2007年10月31日

【ポツダム】改修コンビーノが工場から戻る

ポツダムにコンビーノ(Combino)が走り始めて9年,2004年3月の衝撃的な
運行停止からは3年半,シーメンス(Siemens)のKrefeld工場で全面改修を
受けたViPのコンビーノの中では第一号となる409号車(Melbourne号)が,
ようやくポツダムに戻ってきました.早ければ来週にも営業運行に復帰
できる見通しだそうです.
ViP: Verkehrsbetriebe in Potsdam GmbH

ViPが所有する16本のコンビーノのうち,5本が現在シーメンスの工場で
改修を受けていて,残る10本は順番待ちで未改修のまま営業運行を行って
います.全車両の改修終了は,2008年11月予定だそうです.

車体改修を受けたコンビーノ(Basic)は,30年とされる耐用年数を維持
できることになりますが,車体に掛かる力が想定外だったために車体を
補強する必要があり,車両重量が0.8トンから1トンほど増えています.
ViPにとっては電力消費量が増えることになりました.

改修費用はシーメンス持ちで,1本につき百万ユーロ近くかかるらしく,
広島の車両も運び込まれているように,世界各地に納めた475本が対象と
なるため,総額は4億ユーロ以上になるそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
29.10.2007 Combino „Melbourne“ ist zurück
(Potsdamer Neueste Nachrichten ニュースへのリンク)
30.10.2007 Erste Siemens-Tram aufwendig saniert / Konzern bewirbt
sich um neuen Vip-Lieferauftrag

(Märkische Allgemeine ニュースへのリンク)

ポツダム関連の過去ログ:
2007/7/13 次の低床車導入は8編成のみに
2007/3/14 【Combino】バーゼル全面改修車の営業復帰ほか

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | ドイツ I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月30日

【フランス】1500キロのトラム路線網構築へ

先週の話ですし,日本でも新聞報道されている内容ですが,フランス政府
では今後,延長1500キロに及ぶ路面電車(tramway)路線網を新たに構築
することになると,環境会議で宣言していました.

これは,環境グルネル会議(Grenelle de l'environnement)がフランスで
先週開かれていて,会議半ばでも伝えられていたものですが,最終日に
現共和国大統領(Nicolas Sarkozy)が,バローゾ欧州委員会議長や二人の
ノーベル平和賞受賞者(アル・ゴア氏とワンガリ・マータイ氏)らを前に
演説した際にも言及したことが,世界各地で報道されました.

大統領は,フランス政府の都市交通整備への消極的な姿勢は間違いだった
として,これからは方向転換し,トラムだけではなく路線バスや自転車の
専用車線の増設にも国が力を入れていくことになります.これらに必要と
される170億ユーロのうち,国が40億ユーロを負担し,引き換えに高速
道路や空港の新設が今後は凍結されます.

この件に関する報道では,2007年現在フランス国内のトラム路線は合計
329キロとしています.フランス語版WikipédiaのListe des tramways de
Franceの項目にあるリストを合計すると,これはゴムタイヤ式トラムや,
11/17に旅客運転を開始するル・マンと同11/24のニースを含む,2007年末
のものになるかと思われますが,447キロでした.
1500km全てがトラムで建設されるのかどうか不明なものの,2008年初めの
総延長の3倍以上の規模になることになります.ただし,その達成時期は
明らかにされていません.また,大統領はパリのあるイルド・フランス
(Ile-de-France)以外の地域で1500kmと語った模様です.

この他にも交通機関関係だけで,高速鉄道(TGV)用の路線(LGV)を2020年
までに2000キロ新設したり,フランス国内を主に南北に縦断する欧州内の
貨物輸送を,トラックから鉄道への移行を促すための投資も行われます.
LGV: Ligne à Grande Vitesse

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
24 octobre 2007 Grenelle: la construction d'autoroutes et
d'aéroports est gelée

(Libération ニュースへのリンク)
26/10/2007 Grenelle de l'environnement : le discours de Sarkozy
suscite de nombreuses réactions de satisfaction

(Actu-environnement.com ニュースへのリンク)
29 octobre 2007 Grenelle de l'environnement : les transports
alternatifs ? Une des priorités !

(Caradisiac.com ニュースへのリンク)
この他にも多言語に及ぶ膨大な数の記事がありました.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

関連過去ログ:
2006/1/31 LRTブームは2007年も
2006/9/10 30年ぶりに車の交通量減少へ
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | フランス I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月29日

【グラナダ】架線も線路もないトラム検討?!

アンダルシア州(スペイン)の州都セビリアでは,10/28に市内中心部を
走る路面電車,メトロセントロ(Metro_Centro)が漸く開業しました.その
セビリアから,RENFEの車体傾斜(振り子)機能を持つディーゼルカーの
R-598か,直通の高速バスに揺られること3時間前後,アルハンブラ宮殿で
名高いグラナダ(Granada)に到着します.人口24万近いこの街では2011年
開業を目指したメトロ(Metro de Granada)の計画が進行中です.

グラナダ市と南北の周辺地区を結び,一部は地下を走るライトレール的な
メトロとは別に,その駅に接続して市内中心部を走る路面電車(tranvía)
構想もあります.架線がなくても電車を走らせることが可能とボルドーで
実証され,刺激を受けたのかもしれません.グラナダでは,架線を張ら
ないのはもちろんのこと,レールもなしにしようとする研究が行われる
模様です.
架線レスは景観を保つためとしても,線路まで無くしてしまう理由は,
建設費を抑えるためや,線路敷設工事中に遺跡に遭遇して予定が遅れる
ことを避けたり,レールがオートバイ事故の原因になるからとの説明が
なされていました.

架線も軌道もなしでは,一体どんなトラムになるのだろうと考えてしまい
ますが,案として,ゴムタイヤで走り地表から集電する方法が挙げられて
います.ゴムタイヤを操舵するため案内軌条などを路面に設置するのか
とか,地表からの集電方法などの具体的な方法は不明です.
そのほかにも,磁気浮上列車(tren magnético de levitación)のような
発想も排除していないとのことで,関係する技術的な検討は,シーメンス
(Siemens)が担当するそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
市長からの発表が先週あり,各メディアが一斉に報じていました.
25 Oct. La empresa Siemens estudia la construcción del tranvía sin
catenarias y sin raíles que propone el alcalde

(EUROPA PRESS ニュースへのリンク)
25.10.2007 Harán un tranvía a la carta para la capital
(20 minutos ニュースへのリンク)
26 de octubre de 2007 Granada estudia un tranvía sin catenarias
ni raíles para evitar la polémica de Sevilla

(ABC Sevilla ニュースへのリンク)
26 de Octubre de 2007 Siemens, primera empresa interesada en
construir el tranvía por el Centro

(Granada Hoy ニュースへのリンク)

磁気浮上式鉄道の例として,上海の名前が挙がっているのは当然として,
複数の記事が上海のトラム(tranvía en Shangai)という言葉を使っている
ところをみると,発表の中でそう表現されていたのでしょう.

ABCの記事タイトルは,セビリャのような論争を避けるためとあります.
セビリャでは大聖堂の前の区間では架線を張らないという話だったのに,
開業を急がせたためバッテリーで走る車両の開発が間に合わず,暫定的に
架線を張り,セビリャで来秋開通する予定のメトロに投入するはずだった
車両を前倒ししてトラムに使うという,急場をしのぐ形で10/28営業開始
となりました.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | スペイン語圏 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月28日

【シアトル】市電が八週間の試運転を開始

シアトルなど周辺の3郡では,ハイウェイの車線増設とライトレール延長
計画を盛り込んだRoads and Transit法案の賛否を問う住民投票まで余す
ところ十日となりました.

そうした中,シアトル市内のサウス・レイク・ユニオン地区を走る市電が
試運転を開始するという話がありました.市電はシアトル市が所有し,
運行はキング郡メトロトランジット(Metro Transit)が行うことになって
いる,距離にして片道1.3マイル(約2.1キロ),5100万ドルの路線です.
9月なかばにははるばるチェコから車両も到着していました.
今後8週間かけて試運転が行われ,営業運転は12月中旬の予定です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
報道は簡単なものでした.October 26, 2007 Streetcar on track
(The Seattle Times ニュースへのリンク)

プレスリリースが発行されているようですが,ウェブサイト上では確認
できていません.代わりにこのブログが内容を簡単に伝えています.
10/26/2007 Streetcar Testing to Begin!
(Seattle Transit Blog ニュースへのリンク)
これから設置されるのかもしれませんが,道路上に電車への注意を促す
標識がないことを懸念しています.

公式サイトが出来ていました.路線図などもあります.
Seattle Streetcar: South Lake Union Line
(Seattle Streetcar 公式サイトへのリンク)

3本の車両はそれぞれで色が異なります.9月の公開時には赤がお披露目
されていましたが,他にオレンジとパープルがあるようです.
A streetcar named SLUT p2-3: #39#41
(SkyscraperCity フォーラムへのリンク)
パープルはこの掲示板に画像がアップロードされていました.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

シアトル サウスレイクユニオン市電関連 最近の過去ログ:
2007/9/19 市電が届きバストンネルは再開へ
2007/5/12 サウスレイクユニオン市電近況
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国北西部 I このエントリーを含むはてなブックマーク

【RandstadRail】1年ぶりに全線で営業運転

10/08にはランドシュタットレール(RandstadRail)のOosterheemlijnと
呼ばれるRR4系統(RandstadRail 4)だけが営業運転を再開し,その後は
取り残されたRR3系統(RandstadRail 3)のうち,ハーグ(Den Haag)市内と
ズーテルメール(Zoetermeer)市内Seghwaertまでが10/20に運転を再開,
最後にズーテルメールを「の」の字の形に周回する線区(通称Krakeling)
だけが旅客営業できない試運転状態でしたが,10/27にそれも解消して
ようやく全面的に旅客営業運転を再開することになりました.

土曜日(10/27)は,RR3系統とRR4系統は運賃無料で開放された模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
公式発表: 25-10-2007 RandstadRail volledig in gebruik
(RandstadRail 公式サイトへのリンク)

週末のため,全線で営業を再開した後の報道はまだ見つかっていません
ので,当日朝の記事を紹介しておきます.
27 oktober 2007 RandstadRail met passagiers door Zoetermeer
ANPの記事 (Algemeen Dagblad ニュースへのリンク)

RR4は青,RR3は赤で表示しています.
RandstadRail_Oct27.png

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ランドシュタットレール これまでの道のり:
2007/10/07 Zoetermeerへの運転再開へ
2007/9/05 一部区間で電車の運転再開
2007/5/09 営業再開時期は依然不明
2007/2/14 【ハーグ】満身創痍のランドシュタットレール
2007/1/13 試運転の再開は2月以降に
2006/12/30 HTMは脱線可能性を事前認識?
2006/12/09 脱線原因はトラムトレイン特有か?
2006/12/01 ランドシュタットレールまた脱線
2006/11/12 ロッテルダムとメトロで直結
2006/11/04 中央駅で運行開始間もないLRV脱線
2006/10/28 10/29よりRandstadRail一部運転
2006/09/03 トラムトレイン10月までお預け
2006/8/26 在来線のライトレール化遅れる
posted by NeiTech at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | ベネルクス このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月27日

【ロサンゼルス】切符不所持は5%から10%も

ロサンゼルス郡のメトロ(LACMTA)は,今月二週間のうちの9日間における
利用客の切符所持検査を行っていて,その結果が一部公開されました.
LACMTA: Los Angeles County Metropolitan Transportation Authority

対象となったのは,MTA(Metro)が運営する地下鉄2系統とライトレール
3路線にバス・ラピッド・トランジット(BRT)の1路線です.
その結果,MTAの鉄道5線(Metro Rail)とBRT全体で平日は約5%が運賃を
きちんと払っていないことや,通常は切符所持の検査体制が手薄になる
夜間や休日には,その割合が高くなることが判明しました.
土曜は6%,日曜は7%ですが,これが夜になると数字は更に跳ね上がり,
土曜の夜には8.9%,日曜の夜は10%に及ぶそうです.
切符の所持検査を一部担っている郡の保安官当局では,これまで3%程度と
見込んでいました.

L.A.の地下鉄には米国では珍しく改札がありません.ライトレールなどと
同様に自己申告制度(honor system),いわゆる信用乗車制が採用されて
います.また,乗車の際に運転手に運賃を支払うかパスを提示する一般の
路線バスとは異なり,車内で運賃収受を行わないBRTのオレンジラインも
同じです.
しかし,MTAではこの結果をもとに,11月にも改札を設けるかどうかの
検討に入る模様です.これまではゲート設置費用が不正乗車による損出を
上回るとか,ゲートを飛び越えてしまうからとの意見があり,改札導入は
見送られてきていましたが,不正乗車による損出が数百万ドルにのぼる
ことや,一旦導入してしまえば検査体制の維持費を減らせるのではないか
と考えています.

MTAの鉄道線は5路線の合計で月間27万2千人,BRTのオレンジラインには
同2万5千人の利用があります.
切符所持の検査には,これまで100名の郡保安官代理と250名のMTAの契約
保安係員があたっていました.乗車1回分の運賃は$1.25,違反した時の
罰金は最大$250です.

MTAの発表を報じる記事は,今回の調査時点の各路線ごとの切符不所持の
割合も記しています.
地下鉄(レッドラインとパープルラインの2系統)
平日 4.4%,週末 6%から7%
ライトレール(ブルーライン)
平日と土曜 5%少々,日曜 8.2%
ライトレール(グリーンライン)
平日 6%,土曜 8%,日曜 10%
ライトレール(ゴールドライン)
平日 3%,週末 4%
BRT(オレンジライン)
平日と日曜 5%,土曜 6%,夜間 11%

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
October 26, 2007 Unpaid fares may cost MTA millions
(Los Angeles Times ニュースへのリンク)
10/25/2007 Metro fare evasion a problem
(Los Angeles Daily News ニュースへのリンク)
October 25, 2007 5 Percent Of Metro Riders Don't Pay Fare
(NBC 4 Los Angeles ニュースへのリンク)

路線図: Rail Maps (LACMTA公式サイトへのリンク)

LA関連過去ログ:
2007/5/15 1年半後には運賃が倍に
2006/2/26 地下鉄に改札設置か?

