2008年06月30日

【ニース】トラム2号線は英国人の散歩道に

ニースで先週,今年3月に着任した新市長が,計画中のトラム2号線は,
トラム1号線のマセナ広場(place Masséna)から分岐して,地中海沿いに
イギリス人の散歩道として知られる海岸線の道路,プロムナード・デ・
ザングレ(Promenade des Anglais)の中央分離帯を走らせるとする構想を
6/25に発表,翌6/26にはCANCAがそれを承認していました.
CANCA: Communauté d'Agglomération Nice Côte d'Azur

今月初めには昨年11月の開業以来1千万人の輸送を果たし,このうち8%は
自動車からの切替え客であることが明らかになった,トラム1号線の路線
延長も計画に含まれていて,予算総額は4億ユーロになります.

トラム1号線が,ニース中心部を底にしたV字型を描く路線です.一方,
トラム2号線は,地中海沿いにニースから西に向かって延びる路線です.
これまでは,同じ海岸沿いでも,プロムナード・デザングレよりも一本
内陸寄りの,海から二本目の道路(avenue de la Californie)を通る案が
前市長の時代には有力視されていました.

一番海に近いプロムナード・デザングレを選んだ理由には,商店や影響を
受ける住民が少ないこと,専用レーンを走る路線バスがないこと,重要な
ケーブル類が道路に埋まっていないことが挙げられています.それにより
準備工事などに要する時間を減らせたり,経費を前案より15%節約する
ことができますし,観光客の乗車も期待できます.

フランスでは,架線柱(=トラム通行の象徴)は商売の障害になるとして,
沿線商店には不愉快な存在なのだそうです.
ニースでも,トラム1号線工事で散々な目にあわされた挙句,開通後も
立ち直れていない状況を目の当たりにした2号線計画の沿線から,ルート
変更を求める声が挙がっていました.前市長は聞く耳を持たなかったよう
ですが,新市長は,半ばこれに応えた格好になっています.

トラム2号線は,ニース(Nice)とサン・オーギュスタン(Saint-Augustin)
間を25分で結ぶことにより,道路混雑の緩和を目指すことが狙いです.
今後も計画通りなら,2010年には着工,2013年中ごろには,ニースでも
トラムが地中海沿いを走っているかもしれません.

市長の発表前後の記事の中から代表的なものを時系列順に並べました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 14, 2008 Ligne 2 du tram : les commerçants n'en veulent pas
sous leur nez

(Nice-Matin ニュースへのリンク)
25-06-2008 Le tramway avec vue sur mer en 2013
(Metro France ニュースへのリンク)
25 juin 2008 La CANCA imagine la ligne 2 du tramway de Nice sur
la Promenade des Anglais

(Nice Premium ニュースへのリンク)
2008-06-26 NICE La Promenade des Anglais en TRAMWAY Tout simplement
(Nice Rendez-Vous ニュースへのリンク)
26 juin 2008 Nice : la ligne 2 du tram roulera sur la Prom 2013
(Nice-Matin ニュースへのリンク)

プロムナード・デ・ザングレを走るトラムのイラストなど:
25/06/2008 Le tramway passera par la Promenade des Anglais
(France 3 ニュースへのリンク)

Promenade des Anglais, Nice, France. View from hotel window.
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Nice by jpra (flickr)
Nice
Taken on February 23, 2006

2007年時点のNiceとSaint-Augustin間のTCSP計画図.
市内部分: Ligne 2 Quartier du Port à Gambetta à Nice
郊外部分: Ligne 2 Gambetta à St Augustin/CADAM à Nice
(CANCA 公式サイトへのリンク)
TCSP: Transport en Commun en Site Propre (専用走行路の公共交通)

ニースのトラムが,開業以来1千万人が利用したことを伝える記事:
8 juin 2008 Et de 10 millions de passagers !
(Nice-Matin ニュースへのリンク)

関連ログ: 2008/5/31 トラム好調でも沿線は恩恵なし?

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2008年06月29日

【ニューオリンズ】全線復旧後も課題山積

2005年8月にハリケーン・カトリーナ(Hurricane Katrina)で被害を受けて
大打撃を蒙るも,徐々に復旧区間を延ばしてきた現役世界最古とされる
路面電車のセントチャールズ線(St. Charles line)が,3年近くの歳月と
1420万ドルを費やして全線復旧にこぎつけたのは,既報の通り6/22(日)の
ことでした.

それから一週間,最後に復旧した末端区間では,6/28(土)には始発から
10:30まで通常の運行を止めて,祝賀会を開催しています.運転再開後
から正午までは,午前中の運休区間で電車は運賃無料で開放されました.

昨年12月にセントチャールズ通りの西端(Riverbend)まで電車が復活して
以来,近くの店ではお客で賑わっているとのことで,それと同じことが
今回の復旧区間でも期待されています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 28, 2008 Carrollton Area Celebrates Return Of Streetcar Line
(WDSU New Orleans ニュースへのリンク)
June 28, 2008 Party for return of St. Charles streetcar line
The Associated Pressの記事 (WWL-TV ニュースへのリンク)
June 28, 2008 Hundreds fete streetcars' return to full St.
Charles route
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

全線で運転を再開した日の記事:
June 22, 2008 Back on line: Streetcars return to South Carrollton
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

ハリケーン襲来後,一度は店を閉めましたが,昨年4月に営業を再開し,
12月には電車も戻ってきて賑わいを取り戻したと記事に紹介されている
観光客に人気のカフェ,カメリア・グリル(Camellia Grill).
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
New Orleans staples by Mira (on the wall) (flickr)
New Orleans staples
Taken on June 26, 2008

今後は,リバーフロント線(Riverfront Line)やカナル・ストリート線
(Canal Street Line)で活躍していた,旧型車(Perley Thomas car)を模倣
しつつも,時代にあわせて空調と車椅子用の乗降リフトなどを装備した
レプリカ車両(2000シリーズ)の復活が待ち望まれます.この車両がねぐら
としてたRandolph車庫は,市内の8割を襲ったというハリケーンによる
浸水に見舞われ,避難していた電車も大きな損害を蒙っていたのです.

当初,2007年夏にも修繕された最初のレプリカ車が復活する予定になって
いましたが実現せず,その後は情報をつかむことも出来ませんでした.
しかし,今回の全線復旧を伝える記事の中に,7月にもカナル通り線を
走ることになると,RTAの代表が発言していることが記されています.
RTA: New Orleans Regional Transit Authority
June 22, 2008 St. Charles Streetcars Back On Track
(WDSU New Orleans ニュースへのリンク)

今年4月とされる様子:
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Oak Street Streetcar Barn by skeletonkrewe (flickr)
Oak Street Streetcar Barn
Taken on April 9, 2008

レプリカ車両は今度こそ戻ってくるかもしれませんが,より深刻な事態が
RTAを悩ませています.
セントチャールズ線では,平日平均で6千から8千人を輸送しているとの
ことです.比較にはなりませんが,2005年上半期のRTA路面電車全体では
同29万人近い数字が記録されています.
これがRTA全体では,利用者数はカトリーナ以前と比べて四分の一程度の
水準に留まっているとされ,路線バスや路面電車を利用してきた人達,
特に低所得者層が,街に戻ってきていないからと言われています.
6/20/2008 New Orleans streetcar reopens as transit struggles
The Associated Pressの記事 (New Orleans Times-Picayune へのリンク)

住民が少ないことから,バスなどの運転本数は削減されていますが,逆に
これが災いしているという指摘もあります.公共交通が充実していれば,
人は戻ってくるというのです.燃料費に加えて保険料の値上げで,ニュー
オリンズでも自動車通勤は高くつきます.

RTAでは,公共交通計画の見直しに取り組んでいて,新しいバスを購入
したり,9月に路線も一部拡充を予定しています.路面電車に関しても,
もっと路線をという声に応えるべく,リバーフロント線のフレンチクォー
ターへの乗り入れなど,新線構想も考えられているようですが,2億ドル
以上と言われる負債を抱え,連邦政府の災害支援も終わりを迎える中で,
RTAは利用率の盛り返しに取り組まなければなりません.

ルイジアナ州の一機関(political subdivision)であるRTAには,運営を
外部に委ねる話が出ていて,選ばれた3候補のうち,コンサルタントは
フランスが本拠のヴェオリア(Veolia Transportation)が最有力候補だと
推薦したことも,最近話題になっていました.
June 26, 2008 Veolia gets top score in judging for RTA job
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

ちなみに,残る2候補は,シンシナティに本拠をおくFirst Transit Inc.
と,2002年12月以降は援助なしに運行を行い,カトリーナ後もここまで
導いてきたRTA組織内の経営陣,即ち現体制の継続です.
この時点では,世界中で公共交通の運営を手がける最大手のヴェオリア
(Veolia Transport)に決まったわけではなく,7/24予定のRTA委員会で
決定がくだされる見通しとのことです.

前回の関連ログ: 2008/5/30 セントチャールズ線6/22に

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2008年06月28日

【ポートランド】この秋登場の新車お目見え

ポートランド圏のTriMetが,今秋から投入しようとしている新型車両の
第一陣が,相次いで現地に到着しています.
TriMet: Tri-County Metropolitan Transportation District of Oregon
MAX : Metropolitan Area Express

現時時間6/27には,ライトレールMAXの第三世代,Type 4モデル22本の
うちの第一号が,グレシャム(Gresham)にある車両基地で,招待客たちの
前で公開されます.それに先立ち報道公開されたのか,画像入りの記事が
出ていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Jun 27, 2008 New MAX cars give TriMet a sleek look
(Portland Tribune ニュースへのリンク)

2006年5月に,TriMetはS70モデル21本を7500万ドル(1本約357万ドル)で
シーメンスと契約を交わしました.今日,本数は22に増え,1本あたりの
価格は375万ドルとされています.
Type 4モデル(SD70)の特徴は,先代(Type 2と3 / SD660)と比べ全長が
1mほど長く,定員も12名分(うち座席は4席)増えていますが,重量は5トン
ほど在来車より軽くなっています.連結運転を前提として,運転台が片側
だけになったのも軽量化に寄与しているかもしれません.

June 27, 2008 Next generation of MAX trains arrives
The Next Generation: New MAX trains for 2008
(TriMet 公式サイトへのリンク)

今後,千マイルを走りこむ走行試験を経た後,この秋にも営業運行に就く
見込みで,残り21本も2009年10月までに納入される予定です.その時点で
TriMetは,S70保有本数が北米では暫定的に最多となります.
2009年9月にはライトレールMAXの第五の路線,グリーンラインが開業する
予定ですが,このType 4は,特に路線を限定せずに運用されるようです.

もう一つは,ポートランド西方のビーバートン(Beaverton)から,南に
14.7マイル(約23.7キロ)貨物線を走り,ウィルソンビル(Wilsonville)に
至るコミューターレール(Commuter Rail)の車両です.
ライトレールのMAXに対して,コミューターレールはWESです.MAXとWESは
ビーバートンで接続します.
WES: Westside Express Service

Colorado Railcar製造の2両編成のWES用ディーゼルカーは,工場のある
コロラド州フォート・ラプトン(Fort Lupton)から,ウィルソンビルまで
貨物列車で運ばれ,1本目が6/19に到着したそうです.残り2本も秋までに
到着する予定とか.米国では珍しい郊外同士を結ぶ通勤列車の運転開始は
2008年秋,10月か11月と見られていますが,日付は発表されていません.

June 20, 2008 Commuter service between Beaverton and Wilsonville
to start this fall
(The Oregonian ニュースへのリンク)
Jun 19, 2008 WES rail car debuts in Wilsonville
(The Times ニュースへのリンク)

これらの記事によれば,2両のうち1両はエンジン未搭載の付随車ですが,
当面は動力車(座席定員74名)1両だけで運転されるようです.
このディーゼルカー(DMU),燃費は1ガロンあたり2マイルと製造メーカは
発表しています.付随車(座席定員80名)を連結した2両運転時は1.5マイル
になるとか.

需要予測からディーゼル機関車牽引の列車では不経済と考えられたため,
ディーゼルカー(DMU)が採用されました.電気式DCではなく,いわゆる
液体式になるようです.先週届いた1本にはシャフトが付いておらず,
自走はまだできないとのことでした.

TriMet WES Commuter Rail: The First WES Rail Cars are Here!
WES計画概要: About the Commuter Rail Project
(TriMet 公式サイトへのリンク)

構想から十年あまり,現役の貨物線上を走るコミューターレール計画に,
1億1173万ドルが投じられますが,その半分は連邦補助金で賄われます.
DMUの価格は,記事によれば動力車が1両400万ドル,付随車は同300万ドル
とのことです.

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2008年06月27日

【ブラチスラヴァ】市電の四線軌道も検討?

越境するかもしれないトラムの話が続きます.2007年末にも取上げた,
オーストリアのウィーンとスロバキアのブラチスラヴァ(Bratislava)と
いう,ツインシティと言ってもいい首都間の国際通勤鉄道です.

先月より,ウィーンからの鉄道のオーストリア側の終点Wolfsthal駅と,
ブラチスラヴァ市内間の直通路線バスが運転を開始したことで,かつては
Električková trať Bratislava-Viedeň(ドイツ語ではPressburger Bahn)
としてウィーンとブラチスラヴァ間を結んでいた鉄道復活の気運が,再び
高まっている模様です.
現在の終点ヴォルフシュタール駅(Wolfsthal)からブラチスラヴァ市の
ドナウ川西岸ペトルジャルカ(Petržalka)地区まで,線路をつなごうと
いうものです.

