2008年12月31日

【マドリード】ライトメトロ利用徐々に上向き?

2007年相次いで開業したマドリッドのメトロ・リヘロ(Metro Ligero)の
三路線と,マドリッドの南方にあるパルラの市電は,2008年1月から10月
までの間に1700万人の利用があり,一日平均1万5千人で予想を上回って
いると,MINTRAが発表しました.
MINTRA: Consorcio Regional de Transportes y Madrid Infraestructuras
del Transporte

期待されたほど利用が伸びていないと紹介したこともあるメトロリヘロ
(ライトメトロ)1号線は,10月には一日2万人を輸送した日もあったとか.
ML1号線 運転区間: Pinar de Chamartín - Las Tablas
ML2号線 運転区間: Colonia Jardín - Aravaca
ML3号線 運転区間: Colonia Jardín - Boadilla
パルラ Tranvía de Parla

MINTRAの代表者は,ライトレールは世界68か国にあるものの,マドリッド
では特殊な事情により路線網構築が困難と打ち明けています.
それは,住民が新しい変革(novedades)を好まないこと,他の地域では
勤務先の範囲が(駅から? )800mまで広がるのに,マドリッド州では500m
までにしかならないからだそうです.

この話は,先般発行された,マドリードのトラム(1972年廃止)からライト
メトロ(2007年開業)までと題する本とあわせ,マドリード州(Comunidad
de Madrid)の運輸インフラ担当省で発表されました.

本のほうは,マドリッドで失われた35年間に起きていた世界各地の情勢も
記され,写真や図絵などが豊富な400ページ以上になる本格的なもので,
初版2500冊は図書館や教育機関などに配布されるそうです.
"De los Tranvías a los Metros Ligeros en la Comunidad de Madrid"
ISBN 978-84-451-3177-0

本の簡単な紹介とともに,記事になりました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
30 Dic. Metro Ligero supera las previsiones y se consolida con
más de 10 millones de viajes
(Europa Press ニュースへのリンク)
30-12-2008 Los metros ligeros superan los 15.000 viajeros diarios
(Madridiario ニュースへのリンク)

前述したマドリッドではライトレール導入計画が困難を伴うという話は,
Europa Pressの記事に載っています.

1972年のマドリード市電路線図: Madrid ESPAÑA - SPAIN 1 JUN. 1972
(GS Tram Site へのリンク)
余談ですが,このサイトは欧州を中心とした一部の街のトラム路線図が,
現在だけでなく過去の分まで収容しています.昔のバルセロナの路線図も
ありました.

【マドリード】ライトメトロ関連,最近の話題:
2008/11/17 メトロリヘロ運行は九割補助
2008/10/09 住民反対でML計画路線短縮へ

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2008年12月30日

【イスタンブール】Phileasは2009年2月から

トルコのイスタンブールには,昔ながらの路面電車や,低床車が導入され
ている近代的なトラムに,メトロとも呼ばれるライトレール,本格的な
地下鉄(メトロ)に近郊鉄道,それに加えてケーブルカーやロープウェイ
まで,考えつく限りの軌道系交通機関が,都市交通を担っています.

もちろん,それにも増して路線バスが活躍しているのですが,2007年9月
には,一段上のサービスを目指すBRTが,イスタンブールにも暫定開業
しています.(BRT: Bus rapid transit)

BRTはメトロバスと呼ばれ,高速道路D100の中央を走り,最初に開業した
18.3キロでは,İETTの資料によれば,従来一時間以上掛かっていた区間が
20分台に短縮できたとか,平均42秒間隔の運転で一日30万人輸送と記さ
れています.
İETT: İstanbul Transportation Authority

2008年9月には東に10.5キロ延長されましたが,暫定としたのは,投入
車両が一般の路線バスと同じだったからです.
イスタンブールのメトロバスには,オランダ製のPhileasが導入される
予定で,50本が発注されています.しかし開業に間に合わなかったため
一般車での暫定運転となりました.

