎ,ダウンタウンを循環するバスを改善
したほうが安い上に,バスなら状況の変化でルートも柔軟に変えることが
できるとして,それだけの資金を投じるなら,生活にもっと必要なこと
(警察や消防とか,増え続ける年金負債の救済など)に投資すべきだと主張
する反対派もいますが,どちらとも態度を決めかねている様子見の人が
多勢です.それだけ大型の高額で複雑なプロジェクトなのです.

反対派の説く路線バスの優位性に対しては,バスに乗らなくても鉄道なら
乗る人が多いことは,調査で示されているという話も出てきます.

市では,民間の建設業や,鉄道車両メーカー,国際銀行などからなる,
コンソーシアムを公募して,長期契約によるDBOM(設計,建設,運営,
保守)を採用する道も探っています.
記事によれば,このようなPPPは,西ヨーロッパでは珍しくないものの,
主要な公共交通では米国にはないと記しています.
ラスベガスのモノレールは該当すると思われますが,主要な公共交通とは
見なされていないのかもしれません.乗車率も落ち込んでいます.

PPP : public-private partnership

この手法が実現した場合,2008年なかばまでにコンソーシアムが選ばれ,
市電の運転開始は2011年初頭になると見られています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Mon, Jan. 29, 2007 Commission not on board yet for streetcars
Tue, Jan. 30, 2007 Miami trolley's momentum seems to have stalled
(Miami Herald ニュースへのリンク)
どちらもほぼ同じ内容ですが,1/30付けのほうが読みやすいと思います.

同紙のスペイン語版の記事 : タイトルが不確かな将来になっています.
Jan. 30, 2007 Incierto futuro del proyecto del tranvía en Miami
(El Nuevo Herald ニュースへのリンク)

マイアミ市電計画の公式内容 :
* Miami Streetcar Project (トップページ)
* Miami Streetcar Project Frequently Asked Questions (Q&A)
* Project Fact Sheet (PDFファイル)
(City of Miami マイアミ市 公式サイトへのリンク)
Project Fact Sheet内に,提案されている路線図があります.

メトロムーバー(Metromover)の路線図 : Metromover Map/Stations
(Miami-Dade County マイアミデイド郡 公式サイト Transit へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

マイアミ ストリートカー関連 過去ログ :
2006/5/25 市電復活への道(近況)
2006/3/08 路面電車計画に東西線の追加
2006/2/24 路面電車計画に補助金獲得へ
2005/11/19 ストリートカー復活へ弾み
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2007年01月30日

【ニューヨーク】地下鉄の路線別の待遇差

ニューヨーク(New York City)の地下鉄(Subway)路線には,番号が振られ
ている路線と,アルファベットが割り当てられている路線があります.
数字のほうは,1から7までで,アルファベットは,AからZまでですが,
現在は抜けている文字(H, I, K, O, P, T, U, X)もあります.このうち,
Sは複数の路線に割り当てられていて,路線数は現時点では26です.

数字とアルファベットの違いは,ご承知の通り,その歴史に遡ります.
ここで詳しく書けませんが,ニューヨーク市が買収して統合するまで,
複数の会社が地下鉄を運営していました.数字(Division A)と,アルファ
ベット(Division B)の違いは,その会社の違いに由来しています.

その数字(Division A)の路線と,アルファベット(Division B)の路線で,
提供されているサービスに格差があるというのが,今回の話です.

例えば,新車の導入に関しては,数字の路線,ディビジョン(Division A)
が先です.約5年前に,ディビジョンAに新型車両が導入されはじめた頃
でも,ディビジョンB(Division B)の路線は車齢40年近い車両ばかりが
走り続け,故障数もディビジョンAより多い状態でした.
ようやく最近になって,ディビジョンBのNトレインやQトレインにもR160
形式の新車が入り始めています.あとから製造されただけあって,多少
先達からは改良されているのか,車内の自動案内放送の音声が,ディビ
ジョンAのNo.6ラインで走っているものよりも良い,というような声も
聞かれるようです.
車両に関しては,ディビジョンBはトンネル断面積が大きく,幅の広い
車両が走っているなど,ディビジョンAの車両とは互換性がないため,
予算の都合でディビジョンごとに刷新することになり,Bのほうが後回し
になったのかもしれません.

しかし,政治的な要素もあるようです.
地下鉄とニューヨーク市に関する書籍を執筆した人によれば,新しいもの
の導入は,以前はNo.7ラインがいつも真っ先だったとして,その理由は,
7号線の走る地域がハイクオリティだからだしています.
何がハイクオリティなのかは,記事から読み取れませんが,地下鉄No.7
ラインのクイーンズ区(Queens)側の終点は,クイーンズの中でも所得の
高い地域まで届いているようです.
現在はディビジョンBのLトレインが,先行導入時のパイロット路線です.
これは,他路線から比較的独立していて,万が一問題が生じても他路線
への影響が少ないからということを,前に読んだことがあります.以前の
7号線も他の路線と線路を共用することもなく,独立しているほうです.

Lラインで実験され,採用が決まった新機軸でも,その後の採用は番号
路線のディビジョンAからです.たとえば,ホームの電車到着案内表示機
に関しても,番号路線(ディビジョンA)の駅は,今年末までに導入計画が
あるものの,L以外のアルファベット路線(ディビジョンB)への導入は,
今のところ計画がないそうです.

着工が,いや,再着工と言ったほうがいいのかもしれませんが,間もなく
と伝えられている,地下鉄セカンドアベニュー線(Second Avenue subway
line)は,Tトレインになる予定です.ということは,ディビジョンBです
ので,もう十分されていますが,冷遇される可能性がありそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
January 29, 2007 Numbers v. Letters: The Politics of the MTA lines
(New York Sun ニュースへのリンク)

MTA New York City Subway Map (系統図)
(MTA 公式サイトへのリンク)

セカンドアベニュー線の着工は間近と伝えていた記事.
January 25, 2007 Exclusive: Ground Breaking For 2nd Avenue
Subway Line Weeks Away
(NY1 ニュースへのリンク)
その後の情報では,3月になりそうです.
January 30, 2007 MTA sets date for 2nd Ave dig
(amNewYork ニュースへのリンク)

アルファベットと数字
Times Square Subway by andy in nyc (flickr)
Times Square Subway
(Taken on January 22, 2007)

本題とは関係ありませんが..
Transit Museum kitty by The Kozy Shack (flickr)
Transit Museum kitty
(Taken on January 23, 2007)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

関連するニューヨーク 地下鉄の話題 過去ログ :
2006/8/21 地下鉄新車30日間お試し期間 (R160の話題)
2006/8/02 地下鉄路線別ランキング

ニューヨーク セカンドアベニュー線の話題 過去ログ :
2006/2/09 地下鉄T系統は更に遅れか?
2005/11/10 戦後初の地下鉄新線へ一歩前進
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2007年01月29日

【マドリード】ライトメトロの完成間近に(2)

マドリード(Madrid)のメトロリゲロ(Metro Ligero / ライトメトロ)向け
車両の画像がいくつか載っている記事がありました.一週間前のものに
なりますが,ご紹介しておきます.その画像によれば,車両の先頭部分
には,ML(Metro Ligero)と記されています.

マドリードでは地下鉄建設の5か年計画が進行中で,今年5月末が一応完成
目標となっています.それまでに,45キロ近くの延伸区間が開通する予定
になっていますが,計画にはそれとは別に,合計30キロのライトレール
(ライトメトロ)3路線の新設が含まれています.これまでライトレールの
開業日は未定と書いていましたが,ライトレールも5月末予定になって
います.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
21-01-2007 Un metro con vistas
(Madridiario ニュースへのリンク)

ライトメトロと,これまでのメトロ(地下鉄)との違いは,文字通りライト
メトロは軽量であるとか,地上走行の多いライトメトロは,専用軌道や
交差点での優先権が与えられていて,バルセロナなどでもその有効性が
確認されているものの,マドリードに路面を走る電車が戻ってくるのは
何十年ぶりにもなるため,歩行者も自動車も適応してもらわなければなら
ないというようなことも,記されています.なお,ライトメトロ(ライト
レール)の最高速度は,時速50キロになるようです.

アルストム(Alstom)の5車体(全長32m)100%低床車,シタディス(Citadis
302)は,バルセロナから600キロ以上の道のりを二日かけて,マドリード
東部の地下鉄5号線Canillejas駅近くの車庫に一旦運ばれます.そこで
車両としての認可を得た?後,再び特殊なトレーラーで導入される路線の
近くに設けられた車庫へ移されます.こうして,試運転や訓練などが開始
されていきます.

さらに日付がさかのぼりますが,ライトメトロ(ライトレール)の安全確保
のための頭脳とも言える,指令センターが建設されていることを紹介する
記事もありました.

11-01-2007 Los "cerebros" del Metro Ligero
(Madridiario ニュースへのリンク)

ライトメトロの指令センターは,2か所に設置されます.一つは南西部を
走る2路線(2号線と3号線)を,もう一つは北部の1号線を受け持ちます.

センター内には,リアルタイムで運行状況や駅設備の状況などを示す大型
画面が用意されます.記事には画像も掲載されていますが,これは恐らく
地下鉄のものでしょう.それでも,同じようなものが,ライトレール用に
作られます.遅れの情報は,乗務員に表示させることも可能なようです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

マドリード ライトメトロ関連 過去ログ :
2007/1/22 ライトメトロの完成間近に
2007/1/07 間もなくシタディス試運転
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2007年01月28日

【ポートランド】United Streetcar 設立ほか

先週金曜(1/26)に,オレゴン州ポートランド近郊にある,Oregon Iron
Works, Inc.(以下OIW)本社で,州知事や下院議員なども顔を揃えるなか,
同社が米国で初めての近代的低床路面電車製造メーカーになるとの発表が
ありました.
2005年8月にもご紹介してしていた,連邦からの400万ドルの補助金を,
同社が正式に獲得したことを受けてのことです.
同時に,United Streetcar LLCという子会社が設けられました.
このUnited Streetcar LLCが,米国初となる国産低床式路面電車のプロト
タイプを,まず製造します.
LLC : Limited liability company (有限責任会社)

最近ストリートカー(streetcar)は注目の的で,全米で50とも80近くとも
言われる数の街が,導入を検討しています.これまでにも大型のライト
レール車両(LRV)が,外国メーカと共同でBuy America法に基づき米国内で
車両の一部が製造されるケースや,レトロ調の車両製造メーカーはあり
ましたが,近代的な連接低床タイプの路面電車ではありませんでした.
十分な市場がありそうです.

また,製造メーカーが出来るということは,全てを製造しないまでも,
60%を国産にしなければならないバイアメリカ法(Buy America)に対応可能
となるため,連邦から補助金を受取ることも可能になります.チェコ製
車両をそのまま輸入していたポートランド市電では,これまで連邦政府の
補助金は使えませんでしたが,今後の路線網拡大では必要となります.

United Streetcar LLCが着手するプロトタイプの車両は,ご当地ポート
ランド市電(Portland Streetcar)向けとなり,現在使用しているチェコ製
車両と互換性のある,四軸で両運転台の低床車両で,完成は今後2年以内
とされています.プロトタイプの製造にあたり,OIWはチェコのSkoda社
との間に,独占的な技術譲渡契約を結びました.
ポートランド市には,市電の拡張案がいくつかありますので,新車導入を
必要とするような路線網の拡大にも対応できることでしょう.

また,OIWはストリートカー製造に関連して,少なくとも20人の雇用を
創出することになります.今後事業が順調にいけば,これが200人の新規
雇用につながる可能性もあるそうです.
OIWという会社は,陸海空を含む様々な産業分野で,顧客(主に国?)からの
要望に応じた革新的な特注品を製造することを得意としているようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Oregon Iron Works, Inc. (トップページ)
STREET CAR (Oregon Iron Works, Inc. 公式へのリンク)

オレゴン州知事,同州選出の民主党下院議員(昨秋の選挙で改選されて,
1月から下院運輸小委員会の委員長を努める),ポートランド市長などが
出席するなかで,報道向け発表が行なわれたことを伝える記事 :
January 26, 2007 Oregon company lands Portland Streetcar contract
(KGW-TV ニュースへのリンク)
January 26, 2007 Oregon Iron Works wins contract
(OregonLive.com ニュースへのリンク)
January 26, 2007 Portland Company To Begin Making Streetcars
(Oregon Public Broadcasting ニュースへのリンク)

これに先立ち今月中旬には,これで最後になるかもしれない,チェコ製の
低床車両が,ポートランドストリートカーの車庫に到着していました.
今回3本が増強されて,今後は10本体制になります.
納入時の様子
delivery by portlandtransport (flickr)
delivery
(Taken on January 15, 2007)
左は在来車,右が今回納入の車両

報道はありませんが,先週初め1/22に受領式も行なわれているはずです.

今週末から,ポートランド市電の現在の終点,サウスウォーターフロント
地区と,丘の上にある大学OHSUとの間を結ぶ,米国ではエアリアルトラム
(aerial tram)とも呼ばれるロープウェイが,一般人でも乗車可能になり
ました.運賃はやはり$4で,日祝日は運休です.ご注意ください.
Portland Aerial Tram (公式サイトへのリンク)
OHSU : Oregon Health & Science University
トラムとストリートカーの出会い
OHSU Tram by hen power (flickr)
OHSU Tram
(Taken on November 30, 2006)

空中での離合で山頂駅を望むと..
Portland Aerial Tram going the other way
by Major Clanger (flickr)
Portland Aerial Tram going the other way
(Taken on January 27, 2007)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ポートランド ストリートカー関連 最近の過去ログ :
2007/1/11 市電の成功は眉唾とするコラム
2006/12/08 市電オストラヴァで試運転
2006/11/01 トラムと路面電車の出会い
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2007年01月27日

【ユージーン】BRT(EmX)運転開始直後の状況

先週から営業運転が開始されたBRTの通称EmX(エムエックス),グリーン
ラインの続報です. (BRT : Bus rapid transit)
2007/1/08 BRTグリーンライン 1/14開業へ

EmXとは,オレゴン州ユージン(Eugene)一帯の地域に由来する,Emerald
Expressの略で,一般車両は通行できない専用レーンを走り,交差点でも
信号の優先権を与えられて走る,バス ラピッド トランジットです.
今回導入のユージン(Eugene)とスプリングフィールド(Springfield)間の
フランクリン コリドー(Franklin Corridor)区間では,グリーンラインと
いう路線名も付いています.

LTDの速報値によれば,同じルートを走っていた路線バスの時には,平日
平均2700人だった利用者数が,同4200人に増え,とりあえず好調が伝え
られています.予想の数字に達していますが,グリーンラインでは運賃が
当面は無料です.
LTD : Lane Transit District
ユージーン市の人口は約14万強,スプリングフィールド市は約5万人強
で,ユージーンにはオレゴン大学(University of Oregon)もあります.
レーン郡(Lane County)のなかでも両市を含むユージーン都市圏での公共
交通を担い,年間830万人を輸送しているLEDのシステム全体で,EmXの
運転開始により,どれだけ乗客が増えたかの分析には,今しばらく時間が
掛かるのかもしれません.

一方,ユージンとスプリングフィールド間を,日中16分で結ぶ目標は,
いまだ達成困難なようで,最長は,これまでの路線バスとほぼ同じ21分
掛かっていると報道されていました.時間帯では,朝は比較的スムーズ
だそうですが,午後はそうはいかないとのことです.

EmXのグリーンラインでは,全線ではないものの,専用レーンが設けられ
ています.この専用車線は,一車線を双方向のバスで使う,いわば単線の
ような区間もあるのですが,さらに,それが一方通行の道路にも設けられ
ています.つまり,一方通行を逆走する60フィート(18m強)の連接バスが
日中は10分間隔で走っているというわけです.
これまでの一方通行に慣れてきた自動車や歩行者が,このバスレーンを
横断する際に,左右両方を注意するようにと,LTDでは沿線に郵便で連絡
するなど呼びかけていますが,ラジオやテレビなどで流すことも検討中
だそうです.また,恒久的な標識以外にも,臨時の標識を多数設けて,
歩道にもお店が出しているような立て看板を,交差点に置いています.
報道でも,これを取り上げていました.10日経過した時点では事故は起き
ていませんが,左右の確認を怠る横断は,車,人とも多いそうで,心配は
尽きません.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
EmXが走る一方通行道路の横断に注意を促す記事 :
January 23, 2007 LTD's two-way buses can get you coming or going
(The Register-Guard ニュースへのリンク)

この他では,親子が離れ離れになってしまい,車内に取り残された親が
ドライバーに停止を求めたものの,2ブロック先の次のバス停まで連れて
行かれたという話が,連日にわたって取り上げられています.

下記画像は,幅の広い中央分離帯上に設けられた島式ホームのバス停に
進入するところでしょう.画面奥の方では,緑地帯の両側でなく,片側に
寄せられています.工費を節約するためかもしれません.
EmX lane at Agate Station
by functoruser (flickr)
EmX lane at Agate Station
(2007年1月)

臨時の看板 Look both ways
by functoruser (flickr)
Look both ways
(2007年1月)

双方向で使用する単線の専用レーンの出入口
Walnut and Franklin
by functoruser (flickr)
Walnut and Franklin
(2007年1月)

上の画像で中央に建つバス専用の信号機は,交差点の通行だけでなく,
この先の単線区間への進入が可能かどうかの表示も兼ねています.
もしも,単線区間に逆方向のバスがいる場合には,この交差点の手前で
停止して,行き違いするまで待っていなければなりません.運転間隔は
平日は10分です.
交差点の信号を優先させる方法で,単線レーンへの進入と退出を検知して
いるのだと思われますが,その詳細やフェイルセーフの有無は不明です.

