2007年11月30日

【ウィーン】ULF二次車が58番と62番に登場

すでにドイツ語の路面電車関連の掲示板などで,その勇姿をご覧のかたも
おいでと思われますが,ウィーンご自慢の超低床車ULFの第二次車が,
ようやく今週から営業運行に就いた模様です.投入路線は,西部に向かう
58番と62番で,5車体の短いほうの車両がデビューしています.
ULF: Ultra Low Floor

週の半分が過ぎていますが,ウィーン市からの公式発表があり,それを
受けて各メディアが記事を出していました.
2007年1月に第一号車両が公開された際に,第二次車の特徴を紹介して
いますので,ご参照いただくとして,外観では先頭部の屋根にあるヘッド
ライトの形状が多少異なるだけで,ほとんど見分けがつきません.見た目
での違いは車内にあります.その他にもエアコン付きであることなどが,
各紙の記事では強調されていました.

今年は19本が投入され,今後は年間15本から20本程度で2014年まで増備が
続きます.最終的には第一次車両とあわせてULFは300本の大所帯になる
予定です.第二次車152本は2004年にシーメンス社と契約が交わされ,
総額は3億5700万ユーロで,1本あたりでは車両長さが24m(5車体)と短い
Aタイプが210万ユーロ,同35m(7車体)の長いBタイプは270万ユーロとの
ことです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
29.11.2007 Brauner: Grünes Licht für neue ULF-Garnituren
(Stadt Wien 公式サイトへのリンク)

29.11.2007 Klima-Straßenbahnen nehmen Betrieb auf
(Kurier ニュースへのリンク)
29 November 2007 Klimatisierte ULF-Straßenbahnen erstmals unterwegs
APAの記事 (derStandard.at ニュースへのリンク)

関連過去ログ:
2007/10/26 ULF二次車とU6向けT1の話題ほか
2007/1/19 エアコンつきULF2次車を公開

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【Sound Transit】2008年秋にも再挑戦?

先日ライトレールが開通したシャーロットでは,その後の路線拡張に必要
となる財源を存続するか否かでは,7割近い存続賛成票が集まりました.
スイスのチューリッヒでは,トラム新線への公金投入の是非を問う州の
住民投票でも,やはり7割近い賛成票が投じられました.チューリッヒ市
に限ってみれば,75%という割合です.

これに対して,シアトルを中心とするピュージェット(Puget Sound)地域
内の3つの郡,キング郡(King County),ピアース郡(Pierce County),
スノホミッシュ郡(Snohomish County)では,Sound Transitが策定した
ライトレール第二期路線などを含む公共交通整備計画(Sound Transit 2)
と,車線追加などの道路整備を抱き合わせたRoads and Transit案が,
11/06実施の住民投票で反対多数(56%)により否決されていました.

投票後に行われた聞き取り調査の結果が,このほどSound Transitから
発表されています.

反対票を投じた人の理由は,やはり費用が掛かり過ぎる,税金が上がる
というものが大きな割合を占めました.しかし,その三分の二は,実際に
どれだけ費用が掛かるものなのか,増税がどれほどかを把握していない
という状況も明らかにされています.
費用に関しては,2006年の見積もりで純粋に建設費だけで180億ドル,
これに今後20年間のインフレーションを加味し,さらに金利などを加えて
いくと,最終的には470億ドルになりますが,この数字一つをとっても,
インフレ後の金額はシアトルPI紙が280億ドルと記事に載せているのに
対して,シアトルタイムス紙は380億ドルと書いています.

はっきりしたことは,Roads and Transit案(2007年 Proposition #1)は,
計画が巨大になり過ぎ,コストが掛かり過ぎ,複雑になり過ぎたという
ことでした.

2006年にワシントン州の立法者が,道路の計画と公共交通の計画を抱き
合わせにしようとした際,Sound Transitの行った調査では,この戦略は
うまくいくはずとみられていました.
そもそも抱き合わせにしたのは,道路建設賛成派と,鉄道整備賛成の環境
派との間の争いを収束させるためだったそうです.

残念ながら思惑通りに運ばず,この戦略は結果的に失敗に終わります.
出口調査でも明らかにされている通り,Sound Transitの公共交通整備
計画だけだったら,過半数が賛成したと数字は示しました.

Sound Transitでは,2008年の大統領選挙と同時に行われる住民投票で
再チャレンジすべきか,それとも,この地域最初のライトレールが開通
した後の2010年に実施すべきか,検討が重ねられていくことになります.

調査結果の詳細は,下記記事で紹介しています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 28, 2007 Roads-and-transit package too big and too
pricey, voters feared

(Seattle Post-Intelligencer ニュースへのリンク)
November 29, 2007 Prop. 1 too big, costly to pass, survey finds
(Seattle Times ニュースへのリンク)

スノホミッシュ郡からの視点で書かれた記事もあります.
春先までは問題なさそうだった有権者の反応が変わったのは,石油価格の
高騰や住宅ローン問題など,全米経済を揺るがしている不安材料だけでは
なく,この地域固有の問題として,ボーイング社の新型機完成遅れなど
まで指摘する声を紹介しています.
November 29, 2007 A Sound Transit do-over?
(HeraldNet ニュースへのリンク)
再挑戦が大統領選と同時なら,公共交通には有利なのだとか.

Roads and Transit(Proposition #1)関連過去ログ(2007年分):
2007/11/09 【Roads and Transit】出口調査結果明らかに
2007/9/28 キング郡トップが反対
2007/8/27 マリナーズなどが賛成
Sound Transit 2 関連過去ログ:
2007/4/28 【Sound Transit】ST2最終案まとまり投票へ
2007/1/15 【Sound Transit】投票に向け計画煮詰まる

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2007年11月28日

【シャーロット】週末二日で十万人が体験

南仏ニースから大西洋を挟んで約7300キロ隔てた米国南東部シャーロット
でも,同じ日にライトレールLYNX Blue Lineが開業していました.
土日には運賃無料で開放され,月曜からは通貨単位こそ異なりますが,
1.30ドル(ニースはユーロ)の運賃が必要になるところまで同じです.
時差は6時間で,ニースで一般客を乗せ始めた14時は,シャーロットでは
まだ朝8時で,旅客運転はニースのほうが2時間だけ早かったようです.

シャーロットでも,1938年までは路面電車が市内を走っていたそうです.
その後,1998年にはトロリーとして僅かな距離を観光や学習向けとして
復活させていますが,通勤客を対象として道路混雑緩和に役立てようと
する鉄道が復活するまで,70年近く間が空いてしまいました.

開業初日の11/24(土曜)には,最初の4時間(10時から14時まで)だけでも
約3万4千人が乗車,その数字は19時には6万人を超えるまで膨れ上がって
いきます.これは,76のバス路線網を持つCATS全体の平日一日平均利用者
数(6万5千強)にも匹敵する人数でした.
LYNX Blue Lineの輸送力は一日2万5千人とのことですので,当然各駅で
積み残しが発生しました.CATSでは急遽,バスを仕立てて輸送にあたら
なくてはならなかったそうです.
CATS: Charlotte Area Transit System

翌日11/25(日曜)には,前日同様の人が出ると見越し,16本の電車のうち
15本を投入しました.物見遊山の乗客が多少減ったこともあり,11/24の
ような混乱には至らず,9時から18時までで4万人余が乗車しました.
この日13時以降の約半数は,アメリカンフットボールの観戦客(Panthers
ファン)で占められた模様です.
ライトレールLYNX Blue Lineの走るシャーロットには,市内だけで66万
以上の人が暮らしますが,週末の二日間で約10万人が,この地域の新しい
乗り物を体験したことになります.

11/26(月曜)からは運賃が必要です.南端駅を出発した電車の車内では,
8時過ぎには五名在籍の切符検査員のうち一人が,車内改札を早速始めた
そうです.しかし,午後になってCATSが,この日はせいぜい5000人の利用
との見込みを発表,利用予測は初年で平日平均9100人であることから,
各メディアは通勤初日は低迷というようなタイトルで報じました.2025年
までには同18100人の輸送を目指しています.

沿線にパークアンドライドは7か所あり,合計3500台を収容できますが,
営業開始初日となる11/26(月曜)には,朝のラッシュが終わった時点で
収容台数の七分の一に相当する500台程度しか,車が駐車していなかった
そうです.今の段階では路線バスから乗客が移行しただけで,車から通勤
手段を切替えたチョイス・ライダーは,少数に留まっています.

ライトレール駅まで自動車でやってきて,そこに車を置いて電車に乗り
換えると,どうしても時間的には長くなりますが,街中に駐車するより
安上がりで,高騰するガソリン代も多少浮く上に,渋滞にも巻き込まれ
ない利点が浸透してくれればと,CATSは期待しているようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
週末に開放された運転初日の様子が伺える画像があります.
Slideshow: First day of light rail 11.24.07
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
Charlotte - First Lightrail Line Opened Today - #1, #9
(SkyscraperCity フォーラムへのリンク)

路線図,その他の公式案内:
Riding LYNX (CATS 公式サイトへのリンク)

それぞれの時点で鍵となる記事を,古い順に並べてみました.
November 24, 2007 Heavy Delays Don't Phase LYNX Fans
(WSOC-TV Channel 9 Charlotte ニュースへのリンク)
Nov. 25, 2007 Light rail, heavy traffic
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
November 25, 2007 LYNX Has Foggy First Weekday Ride
(WSOC-TV Channel 9 Charlotte ニュースへのリンク)
Nov. 25, 2007 Smaller crowds on light rail's 2nd day
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
Nov. 26, 2007 For CATS, playtime is over
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
November 26, 2007 Plan In Place To Keep Light Rail Riders' Cars
Protected
(WSOC-TV Channel 9 Charlotte ニュースへのリンク)
11/27/07 Light rail finds fewer riders willing to pay
(Rock Hill Herald ニュースへのリンク)

シャーロットのライトレール関連過去ログ:
2007/11/21 交通税賛成多数の分析出る
2007/11/07 【交通税】LRT関連の投票結果は明暗分ける
2007/10/22 開業前でもLYNXに経済効果
2007/8/24 トランジット税の是非
2007/7/30 ライトレール開業11/26に

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2007年11月27日

【ニース】トラム開業二日で18万人が体験

当初予定より遅れて工事に4年を要し,色々と問題にまみれながらも,
ニースで最新鋭のトラムが走り始めました.
あいにくの雨模様のなか土曜(11/24)は14時から23時まで,日曜(11/25)は
8時から19時まで,無料で乗車できました.この正味一日半の間に約18万
もの人がトラムを体験乗車したのだとか.これはニース市の人口の半分
以上に相当します.
月曜(11/26)からは,いよいよ始発電車から営業開始ですが,ニースでは
1953年まで路面電車が走っていたそうで,60年余りの歳月を経て復活した
ことにもなります.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
PDFファイル版の路線図がダウンロードできるページ: PLAN TRAMWAY
Horaires (時刻表): Ligne T1: Las Planas - Pont Michel
(Ligne d'azur 公式サイトへのリンク)

Place Massénaでの開業式の様子は,市のサイトで公開されています.
静止画像集: Photos de l'inauguration du tramway
映像: L'inauguration du tramway en vidéo
(Mairie de Nice 公式サイトへのリンク)

土曜の9時間では8万人,日曜の11時間では10万人が乗車したとのCANCAの
公式発表:
26/11/2007 Dimanche 25 novembre 2007 : Mise en service du tramway
Nice Côte d'Azur, les premiers chiffres

(CANCA 公式サイトへのリンク)

膨大な数の記事が出ました.ほんのさわりだけ.
26.11.2007 180 000 testeten die Tram
ドイツ語の記事 (Riveria Côte-d'Azur-Zeitung ニュースへのリンク)
24/11/07 Nice inaugure sa première ligne de tramway
AFPの記事 (France24 ニュースへのリンク)
開業を伝えるなかでもデータ関係に詳しい記事:
23/11/2007 Nice inaugure son tramway
(Batiactu ニュースへのリンク)
CANCAが金曜に開業宣言したとアルストムが発表したことを伝える記事:
241107 Aujourd'hui inauguration du tramway de Nice pour une
valeur de 57 millions d'euros

(PACA Informations Économiques ニュースへのリンク)

昔のトラムが写った写真を道路の幅にまで大きく拡大し,撮影されたのと
同じ場所に貼り付け,その紙製の写真の壁を,非常時以外は滅多に見られ
ない2本連結のシタディスが突き破って,マッセナ広場(Place Masséna)に
踊り出た瞬間,紙吹雪が空高く吹き上げられ,見守っていた市民が一斉に
拍手で迎えた様子などは,投稿映像サイトでも見ることができます.
From: Touffie Inauguration Du Tramway De Nice Le 24/11/2007
From: bsgp06 inauguration du tramway de nice
これからの季節は,イルミネーションも見応えがありそうです.
From: Phinou06 Nice : Inauguration Tram et Illuminations
(YouTube へのリンク)

途中二か所で架線を張らずにバッテリーからの給電で走る区間を含む,
全長約8.7キロからなる第一期区間の建設費は4億7百万ユーロ,そのうち
八割以上に相当する3億3300万ユーロは,計画が持ち上がった時点では
まだ存在せず,その後に結成されたニース周辺24の市町村から構成される
共同体に相当するCANCAが,負担しています.
CANCA: Communauté d'Agglomération Nice Côte d'Azur
投資額については,4億2300万ユーロという数字もあります.