最近になりPhileasが揃い,28日間にわたる深夜の走行テストが行われ,
結果は上々という記事が英語で書かれています.
その記事によれば,2009年2月からメトロバス第三期区間に,Phileasを
集中投入する予定だそうで,第三期区間は,いよいよボスポラス海峡を
越えてアジア側への進出です.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
29 December 2008 New metrobuses perform well in trial runs
(İstanbul Today's Zaman ニュースへのリンク)

Phileasは,フランスではゴムタイヤ式トラムウェイとして導入される
予定ですが,イスタンブールではBRTの車両となるのでした.
イスタンブール向けのPhileasは,二連接(三車体)の全長26m版で,収容
定員も230名(うち座席は52)と大型です.

走行システムはディーゼルエンジンと電気モーターのパラレル方式ハイ
ブリッドで,発電ブレーキによる電力を蓄えてモータを稼動させるよう
です.これによりエネルギー効率を在来車より4割も高められたとか.

オランダやフランスでは最大の特徴と言ってもいい磁気マーカー使用の
自動操舵が,イスタンブールでも使われるのかは今ひとつ不明ですが,
衛星追尾システムで無人運行も可能と説明されています.

Metrobus 英語の案内: Fast and comfortable...
メトロバスが導入するPhileas (英語版): Tire-Wheeled Tramway
現行メトロバス路線: 78 AVCILAR-ZİNCİRLİKUYU METROBÜSÜ
(İstanbul Transportation Authority (İETT) 公式サイトへのリンク)

現在メトロバスの東端(Zincirlikuyu)は,下の地図上ではイスタンブール
中心から北北東にある,Cumhuriyetと記されている付近ですが,ここから
ボスポラス海峡を渡って延長される先のSoğütlüçeşmeの位置は,正確には
よく判りません.郊外鉄道線の駅がありましたので,暫定的にその場所を
A印で示しています.Söğütlüçeşme Tren İstasyonu (鉄道駅)

大きな地図で見る
地図上ではO-1と記される高速道路(E-5)の中央を走るのでしょう.

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2008年12月29日

【BART】景気刺激策に期待する要望リスト

全米各地の公共交通事業者は,来たるべく大規模な経済刺激策の一環と
して,資金不足で進んでいない700以上とも言われる投資計画の中から,
これは連邦政府からの補助を期待したいというリストをつくり,気の早い
ところは政権移行チームに提出しているといいます.

一時期は,MTCの代表が次期政権で運輸長官に指名されるのではないか
との憶測も流れていたベイエリアで,資金難にあえぐ事業者の期待する
計画リストを紹介する記事が,先日出ていました.
MTC: Metropolitan Transportation Commission
(運輸長官には,イリノイ州選出の共和党下院議員が指名されています)

次期政権では,正副大統領ともに公共交通に馴染みがあるようですし,
石油の海外依存度を低下させ,温暖化ガス排出量を減らすためにも,公共
交通への投資が期待されるところです.

しかし,あとは資金だけとなっている計画を成し遂げるのに必要な金額は
122億ドルとも言われ,限られた資金を分け合うため,全米中の事業者が
競争相手になります.
もちろん,競争は同業者だけではありません.道路や橋,水道や電力と
いった大規模インフラ計画全般も競争相手になります.

それでも今回の記事では,次期政権が選挙運動中に,通勤手当ての税金
免除限度額で,現在は2倍の差がある駐車料金と公共交通運賃を同じに
することを公約に挙げていたことを,取り上げています.
これは,2009年以降に雇用者が支給する自動車通勤者への駐車料手当は,
ひと月$230まで免税になるのに対し,公共交通利用やカーシェアリング
などの場合では,ひと月$120までの通勤手当しか免税にならないという
アンバランスを,是正するものです.

ともあれ,鉄道関係の主なウィッシュリストは次の通りでした.
これらは資金不足で保留中とか,資金投下でスピードアップを図りたい
計画のリストとも言えます.
BART
- 試験用として新世代車両の購入(1050万ドル)
- FremontからWarm Springsへの5.4マイル延長(3070万ドル)
- Walnut Creek,Pleasant Hill両駅の改修と渡り線新設(6680万ドル)
- オークランド空港連絡輸送(232万ドル)
Caltrain
- 電化と自動列車制御装置の導入(15億ドル)
SF Muni
- 事故で破損したMuniメトロ用車両(LRV)9本の修理(2600万ドル)
- 歴史的価値のある路面電車車両5本の再建(900万ドル)

この他にもバス関係など多数あります.詳細は下記記事で.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 26, 2008 Transit agencies look to Obama for more funds
(San Francisco Chronicle ニュースへのリンク)