不正乗車の割合については,今年新たに開業した街の2か月間の速報値が
届いています.
21 DE OCTUBRE DE 2007 Trece de cada mil usuarios del tranvía no
paga el billete

(El Día ニュースへのリンク)

これは,カナリア諸島(スペイン)のテネリフェ(Tenerife)の話です.
8月と9月の2か月間に151万人余の利用がありましたが,このうち切符を
所持せずに乗車した人は判明しているだけですが,2万人足らずという
ことで,割合にして1.3%という低い水準でした.
上記記事では事業者の予測では5%かそれ以上だったことや,欧州では
平均7%であることなども記されています.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | 米国南西部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月26日

【ウィーン】ULF二次車とU6向けT1の話題ほか

ウィーンご自慢の100%低床車ULFの第二次車両が,少々もたついている
ようです.今年1月に一般公開されていますが,営業運転にはまだ入って
いない模様です.タイプA1の10本が何ヶ月も車庫に留まったままという
記事が最近ありました.どうやら安全基準を満たしていないため,許可が
出ていないようです.ULFは一次車でも同様のことが一時期ありました.
ULF: Ultra Low Floor

加えて,シーメンスがグラーツ(Graz)に売り込んだULFの価格と比べて,
同じULFでもウィーン二次車の契約額が高いことが指摘されています.
ウィーンの二次車150本が総額3億5700万ユーロで,1本あたり238万ユーロ
であるのに対して,成約にはならなかったものの,グラーツ向け45本分の
提示価格は9100万ユーロだったとかで,1本あたり202万ユーロ強です.

グラーツは車両長24mの車両だけで,ウィーンにはより長い35mの車両も
含まれているからとの説明がされています.35m車は1本270万ユーロで,
価格を平均すると239万ユーロになってしまうということのようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
ULF(二次車)が車庫に留まっていることを伝える記事:
24.10.2007 Ulf bleibt in der Garage
(Die Presse ニュースへのリンク)
ウィーン市電は高い買い物をしたという記事:
24. Oktober 2007 Zu hoher Preis für niedrigere Bim
(derStandard ニュースへのリンク)

非公式ですが,ULF投入路線のリストがあります.
Derzeit kommen die Wiener Ulfe auf folgenden Linien zum Einsatz
(public-transport.net へのリンク)
車庫の改修が終わるとULFが配備され,2008年9月以降に投入される予定の
路線名とその時期: Die ULF kommt nach Währing
(Magistrat der Stadt Wien 公式サイトへのリンク)

今月ウィーン市電は災難続きで,4日間ぐらい連続して衝突事故に遭って
いたこともありました.
その他,ウィーンにはU6向けの新車が最近になって新たに8本追加発注
されたという話題もあります.ボンバルディア(Bombardier)からの発表
ですが,同社のサイトには今のところ見当たらず,プレスリリース専門
サイトに掲載されています.
25.10.2007 Österreich: Wien bestellt acht weitere Fahrzeuge für
die U6
(newstix へのリンク)

2004年の時点ですでに38本が発注されていて,その際は42本がオプション
ということになっていましたが,その中から8本ということのようです.
U6の新しいタイプT1のエアコン付き低床車は今秋にも登場のはずですが,
その情報はまだ見つかっていません.今回追加された8本分は2008年10月
から2009年4月までに納入されるとのことです.

UバーンのU6に新車が投入されることにより,捻出される旧型車両は,
マニラに売却されるはずでしたが,その話は消滅してしまったようです.
これは,ひぐらしさんより9月に情報をいただいていました.
旧型車40本の買い手を募集中と,Wiener Linienのサイトにあります.
経緯には全く触れておらず,買い手がついたかどうかも不明です.
[29.08.2007] Wer will mich?
(Wiener Linien 公式サイトへのリンク)

オーストリアでは,不正乗車を取り締まる係員は,摘発された人が逃亡を
図った時に制止できる権限を持つということを,ウィーンの最高裁判所が
判断したという報道もありました.民間の検査員でも,警官など当局の
到着が間に合わない場合に認められるということのようです.
これはリンツで切符不所持の人物が検査員によりトラムから降ろされた
あと逃亡を図り,検査官との間でもみ合いになって,その結果として負傷
したことを裁判沙汰にしていた件で,リンツの裁判所が下していた判決を
最高裁が覆した形になったそうです.

22. Oktober 2007 Kontrolleure dürfen Schwarzfahrer anhalten
APAの記事 (Die Presse ニュースへのリンク)
APA: Austria Presse Agentur
読み違えているかもしれませんので,詳細など興味をお持ちのかたは,
上記記事をご参照ください.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

関連過去ログ:
2007/1/19 エアコンつきULF2次車を公開
2006/7/24 ULF地下走行解禁近し?
2006/4/06 U6 旧型車マニラへ
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | オーストリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月25日

【サクラメント】今度は銀行が運賃を無料に

カルフォルニア州サクラメント(Sacramento)では,先月ライトレールの
開業20周年記念で,ライトレールが一日無料開放されたばかりですが,
今度はライトレールだけでなくRTが運行する路線バスも含めて,丸一日に
わたりスポンサーが運賃収入相当分を負担して,利用者には無料で開放
されるという発表がありました.
RT: Sacramento Regional Transit District

スポンサーになるのは,WaMuで知られるWashington Mutualです.
シアトルに本拠を構える米国最大の貯蓄貸付金融機関で,サクラメント
にも周辺地域を含め30以上の支店があるそうです.
JDパワー(J. D. Power and Associates)が先日行った顧客満足度調査で,
この相互銀行が西部太平洋地区において高い評価を得たことから,州内で
サンキュー・カルフォルニアというキャンペーンを展開することになり,
サクラメント地区では公共交通の運賃を一日肩代わりすることになった
模様です.

RTでは,ライトレールには一日5万,路線バスには同5万5千人,あわせて
10万5千人ほどの利用があるとされています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
RTの公式発表:
October 24, 2007 For Sacramento Regional Transit Passengers,
The Ride's on WaMu, Thursday October 25, 2007

(RT公式サイト プレスリリースへのリンク)

短信ではありますが,報道もされていました.
October 24, 2007 WaMu antes up transit fare
(Sacramento Business Journal ニュースへのリンク)

サクラメント関連 直近の過去ログ:
2007/9/14 20周年ライトレール一日無料

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

10/21【サンフランシスコ】の補足
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国ベイエリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月24日

【タンパ】高層コンド完成で乗客増に期待

フロリダ州タンパ(Tampa)市の路面電車,TECO Line Streetcarの近況が
入ってきました.
開業五周年を迎え,先日運賃5セントでお祝いしたところ,一日の利用者
数としては過去最高の1万3千人台を突破しました.また,昨年10/01から
1か年度(FY2007)を通した乗客数が,44万人を初めて突破しています.
ただし,2002年開業前の見込みは年間50万人でしたので,予測を下回って
いることには変わりなく,Harbour Islandの開発業者らによる基金も,
500万ドルの元金のうち残りは320万ドルとなり,早ければ2011年には底を
突いてしまいかねないため,手をこまねいているわけにはいきません.

運営する非営利組織のTampa Historic Streetcar Inc.は,来年にかけて
経費節減として午前11時から午後3時までの運行台数を減らすことを継続
したり,車体や停留所のネーミングライツ(naming rights)の販売を促進
するとともに,今春には市から承認されている,タンパ市のダウンタウン
南部への延長計画を前進させたいとしています.

延長計画は3ブロックほどの距離ですが,実現すれば年間8万ドルの運賃
収入増と,年間乗客数が52万人になると見込まれています.
これまで利用者の過半数が観光客やコンベンション参加者で,地元住民の
利用促進のためにも延長は必要とされています.タンパ市と同地域の路線
バスを運営しているHARTは,取得済みの連邦補助金のうちの200万ドルを
来年この延長にあてるため求められることになるようです.
HART: Hillsborough Area Regional Transit

TECO Line Streetcarの路線のうち,Port Authorityからコンベンション
センターにかけてのチャンネル地区(Channel District / Channelside)
には,Google Earthなどの衛星画像の中では建設途上に見える高層マン
ション(コンドミニアム)が続々と完成しています.眺めの良さが売りの
一つですが,窓からは路面電車の姿を捉えることもできるようです.

今年6月ウォールストリートジャーナル(The Wall Street Journal)が,
このタンパの路面電車を記事にしていました.タンパ市が6300万ドルを
投じた市電は,交通機関としては役立たず(dud)でも,沿線開発に拍車を
掛けているという声を取り上げています.
同紙は,チャンネル地区を中心とした沿線では4億5千万ドル相当の住宅や
商業施設が完成し,その他にも4億5千万ドル分の開発が進行中,さらには
11億ドル相当の構想が控えていると記しています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Oct 23, 2007 Streetcar Desired For Use By Tampa Residents
(The Tampa Tribune ニュースへのリンク)
October 19, 2007 Record crowds use streetcar during Oktoberfest
(Tampa Bay Business Journal ニュースへのリンク)

6月のウォールストリートジャーナルの記事は,現在下記関連サイト上で
読むことができます.
June 26, 2007 A Streetcar Named Aspire: Lines Aim to Revive Cities
(RealEstateJournal へのリンク)

左は,高層コンドミニアム(Towers of Channelside)の近くを走る場所,
右は,終点Southern Transportation Plazaの先にある引き上げ線で,
ここからダウンタウンに向けて延長する計画です.ただし,正面に見えて
いる高層ビルのところまでは線路は届かないようです.
TampaTeco01.jpg TampaTeco02.jpg

チャンネルサイド(Channelside)のコンドから眺めた路面電車の様子は,
このブログで紹介されています.
10/14/07 Urban Tour of Homes on the Streetcar
(Tampa Rail ブログへのリンク)

コンドミニアムの販売サイトでは,流石に画像までは載っていないよう
ですが,トロリーに乗って歴史的な街並みを残す歓楽街のイボーシティ
(Ybor City)や,タンパのダウンタウンに行けるとのうたい文句を掲げた
ところもありました.
Find Your Own Paradise (Towers of Channelside, LLC へのリンク)

なお,路面電車の存在が地域の開発にどれだけ影響を及ぼしているか,
本当のところは指標もないだけに,反対派にその点を突かれると答えに
窮してしまうのが現状なのかもしれません.


おまけ: ニューオリンズ開通情報
セントチャールズ線(St. Charles Avenue line)の区間復旧(ナポレオン・
アベニューまで)は,11/10に決まった模様です.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

タンパの路面電車関連 最近の過去ログ:
2007/4/23 延長承認と通勤輸送転換への難問
2007/2/23 乗客減が延長案に暗雲もたらす?
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国南東部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月23日

【セビリャ】メトロセントロ10/28営業開始へ

アンダルシア州セビリア(セビリャ)(Sevilla/Seville)のメトロセントロ
(Metrocentro)が,10/28から旅客を乗せて運行すると市が発表したとの
報道を,インターネット上でセビリアの情報をリアルに得られる4つの
ニュースサイトで確認できました.これまでにも期待を持たせる情報が
ありましたが,結果的に裏切られてきました.しかし,今度はこれから
余程のことがない限り大丈夫でしょう.日曜(10/28)は無料開放され,
月曜(10/29)から営業運転です.

距離にして1.317mの区間を8分をかけて,自家用車なら200台分,バスなら
3台分に相当する250名の輸送力を持つCAF製100%低床車が,7分間隔で運転
されます.運転時間は平日週末問わず午前6時から午前2時までです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
22 de octubre de 2007 El tranvía funcionará gratis el próximo
domingo

(ABC Sevilla ニュースへのリンク)
22 de octubre de 2007 El tranvía del Prado a la Plaza Nueva se
inaugura el domingo 28 con viajes gratis

(Diario de Sevilla ニュースへのリンク)
21/10/2007 El tranvía de Sevilla echa a andar el próximo domingo
(El País ニュースへのリンク)
21/10/07 Sevilla estrenará tranvía el próximo domingo
(20 minutos ニュースへのリンク)

Metro_Centro 路線図: Trazado de la línea
(TUSSAM公式サイトへのリンク)
TUSSAM: Transportes Urbanos de Sevilla, Sociedad Anónima Municipal

試運転開始後に問題になった耳障りな音は対処できたようです.一方,
大聖堂前の区間の架線を外してバッテリー走行する話は,技術的な問題
から,1年後ではなく2年後にずれ込みそうです.
23 de octubre de 2007 Bernardo Bueno anuncia que las catenarias
del Metrocentro se mantendrán durante dos años

(ABC Sevilla ニュースへのリンク)
かねてから指摘されているように,夏の暑さが問題のようです.

同じスペイン絡みの余談になりますが,バルセロナでは高速鉄道AVEの
建設現場で地盤陥没が発生し,並走する線路を走る近郊電車や中長距離
列車が一部区間の運休を余儀なくされています.バス代行が行われている
ものの,旅客の足は大きく乱れ,道路も渋滞していることを多数の報道
機関が伝えています.空港線を含むセルカニアスの3つの系統は先週から
影響を受けていて,今後一週間以上はこの状態が続く見込みとか.
最新情報はRENFEのサイト( http://www.renfe.es/ )にアクセスして,
i のマークがあるÚltima Horaをクリック,別ウィンドウで表示される
バルセロナの項目を開くと,系統ごとの運転計画を確認できます.

また,FGCの一部路線(Línia Llobregat - Anoia)では,AVEと交差する
前後の区間で,2か月間の区間運休となる模様です.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

セビリア メトロセントロ(Metro_Centro)関連 最近の過去ログ:
2007/8/30 【スペイン】2007年8月トラム関連小ネタ集
2007/6/30 【セビリア】メトロセントロ9/17開業報道出る
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | スペイン語圏 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月22日

【シャーロット】開業前でもLYNXに経済効果

ノースカロライナ州シャーロットのライトレール(LYNX)ブルーラインは,
9.6マイル(15.5キロ)全線で試運転が行われ,来月開業へ向け,いよいよ
秒読み段階に入りました.
途中停留所に20秒停車して全線を21分で走れることが確認され,25分から
26分という計画上の所要時間をクリアしたこともあり,正式発表こそまだ
ありませんが,11/26の営業開始直前となる土日(11/24-11/25)に先行開業
して無料開放することに,運営するCATSは明るい見通しを持っています.
CATS: Charlotte Area Transit System

運転間隔はラッシュ時7.5分としていますが,5分まで詰めることも可能
とのことで,イベント開催時などに実施することが考えられています.
なお,都心側(Uptown側)に道路との平面交差(踏切)があるなどの関係で,
5分より短い間隔を縮めることは困難な状況です.
また,導入される230名定員のシーメンス製部分低床車は,2本まで連結
することが可能で,ラッシュ時などを中心に重連で運転されることになり
そうです.運転上は3連も可能でも,今はホームの長さが足りないとか.
将来はホーム延長工事を施して対応するそうです.