同じオレゴン州のポートランドからユージーンまでの道のり :
Pioneer Courthouse Square to Eugene Station
(Google Maps - Get directions - へのリンク)
ポートランドのPioneer Courthouse Square (住所 701 SW 6th Ave.,
Portland OR)から,ユージンのEugene Station (住所 1080 Willamette,
Eugene OR)までの道順です.
両都市間には,タルゴが走るアムトラック(Amtrak)や,グレイハウンド
のバス(Greyhound Lines)などの公共交通もあります.しかし,鉄道は
ポートランドからの日帰りには不向きなダイヤですし,バスも一日数本
だけです.
ユージーン空港(EUG)もあり,ポートランドや他の西海岸主要都市との
間にフライトもあるようですが,空港からの定期路線バスはありません.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ユージーンBRT関連 過去ログ :
2007/1/08 BRTグリーンライン 1/14開業へ
2005/10/11 バス ラピッド トランジットが来秋開業
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2007年01月26日

2007年【運賃無料】3日分の予算承認される

今年も6月からのスモッグシーズンに,大気の状態が連邦政府の定める
基準を超えそうになると,前日に宣言されるスペア・ディ・エア・デー
(Spare the Air Day)のうち,6月以降の最初の3日間は,平日に限って
ですが,ベイエリア域内26交通事業者の運賃を,終日無料とすることが,
ベイエリアの交通関係を司る行政機関,MTCにより承認されました.
交通事業者に運賃を無料化した分を補填する財源として,米国運輸省内の
CMAQからの補助金のうち,750万ドルが使われます.
MTC : Metropolitan Transportation Commission
CMAQ : Congestion Mitigation and Air Quality

2006年は,こちらでも紹介しているように,最初は3日分だったものが,
早々に消化してしまったこともあり,シーズン途中で追加され,最終的に
6日間が運賃無料になりました.補填費用は1320万ドルだったそうです.
昨年は公式には,The 2006 Spare the Air/Free Transit Campaignという
名前が付けられていました.

スペア ジ エア(Spare the Air)とは,ウィキペディアの記載によれば,
地表のオゾンが84ppbを超えそうになるか,大気汚染の指標が100を超え
そうになる日に発令されるもので,その日は自動車の運転を控えるよう,
テレビやラジオを通じて呼びかけがあります.登録者にメールで通知する
システムもあります.これは,連邦の大気汚染基準を遵守しない場合,
交通機関への連邦補助金を削減されることになるそうで,それを回避する
ためのようです.

全てのスペア・ディ・エア・デーが対象ではありませんが,終日運賃を
無料とするキャンペーンは,一人でも多くの人が自動車を自宅に置いて,
その日は公共交通機関で通勤してもらうことにより,汚染物質の排出量を
少しでも減らし,連邦の基準値を超えないようにするのが目的です.
2006年は近年になく6日間も運賃が無料となり,乗車率で15%増,利用者は
135万人増(一日あたり22万5千人増)となり,自動車の行き来が一日53万回
近くまで減り,自動車の移動距離も同350万マイル減少したことが,MTCで
報告されました.

しかし,今年も運賃無料キャンペーンを導入することを伝える記事は,
懐疑的な見方です.
効果の割りに,費用が掛かりすぎるという指摘です.他の手段から比べ
れば,自動車が排出する汚染物質削減量も一日4.5トンと大きいものの,
費用も莫大で,汚染物質を1トン削減するのに,41万ドル強が投じられた
計算になるそうです.
これに対して,古い自動車を買い取ってスクラップにする,Vehicle Buy
Back Programという制度では,1トン削減に7300ドルですし,路線バスに
排ガス制御装置をつける,Urban Bus Retrofit Programでは,同8千ドル
に過ぎません.それでも,どちらも一日1トン以上の効果があります.

2006年には全部でスペア・ディ・エア・デーが11日ありました.このうち
6日は運賃無料日となりますが,残りのうち平日3日分では,乗車率の前年
比3%増が2日,同1%増が1日という結果に留まりました.
増えた人が自動車通勤からの切り替えた人たちだったのか,という問題も
あります.無料をいいことに,普段は何もしていない人が,時間つぶしに
乗ったというケースも多かったようで,普段から公共交通で通勤していた
人たちにとっては,迷惑な話だったということも聞かれました.これは
想定外のことだったようです.

これを防ぐために,BARTでは朝のラッシュ時だけ運賃を無料化する提案を
しています.実は,2004年と2005年がそうでした.これなら,3日間終日
無料にするよりも,少ない費用で済む上に,用事のない人が乗り込んで,
Spare the Air programの評判を落とすようなことが起きずに済むのでは
ないかと,考えられています.
Caltrainも同様に終日の無料は不要と考えていますが,朝だけではなく
夕方のラッシュも対象にと提案しています.
これに対して,VTAなどでは,終日無料が効果ありとしています.
この他,経費を穴埋めするため,民間からのスポンサーを募集する案も
出てきました.
BART : San Francisco Bay Area Rapid Transit District
VTA : Santa Clara Valley Transportation Authority (サンノゼ)

スペア ジ エア(Spare the Air)は,夏の間は昼間ですが,冬の間は夜が
対象になります.冬の夜も大気汚染が進む条件があり,発令された日には
自動車の利用ばかりでなく,木を燃やすストーブや暖炉の使用を控える
ように呼びかけられます.今シーズンは,既に現時点で24日あります.
この夏はどうなるでしょう.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
効果を疑問視する報道 :
Jan. 25, 2007 Free public transit OK'd for three Spare the Air days
(San Jose Mercury News ニュースへのリンク)
01/11/2007 Spare the Air approved for another $7.5 million
(Inside Bay Area ニュースへのリンク)

2006年無料キャンペーンの詳細なデータは,PDFファイル(45ページ)で
見ることができます.(MTC 公式サイトへのリンク)
results of the 2006 Spare the Air/Free Transit Campaign
各事業者ごとの乗車率の推移なども載っていて,細かく分析したい人には
必見かもしれません.

該当日には自動改札も封印
Spare The Air
by lantzilla (flickr)
Spare The Air
(2006年7月)

Spare the Air Day!
by Benjamin Pender (flickr)
Spare the Air Day!
(2006年6月)


誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ベイエリア Spare the Air Day 関連 過去ログ リスト :
2006/8/01 2006年【運賃無料日】その成果と是非
2006/7/18 【運賃無料】予算追加で今年は6日分に
2006/6/29 【運賃無料】軒並み2桁の利用者増加率に
2006/6/23 【運賃無料】今年最初のSpare the Airで
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2007年01月25日

【LA】ケーブルカー今夏にも運転再開へ

6年前の事故以来,運休が続くエンジェルス・フライト(Angels Flight)
が,この夏の終わりにも復活するという発表がありました.

全長298フィート(91m弱)で,世界最短の鉄道と言われるエンジェルス・
フライトとは,ロサンゼルスのダウンタウン,バンカーヒル地区(Bunker
Hill)にあるケーブルカーのことです.
ご承知のかたも多いと思いますが,ウィキペディアの記述を基に簡単に
歴史を振り返ってみると,創業は1901年で,当初はLos Angeles Incline
Railwayと呼ばれています.2つの車両がケーブルにより斜面を上下する
鋼索鉄道で,急坂のある地域で住民の足となっていました.しかし,周辺
地域の開発のため,1969年に一旦その歴史を閉じます.
その後,1996年に半ブロック位置を変えながらも,保存していた車両を
使い,歴史保存の名目も加えながら,再開発計画の一環として27年ぶりに
復活しました.それにより観光客も利用していきます.
ところが,2001年2月にブレーキ故障で車両が下の駅へ転落,犠牲者を
出すという事故が発生しました.エンジェルス・フライトは,それから
今日まで,運転休止を余儀なくされています.
事故後,Angels Flight(TM) Railway Foundationなる財団が設立され,
再開に向けて動き出しました.

その財団が1/23に発表したところによれば,新しい駆動装置の導入や,
安全対策などのための資金として,財団は寄付などを通じてこれまでに
260万ドル調達しています.財団によれば,あと62万ドル近く必要として
いるものの,初代よりOlivetとSinaiと命名されて使われている車両の
修理や,麓の駅のアーチの復元なども終えて,再開は晩夏の予定です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Angels Flight Railway Foundationの発表があることを伝える案内 :
January 22, 2007 Angels Flight Board and Community Members
Gather at the Station on Hill Street to View Work in Progress
as Railway Moves Closer to 2007 Reopening

(Business Wire へのリンク)
この案内では,再開は今年の終わりとあり,夏という言葉はありません.

発表のあと,多くのメディアが取り上げました.
January 24, 2007 Rebirth of Angels Flight
(Los Angeles Times ニュースへのリンク)
January 24, 2007 'World's Shortest Railway' To Reopen Downtown
(KABC-TV and CNS ニュースへのリンク)

LAタイムスの記事は,観光客向けのアトラクションから,ダウンタウンの
移動手段として,三代目とも言えるエンジェルス・フライトの役割が,
二代目(1996-2001)より大きくなる可能性を伝えています.

運休していた6年の間に,ダウンタウンでは豪華なロフトや,高層コンド
ミニアムが建ちはじめ,住民が戻ってきています.丘の上のバンカーヒル
(Bunker Hill)には,オフィスビルやコンドミニアムだけではなく,文化
施設や娯楽施設なども出来つつあるそうです.その間の行き来に,この
ケーブルカーが交通機関として,利用されるのです.
なお,LAタイムスの記事には,地図と画像のリンクもあり,初代の様子も
収められています.

Angels Flight
by Ron's Log (flickr)
Angels Flight
(2004年1月)

Angel's Flight
by Fire Monkey Fish (flickr)
Angel's Flight
(2004年12月)

バンカーヒルの様子 (Pershing Square駅近く)
Bunker hill
by Mister-E (flickr)
Bunker hill
(2006年5月)

上空からみたエンゼルス フライト : Angels Flight (西向き)
(Windows Live Local bird's eye へのリンク)
画面右下(北東)に動かしていくと,先代のケーブルカーが走っていた場所
がありますが,全く面影は残っていません.古い写真に見えるトンネルの
ところさえ,ビルが覆いかぶさっているようです.

ロサンゼルスのユニオンステーション(Union Station)からの行き方 :
地下鉄レッドライン(Red Line Subway)に乗車して,2つ目のPershing
Square駅(500 S Hill St)で下車し,北北東に1ブロック半歩くだけです.
from Pershing Square Station to 350 S Hill St
(Google Maps へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年01月24日

【ランス】シタディスの前面形状を投票で

フランス北部のシャンパーニュ=アルデンヌ地方で,人口19万弱を擁する
ランス(Reims)でも,トラムウェイ導入計画が進んでいます.早ければ
2010年末からの運行となりますが,それは,70年を超える歳月をかけての
復活ともなるようです.
新しいトラムの車両には,アルストム(Alstom)のシタディス(Citadis)が
採用されることと,架線レス走行が可能な,地表集電システムAPSも導入
されることは,昨年7月にもご紹介していましたが,車両の前面形状を
決めるのにあたり,投票にかけられていたことがわかりました.

3つのデザインが用意されていて,市内の数箇所に投票所を設けていた
ほか,インターネットの公式サイトでも投票を受付けていたようです.
行われたのが1/10から1/20まででしたので,すでにサイト上の記載は消滅
しているようですが,3つのデザインの画像を含めた情報を見ることが
できるページがありました.自動車関係のサイトのようで,パリで復活
した市電のことも取り上げている,体裁はブログのようです.
今週末には決定案が発表されますが,残る2つの案は今後表に出ることも
ないかもしれません.

シタディス七変化というかどうかわかりませんが,外観の設計自由度が
比較的きくだけのことはあります.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
デザインの選択肢が掲載されているサイト :
22 janvier 2007 tramway de Reims : les habitants ont la parole !
(Caradisiac.com へのリンク)

追記 : 2007/2/11
先頭形状は,1/26に決定されたと,車両メーカのアルストムが発表
しています.シャンパングラスのような,腰のくびれたデザインが
採用されたとありますので,何となく想像はできますが,画像が
ないため今ひとつピンときませんでした.
30 January 2007 Reims Citadis tramway: a truly sparkling design
(ALSTOM ニュースリリース 英語版へのリンク)

それが先日,下のブログのようなサイトに画像が出てきました.
07/02/07 Promenade haute en couleurs
(étapes graphique へのリンク)
Caradisiac.comに掲載されていた3候補のうち,TRAM REIMS
Projet 2が選ばれていることがわかります.

また,以前には色は決まっていると書いてしまいましたが,どうも
それは誤りだったようで,10色以上が使われます.それも1編成で
10色使うのではなく,1編成ずつテーマカラーがあり,外装ばかり
でなく,内装まで色を変えるようです.全部で18編成が用意される
ことになっています.


誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ランス(Reims) 関連 過去ログ :
2006/7/14 【APS】アンジェとランスで採用 3都市に
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2007年01月23日

【フランス】バードアイでトラム路線探索へ

ウィンドウズ ライブローカル(Windows Live Local)の地図検索にある,
バードアイ画像を収めた対象都市が欧州にも拡大されました.
グーグル アース(Google Earth)だけでは,うかがい知ることができない
細かい部分を見ることができますし,Googleよりも多少新しいデータが
使われているようです.
そこで今日は,いつもと趣きを変えて,居ながらにしてトラム新路線,
未開業線の探索に出かけられるよう,ハイライトと思われる部分にリンク
してみました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
【リヨン】(Lyon) T3 (LEA)
この路線の最大の特長は,通過待避線の設けられている駅が複数あること
ではないでしょうか.上空から見ただけでは,TGV新線上の途中駅のよう
にさえ見えてしまう通過線は,サンテグジュペリ空港(Aéroport Lyon-
Saint-Exupéry)まで延長された際,LESLYSが使うのかもしれません.
芝生軌道は,想像より少ないのですが,撮影後に造成されている可能性も
あります.
LESLYS : Liaison Express Lyon St Exupéry
LEA : Ligne de l'est de l'agglomération (=T3)

始発駅 Gare Part-Dieu (北向き)
画面左(西)に移動すると,SNCF駅の向こう側に,T1の電停もあります.
画面上(北)に移動していくと,T1と合流する様子も見れます.
画面下(南)に移動していくなり,コンパスで南向きに変更するなりして,
出発してください.SNCFの線路と離れたあたりに,色鮮やかな芝生軌道が
あります.
Vaulx-en-Velin - La Soie (将来はメトロA線 乗換え駅に) (北向き)
上下両方に待避線が設けられています.画面上(北)には車両基地もあり
ますが,これはメトロのものかもしれません.
防音壁の例 : Décines - Centre 駅近く (東向き)
ここも上下に待避線 : Meyzieu - Gare (東向き)
残念ながら,バードアイで見ることができるのは,ここまでで,終点の
Meyzieu - ZIは圏外でした.
(ここまで,Windows Live Local bird's eye へのリンク)

* Tramway Lea / T3 路線概要
* Télécharger le plan Lea T3 (GIFファイル版 路線図)
(TCL 公式サイトへのリンク)
TCL : Transports en Commun Lyonnais
(Métro, Tramway, Bus et Funiculaire)

リヨン T3(LEA)関連 過去ログ :
2006/11/29 T3開業,ただし営業は12/04から
2006/10/08 空港連絡の急行トラム事業権
2006/6/28 11月末開業のLEAで試運転開始


【マルセイユ】(Marseille) Ligne 1 / 2
街中は建物の影になってしまい,バードアイでも軌道を確認するのにひと
苦労ですが,所々に明らかに道路とは違う色の軌道敷が見え隠れします
ので,何とか追跡できます.

交通の一大拠点に変貌する gare de la Blancarde (西向き)
SNCFをはじめ,トラム2路線と,いずれはメトロも延長されてきます.
68系統時代の終点 : Saint-Pierre (東向き)
昔の車庫と駅舎の面影は全く残っていません.この画面上(東)に,新しい
車庫があるようです.下は比較のため同じ場所の衛星画像(北向き).
Saint-Pierre, Marseille, France (Google Maps)
絵になりそうな,La Canebière. Marsella (東向き).
TGVの発着するSt Charles駅からメトロで一駅,Réformés Canebière駅の
近くです.
(ここまで,Windows Live Local bird's eye へのリンク)

* Le Métro / Tramway de Marseille (路線図など)
(Ville de Marseille 公式サイトへのリンク)

マルセイユ トラム関連 過去ログ :
2006/10/03 トラム建設にEIB融資決まる
2006/8/18 あのデザインが遂にデビュー
2006/2/07 新トラム来春開業は予定通り


【ニース】(Nice)
撮影時には,まだ軌道が敷設されていない部分も多く,途中で途切れて
いますが,中心部では確認することができます.

マッセナ広場 (place Masséna) と地中海 (南向き)
ここは,バッテリー走行が予定されている場所で,画面下(北)から広場で
角度を変えて,左(東)に向かっている軌道の工事現場が見えます.昨年末
には,ここでシタディスが展示されました.
ガリバルディ広場 (place Garibaldi) (西向き)
ここも架線レスの予定で,工事中に遺跡が見つかりました.レールはまだ
見えませんが,広場の上(西)を左右(南北)に横切っていくようです.
コンパスで北向きに変えて,少し進むとレールが見えてきます.
ドゴール将軍広場 (Place Général de Gaulle) (北向き)
画面左(西)には,プロバンス鉄道(Chemin de fer de Provence)の駅が
あり,SNCF駅は画面下(南)の方角です.
(ここまで,Windows Live Local bird's eye へのリンク)

* Le Parcours La ligne T1 (路線図)
(Tramway de l’agglomération Nice Côte d’Azur 公式サイトへのリンク)

ニース トラム路線 関連 過去ログ :
2007/1/10 トラム2号線の路線詳細の意見交換
2006/5/28 工事補償の適用範囲拡大へ
2006/4/09 中心街でもレール敷設開始
2006/2/25 トラム開業遅れと部分開業の可能性


【クレルモン=フェラン】(Clermont-Ferrand)
トランスロールの中央軌条(ガイドレール)は,上空から見ると複線でも
一般の路面電車の単線のように見えてしまいます.