これまでにも何度となく話は浮上しながらも,4キロほどの延長(復活)は
実現されませんでした.しかし,両市の中心部同士を結ぶようにすれば
どうだろうという発想が,状況を変えていくのかもしれません.
昨年12月末の話ではウィーン市内に焦点がおかれて,南駅発着ではなく,
トラム路線に乗入れてオペラ座の前まで行く案が披露されていました.
今度はブラチスラヴァの番です.

オーストリア領ヴォルフシュタール(Wolfsthal)は,人口千人に満たない
寒村のようですが,ブラチスラヴァ市内の北部と東部で恒常的に起きる
交通マヒに嫌気をさした富裕層や高学歴者らが,ヴォルフシュタールに
移り住んできており?,ヴォルフシュタールとブラチスラバ市内を結ぶ
交通機関の整備が望まれていたようです.先月スロバキア側からだけの
投資で開設された直通路線バスは,所要時間20分でヴォルフシュタールと
ブラチスラヴァを結びます.

鉄道化に際しては,ブラチスラヴァの市電路線への乗り入れも考えられる
ものの,市電は軌間1000mmのため,そのままでは在来線やウィーン市電と
直通運転できません.それにペトルジャルカ(Petržalka)にはDPBの路面
電車(スロバキア語でelektričky)が来ていませんので,これは実現するか
どうか定かではありませんが,ドナウ川を渡った先のブラチスラヴァ市内
区間では,乗り入れ用に四線軌道化するという案も考えられています.
DPB: Dopravný podnik Bratislava

これまで通勤鉄道が実現しなかった原因でもある,4千万とも7千万ユーロ
とも言われる資金の調達方法としては,PPPも検討されています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
26.06.2008 WIEN: Stadtbahn zwischen Wien und Pressburg
(Die Presse ニュースへのリンク)
26. Juni 2008 Pendlerzug: Wien will´s seinem Zwilling zeigen
(derStandard.at ニュースへのリンク)

オーストリア側の最後の駅でS7系統の終点Wolfsthalから,ブラチスラバ
中心部に近く,ドナウ川沿いにあるターミナルのNový mostまで,直通の
路線バスが,5/24から運転を開始するというスロバキア語の案内:
NOVÁ LINKA 901 – "BRATISLAVA – WOLFSTHAL“ OD 24. MÁJA 2008
(DPB 公式サイトへのリンク)
所要時間は20分とのことです.

ブラチスラバ市内交通の系統図: Mapy a schémy
非常に詳しい非公式サイト (mhd.sk へのリンク)
拡大図には,越境路線バス901系統も載っています.

関連ログ: 2007/12/29 【ウィーン】発ブラチスラバ行きトラム?!

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2008年06月26日

【バーゼル】国境越えトラム新線建設合意に

バーゼル市電の路線をドイツ領内にまで延長する計画は,今年に入って
両国の自治体の承認をそれぞれ得ていましたが,バーゼル・シュタット
準州の代表と,ヴァイル・アムマイン(Weil am Rhein)の市長が,越境
トラム建設の資金調達と建設の権限を規定する枠組み協定に,このほど
同意したとの発表がありました.

これにより,2006年初めから具体的な動きをみせていたドイツとスイスの
国境をまたぐ約2.8キロのバーゼル市電8系統の路線延長計画は,2008年
12月にバーゼル側の着工を見据えるところまで進展したことになります.
一方,ドイツ側の着工は2010年か2011年になると見られ,開通は2012年
予定になっています.ドイツ側1.8キロ区間の建設費は,半分をスイス側
で負担します.

終点はヴァイル駅(Weil am Rhein Bahnhof/Europaplatz)です.ドイツ
鉄道線にかかる跨線橋に設けられ,バーゼル圏のSバーン(Regio S-Bahn
Basel)のプラットホームと直結される計画です.フライブルク中央駅の
ような感じになるのでしょうか.ただし,この跨線橋が技術的にも資金的
にも,大きな挑戦になるだろうとありました.なお,将来的にはそこから
ヴァイル市内中心部への延長も考えられています.

2012年の開通後,延長されるトラム8系統の運営費用はバーゼル側の負担
となり,引き換えに両市間の路線バス55系統はヴァイル市が負担します.
また,両市はトラム8系統延長後に,軌道など施設の更新のための基金を
設立して,30年から40年後に備えるようです.

バーゼル州(Kanton Basel-Stadt)の発表と,両国のメディアから.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
24. Juni 2008 Unterzeichnung der Rahmenvereinbarung zum Bau der
grenzüberschreitenden Tramlininie Basel – Weil am Rhein

(Kanton Basel-Stadt 公式サイト メディアリリースへのリンク)
25. Juni 2008 Bald rollt Basels Trämli über die Grenze
(ドイツ側の報道) (Badische Zeitung ニュースへのリンク)
25.06.08 Rahmenvertrag für Tramlinie Basel - Weil unterzeichnet
(スイス側の報道) (Basler Zeitung ニュースへのリンク)

下のページの中ほどに,PDFファイル地図(Plan)へのリンクがあります.
1億4百万スイスフランと2007年4月に見積られた建設費の分担内訳も,
このページの後半に載っています.
越境トラム計画概要: Tramlinien nach D und F
(Kanton Basel-Stadt 公式サイトへのリンク)

関連過去ログ: 2008/4/16 ベルン車の引退,越境線その後

国境を越えるトラムの新路線建設は,ヨーロッパでは半世紀振りになる
のだそうです.もっとも,在来線にトラムトレインのような車両を走ら
せるケースなら,近年も実現しているほか,今後の計画もあります.

オランダのマーストリヒト(Maastricht)と,ベルギーのフラマン語圏の
フランデレン地域東部リンブルフ州ハッセルト(Hasselt)を結ぶ,30キロ
少々の在来線(Spoorlijn 20)に,2012年中ごろからトラムを走らせる計画
が,両国の当局により合意されたという報道もありました.
25 juni 2008 Tramverbinding tussen Nederland en België
Novum/ANPの記事 (NU.nl ニュースへのリンク)

バーゼルに話を戻しますが,白熱するサッカーUEFA欧州選手権2008も,
準決勝が行われた昨夜(6/25)で,スイスでは事実上終了しました.
決勝は共催国オーストリアのウィーンで戦われます.
スイスではEURO 2008の経済効果が期待されていましたが,自国チームは
開催国の面目も空しく初戦と第二戦を連敗し,早々に決勝トーナメント
進出が断たれたばかりでなく,天候不順も災いし,目論見通りにはいかな
かった模様です.バーゼルではスタジアムの収容人員がスイス最大だった
ため,スイスが開催した決勝トーナメント戦は,全てバーゼルで行われて
いました.

このほか,バーゼルの話題としては,昨年の住民投票結果で運転継続が
困難となったトロリーバスのお別れ運転が,6/30に31系統で行われると
BVBから発表されています.
BVB: Basler Verkehrs-Betriebe
バーゼルではトロリーバスがトラムに取って代わった時代もありました
が,今やトラムのほうが隆盛となり,トロリーバスの路線は大幅に縮小
されていました.今後はバイオガスで走るバスに転換されるとか.

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2008年06月25日

【カッセル】レギオトラム地元で不評報道

これまではカールスルーエ,今はカッセルと言えば,各地からの注目を
集めるトラムトレインのモデル地域です.
昨年夏には行止り式だった中央駅の一部を地下で通り抜ける念願の新線も
開通,ドイツ鉄道線(DB)の交流電化区間とカッセル市内の路面電車区間が
直通可能になったばかりでなく,ディーゼルと電気のハイブリッド車両の
投入により,DBの非電化区間の沿線からも,市内中心街へ乗換えなしで
行き来できるようになりました.
おかげで,2008年第一四半期の利用者数は,前年同時期比で26.7%の増加
と伝えられています.これが,英国などからカッセルのスタイルが注目を
集めている所以です.

ところが,地元では冷ややかな反応が今月相次いで報じられています.
路線や時間帯によっては一時間に一本という運転本数の少なさが,まず
挙げられています.
それと,税金を使って大規模な投資を行った割には,それに見合うほど
乗客数が増えていないということでした.

ここまで28本のトラムトレイン車両,レギオシタディス(RegioCitadis)に
9000万ユーロ,中央駅の通り抜け線への2500万ユーロを含む地上設備に
7240万ユーロ,さらに一部駅の3線化(通過線設置?)など,総額2億ユーロ
近く(NVVによれば1億9千万ユーロ)が投入されています.
旅客数27%増加と言えど,元の数字が小さく,レギオトラム3系統(RT3)の
カッセルとHofgeismar間の平日一日利用者数は,今も3700人に留まって
いるとのことです.このことがガラガラの車内を写した写真とともに,
記事に載ってしまいました.
NVV: Nordhessischen Verkehrsverbund (北ヘッセン交通連合)

レギオトラム計画の中心的存在を担ったNVVの言い分は,レギオトラム
(RegioTram)が空いているのは一部の時間帯だけで,朝5時から8時まで
と,昼から午後は満員ということや,運転開始から一年も経ってなく,
利用者が増えるには,まだまだ時間が必要という発言が記事に取り上げ
られただけでした.

しかし,利用者数の増加は,ドイツでもガソリン価格が高じていること
による車利用からの切替えや,排気ガス対策で車両乗入れの規制が行われ
ることに,期待が寄せられているのが現状のようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
05.06.2008 Regiotrams werden voller
13.06.2008 Flotte Trams auf Abwegen
14.06.2008 Leere Züge, leere Kasse bei Regiotram
17.06.2008 CDU fordert mehr Einsatz für Regiotram
(HNA Online ニュースへのリンク)

HNAの記事では乗客が伸び悩み,経営破たん宣言(Bankrotterklärung)と
まで書かれたNVVは,利用者に向けて,記事に対する公開書簡をウェブ
サイトに載せていました.
Offener Brief Die RegioTram: Fakten für eine faire Bewertung
(Nordhessischer Verkehrsverbund 公式サイトへのリンク)

増発については,ドイツ連邦政府やヘッセン州からの補助金の増額と,
長距離列車や貨物ヤードなどもあり,特に列車が輻輳するObervellmar
ジャンクション(Eisenbahnknoten)の改造が,30分間隔(区間によっては
15分間隔)の運転には不可欠と説明し,運転本数増加と新駅の設置が,
利用客の増加につながるとみています.

関連過去ログ:
2007/9/18 ウィスコンシンからの訪問客
2007/8/17 レギオトラム8/19市内直通へ(2)

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2008年06月24日

【チューリッヒ】コブラ量産先行車5本改修へ

チューリヒご自慢のコブラ(Cobra)こと,特注の100%低床車(VBZ Be 5/6)
は,量産決定を見極めるため量産先行車6本が2001年に導入され,その後
量産車が続々とチューリッヒ市内を走るようになった今日も,最近まで
先行車も現役で活躍していました.しかし,構造強度の問題から改造の
必要があり,今は一時的に運用を離脱しています.
このほど,ゼロ・シリーズ(Nullserie)とも呼ばれる量産先行車の改修を
VBZが正式に決めたことが,先週報じられていました.
VBZ: Verkehrsbetriebe Zürich

発端は,2005年に発覚したシーメンスの100%低床車コンビーノ(Combino)
の問題です.大雑把に言えば,コブラも低床化実現のため屋根上に多くの
機器を搭載していますが,量産先行車は車体強度がそれに耐えられず,
必要な耐用年数(40年)を全うできないことが判明していたのです.

量産先行車のうち1本は,すでに改修を受けていました.残る5本にも,
同様の措置を年内を目途に受けさせることになった次第です.
具体的には,車両構体を丸々交換するようです.アルミニウム製は変わり
ませんが,ボルト締めを止めて量産車と同じ溶接に切り替えます.

まず,コブラ量産先行車(0形)は,チューリッヒ市内AltstettenにあるVBZ
中央車両基地で分解されます.一方,新しい車体はドイツのザクセン州
バウツェン(Bautzen)工場で製造されて,それぞれがレマン湖畔にある
ヴィルヌーヴ(Villeneuve)の工場に送られます.
そこで再組立てが行われてから,再びチューリッヒに戻ってくることに
なるそうです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
19. Juni 2008 Die ältesten Cobras erhalten neue Haut
(Tages-Anzeiger ニュースへのリンク)

記事によれば,この改修にかかる経費は製品保証範囲内ということで,
製造メーカーのボンバルディア持ちになるのだとか.また,先に改修を
受けたコブラ量産先行車を3001号車としていますが,これは3006号車の
ことかもしれません.

3006号車は,2006年10月から2007年5月にかけて,車体構体を含む部品を
量産車とあわせるように改修されていました.ただし,心臓部といえる
台車や駆動装置などには手を加えていません.
しかし,この3006号車が再登場したときには,工場入場前の3006号車は
解体され,ボンバルディアが新品コブラを3006号車として納入したのでは
との疑いがもたれていました.公金の無駄遣いでないかという市議からの
質問も出たため,VBZは3006号車の解体と新造車の番号振替え説を否定,
実際には改修だったと答弁する書面が残っています.
下のリンク先はPDFファイルです.
Auszug aus dem Protokoll Sitzung vom 22. August 2007
(Regierungsrates des Kantons Zürich へのリンク)
この時の改修費も,ボンバルディアが負担していたとのことです.

