2008年11月30日

【サクラメント】LRV全車にも12/01記念席

米国で初めてとなる電気運転の市電は,1886年にアラバマ州モンゴメリー
(Montgomery)で走ったと言われています.それから半世紀,路面電車は
台頭してきた路線バスに1936年には取って代わられますが,19年後には,
そのバスの車内が舞台となり,その後の公民権運動につながる出来事が
起きます.

バス車内に限らず,公共の場は白人席と黒人席に分かれていた時代の路線
バスでの話です.車内では当時,白人客はバスの先頭から座り,黒人など
その他の人種は後部座席から座っていきました.そうして全ての座席列が
埋まると,その後に白人客が乗り込んだ時は,黒人側の先頭の列に座る
最後に乗込んだことになる黒人客たちは,その列の全員が自分たちの座席
列を空けて,白人客に列ごと譲るしきたりがあったそうです.

ある時42歳の黒人女性が,このような状況下で,同じ列の他の黒人客が
座席を明け渡したのに,一人拒否します.当時権限のあったバス運転手の
指示にも従わず,最終的には市の条例違反で拘束されてしまいました.

しかし,それに抗議してマーティン・ルーサー・キング牧師らが先頭に
立ち,いわゆるモンゴメリー・バス・ボイコット運動が起きます.後に
公民権運動へと発展していくのでした.

2005年にこの女性が亡くなった時,全米中の公共交通機関で,先頭に近い
バスの座席に彼女の名を記したりして偲んでいました.
今年も,最初のきっかけとなるバス車内の出来事が起きたとされる12/01
から,来年1/19(キング牧師の記念日)や,それに続く1/20(大統領就任式)
にかけて,彼らの功績を称えるイベントが増えるかもしれません.

サクラメントでは,路線バスだけでなく,全てのライトレール車内でも,
今年の12/01は座席を一つ空けておくことにしたそうです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
11/28/2008 RT Commemorates American Civil Rights Movement -
"Season of Civil Rights - It All Started on a Bus"

(RT 公式サイト プレスリリースへのリンク)
RT: Sacramento Regional Transit District

サクラメントのRTでは,2005年には全ての路線バス車両の座席一つに,
ローザ・パークスさんのディスプレイを飾ったとか.

関連するバスの話題を交えて,地元紙も記事を出していました.
Nov. 29, 2008 Regional Transit to honor Civil Rights Movement
(The Sacramento Bee ニュースへのリンク)

話は大きく変わりますが,このサクラメントのRTでも,保険会社AIGの
経営破綻に端を発する財政危機に見舞われています.
AIG: American International Group

RTは50本のライトレール車両を投資銀行に売却し,その場でリースバック
しているそうですが,この契約を保証する後ろ盾の保険会社(AIG)が,
信用格付けを落としたため,保険を失った契約を銀行側は取消すことが
出来る上,このままでは1月にも,RTに対し3200万ドルの支払いを求める
ことになる模様です.
Nov. 19, 2008 Sacramento transit agency pinched by insurer's
credit crunch
(The Sacramento Bee ニュースへのリンク)

この問題は,特に大都市の公共交通事業者で問題視されてきましたが,
サクラメントの場合は,規模の割に金額が大きいとして,地元紙は報じて
いました.事の次第によっては,ライトレール路線網拡張計画は棚上げ
されるばかりか,営業規模の縮小も行わなければならないかもしれない
とのことです.

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2008年11月29日

【アムステルダム】燃料電池版Phileas試験へ

オランダ運輸水利省(Ministerie van Verkeer en Waterstaat)は,390万
ユーロをかけ,2010年からアムステルダムで水素バス(Waterstofbussen)
などの試験運行を行うと,先週発表していました.
その4台のうちの2台は,ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州
(Nordrhein-Westfalen)などとの共同研究の一環として,Phileasの新しい
バージョン,水素・燃料電池版になる模様です.

さらに,ドイツ側ではケルンでもPhileasを2台購入することになるとか.
デュッセルドルフで先週開催された,当地の水素燃料電池ネットワーク
(Netzwerk Brennstoffzelle und Wasserstoff NRW)の第8回年次総会で
会場となったヒルトンホテル前にも,Phileasが登場したようです.

Phileas(フィリアス)は,いわばバスとトラムのハイブリッドで,トラム
仕様で走る際は,路面に埋め込まれた磁気ビーコンで誘導されるガイド
ウェイ装置による自動運転も可能な,ゴムタイヤ式トラムの仲間です.

アイントホーフェン(Eindhoven)を本拠にするVDLグループ(VDL Groep)の
傘下にあるAPTSが製造するPhileasは,お膝元のアイントホーフェンで,
2004年より営業運行が行われています.
APTS: Advanced Public Transport Systems

また,フランス北部ドゥエ(Douai)でも,トラムEveoleとして導入が計画
されていますが,こちらは当局の認可手続きなどの関係で,当初予定より
大幅に遅れ,現時点では2009年夏以降の開業と言われています.

Phileasのオランダとノルトライン=ヴェストファーレン州の共同開発版
では,水素・燃料電池はオランダのNedstackが,電気システムはドイツの
Vossloh-Kiepeが担当します.

英語で情報がもたらされました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
26/11/2008 Amsterdam and Cologne to get tram on rubber tyres
(Minds in Motion へのリンク)

水素燃料電池バス2台を含む試験運行計画の公式発表:
20-11-2008 Nederlands-Duitse samenwerking voor duurzaam busvervoer
(Ministerie van Verkeer en Waterstaat 公式サイトへのリンク)
上記発表を英訳したもの? が,下記ページにあります.
20 Nov, 2008 Dutch-German cooperation for sustainable bus transport
(Verkeersnet.nl へのリンク)

Minds in Motionには,オランダでのPhileasは,通常のバスモードとして
運転される時には警笛にクラクションを鳴らしますが,磁気ガイドウェイ
(記事では電気式ガイドウェイ)によるトラムモードで走る時は,法令で
ベルを鳴らす必要があるとあり,Phileasは両方を備えているという話も
載っています.

また,トラムのように車両の両側に設けられた乗降ドアや,それによって
一メートルあたりに必要なバスの最低座席数を満たすことが困難になる
などの例が挙げられ,車両が先進的過ぎて,摘要する法令が追い付いて
いないとしていました.

アイントホーフェンNS駅前(Station NS)バス停のフィリアス(画面中央):
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Eindhoven: Phileas bus by harry_nl (flickr)
Eindhoven: Phileas bus
Taken on October 19, 2007
Phileasで走るはずの空港行き401系統(画面右)は,この時は一般のバス
だったようです.

磁気式ガイドウェイ・バス関連ログ:
2008/9/15 【Douai】トラム営業開始は一年後か?
2008/9/07 【AC Transit】路線バス版のATO?

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2008年11月28日

【ブレスト】トラム共同購入【ディジョン】

フランス西部 ブルターニュ地方 ブレスト (Brest)
市内人口約14万5千,周辺共同自治体まで含めると同21万3千余
=ブレスト・メトロポール・オセアン(BMO: Brest Métropole Océane)

フランス中部 ブルゴーニュ地方 ディジョン (Dijon)
市内人口約15万4千,周辺共同自治体まで含めると同26万2千余
=グラン・ディジョン(Communauté d'agglomération Dijonnaise)

この両都市は,パリ近郊経由の高速道路を走ること約860キロほど離れ,
そのルートは北部フランスの東西を横断する形になりますが,もちろん
両者を結ぶ都市間交通の話ではありません.

ブレストは2012年に14.3キロの,ディジョンは2013年に20キロの,トラム
(tramway)開業を予定しています.その車両を共同購入するという話は,
以前からありましたが,このほど両市長が正式に調印を交わしたことが,
発表されています.

ブレストは,今年5月にAvant Première社の車両デザインを採用すると
決めていますが,その同じデザインを,ディジョンにも使用できる権利を
与えます.
単独では,ブレストが20本で5500万ユーロ,ディジョンは32本で7500万
ユーロと見られている購入額を,共同購入で発注数を合計52本に増やす
ことにより,総額で1千万ユーロ,もしかしたら1500万ユーロ節約できる
のではないかと,期待されています.

車両発注数の少ないブレストには有利な話ですが,ディジョンを共同購入
相手に選ぶ前には,ブザンソン(Besançon)やル・アーブル(le Havre),
トゥール(Tours)なども候補でした.しかし,いずれも開業時期が合わな
かったそうです.ブザンソンは下記に記したように車両が未定です.
ル・アーブルは2012年,トゥールは2013年? とされていますが,結局は
つい先ごろ正式に鉄車輪のトラムに決定したばかりのディジョンが,一番
マッチする相手だったのです.

ディジョンにしてみれば,他の街と同じ車両というのが,市民にどう受け
入れられるのかは判らないものの,新たにデザインをおこす必要がなく,
相乗りによって,その分の時間と経費が節約できるのでした.

塗装は,ブレストはアニス(Anis vert)色,英語でライム(Key lime)色
と表現されている色です.

これに対してディジョンは,名産のマスタードにちなんで,からし色
という冗談のような話が,調印の席で出たとか.

実際,色は変えることが出来るようです.

このような形の共同購入はフランスでは初めてのことだそうです.
最近では米国で,シャーロット向けライトレール車両を,ノーフォークも
購入するという例もありました.


両市の共同購入では,まもなく入札が行われます.6社が応じると考えら
れていますが,受付けは2009年5月までで,発注先が決定して契約が交わ
されるのは,同年7月から9月の間の予定だそうです.

以下はブレスト側の発表ですが,PDFファイル版ニュースリリースには,
車両デザインはもちろんのこと,ブレストだけでなくディジョンのトラム
計画まで,地図入りで紹介されています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
27/11/2008 Groupement de commande Brest Dijon (PDF)
車両デザイン: Modélisation 3D interactive du Tram (PDF)
27 novembre 2008 Brest-Dijon : Achat groupé de 52 rames de tramway
(Tramway de Brest métropole océane 公式サイトへのリンク)

一番下のリンク先は,ブログ形式で紹介しているもので,第91回フランス
市町村長会(AMF)に出席の折,両市長が揃って座り,調印の署名を行って
いる様子が掲載されています.
AMF: Congrès de l'Association des Maires de France

このサイトのトップページ(Accueil)を見るとわかりますが,英語版と,
ブルターニュ地方で使われるブルトン語(ブレイス語)版のページも,先月
開設されました.

公式発表の後に出た記事:
28 novembre 2008 Tramway : Brest et Dijon font rames communes
(Ouest-France ニュースへのリンク)
28 novembre 2008 Le visage du tramway de Dijon est connu
(Bien Public ニュースへのリンク)
Le Bien Publicは,ディジョンの新聞です.

公式発表前に出ていた記事:
20/11/2008 Tramway. Appel d’offres commun pour Brest et Dijon
(Le Télégramme ニュースへのリンク)
25/11/2008 Brest et Dijon en tandem pour le tramway
(Territorial ニュースへのリンク)
25/11/2008 Brest et Dijon s'entendent sur l'achat de 52 rames de
tramway
AFPの記事 (France 3 ニュースへのリンク)

【ブレスト】関連ログ:
2008/5/23 トラムのデザインに9つの候補
2008/5/03 2012年開業予定のトラムデザイン
2007/3/12 ゴムタイヤを退けた2本目の計画

【ディジョン】関連ログ:
2008/10/04 TCSPはトラムに圧倒的な支持
2008/5/18 トラムかバスか,TCSP導入へ

ディジョンの位置するブルゴーニュより東にある,フランシュ=コンテの
中心地のブザンソン(Besançon)(人口11万6千)と,その周辺共同自治体
グラン・ブザンソン(同22万強)でも,専用軌道か車線を持つ公共交通機関
(TCSP)の整備計画がありますが,その車両は鉄軌道のトラムかゴムタイヤ
か,あるいはバス(BHNS / BRT)になるのか,決定期限が先送りされ,まだ
正式には決まっていない模様です.
TCSP: Transport en Commune en Site Propre
BHNS: Bus à haut niveau de service (BRT)

【ブザンソン】関連ログ: 2008/10/10 車両未定のTCSP公開討論会

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【トラムデザイン】IEDローマ校の学生が優勝

今年5月末に紹介した,イタリアのヨーロッパ・デザイン学院(IED)などの
学生らが対象の,未来(2018年)のイタリアの三都市(ローマ,ミラノ,
トリノ)で走ることを想定したトラムのデザイン・コンテストは,上位
三位までの入賞作品が先週発表されています.
IED: Istituto Europeo di Design

入賞作品のイラストは,サムネイルほどの大きさながら,ウェブサイト
上で見ることが出来るようになっていました.