人口50万余を擁するCANCAは,9名以上の従業員を雇用する企業から公共
交通整備のため徴収する税金で,この負担を賄いました.フランス他都市
でも見られる,Versement transportです.
残りは国が2800万ユーロ,プロヴァンス=アルプ=コートダジュール地域圏
(Provence Alpes Côte d'Azur)の地方議会PACAが1700万ユーロ,アルプ=
マリティーム県(Alpes-Maritimes)の一般議会(Conseil général)が2900万
ユーロという形で分担しました.
PACA: Conseil régional Provence Alpes Côte d'Azur

今年7月マルセイユのトラム開業式典には足を運んでいた大統領は,今回
ニースへはやって来ませんでした.ルマンのケースと異なり国の負担割合
とは無関係に思われますが,ニースも大統領不在の中での開業でした.

ニース市長にとっては,来年3月の市長選での三選に向け,トラム開業は
有権者に大いにアピールしたいところです.しかし,前回までの調査では
優位にたつ対立候補のアルプ=マリティーム県議会の議長(海外領土の国務
長官兼務)も,開業式に参列して顔をあわせることに.

その他に,開業に先立ち報じられた中で,目に付いた内容をいくつか紹介
します.

ファッション誌Le Figaro Madameオンライン版は,トラム沿線に216もの
コンテンポラリーアートの作品があり,オープンエアの美術館のようだと
紹介しています.11/30から金曜の夜にはトラムに乗って見て回るガイド
ツアーも催行されるとか.夜出発というのは,多くの作品が色鮮やかに
光るからです.どこにどのような作品があるかは,下記CANCAのページで
紹介されています.

沿線はコンテポラリーアートの宝庫で美術館のようだと紹介する記事:
21.11.2007 Nice expose l'art à ciel ouvert
(Le Figaro Madame へのリンク)

展示物の内容は,次のページで紹介されています.
L'Art dans la Ville avec le Tramway Nice Côte d'Azu
(Mairie de Nice 公式サイトへのリンク)
CANCA 2007, le tramway transporte l'art dans la ville
(CANCA 公式サイトへのリンク)

一部は,こちらで映像を見ることができます.撮影はトラム開業前でも,
試運転で電車は夜も走っていました.
nº25 Inauguration des oeuvres d'art av.J. Médecin
nº24 Inauguration des oeuvres d'art sur le parcours du tramway
(Whebdo TV へのリンク)

SNCFなど鉄道のストライキが続いていた最中,11/20には一般の公務員も
一日ストライキに突入したことは,日本でも報じられていました.
ニースでは,Veolia Transport(旧Connex)傘下のST2N所属の運転士らが
ストライキを決行し,開業前でも営業ダイヤ通りに運転していた試運転
に,多少支障が出た模様です.Veolia Transportは私企業ですが,ストは
組合の関係のようです.
20/11/2007 Première grève du tramway de Nice... avant sa mise en
service!
(Le Post ニュースへのリンク) AFPの記事
この日はモンペリエやボルドー,ナントなどでもトラムの一部運転士が
ストに入りましたが,大きな影響が出たとは報じられていません.

来春の市長選に触れましたが,選挙戦はすでに始まっていて,その関係
からか,よく判りませんが,市長は助役9名の任を先週解いたそうです.
その中に交通関係担当助役も含まれていて,ニース市役所内でのトラム
計画の中心人物的存在だっただけに,開業まであと数日という時点での
解任に,記事は皮肉(ironie)という言葉を使っていました.

このトラムも,ニースの交通問題を解消する切り札にはならない,との
見方が一般的とも受け取れる記事も見受けられます.
パークアンドライドの設備は,トラムウェイ沿線3か所に一千台分以上が
設けられますが,そのうち2か所は2008年以降になります.
それでも,車両基地のあるLas Planasには,765台を収容する駐車場が
開業と同時に利用可能になりました.高速道路A8号線(Autoroute A8)とも
直結して利用が期待されていますが,問題はそこに車を置いてトラムに
乗換えてくれるかどうかのようです.この土日の無料お試し期間中には,
平均400人がパークアンドライドを利用したとか.
利用にはトラム往復乗車を前提に2.60ユーロか一日乗車券(4ユーロ)や,
その他のパス類が必要で,片道1.30ユーロの購入だけでは,車を駐車場
から出せないようです.

営業開始となる月曜(11/26)の様子を伝える記事がないか探していました
が,アップロードの時点までには見つけられませんでした.

【ニース】関連 最近の過去ログ:
2007/11/10 【フランス】2007年11月トラム開通ラッシュ
2007/7/22 バッテリー区間でも試運転開始
2007/3/27 新生トラム架線下走行始める

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2007年11月24日

【TVR】製造中止から一転して第二世代製作か?

SNCFやRATPのスト中止が決まり,徐々に先週から混乱が続いた交通機関が
平常に戻りつつあるフランスでは,この週末ニースでトラムが復活して
います.その話題は後日のお楽しみとして,こんな話題がありました.

フランスだけに存在するゴムタイヤ式トラムのTVR.
もう一つのゴムタイヤ式トラムのトランスロールは,フランス生まれには
違いありませんが,イタリアを中心に導入されつつあり,遠く中国での
実績もあります.
それに対してTVRは,フランスの2か所だけに留まっていました.メーカー
であるボンバルディア(Bombardier)は,この春に製造終了を宣言していた
そうです.

導入していたのはカーン(Caen)とナンシー(Nancy)です.カーンではTVRを
トラムとして導入している路線の利用が好調で,路線延長などを検討して
いるところでした.一方,ナンシーでは増設する路線は光学ガイド装置を
備えた専用レーンを走るトロリーバスを導入することに傾きつつあると,
今夏報道されていました.

製造中止に困ったのはカーンです.9月に通知を受け,ボンバルディアに
対応を求めていました.その返事が今月戻ってきたらしく,最低20本の
発注があれば,TVRは製造中止ですが,それに代わる代替車両を製造する
というものでした.代わりとなる車両がどのようなものになるかは明らか
ではないものの,改良を施した第二世代TVRと考えられている模様です.
費用がどれくらいになるかも,現時点では不明です.

ナンシーがトラム2号線以降ではトロリーバスを走らせることを検討し,
現在TVRを投入しているトラム1号線を転換する可能性もあるとのことで,
カーンはナンシーにTVRを譲渡してくれないかと申し出たこともあった
そうですが,ナンシーはこれを断っていました.
今月ナンシーの関係者は,トロリーバスの視察目的でルーアン,リヨン,
ジュネーブなどを訪れています.しかし,ボンバルディアが新生TVRを
カーン向けに製造することになれば,何か動きがあるかもしれないという
見方もあるようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
22 novembre 2007 Le TVR abandonné par Bombardier ? Pas si sûr
Ouest-Franceの記事 (Caen.maville.com ニュースへのリンク)

TVR関連 過去ログ:
2006/8/07【ナンシー】TVR 今度はモーター落とす
2005/9/23 【ナンシー】ゴムタイヤトラム問題が決着

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2007年11月23日

【オストラヴァ】最強出力のトラム?

チェコのオストラヴァ(Ostrava)に,チェコで一番長い路面電車が走って
います.その長さ31.2mは,プラハを走るポルシェデザインのシュコダ
(Škoda)製14 Tモデルの30.25mをわずかに上回りますし,基準が異なる
かもしれませんが,プラハのは300名未満の定員に対し,オストラヴァの
車両は最大329名です.さらに特筆すべきは,電動機の出力が720kWもある
ことです.これは14Tより220kWも大きい数値だとか.
(別資料によれば14Tは6x90kW)

今回そのオストラヴァの車両の記事が,チェコの英語新聞に掲載されて
いました.それによれば,オストラヴァの路面電車などを運行するDPO
では,これをギネスブックに掲載させたいと考えているそうです.
DPO: Dopravní podnik Ostrava

その中でDPOの担当者は,長さでは45mのドレスデンの車両にかなわない
ものの,出力720kWは,それにも負けていないと自慢していました.
価格は4300万チェコ・コルナ(約160万ユーロ)で,6000万チェコ・コルナ
(約224万ユーロ)するプラハの14Tと比較して,価格面でも優位であると
紹介され,低価格で多くの旅客を輸送できることを利点にあげています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
20 November 2007 Longest Czech tram launched in Ostrava
ČTKの記事: (Prague Daily Monitor ニュースへのリンク)
ČTK: Česká tisková kancelář (Czech News Agency)

一般紙のため車両形式は載っていませんが,VarioLF3のことでしょう.
Tramvaj VarioLF3 (英語版ページ)
(Pragoimex a.s 公式サイトへのリンク)
Gallery / Referencesのタブをクリックすると画像を見られます.
3車体連接4台車の車両で,レール面からの高さ350mmの低床化率は50%は,
シュコーダ14 Tモデルと同じ低床化率ですが,向こうは5車体3台車です.
Škoda 14 T (ŠKODA TRANSPORTATION s.r.o. 公式サイトへのリンク)

Vario LF3は,新造が可能であることはもちろんのこと,タトラT3からの
改造も可能なようです.現在オストラヴァに2本(車両番号1601と1602)が
在籍しています.
1401という車両もありますが,こちらは3車体のVario LF3としてデビュー
した後,1601誕生時に中間車体を抜き取られ,2車体のVario LF2として
活躍している模様です.LF2は低床化率43%,出力540kWとなっています.

チェコのオストラバと言えば,前述のDPOと共同で2001年に設立された
Inekon GroupのInekon Trams(当時はInekon DPO)が,DPOの全株をInekon
Groupが買い取った後も,本社を構えているところです.
最近も,米国ポートランド向けやワシントンDC向けの車両が,渡米前に
市内路線を試験走行したようですが,そのInekon Tramsは,英語版ウェブ
サイトを立ち上げています.
Inekon Trams Company
(Inekon Trams a.s. 公式サイトへのリンク)
まだ工事中のページもあるものの,北米市場をにらんでのことでしょう.
今回,Vario LF3のメーカーPragoimexにしても,シュコーダにしても,
英語版のサイトを充実させているのが目に付きました.

Inekon Tramsは,大量な車両数となるトロント(カナダ)の発注で最有力
候補ではないかとのことですが,その行方が気になるところです.

関連過去ログ:
2007/8/05 【プラハ】部分低床の新車より旧型車が好み?
2006/9/25 【InnoTrans】展示された東欧製の低床車

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2007年11月22日

【メストレ】トランスロール第一号到着と公開

ヴェネツィア(Venezia / Venice)と同じ自治体ながら,本土側にあって
たとえ独立しても不思議ではない人口18万弱の街メストレ(Mestre)で,
2010年にも運転開始を目指すトラム(Tram)の最初の車両が,先週金曜日
(11/16)の深夜に搬入されました.車両はゴムタイヤ式のトランスロール
(Translohr)です.火曜(11/20)には車庫で公開されました.

トランスロールは,ヴェネチアに近いパドヴァでも今年から営業運転を
行っていますが,メストレに到着したのは全長32mとパドヴァより長く,
青のパドヴァに対し塗装は赤ですので,クレルモンフェランと同じように
見えます.ロール社の工場があるストラスブール郊外から,トレーラーで
運ばれてきました.発注本数は全部で20です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
20 nov. PRESENTATO TRA CONTESTAZIONI IL TRAM DI MESTRE
(Agenzia Giornalistica Italia ニュースへのリンク)
17/11 Accolto dall'assessore ...
(Il Gazzettino ニュースへのリンク)

11/20の公開の際は,一時反対派に式を妨害されたようですが,最後に
ロール社の社長が,どの街でもトラムに反対する人たちがいるものの,
いざトラムが走り出してしまうと応援する側に回るものだと語ったとか.