低床車に混じり,2006年2月まで走っていたトロリー(Charlotte Trolley)
も,同じ路線の一部区間を走ることになりますが,今月に入り運転再開は
2008年2月か3月を見込んでいることが,明らかになっています.

シャーロットでは,トランジット税の存続か廃止かを巡る,住民投票が
11/06に予定されています.ライトレールに反対している組織が所定の
署名を集め,事実上2度目になる投票が実現したものです.投票まで2週間
近くに迫り,インターネット上で検索できる限りでも,双方がメディアを
通じて活発に意見を主張していることが見てとれます.

賛成派は,シャーロット市がライトレールの沿線開発で十数億ドルが投資
されていると発表したことを盾に,ライトレール効果を掲げています.
これは他の地域からも,開業前にライトレールの駅周辺の開発が進んだ例
として取り上げられるに至りました.

米国では,Smart Growthと呼ばれる都市計画手法があります.
無秩序に土地を開発するのではなく,住宅と職場,店舗を一つの建物に
まとめて密度を高め,コンパクトで歩きやすく自転車も走りやすくして,
更にTOD(交通主導型開発)として鉄道駅に隣接させるというものです.
TOD: Transit-Oriented Development

シャーロットでは,この方法でライトレール(ブルーライン)の沿線開発が
著しく,2000年から2007年に,これまで寂れていたSouth Boulevardの
土地価値を52%上昇させたと報告されているそうです.市全体では40%の
上昇でした.South Boulevardのそばをブルーラインが走ります.
市によれば,2005年以来沿線に2億9100万ドルの新規開発がライトレール
駅周囲0.5マイル(800m)で行われているとしていますし,CATSによれば,
沿線には更にあわせると16億ドルの計画があるとしています.
ちなみに,ライトレール(ブルーライン)の建設費は4億6270万ドル,年間
運営費は1100万ドルとされています.
米国でも鉄道は人を輸送するだけでなく,Smart Growthを支え,開発を
誘導する役割でも注目される存在になってきました.

これに対して反対派の言い分としては,これらの投資は必ずしもライト
レールが走るからということではなく,CATSも認めているように時期が
良かったこと,また,開発の著しい地区は都心のアップタウンに隣接した
場所で,潜在的に開発される要素があったとし,更にその効果が今後の
計画路線にも波及するかどうかは疑問だとして,トランジット税の廃止を
唱えています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Oct. 21, 2007 CATS focused on light rail's timing
Oct. 07, 2007 Developers putting business on the ligh-rail line
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

ライトレール反対派にしてみれば,CATSは人を運んでいるだけでよく,
開発のことまで口を挟むべきではないと考えているのです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

シャーロット ライトレール関連 最近の過去ログ:
2007/8/24 トランジット税の是非
2007/7/30 ライトレール開業11/26に
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国南東部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月21日

【サンフランシスコ】Muni改革の修正市憲章

米国では今年は11/06が選挙日です.シアトル地区やシャーロット地区の
ように,将来のライトレール建設計画に重大な影響を及ぼす法案が賛否を
問われる地域では,投票日まで一月を切った頃から関連する記事や論説
などが,連日のように出ています.

その他にも,ライトレールの建設計画に直接響くものではないものの,
関連する法案が住民投票にかけられる地域があります.
例えば,サンフランシスコがその一つです.サンフランシスコ市では今年
市長選がありますが,それ以外に11項目に及ぶ法案が住民の審判を待って
います.その中には,市内の公共交通を担うMuniの改革に関わる市の憲章
修正案(Charter Amendment)がありました.
Muni: San Francisco Municipal Railway

今年の選挙ではProposition Aと名づけられた,このMuni改革案について
書かれた記事が,少し前から出てきています.
Proposition A(2007年)は,やはりMuni改革案として1999年に住民投票に
かけられて賛成多数で可決されたProposition E(1999年)で定められた,
2004年までに定時運行率を85%にするとした目標を,2006年の時点でも
達成できないなど改善がみられず,利用客離れが続いていることを受けて
提案されました.
ちなみに定時運行は,許容範囲が早着1分,遅延4分までとなっています.


Proposition Aが住民の賛成多数で承認されると,Muniの収入は増え,
規則改定で管理が改善されると同時に,地球温暖化対策を講じることに
なります.これらは,1999年のProposition Eで設立されたMTAを介して
行われます.
MTA: (San Francisco) Municipal Transportation Agency

MTAは,サンフランシスコの駐車場と道路交通を管理する部局(DPT)と,
Muniの両方を監督する組織として設立され,今年で8年目を迎えます.
DPT: (San Francisco) Department of Parking and Traffic
しかし,資金不足などから,市の憲章(Charter)で定める目標を達成する
ことが困難な状況に陥っていました.

Proposition Aでは,まずMTAに流れる資金を増やします.これまで市の
駐車税の税収40%だったものを80%にしたり,路地裏の駐車メーターからの
収入は全てMTAの収入にできるようにします.
その他には,MTAの自治権強化と労働改革で小回りがきく組織にしたり,
地球温暖化対策では2012年までに1990年時の80%にまで排ガスを減らす
ことが求められ,2年ごとに報告することになります.市の二酸化炭素の
排出量の半分は,輸送機関(transportation)からとされています.

2007年の投票では,実は別に条例(ordinance)案として,Proposition H
というものが賛否を問われます.Proposition Hが通ると,一言でいえば
市内の駐車場は増えることになり,例えば,不動産所有者は各ユニットに
最低でも1か所の駐車スペースが求められますが,その際に街路樹を切っ
たり,Muniの運行に支障がでても構わないことになってしまうのです.

このため,今年はこの2つのProposition AとHを巡って,トランジット
(transit)かトラフィック(traffic)かという選択に,市民は直面すること
になりました.トランジット(transit)はMuniなど公共交通機関を指し,
トラフィック(traffic)は自動車の交通を意味しています.

市民は11/06までに誰が市長に望ましいかを選び,さらに11項目の法案に
YES-NOどちらを付けるか,考えることになります.環境のことを案じ,
公共交通の利用を厭わない人たちの間では,Proposition AにはYESを,
Proposition HにはNOを,というのが合言葉になっているようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
地球温暖化を防ぐために期待が寄せられる一方,
October 17, 2007 To fight global warming, fix Muni
(San Francisco Chronicle ニュースへのリンク)
Muniの問題を解決するには至らないというものまで,色々出ています.
Oct 19, 2007 Prop. A not the fix Muni needs
(The San Francisco Examiner Editorialへのリンク)

市長らの選挙以外に市民が投票する法案が11あることを紹介する記事:
Oct 18, 2007 SF Voters Face 11 Ballot Measures On Election Day
(KPIX-TV CBS 5 ニュースへのリンク)

住民投票と選挙の本家本元(Department of Elections)にある説明など:
Information for the November 6, 2007 Municipal Election
(City & County of San Francisco 公式サイトへのリンク)

若干の補足があります.(10/21【サンフランシスコ】の補足)

関連 過去ログ:
2007/3/03 【Muni】定時運行を目指す120日計画始動
2006/12/13 【Muni】業務改善のためのTEP半年経過

この他,今月に入ってからのベイエリアの話題として.

BARTのカーペットがいよいよ取り外されることになるようです.
10/12/2007 BART rolling up carpet on trains
(Inside Bay Area ニュースへのリンク)
試験的に49両をカーペットから合成材の床に張り替えていましたが,その
乗客の反応が良かったため,BARTでは新たに200両を200万ドル掛けて床を
張り替えることに決めました.1年後には全体の三分の一の車両の床から
絨毯が消えていることになります.

カーペット敷きの都市交通 過去ログ:
2006/5/15 【ワシントンDC】地下鉄カーペット撤去?
2005/8/10 【BART】カーペットをはがされる

スペア・ディ・エア・デー(Spare the Air day)の夏のシーズンが終了
しましたが,今年は運賃が無料開放されたのは2日だけでした.今年は
終日ではなく昼まで運賃無料となる交通事業者もありましたが,通常の
乗車率と比べて23%増加という,過去最高の増加率を記録したとの報道が
あります.
October 17, 2007 Transit ridership up 23% on this year's Spare
the Air days
(East Bay Business Times ニュースへのリンク)
昨年は15%増で,回数が多かったのが影響しているのかもしれません.

ベイエリア Spare the Air Day 関連 過去ログ リスト :
2007/6/02 2007年【運賃無料】BARTなど13時までに限定
2007/1/26 2007年【運賃無料】3日分の予算承認される
2006/8/01 2006年【運賃無料日】その成果と是非

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国ベイエリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月20日

【ヒューストン】BRT計画がレールに逆転へ

全米第四の規模のテキサス州ヒューストン(Houston)市を擁するハリス郡
(Harris County)でライトレールなどを運営するメトロ(METRO)が,長らく
議論の的となっていた次期ライトレール路線のルートを決めるとともに,
第二期計画の5路線は,2005年には4路線を最初BRTで建設するとしていた
ものを覆し,全路線とも初めからライトレールで建設することを委員の
投票で決めたという報道がありました.
METRO: Metropolitan Transit Authority of Harris County, Texas

2004年にヒューストン初のライトレール路線が開業する前,2003年には
住民投票で承認されていた次期ライトレール計画は,2005年になって利用
予測が低く,ライトレールで建設するには連邦政府に補助金を仰ぐ基準を
満たさないとして,5路線のうち4線は最初は専用車線を走るバス(BRT)で
建設するとしていました.BRTで開業させた後,利用者が増えた時点で
専用レーンに軌道を敷いてライトレールに転換するという考えです.

しかし,その後で連邦の規則が変わり,ライトレールで建設しても5路線
ともに基準に見合うほどの人数が乗るとの結果になることから,BRTでの
建設をやめ,一足飛びにライトレールで建設する元の方針に戻すと決めた
のでした.BRTからライトレールへの設計変更で,6億ドルの追加費用が
必要になるとされるものの,元からレール敷設まで見越した予算を組んで
いたため,予算20億ドルや2012年の完成予定には変わりがないそうです.
なお,予算総額は2005年価格では13億ドルとなっています.

こと予算に関しては,すでにBRT建設で連邦政府からの承認を受けている
ようですが,来夏に行われる連邦機関FTAの審査で,費用の半分近い額の
補助金を獲得できるかどうかにかかってきます.

METRO公認のブログには,興味深い話も載っていました.連邦の規則が
rail biasと呼ばれる利用者の特性を判断基準に盛り込むことになったと
いうのです.レール・バイアス(rail bias)とは,普段は自動車ばかりで
公共交通に乗らない人でも,バスには乗らなくても鉄道には乗るという,
米国でよく言われる傾向です.ヒューストンのライトレールには,これが
鉄道だからというだけで乗っている人もいるとのことです.

さて,地元の報道では上記ブログも含めて,5路線全てをライトレールで
建設することになったということよりも,最初からライトレールで建設
される予定で以前から議論の多かった,University Lineと呼ばれる市の
東西を横断する10マイルの路線の正式ルートが決まったことに,多くの
スペースを割いています.

2004年に開業したライトレール(METRORail)は,軌道敷内自動車乗入不可
ではあるものの,ほぼ全線が路面走行です.このため開業当初は不慣れ
からくる衝突事故などが多発し,問題になりました.University Lineが
通ることになったRichmond Ave.とWheeler Ave.は,今ライトレールが
走っているMain St.よりも交通量が多く,懸念が示されています.また,
両通りの地下には直径? 66インチ(約1.67m)の水道管があり,やはり今の
路線で問題になった迷走電流で水道管が影響を受け,損害を被るのでは
ないかということも指摘されていました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Oct. 18, 2007 Metro panel picks light rail on planned lines
(Houston Chronicle ニュースへのリンク)
October 18, 2007 It's light rail or nothing at all for Metro
(KHOU-TV Houston ニュースへのリンク)
Houston Chronicleの記事には独自作成の路線図へのリンクがあります.

METROには公認のブログもあり,この話題を取り上げています.
October 18, 2007 METRO Board Chooses University Corridor Alignment,
Plus Light Rail Immediately for All Five Lines

(Bolg of Metropolitan Transit Authority へのリンク)

発表から一夜明け,TV局サイトを中心に市民の反響も報じられています.
October 19, 2007 METRO Moves Forward With Light Rail
(KPRC-TV Houston ニュースへのリンク)
October 19, 2007 Some fear 5 new light rail corridors is bad for
residents, businesses

October 19, 2007 Metro: Rail construction will be different
(KHOU-TV Houston ニュースへのリンク)

工事中の沿線の不安も取り上げられていますが,METROはMain St.の時の
ように数マイル一気に行うのではなく,工事は半マイルずつに区切って
作業を行うとして,工事の影響を最小限にしようとしています.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ヒューストンのライトレールで今回に関連する過去ログ:
2005/11/21 LRT計画がバス(BRT)に後退した例
2005/12/06 LRT迷走電流問題解決せず?
2005/12/27 LRT 事故の多さを改めて懸念
2006/10/30 ブログ開設を計画中
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国中部 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月19日

【インスブルック】初の低床車が引渡される

インスブルックでは初めての100%低床車,Flexity Outlookの第一号は,
ボンバルディアのウィーン工場からトレーラーで運ばれて,今週初めには
インスブルックに到着していましたが,10/18に正式にIVBに引渡された
との報道がありました.これから2008年末までにあと21本(合計22本)が
納入されることになっています.
今週末(10/19と20)には,この新しいトラムが一般にも公開されるとか.
ただし,営業運転開始は今のところ2008年3月ごろと見込まれています.
11月からインスブルックの軌道上で,長期の試験運転が開始されます.
IVB: Innsbrucker Verkehrsbetriebe

22本のFlexity Outlook(旧モデル名Cityrunner)の代金は,5500万ユーロ
とのことですが,22本のうち16本は市内線向け,残る6本はSTB向けで,
それぞれ資金の出所が異なっています.
STBとは,Stubaitalbahnの略で,インスブルックと隣町のFulpmesを結ぶ
18キロの狭軌鉄道です.インスブルックでは市内線に乗り入れています.

市内線向け16本は4000万ユーロで,インスブルック市が2900万ユーロを,
1100万ユーロはチロル州が負担しています.これに対してSTB向け6本は,
1500万ユーロ全額をチロル州が負担することになっています.