コンテストのタイトル:
Destinazione 2018. (イタリア語版)
Il trasporto urbano del futuro tra realta' e immaginazione.
Un tram per Milano, Torino, Roma
Destination 2018. (英語版)
Urban transportation of the future,
between reality and imagination. A tram for Milan, Torino and Rome

コンテストに優勝したのは,「Open Tram」という名の,IEDローマ校の
生徒の作品でした.二位は同ミラノ校の生徒による作品名「RIB」で,
三位は同トリノ校の生徒による作品名「Orfeo Tramway」です.
Orfeoとは,ギリシャ神話に登場する吟遊詩人オルフェウス/オルペウス
(Orpheus)のことかもしれません.


これらの作品は,十分の一のサイズの模型などが,トリノで12/28まで
展示されるそうです.

コンテスト主催者からの発表:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
News Rome: The tramway of the future (英語版)
Le news Milano: I tram del futuro (イタリア語版)
(Istituto Europeo di Design ニュースへのリンク)
20 November 2008 Alstom and IED to award “Open Tram” project
developed by Rome’s IED students

(ALSTOM Transport プレスリリース英語版へのリンク)

12/28まで展示されている会場の案内など.
Torino World Design Capital 2008: Destination 2018 (英語版)
(Torino World Design Capital へのリンク)

英語で書かれた紹介記事もありました.イラストはありません.
26 November 2008 IED Rome wins urban transport design competition
英語版 (DemanioRe ニュースへのリンク)

【トラムデザイン】関連ログ: 2008/5/31 フランスを目指すコンテスト

ご承知の通り日本でも,12/06に開催される「第3回 人と環境にやさしい
交通をめざす全国大会 in 横浜」の企画の一つとして,LRT&BRTデザイン
コンテストが行われるそうです.

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2008年11月27日

【ニューオリンズ】カナル通りにレッドカー復帰へ

ニューオリンズの路面電車にとって,カトリーナ(Hurricane Katrina)の
被害から立ち直る仕上げとも言える,キャンディ・アップル・レッド色の
レプリカ車両(2000シリーズ)が,今度こそカナル・ストリートに戻って
きそうです.これまでにも何度か話は出ていましたが,実現には至って
いませんでした.今回は,関係者らを乗せた2010号車が,11/25に営業線
上を走ったことや,復帰計画の詳細を紹介する記事があります.
RTA: New Orleans Regional Transit Authority

カナル・ストリート線(Canal Street Line)に帰ってくるのは,同線が
2004年4月に運転を40年振りに再開する際にあわせて,旧型車(Perley
Thomas car)を模倣しつつも,今のご時勢にあわせて空調と車椅子用の
乗降リフトなどを装備した,赤いレプリカ車両です.デビューから1年半
近くたった2005年8月,ハリケーン接近で避難していた先(Randolph車庫)
で,堤防決壊による浸水に巻き込まれ,被害を蒙っていたのでした.

このためハリケーン被災後の運転再開は,両線とも1920年代製造という
セントチャールズ線(St. Charles line)の深緑色の車両(Perley Thomas
streetcars)を,やりくりして暫定的に使用していました.

当面は,12月中旬までに6両,その後も年内に3両が,運用に復帰する予定
だそうで,リバーフロント線(Riverfront Line)へも1両充当されるとか.
来年以降も,ひと月に1両の割合で全24両の復帰を目指します.

かかる経費の2400万ドルは,連邦緊急事態管理庁(FEMA)が出しました.
FEMA: Federal Emergency Management Agency

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 25, 2008 Red Streetcars Return For First Time Since
Katrina
(WDSU New Orleans ニュースへのリンク)
November 25, 2008 Red streetcars returning to New Orleans' Canal
Street
(The Times-Picayune ニュースへのリンク)
WDSUの報道には,12/13という具体的な日付も書かれています.
Times-Picayune紙では,RED REVIVALというタイトルも付けられました.

先月下旬には,業界紙のレポートも出ていましたが,ようやく地元紙が
裏付けてくれました.
27 Oct 2008 Streetcar operations are returning steadily
(Railway Gazette へのリンク)

Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Red Streetcar by skooksie (flickr)
Red Streetcar
Taken on November 5, 2008

ストリートカーの話は出てきませんが,かつてはショッピング街として
繁栄しながらも,次第に寂れていき,カトリーナで止めを刺された感の
あるカナル通りのことを,取り上げた記事もあります.
November 25, 2008 Retailers see Canal Street turning the corne
(WWL-TV Channel 4 ニュースへのリンク)

昨年は商店用敷地の四割近くが空きとなっていて,今もイルミネーション
だけが空しくきらめいている状態です.しかし,被災から三年が経ち,
ぼちぼち地元経営の店やレストランなどが戻りつつあるそうです.
次のステップでは,全国展開の小売店業や,女性向けの店などが姿を現し
てきて,次第に回復の道をたどるという話が紹介されています.

最近の【ニューオリンズ】関連ログ:
2008/9/01 三年前の悪夢再び?
2008/7/12 【米国東部】7月上旬Streetcar関連報道から
2008/6/29 全線復旧後も課題山積

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【リスボン近郊】カシーリャスまでMST開通

リスボンからみてテージョ川(タホ川)(Rio Tejo / El Tajo / Tagus)の
南岸にある,アルマダ(Almada)市やセイシャル(Seixal)市などを走る,
100%低床車を投入したライトレール規格のメトロ・スール・ド・テージョ
(Metro Sul do Tejo=MST)が,当初の計画から三年近く遅れながらも,
11/26に第一期計画区間が全線開通しました.

今回開通したのは,アルマダ市内の北東部にあって,テージョ(タホ)川を
渡ってリスボンとを結ぶフェリーが発着する,カシーリャス(Cacilhas)
までの3.8キロです.

メトロ・スール・ド・テージョ(Metro Sul do Tejo)は,これまで二段階
ずつ開通してきました.最初の約4キロは2007年4月30日に,その後は同年
12月15日に4.2キロ分が開通しています.そして,それから一年近くたつ
11/26に,ようやく残る区間が開通したのでした.

しかし,これで終わったわけではありません.第一期全通を祝う式典で
政府の担当相は,その後のメトロ延長に関して,最初に開通した南端の
CorroiosからFogueteiroまでの第二期計画や,さらにその先のBarreiro
などへのメトロ延長(第三期計画)の実現を,その他のプロジェクトへの
投資などとともに公言したそうです.

第一期計画は,3年の完成遅れで費用が7千万ユーロも余計に膨れ上がり,
結局全体で4億ユーロ近く掛かったそうです.このうち7400万ユーロは
地元自治体? ,2億6500万ユーロを国が,残る5500万ユーロは30年間の
営業権を獲得している会社(MTS)が,それぞれ負担しています.
MTS: Metro Transportes do Sul

担当相(Ministro das Obras Públicas, Transportes e Comunicações)は
約4億ユーロのコストに見合う収入を直接得られるわけではないものの,
経済を活性化させ,雇用を創出し,環境や生活により良い移動手段を提供
するといった効果は,かけた費用よりも価値があるため,政治的な決定で
メトロ計画に政府は投資を行ったと,式典で発言しました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
2008-11-26 Inaugurado troço Cova da Piedade-Cacilhas do Metro Sul
do Tejo
(Portal do Governo へのリンク)
2008/11/26 Metro Sul do Tejo – Mário Lino inaugurou extensão a
Cacilhas
(O Rio ニュースへのリンク)

MSTは完成が三年遅れたことにより営業開始も遅れたため,国は運行会社
MTSに,営業補償金として7700万ユーロを支払っています.
26 Novembro 2008 Estado já pagou compensação de 77 milhões ao
metro Sul do Tejo
(Jornal de Negócios ニュースへのリンク)

なお,開業式典は11/26に行われましたが,営業運行は11/27からです.
午前5時の始発から午前2時近い終電まで,最高時速70キロ,平均速度は
時速20キロで,コンビーノ・プラス(Combino Plus)が走ります.

【リスボン近郊】Metro Sul do Tejo 関連ログ:
2008/8/12 カシリャスへMST試運転開始
2007/12/27 【リスボン】メトロ路線延長の話題二件
2007/9/15 利用不振と12/15延伸予定
2007/4/27 ライトレール一部開業へ
2006/11/13 アルマダ市のライトレール

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2008年11月26日

【ポルト】新車は試運転開始も延長は進まず?

ポルト(Porto / Oporto)のメトロ(Metro do Porto)に導入が予定されて
いる,ボンバルディア製Flexity Swiftが,11/25未明に初めて営業線上を
動いたという報道がありました.

現在ポルトのメトロは,同社製の100%低床車ユーロトラム(Eurotram,
のちにFlexity Outlook)を72本所有していますが,路線網拡大で最高時速
100キロに対応し,居住性も高められるトラム・トレイン形の車両が求め
られていました.そこで,2006年に部分低床ながら実績の豊富なFlexity
Swiftが選ばれ,30本の契約が結ばれています.

その第一号は今年8月にポルトに到着しており,それを含めてこれまでに
合計3本が,ボンバルディアのウィーン工場から送られてきています.
今後も月1-2本の割合で,30本が揃えられる予定だとか.

Flexity Swiftは,レッドライン=B号線(Linha B)と,グリーンライン=
C号線(Linha C)を走ることになっています.
営業運行に入る前には,5千キロに及ぶ試運転を行う必要があるそうで,
11/25未明には,それに先立ち車両限界の確認が行われた模様です.
なお,旅客営業運転を行えるのは,早くても来年中ごろになるようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
25 de Novembro de 2008 Metro do Porto: Primeiro veículo "Tram-
Train" já está a circular em regime experimental

(LUSA ニュースへのリンク)
08.11.26 Metro do Porto testa "tram-train" (ビデオ版)
2008-11-26 Novo metro já circula em testes nocturnos
(Jornal de Notícias ニュースへのリンク)

Project Overview: FLEXITY Swift - Porto, Portugal
(Bombardier 公式サイトへのリンク)

一方,延長計画のほうはどうなっているかと言えば,メトロ(Metro do
Porto)は,2007年5月にポルトガル政府と覚書を交わしているものの,
今月の記事などを見る限り,着工などの期限が守られていない模様です.

合計55キロに及ぶ第二期,第三期の路線計画:
1 de Outubro 2ª e 3ª fases da rede do Metro
(Metro do Porto 公式サイトへのリンク)
このページの下にPDFファイルへのリンクがあり,詳細や路線図を見る
ことが出来ます.

2008-11-12 Metro do Porto: Rio quer que Governo cumpra o acordo
延長計画図(Jornal de Notícias製作): Expansão do Metro do Porto
(Jornal de Notícias ニュースへのリンク)
上の延長計画図は,画面左が北です.また,振られている番号の順番に
建設されるようで,番号をクリックすると詳細が表示されます.