路線概要: LE LINEE
各種ファイル収容ページ: DOWNLOAD
このページにある,16 Novembre: Arriva il Tram に車両搬入の様子を
収めた6分少々のビデオがあります.トレーラーから車体を路面に下ろす
時は,案内輪がたどれるようにトレーラーと路上の案内軌条をうまく接続
させて,慎重に引き下ろしている様子が伺えます.このあたりは鉄軌道の
トラムとさほど変わりありません.一連の作業が無事に終えた瞬間には,
拍手が沸き起こっていました.
同じページの下のほうにある,Percorso Linea Tramviariaは,地図上に
路線を描いたものと思われ,数枚の画像ファイルに分割されています.
費用内訳: COSTRUZIONE DELLA TRANVIA DI MESTRE
工区: CANTIERI
このページでも路線全体像を見ることができ,将来はベニス本島まで延長
されることになっています.
(IL NUOVO TRAM DI MESTRE 公式サイトへのリンク)

関連過去ログ: 2007/1/12 【Translohr】パドヴァ続報とメストレ情報
この時点では今年3月にも最初の車両が到着と報じられていました.

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2007年11月21日

【シャーロット】交通税賛成多数の分析出る

ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)では,ライトレール(Lynx)
ブルーラインが,感謝祭の連休を間近に控えた月曜日(11/19)に正式開業
した模様です.ただし,この日はテープカットなど式典と関係者らの乗車
だけで,一般旅客が乗車できるのは,連休最中の土曜(11/24)の午前10時
からの予定で,日曜(11/25)までは運賃不要です.

既報の通り,今月初めに行われたメクレンバーグ郡(Mecklenburg County)
住民投票では,売上税の一部にあたるトランジット税の撤廃を求める案が
7割という圧倒的多数で否決され,税の存続が決まりました.
夏の時点ではトランジット税廃止を支持する割合が51%という調査結果が
出ていたことや,税導入が決まった1998年の投票では,賛成が58%だった
ことを考えると,予想を超える大差での勝利だったのです.月曜日には
その票の分析結果が発表されていました.

それによれば,1998年の時点ではトランジット税を支持しながら,今回の
住民投票で民意を問うことにさせた署名で,人数が多かったアフリカ系
アメリカ人が,蓋を開けてみれば8割近くが反対(=トランジット税存続)に
回っていたことが明らかになりました.アフリカ系アメリカ人の指導者に
よれば,トランジット税が支える充実した路線バス網に依存する割合が
高く,一部地域では反対票を投じる推進運動も行われていたとか.

また,1998年以降に新たにシャーロットに転入してきた人たちの存在も
大きかったのです.割合は明らかではありませんが,鉄道網の充実した
米国北東部の都市圏からの移住組が,大量輸送交通機関整備計画を支える
税金の存続に投票しても,全く不思議ではないということです.

この二つの力が,地すべり的な大勝利をもたらしたと言えるようです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Nov. 20, 2007 Black voters key to CATS' big win
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

一般公開を週末に控え,セレモニーが行われたことを伝える記事:
11/19/2007 Leaders cut ribbon on light rail
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)
November 19, 2007 Charlotte’s Light Rail Makes First Official Trip
(WSOC-TV Channel 9 Charlotte ニュースへのリンク)
沿線ガイド: Downloadable Light-Rail Station Guides
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

今年第三四半期のシャーロット中心部の空室率は,全米で最も低い数字
だったという記事もあります.マンハッタン・ミッドタウンの4.9%をも
下回る2.6%でした.
November 14, 2007 Demand for Downtown Office Space Is Strong
(The Wall Street Journal ニュースへのリンク)

シャーロット ライトレール トランジット税 関連過去ログ:
2007/11/07 【交通税】LRT関連の投票結果は明暗分ける
2007/8/24 トランジット税の是非
2007/7/30 ライトレール開業11/26に
2007/4/09 集まったLRT反対署名の疑問
2007/3/28 LRT計画反対署名にCATS反撃

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【ロンドン】交通局が全ての鉄道を掌握?!

ロンドンから発着する近郊電車も,いずれは地下鉄(underground)や路線
バスなどと同様に,グレーターロンドンの交通機関を司る地方政府機関の
TfL,いわゆるロンドン交通局の手に,運営が委ねられることになるかも
しれません.実現すれば,TfLは運賃決定や運転ダイヤまで決めることが
できます.
TfL: Transport for London

32の特別区から構成されるグレーター・ロンドン(Greater London)には,
鉄道会社だけで14社が乗入れているそうで,これらを一元化することで,
複雑な運賃体系を統一,非接触式のICカード型乗車券オイスターカードを
通用できるようにするだけでなく,列車の運行頻度を増やしたり,駅や
車内の保安体制を強化して,安心して利用できる魅力的な鉄道に生まれ
変わらせようとするのが狙いです.

これは,イギリス国鉄(British Rail)が辿った分割民営化の流れに逆行
することになるのですが,英国運輸省(DfT)は,この7月にフランチャイズ
制度におけるロンドン交通局(TfL)の役割のガイダンスなるものを発表
していて,TfLの関与を条件付きで容認する模様です.
DfT: Department for Transport

既にその第一段階として,先週11/12からLondon Overground(LO)という
名前の新しい鉄道がスタートしています.これは新しい路線が開通した
わけではなく,その前の週までシルバーリンク(Silverlink)として運行
されていた鉄道を,TfLが運営することに伴い改名したものです.それに
あわせて,オイスターカード(Oyster Card)のプリペイド(pay as you go)
機能が使えるようになりましたし,駅の改装や列車増発,2010年末までの
新車導入も計画されています.
LOのロゴには,地下鉄(London Underground)でお馴染みのマークのうち,
赤い輪の代わりにオレンジ色の輪が採用されました.

グレーターロンドン(大ロンドン)の市長であり,TfLの最高責任者である
Ken Livingstone氏は,次にサザン鉄道(Southern)のフランチャイズ権が
2009年に切れるのにあわせ,この鉄道会社の運営権獲得を目指した準備を
進めているそうです.
Southern(SN)は,ロンドンではヴィクトリア駅やロンドンブリッジ駅など
から発着し,イングランド南部に列車を走らせているTOCの一つです.
TOC: train operating company
このフランチャイズ名South Centralは,Connex South Centralが民営化
直後は運営していましたが,2000年秋に交代しています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 20, 2007 London mayor plans to take public control of
rail services
(The Times ニュースへのリンク)
TOCで構成されるNational Railでも,大ロンドン圏でオイスターカードを
使えるようにするという構想や,市長のSouthernへの触手も,特段新しい
話題ではないようですが,関心をひくには十分な記事でした.

London Overground(LO)営業開始を伝えるBBCの記事:
2007/11/12 Mayor launches new rail service
(BBC NEWS へのリンク)
市長がグレーターロンドン圏内の鉄道を運営したいとする意図は,昨年
2月の時点の記事にも出てきます.
2006/02/14 Mayor to control Metro services
(BBC NEWS へのリンク)

LO 概要: London Overground (TfL 公式サイトへのリンク)
SN 路線図: Network map (Southern railway 公式サイトへのリンク)

英国DfTの指針: Guidance on the role of Transport for London in
the DfT's Rail franchising process

運輸相の発表: Guidance on Transport for London's role in the rail
franchising process

(DfT 公式サイトへのリンク)

ウィキペディア英語版の,List of companies operating trains in the
United Kingdomには,旅客列車運行会社のタイプに,フランチャイズ,
ブランドサービス,オーブンアクセスに続いて,TfLのコンセションが
加わっています.

7月に経営破たんした,ロンドン地下鉄の9路線の路線保守管理などを担う
Metronetの救済も,結局はTfLしか手を挙げず,来年から解体され一部は
TfLが継承することになりそうだとの報道も,今月初めにありました.
Nov 6, 2007 Metronet administrator sees TfL takeover next year
(Reuters UK ニュースへのリンク)
Nov. 6 London Transport Takes Over Insolvent Rail Contractor
(Update1)
(Bloomberg ニュースへのリンク)

ロンドン 最近の過去ログ: 2007/11/01 2008年は地下鉄運賃据置きか

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2007年11月18日

【ル・マン】国からの来賓ぬきでトラム開業

フランス西部ロワール地方にあり,モータースポーツで知られるル・マン
(Le Mans)で,予定通り11/17にトラムが開業しました.午後から一般客の
利用も始まった模様です.
いつもフランスでみられる光景なら,トラムの新規開業式典には大統領や
政府の閣僚らが賑々しく参列するものですが,今回は姿が見られません.
理由は,SNCFのストでパリからルマンへのTGVが三分の一に減便している
からではもちろんありませんし,組合との交渉で足を運べなかったから
でもなさそうです.

11/17には12キロの路線が開業し,その後12月に残る3.4キロが開通する
運びです.建設には3年の歳月と3億ユーロ強が費やされました.
このうち2億7420万ユーロは,ルマン都市圏(Le Mans Métropole)が
欧州投資銀行から1億2千万ユーロを借りるなどして賄っています.残りは
ナントやアンジェも入るロワール地域圏(région Pays de la Loire)が
1540万ユーロを,国(AFITF)は1240万ユーロを負担しています.AFITF:
Agence de Financement des Infrastructures de Transport de France

実は,2002年3月に国は4270万ユーロを出すと約束していたそうです.
しかし,2003年末に当時の第二次ラファラン(Raffarin)内閣が,都市内の
専用軌道などを有する交通機関(TCSP)の整備に向けた補助金を全て凍結
してしまい,4270万ユーロは反故になってしまいます.
TCSP: Transport en commun en site propre
その後,補助金は個別に部分復活していきますが,その度合いは地域に
よってばらつきがあり,結局ルマンのトラム建設へは1240万ユーロだけに
留まったのでした.

ルマンだけでなく,ナントやクレルモンフェランも当初の3割に満たない
金額しか補助金を出してもらえなかったのですが,マルセイユなどへは
三分の二以上が復活しています.次の土曜(11/24)開業のニースには,
約束していた全額(2800万ユーロ)が戻ったとか.
時は流れ,地球温暖化を防ぐ観点から当時の政策は間違っていたとして,
国は方針転換して専用軌道などを有する都市交通整備に,今後は積極的に
乗り出すことにしたと発表したのは,つい先月のことでした.
2007/10/30 【フランス】1500キロのトラム路線網構築へ

9つの市町村で構成されるルマン都市圏(Le Mans Métropole)は,人口が
20万前後とされています.これはフランスで近年トラムを復活させた街の
なかで最も小規模なほうに属します.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
開業日の様子やこれまでの映像は,こちらで見ることができます.
トラム特集ページ: Le tramway au Mans (Ouest-France)
(Le Mans.maville.com ニュースへのリンク)

開業とともに,国からの補助金を巡る話に触れた記事:
17 novembre 2007 Le Mans rame pour inaugurer son tram sans l’aide
de l’Etat
(Libération ニュースへのリンク)
16 novembre 2007 Le Mans lance son tramway
(Localtis.info ニュースへのリンク)
15/11/2007 Pari gagné pour le tramway du Mans
(Moniteur-Expert ニュースへのリンク)

非公式ながら,情報豊富なサイトがあります.
トップページ: TRAMWAY DU MANS
路線図: Réseau
SETRAM公式サイトにも,PDFファイル版の路線図が収容されています.
(Société des transports en commun de l'agglomération mancelle)
Le nouveau réseau (SETRAM 公式サイトへのリンク)
Lignesの中でTramway : Université - Antarès ou Espalの欄にある,
Plan IndividuelやPlan généralが,トラムの路線図になります.

関連過去ログ: 2006/6/18 市電復活に投資銀行から融資

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2007年11月17日

【ルガーノ】トラム復活へ向け再始動か

スイス南部のイタリア語圏にあるルガーノ(Lugano)で,路面電車を再導入
しようとする市の構想が発表されました.実は二年前にも,復活を提案
した組織があったそうですが,その計画では予算が1億4千万スイスフラン
(約8500万ユーロ)にも達したため,実現不可能とみなされていたとか.
しかし,今度は沿線3つの地区が提案し,複数の政党から支持されている
模様です.