BARTの項目にあるFremontからWarm Springsへの延長(WSX)は,サンノゼ
へのBART乗入れの第一歩です.
WSX: Warm Springs Extension

本題とは関係ありませんが,検索の最中にBARTの非公式配線図が見つかり
ましたので,あわせて紹介しておきます.
23 July 2008 New Feature: BART Track Map
(Transbay Blog へのリンク)

なお,サンノゼへの延長に欠かせないサンタクララ郡の売上税増税を巡る
住民投票は,当初賛成票が三分の二を下回っていましたが,投票所以外で
投じられた賛成票が数多く出てきて形勢が逆転,僅差で三分の二を超えて
承認されています.今月上旬には反対派からの再集計申請が却下されて,
正式に決定に至りました.ただし,連邦から予算が出て計画が進展する
まで,増税は行われないそうです.

オークランド空港への連絡輸送では,先月には新交通システム案が行き
詰まっていると紹介しましたが,それではもっと安上がりな輸送機関で
ということになり,バス専用レーンだけでなく,ロープウェイ(米国では
cable cars)や磁気浮上式鉄道案などまでが,浮上しているそうです.

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2008年12月28日

【フェニックス】ライトレール12/27開業(2)

スプロール化も進む砂漠地帯にあって,車好きな人も多く,これだけの
規模の都市圏なのに,これまで大量輸送機関を持たなかったフェニックス
都市圏に,構想から二十年と着工から四年近くを経て,ライトレールが
誕生しました.

Valley Metroのライトレール(METRO Light Rail)は,12/27(土)午前10時
ちょうどに,予定通り一般旅客を乗せて運転を開始しています.最初の
乗客は75名だったとか.朝6時から待っていた人もいたそうです.
この日は20時までの運転,翌12/28(日)は10時から18時までの限定で,
本格的な運行は週明け12/29(月)からです.

近畿車輛製の低床車は,ほとんどが市街地の道路上の走行となるため,
最高速度は自動車と同じく時速35マイル(約56キロ)に制限され,今回開業
した20マイル区間,フェニックス市北部の19th Avenue and Montebello
から,メサ市西部Sycamore and Main Streetまで,全28停留所を一時間で
結ぶ予定です.
しかし開業日は,各停留所でお祭り騒ぎがあったことから,一時間半近く
掛かった模様です.

試運転時には,近畿車輛製LRVを2本連結して走っていましたが,開業日は
3本連結したものもありました.それでもライトレール乗車待ちの行列は
昼には一時間半から二時間半以上に及んだとか.帰りの乗車をあきらめる
人を救済するための無料シャトルバスも,ライトレールのルートに沿って
運転されたはずです.

大半の人は全線通しで乗ったようで,途中駅からでは乗れない人も.
また,多くの人にライトレールを体験してもらうべく,終点では全員が
下車させられ,折り返すには列の最後に並ぶ必要があるために,往復には
最低でも六時間近くかかったことでしょう.

なお,年内までは片道$1.25の運賃が免除されて無料です.これは正確に
記すと年が明けた1/01未明の午前2時に出発する電車が,午前3時に終点に
着くまでということで,その100分後に両端駅を出発する1/01付けの始発
電車(4:40発)からは,運賃が必要です.

午前2時発が終電というのは大晦日の話で,普段は23時発のため,客足が
引くのが早くなるとか,飲酒運転の僕滅にならないということで,終電の
繰り下げ要望も出ています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Dec. 27, 2008 Light-rail passengers line up for history
(The Arizona Republic ニュースへのリンク)
Dec 27, 2008 Phoenix opens $1.4 billion light-rail system
(Reuters ニュースへのリンク)
December 27, 2008 Phoenix launches its startup light rail line
(KTAR 92.3 Phoenix ニュースへのリンク)

本格的な運転開始は12/29からで,路線バス再編もその日からです.
ライトレールに置き換えられるレッドライン(Red Line)と呼ばれてきた
路線バスは,同日に廃止されます.
ダイヤ改正の案内: DECEMBER 29 SERVICE CHANGES
Valley Metro Bus Schedules Effective July 28, 2008: Red Line
ライトレール開業情報: METRO GRAND OPENING
(Valley Metro 公式サイトへのリンク)

Red Lineの路線図は上記リンクにありますが,ライトレールがカバーして
いない部分もあります.
たとえば,旅客機の発着数で全米九位のフェニックス・スカイハーバー
空港(Phoenix Sky Harbor International Airport)です.