新車は車体幅が在来車よりも1m広い2.4mで,しかも低床車ということも
あり,市内の軌道や停留所では2年に及ぶ改修が行われてきました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
IVB トラムのトップページ: Aktuelles Tram
データ: Zahlen und Fakten zur neuen Tram
到着時の様子: Ankunft der neuen Tram
製造工程中の様子: Produktionstagebuch
(IVB 公式サイトへのリンク)

多くの画像付き記事をインターネット上で読むことができます.
18. Oktober 2007 Straßenbahn offiziell in Empfang genommen
16. Oktober 2007 Neue Tram-Garnituren im Anrollen
(ORF ニュースへのリンク)
18. Oktober 2007 Neue Straßenbahn in Innsbruck
(Südtirol Online ニュースへのリンク)
18.10.2007 Innsbrucks neue Tram soll doch zur Regionalbahn
mutieren
(Tirol Online ニュースへのリンク)

非公式の中では最も充実しているこのサイトに,豊富な画像があります.
Cityrunner wurde präsentiert - erste Innenaufnahmen
(www .strassenbahn .tk へのリンク)

IVBに導入されるFlexity Outlookは,独特の赤,トラムレッド(Tram-rot)
色を全身にまとうはずですが,今回お目見えの車両は,中間車体が黄色と
灰色に塗りわけられています.車体横にIVB-Testtramという文字も見える
ことから,これは試運転の時期だけの注意を促す臨時の塗装のようです.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | オーストリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月18日

【フレズノ】市議会が路面電車計画に反対

シンシナティでは,市の資金源調達計画を市議会は満場一致で承認した
模様ですが,その方法には多少の疑問も残っているようです.
一方で他の街では,市議会が市の路面電車計画に,これ以上の資金を投じ
させないとする法案を可決したところもあります.カルフォルニア州の
セントラルヴァレー(Central Valley)あるフレズノ(Fresno)市です.

ロサンゼルスとサンフランシスコの中間にあるフレズノは,市の人口が
48万余り,20世紀初頭から半ばにかけては,市内や周辺地域に路面電車が
路線を張り巡らせていたそうです.その廃止から70年近くがたちますが,
2000年からその職に就く俳優経験もある市長を中心とする市の運営陣は,
ダウンタウンの再活性化計画を打ちたて,その中心にストリートカーも
盛込んでいました.
フレズノ市のダウンタウンと,市内のタワー・ディストリクト(Tower
District)を結ぶ,約2マイル(約3.2キロ)ほどの路面電車計画は,総額
6000万ドルと見積もられています.

8月にはポートランド市へ視察に訪れ,さらに刺激を受けてきたものの,
フレズノ市を郡都とするフレズノ郡の自治体代表者からなるフレズノ郡の
委員会(Council of Fresno County Governments)に,25万ドルの調査費を
求めて承諾を得たところで,市議会が待ったをかけたのが今週火曜日の
ことでした.

市長側としては,市議会に説明する前に,路面電車の運営費や生み出す
利益などを調査により算出しておき,議会でそれらの質問に答えられる
ようにする意図だったようですが,市議会側はこのやり方が気に入らな
かったとみえます.元々,議会は市長のダウンタウン再活性化計画に反対
だったことも後押ししたのでしょう.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
10/16/07 Downtown streetcar plan hits roadblock
(The Fresno Bee ニュースへのリンク)

市の提唱するダウンタウンの再活性化計画に,なぜ議会が異を唱えている
のかという肝心なことは,よくわかりません.
また,議会で路面電車計画への資金投入を禁じる手段の賛否をはかる票決
では僅差で可決されたことや,市長が拒否権を発動できることなどで,
これで直ちに計画が中止に追い込まれるということでもなさそうです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国南西部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月17日

【シンシナティ】市電計画の財源を市が発表

一昨日紹介のオレンジ郡サンタアナでは,市が1億ドルと見込まれる路面
電車建設案を市議会で説明し,悪い反応ではなかったようです.資金が
調達できれば,2010年にも着工できる見通しとか.

そのカルフォルニア州サンタアナから3千キロほど離れた,オハイオ州
シンシナティの市議会でも,市の担当者が路面電車建設と運営に関する
財務見通しを発表していました.その後,市議会は票決で計画を進める
ことを認めています.

シンシナティ市の人口は現在約33万ですが,1950年から60年代にかけて
50万人を突破していた時期もあったそうです.その後は市外への流失が
続いたらしく,広域圏は2百万人を超えています.最近は,市内人口の
減少傾向にも歯止めが掛かったようです.

市の考える路面電車は,市内を南北に縦貫する3.9マイル(約6.3キロ)の
ループ路線で,2010年12月開通を目指しています.
開業にはやはり1億ドル以上必要ですが,路面電車開通で沿線2ブロック
以内の土地開発などにより,市は投資額の14倍(=14億ドル)の経済効果を
期待しているのです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
市のサイトにPDFファイル版の資料があります.下記ページのStreetcar
Presentationをたどってください.
City of Cincinnati - Features
(シンシナティ市 公式サイトへのリンク)

車両購入費を含めた建設費は2010年の価格で1億180万ドル,これを捻出
するために市がこのたび提案した資金調達計画によれば,
市の資本金(city capital)と,TIF(Tax Incremental Financing),即ち
沿線の増税分で,各2500万ドルずつ,市が所有していた市北東部の小さな
空港(Blue Ash Airport / ISZ)の売却益で1100万ドル,PPPや献金などで
3100万ドル,オハイオ州から1000万ドル,これでしめて計1億200万ドル
です.市が自ら負担する金額は3600万ドル(35%強)で,連邦政府からの
補助金も検討されたようですが,見送ったようです.

また,ピーク時には10分間隔,それ以外は20分間隔として一日18時間の
運行を行った場合,年間の運営費は230万ドルと見積もられています.
このうち48%にあたる110万ドル分を運賃で回収,広告で28万ドル,残る
90万ドルについては沿線の負担になる模様です.

市議会での発表は各メディアが取り上げていました.
October 16, 2007 City manager proposes financing for streetcar line
(Cincinnati Business Courier ニュースへのリンク)
October 16, 2007 Street car $$: Not just city's
October 16, 2007 Streetcar plan on track
October 17, 2007 Streetcar financing detailed
(The Cincinnati Enquirer ニュースへのリンク)
October 16, 2007 Financing A $102 Million Streetcar Plan
(WKRC TV Cincinnati ニュースへのリンク)
10/17付けの記事,Streetcar financing detailedの中にPDFファイル版
路線図へのリンクがあります.

オハイオ州では,この他に州都コロンバス(Columbus)でも,市長主導の
市電計画があります.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | 米国北東部 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月16日

【グラーツ】シュタットラーが受注を正式発表

シュタイアーマル州(オーストリア)のグラーツ(Graz)が低床車45本を増強
するに際し,グラーツ市内をデモンストレーション走行した実績があり,
本命と目されていた100%低床車両のULFを売り込むシーメンスではなく,
GVBはスイスのシュタットラーを選ぶとの報道が,今年8月にありました.
GVB : Grazer Verkehrsbetriebe (Grazer Stadtwerkeの交通局)

それに対してシーメンスは公式に抗議していましたが,内容を審議して
いた独立行政審判院(UVS)が申立てを先週退けたため,シュタットラーの
正式受注が決まった模様です.それを受けて公式発表も出されました.
UVS: Unabhängigen Verwaltungssenat

GVBに導入されるのは,100%低床車のバリオバーン(Variobahn)45本で,
シュタットラーレール(Stadler Pankow GmbH)との契約は,9700万ユーロ
になるそうです.第一号がお目見えするのは2009年で,2015年までに全車
納入が予定されています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
晴れて受注を発表できたシュタットラーレールの公式発表:
15.10.2007 Größter Straßenbahn-Auftrag für Stadler Pankow
(Stadler Rail 公式サイトのニュースへのリンク)
一般の報道(Deutsche Presse-Agenturが記事を配信):
15.10.2007 Größter Straßenbahn-Auftrag für Stadler Pankow
dpaの記事 (Berliner Morgenpost ニュースへのリンク)

UVSの決定で,シュタットラーの受注が確定したと伝える記事:
11.10.2007 Freie Fahrt für Variobahn
12.10.2007 Tram-Auftrag: Aufregung bei Siemens
(Kleine Zeitung ニュースへのリンク)
12. Oktober 2007 Jubel in Berlin über Grazer Millionenauftrag
Stadler Rail: "Variobahn kein Außenseiter"

(derStandard ニュースへのリンク)

抗議は,主にバリオバーンが実績に乏しいからということのようです.
Siemens AG Österreichの発表がありました.詳細はこちらを.
24.08.2007 Siemens Österreich erhebt Einspruch im Vergabeverfahren
"Niederflurstraßenbahnfahrzeuge für Graz"

(PR-Inside.com へのリンク)

確かにシュタットラーが手掛けたバリオバーンは,漸くニュルンベルクが
発注した分がシュタットラーの工場内の試験線で走りはじめた段階です.
しかし,Adtranz時代にはドイツのケムニッツ,ヘルシンキ,シドニー
などに販売されて活躍しています.
Adtranz : ABB Daimler Benz Transportation

シュタットラーとして第一号となる,ニュルンベルク向けバリオバーンに
関する記事が先日ありました.画像も掲載されています.
ベルリンPankow区Heinersdorfにある同社工場は,元Adtranzの工場です.
ニュルンベルクのVAGは,車齢30年になるN8タイプの置換え用として,
100%低床のバリオバーン(GTV6)を来年から8本導入します.
VAG: Verkehrs-Aktiengesellschaft Nürnberg

13.10.2007 Viel Licht, Platz und modernste Technik
Nürnberg bekommt acht neue Straßenbahnen
(Nürnberger Zeitung ニュースへのリンク)
この記事はバリオバーンの紹介記事と言っても過言ではないほど詳細が
記されています.それによれば,バリオバーンのコンセプトは1990年代の
Wagon Union GmbHに遡るとか.同社はその後,ABBを経てAdtranzの傘下
となりますが,ボンバルディアのAdtranz吸収に際しては,この分野で
独占的立場にならないように?,バリオバーンの技術はシュタットラーに
2001年6月移管されるに至ったそうです.

すでにボンバルディア(Adtranz)の低床車を多数所有するニュルンベルク
VAGがシュタットラーを選んだのも,シーメンスやボンバルディアより
価格が安かったからだったとか.また,100%低床化の実現にギア不要の
車輪一体型の非同期電動機を採用しているため,保守費も軽減できると
考えられています.このハブモータ(Radnaben-Motor)もPankowの開発と
記事にあり,1995年に特許が取られていました.
5448953 Running gear unit for low-floor rail vehicles
Assignee: ABB Henschel Waggon Union GmbH (Berlin, DE)
(PatentGenius へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

グラーツ関連 過去ログ :
2007/8/11 低床車45本の発注先が決定か
2007/3/24 ウィーンの中古で急場をしのぐ
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | オーストリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月15日

開業一周年【べレスマラガ】存続の危機に?!

アンダルシア州(スペイン)マラガ市の東方にあるアシャルキア(Axarquía)
地方の中心ベレスマラガ(Vélez-Málaga)市に,路面電車が走り始めてから
先週で丸1年がたちました.
内陸にあるベレスマラガの中心部と,地中海に面したコスタ・デル・ソル
(Costa del Sol)のリゾート地,トレ・デル・マール(Torre del Mar)の
間を結ぶ約4.7キロの路線に,最新の100%低床車が導入されています.
しかし,この市電の存続が早くも危ぶまれているとも受け取れる記事が,
先週出ていました.

開業以来,ベレスマラガ市が穴埋めしている損失額は,既に39万ユーロに
達しました.市の行政側ではこれ以上の負担を拒否する構えを示し,路面
電車導入に積極的に動いた市長は,前回紹介の通り,アンダルシア州政府
(Junta de Andalucía)に救いを求めています.しかし,もしも州がこれを
受け入れない場合には,運行停止もありえる様相です.
前の市長(PSOE=スペイン社会労働党)が,現市長(PP=国民党)を市電の件で
非難していますし,市議会は元々市電に懐疑的だったようで,現市長は
今や四面楚歌の状態です.

市の負担は,本来なら1.42ユーロとしたい運賃を,1.30ユーロに抑えると
ともに,運行会社Travelsa(Tranvías Vélez)が経営リスクを負わないよう
運営費の一定額を補償していることから生じ,2008年に現在工事中の延長
区間が開通すると,その金額は更に大きくなっていくことになります.
1.42ユーロという金額も,最低でも年間112万2千人が運賃を支払って利用
すると想定して出されたものでしたが,これを12で割ったひと月平均を
達成できたのは,これまで7月と8月だけでした.達成しなかった人数分の
運賃の埋め合わせも,市の負担になります.

利用が低迷しているのは,べレス・マラガとトレ・デル・マルの間には,
今の時点では交通機関の需要がそれほどないのではないかということと,
車両1本のみの運用となる時間帯には,運転間隔が45分に広がることが,
原因とみられているようです.6月に訪れた時は,平日でも16時台には
40分間隔になっていました.

また,この一年で路面電車に関係する事故は30件あったとあります.
電車運行に直接関係するものが12件,残る18件は,撤去されることになる
軌道と車道の境界を示すサメのヒレ状の縁石や,信号機,架線に関係する
ものとか.さらに,電車車庫への出入口で何度か発生した脱線を防止する
ために,180万ユーロ(150万とも)を投じて改修が行われたようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
12.10.07 Delgado no descarta quitar el tranvía si la Junta se
niega a participar en el mantenimiento del servicio

11.10.07 El tranvía cumple hoy su primer año de funcionamiento
con 30 siniestros

(Diario SUR ニュースへのリンク)
11 de octubre de 2007 El primer tranvía de Andalucía cumple un
año de polémica

(La Opinión de Málaga ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ベレス=マラガ関連 過去ログ:
2007/9/03 【ベレスマラガ】赤字 【ハエン】2009年にも
2006/10/04 10/11営業運行開始予定
2006/9/23 県からの資金なしの路面電車
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | スペイン語圏 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月14日

【オレンジ郡】歩く距離を伸ばす路面電車を

カルフォルニア州オレンジ郡(Orange County)サンタアナ(Santa Ana)市で
路面電車の計画が浮上しつつあります.
ロサンゼルスから鉄道でサンタアナに向かうのはあまり一般的ではない
かもしれませんが,ユニオン駅からMetrolink(コミューターレール)の
オレンジ・カウンティ線(Orange County Line)に乗り込むこと小一時間,
途中アナハイムなどを通り列車はサンタアナ駅に到着します.
人口35万強のサンタアナ市では,この鉄道駅がダウンタウンから1マイル
近く離れていて,その間に路面電車を走らせることが,市の関係者の心を
つかんでいるようです.最近もポートランドで市電を視察してきており,
月曜(10/15)にも市議会で最初の説明が行われるとの報道がありました.