2007年12月時点の3005号車:
Cobra3005.jpg

コブラの量産車はヴィルヌーヴ工場で製造されていますが,今回の改造で
車体がバウツェン工場で製造される理由はわかりません.
余談ですが,バウツェン工場ではベルリン向けFlexity Berlinの試作車を
現在製造中です.先日,その画像を下記で見ることができました.
erste Bilder von der neuen Straßenbahn aus Berlin
(Straßenbahn-Forum へのリンク)
今のところ,Flexity Berlinの登場は9月になるそうです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年06月23日

【アリカンテ】メキシコから視察団来訪ほか

メキシコシティの西500キロ近くのハリスコ州(Jalisco)にあって,市内の
人口は160万を超え,都市圏まで含めると423万人に至るメキシコ第二の
都市グアダラハラ(Guadalajara)には,都市交通として鉄軌道地下鉄型の
メトロ2路線があり,第三の路線も検討されていますが,先ごろトラムの
導入も視野に入れていると発表していました.

アルストムやボンバルディア,シーメンスなどの車両メーカーとの接触も
数を重ねましたが,先週スペインのアリカンテ(Alicante)を代表団が訪れ
ていました.アリカンテのトラム(TRAM)を導入できないか探るためです.
メニューは,アリカンテとエル・カンペッロ(El Campello)間でのトラム
試乗と,エル・カンペッロにあるトラムの車両基地視察です.

グアダラハラでメトロなどを運行しているSITEURの代表は,アリカンテの
システムに感銘を受け,グアダラハラ第三の路線はメトロかトラムか,
あるいはその両方(トラムトレイン)が考えられ,アリカンテは良いモデル
だと語ったとか.
SITEUR: Sistema de Tren Eléctrico Urbano

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
21/06/2008 Ferroviarios mexicanos visitan el TRAM para exportar
sus ideas y funcionamiento
(Panorama Actual ニュースへのリンク)
21/06/2008 Una delegación mexicana visita el TRAM para exportar
su modelo y sus tranvías

EFEの記事 (Información ニュースへのリンク)
21/06/2008 Alicante.- Una delegación del municipio mexicano de
guadalajara visita el TRAM para exportar su modelo y sus tranvías

(EcoDiario.es ニュースへのリンク)

グアダラハラでも,1940年代まで路面電車が走っていたそうです.その後
1970年代からトロリーバス(Trolebús)が走っています.トロリーバスは,
メトロとして今の電車が導入される前,数年にわたってメトロ用に建造
された地下区間を走っていました.

さて,スペインでは先週からサンファンの篝火(Hogueras de San Juan)と
いう火祭りの期間に入り,最大規模を誇るアリカンテでは,観客輸送で
トラムの増発や終電延長などが行われています.

そのアリカンテでは,6/02には狭軌鉄道FGVの電化区間が更に延長され,
快速運転を行うL1系統は,アリカンテのメルカド(Mercado)とベニドーム
(Benidorm)間の運転になりました.L1系統は30分間隔の運転で43.6キロを
最短55分で結びます.(数値は下記記事より)
03.06.08 El tranvía ya conecta desde ayer Alicante y Benidorm
sin transbordos
(La Verdad ニュースへのリンク)

非電化区間の終点デニア(Denia)まで行くL9系統の運転区間も,同時に
短縮されました.ベニドームまでの電車化に伴い,デニアからバレンシア
まで鉄道をつなぐ構想が,野党から提案されているようです.
20 junio La oposición propone ampliar la infraestuctura del TRAM
en Benidorm
(Radio Sirena ニュースへのリンク)

話はどんどんそれていきますが,バレンシア州の北部で,バレンシアから
70キロ以上北に位置するカステリョン・デ・ラ・プラナ(Castellón de
la Plana)という人口17万余りの街で,ガイドウェイ式トロリーバスが
来月あたりから営業運転に入る予定です.

このガイドウェイ・トロリーバスは,TVRCasという名前でしたが,省略
してTVRとか,判りやすくトラム(TRAM)と呼ばれることもあるそうです.
TVRCas: Transporte en Vía Reservada de Castellón
それが,正式にトラム(TRAM)と呼ぶことにするかどうかを,市長が月曜
(6/23)にも決める模様です.紹介する記事には,アリカンテの商標TRAMを
コピーするとあります.
22 de junio de 2008 El ayuntamiento copia la marca ´TRAM´ del
tranvía de Alicante para el trolebús de Castelló

(Levante ニュースへのリンク)

TVRCasは,TVRと言ってもナンシーやカンのゴムタイヤ式トラムの仲間
ではなく,詳細は不明ですが,CivisやCristalisの仲間のようです.
カステリョンの車両はハイブリッド駆動で架線のない場所も走るトロリー
バスで,光学式のガイドウェイ装置を備えています.これは,道路上に
塗装された点線に沿って自動的にハンドル操作が行われるものです.

英語のPDFファイル版資料が,下記ページからリンクされています.
The BHLS approach in Spain (BHLS へのリンク)

専用の車線と停留所,電気で走ることやポールがあること,レールはあり
ませんが,路面にガイド装置(ペイント)があること,中央運転台である
ことなどから,トラムと呼びたくなるようです.
スペイン語では路面電車はTranvía,カタルーニャ語ではTramviaです.
カタルーニャ語のWikipediaでTramを検索すると,バルセロナのTrambesòs
(T4 T5 T6)が出てきました.スペインではカタルーニャ語の方言にあたる
バレンシア語のみが路面電車をトラムと言うのか,あるいはTRAMはFGVの
商標(marca)なのかは,よく判りません.
FGV: Ferrocarriles de la Generalidad Valenciana


ありそうで実は珍しいかもしれない,カステリョンのTVRCasの話が出た
ところで更に余談です.架線もなく線路もないトラムという触れ込みで,
アンダルシア州グラナダの市長が密かに練っている特注車両は,いまだ
概要さえベールに覆われたままです.どうも企業秘密というようなこと
らしいのですが,苛立った周辺からは不満も出始めました.現在建設中の
メトロ(Metro de Granada)とは別計画のようです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年06月22日

【イルドフランス】新線計画に2億2千万ユーロ

Plan Espoir-Banlieuesという,郊外に希望を与えるという意味になる
政策の詳細が明らかにされました.フランス語でバンリュー(Banlieue)
と呼ばれる,郊外の生活環境の改善を目指します.
これは,現大統領が優先政策の一つに掲げているもので,都市と比べて
従来遅れていた郊外の機会均等や教育の強化,治安の向上などに加えて,
公共交通機関の充実を図ることも項目の一つです.

昨秋のグルネル環境会議で宣言されたように,公共交通の整備にはまず
総額5億2千万ユーロが投じられ,2億2千万ユーロはイルドフランス内の
次の計画に振りわけられることになりました.
1.
2006年11月に,それまでの在来線を転換させたトラムT4号線(Le tramway
T4)から,クリシー・ス・ボワ(Clichy-sous-Bois)や,モンフェルメーユ
(Montfermeil)への支線計画,
(トラムT4の途中駅から路線を伸ばそうとするクリシー=ス=ボワ地区は,
住民の貧困の度合いが高く,失業率も高いため,2005年に社会に不満を
持つ若者が暴動騒ぎを起こした発端となる事件のあった場所です)

2.
行政手続きのDUPを今月終えて,2009年にも着工される,パリ北部を迂回
する貨物線に沿ってトラムトレインが走るタンジャンティエール・ノール
計画(Tangentielle Nord),
DUP: Déclaration d'utilité publique
2008/6/03 北近郊線2009年着工へ
3.
パリ南部エソンヌ県(Essonne)で,マッシー(Massy)とエピネイ・シュル・
オルジュ(Épinay-sur-Orge)間はRER C線が走る線路をトレインとして,
エピネイ・シュル・オルジュとエヴリー(Évry)間はトラムとして走る,
Tangentielle Sud-Ouest計画が発展的解消した形のトラムトレイン計画
(Tram-train Évry - Massy),
2008/2/22 トラムトレイン新計画登場
4.
パリの北東にあたるヴァル=ドワーズ県(Val-d'Oise)ゴネス(Gonesse)を
通り,RER B線(シャルルドゴール空港へのRER B3線)とRER D線北部を短路
する連絡線計画(Barreau de Gonesse).(下に概要へのリンク掲載)
記事の中には,RER A線とD線としているものもあります.
RER: Réseau express régional (d'Île-de-France)

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
20.06.08 Les principales mesures du plan "Espoir banlieue"
(Le Monde ニュースへのリンク)
20/06/2008 500 millions pour développer les transports en commun
des banlieues
(Le Post ニュースへのリンク)
20/06/2008 Plan banlieues: des transports, des gardiens d'immeuble
et des contrats pour les jeunes
(20minutes.fr ニュースへのリンク)

今年2月に大統領が公開していたPlan Espoir-Banlieuesの内容:
12-02-2008 Espoir Banlieues: pour une France fière de sa diversité
英語版: Hope for the suburbs: for a France proud of its diversity
(Portail du Gouvernement - site du Premier ministre へのリンク)

地図へのリンクもある,barreau de Gonesseの概要:
RER D - RER B Roissy, projet du barreau de raccordement de Gonesse
(Ministère de l'Equipement DDEA du Val d'Oise へのリンク)

計画への投資だけでなく,イルドフランスの既存交通機関に対しても,
サービス改善などに2千万から6千万ユーロが投じられるほか,他の地方の
新路線計画には,152の優先地域に総額2億6千万ユーロが分配されます.

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2008年06月21日

【トゥールーズ】トラムE線レール敷設開始

市内だけで44万人近くが暮らし,周辺地域を含めた都市圏全体では人口
93万台半ばを超えるフランス南西部のトゥールーズ(Toulouse)では,都市
交通として,自動運転のゴムタイヤメトロ(VAL)が1990年代よりメトロと
して導入されています. しばらくメトロA線だけでしたが,2007年には
二路線目になるメトロB線も開通しました.
VAL: Véhicule automatique léger

トゥールーズでは,ガロンヌ川以西の発展が目覚しく,交通整備にも力が
入れられ,南西部へはメトロA線,西部には在来線に列車を増発したC線が
カバーしていますが,残る北西部のブラニャック(Blagnac)への足の確保
として,E線を計画します.
輸送量はメトロとバスの中間ぐらいになると予想されたため,E線では
トラムが選ばれました.高架や地下を走るメトロとは異なり,道路中央に
専有敷地を設けて,そこを走ります.

メトロA線や,その他の公共交通機関との接続駅となるアレネ(Arènes)駅
近くで,このたび初めてトラムE号線のレールが敷設され,記念式典が
とり行なわれています.記事にも取り上げられました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
juin 19, 2008 la ligne E de Tramway en construction
(Toulouse 7 ニュースへのリンク)
20-06-2008 Le tramway sera mis en service en 2010
(Metro France ニュースへのリンク)
20/06/2008 Il se tram beaucoup de projets
(20minutes ニュースへのリンク)

トラムE線は車道から分離された軌道上を平均時速20キロで走り,郊外の
ブラニャックからトゥールーズ左岸の交通拠点Arènes駅まで,これまで
公共交通で50分掛かったものを,トラムは30分に短縮する見込みです.
延長11キロ弱のトラムE線は,2010年後半の開業と現在目されています.
トゥールーズをかつて走っていたトラムは,半世紀以上前の1957年に廃止
されていました.

ピーク時には5分から6分間隔でトラムが運転され,一日3万人の利用が
見込まれます.投資総額は2億1100万ユーロとか.

路線網(インタラクティブ版): L'Actualité en direct
La ligne E 単独路線図: Le tracé
計画概要: Projet Tramway ligne E
(Tisséo 公式サイトへのリンク)
Tisséo, Partenaire des transports de l’agglomération toulousaine

トラムE号線で採用されたのは.さきごろ中東ドバイでも購入することに
決まった,アルストムの100%低床車モデル,シタディス(Citadis)です.

トゥールーズ近郊のブラニャックと言えば,空港があることでも知られ
ますが,トラムE線は空港の近くを走りながらも,空港ターミナルには
立ち寄りません.
これに対して批判も出ているようですが,遠距離列車が発着するトゥー
ルーズの陸の玄関マタビオ駅(Gare de Toulouse-Matabiau)と,トラム
E号線から途中で分岐する新線で空港を結ぶ,G号線構想もあります.

トゥールーズには,エアバスの工場があることも有名です.A380製造で
増える工場要員の住宅確保や,その他の雇用創出のため,アンドロメダと
名付けられた開発区画(ZAC-Andromède)が整備され,トラムE線はその中を
走ることになっています.
ZAC: Zone d'aménagement concerté

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2008年06月20日

【ヒューストン】ライトレール5路線着工へ

テキサス州ヒューストン(Houston)市などハリス郡(Harris County)内で
公共交通機関を運営するメトロ(METRO)は,2004年に12キロほどのライト
レール・レッドラインを開業させました.その開業一年前には,住民投票
により長期的な交通計画も僅差で承認されています.Metro Solutionsの
第二期分です.その中には,現在のライトレール路線を50キロ近くにまで
拡大させる計画が含まれていました.
METRO: Metropolitan Transit Authority of Harris County (Texas)

一度は需要が見込めないとして,全部で5つの路線があるうち4路線では,
将来のライトレール転換を見越したBRTで建設されることになりますが,
その後2007年10月にMETROは,最初から全路線ともライトレールで建設
すると決めました.(2007/10/20 BRT計画がレールに逆転へ)
BRT: Bus Rapid Transit

この計画に関してヒューストン市とMETROの間で交わされた同意(consent
agreement)を,市議会が賛成多数で承認したという報道が流れています.
一部修正のため予定より一週間遅れたそうですが,これは言い換えれば,
ライトレール建設に際してMETROが市道を使用する許可が下りた,つまり
工事が認可されたということです.
これを受けて,METROは7月末にも最初の路線を着工したいとしています.
現時点で,どの路線になるかは明らかではありませんが,East End線が
有力視されています.起工式は,East End Corridorで6/27に行われる
予定と,METROの公式ブログには記されています.目標は5路線とも2012年
までに開業です.