【ポルト】関連ログ: 2007/3/31 メトロ延長計画の先送り

ポルトから南に300キロ以上走ると,リスボンにたどり着きますが,その
対岸で建設が進められてきたライトレール(Metro Sul Tejo)は,ようやく
第一期計画の最後の区間が本日開通しました.

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【リヨン】空港へLESLYS着工2010年8月開業へ

リヨン・パーデュー駅(Gare Part-Dieu)駅前と,サンテグジュペリ空港
(Aéroport de Lyon Saint Exupéry)を30分以内で結ぶ連絡急行Leslysの,
軌道を新設する約7キロの区間が,公式に着工されました.この11/24に
関係者が集まるなか,式典がとり行われています.
LESLYS: Liaison Express Lyon Saint-Exupéry

LESLYSは,30年契約でローヌエキスプレス(RhônExpress)グループが運営
することになっています.RhônExpressは,フランスの建設会社Vinciや,
世界各地で公共交通を手がけているVeolia Transportなどから構成され,
2006年にローヌ県から指名を受けていました.

約7キロの新線建設を含む費用総額は1億1千万ユーロで,このうち1770万
ユーロは株主,3135万ユーロはローヌ県,残る6200万は銀行債権からと
なっています.また県は,毎年350万ユーロずつの固定額を補助します.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
25/11/2008 Le Département du Rhône et la société RhônExpress
lancent officiellement le chantier Leslys

(VINCI プレスリリースへのリンク)
2008/11 Tramway vers l'aéroport : le chantier Leslys est lancé
(LYon-Actualités へのリンク)

工期は1年半の予定で,2010年8月01日の開業を目指しています.
RhônExpressは,シュタットラー・レール(Stadler Rail)製の部分低床車
(Tango)を採用し,最高速度100キロで走ります.既存路線のパーデューと
メイジューZI(Meyzieu ZI)駅間の14.7キロでは,シタディス(Citadis)の
トラムT3号線と線路を共用します.

そこで,Veolia Transportが参加するRhônExpressのLESLYS(Tango)は,
途中2駅にしか停車しない見込みのため,Keolis傘下のTCLが運行する各駅
停車のトラムT3(Citadis)を,途中駅で追い抜くシーンが繰り広げられる
ことになっています.
TCL: Transports en commun lyonnais

【リヨン】関連ログ: 2008/7/23 空港連絡急行LESLYSルート決まる

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年11月25日

【ニース】トラム開業一年間の勝者と敗者

ニースにトラムウェイが復活して一年が経ちました.一日の利用者数は
6万人と予測されていましたが,ふたを開けてみると平均6万5千人から
7万人や,7万5千人とする記事もあるなど,いずれにしても好調な数字を
示しています.そして先ごろ,累計で2千万人輸送を達成したそうです.
(比較は無意味ですが,同じ日に開業した米国ノースカロライナ州シャー
ロットのライトレールは,予想を大幅に上回って5百万人だとか)


ニースのトラムと言えば,一部区間では架線を外し,車両はバッテリーで
走りますが,同じ架線レスでも初期故障の多かったボルドーのAPSとは
異なり,特に問題は報告されていない模様です.

運行速度の遅さが指摘されていましたが,開業当初は一運用(往復)110分
かかっていたところを,今では90分にまで短縮され,これを年明け早々
には目標の85分にするとのことです.ダイヤ上の所要時間は36分程度です
ので,この時間は終点での折返し待機時間を含むのでしょう.

休日を除く夕方の時間帯には5分から6分ヘッドで運転されているものの,
ピーク時の混雑は相変わらずですが,車両を追加購入して増発するか,
車体を追加して,現行の車両に組み込む(=車両長の延長)しか輸送量を
増強する手段はないものの,今は予定がないそうです.

そのトラム開業から一年間の,勝者と敗者と題する記事がありました.
勝者に挙げられているのは,合計3キロ近くになる歩行者空間が生まれた
歩行者,トラムが走るニースの北部と東部,停留所近くのアパートなどの
所有者,夜遅くまで飲めるようになったということで,酒場や酒飲み?
(soiffard),そして最後はCANCAに委託されニースのトラムを運営する,
Veolia Transport傘下のST2Nです.
CANCA: Communauté d'Agglomération Nice-Côte d'Azur

一方,敗者となっているのは,自動車利用者,沿線の小売店業者,曲線の
近くに住む住民,そして最後は,ピーク時にトラムを利用する人たちと
なっていました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
24 novembre 2008 Un an avec le tram : les gagnants, les perdants
(Le Tuyo, l'info niçoise, sans les salades へのリンク)
24 novembre 2008 Tram : le cap des 20 millions de passagers
atteint en un an
(Nice-Matin ニュースへのリンク)
23-11-2008 Le premier anniversaire du tram
(Metro France ニュースへのリンク)

敗者の筆頭となった自動車運転者は,沿線に63ある交差点でのトラム優先
信号(自動車側の赤信号10秒延長? )が,ST2Nの調整により,機能し始めて
いることが理由です.

小売店業は,四年近い工事時の影響から立ち直れず,さらには今回の記事
にはありませんが,トラム開業で便利になった繁華街へ人が流れてしまう
ストロー効果のような現象が起き,一部沿線では商店街が衰退している
ことを指しています.

トラム軌道のカーブ近くに住む住民は,トラムが通るたびに曲線通過の
軋り音という騒音に悩まされています.これは夏ごろから話題になって
いました.エアコンがなく窓を開けていると,夜遅くまでトラムが走る
ので,なかなか寝られないという苦情が寄せられていたのです.これには
CANCAが対応策を講じて,効果を検証中のようです.

ニースのトラム(イメージ)
Nice_Massena5.jpg

【ニース】トラム開業後の関連過去ログ:
2008/5/31 トラム好調でも沿線は恩恵なし?
2007/12/22 【ニース】【ルマン】開業一ヶ月後の状況
2007/11/27 トラム開業二日で18万人が体験

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2008年11月24日

【ノーフォーク】歩行者増加がLRT成功の鍵

バージニア州ノーフォーク市(Norfolk)も,1960年代から白人中流階級が
ハイウェイ沿いの郊外へ住居を移し始め,それにあわせてショッピング
モールなどが郊外に出現,市の中心商店街は衰退の一途をたどりますが,
1980年代から市が先頭に立ち,埠頭や倉庫街だったエリザベス川沿いの
ウォーターフロント地区の再開発に着手します.

当時ダウンタウン再生の切り札とされた,フェスティバル・マーケット
プレース(festival marketplace)と呼ばれる商店集合体のWatersideが
ウォーターフロントに1983年に完成,その後も1999年には,マッカーサー
記念館に隣接する市の中心部に,巨大ショッピングセンター(MacArthur
Center)が開業するなど,今では中心街も盛り返しを見せています.

ノーフォークの市長は,今のダウンタウンの成長は偶然に起こったわけ
ではなく,周到に練られたビジョンがあったからだとしています.

そして今度は,2020年に向けたビジョンがまとまりつつあります.10月
上旬には計画の骨子がDowntown 2020 Updateとして公開されました.
それには,従来のビジョンにあったような,大型施設建設などの目玉は
ありません.その代わりに,2010年にはダウンタウンを東西に横断する
ライトレール(The Tide)の開業が予定され,それにあわせた,歩行者に
やさしい空間づくりを目指そうとしていることが伺えます.

ピッツバーグに本拠を置き,ノーフォークのダウンタウン2020年計画を
設計するUrban Design Associatesの担当者は,先ごろ市議会で素案を
発表し,ライトレールなど公共交通機関の駅へ,歩行者が楽しみながら
移動できるよう,歩くのに障害になるような要素を排除して,歩行者の
通行量を増やすことこそ,ライトレール計画の成功につながると,発言
していました.

具体的には,片側三車線の車道がある大通りが歩行者のバリアになると
され,横断歩道を増やしたり,信号機を増設し,前後の信号と連動して
頻繁に赤信号で自動車を止めることにより,車流を遅くすることが考え
られています.これらによって,歩行者が通りの向こう側に行きやすく
なり,徒歩圏が拡大すると考えられています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 23, 2008 2020 plan reshapes Norfolk for light rail and
pedestrians
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)

さて,そのライトレール(The Tide)の近況ですが,先週にはレール敷設が
開始されたというニュースがありました.
もっとも,レールを敷くというより,レールをあらかじめ組み込んである
コンクリート板を,所定の位置に設置したという表現のほうが正しいかも
しれません.

下記記事にレールを組み込んだコンクリート・パネルの画像もあります.
November 19, 2008 Light rail lays its first set of tracks in Norfolk
(WVEC-TV ニュースへのリンク)

The Tideの計画概要と路線図など: Project Overview
プレスリリース一覧ほか: Pressroom
(Hampton Roads Transit 公式サイトへのリンク)

Press Releasesのリストにある,First Light Rail Track Installedが,
PDFファイル版へのリンクで,そこにオリジナル画像がありました.
このような工法は,9か所の交差点で用いられるとのことで,似たような
方法は,パリでT3を建設中にも紹介されていた記憶があります.

The Tideの第一期区間 7.4マイル(約11.9キロ)の東端は,バージニア・
ビーチ(Virginia Beach)市との境界線までです.そこから先は,かつて
バージニア・ビーチ市で行われた住民投票で,ライトレールへの反対票が
多かったために,見送られていた経緯があります.
しかし,近年は風潮が変わり,先ごろの選挙でもライトレールの延長を
望む市長候補が,当選を果たしました.

しかし,延長した場合や,将来ライトレールがスピードアップした場合に
備えて,バージニア州政府の当局(Virginia Department of Rail and
Public Transportation)が,7百万ドルに相当する安全強化対策を施す
ことを提案してきていることが,最近明らかにされています.

9月にLA近郊で発生した列車衝突事故の教訓もあり,通信システムの向上
などのほか,全ての踏切に警報機と遮断機を設けることなどが,盛り込ま
れているようです.かつでは計画に含まれていたものの,予算を絞り込む
ために削除されていたものです.

このご時勢で,ただでさえライトレール(The Tide)計画は当初の予算額
2億3210万ドルを超過するのが明らかな状況と,この10月にも報じられて
います.超えた分はノーフォーク市が請け負わなければなりません.

安全面に関しては,今のままで既に連邦機関(FTA)のお墨付きを得ている
ため,今頃になって言い出してきた州の提案を疑問視する市議もいるよう
ですが,市長らは,州との追加負担の分担も視野に,州の提言を受け入れ
たいとしています.
November 17, 2008 Virginia wants $7 million worth of safety add-
ons to light rail
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)

【ノーフォーク】関連ログ: 2007/10/02 資金調達目処がたち着工へ

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2008年11月23日

【フライブルク】トラムも100%エコ発電で走る

フライブルク(Freiburg im Breisgau)の路面電車も,2009年1月からは,
環境に負荷のかからないグリーン・エネルギー(Ökostrom)から,必要な
電力の100%を得ることになると,発表がありました.消費電力は年間で
13ギガワット時(13 Gigawattstunden)=1300万キロワット時になるとか.
3500世帯分に相当するそうです.

環境に負担のかからないグリーン発電でトラムが走る街は,ドイツでは
ダルムシュタットを皮切りに広がっていますし,他の地域でも今や珍しい
話ではなさそうです.
しかし,環境政策が強化されエコ・シティとして名高いフライブルクの
路面電車は,意外にもまだ完全に切り替わっておらず,これまでは一部に
火力発電所や原子力発電所からの電気も使われていました.