ジョード広場 (Place de Jaude) (北向き)
ここは,開業式典などが行われた広場です.
北端の終点,Champratel の先にある車庫 (南向き)
南の暫定終点 : CHU Gabriel-Montpied (西向き)
脱線事故が起きて営業運行がひと月遅れましたが,南側の終点にある,
折返し用の渡り線が現場だったはずです.拡大すると,それらしき渡り線
も見えてきます.
画面下(東)側は,現時点では未完ですが,今春には開通するようです.
(ここまで,Windows Live Local bird's eye へのリンク)

* Le tracé (路線図など)
* 12/01/2007 Dunant - La Pardieu, une ouverture prévue pour la
rentrée 2007
(La Pardieuまで残る区間の開業予定案内)
(SMTC - Le tram 公式サイトへのリンク)
SMTC : le Syndicat Mixte des Transports en Commun de
l’agglomération clermontoise

クレルモンフェラン トラム関連 過去ログ :
2006/11/14 一ヶ月遅れの運転開始
2006/11/03 11/13営業再開へ
2006/10/14 本格開業はお預け?
2006/9/10 80パーミル走行試験
2006/7/27 Translohr 10/14デビュー
2006/6/17 中心部でトラム試運転
2006/2/14 電停プロトタイプ公開


フランスのトラムが走る街ではこの他,ボルドー(Bordeaux),モンペリエ
(Montpellier)なども探索できます.また,ドイツや,イタリアなども,
多くの都市をカバーした模様ですので,お試しください.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年01月22日

【マドリード】ライトメトロの完成間近に

地下鉄の路線網が張り巡らされている大都市でも,その補完としてライト
レールが建設されるのは,パリだけではありません.
EU第三位の人口323万人,スペインのマドリード(Madrid)でも,地下鉄
(メトロ)路線網の拡充以外にも,メトロリゲロ(Metro Ligero)と呼ばれる
新路線を建設中で,間もなく開業の見通しとなっています.

メトロリゲロ=ライトメトロとは,ドイツ風に言うならシュタットバーン
(Stadtbahn),米国ならライトレール(Light Rail)のような存在です.
言葉の定義をここで書くつもりはありませんが,どちらも,路面電車
(Straßenbahn / streetcar)とは区別されていて,米国では車両の収容
人員や,運行速度,路線距離,軌道形態などにより使い分けています.
スペインでも,路面電車を意味するトランビア(Tranvía)という言葉が
ありますが,ライトメトロ(Metro Ligero)は,たとえ同じ車両を使うと
しても,区別して用いられているようです.
また,同義語としてライトトレイン(Tren ligero)という言葉もあり,
ウィキペディア(Wikipedia)のスペイン語版は,ライトトレインが英語の
ライトレールと相互にリンクしています.
Metro Ligeroで検索すると,Tren ligeroにリダイレクトされます.


マドリッド(Madrid)では,このライトメトロを現在3路線建設中です.
いずれもアルストムの100%低床車,シタディスが使われます.
2007/1/07 間もなくシタディス試運転
このうち,マドリード北部に建設されているライトメトロ1号線は,地下
区間が多い路線ですが,土木工事の93%がすでに終了していて,今後は
残り部分の工事完了と約1ヶ月の試運転を行なった後に,運転開始できる
見通しと,先週発表されていました.

この路線は,サンチナロ(Sanchinarro)とラス タブラス(Las Tablas)を
結ぶ約5.3キロの区間で,沿線人口は4万人とみられ,サンチナロ地区の
都市開発計画(PAU)に組み込まれています. 中心部から直線距離で10キロ
にも満たない場所です.
PAU : Programa de Actuación Urbanística

新興開発地の中を走りますが,路線延長のうち約70%は地下を走ることに
なり,残り30%が地表走行ですが,緑地帯を走るようで,芝生敷きの専用
軌道なのかもしれません.途中駅も半分が地下駅で,両端の駅でメトロの
延長新線とそれぞれ接続します.
Las Tablas駅では地下鉄10号線の延長線と,ピナル デ チャマルティン
(Pinar de Chamartín)駅では,1号線と4号線のそれぞれの延長線と接続
する予定ですが,いずれの線も延長区間にあたり現在工事中です.

建設費は当初3億2千万ユーロと見積もられていましたが,今回の発表では
マドリード共同体では,2億6230万ユーロを投資したとあります.これが
減額なのか,何か計画が変わったからなのかはよく判りませんし,別の
資料では地域自治体が2004年の数字で7530万ユーロを投資するともあり
ます.含まれるものが違うのか,分担するのがその額で総額ではないの
かもしれません.
なお,今回の発表では,2億6230万ユーロこのうち2350万ユーロ分は,
車両?(material móvil)購入費に相当するそうです.

大半が地下を走り,両端で地下鉄とも接続するのに,なぜ地下鉄の延長
ではなく,ライトメトロという新形態で建設されたのか,それには,次の
ような説明がなされています.
まず,柔軟性(flexibilidad)が鍵になっています.これはライトメトロが
従来のメトロ(ヘビーレールの地下鉄)と比べて,曲線半径を小さくとれる
ことにより,路線設計の自由度が増すというものです.路線図を見ても
わかるように,地下鉄よりも急カーブが多く,必要以上に曲がりくねって
いるように見える路線は,実は,少しでも多くの利用者が駅に近くなる
ことを目指した結果のようです.
次に,専用軌道を走らせるのは,効率の良い輸送を可能にするからで,
路面電車ではこの部分が役不足です.
最後に,これは不明な点もあるのですが,メトロ4号線の延長も検討され
ていたようですが,これでは1号線の負担が増すだけなので,新形態の
ライトメトロにしたのだそうです.

ライトメトロは,スペインのアンダルシア州セビリャ(セビリア)や,同州
マラガでも建設が行われています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
マドリード自治州からの発表 :
下段に,路線図(PDFファイル)へのリンクがあります.その中では黄色の
部分が地下,青色の部分が地表を走行する区間になります.
17/01/2007 Las obras del Metro Ligero a Sanchinarro y Las Tablas
están al 93% de ejecución

(Comunidad de Madrid マドリード州 公式サイトへのリンク)

いくつか報道があるなかで,下記記事によれば,シタディスの試運転は
まだ開始されていないようですが,そう遠くなさそうです.また,開業
時期に関して,5月末の少し前という州知事の発言も掲載していました.
17/01/2007 Aguirre, 'disgustada' por no poder completar la red de
transporte intermodal

(elmundo.es ニュースへのリンク)

ライトメトロ選択の理由は,下記ページに記されています.
25/05/2004 El Metro ligero conectará Sanchinarro y Las Tablas
con Plaza de Castilla en 15 minutos

(マドリード・メトロのニュースアーカイブへのリンク)

周辺の路線図(太線は建設中)
Sanchinarro.png

サンチナロのパノラマ (Edificio Miradorから?) panorama sanchinarro by 0um (flickr)
panorama sanchinarro
(2006年11月現在)

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マドリード関連 過去ログ :
2007/1/07 間もなくシタディス試運転
2006/10/23 州知事候補が市電導入を公約?
2006/10/02 近郊で路面電車網計画発表 (アルコルコン)
2006/8/31 郊外で路面電車が開通間近 (パルラ)
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2007年01月21日

【ブエノスアイレス】フランスからの市電公開

スペインのムルシアで,今年4月から走り始める予定の市電と同タイプの
車両が展示された翌日,アルゼンチンのブエノスアイレス(Buenos Aires)
でも,昔は港湾地区で今は再開発されているプエルト・マデロ(Puerto
Madero)地区に,今年1/05に着工したばかりで,3月中旬から運転開始が
予定されている,路面電車Tranvía del Este用の車両が,その路線上で
1/19に一般公開されていました.
追記【ムルシア】市内でシタディス展示中 (電停のデザイン投票)

この車両は,フランスのミュルーズ(Mulhouse)からはるばるやってきた
シタディス(Citadis 302)です.当面はこれを借りてプエルト・マデロの
セシリア ヒエルソン通り(calles Cecilia Gierson / altura Córdoba)
から,インデペンデンシア・アベニュー(avenida Independencia)の間の
約2キロで,運転されることになっています.
2編成とみられる車両の貸出しは,アルゼンチンの運輸省(Secretaría
de Transporte de la Argentina)と,フランスの運輸省(Ministerio de
Transporte de la República Francesa)との間で昨年7月に交わされた,
アルゼンチンでの路面電車導入における,包括協定に基づくものです.

プエルト・マデロ(Puerto Madero)を走る路面電車には,Tranvía del
Esteという計画名(プエルト・マデロ地区が市の東側に位置するため,
東の路面電車の意味)のほかに,今回,セレリス(Celeris)という名前も
付けられたようです.

停留所の位置(北から南へ) :
1. Cecilia Grierson (avenida Córdoba)
2. Trinidad Guevara (avenida Corrientes)
3. Azucena Villaflor (avenida Belgrano)
4. Independencia

総額4600万ペソに及ぶ費用は,国とブエノスアイレス市,それに2つの
企業,フェルロビアス(Ferrovías)とメトロビアス(Metrovías)が請け負う
ことになります.
その上で,アルゼンチンの運輸省が担当当局となり,計画全体を管理する
ことになり,ブエノスアイレス市は優先信号システム(semaforización)を
導入,フェルロビアス(Ferrovías)が現存する古いレールを活用する調整
作業を含む整備を行い,メトロビアス(Metrovías)は架線と電停の設置を
担当します.
電車の運行は,ブエノスアイレスの地下鉄なども運営するメトロビアス
(Metrovías)が行なうものだと前回紹介していましたが,Télamの記事に
よれば,フェルロビアス(Ferrovías)が担うようです.フェロビアスは,
ブエノスアイレスの通勤鉄道を運営する会社で,将来市電の延伸計画が
ある,レティロ駅(Estación Retiro)から列車が発着しています.

交差点での優先信号システム?(semaforización)は,1987年に開通した
プリメトロ(Premetro)E2で使われているものに,最新のセンサーを使う
などの改良を施して導入するようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
ブエノスアイレス市の公式?発表 :
19 de enero de 2007 Llegaron al país dos formaciones para la
línea experimental del Tranvía del Este.

(Ciudad Autónoma de Buenos Aires へのリンク)

今月初めの着工時と同様に,盛んに報道されています.ごく一部だけ :
19 de enero de 2007 Los nuevos tranvías porteños
(Lanacion.com ニュースへのリンク)
19 de Enero de 2007 Después de 50 años, vuelve el tranvía a las
calles porteñas
(Télam ニュースへのリンク)
記事の中には,ブエノスアイレスで走る車両は,南北アメリカ大陸の中で
最も近代的な路面電車車両だと称賛しているものもありました.

車両公開の様子などを画像で見ることが出来るページ :
Tranvía del Este - Puerto Madero - Thread oficial II
#28 (展示の模様を豊富な画像で見ることができます)
(SkyscraperCity 掲示板へのリンク)

#28の画像によれば,軌道が3線軌条になっています.アルゼンチンでは
ブエノスアイレスの地下鉄など都市交通を除いて,鉄道は軌間1676 mmを
採用しています.元々は港湾だったプエルト・マデロを走っていた鉄道も
同じ軌間だったことでしょう.一方,ミュールーズでは標準軌(1435 mm)
ですから,新たに敷いたのかもしれません.
1676 mmは,サンフランシスコのBARTなどでも使われています.


誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ブエノスアイレス関連 過去ログ :
2007/1/06 春にはシタディス運転へ
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2007年01月20日

【Muni】Tライン新線ホーム5センチ高く危険?

先週より,週末だけの暫定的な営業を開始した,サンフランシスコMuniの
ライトレール新線,Tサードライン(T-THIRD Metro line)に,問題ありと
する地元テレビ局の独占レポートがありました.内容はウェブ版で読む
こともできますし,あと少しの間は,放映された映像もオンデマンドで
見ることができそうです.
Muni : San Francisco Municipal Railway

その問題とは,新しく建設されたホームの高さにありました.
Muniのライトレールでは,新しく開業した路線の電停を中心に,車両の
床にあわせた高さのあるプラットホームを設けています.東京の都電を
想像すれば間違いないでしょう.サードストリートの新線では,全ての
停留所に,これが採用されています.
ところが,Tサードライン(T-THIRD)の新線区間では,ホーム高さが電車の
床面より2インチ(5センチ強)高く,段差があるというのです.乗車する
際には一段下がるようになり,降りるときには逆に一段上るようになって
しまいます.
Muniメトロ(ライトレール)では,古くからの路線に地表からの乗降場所も
残るため,車両に電気仕掛けの格納式ステップもありますが,新しく開業
した地上路線の区間や,マーケットストリート(Market Street)の地下
区間をはじめとした,高床にあわせたホームでは,電車の床と同じ高さで
平面移動できていました.

2センチは,TVレポートが言うには,段差は八分の五インチ(1.6センチ強)
までとする,身体障害者向け対応を定める連邦法に違反するそうです.

先週の祝賀電車では,その段差はありませんでした.2インチまでなら
シミング(shimming)とか,レベライジング(levelizing)などと呼ばれる
調節作業で,車両の高さを変えることができるそうです.
祝賀電車では,この車高調節が行なわれたようですが,Muniに140本ある
とされる(181本もなかった?)LRV全てを調節しても,特定のホームだけに
高さをあわせ,その他のホームではそのままというわけにはいきません.
車両メーカのブレダ(Breda)では,Muniからまだ何も聞いてなく,手を
加えるとしてもホーム側に施すほうが,車両全体を調節するより容易だと
しています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
記事の中にある,ABC7 Video On Demandのリンク先で,このタイトルと
同じものを選択すると,4分半ほどの放映画像を見ることができます.
その中では,走行シーンや,問題の2インチの段差なども出てきます.
Jan. 17 Are New Muni Platforms A Safety Risk?
(ABC7/KGO-TV Bay Area ニュースへのリンク)

難工事?だった橋を通過するT-サードライン
Fourth Street Bridge
by Schaffner (flickr)
Fourth Street Bridge

交差点を渡った先(ファーサイド)に電停があるT-サードライン
View Up 3rd, Central Waterfront
by sfcityscape (flickr)
View Up 3rd, Central Waterfront


一方,米国東海岸では,同じホームと電車のギャップでも,段差ではなく
隙間の問題が浮上していました.昨夏には遂に転落事故による犠牲者が
出たこともあり,全線にあるホームの38%にあたる,100か所のプラット
ホームを改造することになったという報道もあります.
ニューヨークとロングアイランドを結ぶ,ロングアイランド鉄道(LIRR)の
対象となる駅では,直線ホームでも9インチ(23センチ弱)を超える隙間が
ドアとホーム端の間でひらき,カーブしたホームではさらに広がります.
January 19, 2007 LIRR sees bigger problem, will fix 100 platforms
(Newsday ニュースへのリンク) ほか多数あり

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

Muni サードストリート ライトレール 関連過去ログ :
2007/1/09 間もなくTラインが暫定開業に
2006/7/28 Tサード 2007年1月暫定開業へ
2005/12/16 サードストリートLRTの開業遅れ
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2007年01月19日

【ウィーン】エアコンつきULF2次車を公開

ドアのところの床面の高さが19センチしかない,ウィーンの超低床車両
ULFは,1997年秋から市内の路面電車路線に投入されて,すでに第一次
発注分の150編成すべてが活躍中ですが,このたび,その第二次車両の
第一号が,製造元のシーメンス(Siemens)から運行するWiener Linienに
引渡されました. (ULF : Ultra Low Floor)

第一世代が1990年代の技術に基づいて設計されていたのに対し,第二世代
では低床化を実現する構造などの基本的な部分や,ポルシェデザインの
外観などはそのままに,2000年代の製造ということで,随所に改良点が
みられます.
その中でも.利用者にとって最大のセールスポイントは,空調の導入で
しょう.ウィーン市の広報ばかりではなく,現地の報道各紙ともエアコン
(Klimaanlage)というキーワードを見出しに掲げています.

ウィーン(Wien / Vienna)も,最近の気候変動の影響があるのか,日本で
言うところの真夏日(最高気温摂氏30度以上の日)が多くなっています.
たとえば,昨年7月には真夏日が17日もありました.さすがに日本で今年
から新設される猛暑日(同35度以上の日)はありませんが,最高33度を2日
記録しています.また,日本で言う夏日(同25度以上の日)も9日間ありま
したので,昨年7月はクーラーなしでは厳しかったことでしょう.

その他にも,第一世代と比べた第二世代ULFの特徴としては,軽量化が
挙げられています.空調搭載にもかかわらず重量を抑えられたのは,駆動
モータを水冷式から空冷式に改めたことで簡素化できたからだそうです.
軽量化だけではなく,保守費も安くなり,車両購入価格も先代を現在の
価格に換算すると,安くなっているそうです.ちなみに,第二次車両も
150編成が発注されていて,契約は約3億5700万ユーロとのことです.

内装も違いがあります.
一次車では座席の腰掛け部分はモケット張りでしたが,二次車では全て
プラスチックに変わっています.これは清掃を容易にするだけでなく,
破壊行為(バンダリズム)対策でもあり,防火仕様でもあります.
また,車内の色の組合せが変わりました.座席は赤,手すりは黄,床は
黒(グレー?)となっています.黄色の手すりは視覚に障害を持つ人にも
認識しやすくするためで,床の色は清潔感を高めるためだそうです.

今年は,その後19編成が納入される予定で,2014年までに年間15から20
編成ずつ引渡されていきます.2014年末には第一世代とあわせてULFは
300編成の大所帯となり,ウィーン市電の車両の三分の二を占めることに
なっています.
現在ULFが投入されている路線数は半分以下の15に留まりますが,増強に
より,2008年中ごろには,ほぼ全ての路線に投入できるようです.