これまでのRed Lineは,空港の各ターミナルに停車していきましたが,
ライトレールはターミナル群の北にある滑走路(7L/25R)のさらに北を,
走りすぎてしまいます.

そこで最寄の電停(44th Street and Washington)から,ライトレールの
運行時間帯にあわせて,無料シャトル(PHX Airport shuttle)を走らせる
ことになりました.いずれはピープルムーバーのような新交通システムを
導入する構想もありますが,それまではバスで連絡です.
空港連絡シャトルバス: Light Rail Sky Harbor Connection
(PHX 公式サイトへのリンク)

空港ターミナルへライトレール乗入れという話もありましたが,建設費が
上がることと所要時間が延びてしまうことから,見送られていました.

また,ライトレール(METRO Light Rail)の東側の終点メサでも,さらに
東のショッピングモール(Superstition Springs)まで,12マイルほどの
Valley Metro LINKと呼ぶ,最新式連接バスと優先信号を導入したBRTが,
運転されることになっています.(BRT: bus rapid transit)
Valley Metro LINK: System Map
(Valley Metro 公式サイトへのリンク)

レッドライン(路線バス)の時代には,今年10月のデータで一日1万1千人の
利用がありました.ライトレール化された2009年には,2万6千人の利用を
見込んでいます.

開業日の混雑は,いずこも同じ:
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
The Light RAil Approaching the Mill Avenue Station
by phxwebguy (flickr)
The Light RAil Approaching the Mill Avenue Station
Taken on December 27, 2008

Valley Metro light rail by stevevance (flickr)
Valley Metro light rail
Taken on December 27, 2008

Waiting for the 1st Train by simax105 (flickr)
Waiting for the 1st Train
Taken on December 27, 2008

その他にも下記に画像あり:
* stevevance's photostream / Tags / lightrail (flickr)
* Valley Metro Light Rail Opening Day by Daniel Greene (flickr)

【フェニックス】関連ログ: 2008/12/27 ライトレール12/27開業(1)

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2008年12月27日

【フェニックス】ライトレール12/27開業(1)

年末も押し迫るなか,20マイル(約32キロ)の路線を一気に作り上げた,
アリゾナ州フェニックス(Phoenix),テンピー(Tempe),メサ(Mesa)を結ぶ
Valley Metroのライトレール(METRO Light Rail)が,12/27開業します.

近畿車輛製の低床車が発注され,14億ドルのうち地元が半分近くを負担
したライトレールの第一期路線は,土曜10時からの一般開放に先立ち,
金曜はVIP客などを乗せ,本番さながらのリハーサル(dress rehearsal)が
行われたと,報じられています.

フェニックスのライトレール関連の記事は,ほぼ毎日と言って良いほど
以前から活発に出ていて,統計を取ったわけではありませんが,Light-
railをキーワードとするウェブ上での検索では,おそらく今年最多となり
そうなほどの数の記事があるため,その中から選りすぐって取り上げる
ものの,一回だけではとても足りませんので,続編を出す予定です.


数々の特徴の中でも,砂漠地帯を走るということがまず挙げられます.
夏の最高気温は華氏120度(摂氏49度)を上回ることもある環境で,見える
ところだけでなく,見えないところにも工夫がこらされているようです.

例えば,低床車には世界最強とされる空調装置が搭載され,窓ガラスは
車などでお馴染みの色付き反射ガラスを採用,外回りの塗装もシルバーを
基調とする熱を吸収しない色を選んでいます.
停留所は,ドバイで計画中のトラムのように,スクリーンドアに囲まれた
エアコン付きとまではなりませんが,天幕と日よけで覆われ,蔓を絡ま
せた格子や植物などに,珍しく水のみ場まで用意されているそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Dec. 26, 2008 Light-rail stations have riders covered
Dec. 25, 2008 Light rail provided unique challenges for lead
designer
(The Arizona Republic ニュースへのリンク)
December 24, 2008 All Aboard Metro Light Rail!
The Associated Pressの記事 (CBS 5 Phoenix ニュースへのリンク)

Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Central Ave - Phoenix Metro Light Rail by Rail Life (flickr)
Central Ave - Phoenix Metro Light Rail
Taken on December 12, 2008

Century Plaza, Phoenix AZ by Rail Life (flickr)
Century Plaza, Phoenix AZ
Taken on December 12, 2008

一方,他都市の例を見ているだけあって,違反行為に対しては容赦しない
姿勢(zero-tolerance policy)が,早くも示されています.
Dec. 18, 2008 'Zero tolerance' for light-rail vandals
(The Arizona Republic ニュースへのリンク)

無賃乗車などへの違反金も最大$500と多額ですが,実はかつて走っていた
鉄道の運賃の上限額を規制する州法が,まだ廃止されていないとかで,
それによれば運賃はメトロの定める1.25ドルではなく,片道5セントに
制限されるはずと伝える記事もありました.
December 19, 2008 Light Rail Fares Capped At 5 Cents?
The Associated Pressの記事 (CBS 5 Phoenix ニュースへのリンク)

もちろん,1980年代には連邦法で運賃上限規制が撤廃されているため,
アリゾナ州のこの州法に法的効力はありません.
Chapter 1 CORPORATION COMMISSION
Article 7 Rates and Rate Schedules 40-372 Street railways; fares;
transfers
(Arizona State Legislature へのリンク)

フェニックス圏では旅客鉄道の文化が絶えて久しく,近年はAmtrakさえ
フェニックスに停まらなくなってしまいました.人々は何処に行くにも
自動車を使い,公共交通など一度も使ったことがありません.車を持つ
余裕のない人だけが,路線バスに代表されてきた公共交通利用者です.

こうした地域の人々の習慣を変えられるかどうか,ライトレールの真価が
問われるところですが,先行した周辺都市の例をみる限り明るい見通しも
たちそうです.

フェニックスのライトレールは,単一路線では20マイルと最長の部類に
属しますが,それでもカバーできる範囲は限られます.そこで,8つの
パークアンドライドが設けられると同時に,接続するバス路線も連携が
図られ,こうした他の公共交通との融合が上手く果たせるかに,ライト
レールが成功するかどうかが掛かっているわけです.
当たり前のような話ですが,下の記事では他都市の実例を挙げ説得力が
ありました.
Dec. 21, 2008 Transit's success hinges on access to trains, buses
(The Arizona Republic ニュースへのリンク)

他のサイトでも紹介されていることですが,テキサス州ヒューストンで
2007年に行われた調査では,公共交通利用者の41%が,2004年に開業した
ライトレール(METRORail)のおかげで,公共交通を利用するようになった
ことが,明らかにされています.
こうした,ライトレール開業以前はバスに見向きもしなかったのに,一旦
ライトレールが走り始めると,それをきっかけに公共交通を使うように
なる現象は,多額の資金が投じられて建設される旅客鉄道を,一段上の
移動手段と人々が見ているからですが,フェニックスでも,自動車という
選択肢のある人たちからの利用に狙いを定めて,その現象が起きることを
期待しているようです.

フェニックスは,日本との時差は16時間で,時刻の上では8時間先行して
いますが,日付は一日前になります.
公式開業情報: METRO GRAND OPENING
(Valley Metro 公式サイトへのリンク)
メディアのライトレール特集ページ: phoenix light rail information
(azcentral.com へのリンク)
路線図などの情報も,上記ページからたどっていけます.

【フェニックス】関連ログ: 2008/12/13 LRTにNBAオールスター広告?

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2008年12月26日

【シンシナティ】市電計画是非を住民投票に?

この夏,ニューヨークタイムズ紙が取り上げたことで,多くの人が知る
ところとなった,オハイオ州シンシナティ市のストリートカー導入計画.
現状は色々と決定が先送りされ,市議会でも市電向け予算削減提案が出る
なかで,最近は目だった進展がないようですが,ここにきて大きな問題が
立ちはだかろうとしています.

全米黒人地位向上協会(NAACP)が,協会内の投票でストリートカー計画に
反対する立場を鮮明にし,2009年11月に行われる住民投票で,賛否を問う
項目を盛り込むための署名集め運動を開始しました.
NAACP: National Association for the Advancement of Colored People

シンシナティのNAACPは,他の団体と共同で,これまでにも刑務所への
費用を賄うための増税案を葬ったり,信号無視を記録するカメラを交通
違反取締りに使えなくするなどの運動を,成功させてきたそうです.