認可されたのは,ライトレールだけでなく,METRO Solutions Phase IIに
盛り込まれているコミューターレール(CRT)の導入,路線バスのグレード
アップ(Signature Bus Service)なども含まれています.
CRT: Commuter Rail Transit

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 18, 2008 METRO AND CITY OF HOUSTON FINALIZE CONSENT AGREEMENT
(METRO 公式サイトへのリンク)
June 19, 2008 Metro gets the green light on 5 rail lines
(Houston Chronicle ニュースへのリンク)
June 19, 2008 Houston Approves Construction Of 5 Light Rail Lines
(AHN ニュースへのリンク)
June 18, 2008 Metro to break ground on new light rail line
(KHOU-TV ニュースへのリンク)

ヒューストンでは,すでに開通しているレッドラインを含めて,ライト
レールは基本的に道路上の軌道敷を走ります.貨物鉄道や廃線の転換では
なく,専用軌道でもありません.自動車は交差点など一部を除いて敷地内
通行不可ですが,路面走行で懸念を示す沿線もあります.今回の市議会
でも15人中2人の反対があり,ユニバーシティ(University)線で通行が
予定されているWheeler Streetで,沿線住民らを交えた話し合いの場が
来週にも持たれます.

反対した市議は,METROは裕福な層が住む地域からの反対は受け入れた
のに,安上がりだからと選択された通り(Wheeler Street)では,住民の
反対を無視したとしています.これまでのケースから,ライトレールの
通行は沿線の地価上昇を招くため,裕福でない沿線の住民は追い出される
懸念もあります.

建設される5路線のライトレール計画は,建設費の半分を賄うとされる
連邦から補助金を獲得できると,METROはほとんど確信していますが,
正式には,この9月に行われる手続きを経てからになります.また,仮に
通行する道路が一部変更されても,大勢に影響はないとみられています.

余談になりますが,METROでは今年から一日乗車券を含む紙のパス類や,
乗継券を廃止しています.支払いは現金かICチップ内臓のQカードのみと
なりました.Qカードなら2時間以内の乗継は無料になるほか,50回分の
支払いのつど,5回分のボーナス(無料乗車)がつきます.

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2008年06月19日

【都心回帰】ガソリン価格高騰が後押し

米国のガソリン代は,カリフォルニア州の平均で昨年の今頃には1ガロン
あたり$3.24だったものが,今や$4.60になっているそうです.実に40%を
超える値上げ率です.このことが,人々の習慣に影響を及ぼし始めている
ということを伝える記事が最近目に付きます.節約術なども多い中で,
少しでも公共交通に関連するものを拾い読みしてみました.

ガソリン代が高くなれば,少しでも車を使う機会を減らす,走る距離を
減らすということで,公共交通への切替が増え,電車やバスなどの利用
者数が,未曾有の増加率を示している地域が多くなってきています.

そうした中,住まいの選択基準にも変化が現れはじめています.これまで
アメリカ人は,空間的な余裕や静けさを求めて郊外に住む傾向が強かった
のでした.それがスプロール現象を引き起こすことにもなりますが,郊外
では自動車なしで暮らせませんし,職場までの移動距離も長くなります.

そこで,50歳台を迎えたベビーブーム世代と,ミレニアル(Millennial)と
呼ばれる20歳台の世代は,住まいを都心に求めるようになっています.
都心回帰は,不動産価格が下落する中でも,街の中心部や駅の近くなど
公共交通の便の良い場所は,比較的低下率が鈍いことからも裏付けられて
います.
TDOと呼ばれている公共交通に根付いた開発は,世帯数で現在の600万から
2030年までに1500万世帯へ倍増するだろうという試算もあるとか.
TOD: Transit-Oriented Development

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 17, 2008 Suburbs a Mile Too Far for Some
(The Wall Street Journal ニュースへのリンク)
Jun. 18, 2008 Home buying practices adjust to high gas prices
Associated Pressの記事 (Fort Worth Star Telegram へのリンク)

どうしてガソリン価格が上昇しているのか,その背景を解説している
記事もありました.前半はベイエリアの橋で自動車の通行量が減る反面,
相乗りやバスやフェリーなど公共交通利用が増えているという話題です.
June 18, 2008 Drivers turn to carpools, public transit
(Bay City News ニュースへのリンク)

ガソリン価格の高騰は原油の国際価格上昇からきているのですが,これは
原油取引が米国ドル建てで行われ,その米ドルが他の通貨に比べて弱く
なってきていることで,投資家たちの関心が米ドルから原油に移っている
ことが原因だとか.
米ドルさえ再び強くなれば,原油高,ひいてはガソリン価格も落ち着くと
みられているものの,ドルが弱くなったのは,米国の景気後退に起因する
金利引き下げに端を発しているため,時間がかかりそうです.

TODの話が出たところで,オークランドなど,サンフランシスコの対岸,
イーストベイ(East Bay)で路線バスを展開しているAC Transitが,MTCと
共同で,高頻度で運転される路線のバス停に近い住宅に住む1500世帯に,
1年間の無料パスを試験的に提供するという話がありました.
AC Transit: Alameda-Contra Costa Transit District
MTC: Metropolitan Transportation Commission

June 17, 2008 Full Year of Free Bus Rides for Residents of
Transit-Oriented Developments
(MTC へのリンク)

この年間無料パスは,AC Transitのローカル線バスと,サンフランシスコ
まで行くトランスベイ線の双方で使え,スマートカードのTransLinkで
提供されます.
ベイエリアをカバーする非接触/接触式の運賃支払いカードを目指して
登場しながらも,BARTなど提携事業者が予定通りに増えずに普及が遅れて
いるTransLinkの宣伝目的もありますが,この実験結果によっては,TODで
駐車場を設けず,割引パスをTOD内の住宅に配布することに資金を回す
といったようなことが,将来は実現するかもしれません.

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2008年06月18日

【マンチェスター】フェーズ3A開通は2011年春

英国のトラム復興発祥地とも言えるマンチェスター(Manchester)では,
ライトレールのMetrolinkが現在23マイル(約37キロ)の路線網を,グレー
ター・マンチェスター(Greater Manchester)に展開しています.

それを倍にする5億7500万ポンドの拡大計画があり,この4月には当地の
都市交通利用促進と調整を司る公共機関のGMPTEが,コンソーシアムの
M-Pact ThalesとDBM契約を交わし,5月には運輸省(DfT)が計画を認可して
いましたが,そのフェーズ3A(Phase 3A)の完成時期を2011年春からとする
見通しを,このほど明らかにしました.
GMPTE: Greater Manchester Passenger Transport Executive
M-Pact Thales consortium: Laing O'Rourke/GrantRail/Thales UK
DBM: design, build and maintain
DfT: Department for Transport
フェーズ3Aでの政府の負担額は,2億4400万ポンドになるようです.

M-Pact Thalesの企業連合は,英仏海峡トンネルとロンドンのセント・
パンクラス駅を結ぶ高速鉄道路線CTRLや,ロンドン地下鉄,シンガポール
MTRなどでもチームを組んだことがあるとか.
CTRL: Channel Tunnel Rail Link

これまでのメトロリンクの路線が,マンチェスター中心部を除く大部分が
郊外鉄道線からの転換だったように,新線の一部も在来線を活用します.
このため,オールダム(Oldham)やロッチデール(Rochdale)への在来線は,
2009年秋に転換工事で運休となります.その後,2011年春にヴィクトリア
駅(Victoria)からCentral Parkまで,2011年秋にはオールダム(Oldham
Mumps)まで,ロッチデール(Rochdale)駅までは2012年春の開業予定です.

その他,在来線の転換ではなく新設されるのは,Trafford Barから南に
分岐するSt Werburgh’s Roadへの路線で,2011年春の開通予定,さらに
ピカデリー駅(Piccadilly)から東部ドロイルスデン(Droylsden)へ向かう
別の新設路線は,2012年春の開通予定です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
17 June 2008 Trams on track for Spring 2011 arrival
(GMPTE プレスリリースへのリンク)
17/06/2008 - Trams on track for Spring 2011 arrival
(Metrolink 公式サイトへのリンク)
17/ 6/2008 Metrolink extension well on track
(Manchester Evening News ニュースへのリンク)

路線網拡大計画概要(路線図へのリンクあり): Future Metrolink
(GMPTE 公式サイトへのリンク)

グレーター・マンチェスターでは,ラッシュ時に指定範囲内の道路を通行
する際に課金する制度,混雑税や渋滞税とも訳されるCongestion charge
を導入する計画を立てています.今月上旬に運輸省も承認していました.
導入が決定されれば,2013年からの制度開始となりますが,30億ポンドを
上限とした公共交通機関の整備への投資が可能になります.
TIF: Transport Innovation Fund

実現すれば,更にメトロリンクは35キロ程度まで路線を拡大できることに
なり,今回発表されたフェーズ3Aの関連だけでも,ロッチデール駅から
同市中心部までの延伸,途中のオールダムでも在来線通行を止めて街中に
路線を敷き直すことや,ドロイルスデン(Droylsden)からアシュトン・
アンダー・ライン(Ashton-under-Lyne)への延伸,St Werburgh’s Road
からディズバリー(Didsbury)や,別にマンチェスター空港(MAN / EGCC)
までの延伸さえ可能になるようです.
What is the Transport Innovation Fund?
09 June 2008 Greater Manchester TIF package unlocks up to £3
billion of investment
(GMPTE 公式サイトへのリンク)
下のリンク先の最後に,PDFファイル版の路線図へのリンクがあります.

あとは余談ですが,メトロリンクのサイトには,トラムが水力発電で走る
ことになるというニュースも掲載されていました.
02/06/2008 - Metrolink now runs on water
(Metrolink 公式サイトへのリンク)
英国のトラムでは初となるそうです.

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2008年06月17日

【エバレット】市電導入を探る追加調査へ

ワシントン州北部でピュージェット湾の入口に近く,シアトルの衛星都市
と言える人口10万余のエバレット(Everett)市でも,近年は市電を走らせ
ようという動きがあります.昨年12月には,サンフランシスコを拠点に
おく大手コンサルタント会社に11万ドル以上を払って,路面電車導入の
可能性を探る調査を行わせていた結果が出ていました.

しかし,いくつかの案がある中で,最も安い案の見積りでさえ1億ドルを
超えていたことや,年間の運営費が最低でも200万ドルという調査結果の
数字を見たエバレットの市長は態度を硬化させ,これ以上は路面電車に
公金を投じないと,拒否権行使までちらつかせた発言をしていました.

多くの街で路面電車の復活計画があたためられている米国では,市長が
率先して導入を目指しているところが多い中で,エバレットは逆の様相を
呈していたのです.これが今年3月以降,先々週までの話でした.

それが先週になり,シアトルのコンサルタント会社Berk & Associatesに
3万ドルまでの契約で,追加の調査を行わせることになります.市議会も
僅差でこれを承認しました.

これは,市電導入を目指す市議会議員やダウンタウンの土地所有者らが,
市長に方針転換を迫った結果でもありました.
新たに調査されるのは,路面電車導入がもたらす沿線地価の上昇や,民間
投資の増加といった,潜在的利益を探るものです.
こういった市電の経済効果を,市は十分に調べていないということが,
市長に進言されたのでした.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 15, 2008 Streetcar study approved
(Daily Herald Everett ニュースへのリンク)
新しい調査報告をみた上で導入是非が議論されますが,財源として売上税
の増税について市長は,依然反対の立場を明らかにしています.

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2008年06月16日

【セントラルコリドー】当面の障害乗り切る

こちらをご覧のかたはもうご存知とは思いますが,「世界のLRT」という
願ってもない本が,JTBパブリッシングのキャンブック・シリーズとして
先日発売されました.掲載された業界第一人者らによる写真の見事さや,
重宝する巻末資料は言うまでもなく,公共交通によるまちづくり情報が,
都市ごとの本文にふんだんに盛り込まれているのも特徴の一つです.

その本の冒頭でも触れられている通り,LRT(Light Rail Transit)という
言葉も今や市民権を得てきています.ところが,和製英語ではないのに
意外にも発祥の地である米国でこの言葉を使っているのは,少なくとも
メディアの分野においては,一部の地域だけに限られているのです.
試しに,LRTを含む英語で書かれた記事をGoogleなどでニュース検索して
みてください.米国の記事はほとんどヒットしません.もちろん,呼び方
より重要なのは中身ということは,言うまでもありません.

その米国で,LRTという言葉が使われることのある数少ない地域の中に,
ミネソタ州があります.その州都セントポール(St. Paul)とミネアポリス
(Minneapolis)というツインシティ(Twin Cities)を結ぶ,ライトレールの
セントラルコリドー(Central Corridor)計画の,先週末までの続報です.

州知事が予算案の一部に拒否権を発動し,州がセントラルコリドーに支出
する7千万ドル分が消滅しかかった件は,その後の長時間に及ぶ粘り強い
交渉の結果,期限だった5月中旬に何とか復活させることができました.