ただし,Die Presseのオンライン記事によれば,ULFが投入されない例外
として,37系統と38系統が記されています.これは両系統の車両を管理
する車庫がULF対応になっていないからとしていますが,記されている
Betriebsbahnhof Nussdorfer Straßeは,その所在地からGTL車庫のこと
だと思われますが,GTLでは既にULFが投入されているD系統なども担当
していますので,よくわかりません.
GTL : Betriebsbahnhof Währinger Gürtel

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
ウィーン市のウェブサービスでは,若干の画像へのリンクもあります.
(Rk-Fotoservice: www.wien.gv.at/ma53/rkfoto/ )
Rieder: Neue ULF-Serie mit Klimaanlage kommt
(Magistrat der Stadt Wien ウィーン市役所 公式サイトへのリンク)

各紙の報道 :
18.01.2007 Straßenbahn mit Klimaanlage
(Die Presse.com ニュースへのリンク)
18.01.2007 Klimatisierte ULFs ab Sommer unterwegs
(ORF.at ニュースへのリンク)
18. Jänner 2007 ULF: Klimatisierte Generation fährt ab Sommer
(derStandard ニュースへのリンク)

お披露目された52号車(5車体のAタイプで車番は連番)の画像 :
Rollout des ULF der zweiten Generation (m.B.)
(Bahnnews-Austria 掲示板へのリンク)

Die Presseで,ULF導入が見送られるとされる2路線と車庫の情報 :
* Linie 37 (Wien)
* Linie 38 (Wien)
* Betriebsbahnhof Währinger Gürtel (GTL)
(Stadtverkehr-Austria-Wiki へのリンク)

オンライン路線図検索 : Wiener Linienplaene Online
一番左の電停サインについている点滅する丸をクリック,現れる番号を
クリックすることで,その系統の路線図がフラッシュで表示されます.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

Foto: Christian Fürthner

新しい車内の様子

これらの画像は,Magistrat der Stadt Wien / rk-Fotodienstより

こちらは1次車の車内(2004年1月時点)
Wien7-ULF_inside.jpg

ウィーン トラム ULF関連 過去ログ :
2006/11/18 ULF専用の駅時刻表を試行
2006/7/24 ULF地下走行解禁近し?
2005/9/24 低床車ULFが2007年には全線に
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2007年01月18日

【トレド】世界遺産の街にも路面電車が走る?

スペインの古都とも称され,マドリードから南に70キロ離れているトレド
(Toledo)は,人口約7万6千人ほどの街ですが,ここでも路面電車の建設
計画があります.もちろん,世界遺産になっている丘の上の旧市街地を
走るわけではありません.旧市街地の外側を東西に横断して,旧市街地と
麓を結ぶエスカレータと接続したり,タホ川(Tajo / Tagus)を挟む対岸に
ある,マドリードから高速鉄道も乗り入れるRENFEの駅と連絡します.
しかし,その最終目的地は,その先にある旧市街地から少し離れた新興の
住宅地や,工業地,その予定地などです.
RENFE : Red Nacional de los Ferrocarriles Españoles (スペイン国鉄)

トレド市は,まず第一期区間として,将来的には旧市街地を中心に東西
15キロ前後に延長される計画線のうち,タホ川の旧市街地側にあるバス
ターミナル(rotonda de Azarquielの近く)から,東へ約9キロの区間を
選びました.途中RENFEのAVEが発着する駅(Estación del AVE)を通り,
終点はSanta María de BenquerenciaのPolígonoというところです.
AVE : Alta Velocidad Española (スペインの高速鉄道)

旧市街地側の駅近くでは,丘の上と下を上り下りする,130mの高低差を
解消するエスカレーター(機械仕掛けの階段?)も,建設されます.また,
将来西側への延長に備えて,地表から10mもぐる地下駅になるようです.
その関係で,すぐそばのタホ川も,トンネルでくぐる計画です.

東の,サンタマリア デ ベンケレンシア(Santa María de Benquerencia)
というところは,市の人口の半分が居住している?地域で,経済活動も
活発とのことです.(これは,将来そうなるのかもしれません)

今後,9600万ユーロに及ぶ資金調達など,全て順調に運ぶと,この区間は
2009年中ごろにはトラム(Tram)が開通している予定です.トレド市では,
EUからの資金援助を模索しているようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
トレドのトラム第一期区間は2009年にも,と見出しをつける記事ほか :
17-Enero-2007 La primera fase del tranvía, del Polígono a
Azarquiel, podría arrancar en 2009

(Terra España ニュースへのリンク)
El anteproyecto del tranvía prevé un túnel para cruzar el río Tajo
(La Tribuna de Toledo ニュースへのリンク)
16/01/2007
El nuevo POM de Toledo prevé la construcción de
un tranvía que unirá el Polígono con La Peraleda

(portal de Castilla-La Mancha へのリンク)
15 de enero de 2007 El Ayuntamiento busca esta semana dinero
europeo para el tranvía
(ABC Toledo ニュースへのリンク)

サンタマリア デ ベンケレンシア(Santa María de Benquerencia)と,
トレドの位置関係 : (Google Maps へのリンク)
Santa María de Benquerencia, Toledo, Spain
サテライトモードでも様子がわかります.

追記 : 2007/1/22
Windows Live Localのバードアイ(航空写真)が,欧州にも拡大され
ました.スペインは少ないのですが,トレドはカバーしています.
旧市街地側の発着予定地のロータリー,Rotonda de Azarquiel
(西向き) (Windows Live Local bird's eye へのリンク)

世界遺産に指定されていることで,旧市街地では保存が第一.再開発が
事実上不可能なトレドでは,成長の糧を市の東西に求めていきます.
旧市街地や中心部と,東側に位置するサンタマリア デ ベンケレンシア
(Santa María de Benquerencia)の間には,現在も路線バスは運行されて
いますが,トレド市にとって東西の交通網を整備することは,市の成長を
支える大変重要なことになるのです.
EUが一部財政支援している,欧州のConnected Cities計画という枠組み
のもと,トレド市ではPOMという計画を立てました.これは,東西の軸を
中心に開発を進めて,発展していくことを目指すものです.
POM : Plan de Ordenación Municipal (市のアレンジ?計画)

なお,Connected Citiesは,先日までトレドで会議を行っていました.
その最終日にトラムの話になったのが,最初の記事の冒頭です.
下記ページでは,トレド市の取り組みを英語で解説しています.その中
には,トラム(Tram)の話も出てきますが,トラムと言っても,もちろん
旧市街地を現在巡っている観光用のものではありません.
Toledo showcase (Connected Cities へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年01月17日

【ムルシア】市内でシタディス展示中

スペイン南東部にあり,マドリードから南東に約400キロほど離れた人口
約40万の都市ムルシア(Murcia)では,すでにご紹介している通り,昨年
10月から路面電車の建設が開始されています.11月末には,アルストム
(Alstom)製の低床車両が使われることも正式に決まり,予定では今年の
4月もしくは5月からの運転開始を目指しています.
着工から開業まで半年しか掛からないのは,全線が道路の中央を走り,
距離にして約1.7キロの,実験的な路線だからです.
詳しくは,最後に記している過去ログもご参照ください.

先週末から,ムルシア市内のクルス・ロハ広場(Plaza de la Cruz Roja /
赤十字広場)に,その路線を走ることになるのかもしれない,100%低床
車両が停まっているという報道がありました.1/18から一般向けに展示
されるようです.
記事には写真が掲載されていませんが,インターネットの掲示板には,
早くも画像がアップロードされています.
アルストムのシタディス(Citadis)302モデルですが,見た限りでは,先日
マドリード向けシタディスが紹介されていた記事に掲載されていた車両と
塗装が同じですので,マドリッドからのレンタルなのかもしれません.
ただし,これが営業運行に就くのかどうかは不明です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
先週末に報道がありましたが,その後の続報は今のところありません.
13 de Enero de 2007 Primera parada: Plaza de la Cruz Roja
(El Faro Murcia ニュースへのリンク)
タイトルでは,Plaza de la Cruz Rojaが停留所のように受取れますが,
建設中の路線ではその場所を通りません.それでも,新しい車両が初めて
ムルシアでお目見えした場所には違いありません.

記事では,トラム導入に20.200.000ユーロが投じられているとあるよう
ですが,202万ユーロだとしたら,車両の代金だけでしょう.
途中に設けられる電停の位置も記されています.
1. Emuasa (水道会社の裏?)
Emuasa : Empresa Municipal de Aguas y Saneamiento de Murcia
2. Biblioteca Regional (図書館前)
3. Centro Comercial Carrefour (カルフール前)
4. Juzgados (裁判所前)

お目見えしている車両の画像など :
Tranvia de Murcia (III) p24 スレッド24ページ目
Tranvia de Murcia (III) #452 搬入時の様子
Tranvia de Murcia (III) #463 展示会場(夕暮れ時?)
Tranvia de Murcia (III) #464 展示会場(昼間)
(SkyscraperCity 掲示板へのリンク)

マドリードの車両は,この記事に写真が掲載されています.
05/01/2007 Los nuevos trenes ligeros ya están aquí
(elmundo.es ニュースへのリンク)

次のリンク先は,最新かどうかはわかりませんが,ファン・カルロス一世
通りの中央分離帯のところを,軌道を敷くために掘り返している様子が
伺えます. Tranvia de Murcia (III) #491
(SkyscraperCity 掲示板へのリンク)
その場所の衛星写真 : Juan Carlos I (Google Mapsへのリンク)
画面右下に見えるロータリーが,市電の発着地となるPlaza Circular.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ムルシアで建設中の路面電車,関連 過去ログ :
2006/11/28 架線レスをAPSで導入を検討中
2006/9/15 2年半は運賃無料の市電10月着工
追記 : 2007/1/21
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2007年01月16日

【マディソン】市電計画を巡る記事あれこれ

ウィスコンシン州の州都マディソン(Madison)で,中心部に市電を復活
させようという計画があります.現在の市長が音頭をとり,検討委員会も
発足していますが,ここにきて反対派の声が大きくなってきました.

そのきっかけの一つは,先日ご紹介している,オレゴン州ポートランドの
市電の成功は,まやかしだとするコラムにあるようです.
2007/1/11 【ポートランド】市電の成功は眉唾とするコラム
コラム : (外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
January 8, 2007 Portland's streetcar success just a hoax
(The Capital Times ニュースへのリンク)

コラムが出た2日後,その内容を取り込んだ論説が掲載されました.
路面電車を大金を掛けて建設するのは金の無駄遣いで,バスで十分という
もので,路面電車が出来ても,乗客はバスから移行するだけで,渋滞が
減ることもなく,路面電車に車線を奪われてかえって混雑するなどとして
います.その他にも,路面電車の弱点を書き連ねていますが,とどめは,
投資効果など期待できないとして,沿線への投資には,裏で資金援助が
あったからとする,2日前のコラムの内容を利用しています.
January 10, 2007 Trolleys Undermine Value Of Bus System
(The Capital Times ニュースへのリンク)

これに対して,ポートランドで市電沿線への投資を促すための裏金により
予算が削減され,運行本数が減って客離れが進み,バスやライトレールの
乗客が減ったとするコラムの言い分で使われたポートランドの数字は,
正しくないのではないかとして,具体的な数字とその出先を載せた意見
が,同じ新聞に1/15掲載されました.
Portland data show streetcar success doesn't hurt buses
(The Capital Times ニュースへのリンク)

それとは別に,市長は市電復活を熱望しているものの,本来であれば,
市電計画とは別に,市内中心部だけではなく隣接地区も恩恵を受ける,
ライトレール計画に連邦から補助金を獲得できるよう尽力すべきでないか
と記しつつ,路面電車の長所短所を,2004年から路面電車が走っている
アーカンソー州リトルロックの例で,分析した記事もありました.
January 15, 2007 Streetcars a mixed bag for Little Rock residents
(The Capital Times ニュースへのリンク)

リトルロック(Little Rock)のリバーレール(River Rail)の功罪 :
プラス面では,観光客の誘致に成功したこと,沿線の住宅と商業の開発が
活性化したことを挙げ,衰退していたリトルロックの都心が蘇生できた
のは,リバーレールの役割が大きかったとしています.また,安く便利な
路面電車は,これからも利用者が増える様相で,国内の多くの報道機関
が,リバーレールを好意的に取り上げたため,これが事実上無料の広告に
なったようです.
マイナス面としては,ラッシュ時の渋滞は解消されていないこと,運転
速度が遅いこと,バスの運行に影響を与えてしまっていることを挙げて
いました.バスへの悪影響は,乗客を奪われているということではなく,
財源を食われているという意味のようです.

観光客にとって,バスより路面電車が好まれるのは,シアトルでも実感
されています.
車庫移転の関係で,ウォーターフロントを走っていた路面電車が長期運休
となり,現在はバスが代行していますが,いくら塗装を真似ても,沿線の
一部の商店主らは,3割から4割の観光客が減っているとみています.
Thursday, January 11, 2007 Pioneer Square trolley barn advances
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)
余談になりますが,上記記事にもあるように,車庫の移転先の問題は解消
しそうで,順調にいけば,2009年にはウォーターフロントで電車運行が
再開できるかもしれません.

さて,マディソンに話を戻しますが,市電復活反対派が台頭してきた背景
には,今年4月に控えた市長選挙もあるようです.
現市長は推進派ですが,対立候補は軒並み反対しています.
Jan 14, 2007 Mayor's trolley system plan faces a bumpy ride
(Chippewa Herald / Associated Press(AP) ニュースへのリンク)

現在,市の公式サイトに載っている市電計画のページ :
Streetcar Study (City of Madison, Wisconsin 公式サイトへのリンク)

奇しくも同時期に,事の発端となるコラムを寄稿した,公共交通機関や
都心再生などの都市計画に,ことごとく反対している人がポートランドで
主宰している会社は,調査の結果,石油やアスファルト,パイプライン
などの関連グループから資金を得ているらしいと,Light Rail Now!が
発表していました.
January 2007 Oil, Asphalt, and Pipeline Money Feed an Extremist
Attack on Urban Planning and Public Transit

(Light Rail Now! へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

マディソン関連 過去ログ :
2006/6/25 【マディソン】路面電車フォーラム開催

リトルロック リバーレール関連 直近の過去ログ :
2007/1/04 【リトルロック】大統領図書館へ延長は2月?

シアトル ウォーターフロント・ストリートカー関連 直近の過去ログ :
2006/11/19 【シアトル】バス代行からの復帰に暗雲(2)
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2007年01月15日

【Sound Transit】投票に向け計画煮詰まる

20年後の2027年に,人口が今より40%増えていることを見据えた地域の
公共交通整備計画の草案が,Sound Transitの委員の賛成多数を獲得した
という報道がありました.今後は,4月に最終的な承認手続きをへた後,
今秋11月の住民投票で,市民の判断を仰ぐことになります.

Sound Transitは,米国北西部ワシントン州シアトルの周辺で,ピュー
ジットサウンド(Puget Sound)の東側にある3つの郡,シアトル市などの
属しているキング郡(King County),タコマ市やキング郡の南に位置する
ピアース郡(Pierce County),そしてキング郡の北にあるスノホミッシュ
郡(Snohomish County)の,地域にまたがる公共交通機関を運営し,その
意思決定機関は,各郡から代表者が数人ずつ選ばれて構成されます.
各郡には,それぞれ郡内だけの交通事業者もあります.例えば,シアトル
市内を走るトロリーバスなどは,一部を除きキング郡の管轄です.

今秋11月の住民投票では,売上税の0.5%増税が問われます.
これは買物$10につき5セントを意味し,典型的な家計では年間$125に相当
するそうで,これを元手に170億ドルのプロジェクトを始動させますが,
3つの郡の住民は,既に0.4%の売上税を通じ,Sound Transitが現在進めて
いる交通整備計画に資金を出していますので,これが0.9%になります.

加えて,自動車税の増税?を含むハイウェイ法案も投票にかけられます.
公共交通整備案とハイウェイ案はは,2つ抱き合わせになっていて,承認
される場合は両方一緒ですし,否決される際は両方とも葬り去られること
になっているそうです.
この2つを単独で投票にかけてしまうと,公共交通では恩恵を受けにくい
郊外の住民から反対される可能性が高く,一方,道路のほうは,シアトル
市民が反対する可能性が高いため,2つが運命を共にするほうが得策と
いう思惑もあるようです.

Sound Transit 2(ST2)と名前が付けられている計画では,昨年もご紹介
しているように,増税率で内容が異なっていました.3つの増税率案が
あったうち,0.5%は一番高いものです.
ライトレールは,現在建設中のリンクライトレール(Link light rail)が
更に南北へそれぞれ延伸されるほか,湖を隔てたシアトルの東側にも建設
されます.ワシントン湖を渡る際には,浮き橋構造のハイウェイ上を通り
ますが,この時のために,LRVに見立てたトレーラーを走らせる実験を
行っていたことは,こちらでもご紹介していました.

ST2で新たに計画されるライトレールの総延長は40マイル(65キロ弱)に
及び,現在建設中の19マイルとあわせると,百キロ弱になる60マイルの
路線網が,投票をパスすれば2027年までに完成することになります.

ライトレール以外にも,リンクライトレール(Link light rail)に駅が
設けられる予定だったFirst Hillに,路面電車が走る可能性も含まれて
います.現在建設中のリンクライトレールは,First Hillでは地下を走り
ますが,First Hillに駅を設けることが技術面と予算の上で困難で,駅の
設置が見送られた経緯があります.ダウンタウンからストリートカーを
走らせることは,その見返りのようです.計画線は,公式サイトの資料を
ご参照ください.

しかし,最大増税率の0.5%案でも,各郡とも多少の不満を抱えています.
税率は3郡で一律なのに,目玉となるLRTの路線長が異なります.

例えば,キング郡では東に伸ばすイーストサイド(Eastside)ライトレール
では,レッドモンド市(Redmond)のOverlake Transit Centerまでとなって
います.ここはMicrosoft Campusが近くにあるようですが,もう少し足を
伸ばせば,レッドモンドの市街地があります.その区間は,今後資金を
多めに獲得できるようになるとか,どこかで予算が節約できるか,又は,
途中で経由するベルビュー市(Bellevue)を,地下ではなく工費の安くなる
地表か高架で通すことになれば,延長の可能性があると含みが持たされて
います.

ピアース郡も同様で,リンクライトレールの南端は,ファイフ市(Fife)に
建設予定の,Port of Tacoma Stationまでとなります.ここは,タコマ
ドーム(Tacoma Dome)から直線距離で5キロ少々の位置にあたり,もう少し
足を伸ばしタコマドームまで行けば,タコマライトレール(Tacoma Light
Rail)と接続できます.