これはコミューターレールMetrolink利用客の便宜を図るというよりも,
10/08に市が発表していた100ブロック以上の中心部を大改造する計画,
Renaissance Planに組み込む構想のようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
October 12, 2007 Santa Ana getting serious about streetcars
October 8, 2007 Santa Ana plan aims for downtown rebirth
(Orange County Register ニュースへのリンク)

Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けます
サンタアナ駅 Santa Ana Depot (by Valerita flickr)
Santa Ana Depot

市のルネッサンス計画: Renaissance Specific Plan
(City of Santa Ana へのリンク)
今の段階ではストリートカーの文字は見当たりません.

市が路面電車を検討していることを伝える10/12付けの記事の中には,
ポートランドでは路面電車のことを,walk extenderと考えていることが
伺えます.路面電車は,人々をある場所から別の場所へと動き回りやすく
する手段になっているということで,路面電車があれば街中で人は行動
範囲を広げます.これが都市計画の立案者にとって魅力的なのでしょう.

walk-extenderという言葉は見慣れないので,ウェブサイトを検索して
みると,今年8月にThe Oregonianの社説がこの言葉を使っていました.
ポートランドで計画されている,川の向こう岸にも市電を走らせることに
関する論説です.
その中では,路面電車が心理的に距離を縮めることで,路面電車が走って
いないない場合より,人は長い距離を歩くことになるとして,2001年に
開業した最初の区間で起きた沿線への経済効果が,対岸の区間でも起きる
だろうと考えられています.
August 19, 2007 Go east, Streetcar
(The Oregonian 社説へのリンク)

ポートランド市電関連 最近の過去ログ:
2007/9/27 Small Startsを巡る攻防
2007/8/18 延長開業と東部の市電予算

再びオレンジ郡の話に戻りますが,路面電車への期待はサンタアナ市だけ
ではないとして,アナハイムやアーバイン(Irvine)市の名前も先の記事
では挙げられています.これら3つの街はLAからオレンジ郡に向かうと,
アナハイム,サンタアナ,そしてアーバインの順に並んでいます.

アーバイン(Irvine)にもコミューターレール(Metrolink)のオレンジ・
カウンティ線の駅があります.人口はアナハイムよりやや少ない20万強の
アーバイン市では,5マイルほどの計画があり,今年8月には2億8千万ドル
とされる建設費と700万ドルの年間運営費の予算が,市議会で承認されて
いました.
August 16, 2007 Transit system would cost $280 million
(Orange County Register ニュースへのリンク)

計画はMetrolinkのアーバイン(Irvine)駅を中心として,線路の北にある
海兵隊の基地跡に建設される公園(Great Park)や,駅からみて南西にある
Irvine Spectrum Centerというモール街を,専用軌道で結ぶものです.
アーバイン市のサイトに略図が載っています.
Irvine Guideway: Spectrum/Great Park Guideway Project
(City of Irvine 公式サイトへのリンク)

市のサイトの情報は最新のものではないようですが,上の記事によれば,
グレートパーク(Great Park)へ向かう3.4マイル(約5.5キロ)は路面電車
で,アーバイン・スペクトラム・センター(Irvine Spectrum Center)に
向かう1.6マイル(約2.6キロ)の路線は専用レーンを走るバスになるよう
です.どちらも原則として路面走行で,アーバインの鉄道駅だけが高架に
なる模様です.路面電車の区間では,架線が景観に与える影響を最小限に
するため,両脇に並木を植えるとか.

建設のための財源は,1億2130万ドル分は頓挫したオレンジ郡のライト
レール計画,CenterLine向けの資金からで,この使用には州の承認が必要
となります.記事ではProposition 116となっている項目です.9820万
ドル分はRenewed Measure M fundsとありますが,これはオレンジ郡の
資金で,この使用にはOCTAの承認が必要です.アーバイン市など地元の
負担は2560万ドルで,残りは州からの別の資金で賄います.
OCTA: Orange County Transportation Authority

運営費(年間700万ドル)は,オレンジ郡からの資金が360万ドル分,残りは
運賃収入が300万ドル,広告収入40万ドルがあてにされているようです.
アーバイン市の次の取り組みは,州とOCTAに働きかけることです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

アーバイン関連 過去ログ:
2006/2/01 【アーバイン】LRT計画が一部分復活か
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国南西部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月13日

【スタンフォード】南北にライトレール検討

ニューヨークのグランドセントラル駅からメトロノース鉄道(Metro-North
Commuter Railroad)に四十数分揺られて33マイル(約53キロ)走ると,
コネチカット州スタンフォード(Stamford)駅に到着します.ニューヨーク
から鉄道でスタンフォードに近づくと,オフィスビルが建ち並ぶ光景が
広がるのに一瞬目を奪われるかもしれません.それまでの沿線風景とは
一線を画しているからです.

スタンフォード市には,1980年代から本社機能を移す企業が出始めて,
最近ではスタンフォード駅の周辺にオフィスを構え,ニューヨーク市から
従業員が通勤する会社も多いそうです.駅利用客も増えています.

人口12万近いスタンフォード市でも,ライトレール導入を検討しはじめ
ました.道路混雑の緩和と,市内のいくつかの地域を密接に結びつける
ことが狙いです.それにより交通主導型の開発(TOD)が進み,人の流動が
広がると同時に,沿線の市場価値が高まることが期待されています.

駅の南側にあるSouth End地区は,今はうらぶれた風情が漂いますが,
いずれ再開発されることになっています.
そのサウス・エンド地区と,駅周辺やその少し北のダウンタウン,それに
さらに北西にあってショッピングセンターなどのあるスタンフォードの
商業の中心地Bulls Headの三つの地区を,結びつけようというものです.
距離にして2.3マイル(3.7キロ)ほどになるそうです.

まず,12万5千ドルをかけ,市はこの計画の実現性を調査させるための
業者を雇うことになりました.年内には委託先を決めて半年後に結果を
聞くことになると,市長が先日発表しています.今はここまでです.

市長は,専用軌道を走るライトレールというよりも,既存の道路上を走り
ながらも軌道内には車の乗入を許さない,路面電車スタイルをイメージ
しているようです.専用軌道を確保できるような土地が得られそうにない
からですが,どのような形態が望ましいかも,調査対象なのでしょう.

下の記事ではそのことを報じていますが,記事にはスタンフォード市の
規模から言って,軌道は単線になりそうだとしています.予算の関係で
単線で建設されたライトレールには,サンディエゴ,ボルチモア,サクラ
メントなどがあるとも記されています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Oct 11, 2007 Wheels are set in motion for a Stamford light rail
system
(Stamford Plus Magazine ニュースへのリンク)
October 12 2007 Streetcars may be newest way to get around city
(Stamford Advocate ニュースへのリンク)

記事の内容に沿って,検討されると思われるルートを地図上に描くと,
Harbor Point (South End) -- Bulls Head (Google Maps へのリンク)
緑色の起点が,再開発中のSouth End地区 Harbor Point
(Antares 公式サイトへのリンク)
黄色い経由地は,順番に鉄道駅(Metro-North station),タワーの建つ
ランドマーク・スクエア(Landmark Square),リッジウェイショッピング
センター(Ridgeway Shopping Center)で,赤い終点が,商業地のBull’s
Head地区になります.

コネチカット州の運輸局の一部門になるコネチカット・トランジットが,
スタンフォード市内にも路線バスを走らせています.
Connecticut Transit: Stamford Routes & Schedules
(Connecticut Transit 公式サイトへのリンク)
このページにバスの路線図があり,Commuter Connection: Bulls Headが
検討されているルートに一番近いものと思われます.

余談ですが,メトロノース(Metro-North)のニューヘブン線(New Haven
Line)と言えば,今から百年も前にこの線が電化された際に採用された
架線の吊架方式で,その後は他で採用されず結果的にここだけで見られる
トライアングル・カテナリ(triangular catenary)という,2本の吊架線と
トロリ線をつなぐハンガが逆三角形を描く独特な形の架線の行く末を,
気にされるかたがいらっしゃるかもしれません.今年9月に記事が出て
いました.
September 03, 2007 Wire to wire: Metro-North stands by century-old
system as it replaces its electrical lines

(Topix ニュースへのリンク)
今も残る場所は限られるのかもしれませんが,2014年までに取替え工事が
完了する予定とか.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国北東部 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月12日

【パリ】T3延長の進展と環状線計画の話題

すでにフランス語版Wikipédiaの項目,Ligne 3 du tramway parisienには
加筆されている話ですが,イル・ド・フランス輸送組合STIFの委員会が,
10/10にパリ市電ともいえるT3の延長計画を承認しました.
現在はパリ市南部の市境近くを走るトラムT3号線は,その周回路線を東と
北にも広げることになり,今年末と2008年の第2四半期に開かれる二回の
公開聴聞(enquête publique)を経たのち,同年の第3四半期に着工して,
2012年末の開通を目指します.
STIF: Syndicat des transports d'Île-de-France

現在のT3は東端がPorte d’Ivryですが,そこから周回道路に沿って市の
東側(12区,20区)から北側(19区,18区)に回りこみ,今回の計画では18区
Porte de la Chapelleまでの14.2キロが承認されています.
途中でメトロ各線(8,1,9,3(3 bisを含む),11,7(7 bisを含む),5,
12号線)や,RER C線,RER E線とも接続し,利用予測は一日15万5千人と
されています.

建設費は6億1500万ユーロと見込まれ,トラムの新路線には国が資金を
出さなくなったため,パリ市とイルドフランス地域圏で分担することに
なり,路線を13区までと12区-20区-19区-18区(セーヌ川を境)にわけて,
両者の負担割合は次のようになります.
Porte d’Ivry - Porte de Charenton間(13区内): 市50%,地域圏50%,
Porte de Charenton - Porte de la Chapelle間: 市70%,地域圏30%,

現在運転されている区間(Pont du Garigliano - Porte d'Ivry)では,
パリ市が30%,イルドフランスが26%で,あとは,RATP27.5%,国16%という
建設費負担内訳になっていました.
RATP: Régie autonome des transports parisiens (パリ交通公社)

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
公式発表とAFPの記事を掲載したサイトを順に並べました.
下のページの10 octobreに,今回発表分のPDFファイル版があります.
Syndicat des transports d'Île-de-France: Communiqués 2007
(STIF 公式サイトへのリンク)
10 oct 2007 ECO - Paris: le STIF vote l'extension du tramway T3
jusqu'à porte de la Chapelle

AFPの記事 (L'Agefi ニュースへのリンク)

STIFの委員で,2008年のパリ市長選にフランス緑の党から立候補している
現在はパリの交通担当の副市長は,今回承認された18区のPorte de la
Chapelleよりも延長区間を西に伸ばし,17区のPorte d’Asnièresまで
とする要望を出していましたが,これは実現しませんでした.
Porte de la Chapelle - Porte d’Asnières間は4.4キロで,その区間の
建設費は1億7500万ユーロになると見られていますが,国からの支援が
ない限り,一度には無理との判断が下された模様です.

この副市長は,下記によればパリ市内の主要6駅をつなぐ新しいトラム
路線も提言しているようです.6駅は,モンパルナス駅(Montparnasse),
オーステルリッツ駅(Austerlitz),リヨン駅(Lyon),東駅(Est),北駅
(Nord),サンラザール駅(Saint-Lazare)です.途中で12路線のメトロと
5路線のRERと連絡を図るとか.
10 octobre 2007 Denis Baupin : un tramway de Montparnasse à
Saint-Lazare ?
(Caradisiac.com ニュースへのリンク)

それが最も内側の循環線だとすれば,Caradisiac.comには,この他にも
興味深い話題がありました.市外の周回路線に関する話です.
今年上半期には半年間で1兆5160万人を輸送して3.4%の増加を記録し,
純益も1億1180万ユーロと133%の伸びを示したRATPが,市境の外側を循環
するメトロ計画線,Métrophériqueを強力に後押ししているようです.
この記事の中には計画図も載っています.
10 octobre 2007 La RATP met la pression pour accélérer le projet
Métrophérique
(Caradisiac.com ニュースへのリンク)
RATPの言い分としては,今のメトロは既に飽和状態にあり,環状ルートを
完成させて利用者を分散させない限り,これ以上は郊外へメトロ路線を
延伸することはできないというものです.

RATPは,10/02にMétrophériqueの仕様を発表していました.
Presse INFORMATIONS JOURNALISTES
(RATP 公式サイトへのリンク)
このページのDossiers欄にある,02/10/2007付けのPDFファイル12頁に
記載されていますし,フランス語版Wikipédiaの項目,Projet de métro
de rocade de banlieue à Parisに現在一部が掲載されています.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

パリ市電 T3の関連過去ログ(2007年分のみ):
2007/6/14 ダイヤ改正でT3速度アップと増発へ
2007/1/01 T3はなぜ路面電車で建設されたか

パリ大環状線の関連過去ログ:
2006/10/10 メトロでの外環状線構想
2006/11/07 【イルドフランス】貨物線をトラムトレイン?
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | フランス I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月10日

【カディス】県内2か所でトラム計画が前進

西欧で最南端にあたるスペイン,アンダルシア州カディス県で先週,県内
2つの街のトラムの話題が相次いでありました.

まずは,県都カディス(Cádiz)と,南に約20キロほど離れた内陸にある
チクラナ・デ・ラ・フロンテーラ(Chiclana de la Frontera)市を結ぶ
計画の13.6キロほどの路線です.
路線実現には重要な鍵となる,カディス湾に面した人口9万3千を数える
サン・フェルナンド(San Fernando)市が,一部の反対を押えてカディスと
チクラナ間のトラム路線の計画を承認した模様です.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
05/10/2007 El Pleno del Ayuntamiento de San Fernando aprueba la
firma del convenio con la Junta para el tranvía

Europa Pressの記事 (Diario de Cádiz ニュースへのリンク)

サン・フェルナンドとカディス湾に突き出た港湾都市カディスは,砂州で
結ばれていて,その狭い中を道路とADIFの鉄道線が走ります.
ADIF: Administrador de Infraestructuras Ferroviarias
(スペインの鉄道線路などの設備を管理する当局で,RENFEは運行のみ)
トラムは,南北に細長い島のような形のカディス市内と,そこからサン・
フェルナンドに至る砂州ではADIFの在来線を走ることが検討されていて,
このことからトラムトレイン(tren-tranvía)ともみなされています.