残る問題は,ルート途中のミネソタ大学(University of Minnesota)が
唱えている反対でした.同大学はセントラルコリドー計画そのものには
反対していませんが,ミシシッピ川をはさむ両岸にキャンパスが広がる
ミネアポリス・キャンパスのうち,東岸(East Bank)地区のワシントン・
アベニュー(Washington Avenue)上をライトレールが走ることには,計画
当初から反対していました.対案として最初は地下化を,次に北への迂回
ルートを求めていたのです.

大学側の反対理由は,交通渋滞と電車の通行で研究に支障が出ることへの
懸念でした.後者は振動や電気的な干渉に敏感な,施設への影響を心配
してのことです.

計画側からみれば,地下化はもちろん,北への迂回も建設費が増え,その
分を補う利用者数増も期待できず,連邦からの補助金を受けられる基準を
外れてしまうため,認めることのできないものでした.

連邦への申請期限が9月に迫っているなかで,ツインシティなど7郡の広域
行政と地域計画立案の機関メトロ・カウンシル(Metropolitan Council)
は,5月下旬にワシントンアベニューの路面通行案を今一度承認します.
反対が一票ありましたが,それは大学からでした.

大学側は,セントラルコリドー計画そのものには反対しないこともあり,
いつまでも反対姿勢を貫けないとみて,当局との話し合いに応じます.
その結果,大学の環境と資産を守り,安全確保のために十分な投資を行う
ことを当局が保証するという条件を引き出し,6/13に学内の路面走行を
認める決定を下しました.

多くの記事が出ましたが,画像や地図も豊富なミネソタ州の公共ラジオ局
MPRの記事を,先月から時系列順に並べて紹介します.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
May 19, 2008 With state support, Central Corridor light rail moves
forward

May 28, 2008 Central Corridor line approved, despite U of M.'s
objections

June 12, 2008 U of M Regents prepared to support light-rail plan
(Minnesota Public Radio ニュースへのリンク)
MPRも,セントラルコリドー計画自体は支持するものの,セントポールの
スタジオ前をライトレールが走ることになるため,騒音や振動が放送に
与える影響を心配していました.

結局ミネソタ大学は条件付きで折れることになりそうだと伝える記事:
June 11, 2008 U changes direction on light-rail trains
(Minneapolis Star Tribune ニュースへのリンク)
大学内の投票結果,キャンパス内の路面走行を認める決定を出したことを
伝える大学の発表: 6/13/2008 U of M Board of Regents vote to pursue
an at-grade solution for Central Corridor Light Rail Transit

(UMN News へのリンク)

プロジェクト概要: Central corridor light rail transit home page
(Metropolitan Council 公式サイトへのリンク)

今後,全てが順調に運び,全米各地からの申請との競争を勝ち抜いて,
総予算の半分を賄う連邦からの補助金を獲得すれば,2014年の開業が期待
されています.

関連過去ログ: 2008/4/14 知事の拒否権で危機

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2008年06月15日

【バルセロナ】市電の連絡線計画検討段階へ

今は街の東西で別々に運行されている,バルセロナ(Barcelona)の二つの
トラム路線網を接続する構想は,当局が本腰を入れることになりました.
ルートを含めた検討が本格化されることになった模様です.

TrambesòsとTrambaixは,同じディアゴナル通り(Avinguda Diagonal)の
両端を2004年の開業以来走りながらも,中心部の約4キロは空白です.

二つの路線網を連結させる方法には,素直にディアゴナル通り(Avinguda
Diagonal)上を直結する案のほか,前回紹介のようにディアゴナル通りの
道幅の狭さを避けて,迂回しながらもメトロとの接続を増やすルートも
検討されます.
もっとも,先月の記事に設けられたオンライン投票では,ディアゴナル
直行を支持する票が過半数でしたし,建設費がキロ当たり2千ユーロとも
2200ユーロとも見積もられるなかで,距離が迂回案よりも1.5キロ短い
4キロほどで済むディアゴナル直行案のほうが有力なようです.

なお,建設費見積もりの中には,単にトラムを走らせる工事だけでなく,
沿道の再開発(reurbanización)や道路下ユーティリティ(canalizaciones)
整備の費用も含まれていて,それら費用が半分以上を占めるそうです.

ディアゴナル直行案には中心部の再活性化の期待も寄せられる一方で,
道路交通に及ぼす影響や,沿線商店の荷卸し問題も懸案です.
元々はディアゴナル通り経由で結ばれるはずだったトラムが今のように
分断されているのも,5年前にはトラムを走らせると中心部の交通混雑は
不可避と考えられたからですが,バルセロナ市は今回その道を探りたい
としています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
13/06/2008 La Generalitat acepta la conexión de los dos tranvías
a través de la Diagonal
(El País ニュースへのリンク)
13/6/2008 El Govern inicia el estudio de la unión del tranvía
por la Diagonal
(El Periódico ニュースへのリンク)

二つの案を記した地図と,オンライン投票を載せた前回紹介の記事:
08/05/2008 Barcelona estudia unir el Trambaix y el Trambesòs
(La Vanguardia ニュースへのリンク)

下のページにリンクのあるPDFファイルの路線図には,トラム路線も掲載
されています.
Barcelona & TMB : Get on the move > Maps
(TMB 公式サイトへのリンク)
TMB: Transportes Metropolitanos de Barcelona

6/13付けのEl Periódicoの記事では,2004年には760万人だったトラムの
利用者が,2007年には2080万人に増えていることや,利用者は6割以上が
女性客で,年齢層では24歳から40歳までが多いことも紹介されています.

なお,東部を走るTrambesòsでは,T6系統が6/16から営業運転を開始する
予定です.バダローナ(Badalona)とサン・タドリアー・デル・ベゾース
(San Adrián del Besós)という,いずれもバルセロナ郊外の二つの地域を
結ぶシャトル便のような役目を担う新設系統は,今月初めから非営業で
ダイヤ通りの運行を開始していました.T4とT5を結ぶ500mほどの連絡線が
建設され,投じた費用は総額830万ユーロとのことです.

路線概要: Línies, horaris i títols > Trambesòs T4, T5
新設停留所: Líneas horarios y títulos > Trambesòs T6 La Mina T6
(Tramvia Metropolità S.A. 公式サイトへのリンク)

関連過去ログ: 2008/5/09 2つの市電を結ぶ案が浮上

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2008年06月14日

【公共交通】車通勤から切替で年1800ドル節約

4月に,本来なら今頃ワシントンD.C.で走っているはずの路面電車3本が,
未だにチェコに留まっているという話を紹介しました.
2008/4/25 【ワシントンDC】路面電車はチェコで待機中
その際にワシントンDC向け車両が留め置かれているチェコの街をプルゼニ
(Plzeň)としましたが,最近の報道にはチェコ東部オストラヴァ(Ostrava)
と明記されていました.運行会社DPOが保管し,時々は試走させて状態を
保っているとのことです. ( DPO: Dopravní podnik Ostrava )
プルゼニでプラハ向け車両の試運転も行われていたため勘違いしました.

その後の進展は特にありませんが,4月下旬には軌道敷設工事の入札が
行われ,オストラヴァからワシントンへの移送は,年内には行われるもの
とみらられているものの,計画の先行き不透明感は拭い切れていません.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 11th, 2008 Czech trams head for Washington
(The Prague Post ニュースへのリンク)
4/26/2008 DC Spends Millions on Trolley Route to Nowhere
(TheNewspaper.com ニュースへのリンク)

The Prague Postの記事は,プラハ在住のアメリカ人たちがトラムを賞賛
していること,そして彼らは次の移住先を選ぶ時には公共交通機関が発達
している街を探すこと,彼らが米国に戻ってくるとしても,これからは
そうした街を見つけ易くなることを紹介しています.
少なくとも80の街で,路面電車の新規導入や復活を検討しているのです.

ヨーロッパに行ったアメリカの人たちは,なぜ自国にヨーロッパのような
優れた公共交通機関がないのか,疑問に思うそうです.それは米国では
欧州ほど手厚い補助を地下鉄などにかけていないからですが,それでも
今や公共交通機関,とりわけ鉄道は見直されてきています.

以前なら公共交通機関を利用する人たちは,自動車を持てないか,環境に
配慮しているとかいう理由がほとんどでした.その後は,道路の混雑に
嫌気がさして車を車庫に置く人たちも出ましたが,ガソリン価格が記録的
高値を更新し続けている昨今では,公共交通のうち特に鉄道利用者数は,
道路混雑の影響を受けやすい路線バスとは異なり,全米各地でうなぎ上り
になっています.

June 13, 2008 Can Mass Transit Rescue America?
(ABC News ニュースへのリンク)
この記事では鉄道のような公共交通が,ガソリン代がここまで高くなって
きた中で究極の答えになるかと言えば,都会に住む人たちにはそうでも,
全ての人が恩恵を受けられるわけではなく,都会に住んでいない人には
非現実的とする見解を紹介しています.

記事では,毎日往復24マイルの通勤で自動車の利用を止めて公共交通に
切り替えると,往復運賃を$3.50と仮定して,ガソリン代と駐車場料金が
不要になることで,年間$1,840もの節約になるというAPTAの計算も取り
上げていました.
APTA: American Public Transportation Association

下記ページでは,マイカーの燃費,サイズ,ガソリン価格,通勤時の往復
マイル数,駐車代,公共交通で往復した場合の運賃を入力していくと,
公共交通通勤に切り替えた場合の年間節約額が計算される仕組みです.
Calculate Your Savings by Riding Public Transportation
(APTA へのリンク)
マイルごとに保守費用とタイヤ交換の価格まで反映しているそうです.

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【シンシナティ】フォーラムで他市の秘訣紹介

オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)でも,路面電車フォーラムが先日
開催されていました.平日の午前中に行われ参加費用は35ドルでしたが,
観衆150人ほどが集まったそうです.
Cincinnati Streetcar Forum: Promoting Growth & Mobility

シンシナティの路面電車計画は,当初オハイオ川に近いダウンタウンから
北上して,オーバー・ザ・ライン(Over-the-Rhine)という歴史的建造物が
保護されている地域までを第一期区間とし,さらに北のシンシナティ大学
(University of Cincinnati)周辺のアップタウン(Clifton Heights)へは
第二期として分けて考えられていましたが,今年4月の市議会の決定で,
ダウンタウンからアップタウンまで一気に建設する方向になっています.

予算も,当初のオーバー・ザ・ラインまでの1億200万ドルから,1億8千万
ドル台($182 millionから$187 million)に増え,このうちの3千万ドルは
民間から調達する予定です.そうした中でフォーラムは開催されました.

先月ロサンゼルスで開催されたワークショップの時のように,ここでも
路面電車やライトレールなどを近年開業させた,シャーロット,リトル
ロック,シアトル,ポートランドからパネリストを招いて,導入までの
ノウハウや,その後の運営や路線網拡大に向けた手法が披露されました.

そこで,シンシナティ市の路面電車導入に向けた戦略の3つの重要な柱が
浮き彫りにされます.最初は小規模に留めること,住宅地の再開発に注力
すること,そしてヤング・プロフェッショナルに的を絞ることです.

初めから長い路線を目指すのではなく,最初は短距離でスタートさせる
こと(Start small).これは,2007年12月に市電を開業させたシアトルが
力説しました.短距離の路線を素早く導入することで,支持層が拡大する
というものです.リトルロックの関係者からも,何も行動せずにマスター
プランが出来上がるのを待つのは間違いとの発言がありました.

シャーロットからは,(郊外からの)ライトレールに(中心部の)路面電車を
組合せることで,中心部の渋滞緩和だけでなく,郊外(居住者)の支持を
取り付けられるとした上で,今や次はどの方面に建設するかという議論が
沸き起こっていると紹介されました.

ヤング・プロフェッショナル(young professionals)に関しては,街に
再び活気を与えるには,新しい技能を持つ教養ある若い彼らが鍵を握って
いると,シンシナティ大学Economic Center for Education & Researchの
ディレクターから説明されています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
April 24, 2008 Streetcar plan approved
June 10, 2008 Cities testify: Streetcars work
(The Cincinnati Enquirer ニュースへのリンク)
June 12, 2008 Streetcar Supporters Encouraged By Signs Of Progress
(WLWT-TV Cincinnati ニュースへのリンク)
4月の記事は計画が市議会で承認された時の報道で,6月分がフォーラムの
報道になります.

シンシナティが路面電車を導入するかどうか,決定は年内に下されるよう
ですが,その後はライトレールも視野に入れています.

シンシナティは2002年の住民投票で売上税の増税とライトレール建設を
含む計画を圧倒的多数で否決しましたが,その当時1ガロン$1.42だった
ガソリンは,今や同$4の水準に達しています.今なら機は熟しているかも
しれません.
June 13, 2008 Gas prices accelerate need for Cincinnati, region
to rethink mass transit

(Business Courier of Cincinnati ニュースへのリンク)

関連過去ログ:
2008/5/24 【ロサンゼルス】市電ワークショップほか
2007/10/17 【シンシナティ】市電計画の財源を市が発表

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2008年06月13日

【トラムトレイン】英国West Midlandsも検討?

この3月には,英国でも2010年からトラムトレインの試験運行が行われる
ことが発表されています.運輸省(DfT: Department for Transport)と
列車運行会社のノーザン・レール(Northern Rail)や線路などを管理所有
するネットワークレール(Network Rail)などが共同で,ヨークシャーの
非電化路線ペニストーン線(Penistone Line)を舞台に二年間の予定です.

トラムトレイン(tram-train)と言っても,直ちにペニストーン線の起終点
シェフィールド(Sheffield)でトラム(Supertram)と直通運転を行うわけ
ではなく,在来車両より高い加減速性能で旅客に便宜を図れるかどうか,
軽量なトラムトレイン車両による運行で,線路保守量を軽減できるかなど
が,まずは見極められる模様です.トラム路線へ直通する市内乗入れは,
その後のオプションです.