スイスとイタリアの間を行き来する鉄道の車窓からは,ここをトラムが
走れるのだろうかとも思えてしまいますが,現在人口5万人余(広域圏では
13万人)のルガーノにも,1959年12月までトラムが走っていたそうです.
(Ferrovia Lugano-Cadro-Dinoは1970年まで)

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
イタリア語での報道:
16/11/2007 Il progetto di tram in città si presenta
(TicinOnline.ch ニュースへのリンク)
16.11.07 Lugano: tram, il progetto si presenta
(Ticino News ニュースへのリンク)
ドイツ語の記事:
14. November 2007 Lugano wünscht sich das Tram zurück
(NZZ Online ニュースへのリンク)

TicinOnline.chにあるイタリア語の記事には,2005年の提案に関する記事
へのリンクもあります.それには,必要経費は1億6千万スイスフランから
2億スイスフラン(ユーロ換算で1億弱から1億3千万弱)となっていました.
また,1993年にも同じような話があったとか.

ルガーノでも道路混雑が激しさを増してきており,その影響は郊外にも
波及しています.トラム導入は,地方が連邦補助金を得るのにも有利と
されているようです.再導入を目指すトラムは,スイス国鉄のルガーノ駅
近くから発着している路線長12キロほどの狭軌鉄道FLPとは競合せず,
むしろ補完することになると考えられています.
FLP: Ferrovia Lugano-Ponte Tresa

そのルートは,ルガーノの北にあるティチーノ州Porzaから,ルガーノ
中心部を通って南のParadisoに至り,再びルガーノ市の南部に達します.
Porzaの起点はCornaredoで,ここにはACルガーノの本拠地にもなる多目的
スタジアムがあります.そこからCassarate川に沿って南下し,ルガーノ
湖畔に達する手前で中心部に向かい,その後は湖畔に沿ってParadisoを
経由して,最終的にはショッピングセンターなどのあるルガーノ南部の
Scairoloに到達します.
地名の位置を確認するため,経路を示してみました.これは提案された
ルートとは異なります.
Cornaredo - Lugano - Paradiso - Scairolo
(Google Maps Get directions へのリンク)
南端はPian Scairoloとされていますが,これがどこかよく判りません.
上記リンク先では,ルガーノ市南部のScairoloを南端としました.
Wikipediaで引くと,Scairoloは人口4千人のCollina d'Oro地区として
出てきます.Paradisoの人口も同じ程度で,Porzaは同1400人余です.

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2007年11月16日

【ニューオリンズ】クリスマスプレゼント?!

ニューオリンズのセントチャールズ線(St. Charles Avenue line)が,
その名前のセントチャールズ・アベニューに戻ってきてから一週間足らず
ですが,クリスマスプレゼントがあるかも?との一報が届きました.

まだ正式に決まったわけではないのですが,可能性としてクリスマスイブ
までに,先週末に復旧したばかりのNapoleon Ave.から,St. Charles
Ave. 沿いにSouth Carrollton Ave.までの,運転再開が可能かもしれない
との見通しを,RTAの担当者が明かしたそうです.
RTA: New Orleans Regional Transit Authority

これは,変電所の能力が延長しても問題ないほど十分であることが確認
できたことを受けてのもので,今後,降雨で遅れている架線柱の塗装を
行う作業員を集め,ハリケーン被災後に解雇した運転手らを再雇用し,
路線の安全性が保証されることが条件ですが,これらは実行可能とRTA
ではみている模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 16, 2007 Streetcar could get Christmas bonus
(The Times-Picayune ニュースへのリンク)
November 15, 2007 St. Charles streetcar line may be extended by
Christmas
(The Times-Picayune ブログへのリンク)
ブログと記事がありますが,どちらも同じ記者による文章です.ブログは
ニュース速報の扱いで,後に情報が補足された記事が公開されました.

記事によれば,先週の土曜にセントチャールズ通りでセレモニーを行い,
日曜から延長区間まで終日営業に入りましたが,3日間で17793人の利用が
あったとか.運転区間延長に際して車両4台を充当していますが,RTAは
5台目の必要にかられています.

クリスマスプレゼントになるかもしれないとされる次の延長は,South
Carrollton Ave.までということですが,これでセントチャールズ線の
全線復旧になるわけではありません.セントチャールズ通り上の区間が
全て復活するだけです.これをGoogle Mapsで表示してみると.
from Canal St to South Carrollton Ave via St Charles Ave
(Google Maps Get directions へのリンク)
表示されるルート上に,報道されている変電所の位置に印を付けました.
セントチャールズ線には全部で3か所の変電所が設けられますが,残る
1つは車庫に設置されるようです.

South Carrollton Ave.との交差点で直角に曲がって進路を北東に変え,
South Carrollton Ave.沿いにSouth Claiborne Ave.までの区間は不通の
まま残ります.その区間を含む全面的な復旧は2008年春の予定です.

11/10に行われたセントチャールズ通りへの復活を祝うパレードの様子
などが,豊富な映像や画像で紹介されているブログがありました.
All about the streetcars of New Orleans November 11, 2007
(Canal Streetcar (dot com) ブログへのリンク)

ニューオリンズのセントチャールズ通りに路面電車が戻ってきたことは,
米国では連休明けとなった今週火曜までに,国内ほとんどの報道機関が
何らかの形で取り上げたようで,電子版ニュースだけでも,膨大な数に
及んでいます.

グラスファイバー製の路面電車の模型を二百個ほど作成して競売にかけ,
得られた収益は路面電車博物館の建設にあてようという,A Streetcar
Named Inspireと呼ばれる運動があるそうで,ひな形が公開されたという
記事もありました.模型は沿線に展示して,車窓からも眺められるように
するとのことですが,競売は2008年初めとされる全線復旧時に同時開催を
目指しています.
November 12, 2007 Artists to decorate streetcar prototype
(The Times-Picayune ニュースへのリンク)
November 11, 2007 Young Leadership Council rolls out N.O.
streetcar art initiative
(The Times-Picayune ブログへのリンク)
ブログのほうに画像がありますが,模型とはいえ長さ6フィート(約1.8m)x
高さ2フィート(約60cm)あります.

関連過去ログ: 2007/9/29 ガーデン地区まで復旧へ

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2007年11月15日

【ボストン】グリーンライン低床車追加へ

英語版Wikipediaの話が出たところで,その「Green Line (MBTA)」の項目
には既に掲載されている内容ですが,先月下旬レッドソックス(Red Sox)
優勝パレードの時には,ルートに沿ったFenway Parkからの区間で,2分
から3分間隔で電車が運転されたというボストンのグリーンラインに,
新たに部分低床車10本が補強されるという記事がありました.

これでイタリア製Type 8(車両番号3800番台)車両は95本を数えることに
なり,MTBAグリーンライン用車両の総数209本のうちの半分近くを占める
大所帯になります.この春ボーイング社製車両が引退していますので,
残りは全てType 7(3600番台と3700番台)の近畿車輌製です.
MBTA: Massachusetts Bay Transportation Authority

MTBAのグリーンラインでは,ラッシュ時にはこのうち150本が運用され,
平日20万人とされる輸送にあたっています.グリーンラインでは通常2本
連結で運転され,今回の部分低床車10本の追加投入でも運行本数が増える
わけではありませんが,低床車両が増え,信頼性が増し,遅れが少なく
なると期待されています.

MTBAグリーンラインにType 8を追加導入することが,信頼性が増すことに
結びつかない人も多いかもしれません.逆でないかと思われるでしょう.
このイタリアのAnsaldoBreda製部分低床車は,1995年に2億2200万ドルで
百本購入する契約がMTBAとメーカの間で交わされたものの,届いた新車は
度重なる故障に見舞われ,2004年にしびれを切らしたMTBAは,その時点で
40本ほど納入されていた残りの購入契約を取消すとアンサルドブレダ社
(AnsaldoBreda)に通告,両者の間で裁判沙汰になるまでトラブルが発展
していたという経緯があったのです.
その後2005年12月に両者は和解,契約数を100本から85本に減らし,残る
15本分は部品調達用に回されました.2006年末の時点で製造は完了し,
この夏までに84本の稼動が確認されていると,Wikipediaには記載されて
います.今回の報道でも,長期的な性能確認は見極めがまだ付けられない
ものの,MTBAでは問題は解決したと考えていることが伝えられています.

追加される10本のうち,第一陣は10月には車庫に届けられていて,今回の
報道によれば先週から営業運用に投入されているとのことです.10本全て
揃うのは2008年中ごろの予定で,製造にあたり,部品はスペア用とされた
15本分の中から調達することに,両者は同意した模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 12, 2007 T will take 10 new cars for its busy Green Line
(The Boston Globe ニュースへのリンク)
November 13, 2007 T adds more Green Line cars
(BostonNOW ニュースへのリンク)

Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けておきます
Brookline - Coolidge Corner: Green Line - C Branch
By wallyg (flickr)
Brookline - Coolidge Corner: Green Line - C Branch
Type 8とType 7の重連 (Taken on May 6, 2007)

関連過去ログ: 2007/3/17 ボーイング製の車両ついに引退

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2007年11月14日

【サンディエゴ】ここでも銀行が運賃無料に

先週の話で恐縮ですが,サクラメントに続いてサンディエゴでも,銀行が
負担して,路線バスやトロリー(ライトレールのサンディエゴでの呼び名)
などの公共交通機関の運賃が,11/08には一日無料になっていました.

スポンサーは,サクラメントの時と同じWaMu(Washington Mutual)です.
このシアトルに本拠を構える米国最大の貯蓄貸付金融機関が,JDパワー
(J. D. Power and Associates)の実施した顧客満足度調査で,西部太平洋
地区が高い評価を出していたことへの謝恩です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
公式案内: MTS Users Ride for Free on November 8
(MTS 公式サイトへのリンク)

November 8, 2007 Bank will pay fares on buses, trolleys today
(San Diego Union Tribune ニュースへのリンク)
この記事によれば,10/25に実施されたサクラメントでは,利用者数が10%
から20%上昇したとの報告もあがっています.
また,サンディエゴ周辺の公共交通事業者のMTSに,WaMuは13万ドルを
支払ったそうで,これで現金運賃を無料化したことによる損失を補填する
ほか,イベントに参加したMTS職員の賃金も賄われるのだとか.
MTS: San Diego Metropolitan Transit System

MTSでは私企業が資金を提供して無料開放するのは初めての試みだった
そうです.平日の利用回数が平均27万5千(公式発表では25万人),運賃を
現金で支払っているのはこのうちの3割程度で,残りは月間パス(定期券)
などを利用しているそうです.

MTSの案内によれば,サンディエゴの他にもロサンゼルス郡内の一部の
バス路線(Glendale BeelineとLong Beach Transit)で,同様の無料開放が
行われた模様です.

関連過去ログ: 2007/10/25 【サクラメント】今度は銀行が運賃を無料に

余談になりますが,
先日,サンディエゴのトロリー(San Diego Trolley)の車両製造を扱って
いる会社名を,どこで調べられるかという問合せを受けていました.
こちらでは,そういった調べ物の際には,オンラインのフリー百科事典
ウィキペディア(Wikipedia)を多用しています.
その英語版で「San Diego Trolley」の項目を開けば,答えかヒントが
載っているでしょう.

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2007年11月13日

【チューリッヒ】着工延期の要請退けられる

11/25に,チューリッヒ(Zürich)市を含むチューリヒ州(Kanton Zürich)
では,トラム新線計画へ州からの資金投入の是非を問う,州民投票が行わ
れることになっています.
すでに今年6月にはチューリッヒ市で市民投票が行われ,市からは建設
資金として5900万スイスフランが供出されることが決まっていますが,
トラム新線(Tram Zürich-West)の建設には1億5千万スイスフランが必要と
されていて,州は9千万スイスフランが求められていました.

Tram Zürich-Westは,その名の通り市内西部へ伸びていく路線で,第一期
区間は3kmとなります.本来なら市からの資金提供が決まった時点で着工
できた予定でした.今頃は工事が始まっていたかもしれないのですが,
反対運動で州レベルでも住民投票を行うこととなったため,11/25に可決
されても,着工は2008年にずれ込むことになっています.

この着工時期には,実は重要な意味がありました.スイス連邦政府からの
補助金が,2008年末までに着工すれば7500万スイスフラン出るのです.
これは,市や州の負担をそれぞれ上記金額の約半分に軽減できることを
意味し,着工遅れは是が非でも避けたいところでした.しかし,計画に
反対する組織が裁判所に,着工の延期命令を求めていたのです.

このたびベルンにある連邦裁判所は,この反対派からの工事延期要請を
全面的にではないものの,一部区間で却下したとの報道がありました.
これで,11/25の州民投票でJA(賛成)票が多数を占めれば,2008年夏には
一部区間(Pfingstweidstrasse)を除いて着工できるようになり,着工には
違いないため,連邦政府からの7500万スイスフランを,受け取ることが
できる見込みになりました.