東西にのびるサン・フェルナンドの中心街では,在来線の線路は町外れの
カディス湾に面した北側を走り抜けるため,トラムは目抜き通りのレアル
通り(calle Real)の路面を走ることになります.市のサイトにある地図を
見ると,道幅が狭いのか路面では軌道は単線で,停留所の部分のみが,
電車の運転頻度を確保するために交換可能な複線になるようです.

カディスとサン・フェルナンドの間は,在来線を近郊電車のセルカニアス
(Cercanías)が走りますが,ラッシュ時は十数分間隔,日中は一時間以上
ひらくこともある上に,線路は中長距離列車も共用のため時間がまちまち
です.しかも,カディス市内には5駅あるものの,サン・フェルナンドは
2駅しかありません.そこで,10分から20分間隔で100%低床車を街中の
目抜き通りに走らせることにより,これまでの車を使わなければならない
状況を少しでも改善しようというのが狙いです.

しかし,サン・フェルナンドはカディスとともに歴史のある街で,市内を
路面電車が通り抜けることによる景観の悪化などが懸念されてしました.
そこで,架線を張らずに電車を走らせる可能性も記事になっています.
市内1.8キロの区間を架線レスで走行できるようにした場合,必要な追加
費用は420万ユーロと見積もられているようで,これは建設費とされる
1億4千万ユーロの3%に過ぎないとのことです.
07.10.07 (La Voz Digital ニュースへのリンク)
Eliminar la catenaria del casco histórico isleño sólo aumentaría
en un 3% el coste final del tranvía Transporte personalizado


記事では,低床車シタディス(Citadis)の販売契約車両数が,十年前の
モンペリエから数えて1000台を超えたと発表したアルストム(Alstom)の
技術が紹介されています.
サン・フェルナンドのケースでは,架線を張らずに電車を走らせる距離が
1.8キロに及ぶことから,第三軌条による路面集電方式のAPSか,フライ
ホイールを使った方法の2つが考えられるとしています.アルストムの
技術には,もうひとつバッテリー方式がありますが,こちらは距離にして
500mが限界と説明されていました.
APS: Alimentation par le sol
先週はバルセロナで鉄道見本市のBCN Rail 2007が開催されていたことも
あり,そこで展示されていたことも大いに影響しているようです.

サン・フェルナンド市内でのルートなどは,この下のリンク先のメニュー
DescargasにあるPlano del tranvíaのリンク先で,PDFファイルの路線図
というか設計図に近い形で見ることができます.
Isla Tranvia - Ayuntamiento de San Fernando
(San Fernando市のサイトへのリンク)
Islaというのは島の意味ですが,サン・フェルナンド市が島ではないにも
かかわらず,市のことをLa Islaという名称で呼ぶことがあるところから
きていると思われます.

架線レスが検討されている区間を地図上にあらわしてみました.
sin cableado (plaza del Carmen - castillo de San Romualdo)
(Google Mapsへのリンク)

もう一つの街は,ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ(Jerez de la Frontera)
です.県都カディスから電車で30分ほどの距離にあり,市全体では人口
20万6千になりますが,そのうち約半分の10万人程度が恩恵を受けると
される,路面電車を走らせる計画があります.
先週,この提案にアンダルシア州議会が補助金を出すと,州議会議長が
発表していました.最初のトラム1号線は全長が8.5キロになる模様で,
早ければ2011年開業を目指します.構想は全部で3路線からなります.

4 Oct Cádiz.-Chaves anuncia que la Junta financiará las obras
para el tranvía de Jerez y la ampliación del hospital

(Europa Press ニュースへのリンク)
06.10.2007 El futuro tranvía tardará 17 minutos en unir
Guadalcacín con el Hospital

(La Voz Digital ニュースへのリンク)
6 de octubre. El tranvía unirá La Granja y el hospital en
15 minutos

(Diario de Jerez ニュースへのリンク)

8.5キロのルートは,記事の地名をたどってみると,鉄道駅を底にした
緩いV字形を描く路線になるようです.
東側はGuadalcacín地区で,場所はちょうど鉄道駅と北東にあるへレス
空港(XRY / LEJR)の中間あたりです.そこからLa Granja,Deliciasの
各地区を経由し,カディス大学ヘレス校を通り,鉄道駅に達したあとは,
細い路地の続く中心街を通り抜けて,北西のJuan Grande地区にある病院
(Hospital Juan Grande)に至ります.

ところで,ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ市から100キロ近く北上した
アンダルシア州の州都セビリャ(Sevilla / Seville)では,市内を走る
路面電車メトロセントロ(Metro_Centro)が今月中にも開業する見通しの
はずですが,日付はまだ発表されていません.

セビリアの議員?(consejera)は,メトロセントロのような街中を路面走行
するトラムを,他の街にも広げようとしています.ヘレスを初めとして,
紹介したことのあるハエン(Jaén)などのほか,コルドバ(Córdoba)や,
アルメリア(Almería),ウエルバ(Huelva)といったアンダルシア州の街の
名前が挙がっています.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | スペイン語圏 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月09日

【フィレンツェ】トラム1号線レール敷設開始

トスカーナの中心都市フィレンツェ(Firenze / Florence)で,路面電車
(TramVia)1号線のレールを敷設する工事が,10/08から開始されました.
建設工事は,2008年12月末までに全て終了する予定だそうです.
また,10/25から10/28まで導入予定と同じ低床車(Ansaldobreda製Sirio)
が,当地で展示される予定とのことです.

この夏,日本でも路面電車建設の賛否を巡り,街が二分されているという
報道がありましたが,9月下旬には市議会で3路線の計画が承認された?
らしく,その論争が再燃している模様です.
また,1982年にフィレンツェの中心市街地を世界遺産に指定したユネスコ
(UNESCO)が,強制力はないものの,この路面電車に否定的な見解を出した
ことで,世界も注目しはじめています.

建設が進んでいるのは,フィレンツェの西にある郊外のスカンディッチ
(Scandicci)から,ローマやミラノからの高速列車が発着するSMN駅前へ,
全長約7.5キロに及ぶトラム1号線です.
SMN駅: Stazione di Firenze Santa Maria Novella
このトラム1号線だけで建設費は2億2600万ユーロと見積もられていて,
3路線の合計では7億ユーロとされていますが,10億ユーロになるとみる
むきもあるようです.

話題の中心はもっぱらトラム2号線で,中心街の北西にあるフィレンツェ
空港(FLR / LIRQ)から,SMN駅前とドゥオーモ広場(Piazza del Duomo)を
経由してLibertàに至る,約9キロの路線です.
ドゥオーモ広場や大聖堂(Santa Maria del Fiore)の近くを通るため,
それらの景観を乱すことと,全長30m超の路面電車が走ることで生じる,
騒音と振動が問題視されていました.
アカデミア美術館(Accademia di Belle Arti Firenze)に展示されている
ミケランジェロ(Michelangelo)作のダビデ像(David)が危機に瀕している
というタイトルで報道した外国メディアもあるほどです.トラム2号線の
軌道は,実際には美術館から1ブロック離れています.

フィレンツェ市やトラム計画を進める会社は,軌道の下には最新の対策を
施すなどして,騒音や振動を軽減すると説明していますし,今でも一日
2千台の路線バスが近くを走っていることも指摘されています.
執拗な反対は,選挙対策の一環ではないかという見方もあるようですが,
この2号線とトラム3号線に関しては,着工も含めて時期未定の状態です.
また,2路線には計画中止を求める署名運動も行われているようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
少し前の記事もあり,掲載期間終了でリンク切れの際はご容赦ください.

トラム1号線のレール敷設工事が始まったことを伝える記事:
08.10.2007 Tramvia a Firenze, posati i primi binari
(inToscana ニュースへのリンク)

先月の出来事をまとめている記事:
2 ottobre 2007 A Firenze sul tram sale la polemica
(RaiNews24 ニュースへのリンク)

英語によるイギリスでの記事:
October 2, 2007 Florence divided over £500m tram scheme
(The Guardian ニュースへのリンク)
02/10/2007 Florence tram plans 'putting art at risk'
(Daily Telegraph ニュースへのリンク)
ドイツ語によるスイスでの記事:
01.10.07 Michelangelos David von Tram bedroht
SDA/ATSの記事 (20minuten ニュースへのリンク)
スペイン語によるメキシコでの記事:
2 de octubre de 2007 Piden intervención de Unesco contra tranvía
junto a baptisterio de Florencia

EFEの記事 (El Mexicano ニュースへのリンク)

公式サイト トップページ: Tramvia Firenze
08 -10 -2007 Posari questa mattina i primi binari della tramvia
1号線の概要: Progetto - Linea 1
2号線の概要: Progetto - Linea 2
(Tramvia Fiorentina 公式サイトへのリンク)

ドゥオーモ広場(Piazza del Duomo)では架線を張らずに走ることになると
以前紹介していましたが,今回一連の記事の中には,それを取り上げた
ものは見つかりませんでした.
しかし,公式サイトにある今年7/16付けのニュース(Notizie)に,国の
運輸省からバッテリー走行に必要な金額の6割に相当する410万ユーロの
補助金?を,2009年までの3年間に受け取れるとあります.それによれば,
架線を張らずにバッテリーで走る区間は約300mだそうです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

【フィレンツェ】トラム関連 過去ログ:
2007/2/13 大聖堂近くは架線レス?
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(4) | イタリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月08日

【ポートランド】ブリッジタウンの面目躍如

ポートランドの日刊紙The Oregonianの金曜日の表紙には,市内を南北に
縦貫するウィラメット川(Willamette River)に架けられる,新しい橋の
CG画像が掲載され,Connecting Portland-styleと大見出しが付けられて
いました.ポートランド・スタイルの意味するところは,この橋は鉄道と
歩行者,自転車,そしてもしかしたら路線バスは渡れても,車は通れない
ということのようです.
ブリッジタウンとも呼ばれるほど橋の多いポートランドでも,新しい橋は
34年ぶり(完成予定時には42年ぶり?)になるようで,しかも今度の橋は
30階建てビルと同じ位の高さがあるかもしれないと書き出しにあります.
橋のデザインには斜張橋(cable-stayed bridge)が候補に挙がっていて,
その主塔の高さが380フィート(約116メートル)あるのでした.
下には地図も掲載されていて,おおまかな架橋場所と同時に,いくつかの
候補があることもわかります.

ちなみに,ウィラメット川に架かる橋は,コロンビア川との合流地点から
ポートランド市内だけでも11か所あります.市内最後の橋は16.5マイル
(約26.6キロ)さかのぼったところです.
このうち1本は鉄道橋で,自動車の通れない唯一の橋です.その他には
車と共にライトレールMAXからAmtrakまで走る,有名な二層構造の昇開橋
スチールブリッジ(Steel Bridge)がありますが,残りは全て道路橋で,
最も新しい橋は1973年建造だそうです.

ザ・オレゴニアンに取り上げられた橋は,ポートランド・ストリートカー
(市電)のループ化計画では最後のピースになり,ウィラメット川の東岸に
渡った路線が,今の路線と再び合流する時の架け橋となるものです.
と同時に,ライトレールMAXのサウス・コリドー第二期(South Corridor
Phase II)区間として,現在工事が行われているモールの南端から,この
橋を渡ってクラカマス郡(Clackamas County)ミルウォーキー(Milwaukie)
市(人口約2万)まで延長される計画の路線も渡ることになっています.

Portland-Milwaukie Light Railとも呼ばれるMAXの延長計画は,ダウン
タウンからミルウォーキー市(Milwaukie)までの6.5マイル(約10.5キロ)
で,ベットタウン化されたクラカマス郡北西部とポートランド間の交通を
改善する目的で建設が予定されています.順調に運べば2011年に着工,
2015年開通を目指します.
そこで重要な鍵になるのが,ウィラメット川をどう渡るかでした.計画
策定に中心的な役割を果たすオレゴン地域政府メトロ(Metro)は,既存の
橋では無理があるとして,2003年に新しい橋の建設を承認しています.
また,今年2007年6月には,債券の売却益2億5千万ドルを橋の建設費に
充当するとする法案が議会を通過していました.ライトレール計画全体
では8億8千万ドルという数字が記事にあります.

どこで川を渡るかは,予定地周辺の土地所有者の関心の的です.当初の
Marquam BridgeとRoss Island Bridgeの間には変わりはありませんが,
西岸は2003年決定時に想定されていたRiverPlaceよりも,さらに南に移動
することになりそうです.市電が南に伸びることに伴い,サウス・ウォー
ターフロント(south waterfront)地区の開発が進んだことや,市内最大の
雇用者を抱える大学(OHSU)の施設などがあるため,利用者が多く見込める
範囲が南下していったのです.
OHSU: Oregon Health & Science University
現時点で色々な候補があることが,記事の略図でも説明されています.

橋の新設そのものは特にニュースというほどのものではなく,路面電車や
ライトレール用に建設される橋ですので,自動車が通れないということも
織り込み済みだったでしょう.また,記事を読んでいくとわかりますが,
斜張橋に決定されているわけではなく,費用や環境への影響のバランス,
ルート次第で今後決められるとのことで,2009年になりそうです.

ここで取り上げるまでもなかったかもしれませんが,あとあとこの路線を
調査などで振り返る時,この手の記事が参考になることも多いことから,
紹介してみました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
October 05, 2007 Could this be PDX's next bridge?
表紙のPDF版: See the current week's front pages from The Oregonian
10/05発行分の一面を収めたPDFファイルは,このページのFridayのリンク
先に,次の発行分(10/12)と入替えられるまで掲載されているでしょう.
(The Oregonian ニュースへのリンク)

記事のページには掲載されていない画像や橋のルート候補の図などは,
このブログに載っています.
October 05, 2007 A new bridge over the Willamette -- but not for
cars
(PDX Greeen ブログへのリンク)

TriMetの進めている計画の概要: Rail & Bus Projects
(TriMet 公式サイトへのリンク)
TriMet: Tri-County Metropolitan Transportation District of Oregon
リンク先の略図で黄色い破線で描かれているのが,Portland-Milwaukie
Light Railです.

Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けます
Three Bridges Two Buildings by egazelle (flickr)
Three Bridges Two Buildings
手前から奥に向かって,Hawthorne, Marquam, Ross Island bridgesの
順に見えますが,ここにもう一本の橋が将来加わります.