最も不満があるのは,エバレット市(Everett)のあるスノホミッシュ郡
です.実は,サウンドトランジットの同郡からの委員は,今回の計画に
反対票を投じていました.
ST2では,リンクライトレールの北端はリンウッド(Lynnwood)までで,
他の2郡のように,エバレットまで延長の含みも持たされていません.
ST2の次の計画に盛込まれるように,準備されるだけです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Sound Transit 2 草案が承認されたことと,その概要 :
January 11, 2007 Sound Transit Board proposes rail expansions
to reach Pierce, Snohomish and East King residents

地図 : Mapping the Future -- Sound Transit 2 Draft Package
(Sound Transit 公式サイトへのリンク)

多くの記事がありましたが,代表的なところを選んでみました.
Friday, January 12, 2007 Sound Transit's light-rail expansion
plan will be put before voters

(Seattle Times ニュースへのリンク)
Jan 12 2007 Sound Transit will seek Pierce County rail expansion
(Tacoma Daily News ニュースへのリンク)

シアトル南部のSODOエリアで,今月よりリンクライトレール(Link light
rail)用の車両が,完成している区間を利用して,試運転を開始すると
いうことも,公式サイトから発表されています.
大阪の近畿車輌で製造され,神戸から太平洋を渡り,エバレットで陸揚げ
されたあと,コロラド州プエブロの実験線に立寄って試験走行を行い,
先月シアトル(Seattle)でSound Transitに引渡されていたLRVです.
営業運転は2009年からになります.

このページに,試運転路線の地図もあります.画面左側が北になります.
Your Link to Train Safety
(Sound Transit 公式サイトへのリンク)

車両引渡しの様子(上段)と,車両基地の全景(下段)
Photo of the Week December 22 - December 29, 2006
Light rail arrives in Seattle
Photo of the Week January 12, 2007 - January 19, 2007
Link Operations & Maintenance Facility
(Sound Transit 公式サイトへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

Sound Transit 2 関連 過去ログ :

2006/7/17 【Sound Transit】ST2詳細明らかに
2006/3/10 【シアトル】"Sound Transit 2"一年遅れに

Sound Transit Central Link向け車両関連 過去ログ :
2006/12/16 【LRV】シアトル向け プエブロで試験中
2006/6/01 LRV試運転区間が完成
2006/5/07 LRV完成と,LRT北進
2005/10/24 Central Link向けLRV建造中
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2007年01月14日

【ブレーメン】路面電車内でカプチーノ販売

ブレーメン(Bremen)で路面電車とバスを運行するBSAGでは,原則として
飲食が禁止されている路面電車内で,コーヒーを車内で販売するという
"Coffee on Tour"を先週から開始しました.民間企業とのタイアップで
実現したもので,とりあえずは3か月間の実験的な試みです.

ブレーメンの東から中心部を通って,南へ抜けていくトラム1系統で,
"Coffee on Tour"のカフェバーン(Kaffeebahn)は,平日の2時間おきに
走ります.時刻表にも表示されますし,覚えやすいよう,2時間おきの
同分に来るように運転されます.
BSAG : Bremer Straßenbahn AG

本格的なコーヒーマシンが連接車の後部車両の高床部分?に搭載されて,
市場価格より安く?,1ユーロのコーヒーや紅茶から,2ユーロのココアや
カプチーノなど,全部で6種類の飲み物が,大小サイズあわせた合計10の
メニューの中から選ぶことができます.
さすがに使い捨て容器での提供となりますが,自販機ではなくサービス
スタッフによる対面販売で,車内にはテーブルも用意されるようですし,
カップなどの清掃もスタッフが行ないます.

コーヒーを車内で買って飲めるのは,ボンバルディア(Bombardier)の部分
低床車,FLEXITY Classicモデルの新車(GT8N-1)です.この車が選ばれた
のは,ブレーメンの第二世代低床車両となる新車ですし,なにより車体
幅が2.65mに広くなって,先代低床車より車内に余裕があるからです.
コーヒーマシンの値段は約1万ユーロで,8名のサービススタッフがシフト
あたり400ユーロということで,一日あたり60杯を販売できれば,モトが
取れるそうです.

当面は1編成(3106)を,1系統限定で月曜から金曜の早朝6時から夜9時すぎ
まで運用し,3か月間の試用期間が行なわれた後,成功とみなされれば,
コーヒーマシンを25編成に設置することが考えられています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
コーヒー電車が走り始めることを伝える報道と,tazの記事では,その
内幕もインタビュー形式で紹介しています.
11.01.2007 Morgenkaffee in der Straßenbahn
(Verlagsgruppe Kreiszeitung ニュースへのリンク)
10.1.2007 "Kaffee in der Dienstleistungswüste"
(taz ニュースへのリンク)
10.01.2007 Die BSAG testet neuen Service „Coffee on tour“
in einer neuen Straßenbahn der Linie 1
(Das Informationsportal
für den öffentlichen Personenverkehr へのリンク)


公式サイトに,コーヒー電車の案内(上段),昨年12月から1系統に投入
されている新型の部分低床車の案内(下段)があります.
* Kaffee + Straßenbahn = Kaffeebahn
* Bremen bekommt seine neue Straßenbahn!
英語版トップページに表示されていた画像(JPGファイル) :
Our new service coffee on tour! (Foto: Martin Rospek)
(BSAG 公式サイトへのリンク)

知られているように,ドイツではデュッセルドルフやカールスルーエで,
路面を走る食堂車(Speisewagen)や,ビストロ区画(Speiseabteil)を持つ
車両もあります.今回のブレーメンでは飲み物だけで,食事の提供は許可
されていません.

この話題,今日まで待ってみたのですが,公式サイトや上記記事以外に,
画像は発見できませんでした.

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2007年01月13日

【RandstadRail】試運転の再開は2月以降に

昨年11月下旬,ほぼ同時刻に起きた2件の脱線事故の原因は,それぞれ
転轍機の不具合と,過剰なカント量にありました.

オランダのデン・ハーグ(Den Haag)と,その近郊にあるズーテルメール
(Zoetermeer)や,南南東に約20キロ少々離れたロッテルダム(Rotterdam)
とを結ぶ在来線を転換して,デンハーグでは路面電車の市内線に直通運転
するトラムトレイン形式のランドシュタットレール(RandstadRail)は,
予定より遅れて昨秋開業しました.
しかし,その後トラブルが相次ぎ,遂に11月下旬には脱線事故でけが人を
出してしまい,それ以降は電車の運行を停止しています.
巨額の投資を行なって,それまで運行していたNSの在来線電車を止めて
までトラムトレインに転換した結果が,最悪の状況に陥りっています.
NS : Nederlandse Spoorwegen (オランダ国鉄)

11月下旬に起きた2件の脱線事故のうち,ロッテルダムから乗入れてくる
RETの地下鉄車両が,ハーグの手前のForepark駅近くで脱線したのは,
転轍器不良が原因と発表されました.詳細はわかりませんが,事故調査に
よって内部文書が調べられた結果,昨年夏の時点で,シーメンスが転轍機
(ポイント)に不具合があると警告を発していたことが,今度は明らかに
なっています.
RET : Rotterdamse Elektrische Tram (ロッテルダムの公共交通)
(RETの地下鉄車両は,ハーグの路面電車網(市内線)には入りません)

不具合の内容は記事に書かれていて,制御が効かないとか,ソフトの問題
のように読めますが,よくわかりませんので,興味をお持ちでしたら下記
リンク先の記事原文に挑戦してみてください.
路線には約60の転轍器(ポイント)があります.これまで20か所で調査した
結果,半分の10か所に問題があることがわかりました.これらを全て改修
することになります.
一方,ハーグ中央駅(Den Haag Centraal Station)の近くで,レギオシタ
ディス(RegioCitadis)が脱線したほうは,やはり原因はオーバーカントと
発表がありましたが,その場所は脱線の可能性があることをHTMは事前に
知っていたことは,既に伝えてられている通りです.
HTM : HTM Personenvervoer
(ハーグの公共交通で,前身は,Haagsche Tramweg-Maatschappij)

脱線原因が,2件(TernootとForepark)とも明らかになりましたが,営業
運転再開の見通しは,現在もたっていません.
ランドシュタットレールの2つの路線のうち,ロッテルダムへ向かう線
では,転轍器(ポイント)の改修を今月中に終えて,2月から試験走行を
開始したいと昨日発表がありました.
ハーグから衛星都市のズーテルメール(Zoetermeer)へ向かう線は,現場
となったTernoot駅近くの高架線上のカントを調整する必要があるため,
1月末から3月上旬まで工事が行なわれます.
この工事により,HTMのトラム市内線(2系統と6系統)も,迂回を余儀なく
されて影響を受けますが,ランドシュタットレールの電車が試運転でも
走れるようになるのは,早くても3月からになります.

Ternootは,ランドシュタットレールの駅ではなく,ズーテルメールに
向かう同線が,市内線から分岐した直後にあるトラム市内線上の駅です,
脱線現場に近いため名前が使われています.

資料を基に独自に構成したもので,正確ではないかもしれません

RandstadRail3.png

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
転轍機(wissel)に問題があることは,事前に警告されていました.
11-01-2007 RandstadRail was gewaarschuwd
(Algemeen Dagblad ニュースへのリンク)
Siemens waarschuwde RandstadRail
(Nos ニュースへのリンク)

ハーグとロッテルダム間では,2月から試験走行を予定しています.
電車運休による代行バスの経費が毎週15万ユーロ,収入減が20万ユーロに
及ぶとされ,HTMでは毎週35万ユーロの損出があるそうです.誰がこの
責任を負うことになるのか,現時点では明らかではありません.
12-01-2007 RandstadRail gaat testen in februari
(Algemeen Dagblad ニュースへのリンク)

脱線原因の調査結果が,ランドシュタットレールから発表されました.
今後の予定も記されています.
12-1-2007 Resultaten onderzoek ontsporingen RandstadRail
(RandstadRail 公式サイトへのリンク)
レギオシタディス乗入れで,路面電車区間の市内線でも改修工事のため
バスが代行している区間がありましたが,その工事終了に伴い,市内線
HTM3系統が,1/22から電車運行再開というようなことも書かれています.

ハーグと人口12万弱の衛星都市ズーテルメールの間には,NSの在来線も
走っています.通勤電車も運転されますが,Goudaへ向かう線(Spoorlijn
Gouda - Den Haag)で,インターシティ列車も走っています.
それがランドシュタットレール運休で,代行バスよりも早いこの路線の
通勤電車(Stoptrein)を選ぶ人も多く,連日超満員だそうです.
その混雑具合は,まるで日本のようだと言った人の言葉をタイトルにした
記事まであるほどですが,慣れない満員の車内で,呼吸困難を起こした
人が出てしまい,それが元で途中の駅で避難騒ぎも起きます.今週は,
それらが連日にわたって報道されていました.
08-01-2007 NS schiet Zoetermeerse reizigers te hulp
09-01-2007 'Japanse toestanden' in stoptrein
10-01-2007 Trein ontruimd op station Voorburg
(Algemeen Dagblad ニュースへのリンク)

これまで代行バスは運賃無料でしたが,2月から有料になるとも伝えられ
ています.
Vervangend vervoer RandstadRail niet meer gratis
(Elsevier ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

RandstadRail脱線事故以降の過去ログ リスト :
2006/12/30 HTMは脱線可能性を事前認識?
2006/12/09 脱線原因はトラムトレイン特有か?
2006/12/01 ランドシュタットレールまた脱線
2006/11/12 ロッテルダムとメトロで直結
2006/11/04 中央駅で運行開始間もないLRV脱線

RandstadRail 脱線事故以前の過去ログ リスト :
2006-10-28 10/29よりRandstadRail一部運転
2006/09/03 トラムトレイン10月までお預け
2006/8/26 在来線のライトレール化遅れる
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2007年01月12日

【Translohr】パドヴァ続報とメストレ情報

トランスロール(Translohr)の営業運転が足踏み状態だった,イタリアの
パドヴァ(パドバ)(Padova)で,今週初め1/08から,旅客営業を行わない
運行を再開しました.昨年10月に脱輪事故を起こし休止して以来です.
昨年秋と同様に,30日間無事故で運転した後に,旅客を乗せた営業運転を
開始することができ,今のところ2月末から3月はじめになる見通しです.

FSの中央駅(Centrale)からパドヴァの南にあるGuizzaまで,バッテリー
走行になる架線レスの区間(675m)を含む,約6キロの1号線(linea Sir 1)
となるのは,昨年秋と同じで,月曜から土曜までの朝6:45から夜19:08
まで,トランスロール4本を使った仮の運転が行われます.その際には
各電停にも停車してドアも開閉するなど,本番さながらとなりますが,
あくまで乗客は乗せません.
FS : Ferrovie dello Stato Spa (イタリアの鉄道会社,元国鉄)

同じような脱輪事故を起こしながらも,フランスのクレルモン=フェラン
では,昨年11月より営業運行が開始されています.
明暗をわけたのは,推測ですが,やはりパドヴァでは中央のガイドレール
(案内軌条)の設置精度に問題があったのではないでしょうか.最初は,
車線を仕切る鋲(びょう)くらいに考えていたのかもしれません.

前回のようなつまづきもなく,2月末から3月はじめに営業運転が開始され
れば,今秋まではトランスロール4本のうち,1本が予備車に回る3本での
運用となり,一日24便の運行に留まります.この関係もあり,並走する
路線バス(8番)も継続して運転されます.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
パドヴァで仮運転開始前と,開始後の記事 :
07-01-2007 Riprendono le prove del metrotram
(Padova News ニュースへのリンク)
09/01/2007 Tram subito bloccato da tre incidenti
Il Mattino di Padovaの記事をPDFファイルで提供しているもの
(Associazione Commercianti Turismo e Servizi Padova へのリンク)


パドヴァのトラム : (Comune di Padova 公式サイトへのリンク)
Linea tram: tratta Stazione-Guizza (電停のリストなど)
Prove tecniche del tram (1/08現在の仮運行情報)

トラムと同じ区間を走るバスの案内 :
LINEA 8 orario in vigore dal 11.9.2006 al 10.6.2007
(運行を請け負う?会社の Aps Holding 公式サイトへのリンク)

一方,パドヴァから30キロ少々離れた,メストレ-ヴェネツィア(Mestre-
Venezia)へも,トランスロール(Translohr)が今年前半(3月?)にも到着
するとの報道がありました.
メストレのトラム,Tram a Mestreは,2009年の開業予定とされていて,
2009年6月に,まず本土側のFavaroとMargheraの間で,運転が開始される
予定です.

ヴェネチアの本土側,メストレ(Mestre)の車両が,間もなく到着すると
伝えていた記事 : (繋がらないかもしれません)
9 Gennaio 2007 In arrivo le prime carrozze del tram
(Gente Veneta ニュースへのリンク)

公式サイトが見つかりませんが,メストレトラムの路線図やデータが,
まとめられているページ : Venezia (MetroTram へのリンク)

下記には車両の画像が載っていますが,何か違うような気もします.
Il tram a Mestre sarà pronto nel 2009
(Radio Base Popolare Network へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

パドヴァとクレルモン=フェラン,トランスロール 関連過去ログリスト :
2006/11/14 【クレルモン=フェラン】一ヶ月遅れの運転開始
2006/11/03 【クレルモン=フェラン】11/13営業再開へ
2006/10/21 【パドヴァ】トランスロールを改良?
2006/10/15 【トランスロール】案内輪逸脱はパドヴァでも
2006/10/14 【クレルモン=フェラン】本格開業はお預け?
2006/10/09 【パドヴァ】架線レス区間も試運転開始 (非営業運転開始)
2006/9/12 【パドヴァ】トランスロール11月に延期 (遅れの原因)
2006/8/03 【パドヴァ】トランスロール9月運行開始 (幻に..)
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2007年01月11日

【ポートランド】市電の成功は眉唾とするコラム

ポートランド(Portland)のストリートカー(路面電車)は,米国各地の都市
開発関係者にとって,成功例として広く知られています.この5年間で,
沿線2ブロック範囲内への投資額は,23億ドルに達しているそうです.
これを見習って,街の中心部を活性化したいとして,市電の再導入を検討
する地域の市長や開発業者らが,視察と称してオレゴン州まで足を運ぶ
こともしばしばのようです.

ウィスコンシン州の州都マディソン(Madison)も,その一つです.
しかし,そのマディソンで発行される新聞に,ポートランドのストリート
カーが成功しているかのように見えるのは,実はでっち上げであるとする
コラムが掲載されました.
寄稿したのは,ポートランドを拠点とし,英語版ウィキペディアにも名が
載っている,公共政策の専門家です.
実は,マディソンで記事になったのこそ先日ですが,同じ趣旨の原稿は
既に昨年発表されていました.今後も各地の新聞に寄稿するつもりかも
しれません.

ポートランドの市電が走る沿線のうち,特に2001年に開業した元は鉄道の
操車場だったパール地区(Pearl District)と,最近路線を延伸させている
サウスウォーターフロント地区(South Waterfront District)沿線では,
建設ブームが起こっています.
他都市からの視察団は,これを市電が走ることによる経済効果だと説明を
受けて地元に帰っていきますが,コラムでは,開発を促すため,幾つかの
方法で補助金が開発業者に出ているという裏があると言い,その補助金
さえあれば,市電が走らなくても建設ブームは起き,補助金がなければ,
市電だけ走らせても何も起こらないと説いています.

その補助金は,市民が負担しているばかりでなく,それに巨額の資金が
回されるため,TriMetが運行する路線バスや,ライトレールのMAXへの
予算があおりを受けて削減,減便を余儀なくされて客離れを招いたり,
果ては,他の公共事業,学校とか消防,警察,公衆衛生の分野への予算も
圧迫していると記していました.

市電沿線への開発促進の裏金の一件は,2004年に州知事のスキャンダルが
暴露された時に,文書が公開され発覚したようです.スキャンダルの話は
インターネット上でも情報がありますが,裏金にまつわる話はよく判り
ません.これは私見ですが,事実だったとしても,それが他の交通機関や
公共事業に与えた影響の大きさは,誇張されているようにも思います.
それと,ダウンタウンで働く従業員のうち,1%しか市電を通勤に利用して
おらず,開業した2001年も5年後も同じ割合と書かれていますが,これは
ポートランドの市電の性格から言って,通勤客が多く利用するような路線
ではありませんので,それを声高に主張するのは筋違いでしょう.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
マディソン市民は,どのように受け止めたでしょうか.
January 8, 2007 Portland's streetcar success just a hoax
(The Capital Times ニュースへのリンク)

奇しくも同じ日に,USAトゥディ紙が,逆に路面電車の魅力を多くの街が
再発見していると題する記事を出していました.こちらはNation面です.