路面電車は金の無駄遣いで,市はそれに資金を注ぎ込むより,道路補修や
地域企業を経済的に発展させるために使うべきというのが,主張です.

NAACPの代表者は,路面電車のことをシュッシュッ・ポッポ(choo choo
train)と茶化し,黒人だけでなく白人も,老いも若きも反対していると
言っているそうです.この運動が成功すれば,投票用紙に載る文言は,
旅客鉄道の用地確保や建設のために市が資金を投じる時は,住民投票で
賛成多数を得る必要があると,市の憲章を修正することに賛成か反対か,
になるようです.

経済発展は,路面電車を走らせる目的の一つにもなっているのですが,
市は財源を含む具体的な計画を,まだ示せていません.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 24, 2008 Streetcar system under fire
(The Cincinnati Enquirer ニュースへのリンク)
December 23, 2008 Cincinnati streetcar initiative could be headed
for 2009 ballot
(Cincinnati Business Courier ニュースへのリンク)

南北に街を縦貫する路線は,シンシナティ川近くのダウンタウンから北上
してオーバー・ザ・ライン(Over-the-Rhine)までが第一期区間,その先
アップタウンの大学までが第二期区間になっていて,建設には第一期は
1億ドル,第二期まで含めると2億ドル必要と見積もられているようです.

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2008年12月25日

【ロリアン】ゴムタイヤ式トラム導入検討へ

大西洋に突き出たブルターニュ半島の南岸に位置する,市内人口は5万8千
少々,周辺の19の自治体から構成されているペ・ド・ロリアン共同地域圏
(Communauté d'agglomération du Pays de Lorient)では同19万弱になる
ロリアン(Lorient)が,SNCF駅や市内中心の西に位置するKervénanec Le
Ter地区に,ロリアンの西隣りのPloemeurや北西のQuévenなどとを結ぶ,
トラムの導入を検討することを決めた模様です.

地元紙のOuest-Franceが取材したところによれば,ゴムタイヤ式トラムが
想定されているようです.
なお,まだ検討段階ですので時期については明確にされておらず,今の
路線バスに置き換える形でのトラム導入は,少なくとも二段階にわけてに
なるだろうとのことです.

担当者の話では,トラムを導入した街で全て利用者数が著しく増加して
いることを挙げて,ゴムタイヤ式トラムは(路線バスに比べると? )高価な
ものの,信頼がおけるクリーンな乗り物として,期待を寄せています.
ロリアンでも,1940年まではトラムが走っていました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
24 décembre 2008 Le pays de Lorient repense très fort au tramway
(Lorient maville.com ニュースへのリンク)
この記事には,カーンのトラム画像が掲載されています.

ゴムタイヤトラムと言えば,今では実質的にトランスロール(Translohr)
だけが選択肢ですが,300キロ以上離れているものの単純に近くで別の
システムながらゴムタイヤ式トラムが走るカーン(Caen)が選ばれたのか,
それともカーンとTVRの共同購入というところまで視野に入れてのものか
どうかは不明です.
TVR: Transport sur voie réservée (ボンバルディア製)

カーンではゴムタイヤ式トラムのTVRを導入して6年以上が経ちました.
導入まで喧々諤々だったのに,今では一日平均4万5千人の利用があり,
需要を満たし,将来の路線延長や新設のためにも車両増強が必要とされて
います.しかし,ボンバルディアはTVRの製造を終了しており,最低でも
20本の発注がないと,相当高価な買い物になってしまうとかで,実現には
至っていません.

二か月も前のものになりますが,カンのトラムの話題にも触れた記事:
23/10/2008 Caen - La ville au banc d'essai
(Le Point ニュースへのリンク)

くしくもペ・ド・ロリアン共同地域圏の議会がトラム導入の検討を決めた
日の朝,ストライキ明けで久しぶりに営業再開されたカーンのトラムが,
脱輪するという事故がありました.
22 décembre 2008 Un tramway bloqué près de l'université à Caen
(Ouest-France ニュースへのリンク)

その後,ガイドレールに置石したと名乗り出た人がいましたが,それだけ
では辻褄が合わないらしく,原因究明は休み明けになるそうです.