今回の100%グリーンエネルギーへの切り替えは,フライブルクのトラムを
走らせるVAGに電気を供給しているBadenova社との契約が,2009年末で
切れることに伴う交渉の結果,もたらされた模様です.同社は既に一般
向け電気を,グリーンエネルギーによる発電で賄っているそうですし,
VAGにはコスト増加になるようですが,フライブルク市では支持率の高い
緑の党の後押しもありました.

VAGのプレスリリースと,それに基づく記事に先月下旬の記事:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
21.11.2008 Straßenbahn fährt mit Ökostrom
(VAG: Freiburger Verkehrs AG 公式サイトへのリンク)
21. November 2008 Freiburg bekommt die Öko-Straßenbahn
30. Oktober 2008 Gutes Beispiel VAG?
(Badische Zeitung ニュースへのリンク)

フライブルクは,太陽光発電でも有名ですが,トラムを走らせる再生可能
エネルギー源に何が用いられるか,具体的な記述は特に見つけられません
でした.ただし,10/30付け記事に,水力発電所からの電気で路面電車を
2009年1月から走らせたいと,緑の党が望んでいるという文があります.

Badenova社のエネルギー源には,水力,太陽光,バイオ燃料などがある
ようです.いずれにしても,CO2を増やさないエネルギーだけでトラムを
走らせることにより,CO2放出量は年間7千トンの削減になるそうです.

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2008年11月22日

【グラーツ】SバーンがEUの地域優秀賞に

メディアがあまり取り上げていないようなので,地味な話題なのかも知れ
ませんが,欧州内の地域で,すぐれた新機軸や目ざましい業績を挙げた
計画などに対し,合計十部門にわけて今年の欧州ナンバーワンを称える,
European Regional Champions Awards という賞があります.

十部門の一つ,運輸(Transport)部門には,今年3つがノミネートされて
いました.

一つ目は,EUも資金を一部出すCityMobilと呼ばれる計画の一環で,その
うちの一つ,スペインのバレンシアの北に位置するカステリョン・デ・
ラ・プラナ(Castellón de la Plana)市に,今年6月下旬開業したTRAMが,
選ばれました.
トラムと言っても,光学式ガイドウェイ装置付きの電気トロリーバスで,
専用車線を走るため,TVRCasとも呼ばれていました.
TVRCas: Transporte en Vía Reservada de Castellón

次は,オーストリアのグラーツを中心とする,シュタイアーマルク州の
Sバーン(S-Bahn Steiermark)です.こちらは,2007年12月から営業運転を
開始していました.

最後は,ヘルシンキ市のバス停や電停の時刻表などを,付属のカメラを
通じて携帯電話に自動的に表示させる,UpCodeと呼ばれるシステムです.
これは,携帯電話に専用アプリを入れておけば,停留所でUpCodeの二次元
バーコードに携帯電話をかざすだけで,インターネットに接続し時刻表に
アクセスする仕組みだそうで,電車やバスの時刻だけでなく,様々な情報
伝達に応用できるシステムのようです.

結果はタイトルの通り,The Parliament誌と,EU内の地方政府の代表で
構成される諮問機関である地域委員会(CoR)の委員らの投票で,今年の
European Regional Champions Awards 2008 トランスポート部門は,
グラーツのSバーンが獲得しています.CoRのプレスリリースに,今年の
結果一覧が載っていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
20 November 2008 Regional Champions Awards 2008 : providing leading
examples for Europe

(EU Committee of the Regions ニュースリリースへのリンク)

ノミネートされた際に紹介された,グラーツのSバーンの概要:
European Regional Champions Awards 2008 Shortlist Information
Transport: Rapid transit railway, Styria, Austria
(The Parliament誌のサイトへのリンク)
その他の計画も英語で紹介され,詳細情報へのリンクもあります.

グラーツSバーンのサイトでは,ニュース欄で紹介されていました.
14.11.2008 S-Bahn Steiermark rast an die Europaspitze
路線図: S-Bahn Liniennetz
(S-Bahn Steiermark 公式サイトへのリンク)

2007年12月のダイヤ改正で誕生したグラーツ都市圏のSバーンは,運転
本数の増大だけでなく,運転間隔を等間隔にして時刻表いらずにしたり,
エアコンを搭載した低床区画のある新型車両を導入しています.
また,交通情報で自動車のドライバーに新しい公共交通機関が生まれた
ことを伝えるなどの宣伝も功を奏したのか,旅客数は前年比で1割増に
なったと紹介されました.

路線網は三段階にわけて拡大され,次は2011年の予定でしたが,最近の
報道では2010年に前倒しされる可能性もあるようです.

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2008年11月21日

【メキシコシティ】市電計画が来春に延期

メキシコシティ(Mexico City / Ciudad de México)の中心部に導入される
路面電車のBOT契約先を決める国際入札は,当初予定より一月遅れとなる
ものの,今月中に結果が明らかにされ,早ければ2009年1月には着工する
運びでした.
BOT: Build-Operate-Transfer

しかし先日,入札結果の発表を含む計画そのものが,少なくとも半年近く
延期されることが明らかになります.市電の中心街復活計画の中止では
なく延期なのが救いで,延期する理由は,世界的な経済停滞です.
入札開始時には誰も予想もしなかった急速な景気後退の波は,ここまで
押し寄せてきた格好ですが,米国に端を発する経済情勢の悪化がもたらす
リスクを回避し,安定するまで様子見するということらしいです.

入札には,最初は30近い企業が名乗りを挙げていました.それが22にまで
減り,その後も撤退や共同入札に切り替えるなどで,最終的にはABC順に
並べると,次の企業体に絞られていました.
Alstom (Alstom Mexicana, S. A. de C. V.)
Siemens (Siemens, S. A. de C. V.)
Bombardier (Bombardier Transportation México, S. A. de C. V.)
CAF (CAF México, S. A, de C. V.)
Promotora de Desarrollo de América Latina
OHL Concesiones de México
Vassloh Cogiser (Vossloh Cogiger, S. A.)
一時期は日本企業の名前もあったのですが,リストから消えています.

延期となるブエナビスタ(Buenavista)駅と旧市街地(Centro Histórico)を
結ぶ路線計画は,とりあえず2009年春にも再始動となる予定です.
しかし,計画発表当時に目指していた,メキシコ独立革命から二百周年
記念となる2010年9月開業には,間に合いそうにありません.

連邦区政府(GDF)の発表と,それを伝える記事があります.
GDF: Gobierno del Distrito Federal
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
19 de noviembre de 2008 Se pospone el proyecto del Tranvía de la
Ciudad de México
(Gobierno del Distrito Federal へのリンク)

20 de Noviembre de 2008 Un tranvía que quedó en deseo
(La Crónica de Hoy ニュースへのリンク)
20 de noviembre de 2008 Posponen proyecto del Tranvía hasta que
situación económica global se estabilice

(El Sol de México ニュースへのリンク)
19 de noviembre de 2008 Declaran desierta licitación de tranvía
por inviabilidad financiera
(El Universal ニュースへのリンク)

La Crónica de Hoyの記事に,誤訳かもしれませんが,経済状況次第では
民間委託ではなくGDF直営の可能性もあると,記されていました.

【メキシコシティ】関連ログ:
2008/7/17 トラム一部区間は架線レス
2008/7/02 ソカロで低床車と計画発表
2008/5/20 中心部横断する市電復活へ

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2008年11月20日

【フィラデルフィア】空しい3百万ドルの軌道

道路が通行止めとなり,自動車は迂回を余儀なくされ,工事中は路面が
掘り返されて,間もなく真新しいレールが敷かれ,両側には架線柱が建ち
並び,架線も張られたとなれば,どう見ても路面電車がしばらくしたら
この通りを走るのだろうと想像してしまいます.

フィラデルフィアの中心部からみて北西8キロほどの位置にあり,独立
戦争の際にも名前が登場する,ジャーマンタウン(Germantown)の目抜き
通り,ジャーマンタウン・アベニュー(Germantown avenue)での話です.

これは,州運輸省(Pennsylvania Department of Transportation)が,
1700万ドルをかけて行った,3千フィート(約914m,0.57マイル)に及ぶ
同通りの再建計画の一環です.路面電車の軌道と架線には,その中から
約3百万ドル分が使われました.
1700万ドルのうち八割は,連邦政府からの助成金で賄われているとか.

ジャーマンタウン・アベニューには,かつて市内中心部から伸びる路面
電車(現地での通称はトロリー)が,ルート23として走っていました.
しかし,1992年には他の2路線と共にバス代行となります.その措置は
一時的との説明がなされましたが,同時期にバス代行となったルート15
だけが,2005年に旧型車両(PCCカー)を大幅に改造して電車運行を復活
させていますが,ジャーマンタウンアベニューのルート23を含む二路線
に関しては,16年たった現在も依然としてバス運行が続いていました.

そこへもってきて,今回の軌道工事です.ジャーマンタウンアベニューの
ルート23も電車復活が近いのかと思われましたが,どうやらそうではない
模様です.
運行するSEPTAには,ジャーマンタウンアベニューにトロリーを走らせる
計画も車両もなく,運転資金もありません.
現在フィラデルフィア市は,SEPTAと優先する計画のリストを絞っている
最中とのことですが,SEPTAは運行上バスのほうが融通が利くと考えて
いるため,路面電車の運転復活は望み薄な状況です.
SEPTA: Southeastern Pennsylvania Transportation Authority

二年越しの再建工事が来週にも完成するそうで,それにあわせて記事が
出ていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Nov. 19, 2008 $3 million trolley to nowhere on Germantown Avenue
(The Philadelphia Inquirer ニュースへのリンク)

沿線には熱心に復活を望む人たちがいる反面,邪魔者扱いして反対する
人たちもいます.ジャーマンタウンアベニューは道幅が狭いため,違法
駐車などで,路面電車では遅れが生じやすいのです.

今回の軌道と架線の更新は,復活を望む沿線住民が州運輸省に陳情して
実現した形でした.SEPTAの話では,電車復活には変電所の復活も必要
とのことですが,仮にそれで架線に通電できても,せいぜい祭事に電車を
イベント運転する程度でしか,当面は使われそうにありません.

ちょうど工事区間の中に,Trolley Car Dinerというアイスクリーム店が
あり,その店先には往年のPCCカー(2134号車)が展示されています.店の
オーナーは,もちろん一部区間でも復活を望んでいて,沿線で唯一残って
いるこのPCCカーは,復活の際に使われるかもしれません.

アイスクリーム店のストリートビューと,工事区間の地図.
7518 Germantown Ave (streetview): Trolley Car Diner
Germantown Ave: between Allens Lane and Mermaid Lane
(Google Maps へのリンク)

投稿画像: (工事の様子) Germantown Avenue Trolley Track Rebuild
by Contrabass (flickr へのリンク)

2006年8月当時のジャーマンタウン:
Germantown Avenue Tour, Part 2 of 3, Germantown and Mount Airy
post #297581 (PhillyBlog へのリンク)
ジャーマンタウンの家並みに,狭い車道と残された軌道も写し込まれ,
最後の方にはTrolley Car Dinerも載っています.

【フィラデルフィア】関連ログ: 2005/12/14 トロリー23番は復活遠のく?

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2008年11月19日

【バーゼル】BLT低床車Tango夜間試運転中

9月にバーゼルへ到着したシュタットラーレール(Stadler Rail)製の部分
低床車Tangoの量産先行車が,最近はBLTなどの路線で,夜な夜な試運転が
行われていることを伝える記事がありました.記者が試運転に同乗した
ようです.また,11/22には一般公開を行うと,BLTの公式サイトが宣伝
しています.
BLT: Baselland Transport AG

試運転は営業運行に支障をきたさないよう,基本的に午前零時を回って
から行われている模様ですが,バーゼルから南西に向かい,一部区間では
フランス領内も通るトラム10系統のLeimental方面への試運転だけは,
立ち往生の恐れがあるため? 日中に行われたそうです.