地区同士を結びつけ,自動車や徒歩に代わる手段として,また,道路渋滞
緩和を願い,公共交通機関の充実を希望しながらも,ライトレールでは
荷が重い,つまり,予算が足りない,移動時間を短縮できない,距離が
足りないなどで,連邦から補助金が出る見込みがない街でも,路面電車
なら手が届くかもしれないということで,近年注目を集めていると,ここ
では好意的に紹介されています.
1/8/2007 Cities rediscover allure of streetcars
(USA Today ニュースへのリンク)

フロリダ州タンパ(Tampa)のTECO Line Streetcar Systemでは,建設に
5500万ドル投じた見返りとして,民間から10億ドルの投資を呼び込んだ
例や,ミシガン湖畔のウィスコンシン州ケノーシャ(Kenosha)での例も
紹介されています.
ケノーシャでは,街を支えてきた工場群が閉鎖されたあと,街の改革の
一環として路面電車を再導入し,工場を取り壊したあとにハーバーパーク
(HarborPark)を建設,路面電車で中心部や駅と直結させたり,その他にも
観光客を呼び込める施設を造成していった結果,今ではシカゴから移り
住む人も増えるようになり,地価も上昇してきているそうです.

ポートランドの市電に話を戻します.最近の話題としては,

先月,チェコのオストラヴァ(Ostrava)で試運転が行われていた増強用の
車両3本が,昨年中に米国東海岸ボルティモア港に到着しているはずで,
予定通りならそろそろポートランドに到着している頃かもしれません.
しかし,現在のサウスウォーター地区の終点,SW Moody & Gibbsから,
住宅地を飛び越え山上にある大学OHSUへ向かうロープウェイ,Portland
Aerial Tramの開業までに,営業運転は間に合いそうにないそうです.
ロープウェイは1/27に開業が予定されています.その週末には,予備車
無しとなる現有7本が総出で,乗客の輸送にあたることになります.
OHSU : Oregon Health & Science University
Streetcar Map (ストリートカー路線図)
(Portland Streetcar Inc. 公式サイトへのリンク)

そのロープウェイですが,運賃は$4になる予定という報道がありました.
2004年の段階では,TriMetの運賃(現在$1.70)が摘要されるはずでした.
TriMetの運賃は2時間有効で,2時間以内なら往復しても$1.70です.
しかし,往復$4のみとなりそうな気配ということで,The Oregonian紙の
社説では,再考を促していました.
Jan 9, 2007 Tram ride will now set you back $4
(KATU Portland ニュースへのリンク)
January 10, 2007 Tram fare should equate to bus, train
(The Oregonian ニュースへのリンク)

$4は,運営費が当初計画の予想を超えることが判ったからのようですが,
高額運賃になるばかりでなく,日曜日の運休も考えられています.
このロープウェイは,KATUの記事で山岳ロープウェイと比較されています
が,建設費が予算を大幅に超過していますし,一般への営業開始後も,
前途多難になりそうです.実際,OHSU職員は既に先月から利用していて,
予想を上回る一日1600人が乗車しているとのことですが,ロープウェイは
その十倍の一日1万6千人まで輸送可能です.
それでも,1月最後の土日には,予約客は無料で乗車体験できるとのこと
で,昨日より受付を開始した予約は,午後までに1200人分が埋まったとの
ことです.
1/10/2007 Reservations Filling Up For Free Tram Rides
(KOIN News 6 Portland ニュースへのリンク)

リンク先には,ロープウェイの豊富な画像の中に,ポートランド市電の
駅や軌道との位置関係がわかるものも含まれています.ロープウェイの
発着場の横に建設されているレールは,今秋延長開業が予定されている
区間のもので,現時点では営業運行はありませんが,この秋には地上での
ツーショットが撮れるのかもしれません.
Portland Oregon Aerial tram
(SkyscraperCity フォーラムへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ポートランド関連 直近の過去ログ :
2006/12/08 市電オストラヴァで試運転
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2007年01月10日

【ニース】トラム2号線の路線詳細の意見交換

現時点で今年2007年9月末に最初のトラム路線の開業が予定されている
ニース(Nice)で,早くも第二期区間のルート詳細を詰めるために,一般
からの意見を聞く予備的な対話(concertation publique)が,来週1/15
から2月末まで実施されるとの発表がありました.
意見交換は,公聴会開催や,車両の公開展示の場といった,従来からの
手法のほかに,インターネット上でのやりとりを含む,3つの方法で,
予定路線の沿線において順次行われていきます.

もっとも,新路線が白紙の状態から議論されるわけではなく,既に大筋の
方向性は決まっていて,具体的に何処を通すことにするか,意見が交わ
されることになるようです.
9月末開業が予定されている最初の1号線は,地図上でU字型をしていて,
Uの字の底にあたる部分がニースの中心部です.
検討されている2号線は,そのU字の底辺,つまり中心部か,あるいは更に
北のほうから,海岸に沿いながら西に進路をとり,ニースの空の玄関,
コートダジュール国際空港(Aéroport Nice Côte d'Azur / NCE / LFMN)に
近い,St Augustinを目指します.更に,その先まで延伸する計画路線も
あり,空港ターミナルに立ち寄るかどうかは,そこで検討されます.
2号線は,この地域(CANCA)で一番人口が密集している東西の軸に沿った
形となり,公共交通による移動の問題のみならず,自動車がもたらす大気
汚染を緩和することが狙いです.
CANCA : Communauté d'agglomération de Nice-Côte d'Azur
(ニースを中心とする24の市町村の共同体で,人口は約50万.2002年に
ニースの現市長が発足させ,代表を務めています)


その他に,1号線を北に延伸することも検討されています.U字の右側を
上に伸ばすような形で,ラ・トリニテ(La Trinité)地区を目指します.
また,St Augustin付近で2号線から分岐し,ヴァール川(Var)に沿って
北上,プロバンス鉄道(Chemin de fer de Provence)のLingostière駅と
接続する形となる,3号線の構想もあります.

今後,2009年末までに取りまとめられた公開調査(報告?)が出されて,
当面の最終目標としては,2013年までに35キロの路線網を構築すること
になっています.ちなみに1号線は,8.7キロです.27キロ近い新路線の
建設費は,2006年の価格で7億3千万ユーロから,8億9千万ユーロの間と
みられています.

現在開業に向けて準備が進められている1号線も,2000年に今回と同様の
予備対話が実施されていました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
車両展示と,公聴会の開催場所と日時など :
Extension du réseau de tramway et de site propre bus
Ouverture de la concertation avec le public
詳細 Plus d'informations sur le projet (PDFファイル)
(Communauté d'Agglomération Nice Côte d'Azur へのリンク)
PDFファイルのほうに,詳細と検討ルートの地図が掲載されています.

商工会議所?に相当する組織からの案内 :
8 janvier 2007 Extension du réseau de tramway et de site propre b
(CCI Nice-Côte d'Azur へのリンク)

報道のうち,計画図も載っている記事 : 9 Janvier 2007
Parcours du tramway : Mesdames et Messieurs, choisissez !
(Nice Premiere ニュースへのリンク)

1号線の開業に向けて,昨年12月にはLRVが到着しています.クリスマス
明けまで,ニース中心部の広場で一般公開されていました.下記ページ
では,その時の模様が多数の画像入りで紹介されています.展示車両は
車庫からレールの上を走って移動していますが,自走したわけではあり
ません.その時にLRVを牽引したと思われる車もしっかり写っています.
2006-12-20 Le retour triomphal du Tramway à Nice
(Nice Rendez-Vous ニュースへのリンク)

Tramway de l’agglomération Nice Côte d’Azur
(ニース トラムウェイ 公式サイトへのリンク)

トラム建設現場から見つかった遺跡の情報 :
Avec le tramway, Nice retrouve ses racines
(Communauté d'Agglomération Nice Côte d'Azur へのリンク)
ここからからリンクされているページの情報によれば,2007年1月現在
露天で作業が行なわれており,2007年4月に軌道を通すための工事が開始
されたあと,5月には試運転電車が走る予定ですが,2007年8月までは発掘
作業が行なわれるようです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ニースのトラムウェイ関連 過去ログ :
2006/12/07 【LRV】地中海沿岸の街に続々と到着
2006/5/28 工事補償の適用範囲拡大へ
2006/4/09 中心街でもレール敷設開始
2006/3/25 LRVバッテリー走行お披露目
2006/2/25 トラム開業遅れと部分開業の可能性
2005/11/25 来秋の納入に向けたLRV1号車
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2007年01月09日

【Muni】間もなくTラインが暫定開業に

サンフランシスコのMuniは,サードストリート(Third Street)沿いを南の
市境まで走る,ライトレールのTサードライン(T-THIRD Metro line)を,
1/13から暫定的に開業する予定です.
Muni : San Francisco Municipal Railway

当面は週末(土日)の午前10時から午後7時まで,20分間隔で運転される,
限定的な運行です.平日や,土日でも早朝夜間には運転されません.
暫定的な運行は4/01で終了し,本格的な営業開始は4/07からを予定して
います.本格営業開始までは,新線区間,すなわちCaltrainのターミナル
駅に隣接する4th & King以南の乗車では,運賃は不要だそうです.
もっとも新系統のTラインは,4th & Kingからエンバーカデロの既成線を
走り,マーケットストリート(Market Street)の地下鉄区間を経由して,
ツインピークストンネル(Twin Peaks Tunnel)の手前,カストロ(Castro)
まで運行されます.4th & King以北へ乗車する際には,運賃が必要です.

4/07からは,運転系統の再編も行われ,従来は4th & Kingまで乗入れて
いたNラインが,エンバーカデロ駅(Embarcadero)までとなり,Jラインが
代わりに4th & Kingまで運転されることになります.
Tラインは,暫定運行中と同様に,サードストリート線の南端,サニー
デール(Sunnydale)とカストロの間です.これで,マーケットストリート
地下区間に,これまで運転されてきたカストロ シャトルも,Tラインに
取って代わられます.

これらのことが,先週よりMuniの公式サイトで公開されていました.
昨年7月下旬に報道されていた予定通りのスケジュールです.
元々は2005年秋には開業しているはずでしたので,1年半の遅れとなる
わけですが,昨年7月に発表していた通りの日付まで,あと一息です.

この土日(1/07-08)には,最後の仕上げとして,開業を遅らせて予算を
超過させた張本人とも言える,4th & Kingを出たすぐ南にある,フォース
ストリート橋(Fourth Street Bridge)などで,地元の消防局(SFFD)など
と共同で,最終準備となる訓練が行なわれ,車両通行止めになりました.
SFFD : San Francisco Fire Department
週明けにこれまでのところ特に報道がありませんので,あとは今週末を
迎えるだけなのでしょう.路線の特徴などは,過去ログで紹介済みで,
先週の報道では特に目新しいこともないようなので,今回は省略します.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
新路線,系統建替えなどの案内が公式サイトに出ていました.
* T-THIRD Service (Tラインの概要)
* Third Street Light Rail project (計画概要)
(Muni 公式サイトへのリンク)

多くの記事がありますので,代表的なクロニクル紙の最新のものから.
January 6, 2007 3rd Street light rail nearly at finish line
(San Francisco Chronicle ニュースへのリンク)

以下は,ニュースではありませんが,二つ話があります.

今回の路線のうち,サードストリートの北半分では,早くから軌道が敷設
されていて,航空写真やファンサイトなどでも状態を知ることができた
ように,道路中央を専用レーン化してライトレールが走ります.交差点の
前後には,注意を喚起するためか,ピンク色の塗装が施されています.
ヨーロッパなら,自動車が交差する部分を除いて,芝生軌道にしてしまい
そうなところですが,当地では市民から金の無駄遣いと言われる恐れも
ありますし,Muniにはそこまで予算に余裕がないと思われます.もっとも
米国で芝生軌道を見かけませんので,規制か何かあるのかもしれません.

もう一つは,新線は5.1マイル(約8.2キロ)の路線で,現行の路線バスより
10分早い31分で走ることになっています.運転間隔も10分程度になると
思われますが,特にライトレール車両の増強は行われていないようです.
そもそも,Muniにブレダ(Breda)製のLRV-2が,何本在籍しているのかも
よく判らないのですが,APTAのサイトには,Muniのライトレール車両は
2004年現在の資料で181本とあります.数字の上では,ボストン(MBTA)の
185に次いで僅差で全米第二の車両数です.
APTA : American Public Transportation Association

Light Rail Transit Agencies : (APTA へのリンク)
* Vehicle and Financial Data (車両数など)
* Service and Usage Data (運用時間と距離数)
下段のリンク先にある表によれば,サンフランシスコのMuniは,全米の
他の事業者と比べて,年間Vehicle revenue hours(時間)が多い割りに,
同Vehicle revenue Miles(距離)が少ないように読み取れます.また,
移動距離に関係なく,乗換えのたびにカウントされる旅客の乗車回数,
Unlinked tripsで言えば,Muniはライトレールでは,ボストン(MBTA)に
次ぐ全米第二位で,第三位はロサンゼルス(LACMTA)ですが,その他の上位
事業者とも比べてみると,回数の割に車両数が多いように思われます.

2004年の数値を表にすると,Muniの車両数の多さが際立ちます.
statistics1.gif
工事の始まる数年も前からTラインの分を見越して用意していたのか,
確かに,サードストリートのライトレールは,構想自体はかなり前から
ありました.それとも,終点で数珠つなぎに滞留しているような,これ
までの運用の効率を上げて,新系統用の車両を捻出するのでしょうか.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

サードストリート ライトレール 関連過去ログ :
2006/7/28 Tサード 2007年1月暫定開業へ
2005/12/16 サードストリートLRTの開業遅れ
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(2) | TrackBack(4) | 米国ベイエリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年01月08日

【ユージーン】BRTグリーンライン 1/14開業へ

オレゴン州ユージン(Eugene)とスプリングフィールド(Springfield)を,
日中16分で結ぶBRTが,来週1/14から営業運転を開始する予定です.
BRT : Bus rapid transit
使用される連接バスが少し変わっていて,車体の両側にドアがあります.
運転台のある進行方向左側にも,中扉と後扉(後部車体)の2つがあり,
右側には,前扉も加わって片側3か所です.さらに,ルートの6割に専用
レーンが設けられますが,それが道路中央にも設けられるだけでなく,
バス停も島式ホームのようになっている場所がいくつかあったり,場所に
よっては道路幅の制約からか,中央に一車線だけ設けられた専用レーン
を,詳細は不明ですが双方向で使うようです.

このバス ラピッド トランジットの名称は,Emerald Express,通称EmX
(エムエックス)と言います.エメラルドとは,両市のあるウィルメット
ヴァレー(Willamette Valley)が,別名エメラルドヴァレーとも呼ばれて
いることからきているそうです.

ユージーン市の人口は約14万強,スプリングフィールド市は約5万人強
ですが,ユージーンにはオレゴン大学(University of Oregon)もあり,
両市を含むレーン郡(Lane County)のうち,特にユージーン都市圏での
公共交通機関を担うLEDでは,年間830万人を輸送しています.
LED : Lane Transit District

BRTの導入は,LED公式サイトのFAQページによれば,大気汚染の軽減が
目的だったようです.オレゴン州では,自動車の排気ガスが大気汚染の
原因の半分とみられていて,州法によりLEDが担当する地域では,今後
10年以内に全自動車の走行距離数を減少に転じさせること,20年後まで
には10%減少させることなどが求められています.これに対応するため,
自動車の利用を止めさせるような移動手段が求められました.州内には
ポートランドのライトレールMAXという良い見本があり,これを導入する
ことも検討されましたが,沿線人口などから無理があると判断されて,
より少ない投資で利用者を惹き付けるBRTが採用されました.

BRTは,この地域の幹線にあたる,ユージンとスプリングフィールド間の
フランクリン コリドー(Franklin Corridor)に,最初に導入されます.
グリーンラインとも呼ばれる4マイル(約6.4キロ)の建設費は,バス専用
レーンや停留所,車両購入などを含めて約2400万ドルです.
EmXは,更に第二期区間も計画されていて,今年着工できそうです.

EmXでは,ライトレールに似せた外観を施した,長さ60フィート(18m強)の
連接バスが専用で使われます.前述の通り,左右両側に乗降ドアが設け
られたバスは,定員が100名少々,座席数は44,車椅子用スペースが2か所
あるほか,自転車も前方のラックではなく車内に3台まで搭載できます.
在来の車両より20%燃費を向上させるとされる,New Flyer Industries製
ハイブリッドバスは,一台あたり96万ドルです.
しかし,このバスの最大の特長とも言える両側ドアのおかげで,バスの
納入が遅れたため,それだけではないようですが,当初は2006年秋に運転
開始となるところを,徐々に遅れて最終的に今月に延期されていました.

場所に応じて臨機応変に走る場所を変えられるのがBRTの強み,という
ことで,専用レーンだけでなく,前述のように双方向の専用レーン(=単線
ということか?)もありますし,自動車と車線を共用する区間もあります.
専用レーンが60%を占めることと,バス停の間隔を500m超にすることで,
これまで22分程度掛かっていた所要時間を,16分にまで短縮することに
なっています.運転間隔は,日中10分ごとです.

先週の記事によれば,バスの運転手が習熟運転を行なっているそうで,
2週間前までは最速でも17分掛かっていたものが,最近では最速13分に
まで短縮できるようになり,今後も運転の習熟度が上がり,交通信号優先
システムを調整することで,1/14開業までに16分運転の目途がつきそう
とのことでした.
運転には通常の路線バスと異なり,訓練が余計に必要です.これまでに
無かった進行方向左側のバス停に幅寄せしなければならないからです.
島式ホームのバス停への停車練習などもあり,最低でも40時間の訓練を
受けなければならないでそうです.