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2008年12月24日

【ビトリア】バスク州二つ目のトラム12/23開業

昨年のスペインはトラム開業ラッシュでしたが,今年はぎりぎりになって
新規開業がありました.
スペイン北部バスク自治州ビトリア(Vitoria-Gasteiz)に,路面電車が
戻ってきたのです.実に41年ぶりになるのだとか.

ビトリア(バスク語の名称もつなげて正式にはビトリア・ガステイス)は,
人口23万3千余のバスク自治州の州都で,ビスケー湾にほど近いビルバオ
(Bilbao)からは,南66キロほどの内陸にあります.

大きな地図で見る

ビルバオにはメトロも走り,6年前にはトラム(tranvía)も開業していて,
人口もビルバオのほうが上回っていますが,ビルバオの車両が部分低床式
三車体なのに対して,同じCAF製でもビトリア・ガスティスは100%低床の
五車体車両を採用しました.
CAF: Construcciones y Auxiliar de Ferrocarriles

12/23は開業式典のあと,午後からは一般客にも開放されて,開業日には
何処も同じ光景になりますが,停留所にトラムを待つ人だかりが出来た
模様です.1万1千人という数字が挙がっていました.

建設されていた7キロ強のY字型の路線のうち,今回はビトリア中心街に
あたるYの字の根元から左上に至る,AngulemaとLandaberde間の約5キロの
区間が開業し,残るYの字の右側の枝分かれ部分,Abetxukoへの区間は,
2009年春になるとのことです.

着工から2年余,1億1300万ユーロが掛かっていますが,バスク州が9160万
ユーロを負担,残りはアラバ県(Álava)とビトリア市が,それぞれ1120万
ユーロずつ出しています.

現金運賃は一回1ユーロで,非接触式カードのBATを購入していれば運賃は
0.55ユーロになります.このBATカードを持参していると,1/06までは
運賃無料で乗車できるそうです.

運転間隔は2009年春の全通まで15分間隔です.その後は両端部分で12分
間隔になり,Yの字の根元部分(中心部の重複区間)は6分間隔になります.

開業を伝える記事の中は,新興住宅地の感があるLandaberdeからバスク
州議会(Parlamento vasco / Parlamento-Legebiltzarra)まで,14分で
走ったと伝えていて,平均時速30キロと俊足さを紹介していましたが,
これは祝賀電車のことで,途中の停留所に停まらずに走ったからです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
メディアのまとめたトラム特集: El Tranvía llega a Vitoria
非公式 路線図: Recorrido del tranvía
画像スライド(上は開業日のもので49枚,下は開業前の中心街で18枚):
23/12/2008 Inauguración y puesta en marcha del tranvía de Vitoria
12/12/2008 El tranvía se pasea por el centro de Vitoria
(El Correo Digital ニュースへのリンク)

休暇シーズンだからなのか,開業後の報道は出だしは控えめでしたが,
日が改まると続々出てきました.ごく一部だけの紹介に留めます.
23-12-2008 Vitoria se sube al tranvía rodeado de expectación y
con paradas llenas
EFEの記事 (soitu.es ニュースへのリンク)
24.12.08 El tranvía calienta Vitoria
(El Correo Digital ニュースへのリンク)

開業式典での挨拶で市長は,さらに三路線を建設したい考えを明らかに
しています.
24/12/2008 Vitoria pide tres nuevas líneas de tranvía el día que
estrena la primera
(El País ニュースへのリンク)
行き先は,街の中心からみて北西にある空港や,西にあるZabalgana地区
と東のSalburua地区で,後者二つの地区ではどちらも住宅が建設中で,
東西の路線になりそうです.

ビトリアのトラムは,郊外では芝生を敷き詰めた専用軌道を走りますが,
中心部では狭い路地で自動車との一部併用? 区間もあるようです.
開業が間近に迫った頃から,当時すでに試運転フル回転中だったトラムの
せいで,大渋滞が生じているという記事が出ました.交差点での信号機の
調整に難があるようです.
2008/12/21 La llegada del tranvía provoca atascos por falta de
sincronización de los semáforos

(Noticias de Álava ニュースへのリンク)
22/12/2008 Vitoria transforma su vida cotidiana
(El País ニュースへのリンク)

今回の開業で路線網が再編されるバスも,渋滞で遅れを蒙りました.
また,トラムに通行優先権があることを,自動車ドライバーだけでなく
歩行者にも周知させたり,ドライバーには軌道上に駐車しないように指導
しているそうです.