記事には,Oberwilにある車庫から市内に向かう時には,既に時速70キロ
まで出しているという記述や,バーゼルで近郊電車Regio S-Bahnの車両に
採用されている同じシュタットラー・レール製のFLIRTと,一部は共通
仕様の関係からか,タンゴ(Tango)は空気ばね台車をはいていて,同じ
トラムでもBVBの低床車コンビーノより乗り心地が列車に近いということ
まで,記されていました.
FLIRT: Flinker Leichter Innovativer Regional Triebzug

今後も,BLTとBVBの路線で試運転が重ねられますが,一般客が乗車できる
ようになるのは,当初見込みの12月ではなく,1月以降になるようで,
投入路線はBLTのトラム10系統と11系統の予定です.
タンゴの2本目は今週中にもOberwilに到着するとか.その後は3本目が
年内までに,4本目は1月になるようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
18.11.2008 Das neue «Tango»-Tram fährt sich wie ein Zug
(Basler Zeitung ニュースへのリンク)

現在BLT公式サイトのトップページでは,11/22に予定されている一般公開
(TANGO-Premiere)の時間などが,イラストとともに紹介されています.

【バーゼル】Tango 関連ログ: 2008/9/03 低床車Tango第一号 お輿入れ

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2008年11月17日

【マドリード】メトロリヘロ運行は九割補助

マドリッドのメトロ(地下鉄)利用者が,今年1千万人減ると題した記事が
ありました.
前年より1千万人減るという意味ではなく,2008年の予測を1千万人下回る
見込みだということが明らかになったらしく,それにより2009年1月には
再び運賃値上げの必要があるということのようです.

2007年までの五か年計画で延長された約90キロが路線網に加わった2008年
は,当初7億400万人の利用が見込まれていました.しかし,今年も残す
ところ1か月余りとなり,その数字は6億9400万人に下方修正されます.

マドリッド市は,財政上の問題から2007年までに拡大した路線網のうち,
メトロ・リヘロ(Metro Ligero)と呼ばれるライトレール規格の路線の一部
は,民間に運営を委託しました.
そうまでして2007年までに路線が郊外に拡大したことで,2007年の選挙
では郊外の票が,マドリッド市の現政権に有利に働いたとも読める記述が
記事にあります.

そのためか,拡大された路線の利用者数が,期待されたほど伸びなかった
らしく,北部で開業したライトレール規格の路線(ML1号線)は,運賃収入
では経費の一割程度しか賄えない有様だそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
17/11/2008 El metro pierde diez millones de usuarios en 2008
17/11/2008 Ni rápido ni barato
(El País ニュースへのリンク)

上段の記事の後半は昨今の景気後退の影響にも触れています.利用者数は
今後は減少に転じると考えられ,2009年分の予算では,新車購入や新駅
開業などに向けられる分が減額されたようです.記事の最後も,次の選挙
まで,まだ時間があると締めくくられていました.

下段の記事では,ライトレール規格の路線(Metro Ligero)の経費を補う
ために,運賃一人当たり6.25ユーロ相当が補助されていること,メトロは
同1.63ユーロ相当に過ぎないと,紹介されています.
しかも,自動車や近郊電車,路線バスなどと移動時間を競ってみた結果,
Metro Ligeroを含む移動はいずれもダントツでビリだったとも,書かれて
しまいました.

2003-2007年実績 (英語版): Public Transportation Demand
(Consorcio de Transportes de Madrid へのリンク)
このページによれば,マドリッドのメトロは2007年には6億8770万人を
輸送したことになっています.ただし,前年まで含まれていた,メトロ
L9号線の南端区間を運営するTFMの分が,2007年から別計上です.
TFM: Transportes Ferroviarios de Madrid (L9号線南部)
MLM: Metro Ligero de Madrid? (ML1号線? =Metro de Madrid運営)
MLO: Metro Ligero Oeste (ML2号線,ML3号線を運営)

マドリッドのライトメトロ関連 最近の話題 :
2008/10/09 住民反対でML計画路線短縮へ
2007/7/18 ライトメトロML1の利用低迷

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2008年11月15日

【サバンナ】ハイブリッド式トラム到着へ

ジョージア州サバンナ(Savannah)で,サバンナ川に沿う石畳のリバー・
ストリートに,ハイブリッド式の路面電車を走らせるという話は,実現が
目前に迫っています.11/17(月)にも,改造された一両(元メルボルンの
W5クラス756号車)が,サバンナに戻って来る予定です.

サバンナ側からの情報は見つかっていませんが,動力源の改造や車椅子用
リフトの設置などを手がけたElectric Motor and Supply Inc. (EMS)が
ある,ペンシルベニア州アルトゥーナ(Altoona)からの報道で,明らかに
なりました.

記事によれば,ハイブリッド改造された756号車は,アルトゥーナ市内の
試験線(Devorris Center)で,この二日間は試運転が行われています.
もちろん,架線のない線路での走行です.

米国の国定歴史建造物(National Historic Landmark)に指定され,博物館
となっている,サバンナのHistoric Railroad Shops所有の756号車は,
EMS社が,グリーン・ストリートカー・プロジェクト(Green Streetcar
Project)として開発した,ハイブリッド式の動力システムが,搭載されて
います.

グリーン・ストリートカー・プロジェクトのことは,EMS社ウェブサイト
にも記載がありませんし,システムの詳細を紹介する第三者のページも
見つかっていませんが,車載の小型ディーゼル発電機とバッテリーを組み
合わせて,モーターを稼動させるもので,自動車のハイブリッドカーと
同様に,低速域では電気モータを主に使うのでしょう.

EMS社としては,路面電車だけでなく,既存の路線バス車両からスクール
バスまで,エンジンをこのシステムに交換することを考えているとか.
手始めに,同社のあるアルトゥーナで路線バスを運行しているAMTRANに,
白羽の矢を立てているようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 14, 2008 Local company adds system to streetcar
(Altoona Mirror ニュースへのリンク)

アルトゥーナでの試運転の様子(映像): A Streetcar Passes
その他の映像リスト: TranSystemsStreetcar's Channel
From: TranSystemsStreetcar (YouTube へのリンク)
映像には,ペンシルベニア州にある鉄道コンサルタント会社TranSystems
のロゴが使われています.

【サバンナ】関連ログ: 2008/8/24 ハイブリッド式トラム11月にも?

従来のディーゼル発電機と電気モーターを組合せた車両,いわゆる電気式
ディーゼルカーと,ハイブリッド式の大きな違いは,バッテリーの有無と
思われますが,電気式ディーゼルカーを路面走行させていたテキサス州の
メキシコ湾に面したガルベストンは,9月にハリケーン・アイク(Ike)で
街全体が大きな被害を受けました.

生活基盤を立て直すことが優先されるため,どちらかと言えば観光客向け
要素の強かったガルベストンの路面電車(Galveston Island Trolley)は,
10月下旬の時点で依然運休していると思われる記事がありました.

Oct. 23, 2008 $70 million OK'd for Ike repairs
(Houston Chronicle ニュースへのリンク)
連邦運輸省からテキサス州に修繕費用として7千万ドルが支給されると
いう記事の中で,ガルベストン市長は道路や信号機の修理や,路線バスの
改善に加えて,路面電車の再建を希望しているものの,連邦からの資金は
信号機や路面電車には使えないと記されています.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年11月14日

【オークランド】空港とBART駅連絡計画は不調

サンフランシスコ湾に面してオークランド側にある国際空港へのアクセス
改善のため,最寄のBART駅(Coliseum/Oakland Airport)と空港ターミナル
間を,新交通システムで結ぼうという構想がありましたが,景気後退と
空港利用者の減少により,資金調達の頼みの綱だった民間提携先が興味を
失い,行き詰まっているという報道がありました.
BART: Bay Area Rapid Transit

オークランド国際空港(Oakland International Airport / OAK)へ,公共
交通機関で行く場合,今はBART駅からAirBARTと呼ばれるシャトルバスに
乗り換える必要があります.
通常なら12分で到達する距離ですが,途中道路混雑で一時間掛かることも
あるとか.それでも,2007年には空港利用者の9%にあたる年間130万人の
利用がありました.

空港アクセス改善は,BART利用向上にもつながるため,BARTの高架ホーム
と同じ位置から発着し,空港まで約3.2マイルを全線高架で走るピープル
ムーバー導入が検討され,必要とされる3億8600万ドルのうち,足りない
1億3千万ドル分の資金を賄うべく,PPPの提携先が模索されてきました.
35年間の営業権付きです.
PPP: public-private partnership

民間の提携先の候補の一つには,ボンバルディアを含むグループもあり,
他が今年初めに脱落していく中で最後まで残ったものの,10/28の計画案
提出締切りになっても応募してこなかったと,BARTが発表したことが,
今回の報道になりました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
11/12/2008 BART tram to Oakland airport hits dead end
(Contra Costa Times ニュースへのリンク)
Ground Transportation : BART and AirBART
(Oakland International Airport 公式サイトへのリンク)

オークランド国際空港のサイトには,月間の搭乗者数のデータがあり,
現時点では今年7月分までしかありませんが,今年4月以降は軒並み前年比
20%減という状況が続いていました.特に7月は106万人弱で2007年と比べ
26%近くも減っています.

安上がりに所要時間を短縮するには,BART駅と空港間にバス専用レーンを
設ける案が有効ですが,これまでは,オークランド市が道路混雑を理由に
車線をバスに明け渡すことを望みませんでした.しかし,これからは検討
するべきだという声が,記事には紹介されています.

現在のシャトルバスAirBARTは,空港バス停からBART駅まで,下記リンク
先のようなルートを走っているものと思われます.
Driving directions from OAK to 7200 San Leandro St, Oakland, CA
(Google Mapsへのリンク) Street Viewで地表の画像も閲覧可能

BART自体を空港ターミナルまで乗入れるという案は,サンフランシスコ
国際空港(SFO)へのBART延長時の教訓から,実現はなさそうです.SFO延長
では,運賃収入で日々の運行費さえ賄えませんでした.

Coliseum/Oakland Airport駅近くの高架をゆくBART
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
darting bart train From pbo31 (flickr)
darting bart train
Taken on February 19, 2005

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【サンノゼ】どうなるBART延長計画 ほか

BARTをオークランド側からサンノゼまで延長させた際に,開通後の運営費
調達を,売上税の再増税(+0.125%)に求めるべきかどうかが問われた住民
投票の結果は,実施に必要な賛成票がカリフォルニア州が定める得票数の
三分の二(66.67%)にわずかに届かない状況(66.52%)ですが,僅差のため
最終的な集計発表はまだ出ていません.
BART: Bay Area Rapid Transit

現在,サンタクララ郡のサイトにある数字は,次のようになっています.
Measure B, Santa Clara County V.T.A.
YES 398,222(66.52%)
NO 200,430(33.48%)

本来は,2000年に承認された税収でBART延長や,その他の公共交通整備
計画が賄われるはずでしたが,それでは足りないことが判明し,BART延長
開業後の運営費の財源を切り離して捻出する試みが,今回のMeasure B
でした.

BARTをサンノゼまで延長する建設に必要な60億ドルとされる資金の12%を
補助する連邦機関(FTA)は,開業後の運営費の目処をVTAがつけない限り,
助成金は出さないと言っているそうで,Measure Bの成立は延長可否の
鍵を握っていたのです.
VTA: Santa Clara Valley Transportation Authority

正式結果は来週になりそうですが,賛成票が三分の二に届かない状況に
変わりなさそうだとみて,VTAはMeasure B不成立後の対策を検討し始めて
いるという報道がありました.