EmXグリーンラインが走ることになる路線では,現行の路線バスが一日平均
2800人を輸送しています.EmX変換後には,これが五割増の4200人になる
だろうとされています.
運賃は,LEDの路線バスが片道$1.25になるところを,EmXグリーンライン
だけは当分の間は無料です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
EmX Green Lineの概要 :
EmX Service starts January 14th! Riding EmX information
EmX - Frequently Asked Questions (FAQ)
(LED 公式サイトへのリンク)

試運転の様子が年頭に報道されていました.
January 4, 2007 Slow going for LTD rapid transit test runs
最初の試運転が行なわれた後の記事 : November 10, 2006
The first of the LTD rapid transit buses makes its debut
(どちらも,The Register-Guard ニュースへのリンク)

専門誌の特集記事 :
April 2006 BRT Takes Center Stage at Lane Transit District
(Metro Magazine (Features) へのリンク)
LEDでは,以前ハイブリッドバスの導入に失敗した苦い経験があります.
インタビュー形式で綴られる記事には,そのようなエピソードにも少し
触れながら,公式サイトや報道では見つけられなかった内容も含みます.

Metro Magazineにも記載がありますが,LEDはクリーブランドと共同で
両側ドア付きの連接バスを購入しました.メーカーのサイトには,RTAの
バスが紹介されています.
Cleveland BRT Pilot Bus - 2006
(New Flyer Industries へのリンク)

EmX (Set) by functoruser より
ユージーンのターミナルを出る試運転バス
EmX at Eugene Station
by functoruser (flickr)
EmX at Eugene Station

島式ホームの様子
Dads' Gates Station
by functoruser (flickr)
Dads' Gates Station
(2007年1月)

今後も,EmX (Set)に,新しい画像が追加されるかもしれません.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ユージーンBRT関連 過去ログ :
2005/10/11 バス ラピッド トランジットが来秋開業
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2007年01月07日

【マドリード】間もなくシタディス試運転

今週にも,マドリード(Madrid)近郊で今春,相次いで開業が予定されて
いる,ライトレール(metro ligero)用の車両が,現地にお目見えするとの
記事がありました.
場所は,マドリード中心部からみて北部のSanchinarro,Las Tablasと,
西部にあたるBoadilla,Pozueloです.

マドリードでは,地下鉄の延長工事も盛んに行なわれていますが,その
一方で,ライトメトロ(metro ligero),ライトレールと解釈してもいい,
3路線も建設されています.これらは,2003年から2007年の五か年計画に
基づくもので,地下鉄53.14キロ,ライトメトロ27.77キロ,総延長では
80キロを上回り,予算は47億ユーロにも及ぶ,未曾有の公共交通大拡張
計画です.

Metro de superficie,地表のメトロとも表現されている,ライトレール
3路線の概要は,次の通りです.計画ではこの他にもライトレール路線が
ありますが,現時点では未着工です.

北部に建設されているライトメトロ1号線は,新興開発地のサンチナロ
(Sanchinarro)とラス タブラス(Las Tablas)を結ぶ約5.3キロの区間で,
予算3億2千万ユーロです.このライトメトロ1号線では,途中9駅のうち
過半数が地下駅になります.
Las Tablas駅で地下鉄10号線と,ピナル デ チャマルティン(Pinar de
Chamartín)駅で1号線と4号線に接続する予定ですが,いずれの線も延長
区間にあたり現在工事中で,2007年内に開業するようです.

一方,ライトメトロ2号線と3号線は,共にコロニア ハルディン(Colonia
Jardín)駅で地下鉄10号線と接続します.
2号線は北に向かいポスエロ(Pozuelo),アラルコン(Alarcón)を目指し,
3号線は西に向かいボアディリャ(Boadilla)を目指します.
2号線は,約8.7キロ,予算1億5200万ユーロ,沿線人口は約6万人で,
3号線は,約13.7キロ,予算2億1100万ユーロ,沿線人口は約2万7千人
となっています.

3路線とも2007年春の開業予定ですが,日付などは発表されていません.
今週から試運転が開始されますので,その様子をみて決めるのでしょう.
車両は,アルストム(Alstom)の5車体(全長32m)100%低床車,シタディス
(Citadis 302)です.

マドリード共同体の交通インフラ局?(原語では,La Consejería de
Transportes e Infraestructuras de la Comunidad de Madrid)では,
シタディスを70本購入する契約です.26本は,バルセロナのアルストム工場
からトレーラーに載せられて,高速道路経由で既にマドリッド入りして
います.そのうち6本は,すぐにでも走れる用意ができているようです.
現在は,マドリード東部の地下鉄5号線のCanillejas駅近くにある車庫に
置かれているそうです.これが,今週にもライトメトロ3号線Boadilla
del Monteに建設された車庫に移管されることになっています.
車両は,総額1億5千万ユーロでした.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
車両の準備は整っているという記事 : (車庫内の画像もあります)
05/01/2007 Los nuevos trenes ligeros ya están aquí
(elmundo.es ニュースへのリンク)

延長計画の概要 : (VIA LIBRE - スペインの鉄道雑誌 - へのリンク)
Plan de ampliación de Metro de Madrid 2003-2007

2006年12月時点での軌道工事の様子
Tranvía de Colonía Jardín a Boadilla del Monte
by Recuerdos Desconcertantes (flickr)
Tranvía de Colonía Jardín a Boadilla del Monte

以下は,Wikimedia CommonsにあるRed de Metro de Madridを基に,
若干加筆したもので,加筆した部分は正確ではないかもしれません.

Madrid_Metro_scale2007.png
(クリックで,ファイルサイズ500k弱の拡大画像を表示できます)
ライトレール路線は,いずれも破線で表示,
ラインカラー表示のメトロでは,太線が延長計画の区間,
水色は,マンサナーレス川 (Río Manzanares),
黒(細線)は,近郊電車セルカニーアス(Cercanías)の一部 (加筆)
薄いピンク(細線)は,高速鉄道 Renfe AVE (加筆)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年01月06日

【ブエノスアイレス】春にはシタディス運転へ

南米アルゼンチンのブエノスアイレス(Buenos Aires)を,これから訪れる
機会があるようでしたら,元港湾沿いの再開発地域,プエルト・マデロ
(Puerto Madero)にも行かれるといいかもしれません.新しい路面電車が
順調なら2月には工事を終えて,3月からは試運転を開始している可能性が
あります.1/05に着工式がとり行われたとの報道がありました.

アルゼンチンでも路面電車はかつて多くの街で走っていたようです.
ブエノスアイレスも例外ではありません.43年ぶりの復活だそうです.
今回の新路線は2キロの区間で,試験的路線の位置づけですが,将来は
プエルト・マデロ地区を循環する路線や,北に位置する鉄道駅(Estación
Retiro)への延長構想もあります.

LRVは,アルストム製の5車体連接車(定員188,うち座席数58)が2本導入
されることになっています.Cidatis 3302というモデルと書かれた記事も
ありますが,これは恐らくCidatis 302のことでしょう.黄色の車両を
載せた船が,12/19にはスペインのビルバオを出航したはずです.

正式にはTranvía del Esteという路線名(スペイン語 Este = 英語 East)
で,このプロジェクトには4600万アルゼンチン・ペソ(1500万ドル強)が
掛かりますが,インフラの整備については国と市が資金を出し,実際の
運行は,地下鉄などを運営するメトロビアス(Metrovías)が行ないます.
(ブエノスアイレスの地下鉄と言えば,引退した車両が続々と日本から
譲渡されていることでも知られています)


運賃は,subte(スブテ=メトロビアスの地下鉄)と同じ$0.70ペソです.
場所は,A線の東端Plaza de Mayo駅か,B線の東端L.N.Alem駅から徒歩で
行ける範囲で,Av. Eduardo Maderoの路上を,南はIndependencia通り
との角から,北はCórdoba通りの角まで走ります.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
各紙が一斉に報道しました.Clarin.comには,横に伸びる路線図も掲載
されていますが,実際には路線は南北に走ります.
5 de Enero de 2007 Con una inversión de 46 millones, los porteños
recuperarán el tranvía
(Télam ニュースへのリンク)
05.01.2007 El tranvía de Puerto Madero se pondrá en marcha entre
fines de febrero y comienzos de marzo

(Clarin.com ニュースへのリンク)

先月の段階で,1/20に路面電車が走ると報じられていました.
(しかし,着工が1/05になったため,事実上その予定は無理でしょう)
09.12.2006 Prometen que el 20 de enero el tranvía arranca en
Puerto Madero
(Clarin.com ニュースへのリンク)
フランス・ミュルーズのシタディスの画像も小さく載っています.
アルストム(Alstom)が,デモンストレーションとしてブエノスアイレスに
ミュルーズ(Mulhouse)向け車両を貸し出すためです.

ミュルーズでも,そのことが話題になっていました :
Notre tram à Buenos Aires
(Le TramTrain de l'agglomération mulhousienne へのリンク)
トレーラーで積み出される様子が掲載されています.また,レンタル料が
1編成につき年間で17万5千ユーロとあります.

アルストムとの契約が交わされた,2006年8月の公式発表 :
Agosto 2006 Nuevos proyectos Buenos Aires vuelve a tener tranvía
(Ministerio de Planeamiento y Obras Públicasへのリンク)
Publicación: 1 de agosto de 2006 Vuelve el tranvía a la Ciudad
(GCBA ニュースリリースへのリンク)
GCBA : Gobierno de la Ciudad de Buenos Aires

英語の鉄道業界誌に,2006年8月契約が交わされたことを知らせる記事が
掲載されていました. (Railway Gazette ニュースへのリンク)
September 2006 Buenos Aires to test LRT

工事で鍬を入れている場所は,下の場所のような緑地帯です.この画像
でも確認できるように,元々,港湾内を鉄道が走っていたようです.
Puerto Madero. Beautiful area
by Experiencias de viagem de 1 Brasileiro (flickr)
Puerto Madero

上は2005年2月に撮られています.下記の画像と見比べてみてください.
5 de enero de 2007 Inician las obras del tranvía de Puerto Madero
(Lanacion.com (Argentina) ニュースへのリンク)

厄介なことに,Google Mapsは衛星画像だけ,Windows Live Localでは
地図だけを見ることが出来ます.
Avenida Eduardo Madero / Avenida Córdoba (地図)
(Windows Live Local ニュースへのリンク)
Avenida Eduardo Madero / Avenida Córdoba (衛星画像)
(Google Maps ニュースへのリンク)
リンク先では,どちらも北側の終点付近を見ています.

今回は,南米へ初乗入れとなりました.これにあわせてスペイン語圏と
いうカテゴリも新設しています.
南米大陸は未踏の地ですし,いつものことですが,誤訳や誤解で内容が
間違っていましたら,ご容赦ください.

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2007年01月05日

【ロッテルダム】シタディス導入は大誤算?

ロッテルダム(Rotterdam)で地下鉄と路面電車を運営するRETが,グレード
アップされた市電路線Tramplusなどに,2003年からアルストム(Alstom)製
100%低床車シタディス(Citadis)を導入したことは,労働党(PvdA)の同市
市会議員のに言わせれば,世紀の大誤算だそうです.
(原語は"miskoop van de eeuw"で,直訳は世紀の誤購入でしょう)

1本あたりの車両価格は250万ユーロで,それを60編成購入していました.
RET : Rotterdamse Elektrische Tram
PvdA : Partij van de Arbeid (労働党)

今後も旧型車置換え用として,53編成の低床車購入が予定されています
が,アルストムのシタディスが選ばれることは,まずなさそうです.
2006年10月には,ロッテルダムの街中を,ボンバルディア(Bombardier)が
ブリュッセル向けに製造した100%低床車のFlexity Outlookモデルが,
デモンストレーション走行したそうです.

RETのシタディスは,利用者にすれば初の低床車ですし,車内の通路幅も
広く,5車体で構成されているうち,4車体に幅広で両開きのドアが付いて
います.乗り心地もスムーズで酷評されることはあまりないでしょう.
問題は,運行する側にありました.それも一つだけではありません.

まず,線路同士の間隔が足りずに,シタディス同士ではすれ違いできない
場所があることです.RETのシタディスは車体幅が2.4mで,当然それは
計算されているはずですが,先頭台車から車体先端までの長さ,いわゆる
オーバーハングが在来車よりも長かったため,カーブで張り出し部分が
大きくなり,それがすれ違いを不可能にさせる原因でした.
オーバーハングが長いのは,シタディスの特徴でもあります.RET向け
車両は5m前後ですが,6m近いところもあります.

RET向けのシタディスは,302 Bモデルと呼ばれ,実は,ここだけの特注品
でした.基本的には,5車体100%低床車の概念を踏襲しているものの,
車体や台車については,新たに設計されたもので,アルストムとRETの
合作によるオリジナル車両ということになります.
例えば,両開きドアが4つあるのもその一つで,他のシタディスは車端の
ドアが幅の狭い片扉のものになっていますが,RET向けは車端でも幅広の
二枚扉にして,円滑な乗降を可能にしています.

次の問題は,曲線の走行性能でした.車輪が金きり音(キシリ音)をあげる
ばかりでなく,磨耗も早いというものです.
RET向けシタディスは,直線を走っている分には静かだとのことですが,
ひとたび急カーブを通過すると,途端に車輪が軋り音をたてました.
これはオリジナル設計の台車に,原因があるかもしれません.

車内の通路幅を広くとるため,他のシタディスで使われているのとは全く
異なる駆動方法を,302Bモデルでは採用しました.他の全低床モデルと
同様に,低床化を実現するため車軸は無く,1つのモーターで2つの車輪を
ギアを介して回すことにも変わりありませんが,他のシタディスが台車に
ある左右一対の車輪を1つのモータで動かしているのに対して,RETモデル
では,同じ台車の前後一対の車輪を,1つのモータで動かしていました.
もちろん,滑らかに曲線を通過できるよう,電子制御により同じ台車内の
左右対になる車輪の回転には差がつけられます.通常の車輪車軸一体型の
車輪にある,踏面勾配の働きです.
この手法そのものは目新しいものではなく,ボンバルディアやシーメンス
などの低床車でも数多く見られます.

しかし,金切り音をたてたり車輪の磨耗が早いということは,それらが
うまく機能していないということでしょう.軌道状態に影響を受けている
のかもしれません.騒音は90デシベルにまで達していたとのことで,対策
として車輪により硬いものを用いたり,フランジ部分に潤滑油の働きを
する素材を付けたりしたようです.これに関して製造メーカのアルストム
からは,車輪の交換費用が出ているようです.

最初の軌道間隔の問題は,新たに開業した区間でもみられ,レール移設
工事を開始するそうですが,全線で完了するには2010年まで掛かるとの
ことです.その経費がどれだけになるかは,明らかではありません.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
美しいトラムの苦難の道と題した記事ほか :
03-01-2007 Lijdensweg van een mooie tram
03-01-2007 Supertrams ongeschikt voor rails
26-12-2006 PvdA eist onderzoek naar RET-tramtracés
(Algemeen Dagblad ニュースへのリンク)
Rotterdamse Citadis-trams 'miskoop van de eeuw'
(Engineering 360 ニュースへのリンク)

メーカーが一般に公開している簡単な資料 : (Alstom 公式サイト)
CITADIS for Rotterdam (PDFファイル)

RET Persfoto Foto: Dick Sluijter
RET_citadis.jpg
この画像は,RET Persfotoの条件に従って掲載しました

これまでロッテルダム市の一部門だったRETは,2007年1月からは独立して
今後はロッテルダム市が100%の株を所有することになったと伝える案内.
Gemeentelijke dienst RET wordt zelfstandig bedrijf
(RET 公式サイト ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年01月04日

【リトルロック】大統領図書館へ延長は2月?

アーカンソー州リトルロック(Little Rock)と,アーカンソー川をはさみ
ノースリトルロックを,レトロ調の路面電車が走るリバーレール(River
Rail)を運行するCATAが,2006年の利用実績を明らかにしました.
CATA : Central Arkansas Transit Authority

2006年は8月が猛暑だったことや,ガソリン価格の高騰で観光客の足も
遠のき,期待薄と思われた割に年間12万人少々という数字が出て,CATAの
責任者はひと安心のようです.
数字の上では2005年が年間16万人弱でしたので,減少したことになります
が,当時は乗換えが生じていた時期があり,それを複数回にと数えていた
らしく,実質的には同程度だろうとみられています.

年間に12万人強では,一日330人強ということですが,人口18万4千の街
ですし,路線長も2.5マイル(4キロ少々)です.通常は2両だけが運用に
就き,繁忙期やイベント開催時に増備された3両目が使われます.
それでも,CATAが運行する路線バスの中で一番利用者数の多い路線に匹敵
する人数を運んでいるのだそうです.

数字を紹介している記事では,2007年の見通しが明るいことも記されて
いました.それは,2004年の開通以来,民間と公共とあわせると合計で
2億6千万ドルになるプロジェクトが,路面電車から2ブロック以内に計画
され,そのうちのほとんどが今年から始動するというのです.具体的な
事例は紹介されていませんが,これらに誘発される形で,利用者が増える
ことでしょう.また,0.9マイル(約1.45キロ)の路線延長があります.
当地アーカンソー州の出身で,同州で知事を務めた後,大統領になった
クリントン氏を記念する図書館(Clinton Presidential Library)などを,
街中と結ぶもので,これによって月間2千人の利用者が上積みされると
見込まれています.