沿線にはUEFA欧州選手権2008(Fußball-Europameisterschaft 2008)で
試合が行われるスタジアムがあり,その関係で選手権終了後の着工となり
ますが,当初はこのサッカーの観客輸送も担うはずだったのでした.

既存のトラム路線(4系統)がすぐ北を走り,南は中央駅に向かう線路群に
阻まれた東西に細長い場所に新線を通すのは,Zürich Westと呼ばれる
この地区が,北部Oerlikonなどとともに新興開発地だからのようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
13. November 2007 Bundesbeitrag an das Tram Zürich-West rückt in
greifbare Nähe

12. November 2007 Tram Zürich-West verzögert sich nicht
(NZZ Online ニュースへのリンク)
12. November 2007 Niederlage für Gegner der neuen Tramlinie
(Tages-Anzeiger Online ニュースへのリンク)
12 November 2007 Gericht urteilte in Sachen Zürich - West
(Kantone Online ニュースへのリンク)

Tram Zürich-Westの概要は,チューリッヒ圏の交通事業者VBZのサイト
だけでなく,市のサイトにも掲載されています.
VBZ: Verkehrsbetriebe Zürich Tram Zürich-West
(VBZ 公式サイトへのリンク)
Website Stadt Zürich - Projekt Zürich-West Tram Zürich-West
(チューリヒ市 公式サイトへのリンク)
市のページの下のほうにあるInfobroschüreのリンク先に,PDFファイルの
ブローシャが収容されていて,それに路線図も掲載されています.

Tram Zürich-Westに反対するグループのサイト:
Deshalb am 25.11.2007 Nein zur Zürcher Tramvorlage
(pro zürich west のサイトへのリンク)

関連過去ログ: 2006/7/19 2025年の市電路線網

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2007年11月11日

【バージニアビーチ】隣街のライトレールを

バージニアビーチ市(Virginia Beach)は,バージニア州の本土最東端に
あって最大の人口(約44万人)を誇る街です.西にはノーフォーク市が隣接
していて,さらにその先のニューポートニューズ市までを含めた都市圏
(Virginia Beach-Norfolk-Newport News, VA-NC MSA)では,170万人近い
人が暮らしているそうです.

米国最大規模の海軍基地を擁するノーフォーク市には,東西を横断する
ライトレール建設計画が進行中で,資金調達の目処がたったため,間も
なく着工されて2010年1月の開業を目指しているところです.
第一期区間が全長7.4マイル(約11.9km)となるライトレールThe Tideは,
東端がNewtown Road駅までになっています.そこが,ノーフォーク市と
バージニアビーチ市のちょうど市境にあたっているのでした.

実は,当初そこで路線は終わらずに,バージニアビーチ市のOceanfront
地区まで伸びてくる計画でした.運命を変えたのは,1999年11月の住民
投票です.そこでライトレール検討にはNOという票が12%の差でYES票を
上回り,過半数を得てバージニアビーチ市での話は終わっていました.
その後はノーフォーク市が単独で動き,着工まで一息というところまで
たどり着いたという次第です.

バージニアビーチ市では,1999年の住民投票で否決されたあと,ライト
レール計画のことを口にする政治家はいなくなりましたが,ここにきて
風向きが変わってきました.
ノーフォーク市は着工までこぎ着けるのに苦労しましたが,それを延長
するなら容易と考えたようで,住民らとの対話を模索し始めた模様です.

人口ではノーフォーク市に勝っていても,商業の中心はノーフォークに
あり,バージニアビーチ市はその意味では劣勢です.どちらかというと
リゾート地であるだけに,ノーフォークのライトレールが財政的に成功
するのを見届けてからという慎重な市議もいます.
バージニアビーチには,ノーフォークの海軍基地に通勤する住民も多い
ので,The Tideが海軍基地へ行くことにでもなれば,利用者数が望める
と考えられています.しかし,構想はあっても現状ではノーフォークでも
具体的なところまでは話が進んでいません.

バージニアビーチへの延長には,ノーフォークと同様にNorfolk Southern
鉄道の敷地獲得が必要とされていて,保有会社のNorfolk Southern Corp.
とバージニアビーチ市は,価格交渉に入っている模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Nov. 9, 2007 Is light rail's next stop Virginia Beach?
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)

ノーフォークのライトレール,The Tide関連の過去ログ:
2007/10/02 【ノーフォーク】資金調達目処がたち着工へ

その他,既にお伝えしている通り,ニューオリンズのセントチャールズ線
(St. Charles Avenue line)が,その名前の元になるセントチャールズ・
アベニューに戻ってきました.全線の復旧は今のところ2008年春の予定
ですが,ガーデン地区(Garden District)の中ほどまで復活しました.

土曜日(11/10)には式典が行われ,その後の14時から17時までは無料で
開放され,営業再開は日曜(11/11)からです.
11/09/2007 Advisories Service on the St. Charles Streetcar Line
to Napoleon Avenue Scheduled to Begin November 11

(NORTA 公式サイトへのリンク)
NORTA: New Orleans Regional Transit Authority

ウェブカメラの一覧: Cams Central
(The Times-Picayune へのリンク)
この中のParadecamは,マルディグラ(Mardi Gras)の有名なパレードの
折り返し点を見るため,セント・チャールズ・アベニュー(St. Charles
Ave.)に面したバーのひさしの上にカメラを設置し,それで映し出される
映像を流していますが,たまたま今回延長されたナポレオン・アベニュー
(Napoleon Ave.)の停留所前になるため,最適な観察場所になりました.

式典のパレードの様子などが報道されています.1920年代の電車が何台も
連なってパレードに加わっている様子が伺える画像がありました.
November 10, 2007 Fanfare greets streetcar's return to part of
Uptown
(The Times-Picayune ブログへのリンク)
APの記事を,数多くのメディアが掲載しています.
11/10/2007 N.O. Streetcars Welcomed Back With Party
(The Associated Press ニュースへのリンク)

直近の関連過去ログ:
2007/9/29 【ニューオリンズ】ガーデン地区まで復旧へ

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年11月10日

【フランス】2007年11月トラム開通ラッシュ

【マルセイユ】では,2004年1月にトラムが運行を休止していた通りに,
ほぼ4年ぶりに電車が戻ってきました.
新しいトラムに変身するため,旧来のトラム68系統はバス代行となり,
3年の歳月をかけて線路の改修だけでなく,歩道を広げたり自転車専用の
車線を設けて引換えに駐車スペースを減らし,街路灯も新調するなど,
通り(Boulevard Chave)の改造を行っていました.
当初10月とも言われていた運転再開時期は若干遅くなり,公式には11/17
開通となるそうですが,それに先駆け11/08から旅客営業を開始した模様
です.Chave通りの停留所数は1つ減らされていますが,車両はもちろん
68系統時代の旧型車両(PCCカー)ではなく,今年7月に開業した路線と同じ
新しい100%低床車です.

ただし,今回の開通は暫定的なもので,68番トラムの時代に接続していた
メトロ駅(Noailles)へのトンネル改良工事が遅れている関係で,改めて
T1系統として再スタートするのは2008年秋とされ,それまでは終点から
メトロ駅までシャトルバスが運転されます.

メトロ駅へのトンネル(tunnel Noailles)は,68番トラム時代には複線
だったものを,車体幅2.4mの低床車を入線させるにあたり,トンネルが
古くて拡張できないため,単線に敷き直しています.わずかひと駅だけ
トンネルなのは,この間が丘のようになっていて,特にNoailles駅側は
急坂ですし,トラムが走れるような広い道もないからだと思われます.

当面の運行形態は,トンネル出口のEugène Pierre(元Bruys)から,4年前
まで68番トラム時代の終点だったSaint-Pierreまで行かず,その一つ手前
Sainte Thérèseまでの区間運転で,平日は朝夕ラッシュ時には最短8分
間隔,平日の日中は12分間隔での運行となります.7月開業の路線から
比べると,これは2本に1本の割合です.
Saint-Pierreまで行かないのは,折返し設備がないからかもしれません.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
公式案内: Le tram sur le Bd Chave
新しい路線図(インタラクティブ版とPDFファイル): Plans
(Le Tram 公式サイトへのリンク)
Réseau de tramway de la Communauté Urbaine Marseille Provence
Métropole

トラムが戻ってきたことを伝える記事:
Novembre 9, 2007 Le tramway signe son grand retour sur Chave
(La Provence ニュースへのリンク)
09-11-2007 LE TRAM SUR LA POINTE DES RAILS
(La Marseillaise ニュースへのリンク)

【マルセイユ】トラム関連 2007年分の過去ログ:
2007/7/01 復活したトラムが営業を開始
2007/6/15 新大統領トラム開業遅らせる
2007/3/02 新生トラム 街中で初運転

【ル・マン】
一方,11/17にはフランス西部ロワール地方でパリとナントのほぼ中間に
位置する,ル・マン(Le Mans)でも新たなトラムが開業します.
モータースポーツで知られる人口15万弱の街にも,以前はトラムが走って
いたそうです.

10月から旅客を乗せない状態でダイヤ通りに運転(marche à blanc)が行わ
れているとのことで,11/17に開業する区間は約11キロ,その後の12/22に
4キロほどの支線が開通し,あわせて15.4キロに及ぶ路線網になります.
このうち三分の二(約10キロ)が芝生軌道だとか.

非公式ながら,情報豊富なサイトがありました.
トップページ: TRAMWAY DU MANS
路線図: Réseau
SETRAM公式サイトにも,PDFファイル版の路線図が収容されています.
Le nouveau réseau ... (SETRAM 公式サイトへのリンク)
Société des transports en commun de l'agglomération mancelle

トラム特集ページ: Le tramway au Mans
09 novembre 2007 Le tramway percute sa première voiture
Ouest-Franceの記事 (Le Mans.maville.com ニュースへのリンク)
11/09付けの記事は,トラムが初めての接触事故を起こし,その画像が
掲載されているのかと思われましたが,どうやら訓練だったようです.

下記記事によれば,一日4万8千人の利用が見込まれているとか.また,
各終点にはパークアンドが設けられて収容総数は6千台,一日乗車券と
駐車料金をセットにした3.6ユーロの切符が紹介されています.
09-11-2007 Le tramway arrive au Mans
(Univers-nature ニュースへのリンク)

最後に再び地中海沿いに戻ってきて【ニース】です.
ここでも,10/13から旅客を乗せない状態で開業後のダイヤ通りに運転
する,marche à blancが行われているそうです.
日本で架線・バッテリーハイブリッドLRVの実地試験走行が開始される
直後の11/24,ニースではこの日の午後から旅客運転を開始する予定で,
11/25までは無料開放されるとのことです.ニース市のサイトに情報が
ありました.
LE TRAMWAY A NICE : Il arrive le 24 novembre!
(Mairie de Nice 公式サイトへのリンク)

11/10は,車庫とトラム運行の心臓部となるPCC(Poste de Commandement
Centralisé)の開所式が行われている模様です.

【ニース】トラム関連 2007年分の過去ログ:
2007/7/22 バッテリー区間でも試運転開始
2007/3/27 新生トラム架線下走行始める
2007/2/11 半分以上の電停名を公募で
2007/1/23 【フランス】バードアイでトラム路線探索へ
2007/1/10 トラム2号線の路線詳細の意見交換

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2007年11月09日

【Roads and Transit】出口調査結果明らかに

シアトル,タコマ,エバレットなどに代表されるピュージェットサウンド
(Puget Sound)地域の三つの郡,スノホミッシュ郡(Snohomish County),
キング郡(King County),ピアース郡(Pierce County)では,急増する地域
内の移動需要に応えるために,ライトレール建設に代表される都市交通
整備計画(ST2)と,RTIDの道路整備計画を,売上税と自動車税を増税する
ことで共同実施しようとしましたが,11/06の住民投票で反対票が56%と
賛成票を上回り,三郡共同のRoads and Transit案は否決されました.
ST2 : Sound Transit Phase 2
RTID : Regional Transportation Investment District

2007 General Elections Results 投票結果:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Proposition No. 1: A Regional Roads and Transit System
(Washington Secretary of State 公式サイトへのリンク)

これにより,Sound Transitが計画していたライトレール路線のうち,
North Link (University Linkのワシントン大学以北とエバレット方面),
East Link (シアトルから東方のワシントン湖にかかる浮き橋を渡り,
マイクロソフトの本社などもあるシアトル東のベルビュー方面へ)と,
Central Link(建設中)の空港から南へ延伸してTacoma Linkへの接続の
三路線と,その他の鉄道による都市交通では,シアトル市内First Hill
地区の路面電車も,現時点で棚上げになってしまいました.