このトラムトレインの概念をライトレール路線延伸に使えないかどうかを
検討するところが,早くも出てきました.イングランド中西部ウェスト・
ミッドランド州バーミンガム(Birmingham)を走る,ライトレールのミッド
ランド・メトロ(Midland Metro)です.

Midland Metroは,1999年に約20キロの1号線が開業し,運営は別の組織
ながら所有している公共機関のCentroには,1号線の延伸や2号線建設など
路線網拡大計画があります.
Centro: West Midlands Passenger Transport Executive
(ウェスト・ミッドランド州の都市交通利用促進と調整を司る公共機関)
そのうちの2号線計画とは,1号線の途中ウエンズベリィ(Wednesbury)から
分岐して南西に向かい,ダドレー(Dudley)を経由してブライアリー・ヒル
(Brierley Hill)に至る路線です.

資金不足に悩まされるCentroは,この2号線が現在は貨物列車だけが運転
されているサウス・スタッフォードシャー線(South Staffordshire Line)
に沿って走ることから,ここをトラムトレインという形で運転可能なら,
線増工事の費用を節減や,その先の延長もできると考えたのでした.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
11/06/08 Centro hatches plan for freight trains on tram line
(Transport Briefing ニュースへのリンク)

記事によれば,Centroの代表団がドイツのカッセルを視察して,かの地で
路面電車と貨物列車が同じ線路を共用したり,電化されていない区間まで
トラムが中心部から直通運転されているのを目の当たりにしてきました.
カッセルでは,トラムトレイン運転開始後の旅客数が25%増えたとか.
Centroは,沿線自治体や鉄道会社などと共に,このコンセプトの実現性を
探っていこうとしているのでした.

Midland Metroの延長構想(PDFファイル版の地図へのリンクあり)
Metro Future routes: The proposed Midland Metro extensions
(centro へのリンク)

トラム=トレインを検討しながらも,2010年からの英国当局お墨付きの
試験運行で選に漏れたところには,マンチェスターやブラックプールと
いった街もありました.主要幹線を除くと非電化路線の多い英国では,
カッセルが実現した気動車とトラムのハイブリッドという方法は,とても
魅力的に映るのかもしれません.

このうちブラックプールでは,依然資金集めに奔走しているそうです.
10 June 2008 Tramway extension dream still on track
(Blackpool Gazette ニュースへのリンク)

関連過去ログ:
2008/3/19 【トラムトレイン】英国で二年間の試験運行へ
2008/2/29 【ブラックプール】プレストンへのトラム構想

バーミンガム(Birmingham)などウェスト・ミッドランド(West Midlands)
の各地方議会は,グレーター・マンチェスター(Greater Manchester)が
計画中のラッシュ時の道路通行料金制度,混雑税や渋滞税とも訳される,
Congestion chargeを導入することは見合わせています.
マンチェスターは,先日政府により計画が承認されています,導入が実現
すれば,ロンドンに次いで英国で二例目になり,見返りにTIFからの総額
30億ポンドが,公共交通機関の整備に投資されるようになります.
バーミンガムは,これを見送ったことになります.
TIF: Transport Innovation Fund

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2008年06月12日

【アムステルダム】メトロ地下区間工事運休

夏の間は人の流れが少なくなるため,その時期に交通を止めて大規模な
補修や改修などを行うことが多くなる中,アムステルダムのメトロでも,
中央駅(Centraal Station)とアムステル駅(Amstelstation)間の地下区間
が,1977年開業で築後30年を越えたのを機に,6/30から8/17まで運行を
全面的に止めて工事を行うことになりました.GVBでは期間中に両駅間に
シャトルバスを走らせますが,もう一つ秘密兵器がありました.
GVB: Gemeentevervoerbedrijf, Amsterdam(アムステルダム市営交通会社)

中央駅からの地下区間工事中には,3系統のメトロ(Metro)が区間運休を
強いられます.このうち,南部アムステルフェーン(Amstelveen)へ向かう
メトロ51系統アムステルフェーン線(Amstelveenlijn)は,途中で電源切替
(第三軌条750vと架空電車線600v)を行う路線で,さらに南駅から南では,
途中までトラム5系統と地上の軌道を共有し,その後も一部で路面を走る
ことから,快速トラム(Sneltram)とも呼ばれています.
この路線のうち,アムステルダム中心部が運休区間に含まれています.
一方,中央駅発着のトラム5系統は,やはりアムステルフェーンへ向かう
路線で,地図上では中央駅からメトロ51系統よりも南駅へ直行している
線形です.(言葉では判りにくいでしょうから,下記に臨時路線図への
リンクをつけましたので,ご参照ください)


このことから,メトロ51系統の地下区間運休中には,このトラム5系統が
混雑することが予想されるとして,GVBはここに助っ人を投入することに
しました.ウィーンのメトロU6を走っていたE6タイプの車両です.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
公式発表: 11 juni 2008 Weense trams rijden zich deze zomer al
warm in Amsterdam

メトロ地下区間工事運休中の案内(路線図付き):
21 mei 2008 Metrotunnel 7 weken dicht
(GVB 公式サイトへのリンク)

ウィーンがメトロU6系統用の部分低床車を追加導入したため,お役御免に
さたE6タイプの車両は,同じオランダのユトレヒトが輸送力増強用に数本
購入しています.実は,そのうちの一部が,夏の間だけアムステルダムで
アルバイトをするのでした.メトロの地下区間運休期間が終わると,9月
からE6は本来の目的であるユトレヒトのラッシュ時輸送に投入されます.

すでに6/11には,3本?レンタル予定のうちの1本が,アムステルダム近郊
ディーメン(Diemen)にあるGVBの車両基地に到着したらしく,近々にも
試運転が行われる模様です.ウィーンのE6が両運転台なのも,GVBトラム
路線網の中で,唯一両運車が走るトラム5系統には好都合でした.

関連過去ログ:
2008/5/23 【ユトレヒト】ウィーンから助っ人来る?!(2)
2008/4/13 【ユトレヒト】ウィーンから助っ人来る?!

ちなみにこのトラム5系統には,自分でiPodなどデジタルプレーヤーに
ファイルをダウンロードして聞ける,ポッドキャスト(Podcast)スタイル
の沿線観光ガイドがあります.

GVBのウェブサイトにあるMP3ファイルを取り込んでいくだけで,沿線の
見所などが聞けるこの方法は,昨年誕生して好評らしく,今度はトラム
4系統バージョンも登場したそうです.
9 juni 2008 Nieuw: toeristische podcast tram 4
英語版案内: Download the podcast A podcast to guide you!
(GVB 公式サイトへのリンク)

新しく出来たトラム4系統版は試していませんが,トラム5系統版は英語で
30分少々のものです.車内で録音したのかバックに走行音も聞こえます.

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2008年06月11日

【ポートランド】住宅不況で市電建設費増額

米国の住宅市場不況が,ポートランド・ストリートカーの建設費を押し
上げました.とは言っても,2005年に開通したウォーターフロント地区の
入り口RiverPlaceまでの延長区間の分で,1400万ドルの建設費に新たに
29万4千ドルが加算されるというものです.

ポートランド市は,2001年に開業していたポートランド州立大学までの
市電を,ウォーターフロント地区まで延長するに際して,2003年に一般
財源を担保にしてバンクオブアメリカ(Bank of America)から信用与信枠
700万ドルまでの融資を受けていました.その返済期限が今月中旬に迫る
なかで目途が立たず,2年間の期限延長が両者の間で合意されましたが,
その分の追加利息が冒頭の加算額になるということのようです.

市電のRiverPlace延長開通後,ポートランド市は利子だけを返済して,
あとはポートランド市の経済開発部に相当する組織PDCが,沿線の土地を
売却して返済する予定でした.
PDC: Portland Development Commission

しかし,米国の不動産市場が不況に陥り,RiverPlaceの停留所の目の前に
広がるコンドミニアム用と当て込んだ,Parcel 8とParcel 3と呼ばれる
2つの区画の土地が売れなかったのです.
最近入札した開発業者は,供給過多になったコンドミニアムをあきらめ,
ダウンタウンの客室稼働率が昨年平均77%と好調なホテル市場に目を向け
ています.RiverPlaceには既に全米チェーンのホテルが一軒ありますが,
すぐ近くに別のホテル建設計画を立てています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 10, 2008 Streetcar line costs city extra $294,000
June 09, 2008 Slowdown hits city, PDC, RiverPlace
(The Oregonian ニュースへのリンク)
下記ページにPDFファイル版の現場地図へのリンクがあります.
RiverPlace Parcel 8 and Parcel 3 Redevelopment Area Development Map
(Portland Development Commission へのリンク)

ポートランド市電には,その計画当初から市電開業の原動力になったと
されるCAC(直訳では市民諮問委員会)があります.年間数回の会合は公開
されていて,議事録を後日ウェブ上で読むことさえ可能です.
CAC: Citizens Advisory Committee

5月の議事録が先ごろ公開されましたが,ポートランド・ストリートカー
では運転手不足の問題が報告されていました.運休を余儀なくされること
もある模様です.
また,市電とライトレールMAXが交差する場所での信号機に問題を抱えて
いるようで,信号の早急なアップグレードが望まれています.2009年には
モールを走るライトレールMAXグリーンラインの開業を控えていますが,
こちらも市電と軌道が交差しているからです.
Portland Streetcar CAC Meeting Minutes: #62 - May 7, 2008
(Portland Streetcar Inc. 公式サイトへのリンク)

グリーンラインの話が出たところで前回の続編になりますが,関連工事で
6/09まで自動車も行き交っていたスチールブリッジ(Steel Bridge)も,
今は8/01までMAXが独占しています.その後8/02から3週間はMAXも部分
運休してグリーンラインの分岐工事が本格化する予定です.

今月初めにご紹介した直後,ライブ映像でスチールブリッジの現場を,
東向きで見れるようになりました.
View live construction camera: Steel Bridge (facing east)
(Portland Mall Light Rail: The Next Big Thing Downtown へのリンク)
関連過去ログ: 2008/6/01 スチールブリッジ通行止め
日付を別にすれば,ポートランドと日本の間には8時間の差があります.
今月から7月半ばまでは日没が現地夏時間21時ごろですから,日本時間
13時ごろまでなら明るさが残っているでしょう.8月下旬には現地時間の
20時前になります.日の出は,6月の同5時台半ばから8月下旬の同6時台
半ばまで,徐々に遅くなっていきます.

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2008年06月10日

【ボイシ】リトルロックを見習う市電構想

米国でまた一つ,市内を走る路面電車を復活させたいと市長が宣言する
街が増えていました.アイダホ州ボイシー(ボイジー)(Boise)です.

ボイシでは,アーカンソー州リトルロック(Little Rock)で2004年に開業
した路面電車,River Railを手本にしようとしています.
ボイシの人口は市内だけで21万台半ばを数え,広域都市圏まで広げると
59万人になります.この人口規模や,川が街を二分していること,大学の
ホームタウンになっていることなど,両市には共通点が多いのでした.

市長は,昔風のトロリーに似せたバスを走らせるのではなく,固定された
軌道を建設することで,沿線に企業や開発業者が集まり,住宅地を集積
させることにもなって,街を活性化できると路面電車の優位性を説いて
います.実現は,今後4年以内を目指しているとか.

市長の構想を伝える記事は,一通りリトルロックの成功を紹介したあと,
今後の課題を並べています.
まずは,州道と州間道路を除く公共道路を所有管理している当局ACHDの
承認が必要です.記事によれば,まだACHDには打診がきていないものの,
市電復活案に反対はしていないとのことです.
ACHD: Ada County Highway District

そして,これはどこでも同じですが,財源です.アイダホ州の市や郡には
地方売上税を運輸関連の計画に回す法案を通すことができないようで,
売上税以外の地方税を模索しなければなりません.
リトルロックでは建設費の8割を補ったと記事で紹介されている連邦から
の補助金も,財源が限られている上に競争相手も多く,あてにできない
状況とのことでした.
もっとも,連邦からの補助金を使わないほうが,計画の進行は早くできる
ため,ボイシを含むエイダ郡(Ada county)や隣接のキャニオン郡(Canyon
county)などのTreasure Valleyの公共交通を司っている当局のVRTを,
市電復活計画や実現後の運行には関与させない方針でいるようです.
VRT: Valley Regional Transit

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 09, 2008 Will Boise hear the clang of a trolley again?
(Idaho Statesman ニュースへのリンク)
この記事で紹介されているリトルロックの数字は,これまで他紙が参考
事例として記載してきた数字より若干安く書かれています.

一方,リトルロックのような昔の電車を模したレプリカ新車ではなく,
イタリアのミラノで現役の古典車両を,現地まで買い付けに行くところ
まで話がまとまっていたアラバマ州バーミンハム(Birmingham)では,先週
になって市議会が予算削減を決めたため,今年11月の着工を目指していた
計画は危機に直面しています.
June 05, 2008 Trolleys, nonprofits face cuts in budget
(The Birmingham News ニュースへのリンク)
市長は予算を巡って市議会とは対立せず,拒否権も行使しないため,削減
されたままで7月からの2009年度予算は確定しそうです.

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2008年06月09日

【Douai】Phileasトラム開業時期未定に?