その延長線は,2006年11月に開通しているはずでした.現在公式サイト
でも詳細ページが削除されてしまっているようですが,2006年12/25付け
報道で,12月中旬までに軌道の敷設は終了し,道路の再舗装も年内には
完了する見込みだったようですが,曲がり角の部分で調整が必要になり
そうだということが報じられていました.
その後は2週間で架線を張り,試運転から当局の承認まで1ヶ月を費やし,
2月中には営業運転を開始したいと,CATAの責任者は語っています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
1/3/2007 Report: 121,500 Rode the River Rail in 2006
12/25/2006 Trolley Tracks Completed, Need Tweaking
(Arkansas Business Online ニュースへのリンク)

The River Rail System 運賃,路線図などの案内
(CATA 公式サイトへのリンク)

2006年に増備された車両
Little Rock Loop by mmahaffie (flickr)
Little Rock Loop
(2006年10月)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

リトルロック関連 過去ログ :
2006/4/08 路面電車411号車到着
2005/11/03 リバーレール ストリートカー開業1周年
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2007年01月03日

【アトランタ】高速電車MARTAに新駅設置を

ジョージア州アトランタ(Atlanta)と周辺の郡を含む都市圏で,バスと
48マイル(約77キロ超)の高速電車を運行しているMARTAは,全米第9位の
規模になるそうです.
MARTA : Metro Atlanta Rapid Transit Authority
高速電車には年間7千万人の利用がありますが,移動手段の主役は自動車
です.これまでMARTAは,少しでも多くの利用者を獲得し,収入を得る
ために,路線延長ばかりを視野に入れてきましたが,それには1マイルで
1億ドルもの建設費が掛かることもあり,方向転換して駅間が空いている
区間に,新駅を設置することを検討し始めた,という記事がありました.

系統図を見るだけでも一目でわかるように,MARTAの高速電車には極端に
駅と駅の間が広がっている区間がいくつかあります.鉄道建設時には,
未開発で利用が見込めなかったのでしょう.しかし,そのような場所でも
今やビルが建ち並んでいる場所があり,駅から1キロも歩かなければなら
ない所も多くなってきているのです.

ただし,新駅設置と一口に言っても,MARTAの高速鉄道は高架か地下を
走る,完全立体交差化された路線です.地表を走る鉄道に相対式ホームを
増築するのとはワケが違い,その建設費も侮れないものでした.記事で
紹介されている例では,地下化か高速道路上に駅を張り出す必要がある
ようで,最大で3億ドルすると見積もられています.

それでも,新駅設置で飛躍的に便利になる場所が多くなることも確かな
ようです.例えば,アトランタ五輪開催時に使用され,今では野球場と
して使われている,Turner Field(ザ・テッド)などが記事では紹介されて
います.また,こちらでも紹介した環状ルートのベルトライン(BeltLine)
との乗換え駅にもなります.
Turner Fieldに関しては,徒歩圏内になるというわけではなく,シャトル
バスなどが必要ですが,今はダウンタウンから運転されているようで,
それよりは距離が短くなるというものです.


記事は,ワシントンDCのWMATA,メトロレール(Metrorail)レッドライン上
に,2004年11月に開設された新駅のことについても触れています.
WMATA : Washington Metropolitan Area Transit Authority

その新駅,New York Ave-Florida Ave-Gallaudet U駅は,ユニオン駅と
北隣の駅の間に建設されました.Amtrakに乗ってニューヨーク方面から
ワシントンDCのユニオン駅(Union Station)に到着する直前,Amtrakの
軌道のすぐ西側を,レッドラインの線路が寄り添って走ります.ホームを
設けるような隙間は両者の間にはありません.そこでWMATAは,レッド
ラインの線路そのものを,新たな高架線路を建設して西側に張り出し,
そこに島式ホームを建設したのでした.
この新駅設置には,1億2千万ドルがかかりましたが,WMATAでは初めての
試みとして,その中には民間からの投資2500万ドルも含まれています.

MARTAでは,新駅設置予算を組んでいるわけではありません.路線延長や
ベルトラインもあります.今はまだ新駅設置の費用対効果の研究に着手
しようとしている段階です.ワシントンの例にあった1億2千万ドルでも,
アトランタで計画中の26マイルのコミューターレールの費用に匹敵するの
だそうで,工事には4年の歳月を要しました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Schedules & Maps Rail Schedules/Maps (系統図)
(MARTA 公式サイトへのリンク)

MARTAで新駅設置の調査が始まったことを伝える記事 :
01/02/07 MARTA studies closing rail gaps
(The Atlanta Journal-Constitution ニュースへのリンク)
1/2/2007 In-Fill MARTA Stations Under Study
(WXIA-TV Atlanta ニュースへのリンク)
Jan. 02, 2007 MARTA to study closing gaps between intown stations
(Macon Telegraph ニュース-APの記事-へのリンク)

新しい中間駅の候補地になっている場所を,1993年と2002年の上空からの
画像で比較してみると,この間にも建物が増えていることがわかります.
(1984年に開通した,Arts Center駅とLindbergh Center駅の間)
Atlanta, Georgia, United States (TerraServer へのリンク)
Urban Areas (4/6/2002) 2002年
Aerial Photo (1/27/1993) 1993年

記事で紹介された,ワシントンDCのメトロにおける新駅設置例 :
New York Ave-Florida Ave-Gallaudet U (Washington Metro)
(英語版 Wikipediaへのリンク)
External linksに,公式サイトや,地図,豊富な画像のあるサイトへの
リンクがあります.

原図はWikimedia Commonsより
加筆部分は資料を基に構成したため不正確の可能性あり


MARTA_Infill-stations.png

薄緑色の楕円が,新駅設置を発案した民間人が提案する4区間
薄いピンク色の線は,ベルトライン計画にあるループ線予定地
(薄い青の線は高速道路)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

アトランタ MARTA,ベルトライン関連 過去ログ :
2005/12/17 車社会で生き延びていくために
2005/9/21 ベルトライン構想ほか
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2007年01月02日

【ホノルル】鉄道かバスか2007年中に決める

海外で日本人観光客が一番利用している路線バスと言えば,正確な統計が
あるわけではありませんが,ハワイのオアフ島をくまなく網羅している
ザ・バス(TheBus)かもしれません.ホノルル市(郡)が運営しています.
しかし,もしかしたらあと数年で,それも昔語りになるかもしれません.

観光地ワイキキを擁するホノルル(Honolulu)市(郡=オアフ島)でも,米国
本土と同様に朝夕ラッシュ時の高速道路の渋滞は激しくなっています.
大量輸送機関の導入を求める声が1980年代以降何度もあがっているもの
の,これまで正式に決定されることはありませんでした.道路の増設や
車線拡大も困難な状況です.
苦肉の策として,時間帯に応じ中央分離帯を移動させるジッパーレーン
(Zipper lane)も,一部区間で取り入れているほどです.これはジッパー
マシンという大型自動車が,中央分離帯のブロックをくわえるように前に
進み,その車両が通過した後は,ファスナーのようにブロックが移動して
いるというものです.この方法では一時的に増設された車線が反対側の
車線の端を走ることになり,高速を降りる出口が少なくなるなどの不便が
あるため,利用する車両はあまり多くないと聞きます.


今のところ,自動車を持たない人々の唯一の公共輸送機関となっている
TheBusは,これまで2回もアメリカのベストトランジットシステムを受賞
しています.前市長の肝いりでバスラピッドトランジット(BRT)の導入も
決まり,専用レーンの建設も開始,専用の連接バスも投入されました.
しかし,予算削減と利用者数低迷で,1年も持たずに廃止されてしまい
ます.それでも,現市長は鉄道派ということもあり,大量輸送機関導入
計画まで潰れたわけではありませんでした.今年1月から,オアフ島内
でのハワイ州税の税率が0.5%アップして4.71%前後になっていますが,
増税分は大量輸送機関建設資金にあてられることになっています.

昨年12月下旬の市と郡の議会(Honolulu City Council)で,ついに専用
軌道を有する大量交通機関(fixed guideway mass transit system)の
導入が最終的に承認されます.そして,ルートや鉄道かバスのどちらを
採用するかは,現市長が率いる市政に判断をゆだねることになりました.

2007年中に,市長はどのルートを選択するか,どの区間から先に開業させ
るかに加え,鉄道になるのかバスになるのかも決定すると,年頭に語った
ことが伝えられました.オアフ島の公共交通にとって,2007年はまさに
スタートの年になる予定です.このあと全てが順調に運べば,2012年には
開業しているでしょう.鉄道派の現市長の任期は2009年まであります.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
January 1, 2007 Mayor says 2007 is when transit gets rolling
December 23, 2006 All Aboard!
(The Honolulu Star-Bulletin ニュースへのリンク)
12/22に議会で承認されたことを受けた12/23の記事に,ルート案なども
掲載されています.路線案でも,市長などが推すルート(グリーンライン)
と,市議会が推すルート(イエローライン)があります.また,ホノルル
国際空港(HNL)を経由するかどうかも,選択肢の一つです.ワイキキへの
支線も計画にありますので,空港経由が決まり,ワイキキ支線が開業した
暁には,多くの観光客も利用することになるかもしれません.

ホノルルと大量交通機関で結ばれることになるカポレイ(Kapolei)は,
正式な市ではありませんが,ホノルルに次ぐオアフ第二の街として,ここ
数年急成長している地域です.

ジッパーレーンをつくるBarrier transfer machine.これはファスナーを
閉じる,追加レーンを収容する様子になります.斜めに走っているように
見える黄色い車両の後方では,手前に見える中央分離帯のブロックが,
本来の位置である左端に寄っています.
Moving the zipper #969
by Nemo's great uncle (flickr)
Moving the zipper #969
(2005年9月)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年01月01日

【パリ】T3はなぜ路面電車で建設されたか

2006年12月中旬に,近代的な路面電車がパリ市内に開通したしたことは,
今や多く人の知るところになっています.観光でパリを訪れた人でも,
おそらく最低一度は地下鉄(メトロ)に乗っているでしょう.ニューヨーク
やロンドンなどと同じように,日本人でも地下鉄が観光の移動手段として
使いやすい,数少ない都市です.それほどまで発展した地下鉄網を持つ
大都市に,なぜ新しい路線が今どき路面電車なのか,疑問に思われた人も
多いことでしょう.
また,海外の都市交通をよく知る人にとっては,パリ市に69年ぶりに復活
したとは言え,T3の名が示す通り,イルドフランスで3番目の路面電車に
過ぎませんでした.先に開通したT1やT2と似たような環状ルートの一角を
成す路線で,それがパリ20区内を走るというだけで,なぜこれほどまで
注目を集めたのか,疑問に思われた人がいたかもしれません.

それらの答えになるかどうかは判りませんが,ロイターがパリ市の交通
政策の視点から,参考になる記事を出していました.

今回開通したT3は,TMS(Tramway des Maréchaux Sud)とも呼ばれます.
マレショー大通り(Boulevards des Maréchaux)の南部を走るトラムという
意味です.マレショー大通りとは,かつてパリ市とその外側とを隔てた
城壁を取り壊して建設された,パリ市環状道路の総称です.

このマレショー大通りは,一般道路ながら片道3車線を有する幹線道路
でした.ここに路面電車を通すにあたり,工事中はもちろん,トラム開業
後の今でも,自動車が走れるのは片道1車線か2車線に減っています.
これでは渋滞を招くだけではないかと思われますが,裏を返せば,それが
狙いでもありました.渋滞により人びとが自動車での移動を止め,公共
交通へ移行することを期待してのことです.
自動車用の車線が大幅に減ったことは,前回12/15ご紹介の過去ログに,
対比映像を納めた投稿サイトDailymotionへのリンクがありますので,
是非ご参照ください.


ロイターの取材によれば,パリ市の現市長は,路面電車は渋滞の緩和が
目的ではなく,公害を減らすことだと明言しています.
2001年からパリ市長を務めるドゥラノエ氏(Bertrand Delanoë)は,中道
左派の社会党(PS / Parti Socialiste)所属で,緑の党(Les Verts)所属
で交通政策担当の副市長,ボーパン氏(Denis Baupin)とともに,就任以来
強力な自動車交通削減政策を推し進めてきました.
自動車が走れる車線の削減は,T3が走るマレショー大通りに限ったこと
ではありません.今パリではバス専用レーンを拡充し,歩道を拡張する
などして,市内の道路を車では走りにくくしているそうです.

記事によれば,これはロードプライシング(Road Pricing / 道路課金)を
取り入れた,ロンドンやストックホルムなどとは対照的だとしています.
同じ目的でありながらパリ市では,門戸を開放する(都心乗入れに課金
しない)のと引き換えに,意図的に自動車が不便になるように仕向けて
いるというわけです.
パリ市が都心への自動車乗入れに課金しないのは,パリ市内の人口密度が
ロンドンなどに比べてはるかに高いことが影響しています.
ロイターの記事では,人口密度がパリはロンドンの3倍とありますが,
ウィキペディアをみると,パリ市は平方キロあたり2万4千人,ロンドンの
シティでは同3千人で8倍以上開きがあります.ちなみに,東京23区では
6千人弱になるようで,パリ市の密集度は飛びぬけています.

市境通過時の課金では,市の内外で不公平感が生まれるばかりでなく,
市内交通だけでも公害を生み出すに十分な交通量が残ってしまうのです.
ロンドンにおいてさえ,交通量は減っても大気汚染は減っていないと,
パリではみています.
それでも,交通政策担当副市長によれば,一部主要道路の有料化は検討
されているそうです.例えば,T3が走るマレショー大通りのすぐ外側を
走る,環状線の高速道路ペリフェリック(Périférique)などが対象です.

これまでの交通政策が功を奏して,交通量と大気汚染は現市長が就任して
以来,徐々に減少しています.車の交通量では2005年までの4年間に5%
減少したとみられています.大気汚染は,2007年の予測では2002年からの
6年間で32%減が見込まれていますが,このうち交通政策によるものは6%に
とどまるため,主要道路の歩行者道路化や,有害物質排出量の多い車両の
走行を制限するなど,更なる対策も計画されています.しかし,それには
市民に協力と忍耐が求められます.

記事ではその点にも言及しています.
2006年12月上旬の世論調査では,パリ市民の52%が現市長の市政に満足
しているものの,68%が自動車交通政策に対しては不満を抱えています.
次の市長選は2008年ですが,再選を期待している人は今のところ37%に
留まり,UMP(国民運動連合)の対立候補との差は11ポイントです.

T3に関しては,概ね良好の反応があるそうですが,自転車利用者という
意外な所から強い批判を受けています.トラムの開業で,自転車が走り
にくくなったというのです.
自転車専用レーンに関しては,パリではありませんが,リヨン(Lyon)の
T3で,路面電車軌道とほぼ並行する形で専用道を建設しているはずです.


路面を走るトラムウェイ(tramway)の採用には,車を走り難くさせると
いう意図もあったわけですが,これに対してご当地フランスでは,T3は
マレショー大通り上ではなく,その内側をかつて走り,パリ市電より先に
旅客営業は廃止されながら,1990年過ぎまで貨物列車が走り,その後も
未だに廃線跡が残る,小環状線とも言えるプチ・サンチュール(Petite
Ceinture)跡に走らせるべきだったのでは,という記事が,リベラシオン
(Libération)の反響欄?(rebonds)に掲載されていました.

マレショー上か,プチ・サンチュール(PC線)跡地かという議論は,今に
始まったことではなく,T3が今の路線に決定される以前から,繰り返し
交わされていたようです.
住民らは,専用軌道となるPC線跡地利用に賛成する人が多かったようにも
上記記事では読めますが,パリ市はロイターの記事の通り,路面走行が
希望でしたし,PC線跡地ではトラムではなく,普通の鉄道になる可能性も
あり,RATPが反対していたようにもとれます.
RATP : Régie Autonome des Transports Parisiens (パリ市交通公団)

RATPは2006年10月に,メトロ(地下鉄)による環状線構想を発表します.
増え続ける郊外から郊外へ移動する交通量は,路面電車ではさばききれ
ない状態になることが将来予測されるため,その前に大金をつぎ込んでも
地下鉄を整備しておくべきとするのが,昨秋着任したRATP新総裁の考え
のようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
ロイターの記事 : (Reuters via Yahoo! News ニュースへのリンク)
Fri Dec 29 Paris seeks to squeeze drivers out of city

Tramway, Boulevard des Maréchaux
by vincent.m (flickr)
Tramway, Boulevard des Maréchaux
(2006年10月下旬)

トラムは,プチ・サンチュール線の跡地を走らせるべきだった?
27 décembre 2006 Le tram sur de mauvais rails
(Libération rebondsページへのリンク)

T3のルートが,ブールバール デ マレショーになったワケ(公式見解) :
Le choix du tracé (Tramway des Maréchaux à Paris 公式サイト)
プチ・サンチュール線(小ベルト線)の跡地は,70年以上も旅客営業が行な
われなかったこともあり,今の生活圏からは少し外れていることなどを
挙げています.

プチ・サンチュール線の跡地活用を説くサイト : (路線概略図あり)
Association pour la Sauvegarde de la Petite Ceinture de Paris et
de son Réseau Ferré
(ASPCRF へのリンク)

T3の発着するPont du Garigliano付近の地図 :
Boulevard Victor (Google Maps へのリンク)
T3が走るのがBoulevard Victorで,画面下(南)に環状高速ペリフェリック
(Boulevard Périférique / E05)が確認できるはずです.この地図モード
で,Boulevard Victorの画面上(北)に鉄道線として表示されているのが,
プチ・サンチュール(Petite Ceinture)線の跡です.サテライトモードに
切替えて拡大していくと,レールも確認できます.ここでは木に囲まれた
高架線になっていたようです.

Petite Ceinture
by Jef Poskanzer (flickr)
Petite Ceinture
(2006年6月下旬)

Petite ceinture
by Éole (flickr)
Petite ceinture
(2003年7月下旬)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

パリ市電T3 関連 過去ログ一覧 :
2006/12/15 市電復活(T3開業)間近で外国も報道
2006/6/09 T3向けCitadis 全車揃う
2006/5/03 T3 試運転区間を徐々に延長
2006/3/20 桜並木を走りそうなトラムT3
2005/10/15 路面電車69年目の復活に向けて発進 (T3で試運転開始)
2005/9/10 68年振りのトラムウェイ(路面電車) (T3向け車両搬入)

パリの環状交通整備計画関連 過去ログ一覧 :
2006/11/07 貨物線をトラムトレイン? (Tangentielle Nord)
2006/10/10 メトロでの外環状線構想 (métrophériqueプロジェクト)
2005/12/12 T3延長計画の公開討論会ほか (CNDP開催決まる)
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