ポートランドの橋の話題が続きますが,次は別の川です.
市の北端にはコロンビア川(Columbia River)が流れていて,対岸は人口
16万弱を数えるワシントン州のバンクーバー(Vancouver, WA)市です.
ポートランドとの行き来は,コロンビア川をインターステイト・ブリッジ
(Interstate Bridge)で渡ることになりますが,C-TRAN運行の路線バスも
走る,この老朽化した橋の架け替えが問題になっています.2本の平行
する橋のうち,現在北行き車線に使われている橋は1917年,南行き車線は
1958年建造だとか.

Columbia River Crossingと呼ばれる新しい橋の計画は,架け替えにする
のか,それとも古い橋を残して1本別に新設するのかなど,さまざまな
問題点が未解決になっています.公共交通専用車線を用意する場合に,
それがライトレール向けなのか,バス向けなのかも未定です.
Columbia River Crossing (公式サイトへのリンク)

これらを決める鍵になるとも言える報告書が,専門の委員会によって来年
2008年2月に発表されるとの報道がありました.
October 07, 2007 Reports on new bridge due Feb. 1
(The Columbian ニュースへのリンク)

1994年,ワシントン州バンクーバーのあるクラーク郡(Clark County)の
住民らは,投票でライトレールMAXの乗り入れを拒否していたそうです.
ポートランド側では2004年,MAXイエローラインがコロンビア川のすぐ
近くまで開通しています.
Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けます
Entering Oregon sign. by shellEProductions (flickr)
Entering Oregon sign.

最後は,再びウィラメット川に戻ってきます.
ポートランド市内でウィラメット川に架かる橋としては最も南にあり,
加えて数マイルに渡って代わりのないセルウッド橋(Sellwood Bridge)
は,交通量の多い橋ですが,2004年に亀裂が発見されてから架け替えか
改修かの必要性に迫られていました.
Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けます
Sellwood Bridge by vj_pdx (flickr)
Sellwood Bridge

こちらも数案が出ている中で,将来は路面電車用にも転用可能な車線を
織り込んだ案もあることが,先週明らかにされています.
October 2, 2007 Ideas unveiled for Sellwood Bridge solutions
(KGW Portland ニュースへのリンク)

先週末に市議会と市長により,将来ライトレールに転用できる車線を含む
向こう百年の耐用年数がある設計が承認された,ミネアポリスで8月に
崩落した橋(I-35W bridge)の架け替え計画が影響しているかどうかは,
定かではありません.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ポートランド関連 最近の過去ログ:
2007/9/27 Small Startsを巡る攻防
2007/8/18 延長開業と東部の市電予算
2007/8/10 旧信号扱所をMAXが再利用へ
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国北西部 I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月07日

【RandstadRail】Zoetermeerへの運転再開へ

ランドシュタットレール(RandstadRail)の,ハーグ(Den Haag)とズーテル
メール(Zoetermeer)を結ぶ区間が,ようやく10/08から営業再開します.
ただし,Oosterheemlijnと呼ばれるRR4系統(RandstadRail 4)だけです.
RR4系統は,デンハーグ市内のDe Uithofから中央駅を経由して在来線から
ライトレールに転換された区間を走り,ズーテルメール市内のJavalaan駅
(Oosterheem地区)に至る区間を走ります.

RR4は,ハーグ市内線からズーテルメールへの直通運転時の営業ダイヤで
9/03から運行されていましたが,ハーグ中央駅で乗客を降ろし,その後は
旅客を乗せずにズーテルメールへ向かっていました.中央駅からズーテル
メールまでの間は試運転の最終段階というわけです.それがこのたび当局
(IVW)が許可を出したのに伴い,月曜からは旅客を乗せたまま運転できる
ようになります.10/05に発表されていました.
IVW : Inspectie Verkeer en Waterstaat
相次ぐ脱線事故で運休に追い込まれてから10か月以上を要しています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
公式発表: 5-10-2007 RandstadRail 4 vanaf maandag 8 oktober weer
van start met reizigers
(RandstadRail 公式サイトへのリンク)

RR4運転再開の発表があったことを伝える記事:
5 oktober 2007 RandstadRail naar Zoetermeer maandag van start
Novum Nieuwsの記事を掲載 (Elsevier ニュースへのリンク)
05 oktober 2007 Randstadrail gaat rijden
(Algemeen Dagblad ニュースへのリンク)

これで,今も残る運休はRR3系統(RandstadRail 3)のみとなりましたが,
こちらも来週から営業ダイヤで旅客を乗せない試運転(Proefbedrijf)に
入るとのことです.ちょうどRR4が,9/03から行っていたのと同じ段階に
なります.RR3の走る区間では,ズーテルメール市内を「の」の字に周回
するルートで,その形状からKrakelingとも呼ばれる線区に問題を抱えて
いました.

ハーグからズーテルメールに到着するランドシュタットレールは,RR4も
RR3も,まず市内では地平のVoorweg駅(Voorweg Laag)に停車します.
その後は両者とも市内を東西に横断してSeghwaert駅までは共通ですが,
そこからRR3は,反時計回りにズーテルメールを四分の三周するルートに
入ります.その周回ルートは再びVoorweg駅にやってきますが,今度は
高架になっていて,Voorweg Hoogと呼ばれています.

RandstadRail_Oct08.png
RR4は青,RR3は赤で表示しています.(薄赤の破線は試運転区間)

問題は,その駅構内の線路が昨年11月に脱線事故を起こした場所と同じ
ような状態になっていることでした.左右のレールの高さが異なり過ぎる
ため,改修には道床から作り直す必要があるようです.今回それが行われ
たのかどうかは判りません.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ランドシュタットレール関連 前回の紹介:
2007/9/05 一部区間で電車の運転再開
posted by NeiTech at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | ベネルクス このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月06日

【LA】ゴールドラインをオンタリオ空港へ?

ロサンゼルスのユニオン駅(Union Station)では,現在LACMTAのライト
レール,ゴールドライン(Metro Gold Line)の延長(Eastside Extension)
工事が行われています.それとは別に,パサデナ(Pasadena)側の終点から
東進する,Foothill Extensionと呼ばれる延伸計画もあります.
LACMTA: Los Angeles County Metropolitan Transportation Authority

今の終点Sierra Madre Villaから,同じロサンゼルス郡サンガブリエル・
バレー(San Gabriel Valley)東部のアズサ(Azusa)までは,2010年開通が
計画され,そこからサンバーナーディーノ郡(San Bernardino County)に
入るモンクレア(Montclair)までは,2014年開通とみられています.
この延長区間は全長23マイル強(約38キロ)で,11億6千万ドルの予算が
投じられることになっています.

その計画に,モンクレア(Montclair)市のさらに東隣りにあるオンタリオ
(Ontario)市が参入し,市内の空港(Ontario International Airport /
ONT)まで延長したいという提案をしていたことが,昨年12月に明らかに
なりました.モンクレア市の駅予定地からオンタリオ国際空港ターミナル
までは,Google Earth測定で直線距離6マイル強(10キロ強)ほどです.

ゴールドラインのモンクレアまでの延長は,モンクレアの手前まで貨物
鉄道会社の線路用地があったため,WikipediaによればLACMTAは既に用地
取得を終えているそうです.しかし,オンタリオまで延長するとなると,
用地確保から手をつけなければなりません.
モンクレア予定駅は,機関車が牽引するコミューターレールMetrolinkの
サンバーナーディーノ線(San Bernardino Line)の駅がある場所です.
一方,オンタリオ空港はMetrolinkのリバーサイド線(Riverside Line)が
滑走路の南側を走っていますが,ターミナルは北側にありますし,サン
バーナーディーノ線と,その南を並行するように走るリバーサイド線の
両線を連絡する線路もありません.

苦難の道が予想されますが,ロサンゼルス国際空港(通称LAX)の混雑緩和
という目的もあり,ロサンゼルスの市長がゴールドラインのオンタリオ
空港までの延長計画を後押しすることを約束,延長区間の利用者数増加も
見込めるとみたサンバーナーディーノ郡は,1年から1年半かけて調査する
予算をつけることにしました.延長は決定ではありません.まずは調査
からです.
Foothill Extension計画は,最初は線路敷きのあったロサンゼルス郡の
クレアモント(Claremont)まででしたが,サンバーナーディノ郡の要請で
郡境を1マイル越え,モンクレアまで伸ばしていた経緯がありました.

オンタリオの市長が委員長を務める諮問委員会が発足されますが,構成
委員にはゴールドライン延長計画の当局や周辺地域はもちろんのこと,
LAXやONTを運営管理する当局(LAWA)も加わることになります.
LAWA: Los Angeles World Airports

オンタリオ空港は,3000m級と3500m級の2本の平行滑走路を持ち,国際
空港と名乗るだけあってメキシコへの定期航路がありますし,近距離だけ
ではなく,JetBlueがニューヨークJFK空港まで大陸横断の直行便を一日
一往復飛ばしています.
LAXとの間の便もあり,そちらは時刻表では所要40分前後です.Google
Earthの新機能でF16を飛ばすと,ONT(26L)離陸からLAX(25L)着陸まで5分
少々でした.気象条件や航空交通管制,騒音は一切無視しての話です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)

October 3, 2007 S.B. County to study rail line to Ontario airport
(The Press-Enterprise ニュースへのリンク)
October 4, 2007 LA Mayor Supports Gold Line to Airport
(Pasadena Independent ニュースへのリンク)
October 5, 2007 Ontario Airport monorail receives support
(Cheap flights ニュースへのリンク)
最後の記事タイトルにはモノレールとありますが,本文ではライトレール
になっています.

Metro Gold Line Foothill Extension Construction Authority公式サイト
Pasadena to Montclair 路線概略図: Station Site Update


Montclair to Ontario airport
リンク先のオリジナル表示位置は,ゴールドラインの現在の終点 Sierra
Madre Villaに設定してあります.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

LAゴールドライン関連 前回の紹介:
2007/5/13 ゴールドライン延伸工事が半ばに
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国南西部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月05日

【サンディエゴ】SPRINTER 12月開業も危い?

ロサンゼルスとサンディエゴの間にあるOceansideから内陸のEscondido
まで,約35キロの貨物鉄道線から転換された路線を走るライトレール,
SPRINTERの開業予定が,今年12月に迫っています.
ライトレールと言っても,2両編成のディーゼルカー(DMU)が30分間隔で
運転されるもので,米国ではLight railに分類されても他の地域では,
普通の鉄道の扱いでも不思議ではないかもしれません.
DMUは,ドイツ鉄道ではVT642形式として,またその他ヨーロッパで幅広く
採用されている,ドアの高さを575ミリに下げたシーメンス製のDesiroと
呼ばれるモデルです.

太平洋岸のOceansideでは,サンディエゴからのCOASTERと,LAからくる
Metrolinkに接続します.どちらもディーゼル機関車牽引による通勤列車
です.また,LAとサンディエゴ間を結ぶAmtrakのインターシティ列車,
Pacific Surfliner号もOceanside駅に停車しています.

開業には貨物線の軌道や踏切などの整備,途中に旅客駅を14か所新設する
などの工事が必要です.当初の計画ではもう開業しているはずでしたが,
2004年7月の時点で2年遅れが明らかにされ,その時点から2007年12月に
開業予定と言われ続けてきました.
12本発注しているDesiroの第一号は2006年ドイツから現地入りし,今年
8月にはレール敷設も完了していますが,早々に試運転を開始しなければ
12月開業が危ぶまれるなかで,まだ行われていない模様です.

今の問題は,内陸側の終点Escondido近くでの信号関係工事の遅れで,
信号関係のシステムバグを潰し終えたところで,今度は新たにレール面に
茶色いサビ状のミルスケール(mill scale)が見つかりました.
ミルスケールとは,鋼材の製造過程で空気中の酸素と反応して生成され,
表面に付着してしまう酸化物の被膜のことです.
これが,レールを流れる信号電気を減衰させて不具合を起こしていると
考えられました.列車の位置を検知して踏切警報機を作動させるのには,
信号電流がレールを伝わってきちんと流れる必要があります.
もっとも,ミルスケールをブラシでこすって除去しただけでは解決せず,
特殊な装置でミルスケールを落とすことにしているそうです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
October 4, 2007 Rail problem throws wrench in Sprinter testing
(North County Times ニュースへのリンク)

路線図などは,公式サイトで見ることができます.
NCTD: The SPRINTER: About the SPRINTER
2006年8月 Desiro到着時の模様: The SPRINTER Unveiling Event
(NCTD 公式サイトへのリンク)
NCTD: North County Transit District

投入される車両に関する一般情報は,シーメンスのサイトにあります.
Commuter and regional trains Desiro
(Siemens AG 公式サイトへのリンク)

SPRINTERの建設費は総額で4億8千万ドルです.NCTDの公式サイトなどを
見ると,2003年にFTAとFFGAを交わしたときは総額3億5150万ドルでした.
FTA: Federal Transit Administration
FFGA: Full Funding Grant Agreement
それが2006年6月の時点では4億4千万ドルになっていて,FTAの承認待ちと
なっていたようですが,更にそれから上がっている状況です.
また,利用予測は一日1万2千人とのことで,たとえその予測通りでも,
運賃収入では運行経費の25%も賄えないそうです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | 米国南西部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月04日

【オランダ】フランス企業のConnexxion買収

オランダで,路線バスなどを中心とする公共交通関を運営する同国最大の
会社が,ヨーロッパ第四の規模を目指すフランス第三の公共交通の請負い
会社に買収されることが決定的になりました.欧州委員会が計画を承認
した模様です.

オランダの会社はConnexxionで,路線バスのほかにも最近紹介していた
ユトレヒトのトラム(sneltram),アムステルダムの船(Openbaar vervoer
te water),同国内の一部の鉄道(Valleilijnなど)も運営しています.

フランスの会社はTransdevで,同国第三位の公共交通請負い会社です.
国内でトラムの走る街では,ナント,グルノーブル,ストラスブール,
モンペリエ,オルレアン,ミュルーズ,ヴァレンシアンヌ,ランス(現在
建設中)などの公共交通を担っています.トラム運営に強く,フランス
国外でもこれまでに英国,スペイン,ポルトガル,オーストラリアにも
勢力を伸ばしていました.