フランス北部ドゥエ(Douai)がトラムとして導入するのは,運転台は片側
だけにあり,ゴムタイヤで走ります.ここまでならフランスにも先例が
ありますが,加えてパンタグラフやポールといった集電装置や,架線さえ
なく,目に見えるレールも敷かれていません.独特な前面形状を除くと,
車両の両側に乗降ドアがあることぐらいが,普通のバスとの外観上の違い
かもしれません.

その最大の特徴は,外からではうかがい知れない磁気誘導式ガイドウェイ
装置です.
レールを敷く代わり,直径15ミリほどの円筒形の磁石を約4mごとに路面に
埋めた専用車線が用意されました.車輪から自車位置を検知できる車載
機器がその磁気マーカーを読み取ることで,予め記憶しているルートに
沿っているかどうかを確認しながら進むというものです.
フィリアス(Phileas)が採用したこの方法は,路面に塗装された誘導線を
追う光学式ガイドウェイ方法よりも,天候や路面状況に左右されないと
いう利点があります.

ドゥエでは,まずはバスで言うところのハンドル操作だけを,この磁気式
ガイドウェイに委ねますが,最終的には加減速などの走行全般を自動化
する計画でした.

しかし,フランスの当局はこれに待ったをかけます.
この手の磁気誘導式ガイド装置は,フィリアス(Phileas)のお膝元とも
言えるオランダ南部のアイントホーフェン(Eindhoven)で実用化されて
いるに過ぎません.このため,安全性を徹底的に検証する必要があると
して,フランスではTGVや無人運転のVAL,エアバスや原発などに要求され
ている,安全度水準の最高レベル(SIL 4)を求めることにしました.
SIL: Safety Integrity Level

この結果,工事はほぼ終了したにもかかわらず,開業予定は6月末から
9月へ延期となっていました.今春の話です.それが先週になって9月も
難しく,時期は白紙になりそうだという話が,明らかにされています.

アイントホーフェンでは,ガイド装置の不具合は特に伝えられませんが,
LPGエンジンとモータのハイブリッドが上手く機能しないため,LPGから
ディーゼルエンジンとのハイブリッドへ改修中とのことです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
07.06.2008 Face au tram de Douai, unique en France, l'État exige
le plus haut niveau de sécurité

05.06.2008 Le tram ne sera pas mis en circulation à la rentrée
(La Voix du Nord ニュースへのリンク)

英語で読める資料: New Era Hi-tech Buses. Phileas.
(citytransport.info へのリンク)

ドゥエのトラム関連資料(フランス語):
Evéole 路線図: Tracé de la ligne 1
(la ville de Douai 公式サイトへのリンク)
Présentation du projet: Evéole, le tram sur pneus du Douaisis
(Le Douaisis へのリンク)

関連過去ログ: 2008/3/31 ゴムタイヤトラム開業9月に延期

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年06月08日

【RegioRailer】オランダの連接バス版DMV

先月下旬,鉄道線路と一般道の両方を走れるデュアル・モード・ビークル
(DMV)の定員増加に向けた新たな開発が進行中との報道がありました.
道路だけでなくレールの上も走れる車両の開発は,他国でも行われている
とのことですが,オランダはユトレヒトに本拠をおく運輸関係の技術
コンサルタント会社Movaresが,4月中旬に独自の案を発表しています.

Movaresが開発した車両は,バイ・モーダル・バス(bimodale bus)と分類
され,RegioRailerと呼ばれています.

実物はまだのようですが,車両は2車体か3車体の連接バスがベースで,
道路はゴムタイヤ,線路上は鉄車輪で時速80キロ走行が可能とか.
鉄道用の車輪と道路用のタイヤは半径が同じで,駆動や制動装置ばかり
でなく中心のない車軸?(英語ではnon-central axis)まで共有します.
一つの車軸の内側に車輪,外側にタイヤが付く形です.これにより車両
重量を抑えることに成功しました.

その構造ながら,道路と線路の切替点ではタイヤを上昇させ,代わりに
車輪をレール面に接地させて走ることができ,切り替えはDMVと同様に
ノンストップなばかりか,フライング・チェンジ(vliegende overgang)
という切替点を,車輪径とタイヤ径が同じなので時速40キロで通過できる
ともあります.ちなみに,車両価格は一般のバスの約1.5倍だそうです.

RegioRailerは,ライトレールより安上がりで柔軟性があるとして,鉄道
線路がありながら道路の混雑に悩まされている地域や,古くからの鉄道が
新興住宅地の近くを通らないために活かされていない場所など,不採算
鉄道旅客線の救世主として期待されています.
また,RegioRailerの貨物トラック版をつくり,鉄道線上は機関車に牽引
され,道路上は普通のトラックとして自走するといったような,貨物輸送
への応用も考えられている模様です.

ということで,今日はニュースと呼ぶには古い話題でしたが,この車両の
関連リンクを,発案した会社のサイトから順に紹介しておきます.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
24 april 2008 Movares vindt opnieuw het wiel uit
Innovaties: Regiorailer - bimodale bus
(Movares Nederland B.V. 公式サイトへのリンク)

オランダ語の記事:
25-4-2008 Bus ook op de rails
(Verkeerskunde ニュースへのリンク)
19 mei 2008 Met de bus op het spoor
(Technisch Weekblad ニュースへのリンク)

英語による情報:
06/05/2008 The RegioRailer: a bus that can ride on the road as
well as on the rails (The Netherlands)

(European Local Transport Information Service へのリンク)
下のページではRailbusとして紹介され,リンク先のPDFファイルに詳細が
記されています.
Dualmode Transportation Concepts
(Innovative Transportation Technologies へのリンク)

Movares社がRegioRailer導入先として例に挙げているのは,オランダ東部
オーファーアイセル州のズウォレ(Zwolle)とカンペン(Kampen)間の単線
非電化路線のKamper線(Kamperlijntje)です.ここを300万ユーロ投じて
RegioRailer対応とすることで,現在一日5千人そこそこの利用者数を6千
から7500人まで引き上げることが出来るだろうと考えています.
Kamper線は,地方鉄道線トラム化の候補路線にもなっていた路線です.

なお,RegioRailerは基本的にバスで目視運転を行うため,鉄道車両に
装備される保安装置(ATB)は不要とMovares社は考えているようですが,
そのことや,通常の列車が行き交う中で運転できるかどうかは定かでない
と,Technisch Weekbladの記事には記されています.
ATB: Automatische treinbeïnvloeding

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2008年06月07日

【ベルガモ】年内開業に向けSirio2本目届く

今日はイタリア語でtramが含まれる記事検索を行うと,ミラノでトラムに
向けてゴム弾を発砲して捕まった兄弟の話ばかりが出てきました.目的は
ビデオに撮影してYouTubeに投稿することだったそうです.

そのミラノから北東に約40キロ離れ,ロンバルディア平野の端にあたる
ベルガモ(Bergamo)に6/04の夜,Sirioの2本目が到着したという記事も
ありました.アンサルドブレーダ(AnsaldoBreda)社の100%低床車モデル
Sirioは,ミラノやナポリ,サッサリなどで活躍中のほか,イタリアでは
フィレンツェも導入予定ですし,国外の採用例ではアテネ,ヨーテボリ
などの他,トルコのカイセリ(Kayseri)で建設中のKayserayがあります.

芸術都市とも音楽のまちとしても知られる人口12万に満たないベルガモ
ですが,公共交通の利用度が低く通勤時間帯の道路混雑も激しいため,
10年前からベルガモ県が公共交通網の整備に乗り出しています.
その一環として古い鉄道線跡を転用する形で,ベルガモの新市街地バッサ
(Bergamo Bassa)にあるFS駅前と,北東に位置するアルビーノ(Albino)を
結ぶ約13キロのトラム1号線を建設中です.

当初2008年10月には開業予定でしたが,車両納入遅れと一部区間の軌道
敷設工事に問題があり,ベルガモとアルツァーノ(Alzano)間の約7キロを
現時点では,どうやら年内に先行開業させる予定としている模様です.

今回は2本目ということですから,既に1本目は到着済みで,その報道は
どうやら見逃していたのですが,3月初めだったようです.4月中旬には
車庫の周辺で試運転も開始されています.14本の契約で残る12本は年内に
納入される予定とか.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
05/06/2008 Tram, arrivata la 2ª carrozza
18/04/2008? Debutto sulle rotaie per il tram delle Valli
07/02/2008 Binari pronti, ma non ci sono i tram
(L'Eco di Bergamo ニュースへのリンク)

駅前の鳥瞰: 3D Piazzale Marconi, Bergamo - Stazione di Bergamo
2D Piazzale Marconi, Bergamo - Stazione di Bergamo
(Windows Live Local bird's eye へのリンク)
画面は西が上で表示され,その画面右下に建設中のトラム軌道と思われる
ものが見えているはずです.画面を右下に移動していくと,バスの車庫の
中を線路が横切ろうとしていることが判ります.

2000年にベルガモ県とベルガモ市により設立された会社のサイトには,
到着済みのSirioや車庫,軌道の様子などの画像が掲載されています.
TEB: Tramvia Elettrica Bergamasca

直訳すると渓谷のトラムになる,Tramvia delle Valliという呼び方も
あるようです.ブレンバーナ峡谷(Val Brembana)がロンバルディア平野
(Pianura Lombarda)に出ようとするところに位置しているからでしょう.

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2008年06月06日

【フローニンゲン】大広場にRegioTram到着

オランダ北東部フローニンゲン(Groningen)の大広場(Grote Markt)に,
全長38mにも及ぶあるモノが持ち込まれました.6/07まで展示されます.

街の中心にあり,フローニンゲン市庁舎とマルティニ教会(Martinikerk)
の主塔(Martinitoren)がそびえる大広場に届いたのは,デンハーグから
遥々250キロかけて運ばれた,ランドシュタットレール(RandstadRail)を
走るHTMのトラムトレイン車両,アルストム製70%低床車レギオシタディス
(Regio Citadis)です.これはRegioTram計画のデモンストレーションで,
公開討論会も行われた模様です.

検討中の計画では,フローニンゲン州の州都フローニンゲンには3路線の
市電網を構築するほか,中央駅(Hoofdstation / Centraal Station)から
複線電化の鉄道(Staatslijn C)で,南に約28キロ離れているドレンテ州
アッセン(Assen)まで,トラムトレインを走らせる予定です.2020年を
目途に,周辺の他の街にも走行路線を拡大させるようともしています.

フローニンゲン市には市電も走っていた時代もありましたので,計画が
実現すれば復活ということになります.最初の市内線は,中央駅と市内
北部にあるフローニンゲン大学(RUG)などがあるZernikecomplex(Zernike
Campus)の間を結ぶ路線で,途中は今回HTMの低床車が展示された大広場
(Grote Markt)も通る予定です.開通は2014年を目指します.
RUG: Rijksuniversiteit Groningen

水曜日(6/04)の夜に到着したRegioCitadis搬入の様子は,公式サイトや
各種メディアで報じられました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
0 5 - 0 6 - 2 0 0 8 Tram in stad
(RegioTram Groningen 公式サイトへのリンク)
このサイト内には,RegioTram計画概要なども記されています.

04 juni 2008 Regiotram op de Grote Markt
(Dagblad van het Noorden ニュースへのリンク)
5 juni 2008 Tram op Grote Markt in Groningen
(Radio TV Noord ニュースへのリンク)

先月下旬,フローニンゲン市はトラム計画を発表していました.
28 mei 2008 Trams keren terug in Groningen
(De Telegraaf ニュースへのリンク)
市内線第一期分の建設費は1億5千万から2億ユーロと見積られています.
記事によれば,オランダの空の玄関口スキポール空港とフローニンゲンを
結ぶ高速鉄道(Zuiderzeelijn)計画が中止となった見返りとして,資金の
一部は,政府が肩代わりすることになっているとのことです.

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2008年06月05日

2008年【運賃無料】ベイエリアは6/19だけに

この数年,夏のスモッグシーズンの時期になると,ベイエリアでは翌日は
大気中の有害物質が連邦政府の定める基準を超えるとの予報が出ると,
スペア・ディ・エア・デー(Spare the Air Day)と宣言され,それが平日
なら公共交通機関が運賃無料になる時がありました.

2004年から続いたプログラムでは,2006年に結果的に6日間も無料になり
ました.2007年には終日ではなく時間限定とする事業者も現れますが,
今年はスペア・ディ・エア・デーでも無料ではありません.代わりに一日
限り6/19に設定されています.

今シーズンは既に5月中にスペアジエアデーに宣言された日があり,その
ときも今年は公共交通機関が無料にならないとの報道がありましたが,
より詳細な内容が今回伝えられています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
06/03/2008 No more free rides -- 'Spare the Air' program abandoned
(Contra Costa Times ニュースへのリンク)

公共交通の無料開放が一日だけになったのは,連邦予算が削減されたこと
や,燃料価格の高騰と,それによる利用者数の急増などが理由です.

それに加え,空気の悪い日には自家用車を家において電車やバスを使って
もらおうという目論みが外れたことも一因です.狙い通りに普段の習慣を
変えて電車やバス,ベイエリアならではのフェリーを利用したのは,僅か
2.9%に留まったのでした.昨年は8月に2日間無料日があり,22%利用者が
増えていたにもかかわらずです.

各事業者に運賃無料に伴う補填と,利用者の動向調査などを含む費用の
総額は460万ドルです.これで大気中の有害物質13.45トンを除去できたと
していますが,もっと効率の良い方法に資金を投じることにしたのです.