それによれば,サンノゼ市内の地下走行を止める(=高架? )とか,延長
区間を当初予定の半分近くまで短縮し,途中駅も減らすなど,建設費を
安く上げる方策が考えられています.
路線短縮は,VTAのライトレールと接続させるにしても,Caltrainとの
直接乗換えが不可能になったり,サンノゼのダウンタウンからも離れる
などのため,利用者予測数が半減し,費用対効果の指数を落とすことに
なります.

他の公共交通整備を犠牲にして,BART延長に財源を集中投下すべきという
声も挙がっているようですが,そういう訳にもいかないようです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
11/12/2008 VTA will seek shorter, cheaper BART extension
(San Jose Mercury News ニュースへのリンク)
延長計画概要: BART to Silicon Valley
(VTA 公式サイトへのリンク)
このページに,延長計画の地図を含んだFact Sheet(PDFファイル)への
リンクがあります.

もう一つ,VTAのライトレールの話題がありました.
サンノゼ(San Jose)市内に残されていた,低床車に未対応の停留所ホーム
かさ上げ工事が全て終了し,ライトレール全線で段差なしに乗降できる
ようになりました.

これは,2002年に低床車が導入される前に建設されたホームを,順次駅を
最大3か月間閉鎖して行われてきた改造工事が終了したということです.
正確な駅数は不明ですが,5900万ドルが投じられています.

公式発表と,地元サンノゼ・マーキュリー紙の記事:
November 6, 2008 Snell, Santa Teresa Stations Resume Full Service
(VTA 公式サイトへのリンク)
11/12/2008 Step aboard light rail without using steps
(San Jose Mercury News ニュースへのリンク)

記事によれば,今年9月のライトレール平日平均利用者数は38,422人に
なり,開業後の20年間で最多の記録となったそうです.

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2008年11月12日

【米国】新政権に欧州の車両メーカが期待

路面電車とライトレール車両の北米市場が,国内や周辺市場が飽和状態に
なっている欧州企業の注目を,集め始めています.
ニューヨーク・タイムズ紙が傘下におくインターナショナル・ヘラルド・
トリビューン紙が,パリ発として記事を出していました.

最近の調査によれば,今後十年間でライトレール車両市場は,欧州では
年間1%の成長率しか期待できないのに対して,北米では10%以上の急成長
市場とみられているそうです.

また,東欧やアジアなどと異なり,地元の同業者に市場から締め出される
ことがないことや,昨今の復活ブームなどに加えて,来年からの米国政権
交代後に期待する向きがあるようです.
期待通りに連邦政府からの補助金が増えれば,今以上に興味を示す都市が
増えるだろうと,言われているからです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 10, 2008 European tram makers stand to gain from U.S.
streetcar push
(International Herald Tribune ニュースへのリンク)
記事は,ニューヨーク・タイムズ紙にも,オリジナル記事の翌日付けで
掲載されています.

米国では,連邦から助成金を得るのに際して,6割を米国製としなければ
ならないと定める,バイ・アメリカ法(Buy American Act)を,クリアする
必要がある? ものの,サクラメントに工場をつくったシーメンスの例や,
地元企業と提携したシュコダの例も,紹介されています.

最近国内の二社が提携すると発表があったチェコでも,既に米国市場には
参入経験がありますが,米国新政権の政策に期待しているという記事が,
同国の経済紙(Hospodářské noviny)に掲載されていました.
12. 11. 2008 V USA po volbách chtějí více tramvají, české firmy
cítí šanci
(Hospodářské noviny ニュースへのリンク)
この直後には,インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙の記事の
一部をチェコ語で紹介したものも出ましたが,そちらは省略します.

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2008年11月11日

【チューリッヒ】VBZも金融危機の犠牲に?

米国の大手保険会社AIGの経営危機が,米国の公共交通機関事業者の財政
状況を圧迫し,サービス削減になりかねない話題が先月ありましたが,
欧州の一部の都市でも,2004年まで行われていたCross-border leasing
により,似たような状況にあることが,伝えられています.
AIG: American International Group

市が車両や施設などを一旦米国の投資グループに売却し,すぐ売却先から
リースするという,いわゆるセールス・アンド・リースバックで資金を
調達していたことが原因なのも,米国のケースと同じです.

ヨーロッパでは,リースバックは約150の市で行われていたそうですが,
主にドイツのUバーン(地下鉄)が対象でした.10月中には,ドイツ語でも
問題を報じる記事が何本か出ています.
同様なことは,オランダ,オーストリア,スイス,フランスなどでも行わ
れたとかで,今回はチューリッヒの話が載っていました.

チューリヒVBZは,1997年からリースバックで資金調達を行いましたが,
それが米国に端を発する金融危機により,多額の負担となって返ってくる
恐れがあるというものです.
VBZ: Verkehrsbetriebe Zürich

リースバックで,チューリッヒ市は総額1億6千万スイスフランを手にして
いますが,そのうち1600万スイスフランは,トラムの分だったとか.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
08.11.2008 Hochriskante Tram-Deals
(SonntagsZeitung ニュースへのリンク)

この記事によれば,スイス国内でもSBB-CFF-FFS(スイス連邦鉄道)や,
BLSに,レーテッシュ鉄道(RhB)といった鉄道会社でも,リースバックは
行われていたものの,今のところは問題はないように見えるそうですが,
チューリヒのフォルヒ鉄道(Forchbahn)や,ジールタル・チューリッヒ・
ユトリベルク鉄道(SZU)は,VBZと同様のリスクがあるようです.
BLS: Bern-Lötschberg-Simplon railway
RhB: Rhätische Bahn
SZU: Sihltal Zürich Uetliberg Bahn

こちらは,米国の首都ワシントンDCのメトロ(WMATA)の状況です.
Oct 30, 2008 Washington transit agency at risk in AIG fallout
(Reuters ニュースへのリンク)
AIGの経営危機で,ベルギーの銀行に4千万ドルを支払わなければならない
羽目に陥ったWMATAは,とりあえずは急場をしのぎましたが,全米各地の
公共交通事業者と米国下院議長らは,財務省や米国の中央銀行に相当する
連邦準備制度に,財政援助の働きかけを行っています.
WMATA: Washington Metro Area Transit Agency

関連ログ: 2008/10/19 【AIG】金融危機で公共交通も減便の危機?

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2008年11月10日

【カンザスシティ】●●●●●●●○●

セントルイスから,ミズーリ州を東西に横断する形で西に250マイルほど
走ると,カンザス州に接するカンザスシティ(Kansas City)に到着です.
ここでも,11/04の住民投票で,将来のライトレール導入に関わる財源の
提案が,セントルイスと同様に反対多数で葬られました.

ライトレール導入を目指すQuestion 1は,2009年に期限が切れる三分の八
パーセント(0.375%)の売上税の上乗せ分を,ライトレール建設のために,
25年間を限度に期限を延長すべきかどうか,賛否を問うものでした.

ミズーリ州のカンザス・シティ市は,四つの郡にまたがっていて,住民
投票も各郡ごとに行われています.
このうち圧倒的な票数があるミズーリ川南岸の中心部を含むジャクソン郡
では,Question 1に投じられた14万6千票近い投票のうち,賛成は45.01%
に留まり,市全体でも反対多数に終わった次第です.

カンザスシティでは,1998年に同市のユニオン駅からカンザスシティ国際
空港までのライトレール建設案が住民投票にかけられ,それから2003年
まで連続6年,同様の提案が出されるものの,投票結果はことごとく反対
多数でした.1997年の黒星●を含めると,7戦全敗です.
その後,提唱者が一時カンザスシティを離れたため二年間のブランクが
ありましたが,2006年11月には,今回と同じようなライトレール建設資金
調達のための売上税の上乗せ分の期限延長案が出されて,初めて白星○
(賛成多数)を獲得します.

しかし,売上税の三分の八パーセント(0.375%)分では,他の財源をあわ
せても提案された27マイルの建設費に遠く及ばず,その他にも問題が指摘
され,2007年には市議会が,その計画を撤回してしまいます.

今回の住民投票は,距離を約半分の14マイルに短縮した上での出直しと
いう形でしたが,取り巻く環境の変化などもあり,2006年のような結果
にはなりませんでした.再び黒星●です.

投票結果と賛成多数を得られなかった理由の分析が報じられています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Nov. 06, 2008 KC City Council members mull a regional light-rail
vote in 2009
(The Kansas City Star ニュースへのリンク)
November 5, 2008 Kansas City defeats plan for light-rail starter
system
(Kansas City Business Journal ニュースへのリンク)
November 4, 2008 5 reasons light rail lost in KC
(Midwest Voices ブログへのリンク)

リストの一番下にあるブログでは,投票日の深夜に情勢が決まった時点で
早くも5つの理由を挙げていました.
市長への不信感,経済環境の悪化,反対派の説得力ある説明,公共交通
運営事業者の不手際,ガソリン価格の下落となっています.

また,今年は投票率が上がったものの,増えた若年層がライトレールに
好意的ではなかったという報道もみられます.数字の裏づけがあるわけ
ではありませんが,投票所でのインタビューや反対派の意見が掲載されて
いました.距離が短縮されたことへの不満もあるようです.
November 5, 2008 Expected youth votes didn't materialize for
light rail
(The Kansas City Star Prime Buzz へのリンク)

1997年からカンザスシティでライトレール導入を提唱してきた人の情報が
得られるページ: Clay Chastain (Political Activist)
(Chastain Central へのリンク)
2006年の案についての詳細も記されています.

2006年の案と2008年の案を,それぞれ地図上で表してみると:
2008年提案(反対多数): 2008 November 4 ballot Question 1
2006年提案(賛成多数): 2006 November 7 ballot Question 2
どちらもルートは正確ではありません.あくまでも路線規模を比較する
ために,起点と終点の予定地を地図上で結んでみただけです.
(Google Maps へのリンク)

四方のうちカンザスシティ市に三辺を囲まれている,ミズーリ川北岸の
クレイ郡ノース・カンザスシティ市は,Kansas City Business Journalの
記事にもある通り,提案された14マイルの路線のうちの同市内の区間に
投じる0.50%の売上税増税案に対して,投票総数は二千票足らずですが,
賛成票は過半数(58.70%)に達していました.
(同じクレイ郡でもカンザスシティ市の投票では,投票総数5万2千余で
賛成は40.83%です)

関連ログ: 2006/11/11 LRT賛成多数は得たものの

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2008年11月08日

【セントルイス】増税反対多数で終電8時に?

ミズーリ州では,州西部のカンザスシティと州東部のセントルイスで,
それぞれ売上税の税率アップして公共交通機関の整備に投じるかどうかと
いう住民投票がありました.しかし,どちらも反対多数で終わります.

セントルイス(St. Louis)郡では,公共交通のため売上税の税率を0.25%
上げることが1997年に承認されていますが,更に0.5%上昇させることに
賛成するかどうかが,今回Proposition Mとして問われていました.
これによって生み出される税収のうち年間4千万ドルは,1993年開業の
ライトレール(MetroLink)運営にあてられ,さらに同4千万ドルが,その
延長計画にあてられる予定でした.