ただし,現在建設中のシアトルの中心部(バストンネル)から,シアトル・
タコマ空港へ至るCentral Linkは予定通り2009年中の開業見込みですし,
バストンネルの北側からワシントン大学までのUniversity Linkも,来年
着工の予定に変わりはありません.12月中に開業予定のシアトル北部の
路面電車(South Lake Union Streetcar)にも影響ありません.

ST2 計画地図: Mapping the Future -- Sound Transit Plan
(SoundTransit 公式サイトへのリンク)
Roads and Transit全体の計画図 Sound Transit 2 & RTID Project Map
(Roads and Transit 公式サイトへのリンク)

道路や橋の補強と鉄道建設を組み合わせ,必要とされる180億ドルに及ぶ
巨費を捻出するため,米国でまれにみない増税を五十年間にわたり実施
する試みは,過半数の住民から拒絶されてしまいましたが,環境保護団体
シエラクラブ(Sierra Club)から,いわゆる出口調査の結果が発表され
ました.それを受けて一部メディアが内容を報道しています.

例えばシアトルタイムス紙は,地球温暖化に懸念を示す人たちでも,その
6%はRoads and Transitに反対票を投じていたという書き出しで始まる
記事を出しています.その6%が賛成に回っていたとしたら,もしもは禁物
ですが,結果は拮抗していただろうとしています.前述の環境保護団体
シエラクラブも,反対の立場をとっていました.
また,シアトルPI紙の公式ブログでは,反対票を投じた人の半数近くが,
ライトレールへのタコマ(Tacoma)への延長に反対だったということなど,
調査内容をまとめています.

出口調査の結果は,Roads and Transitに反対するキャンペーンのウェブ
サイトから現在ダウンロードできます.
Nov 8, 2007 Exit Poll released
(No RTID へのリンク)
Crosstabsが,項目ごとに地域別や性別の割合も出していて,最も詳細な
内容になっています.

November 8, 2007 Poll: Global warming caused some to vote no on
Proposition 1
(Seattle Times ニュースへのリンク)
November 8, 2007 As RTID rides off into the sunset -- er, fog
bank -- exit poll shows interesting twists

(Seattle Post Intelligence blog ブログへのリンク)

これらでも取り上げられている調査結果を抜粋してみると;
都市交通(Transit)だけだったら賛成していた人: 52% (反対36%)
地域別ではシアトル市内が64%,その他のキング郡と他の2郡は40%台後半
ですが,不明回答もあるため反対より割合が勝っています.
道路整備(Roads)だけだったら賛成した人: 45% (反対39%)
道路と都市交通で投票自体は別々でも,今回は賛否をどちらも同じにする
必要がありました.どちらかだけ賛成で片方は反対という投票はできない
仕組みにしていたのです.

反対理由に特定の計画を挙げた人の割合は19%に過ぎませんが,その中で
ライトレールへのタコマ(Tacoma)への延長に反対の人: 47%
これは地域別にみても地元ピアース郡でさえ43%あり,反対された計画の
中で断トツのトップでした.

反対した人の理由で,増税負担が重いのでと答えた人: 45%
税に限定して,最大の懸念は期間が50年間に及ぶためとした人: 35%
売上税は10ドルにつき6セント増で,このうち道路に1セント,都市交通に
5セントが配分され,平均的な世帯で年間$150の増税に相当し,実施され
ていれば,シアトルでは売上税が9.4%になっているところでした.また,
自動車税は査定額1万ドルにつき80ドル増しになるはずでした.

この手の財源は道路の有料化が望ましいとした人: 54% (一般税は25%)
ワシントン湖をわたる2つの幹線道路(SR520とI-90)の有料化に賛成: 70%
Roads and Transit(Proposition #1)に反対票を投じた人のなかでは,
財源を有料道路化に求めるべきとする人の割合が65%に及びました.

賛成票を投じた人の理由は,
都市交通計画: 35%,道路計画: 11%,両方: 54%
賛成の理由に都市交通計画を挙げた人は,地域別でみるとシアトル市で
43%にのぼり,他の地域の30%台を引き離しています.

調査はサンプルが5千人で,投票日の二日前から当日にかけて自動的に
選択された相手への電話調査に基づくものだそうです.

これらの調査結果を踏まえ,早くも来年11月の大統領選と同時に行われる
住民投票に向けた動きも,見られはじめているそうです.

Roads and Transit(Proposition #1)関連過去ログ:
2007/9/28 キング郡トップが反対
2007/8/27 マリナーズなどが賛成
Sound Transit 2 関連過去ログ:
2007/4/28 【Sound Transit】ST2最終案まとまり投票へ
2007/1/15 【Sound Transit】投票に向け計画煮詰まる
2006/7/17 【Sound Transit】ST2詳細明らかに
2006/3/10 【シアトル】"Sound Transit 2"一年遅れに

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2007年11月08日

【ベルン】コンビーノ・クラシックを選ぶ

ベルン市で路面電車や路線バスなどを運営するBernmobilは,新設路線や
1970年代からの旧型高床車(Be 8/8)の置き換え用として,車両長40m級の
新車21本を今年7月入札にかけていましたが,応じてきた4社の中から,
シーメンスを選ぶと発表しました.
Bernmobil: Städtische Verkehrsbetriebe Bern

シーメンスがBernmobilに提示していた車両は,コンビーノ・クラシック
(Combino Classic)と呼ばれるタイプで,車両長は42m,車体幅は2.3m,
重量49.7トン(空車)となっています.
価格は21本で約1億スイスフラン(約6500万ユーロ)とのことで,これが
他より経済的だったのが選ばれた理由の一つだったようです.競争相手
には,Flexity Outlook(Bombardier Transportation GmbH),Leoliner
(Raility AG),Tango(Stadler Bussnang AG)がありました.

Bernmobilは,2002年から車長31mのコンビーノ15本を購入しています.
もちろん,これも選択を後押ししたのでしょう.
これらはCombino Advancedと呼ばれるモデルで,2004年に発覚した問題の
影響を受けますが,Basicモデルよりも改修に手の掛からないAdvanced
モデルだったことが幸いし,すでにシーメンスの工場で施される改修を
全ての車両が受けていました.
新しいコンビーノは7車体42m長で,従来のコンビーノより11m長いため,
3割以上も輸送力向上を図れるそうです.

コンビーノクラシック(Combino Classic)は,車体を鋼鉄製に切替えた
コンビーノ・プラス(Combino Plus)(通称Combino Supra)とは異なり,
アルミ車体のまま補強を施し,Wankkopplungと呼ばれる連結方法でカーブ
での衝撃を緩和するなど,乗り心地の向上も図られているようです.
100%低床であることには他のモデルと変わりありませんが,空調導入や
車内の座席配置を変え,前面形状も優雅な装いにすると同時に衝突時の
歩行者や電車運転士への衝撃を少しでも和らげられるようにと,傾斜が
わずかに緩やかな仕上げになっています.

コンビーノ・クラシックは,最初の2本が2009年8月にベルンに引渡され,
残り19本は同年12月から2010年末までに収められる予定です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
07.11.2007 Beschaffung von Trams: Vergabeentscheid neue Combino-
Generation
(Bernmobil 公式サイトへのリンク)
PPTファイルによる画像へのリンクがあり,内装はうかがえませんが,
外観予想図を見ることができます.

シーメンス社の発表には英語版もあります.
Nov 07, 2007 Siemens to supply 21 Combino trams to Bern
(Siemens Press Center 英語版へのリンク)

スイスで同じくコンビーノを導入していながら,増強はTangoに決めた
バーゼルの地元紙が伝える,ベルンのコンビーノ追加発注記事:
07.11.07 Bern beschafft 21 Combino-Trams für 100 Millionen Franken
(Basler Zeitung ニュースへのリンク)

ベルンのコンビーノ関連 過去ログ:
2007/3/01 コンビーノの改修全車で終了


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2007年11月07日

【交通税】LRT関連の投票結果は明暗分ける

今年は11/06が米国では総選挙の日でした.各地で選挙が行われたほか,
数々の項目が住民に是非を問われています.その中には都市交通整備に
関わるものも幾つかありました.
ライトレール建設計画に影響を及ぼすものとしては,シャーロットを擁す
ノースカロライナ州メクレンバーグ郡(Mecklenburg County)と,北西部
ワシントン州のシアトルなど3つ郡の,計二か所で実施されています.

シャーロットでは,1998年にやはり住民投票で認められた交通税の見直し
投票が行われました.売上税の一定額を都市交通の整備に向けることに
反対したグループが,規定の署名を集めて廃止の是非を住民投票に持ち
込んだものです.

同郡の投票時間は,米国東海岸時間で19:30まででした.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
メクレンバーグ郡の公式サイトですが,結果は非公式とされています.
選挙速報: Repeal of the 1/2% Transportation Tax
(Mecklenburg County Board of Elections へのリンク)

上記リンク先では最初のアップデート時から廃止に反対=交通税存続が
全体の7割前後の票を集め,その後も堅調にその割合を維持し,開票率が
20%を超えた,日付が変わる前に存続決定を報じた記事が出ました.
Nov. 06, 2007 Voters decide: Keep transit tax
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

これで心置きなく地域最初のライトレール,LYNXブルーラインが11/24に
開業を迎えられるでしょう.その後の計画もとりあえず安泰です.

シャーロット 交通税関連 過去ログ:
2007/8/24 トランジット税の是非
2007/7/30 ライトレール開業11/26に
2007/4/09 集まったLRT反対署名の疑問
2007/3/28 LRT計画反対署名にCATS反撃

一方,シアトルを中心とするピュージェット(Puget Sound)地域内の3郡,
キング郡(King County),ピアース郡(Pierce County),スノホミッシュ郡
(Snohomish County)では,Sound Transitが策定したライトレール第二期
路線などを含む公共交通整備計画(Sound Transit 2)と,車線追加などの
道路整備を抱き合わせたRoads and Transit案が,賛否を問われました.

米国太平洋時間20時に締め切られた投票の結果は,出だしから反対票が
55-45ぐらいの割合で絶えずリードしています.

各郡の開票結果 (結果は非公式とされています)
キング郡: Proposition No. 1 - Regional Roads and Transit System
(King County Records, Elections & Licensing Services Division)
ピアース郡: Pierce County Unofficial Election Results
(Pierce County Auditor へのリンク)
スノホミッシュ郡: Snohomish County General Election Results
(Snohomish County へのリンク)

Roads and Transitへの反対票がリードしていると報じる記事:
Nov 6, 2007 Regional voters rejecting roads and transit tax plan
Associated Pressの記事 (KOMO Seattle ニュースへのリンク)
November 7, 2007 Proposition 1: Voters hit the brakes
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)

仮に,Proposition 1(Roads and Transit)への反対多数となっても,現在
建設中のライトレール自体が影響を受けることはありませんし,1996年に
賛成多数を得た税金上乗せは,予定通り2028年末まで維持されるものの,
新たな財源を得られないことから,ライトレールの第二期区間は暗礁に
乗り上げることになります.

Sound Transit 2 関連 過去ログ :
2007/9/28 【Roads and Transit】キング郡トップが反対
2007/8/27 【Roads and Transit】マリナーズなどが賛成
2007/4/28 【Sound Transit】ST2最終案まとまり投票へ
2007/4/02 【タコマ】セントラルリンクとの接続早まるか
2007/1/15 【Sound Transit】投票に向け計画煮詰まる
2006/7/17 【Sound Transit】ST2詳細明らかに
2006/3/10 【シアトル】"Sound Transit 2"一年遅れに

その他,建設計画には直接関与しませんが,運行事業者の経営建て直しに
関係してくる,サンフランシスコ市の憲章修正案が市民投票にかけられて
います.現地時間20時に投票が締め切られ,滑り出しでは賛否が拮抗して
いました.

Municipal Election November 6, 2007 Election Summary
(City and County of San Francisco へのリンク)
こちらも結果は非公式扱いとなりますが,市長選では現職が独走で当確の
ようですので,注目はMEASURE AとMEASURE Hになります.
市内の駐車場を増やすことになるProposition H(上記ではMEASURE H)は,
開票直後には反対票が多い状況でした.

関連過去ログ:
2007/10/21 【サンフランシスコ】Muni改革の修正市憲章

この他に,ユタ州でも北部の3郡でコミューターレール(FrontRunner)延長
計画と道路整備のための売上税の増税是非が問われたほか,二か所で路線
バス拡張の財源として同様の投票がありました.