今年6月末には,Connexxionの株はTransdevと銀行(Bank Nederlandse
Gemeenten)に,三分の二が2億2500万ユーロで買い取られていたことが
明らかにされていました.残りもいずれ全て買収されますが,吸収は欧州
委員会が承認するかどうかにかかっていたようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
ブリュッセル発ANPとして,オランダ向けの報道などがありました.
3 oktober 2007 Franse Transdev mag Connexxion overnemen
(Metro Nederland ニュースへのリンク)
ANP: Algemeen Nederlands Persbureau
02-07-2007 Connexxion verkocht aan Fransen
(z24 ニュースへのリンク)

z24の記事には,Connexxion側はこの併合で,ドイツや北欧の大都市へ
触手を伸ばせるようになると考えているように読める部分があります.

Connexxionが運営するユトレヒトのトラム
Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けます
Sneltram at "24 oktoberplein zuid" in Utrecht
by Reinout van Rees (flickr)
Sneltram at 24 oktoberplein zuid in Utrecht
Taken on May 29, 2007

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ベネルクス このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月03日

【ドイツ】2007/10/02 路面電車の車両関連3題

10月2日は,ドイツで路面電車車両に関する話題が3つありました.

一つ目は,マンハイム(Mannheim)やハイデルベルク(Heidelberg)などを
含むラインネッカー地域のRNVから,ボンバルディアが部分低床車19本を
追加受注したと発表したことです.
RNV: Rhein-Neckar-Verkehr

追加というのは,Bombardier DWAと当時のAdtranzが,共同で1998年に
OEGなどのRNVを構成する4社から受注した,部分低床車36本のオプション
扱いになるからのようです.
OEG: Oberrheinische Eisenbahn Gesellschaft
2004年にも16本が追加されていて,同じタイプの部分低床車Variobahnが
現在RNVには52本在籍しているそうです.同じバリオバーンでも,100%
低床タイプはAdtranzからStadler Railに引き継がれましたが,部分低床
タイプはボンバルディア(Bombardier)が受け継ぎました.

2007年発注分19本の契約額は5200万ユーロで,2009年7月から納入開始,
2010年5月までに全車完納させることになっています.
ちなみに2004年発注分は16本で3400万ユーロ,2006年9月から2007年5月
までに納入されることになっていました.

車両はザクセン州バウツェン(Bautzen)の同社工場で製造されますが,
電製品はマンハイム工場で,台車はノルトライン=ヴェストファーレン州
ジーゲン(Siegen)の工場で製作されます.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
公式発表: October 02, 2007 Additional Low-Floor Trams For Rhine-
Neckar Region

(Bombardier プレスリリース英語版へのリンク)
ドイツでの報道: 02.10.2007 HUGIN NEWS/ZUSÄTZLICHE NIEDERFLUR-
STRASSENBAHNEN FÜR RHEIN-NECKAR-REGION

(Frankfurter Allgemeine Zeitung ニュースへのリンク)

二つ目の話題は,ベルリンのBVGがポーランドのシュチェチンにタトラを
再び売却した話です.
BVG: Berliner Verkehrsbetriebe

バルト海にほど近いシュチェチン(Szczecin / Stettin)の交通事業者が,
BVGから東独時代の旧型車両TatraのT6A2modタイプを,30本350万ユーロで
購入したという記事がありました.BVGからの買い物は初めてではなく,
KT4D-t modタイプ20本も昨年購入していたそうです.
2. Oktober 2007 BVG verkauft gebrauchte Straßenbahnen nach Stettin
(Berliner Morgenpost ニュースへのリンク)
T6A2タイプはベルリンには1988年から導入され,modは近代化改装済みの
意味ですが,全車に施されていました.

最後は,直接は車両に関係ない話ですが,バイエルン州北部のフランケン
地方にある人口約13万強の街,ヴュルツブルク(Würzburg)からです.

ヴュルツブルクで5系統42キロの路面電車網と路線バスを運行するWSBを
子会社に持つWVVは,地球温暖化防止に貢献するため,10/01からWSBの
運行する市電を,再生可能エネルギーで走らせると発表しました.
WSB: Würzburger Straßenbahn GmbH
WVV: Würzburger Versorgungs- und Verkehrsgesellschaft mbH

電力は,Heizkraftwerkから受けることになります.これは,熱と電気の
両方(CHP)を供給する発電所のことで,熱併給発電所とも呼ばれます.
CHP: combined heat and power
ヴュルツブルクでは,2009年から電気供給の80%を,このHeizkraftwerk,
熱電併給(コ・ジェネレーション)型の発電所で賄うことにしています.
また,電車ならではの回生ブレーキも貢献です.これで年間に節約できる
210万キロワットは,636世帯の年間消費電力に匹敵するそうです.
02.10.2007 Klimaneutrale Straßenbahn fährt in Würzburg
(life PR へのリンク)
車体横に,Ein feiner Zug: Würzburg's erste CO2-freie Straßenbahn
WVVとペイントされた低床車257号車の画像へのリンクが,このページから
張られています.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ I このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月02日

【ノーフォーク】資金調達目処がたち着工へ

3年に及ぶ審査の末,バージニア州ノーフォーク市(Norfolk)で計画されて
いるライトレールThe Tideは,2億3210万ドルと見積もられている予算の
うち,55%に及ぶ1億2790万ドルを,連邦の補助金プログラムNew Startsに
より得られることが正式に決まりました.
9/29までの連邦議会の60日間にわたるレビュー期間の間に,何も異議が
出なかったことを受けての手続き終了で,10/01に市と州,連邦機関FTA
との間で助成金契約(FFGA)が交わされた模様です.
FTA: Federal Transit Administration
FFGA: Full Funding Grant Agreement

残りは,連邦から別の補助金制度(STP)で3830万ドルとその他100万ドル,
地元負担はノーフォーク市(City of Norfolk)3300万ドル,バージニア州
(Commonwealth of Virginia)3190万ドルです.
STP: Federal Surface Transportation Program

これで計画は大きく前進し,11月中には着工される見通しとなりました.
ただ,今後の計画変更などで2億3210万ドルを超える分は,市の負担に
なります.例えば,建設に際して道路を掘り返しますが,図面に載って
いないパイプ類が出て工事が遅れたり,駅の設置場所などに反対している
グループとの調整で設計変更の可能性もあります.これらにより経費が
かさんでも,超過分はノーフォーク市が出すことになっています.

工事が順調に進めば2010年前半の開業が予定されて,使われなくなった
貨物線の跡地を利用した7.4マイル(11.9キロ)の路線を,一日7130人から
11400人が利用するものと予測されています.
しかし,これはスターター路線と呼ばれているように第一歩に過ぎず,
更なる路線拡張が検討されています.
FTAの試算によれば,ノーフォーク市内の他の場所や隣接地域への延伸が
目標になり,オールド・ドミニオン大学(ODU)や,その先にある海軍基地
(Naval Station Norfolk),別の方向では空港(Norfolk International
Airport / ORF)などが目的地として,現在考えられています.
ODU: Old Dominion University

車両はシーメンス製の部分低床車(Avanto)で,購入はノースカロライナ州
シャーロットで11月下旬にも開業する予定のライトレールLYNXとの抱き
合わせ(piggybacking)とすることが先週決まっていて,予備品まで入れた
購入価格は,9本で3600万ドルとされています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
September 30, 2007 Norfolk's light rail gets the green light
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)
October 1, 2007 Funding gets Norfolk light rail on track
(WVEC Norfolk ニュースへのリンク)

The Tideというライトレールの名称は,今年6月に決まりました.
公式サイト トップページ: The Tide Light Rail
計画概要と地図: Project Overview
資金調達関係: Funding and Next Steps
(Hampton Roads Transit 公式サイトへのリンク)

こちらにも路線図がありますが,なかなか繋がらないかも.
Interactive: Animated map of Norfolk's light rail
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)

車両の共同購入で話が出たついでになりますが,シャーロットのライト
レールLYNXは,11/26の正式開業前に11/24と11/25の土日は無料開放する
ことが検討されているようです.まだ決まったわけではありません.
ちなみに11/24には,フランスのニースでもトラムが開業する予定です.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

【ノーフォーク】関連 過去ログ:
2006/9/04 LRT計画のFTA認可が間近に
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(3) | 米国南東部 このエントリーを含むはてなブックマーク

2007年10月01日

【ムルシア】【テネリフェ】路線網拡張へ

今年第二四半期に路面電車を新規開業させたスペインの2つの街が,9月に
相次いで路線網拡大を発表していました.

一つ目は,スペイン南東部で人口が42万超のムルシア(Murcia)です.
5月に約2キロのトラム(tranvía)試験路線の旅客運行を開始,9月末までの
累積利用者数は,37万人にまであと30人に迫るところまで伸びました.
この試験路線は,将来4つの路線が計画されているうちの,1号線の区間
ゼロ(Tramo 0)にあたります.2年後の2009年9月末までは運賃無料です.

そのムルシアでは9月中旬,市長が路線計画の詳細を発表しました.当時
メディアは連日のように取り上げ,公式サイトも概要を掲載しています.
それらによれば,東西南北の各方面1本ずつの計4路線が計画され,現在の
実験線を取り込む1号線(グリーンライン)は,北へ伸びる路線になり,
順調に運べば1年後の2008年秋には,1号線の新設区間12キロが着工される
ことになります.完成まで工事は2年を要すそうです.

1号線(グリーンライン)は北を上にしたY字型で,北西の路線は2つの大学
(UCAMとUMU)へ向かい,東側の北端は2006年に完成したサッカーの試合
などが行われるスタジアム(Estadio Nueva Condomina)が終点です.
南端はRENFEのムルシア駅に到達し,そこで他の市電3路線やバスと接続
することになるようです.
UCAM: Universidad Católica San Antonio
UMU: Universidad de Murcia
RENFE: Red Nacional de los Ferrocarriles Españoles

他の3線は,南へ向かう2号線(ブルーライン),東へ向かう3号線(イエロー
ライン),西へ向かう4号線(レッドライン)で,2008年初めにも行政上の
手続きが開始される予定とか.
今の実験線がすぐ近くまできているサークル広場(Plaza Circular)と,
RENFEのムルシア駅の2か所は,市電同士の乗換え場所になるだけでなく,
市電開通と同時に再編される路線バス網との結節点になります.

ムルシアは,環境にやさしいモデル都市(modelo de ciudad sostenible)
を目指していて,この路面電車網の構築は,トラム革命(La revolución
del tranvía)と書いている記事があるほどですが,道路の整備や,地下
駐車場,自転車専用道の設置などを含めた総合的な構想の一環です.

区間や方法は明らかにされていませんが,街中では架線を表面的にする
(superficial)という表現があります.景観への影響を軽減して,新たな
境界や障害を作り出さないためとしていますので,以前から話の出ていた
架線レスにするということかもしれません.superficialは表向きという
意味もありますが,地表集電方式のAPSなら通じるものがありますし,
実用化されているボルドーへ,ムルシアから視察団が訪れていました.
APS: Alimentation par le sol

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
計画概要(4線の全体像): El Proyecto
トラム1号線: Línea 1 Paradas del Tramo 0
(Tranvimur 公式サイトへのリンク)

20.09.2007 El tranvía pasará por el hospital Reina Sofía en lugar
de por Gran Vía para ir al Carmen

(20minutos.es ニュースへのリンク)
21 de Septiembre de 2007 Cámara revolucionará el transporte
público para reducir el tráfico urbano

(El Faro Murcia ニュースへのリンク)

ムルシアでは,公共交通を利用している人は15.7%しかいないという調査
結果があります.似たような都市構造のグラナダでは,広域圏でも23%,
都市部だけなら30%が利用していて,ムルシアでは公共交通の地位が低い
ことが伺えます.
ムルシアで公共交通が利用率が低いのは,公共交通を使うと自家用車より
移動に倍の時間が掛かると考えているからとみられていて,その他の調査
結果などは,下記で紹介されています.
27 SEP Los murcianos creen que si usan el transporte público
tardan el doble que si van en su coche

(La Verdad ニュースへのリンク)
これによれば,他に移動の選択肢を持たないキャプティブ・ライダーが,
公共交通利用者の81%以上を占めています.

下はPlaza Circular近くにあるゼロ区間(Tramo 0)の起点で,公式サイト
には停留所1(Parada 1)となっている場所です.ここは単線で用地は確保
されているものの,片側は芝生のみが敷かれ線路は未敷設です.
やしの木の向こうには水道局の駐車場があり,その奥の水道局の建物の
向こう側がPlaza Circularです.
tranvimur2.jpg tranvimur01.jpg

本線は全線複線ですが,両端の停留所は単線です.下は試験線=ゼロ区間
(Tramo 0)の郊外側の終点で,停留所4(Parada 4)とされている場所です.
やはり片側は芝生だけで,奥には車庫が見えています.
tranvimur03.jpg

ムルシア関連 過去ログリスト:
2007/8/30 【スペイン】2007年8月トラム関連小ネタ集
2007/4/30 トラム営業開始は5/02から
2007/4/22 開業イベントで4/29レース実施
2007/2/25 市電実験線に2本目が3月到着
2007/1/17 市内でシタディス展示中
2006/11/28 架線レスをAPSで導入を検討中
2006/9/15 2年半は運賃無料の市電10月着工

一方,ムルシアから1か月遅れて6月に旅客営業を開始した,カナリア諸島
テネリフェ(Tenerife)では,今の1号線(12.5キロ)の次に,2号線を2008年
初めにも着工し,2009年5月に開業させる予定であることが明らかになり
ました.

2号線は,1号線と一部で軌道を共有する全長3.6キロ強の路線ですが,
重複部分を除く新たに建設される区間は2キロ強になる模様で,6本が追加
される100%低床車購入を含む投資は,5446万ユーロと報じられており,
開業初年度には一日5千人以上の利用があると予測されています.

多くの報道がありましたが,地図の載っている記事を紹介しておきます.
28 de septiembre de 2007 La Línea 2 del Tranvía entrará en
funcionamiento en mayo de 2009

(Canarias 24 horas ニュースへのリンク)
29 de septiembre de 2007 El tranvía La Cuesta-Tíncer entrará en
funcionamiento en mayo de 2009

(Diario de Avisos ニュースへのリンク)

スペイン開業情報:
セビリャ(Sevilla)の市電メトロセントロ(Metro_Centro)は,この数日の
うちに営業を開始しそうです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

テネリフェ関連 過去ログリスト:
2007/7/19 40日間で百万人輸送達成
2007/6/03 ライトレール 6/02開業
2007/4/05 週末終夜運転と開業は6月に?
2007/3/19 車両基地操業開始で開業近づく
2006/12/28 【芝生軌道】テネリフェ島でも採用される
2006/11/23 スペイン国王LRTに初乗車
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(3) | スペイン語圏 I このエントリーを含むはてなブックマーク
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。