ところが,郡選管のサイトにある非公式結果によれば,Proposition Mに
反対するが51.55%を占める262,743票を集め,賛成は246,941(48.45%)に
留まってしまいます.ちなみに投票率は77.90%だったようです.
(投票には事前登録が必要で,日本の投票率とは単純に比較できません)

ライトレール(MetroLink)を運営する通称メトロは,今回Proposition Mが
承認されなければ,サービス削減があると投票前から言っていましたが,
否決の結果を受けて,将来の大幅サービス縮小や運賃大幅値上げを避ける
ためには,来年3月からライトレールの終電車を20時にしたり,最低でも
30もの路線バスを廃止するなど経費節減のための措置を,行わなければ
ならないとしています.
メトロの正式名称: Bi-State Development Agency
(東隣のイリノイ州もサービス範囲のため,州をまたがる事業展開です)

もっとも今回のProposition Mは,メトロの運営姿勢を問うためという
見方もありました.2006年8月に開業した,ライトレール(MetroLink)の
ブルーライン建設(Cross County MetroLink extension)に絡み,メトロは
問題を起こしていました.

メトロとブルーラインの建設を請け負ったゼネコンとの間にトラブルが
あり,最終的には法廷に持ち込まれて,6百万ドルで昨年和解したという
経緯があったのです.ブルーラインは高いものについてしまいました.
今回の結果は,メトロや郡への不信任という意味も含まれるようです.

投票結果が明らかになってからの記事:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
11/07/2008 Metro's Prop. M Sales Tax Hike Gets Thumbs Down
From Voters
(South County Times ニュースへのリンク)
Nov. 07, 2008 MetroLink facing an 'ugly' future
(Belleville News Democrat ニュースへのリンク)
Nov. 06 2008 Defeat of Prop M hurts area, officials say
(St. Louis Post-Dispatch ニュースへのリンク)
November 5, 2008 Metro: Fare increase, service cuts to come
next year
(St. Louis Business Journal ニュースへのリンク)

関連ログ: 2008/11/06 【米国】2008-11-04 都市交通鉄道関連の結果

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年11月07日

【ロンドン】次期十年計画でCRT外れる

ロンドン市長が,今後10年間にTfLが行う市内交通整備事業計画の概要を
発表しました.
TfL: Transport for London

鉄道関連では,既に政府が資金を出すことが決まっている,ロンドン市内
中心部の地下を東西に走るCrossrailの建設や,空調の導入を含む地下鉄
(Tube)の施設改善などを中心に展開されます.

その他には,2012年のオリンピック開催だけのために整備されるのでは
なく,その後の継続的な使用も視野に入れた設備投資のうちの鉄道関係
で,ドックランズ・ライト・レールウェイ(DLR)の輸送力増強や,地下鉄
イーストロンドン線(East London Line)延長なども,盛り込まれました.
DLR: Docklands Light Railway

鉄道関係以外などの詳細は,下記に掲載されています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
06 November 2008 Mayor outlines 10-year plan for massive transport
expansion
(Transport for London 公式サイトへのリンク)

しかし一方で,今後十年間で24億ポンドを節減するため,前市長の立てた
幾つかの計画は,盛り込まれることなく打ち切りとなってしまいます.
各メディアの報道も,中止される計画に重点が置かれていました.

06.11.08 Boris scraps £3billion of Ken’s transport projects for
London
(Evening Standard ニュースへのリンク)
06 November 2008 Johnson culls transport projects
(Local Government Chronicle ニュースへのリンク)
6 November 2008 Jobs at risk as TfL cuts £2.4bn
(BBC News ニュースへのリンク)

中止に追い込まれる計画には,クロスリバー・トラム(CRT)に加えて,
クロイドン・トラムリンク(Croydon Tramlink)の延長計画と,DLRの延長
計画も含まれています.
CRT: Cross River Tram

先月下旬には,一部のロンドン市議会(London Assembly)議員が,市長に
CRT構想の継続を求め,市長自身はCRTのファンだという話まで出ていた
ようですが,裏腹の結果になってしまいました.
22nd Oct 2008 'The Mayor is a Cross River Tram Fan'
- Caroline Pidgeon AM

(London Assembly Liberal Democrats, City Hall へのリンク)

クロス・リバー・トラム関連ログ:
2008/9/12 クロイドンとCRTの話題から
2008/5/31 市長交代でCRT前途見えず

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2008年11月06日

【米国】2008-11-04 都市交通鉄道関連の結果

今年7月頃は,この先ガソリン価格はどこまで上がるのかとの懸念から,
公共交通整備計画に追い風と思われてきましたが,その後一転して価格は
急降下し,今では昨年の同時期以下にさえなっています.
9月の時点までは,公共交通機関の利用者数低下の顕著な例は見当たり
ませんでしたが,公共交通機関整備への増税に関する住民投票には逆風に
ならなかったでしょうか.

また,ただでさえ四年に一度は投票率が高くなる傾向があるのに,今回は
それに輪をかけたような形になり,高い投票率が何らかの影響を及ぼした
かどうか.その他にも,直前の金融危機が増税=NOというムードをつくら
なかったかどうか.色々な点で注目される住民投票の結果でした.

現地報道を交えた個々の事例に関しては,追って紹介する機会があるかも
しれませんが,取り急ぎの速報版で,先日のリスト分の投票結果です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
--- これまで軌道系都市交通のない街に新規開業を目指す地域 ---
○【ホノルル】ハワイ州
鉄車輪と鉄製レールの公共輸送システム(スチール・オン・スチール)導入
に関して,ホノルル市/郡に権限を持たせるべきかどうか問われました.
2008 Constitutional Convention and Constitutional Amendment
Questions and City/County Charter Amendments and Initiatives

(ハワイ州 Office of Elections 公式ページへのリンク)
上のリンク先の最下段に原文があります.

結果は,賛成が155,880票(50.6%)で,反対(140,623票/45.6%)を僅差で
抑えています.
投票結果一覧: 2008 Hawaii General Election - Official Results
左側にあるCity & County of Honoluluと記されたリンク先にPDFファイル
版の投票結果が収められていて,注目の軌道系都市交通関連は最下段に
結果が載っています.鉄道推進派の現職市長も再選されました.

計画: Honolulu High-Capacity Transit Corridor Project
関連ログ: 2008/9/26 【ホノルル】鉄道かバスか,11/04決戦投票へ

×【カンザスシティ】ミズーリ州
ライトレール計画の資金調達に売上税の税率を0.375%上げるかどうかが
問われましたが,反対票が56%で拒絶されてしまい,ホノルルとは明暗を
分けました.過去11年間に9回投票が行われているものの,賛成多数は
2006年の1回だけに留まっています.

--- 既存の軌道系都市交通の路線網拡大を目指す地域 ---
○【ロサンゼルス】カリフォルニア州
ロサンゼルス郡内の売上税増税は,賛成が承認に必要な得票数の三分の二
(66.66%)を僅かに上回る状態が開票直後から続き,やきもきさせられま
したが,最終的には現地時間未明に賛成票が1,633,442(67.41%)で確定,
Measure Rは承認です.

計画リスト(地図へのリンクあり): Measure R - What's in My Area
関連ログ: 2008/7/27 【ロサンゼルス】三度目の売上税増税投票へ

○【シアトル】ワシントン州
ライトレールなどの拡張計画のための売上税の増税は,今年は三郡平均
58.6%の賛成票を得て,Proposition 1は承認されました.
郡別ではキング郡の支持が61.9%と最も高く,タコマまでのライトレール
延長が盛り込まれなかったピアース郡は51%だったそうです.

計画路線図: Mass Transit Expansion Proposal
関連ログ: 2008/7/26 【Sound Transit】15か年計画でLRT拡大を

×【セントルイス】ミズーリ州
ライトレール(MetroLink)の路線延長分に必要な売上税の税率引き上げ
は,約263,000票(52%)の反対にあい拒絶されてしまいました.

【サンノゼ】カリフォルニア州
BART(Bay Area Rapid Transit)をサンノゼまで延長させる計画の中で,
開通後の運営と維持のための売上税増税は,得票数の三分の二(66.66%)
以上の賛成票が可決に必要でしたが,結果は66.27%に留まり,あえなく
Measure Bは拒絶されました.

追記:
票差が僅かなため,結果が確定されるまで数週間かかる模様です.


○【ウェスト・サクラメント】カリフォルニア州
サクラメント市の西隣にあるウェストサクラメント市を含むヨロ郡で,
路面電車復活や治水事業などのための売上税の増税期限延長は,賛成票
7,491(57.5%)を得て,Measure Vは承認されました.
November 4th, 2008 投票結果:
City of West Sacramento, Advisory Measure V
City of West Sacramento, Advisory Measure U
(Yolo Elections Office 公式サイトへのリンク)
関連ログ: 2008/10/06 【ウェスト・サクラメント】11/04の投票で..

カリフォルニア州の都市間高速鉄道構想,ベイエリアからロサンゼルスを
経てアナハイムまでの建設に向けた100億ドルの公債は,賛成5,072,778票
(52.2%)を得て承認されました.
California General Election November 4, 2008 State Ballot Measures
(California Secretary Of State 公式サイトへのリンク)
リンク先の一番上に掲載されている,Proposition 1A (Safe, Reliable
High-Speed Train Bond Act)のことです.

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2008年11月05日

【ベルリン】Sバーンも車軸点検で減車へ

ドイツでは,この夏のICE3の点検に続き,車体傾斜式のICE(ICE-T)でも,
全車両の車軸を緊急点検する必要から車両運用が変わり,時刻変更などが
行われるとされてきましたが,検査の遅れから,通常に戻るのは来年2月
と言われています.

車軸点検による混乱は,遠距離列車だけの話と思っていたところ,最近に
なってベルリンの近郊電車Sバーン(S-Bahn Berlin)でも,1996年から導入
されている一番新しい車種に同様の問題がある恐れがあるとして,車軸の
超音波検査を,従来の12万キロにつき一回から6万キロに一回の割合まで
周期を半減し,検査回数を倍増させるという報道がありました.

対象車種は,Baureihe 481と呼ばれる形式で,直流の第三軌条方式電化の
ベルリンSバーンに特化した車両ですが,2車体を一台として数えると,
500台に相当する車両数が配属されている大所帯で,主力車両です.

検査周期半減により車両が不足しますが,ベルリンのSバーンでは運休は
行わず,一部路線の減車で対応するという発表が出ています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
4. November 08 S-Bahn Berlin gewährleistet fahrplanmäßigen Betrieb
(S-Bahn Berlin GmbH 公式サイトへのリンク)

ICEなどとBaureihe 481では,製造メーカーが異なるものの,481形式の
車軸に使われた素材(A5T)が,ICEのもの(A4T)に似ていることが,検査
周期を半減させた原因です.しかし,481形式の車軸に亀裂は見つかって
いませんでした.

減車発表に先立ち,ベルリンのSバーンにも影響があることは,先週から
報道されていました.
2 November 2008 Auch die S-Bahn prüft Radachsen auf Risse
(Berliner Morgenpost ニュースへのリンク)
01. November S-Bahnen müssen zur Ultraschall-Untersuchung
(Berliner Zeitung ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年11月04日

【米国】2008-11-04 都市交通鉄道関連の投票

米国では,毎年11月の第一火曜日に選挙や投票が行われる慣わしです.
今年は11/04.四年に一度の大統領の選択肢がある同じ投票用紙の中に,
増税などによる公共交通整備への資金注入に対して,住民が賛否を記す
項目が,例年通り設けられています.