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2007年11月06日

【パルラ】トラム環状化は2008年初頭ほか

マドリッド近郊のパルラのほか,セビリアのメトロセントロの開業後の
報道,バルセロナのAVE工事による混乱が続くという話題を紹介します.

マドリードの約20キロ南のパルラ(Parla)市を走る市電は,2008年初め
にも市内を周回するループ路線が開通する見込みとの報道がありました.
パルラ市のトラムは,まずマドリッドのアトーチャ駅と直結する近郊電車
セルカニアスのパルラ駅周辺の路線が2007年5月に開業,その後6月から
営業運転が行われ,9月にはParla-Esteと呼ばれる新興住宅地に路線を
伸ばしていきました.

欠けた輪のように,あと僅かというところで残された周回運転に不可欠な
最後の区間では,交通量の多い通り(M-408)と交差する必要があります.
衛星画像を見てもその部分は手付かずのように見えたのですが,今回の
報道で立体交差化することが明らかになりました.

道路のM-408号線は,車庫のあたりでもトラムと交差しているのですが,
そこでは道路が掘割のため,トラムは橋を架けて跨いでいます.
報道によれば,M-408号線と呼ばれる道路の下をくぐるため,1.5キロが
地下区間として建設されます.400万ユーロ近くが必要となるとか.それ
でも,その投資で運行効率を30%高めることができることと,13000世帯
4万人が暮らすことになる新興住宅地から,近郊電車の駅まで12分に短縮
できることから,建設されることになります.将来は近接するRENFE線
上にセルカニアスの新駅が設けられることにもなっています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
05-11-2007 El tranvía de Parla completará su trazado circular a
comienzos de 2008
(Madridiario ニュースへのリンク)

この記事では,隣接する街への延伸も検討されていることも伺えます.
具体的な地名としては,パルラの北にあるFuenlabrada市(人口20万弱)の
名前が挙がっていました.パルラ市は人口10万余です.

最近,トラム導入に強い意欲を示しているトレドの市長が,パルラ市を
訪れて,トラム運営ノウハウなどを聞いていったそうです.トレドでは,
世界遺産に指定されている旧市街地ではありませんが,その外側に路面
電車を走らせようとする構想があります.
また,先日は日本からも視察団が訪れたという話が,同市公式サイトの
ニュース欄に掲載されていました.
31-10-2007 Representantes del gobierno japonés visitan el tranvía
de Parla
(AYUNTAMIENTO DE PARLA のサイトへのリンク)

パルラ市電 過去ログ:
2007/9/10 9/08 【マドリード】【バルセロナ】路線延長
2007/6/06 【マドリード】パルラのトラム営業開始ほか
2007/5/07 【マドリード】郊外のパルラでトラム開業

【セビリャ】
アンダルシア州の州都セビージャ(Sevilla / Seville)で,市内中心部を
走るトラムが10/28に旅客営業を開始してから,十日が経ちました.

無料開放された日曜日(10/28)には5万人が押しかけ,昼前から夜にかけて
運転に支障が出るほどの賑わいを見せたようです.工事に1年半を要し,
試運転にも半年費やされてきましたので,それまでの不便を忘れて..と
いうタイトルをつけた記事もありました.
ところが,その二日後(10/30)にトラム(メトロセントロ)は脱線事故を
起こしてしまいます.幸い旅客を降ろしたあとで,被害はなかった模様
ですが,復旧まで日中の4時間ほど不通に陥りました.
事故は,まず大聖堂前のガントレットの区間で電車が立往生し,それに
進路をふさがれた格好の対向する電車が,渡り線を使って折り返し運転を
行おうとしたところ,速度が早過ぎて脱線してしまったようです.これで
開業72時間後に脱線という見出しが,スペイン全土に広がりました.
最初の立往生は送電事故と最初発表されていましたが,その後もたびたび
似たようなことが起きているようです.

スペインの全国紙ABCのセビーリャ版には,メトロセントロの記事がよく
載るのですが,かねてからメトロセントロに好意的ではない記事が多く,
走り始めてからもその傾向に変わりはないようです.
運転開始直後にも,道路混雑は一向に解消していないとか,広告電車は
市の規定に抵触しているのではないかといった話題がありました.
1 de noviembre de 2007 El tranvía incumple los criterios
municipales sobre publicidad móvil en el casco antiguo

(ABC Sevilla ニュースへのリンク)

メトロセントロの車両は,その4本とも異なる広告が車体側面に描かれて
いて,元の塗装は見る影もありませんが,路線バスでは旧市街への乗入れ
車両は一部を除いて禁じられている車体広告も,メトロセントロは例外
のようです.
広告費は1か月2万ユーロとのことですが,セビリアで最も多く観光客が
集まる,大聖堂などのユネスコ世界遺産に指定されている建物の前を,
高さ3.4mx長さ31mの広告塔が動くわけですから,人目を引くのは間違い
なさそうです.

セビリア メトロセントロ(Metro_Centro)直近の過去ログ:
2007/10/23 【セビリャ】メトロセントロ10/28営業開始へ

【バルセロナ】
最後はトラムの話ではなくなりますが,高速鉄道AVEバルセロナ乗入れの
ための地下区間の工事で地盤沈下が発生,地上を走る近郊電車と中長距離
列車の走る線路や駅が被害を受け,10月下旬から一部でバス代行を余儀
なくされている問題で,当初は近郊電車(セルカニアス)が復旧するはず
だった月曜(11/05)になり,代行バス輸送は今月末(11/30)まで継続される
という発表があった模様です.

以前サパテロ首相は,12/21にはAVEをバルセロナまで開通させると公約
していましたが,その日は今や工事の影響を受けたバルセロナの鉄道網が
復旧を果たし,AVEのトンネル工事が再開する日になりそうです.
Cercanías de Barcelona funcionará irregularmente hasta el día 30
(AFP ニュースへのリンク)

影響を受けている16万人は,200台以上の代行バス輸送に,あと1か月は
少なくとも辛抱しなければならないことになります.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年11月05日

【カンザスシティ】新聞社が路線案の叩き台を

ミズーリ州(Missouri)とカンザス州の二つの州にまたがる,カンザス・
シティ(Kansas City)は,人口が両州あわせて60万前後の街で,広域圏
まで含めた人口は200万に達しようとしています.その規模の割には道路
混雑がそれほどではないとされているようですが,そのせいもあるのか,
この地域は軌道系の都市交通機関を現在は持っていません.これまでも
整備計画が住民投票にかけられては,ことごとく否決されてきました.

その風向きが変わってきたのが,一年前(2006年11月)の住民投票でした.
僅差で27マイル(約44キロ)のライトレール計画を前進させる法案が承認
されたのです.
しかし,その後その路線案に対していろいろと議論が沸き起こり,問題も
指摘されていきます.今年8月にも地域の路線バス運行などを管轄する
KCATAにより発表された調査報告で,技術的なことだけでなく,建設費が
投票時に前提とした見積り額を大きく上回ることが明らかにされました.
KCATA: Kansas City Area Transportation Authority

沿線の市長らは,選挙で承認された27マイルの計画は,実現不可能な上に
資金も足りないと公言するに至りました.代案として幾つかのグループが
様々な計画を提案していたものの,それらもルートなどを巡り,あれこれ
意見が戦わされていた状況でした.

そのような中で,地元の有力新聞が議論の焦点を絞り込むために,独自に
路線案を提唱したのが先月下旬でした.The Kansas City Star紙では,
電子版(オンライン版)にライトレールの専用ページを設けています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
The Kansas City Star紙: Light Rail 特集ページ

同紙が四か月に及ぶ他都市の調査や,地域の計画担当者,指導者,企業
経営者などへの聞き取り調査により考案した路線案は,まずはスターター
路線(第一期区間)として,9.75マイル(約15.7キロ)を建設するというもの
でした.そのルートを自社紙面に載された模様です.ウェブサイト上では
インタラクティブ版として現在公開されています.
Oct. 27, 2007 Seeking a consensus for a workable light-rail plan
Oct. 27, 2007 Six principles to guide a light-rail route
同紙が提唱する路線のインタラクティブ地図: 10/29/2007 Light rail
proposal: Explore the route in this interactive graphic

(The Kansas City Star ニュースへのリンク)

提案された計画は,記事にあるように長年かけて連邦政府からの補助金を
待つのではなく,地域の財源で賄うことを前提に,新しいライトレールの
モデルとしてモダン・ストリートカー(modern streetcar)を採用します.
従来型のライトレールより軽量で安上がりとされるこのモデルは,専用
軌道ではなく,道路上を走行するという意味と思われます.
短距離であることと,モダン・ストリートカーという形態をとることで
建設費を抑え,10億ドルを超える前案よりずっと安上がりの3億4100万
ドルで建設可能と数字を弾き出しました.売上税を,0.25%上乗せする
だけで済むとのことです.

新聞社の路線案も,所詮は一つの案に過ぎないわけですが,他の非公式
提案はいずれも独立して立案されていたのに対し,同紙の提案は各方面
からの意見を取り入れて,その総意として6つの原則を路線案に盛込んだ
としています.
それは,最初は小規模から始めること,ミズーリ川を渡ること,需要の
高い既存バス路線に接続させること,近代的でありながら費用を掛けすぎ
ないこと,不確定要素の多い連邦補助金を頼らず地元負担とすること,
増税は0.5%未満に留めることでした.
二番目に登場するミズーリ川は,この地域で道路が混雑する名所で,川の
南にある中心街との交通の便を図るため,北岸の地区でライトレールを
推す声が高いのです.また,四番目の原則が今や米国で最新トレンドと
されている,新型車両を用いた路面電車スタイルを意味しています.

The Kansas City Star紙のLight Railページには,スターターラインへの
反応や,その影響力についてを記した記事がリンクされていますので,
今後も目が離せないページになりそうです.

路面電車からスタートさせる案には,意外にも米国のモダン・ストリート
カー先進地とも言えるポートランドの当事者らが,カンザスシティほどの
規模の都市には,路面電車は核となるライトレールを補完するのは望ま
しいものの,中心に据えるのは向いていないと意見を述べていたことが
紹介されています.記事はエンターテイメント欄に掲載されていました.
Nov. 04, 2007 Streetcars or light rail? Portland weighs in
(The Kansas City Star エンターテイメント欄の記事へのリンク)

関連過去ログ:
2006/11/11 LRT賛成多数は得たものの

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2007年11月04日

【ロサンゼルス】地下鉄を海への第二案浮上

地下鉄を海へというのは,原文ではSubway to the Seaで,最近も実施
された,廃車した地下鉄車両を海に沈めて海洋生物の生育に役立てよう
というニューヨークの話ではありません.
また,ロサンゼルスには地下鉄が2系統あると書くと,以前からのレッド
ラインの他に新しく出来たのかと思われるかもしれませんが,2006年8月
まではレッドラインの一部だったウィルシャー通り(Wilshire Boulevard)
下の路線が独立して,パープルライン(Metro Purple Line)と名乗るよう
になったもので,今世紀に入ってから新しい路線が開通したわけでもあり
ません.

パープルラインは,単独の区間はわずかに2駅分しかなく,ユニオン駅
からウィルシャー/バーモント駅まではレッドラインと線路を共有して
います.1996年に開通したこの区間は,本来なら太平洋岸のサンタモニカ
まで延長される計画の一部でした.
1980年代その計画が浮上した際,ウィルシャー通り沿いの住民の強硬な
反対で,それは今のところ海岸への到達は実現していません.反対理由は
工事の影響を受けたくないということと,地下にメタンガス層があるため
危険だからというもので,工事中に爆発事故が起きていました.

それから二十年余が経ち,情勢も変わってきて今では反対も少なくなる
一方で,ウィルシャー通りは混雑の度合いを日に日に増していきました.
最近の調査では地下のメタンガスの心配もないと判明,地下鉄の建設を
禁止する法令も今年解除されることが議会を通過して,再び太平洋岸の
サンタモニカ市までの延長計画が現実味を増してきたところです.今年
10月には,地下鉄の建設運営を司るロサンゼルス郡のメトロが沿線地域で
住民への説明会を行っていました.

そんなさなか,最近の報道によればメトロ(LACMTA)は,サンタモニカまで
パープルラインでなく,代わりにレッドラインのハリウッド/ハイランド
(Hollywood/Highland)駅から西に路線を伸ばそうという新案を検討して
いることが明らかになりました.
ウィルシャー通りより北に位置するハリウッド(Hollywood)地区から,
サンタモニカ通り(Santa Monica Boulevard)の下を走り,ビバリーヒルズ
(Beverly Hills)地区を通って,そのまま南西のサンタモニカ市(Santa
Monica)に至るというルートです.