一方でガソリン価格が1ガロン4ドルを超え,米国ではライトレールや通勤
列車の利用者数が2008年1月から3月までの実績も,前年同時期を大きく
上回る伸びをみせています.
1ガロンは3.785411784リットルですので,1リットル170円というのは,
ガロンあたりのUSドルに換算すると,約6.4ドルになります.


今週APTAが発表した数字では,ベイエリア関連だけでもライトレールは
サンフランシスコで前年同時期比12.2%,通勤鉄道(Commuter rail)の
分野ではオークランドで同15.8%など,二桁の伸び率を示しています.
June 2, 2008 Public Transit Ridership Continues To Grow In The
First Quarter Of 2008

(American Public Transportation Association へのリンク)

無料開放で奨励しなくても,電車やバスを利用する人が増えてきました.
それでも,新たな利用者獲得を目指し,今年は一日だけ運賃無料日が設定
されています.6/19(木)はオゾンレベル予報が高くても低くても,フリー
乗車できる予定です.これまで同様,BAAQMDとMTCがスポンサーです.
BAAQMD: Bay Area Air Quality Management District
MTC: Metropolitan Transportation Commission

ベイエリア Spare the Air Day 運賃無料の関連話題:
2007/6/02 2007年【運賃無料】BARTなど13時までに限定
2007/1/26 2007年【運賃無料】3日分の予算承認される
2006/8/01 2006年【運賃無料日】その成果と是非
2006/7/18 【運賃無料】予算追加で今年は6日分に
2006/6/29 【運賃無料】軒並み2桁の利用者増加率に
2006/6/23 【運賃無料】今年最初のSpare the Airで

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2008年06月04日

【ストックホルム】トラムを中央駅の西にも?

ストックホルムの市電7系統ユールゴーデン線(Djurgårdslinjen)は,今年
2008年は5/31から8/31までが毎日運転になります.毎日運転開始後の6月
はじめの日曜日(今年は6/01)は,同線が開通した1991年以来,トラムの日
(Spårvagnens dag)としているそうです.

1967年に全廃された市電を復活させる形で,今は昔の車両を走らせている
このDjurgårdslinjenを,中心部を通して中央駅(Centralstationen)まで
延長させる計画が,最近は懸案になっていました.

2007年の時点では2010年までに開通させるという話にまで発展します.
Värtans方面への延長も盛り込まれました.
延長時には低床車を導入するため,アルストムやボンバルディアといった
車両メーカとの交渉にも入っているようで,2006年はブリュッセル向け
Flexity Outlookが,2007年にはマドリッドのCitadisが,それぞれデモン
ストレーション運転を同線で行っています.
しかし,現実には途中にある混雑した道路をどうやって通すのかなどで
話が難航し,2010年開業は現状では困難になっている模様です.

そうした中で迎えた今年のトラムの日の翌日,Djurgårdslinjen延長は
中央駅を越えて更に北西に進み,市役所なども建つ新市街とも言われる
クングスホルメン(Kungsholmen)島までにする,という話があることを
伝える記事が出ています.(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
2 jun 2008 Spårvägen byggs ut på Kungsholmen
(Dagens Nyheter ニュースへのリンク)
Se grafikをクリックすると,地図を見ることもできます.

記事には,数週間中にスウェーデンでの県に相当するストックホルムの
ランスティング(landstinget)とストックホルム市が,路面電車計画への
投資を共同発表するだろうというようなことが,書かれています.

中央駅への延長計画概要(地図つき): Förlängning av Djurgårdslinjen
(SL 公式サイトへのリンク)
SL: AB Storstockholms Lokaltrafik

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2008年06月03日

【イルドフランス】北近郊線2009年着工へ

中心部と郊外を結ぶ放射状の鉄道線がほぼ整備されたパリでは,中心部を
通らずに郊外同士を結ぶ路線の計画が目白押しです.その中の一つで,
現在貨物列車が走る,Ligne de Grande Ceinture(大ベルト線)に沿って
パリ北部を東西に横断するトラムトレインを走らせる,Tangentielle
Nordと呼ぶ計画を,先週フランスの首相は公共事業として承認したことが
報じられています.

トラム計画でもお馴染みの,このDUPと呼ばれる行政手続きを経ることに
より,土地の収用が可能となり,2009年着工が現実のものとなりました.
最初の区間(Épinay-sur-Seine,Le Bourget間)は2014年,全線は2017年の
開業が予定されています.これだけの時間を要すのは,貨物線の旅客化
ではなく,実質的に線増(横付け)を行うからのようです.
DUP: Déclaration d'utilité publique
公聴会(enquête publique)は,2006年に開催されていました.

約28キロの路線は,駅から750m以内に12万人以上が暮らすほか,放射状に
のびる鉄道を東西に結び,一日15万人の利用が見込まれています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
01 Juin 2008 Ce RER qui va contourner Paris
(Le Journal du Dimanche ニュースへのリンク)
02/06/2008 La rocade ferrée est lancée en Ile-de-France
(Moniteur-Expert ニュースへのリンク)
03/06/2008 Feu vert pour la Tangentielle Nord
(20 minutes ニュースへのリンク)

路線図: Plan des correspondances
計画線鳥瞰: Survol en 3D
乗換え案内図: Des correspondances avec toutes les lignes du RER
(Tangentielle Nord 公式サイトへのリンク)

トラムトレインは,一度に500名の輸送が可能とされ,今の鉄道車両より
軽量で短いため騒音も少ないと紹介されています.最初は12本が用意され
最終的に38本になる車両の購入費用は,約1億6千万ユーロと見積もられ,
SNCFが保有する模様です.

関連過去ログ: 2006/11/07 貨物線をトラムトレイン?

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2008年06月02日

【フィラデルフィア】トロリーバス一部復帰

米国でトロリーバスと言えば,サンフランシスコやシアトル,ボストン,
オハイオ州デイトンなどの街で都市交通として活躍しています.
リストの中には,2003年までフィラデルフィア(Philadelphia)の名前も
ありましたが,現地ではトラックレス・トロリー(trackless trolley)と
呼ばれているトロリーバスの路線は,2003年以降ディーゼルエンジンの
バスが代行していました.
しかし,先月からSEPTAは一部路線にトロリーバスを復活させています.
SEPTA: Southeastern Pennsylvania Transportation Authority

そのあたりのSEPTAにまつわる話と,ガソリン価格が高騰している昨今の
状況からみた,トロリーバスとディーゼルエンジンのバスとの費用の比較
などを取り上げた記事がありました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Jun. 1, 2008 Return of trackless trolleys bypasses South Phila.
(The Philadelphia Inquirer ニュースへのリンク)

記事にはSEPTAからの情報として,費用は次のように記されています.
運行と保守にかかる費用比較:
トロリーバス(trackless trolley) マイルあたり$2.54
ディーゼルエンジン駆動のバス(diesel bus) マイルあたり$2.76
ハイブリッド・バス(electric-diesel bus) マイルあたり $2.60
ただし,電気料金を2010年まで抑えているものの,その後は上がるため,
トロリーバスの運行費用は,2010年以降は上昇するとしています.

購入費と耐用年数の比較:
トロリーバス(trackless trolley) 100万ドル 18年
ディーゼルエンジン駆動のバス(diesel bus) 40万ドル 12年
ハイブリッド・バス(electric-diesel bus)は,ディーゼルバスより16万
ドルほど高いとしています.

2003年に,SEPTAは資金難から次年度予算で一時的なものとしてトロリー
バスからディーゼルバスへの切り替えを盛り込みました.
しかし,SEPTAの言う一時的というのは,永遠に等しいのです.過去にも
路面電車(tracked trolley)が一時的にバス代行になり,2005年に1系統
だけが冷改PCCカーの投入で復活を果たしましたが,16年後もバスのまま
という先例があります.トロリーバスも,2003年から5年近く,先月まで
再び営業運転が行われることはありませんでした.

2006年になって,SEPTAは新しいトロリーバスを38台購入します.4350万
ドルのうちの3480万ドルは連邦からの助成金でした.これも,しぶしぶ
だったようです.もしもこの時にトロリーバスではなく他のものを購入
していれば,SEPTAは連邦機関FTAに何百万ドルも返金しなければなりま
せんでした.
一時的なバス代行ということだったため,連邦資金?で車庫は新設され,
トロリーバス用の架線も更新されていたのです.新車を入れなければ,
その費用をSEPTAは負担する必要がありました.

38台の購入契約を結び,その第一号は昨年到着,その後も17台まで揃った
時点での先月の営業運転再開でした.
以前トロリーバスが走っていた,市内の北東部にあるArrott Terminalと
Frankford Transportation Centerから発着する3つの系統で,いずれも
ブルーラインとも呼ばれる地下鉄路線(Market–Frankford Line)の駅から
伸びる路線です.
しかし,長年の予算不足の状況もあり,あと2千万ドルかけて23台を購入
することは見送られます.38本だけではディーゼルエンジンバスの代替
路線全てにトロリーバスを復活させることはできず,フィラデルフィア
南部(Southern Division)の2つの系統は,設備は残っているのに今後も
トロリーバス再投入の見通しが立ちません.Philadelphia Inquirer紙の
タイトルは,そこから来ています.

2003年にSEPTAが投じたディーゼル燃料費は,年間1280万ドルだったそう
です.それが来月からの新年度予算では同5710万ドルです.
環境の面だけでなく,最近は運行経費の面でもトロリーバスの優位性が
示され,バッテリーや補助エンジンで架線のない場所でも走れるトロリー
バスが登場して欠点を克服しているなかで,SEPTAの方針に記者は疑問を
投げかけています.

SEPTA側の言い分としては,1300台も車両を保有する規模の事業者とも
なると,少数の車両を購入して維持するのは実用的ではないとしている
言葉が紹介されています.しかし,記者はシアトルやボストンの例をあげ
反証しています.

フィラデルフィアでのトロリーバスの歴史や,かつての路線図などは,
下記ページで見ることもできます.
Philadelphia Trolley Tracks: Trackless Trolleys
(Philadelphia Trolley Tracks へのリンク)
Philadelphia, Pennsylvania: Trackless Trolleys
下段のリンク先は個人のものですが,2000年時点のトロリーバス路線網の
地図へのリンクもあります.

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2008年06月01日

【ポートランド】スチールブリッジ通行止め

軌道系交通を道路に走らせるにあたり,通りから自動車を排除してしまう
のではなく,共存の道を探るケースとして注目したい,ポートランドの
バスモールを走るライトレールが,いよいよ姿を現しつつあります.

5/09には,ポートランド・モール・ライトレール(Portland Mall Light
Rail)計画のレール敷設が終了したとの発表もありました.その時点で
モール区間の主要工事の90%が完成したと伝えられています.

ライトレールMAXは,北はユニオン駅から南は州立大学までモールを走る
ことになります.当分の間は州立大学(Portland State University)が
終点で,既存のMAX路線とは,ユニオン駅の東にあるスチールブリッジで
接続します.もっとも,その部分に駅は設けられず,信号所のようになる
のでしょう.
MAX: Metropolitain Area Express

その部分のレールは,まだです.改めて紹介するまでもありませんが,
スチールブリッジ(Steel Bridge)は,ポートランド市内でウィラメット川
(Willamette River)にかかる橋の中でも一番有名です.それは,自動車と
共にライトレールMAXから貨物鉄道やAmtrakまで走る,特殊な二層構造の
昇開橋だからです.

2009年9月開業を目指すモールライトレールに欠かせない最後の工事が,
そのスチールブリッジでの分岐部分です.そこで,この夏は工事の関係で
スチールブリッジの通行規制がかかります.
第一弾として,6/01から路線バスが全て迂回することになりました.
8/30まで橋を渡る7つの路線バス系統は,他の橋で対岸を目指します.
第二弾は6/10からで,8/24まで一般車両の通行が禁止されます.
その時点でスチールブリッジはライトレールMAXが独り占めすることに
なりますが,それも8/01までです.8/02からは,第三弾としてMAXも終日
バス代行で他の橋へ迂回することになるのでした.8/24までの予定です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Steel Bridge Construction through August 30, 2008
(Portland Mall Light Rail へのリンク)
工事期間中の運行: Service Changes Effective June 1
(TriMet 公式サイトへのリンク)
TriMet: Tri-County Metropolitan Transportation District of Oregon

十日近くまえに発表があり,その時点でも報じられましたが,前日にも
記事が出ました.今後も自動車の通行が禁じられる6/10前にも出るかも
しれません.
May 31, 2008 Steel Bridge bans buses as rail work starts
(The Oregonian ニュースへのリンク)
工事の影響を受けるのは橋の上段だけで,下段の歩道や貨物鉄道の線路は
通常通りの通行ができます.

スチールブリッジ北東部にある取り付け道路に,新しくライトレールの
軌道が敷設されます.下の画面は東向きです.
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Traffic being diverted off Steel Bridge by Jason McHuff (flickr)
Traffic being diverted off Steel Bridge
Taken on May 19, 2008
この日は,橋の昇開が行われた際に高く上げすぎ,ライトレールの架線を
切断して夕方までMAXが橋を挟んだ区間で不通になっていたそうです.

Google MapsのStreet View機能では,車の目線からインタラクティブに
現場を眺めることもできます.
スチールブリッジ北西部の取り付け部: 131 NW Glisan St‎
Steel Bridgeを,MAXの運転台から見るとこんな感じ?
(Google Maps Street View へのリンク)

モール内の様子が伺える画像集: Portland Mall Construction Photos
(Portland Mall Light Rail へのリンク)
North Mallには,ユニオン駅の近くやスチールブリッジへの取り付け部の
画像も含まれています.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国北西部 II このエントリーを含むはてなブックマーク
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