軌道系都市交通の是非が問われる注目の地域は,次の通りです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
--- これまで軌道系都市交通のない街に新規開業を目指す地域 ---
【ホノルル】ハワイ州
三十年来構想がありながら,従来は実現できなかったマス・トランジット
整備で,増税が承認されて漸く実を結ぶかに見えた今の計画ですが,その
車両に関して,電車で良いのかどうか,初めて住民が意思を表示できる
機会が設けられました.ただし,投票結果に法的拘束力はありません.
Honolulu High-Capacity Transit Corridor Project
関連ログ: 2008/9/26 【ホノルル】鉄道かバスか,11/04決戦投票へ

【カンザスシティ】ミズーリ州
こちらは,幾度となくライトレール構想が否決された後,2006年に初めて
賛成多数を得るものの,翌年には市議会が計画は資金不足で実現不可能と
住民投票の結果を覆す結論を出していました.
今回は出直しの意味を込め,初期路線だけに絞った14マイルの計画に,
売上税を増税して資金を投じるかどうかの賛否が問われます.
投票キーワード: Question 1

--- 既存の軌道系都市交通の路線網拡大を目指す地域 ---
【ロサンゼルス】カリフォルニア州
今回投票対象の公共交通関連では,扱う資金額が最大規模になる売上税の
増税で,道路も含まれます.賛成多数ではなく得票数の三分の二以上の
賛成票が可決に必要です.
投票キーワード: Measure R
計画リスト(地図へのリンクあり): Measure R - What's in My Area
関連ログ: 2008/7/27 【ロサンゼルス】三度目の売上税増税投票へ

【シアトル】ワシントン州
昨年は道路整備との抱き合わせだったこともあり,反対多数に終わった
売上税の増税によるライトレール拡張計画の資金調達は,今年は公共交通
単独で,若干拡大規模を縮小して臨みます.
投票キーワード: Proposition 1
計画路線図: Mass Transit Expansion Proposal
関連ログ: 2008/7/26 【Sound Transit】15か年計画でLRT拡大を

【セントルイス】ミズーリ州
ライトレール(MetroLink)の路線延長分などを賄う売上税の増税が,問わ
れます.住民投票は今年2月実施予定でしたが,11月に延期されました.
投票キーワード: Proposition M

【サンノゼ】カリフォルニア州
ベイエリアの高速電車BART(Bay Area Rapid Transit)を,オークランド側
からシリコンバレーまで延長させる計画の中で,完成後の運営と維持費を
賄う財源確保のために,売上税の増税を問うものです.
投票キーワード: Measure B

【ウェスト・サクラメント】カリフォルニア州
ヨロ郡で,路面電車復活や治水事業などのために,売上税の増税期限を
延長すべきかどうかを問うものです.隣のサクラメント市には,ライト
レールが走っていますが,ウェストサクラメントにはありませんので,
新規事業とも言えます.
投票キーワード: Measure V,U
関連ログ: 2008/10/06 【ウェスト・サクラメント】11/04の投票で..

公共交通関連の投票地域一覧: 2008 Transit Ballot Measures
(The Center for Transportation Excellence へのリンク)

上のリストに載っていますが,ニューメキシコ州ではコミューターレール
(Rail Runner Express)の運営費にあてる売上税増税の是非や,都市交通
ではありませんが,カリフォルニア州では都市間高速鉄道建設に向けた
公債の是非を問う投票も行われます.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年11月03日

【LA】エンジェルスフライト車両八年振り復帰

この9月,ロサンゼルスのダウンタウン,バンカーヒル(Bunker Hill)の
斜面にヤギが放たれ,安上がりで環境にやさしい? 雑草駆除が行われた
という話があったのは記憶に新しいところです.

その時には,ヤギによる雑草駆除の行われた斜面の隣にあるはずの,世界
最短(全長298フィート=91m弱)の鉄道と言われるエンジェルス・フライト
(Angels Flight)の話題は特に出なかったようなので,いつの間にかこの
ケーブルカーは運転が再開されていたのかとも思いましたが,どうやら
違ったようです.
11/01に,エンジェルス・フライト(Angels Flight)の車両が,現地に搬入
されたという記事がありました.

1996年に(1901年製? の)保存車両を使い,軌道などを刷新して27年ぶりに
再開したケーブルカーは,2001年に片方の車両が下に転落し,下にいた
もう片方の車両に衝突するという事故を起こしてしまい,それ以来ずっと
運休が続いていました.

事故原因に構造上の問題などが指摘され,再開には350万ドルが必要と
されていました.事故後に興されたAngels Flight Railway Foundation
という団体により,その三分の二は民間からの寄付金で調達され,昨年
以降は何度となく再開時期が報じられていたところです.

昨秋には,ユニオン駅の先にあり,ロサンゼルス川沿いの地下鉄レッド
ラインの車庫(Red Line Yard)にケーブルカーの車体が保存されている
ことがわかり,今年初めにも再開という話が有力でしたが,車両が搬入
された現時点では,年末か2009年初めにずれ込んでいます.

2008年の大晦日は,初代ケーブルカー運転から107周年にあたるとかで,
この日の再開が望まれているところです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 2, 2008 Cars returned to downtown L.A.'s Angels Flight
funicular
(Los Angeles Times ニュースへのリンク)

記事には,2001年の事故現場などを含む過去の写真や,車両搬入作業の
画像を納めたページへのリンクもあります.
再開後の運賃は,25セントに据え置かれる見通しとか.

Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Angels Flight Cars Return by ericrichardson (flickr)
Angels Flight Cars Return
Taken on November 1, 2008

A Car is on Angels Flight by jojomelons (flickr)
A Car is on Angels Flight
Taken on November 1, 2008

関連ログ: 2007/1/25 【LA】ケーブルカー今夏にも運転再開へ

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2008年11月02日

【ケムニッツ】ノルウェーからの教習生

ノルウェー人が,ドイツ東部ザクセン州ケムニッツ(Chemnitz)の鉄道を
コピーする,というタイトルの記事があります.
何事かと思い読んでみると,2010年からノルウェーのベルゲン(Bergen)で
運転を開始する予定のライトレール(Bybanen)に備えて,ベルゲンから
やって来た運転士養成教官の候補者が,ベルゲンが導入するトラム車両,
バリオバーン(Variobahn)の運転を習っているというものでした.

バリオバーンなら,ベルゲンからは遠いものの,同じ北欧のヘルシンキも
導入していますが,車体幅(2,650 mm)や軌間(1,435 mm)がベルゲンと同じ
ケムニッツのCVAGが,研修先に選ばれたようです.
CVAG: Chemnitzer Verkehrs-Aktiengesellschaft

ケムニッツCVAGは,路線構造? (原語 Streckenbauweise)が,ベルゲンの
Bybanenと似ているという話も紹介されているほか,ドイツの規則も拝借
するとのことです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
1. November 2008 Norweger kupfern unsere Bahnen ab
(sz-online/Chemnitzer Morgenpost ニュースへのリンク)

ケムニッツこそ,1993年にバリオバーンの試作車を導入した最初の街で,
今でこそ,バリオバーンはシュタットラー・レール(Stadler Rail)が製造
販売していますが,その当時のメーカーはABB(ABB Henschel)でした.
その後,同社はAdtranzを経てBombardierに吸収されますが,その時点で
低床車モデルのバリオバーンだけは,Stadler Railへ譲渡されました.

ベルゲンBybanenは,シュタットラー・レールと今年契約していますが,
同社製造のヴァリオバーンは,ニュルンベルクVAGとボーフムBOGESTRA,
それに間もなくミュンヘンMVGに導入され始めるだけで,まだ少数です.

そこにポツダムが加わることは,先月紹介したばかりですが,Stadler製
Variobahnは今は納車が10本未満であることを突く形で,シーメンスが
ポツダムViPのヴァリオバーン発注に異議を申し立てている模様です.
31.10. 2008 Siemens lässt Vergabe prüfen
(Potsdamer Zeitungsverlags ニュースへのリンク)
似たような話は,オーストリアのグラーツGVBの発注時にもありました.

Variobahn関連ログ一覧:
2008/10/12 【ポツダム】次の低床車はVariobahnに
2008/1/30 【ベルゲン】100%低床車の契約締結
2007/10/16 【グラーツ】シュタットラーが受注を正式発表

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年11月01日

【クラクフ】中央駅地下のトラム開通間近

人口の面ではワルシャワ、ウッチに続く,ポーランドで第三の規模になる
クラクフ(Kraków)の中心地で建設中のトラム用トンネルが,開通間近だと
いう報道がありました.

市内75万人以上が暮らすこの街の都市交通は,トラムとバスが頼りです.
また,ポーランド国鉄(PKP)と長距離バスが集結するクラクフ中央駅と,
その周辺は,陸上交通の要衝であるばかりでなく,最近はショッピング
センターが進出するなど,KCKと呼ばれる再開発が進められてきました.
KCK: Krakowskie Centrum Komunikacyjne

建設が進められてきたトラム用トンネルは,そのKCKなど中央駅の地下を
進むもので,距離は1,768mと2キロに満たないながらも,ポーランドでは
首都ワルシャワで,10月下旬に四半世紀の歳月を要して全通したばかりの
地下鉄があるだけのため,珍しい存在になるようです.

このトンネルは,クラクフが進めてきた快速トラム線(KST)の一部です.
市内を南北に縦貫するトラム幹線を高速化するKSTは,区間ごと数段階に
わけられて建設されます.
KST: Krakowski Szybki Tramwaj

中央駅と大学前という二つの地下駅を含むトンネル区間は,KST第二期に
相当するようで,10月末の開通予定でしたから,多少遅れています.
第一期は,市内南部の3キロほどの区間(Wielicka通りとKurdwanówの間)が
対象でした.そこでは軌道が車道と完全分離され,高速運転(表定速度が
時速20キロ台前半になるような運行)を可能なようにしている模様です.
終点Kurdwanówにある折返し用のループは複線で,半周分は高架橋の上に
載っているようです.

今回の記事では,トンネル工事はひと月遅れていること,11月中旬には
乗客を乗せたトラムが走れることになるはずですが,それも確定ではなく
開通の日取りも正式には発表されていないことが,伝えられていました.

建設費は,1億6400万ズウォティ(złoty)=約4500万ユーロ強だとか.
資金の出所は,欧州復興開発銀行(EBRD)と,欧州投資銀行(EIB)です.
EBRD: European Bank for Reconstruction and Development (英語)
EIB: European Investment Bank (英語)

以下は全てポーランド語ですが,記事と資料などです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
2008-10-29 Tunel szybkiego tramwaju prawie gotowy
(Gazeta.pl ニュースへのリンク)
KST計画概要: Krakowski Szybki Tramwaj
(Agencja Rozwoju Miasta S.A. へのリンク)
クラクフ市内区間の路線図: Plan Komunikacyjny Krakowa
(Encyklopedia Krakowskiej Komunikacji へのリンク)
上記路線図の中央やや右寄りに,中央駅(Kraków Główny Osobowy)が,
見つかると思います.クリックして拡大すると,南北に走るポーランド
国鉄(PKP)線路と直角に交わる薄いピンク色の破線が見えますが,それが
今回話題のトンネルで,赤い実線はトラム路線を示しています.

Gazeta.plの記事には,トンネル内のトラム運転速度は,保安装置がない
ことから,時速30キロに制限されることになりそうだという,9月の記事
へのリンクもあります.
画像を見る限り,道路トンネルのように照明灯が数多くあるように見え,
これを全部点灯させれば,衝突防止や障害物の早期発見になり,予定の
時速60キロ運転が可能なのかもしれませんが,一日中点灯することは,
費用が莫大になるため無理なようです.
これが解決したのかどうは,今一つ判りませんが,このままでは快足が
売り物のKSTも,所要時間が数分延びる模様です.

ポーランド語版ウィキペディアのTramwaje w Krakowieの項目にある
路線図に加筆修正してみました.

KrakowskiSzybkiTramwaj.png

ピンク色の破線がトンネル区間で,地上区間まで含めると,画面上(=北)
Krowodrzaから,Ronda Grzegórzeckieまでが,KST第二期です.
その下(=南)に続く灰色の破線は,次の予定線ですが,これは大まかな
位置を表しているだけで,画面下の青い太線は,KST第一期です.

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