代案が浮上した背景には,パープルライン延長上のミッド・ウィルシャー
(Mid-Wilshire)地区の高級住宅街の一部には,地下鉄に反対する住民が
依然いること,反対にサンタモニカ通り沿いの住民は歓迎ムードである
ことなどが挙げられています.
ただし,パープルラインの西進案が完全に消滅したわけではありません.
ウィルシャー通りを走る路線バス利用状況が,新たに代案として浮上した
サンタモニカ通りの路線よりも,はるかに高いのです.パープルラインの
終点で接続して,ウィルシャー通り経由でサンタモニカを目指す路線バス
は,LAメトロの中で最も多い一日6万5千回近くの利用回数がありました.
720系統はMetro Rapidと呼ばれる言わば別格扱いの路線で,連接バスが
投入されています.一方,サンタモニカ通りのバスの利用状況は,一日
3万5千回近くに留まり,LAメトロの中で四番目でした.

ただし,どちらの延長案にしても,建設に必要とされている60億ドルの
調達の目処は,現時点では立っていません.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 3, 2007 L.A. subway plans take a radical shift
(Los Angeles Times ニュースへのリンク)

8月に着工された,こちらも最終的にはサンタモニカ市を目指すライト
レールが,建設費を低く見積もり過ぎていて,6億4千万ドルの23%近い
1億4500万ドルが不足する見込みで,メトロに不足分を補ってもらうよう
要請がされたという話も出ています.
November 2, 2007 Cost of L.A.-to-Culver City rail line rises by
$145 million
(Los Angeles Times ニュースへのリンク)
労働費と建設資材の年上昇率を低くとらえすぎたのが原因です.また,
平面交差のため,沿道にある高校の安全上の問題も再燃しています.

最後に余談になりますが,事故以来の運休が続くエンジェルス・フライト
(Angels Flight)は,この夏と言われていた再開時期が遅れて12月という
情報があります.確認はとれていません.車体は,ロサンゼルス川沿いの
地下鉄車庫に置かれているようです.画像がありました.
What ever happened to Angels Flight? #7
(SkyscraperCity フォーラムへのリンク)
MS Virtual Earthがご覧になられるブラウザなら,場所は下記に.
(撮影時期の関係で車体は映っていません.位置確認だけ可能です)
Metro Rail yard (Windows Live Local bird's eye へのリンク)

関連過去ログ:
2007/10/27 切符不所持は5%から10%も
2007/4/18 【LA】エクスポライン安全問題で開業遅れも?
2007/1/25 【LA】ケーブルカー今夏にも運転再開へ
2005/10/10 都心から海岸を目指して

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2007年11月03日

【タンパ】空港ライトレール案が明らかに

フロリダ州タンパ(Tampa)市のあるタンパベイエリア(Tampa Bay Area)
には,その主要地区をつなぐ公共交通整備計画があり,ライトレールも
有力な候補です.今は検討が重ねられているところですが,タンパ市長も
乗り気とか.
人口約270万のエリア広域圏の中で,同33万のタンパ市と,その西南西で
オールドタンパ湾(Old Tampa Bay)を隔てた,セントピーターズバーグ市
(St. Petersburg)(人口約25万)の,双方のダウンタウンを結ぶ路線が,
特に優先的に考えられています.

今回は,タンパ国際空港(TIA=Tampa International Airport / TPA)への
支線計画案が明らかにされました.
タンパとセントピータースバークを結ぶ路線の途中から北に分岐する形に
なり,現在のターミナルへ横付けします.そこからさらに北に計画中の
滑走路の下をくぐり,同じく計画中の北ターミナルに達するものです.
空港当局(Hillsborough County Aviation Authority)も,高額な費用を
必要とするハイウェイの車線増設や改良よりも,経費が抑えられると説明
された,ライトレールが気に入った模様です.

空港支線分として,300フィート(約90m)の長さを持つ駅と,高架路線の
建設見積りは,約3.5マイル(約5.6キロ)で1億9千万ドルから2億3500万
ドルとされています.これには車両代金は含まれていません.
もしも,ライトレールではなくBRTなら,建設費は1億5千万ドルから1億
8500万ドルになるそうです.これらは,空港当局と州運輸省が共同で36万
ドルを出し,コンサルタント会社に算出させました.
これに対して単純な比較ではありませんが,空港へのアクセス改善のため
求められるハイウェイのインターチェンジ改良は2億2千万ドル,タンパ市
ダウンタウンから空港に至るハイウェイの車線増設には4億ドルと,言わ
れています.

タンパベイの公共交通整備の資金捻出のため,売上税の税率をあげるか
どうかを問う住民投票の実施を,2010年までに行う案もでています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 02. 2007 Tampa airport proposes to build light rail
corridor
(Sarasota Herald-Tribune ニュースへのリンク)
November 2, 2007 Airport board takes light rail for a virtual ride
(St. Petersburg Times ニュースへのリンク)
November 1, 2007 Light rail proposed to connect airport to
business districts
(Tampa Bay Business Journal ニュースへのリンク)
November 1, 2007 Tampa Airport Announces Plan For Light-Rail
System
(The Tampa Tribune ニュースへのリンク)

タンパ国際空港は,いわゆるサテライト方式を採用した初めての空港と
され,中央に位置するターミナルでは出発時のチェックインと到着時の
荷物受け取りが行われ,そこから英語版Wikipediaではモノレールと記さ
れている新交通システム風のボンバルディア製シャトルで,各航空会社
ごとに分けられた6つあるサテライト(Airside)へ移動し,そこで航空機に
搭乗することになります.
シャトルは1991年導入とのことですが,空港内の移動にこの手のピープル
ムーバーが採用されたのも,ここは早いほうでした.今回コンサルタント
会社の示した計画では,高架路線はサテライトへのシャトルの上を跨ぐ
格好になるようです.サテライト(Airside)は航空会社の運行停止や他の
サテライトへの移動により,今は4つしか使われていない模様です.

また,タンパ国際空港は定時運行率が全米平均より高く,そのおかげか
どうかは定かでありませんが,ビジネス客らの人気調査で今年全米3位に
なっているそうです.考慮されているかどうかは不明ですが,タンパより
上位の二空港には,いずれも鉄道アクセスがあります.

タンパ関連 直近の過去ログ:
2007/10/24 高層コンド完成で乗客増に期待

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2007年11月02日

【サンフランシスコ】ミラノの電車が復帰へ

サンフランシスコのマーケット・ストリート(Market Street)の地下は,
二段構造で地下鉄が通っています.最下段は高速電車のBART,一つ上は
ライトレールのMuni Metroが走りますが,マーケットストリートの路上
にも,各地から集められた往年の車両が行き交い,フィッシャーマンズ
ワーフにも足を延ばす,路面電車のFライン(F Market line)が走ります.

北米各地で活躍して引退したPCCカーなどが,往時の塗装で走っています
が,その中に細身でひときわ目を惹く鮮やかなオレンジ色に身にまとう
電車の姿も見られます.イタリアのミラノからやってきた1928年製の電車
です.同タイプの車両は北米を中心に活躍していました.この車両は,
オハイオ州クリーブランド(Cleveland)の路面電車会社のコミッショナー
であり,車両設計者でもあるピーターウィット氏(Peter Witt)の名前で
呼ばれることもあります.
今もミラノで現役とのことですが,サンフランシスコに来た11両のうち,
9両がFラインで活躍中とか.そのうちの1両はオレンジ一色ではなく,
白と黄色の二色塗装になっているようです.

そのミラノからの電車が,実はこの数日は路上から姿を消していたそう
です.それが,金曜(11/02)には復帰しそうだという記事がありました.
特注の鋳鉄製ブレーキシュー(制輪子)が足りなくなっていたため,運休を
余儀なくされていたのでした.
制輪子不足は,運行を任されているMuniの担当者の発注ミスで,在庫が
ないことに気付いたのが二週間前だったことや,発注した第一便が水曜に
届いたことを,Muniを管轄するSFMTAが発表しています.
Muni: San Francisco Municipal Railway
SFMTA: San Francisco Municipal Transportation Agency

Fラインでは平日には1万4千人の利用があるそうで,朝のラッシュ時を
乗り切るために,1928年製造のミラノからの車両の代役として,3台の
代行バスを投入したとも報じられていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
2007-11-01 Milan trams back on tracks Friday
(The Examiner ニュースへのリンク)

Fラインを運営する非営利組織のサイトに,車両リストがあります.
F-line fleet operational status (Updated June 17, 2007)
(Market Street Railway 公式サイトへのリンク)

Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けておきます
saturday on market (by pbo31 flickr)
saturday on market
(Taken on July 14, 2007)

サンフランシスコ Fライン(F-line)関連過去ログ:
2006/5/13 【Fライン】ハリーに続いてトンネルへ

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2007年11月01日

【ロンドン】2008年は地下鉄運賃据置きか

まもなく,ユーロスターがロンドンではセント・パンクラス駅からの発着
となりますが,そんな矢先,英仏海峡トンネルをくぐりロンドンまで,
ドイツ鉄道が自社車両の乗入れを申請かという報道がありました.それは
さておき,そのロンドンを走る地下鉄は,今や世界一運賃が高いという
形容詞が定着して久しくなりました.現金では市内の初乗りで4ポンド,
日本円換算で950円前後です.

4ポンドになったのは2007年からですが,2005年には2ポンド,2006年には
3ポンドでした.このように,近年恒例のようにインフレ率を上回る幅の
運賃を値上げしていった結果が,ロンドンの地下鉄運賃を世界一に押し
上げていったわけですが,多くの路線でラッシュ時に激しい混雑になる
ほどの利用がありながらの度重なる運賃値上げは,経年劣化の著しい施設
更新のため必要とされてきました.

ところが,2008年には新年恒例の値上げは行わず,地下鉄(Tube)やバス
などの1回乗車券(Single Fare)を据え置くと,市長が発表しました.
4%のインフレ率を加味すると,実質的な値下げと表現されています.
その理由としては,年間10億人突破という記録的な利用者数と,運営費の
管理が功を奏して利益が増えるなど,ロンドン市の経済上な成功を分かち
合おうとのことです.
もっとも,2008年は運賃据え置きを報じる記事には,2008年には5月に
市長選があるからという政治的な理由が挙げられているほか,選挙後に
値上げするのではないかとの憶測もあるようです.

市内ゾーン1の初乗り地下鉄運賃は,現金なら2008年も4ポンドですが,
オイスターカード(Oyster card)と呼ばれる非接触式ICカードがあり,
これで乗車する分には1.5ポンドで済みます.日本円換算で360円程度の
この金額なら,世界一高いと称されることもないでしょう.
現金運賃が市内2ポンドに値上げした2006年1月運賃改訂時に1.7ポンド
から1.5ポンドに値下げして以来,ずっとこの金額が維持されています.
このため現金運賃とオイスターカード運賃の格差は年々大きくなり,今回
市長の発表の中で,地下鉄運賃の現金支払いは3.4%にまで低下している
ことが明らかにされています.同じことが路線バスでも起きています.

公式発表では,高齢者などの無料化のほか,所得補助(Income Support)を
受けている人を対象とした半額制度にも触れています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
市長とTfLの公式発表:
30-10-2007 2008 fares package
(Mayor of London 公式サイトへのリンク)
30 October 2007 2008 fares package
(Transport for London 公式サイトへのリンク)

市長が再選を目指すための据え置きかという批判も紹介する記事:
October 30, 2007 London Underground, Bus Fares to Be Frozen Next
Year (Update3)
(Bloomberg ニュースへのリンク)

関連過去ログ:
2007/2/24 ベネズエラとの協定で運賃半額に

さて,先月10月はじめには,首相がロンドン市内の地下を東西に横断する
Crossrail計画を認可しましたが,これによりクロイドンの路面電車延長
計画が犠牲になる恐れがあるという報道がありました.
30th October Crystal Palace tram link under threat?
(Croydon Guardian ニュースへのリンク)
わずか3キロほどの延長計画ですし,クロスレール(Crossrail)と重複する
わけでもないので,なぜ危うくなるのかはよくわかりません.

膨大な建設費を要するクロスレール(Crossrail)は,首相がGOサインを
出したものの,まだ法案が議会を通過したわけではありません.順調に
いっても開業は2017年だそうです.

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