【ビトリア】関連ログ: 2008/9/30 低床車到着で10/06試運転開始か

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2008年12月23日

【ポートランド】WES車両非難にTriMet応酬

オレゴン州ポートランド近郊で,現役の貨物線に米国製ディーゼルカーを
走らせるコミューターレール計画WESの開業が,2009年2月に延期された
ことは既に紹介済みですが,車両メーカーとの関係がその理由の一つとも
されています.車両メーカーを破綻の危機から救うため,TriMetが公金を
つぎ込むはめに陥っているとする記事が,十日ほど前ありました.
WES: Westside Express Service
TriMet: Tri-County Metropolitan Transportation District of Oregon

その記事に対して,TriMetのジェネラルマネージャーが,車両やメーカの
選択肢が他になく,記事はその視点を欠いているとした反論が,今度は
掲載されました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Dec. 14, 2008 Westside Express deal cost TriMet millions
December 22, 2008 Missing the point on WES commuter rail
(The Oregonian ニュースへのリンク)

12/14付けの記事では,今回WESの車両を製造しているColorado Railcar
Manufacturing(CRM)という会社と,そのオーナーの過去の問題を指摘し,
さらにそれを知りながらTriMetは発注したばかりでなく,CRMの経営が
傾くと,製造を続けさせるため,今度は救済していると攻めています.

WESでは,予想される利用者数や運用の容易さ,ターミナルの規模など
から,機回しの必要な機関車牽引の客車ではなく,両運転台のディーゼル
カー(DMU)が選択されています.
しかしWESは,当初から資金難で連邦政府の補助金を受けているために,
バイ・アメリカ(Buy America)法により米国製車両である必要があり,
これが選択肢をColorado Railcar(CRM)だけにしてしまったのでした.

TriMetは,契約先の経営危機に巻き込まれるようなことは初めてですが,
CRMが問題を抱えていることは当初から承知しており,ある程度リスクは
織り込み済みだとしています.
こうした計算済みリスクは,WESが発着するBeaverton Transit Centerを
通るライトレールMAXブルーラインの西側,Westside MAX lineのルート
選定時にもあったそうです.
ポートランドの西側に広がり,山上には動物園もあるウェストヒルとも
呼ばれるTualatin Mountainsを越えるのに,ハイウェイ沿いを選ばすに,
トンネル(Robertson Tunnel)を掘ることを決断します.この結果,完成が
遅れ建設費も膨らみましたが,勾配を避け冬場の悪天候にも左右されない
今日のMAXが出来たのだとか.

WES車両にも,それだけの価値があると,TriMetは信じているそうです.

【ポートランド】関連ログ: 2008/10/02 WES開業2009年2月に延期

冬至だった月曜は,大雪で各地は大混乱でした.ポートランドも例外で
なかったものの,ライトレールMAXのブルーラインは,遅れを伴い間引き
されながらも,運転され続けています.

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【ブザンソン】圧倒的多数でTCSPはトラムに

フランシュ=コンテの中心地ブザンソンと周辺広域圏グラン・ブザンソン
(Grand Besançon)は,市内人口11万6千,広域圏まで含めて22万強ほど
ですが,昨年の環境グルネル会議の結果を踏まえて制定されたグルネル
法案のもと,整備される専用軌道や車線を有する公共交通機関(TCSP)は,
鉄軌道のトラムに決まった模様です.先週の議会投票では,圧倒的多数で
支持されました.
TCSP: Transport en Commun en Site Propre

ルートも,街の中心部から東西に伸びる路線と,将来はTGVも乗入れる
SNCF駅(gare de Besançon Viotte)への支線を含む14.5キロが選ばれ,
1/30に国に計画が提出されることになります.今後全てが順調ならば,
着工は2010年秋,開業は2014年になるとのことです.

建設費は2008年の価格で2億1千万ユーロ,2014年には2億3500万ユーロに
なると見られ,9名以上の従業員を雇用する企業から公共交通整備のため
徴収する交通税VT(Versement Transport)の2008年末までの分から950万
ユーロ,2009年から2014年までのVTの積み増し分で6750万ユーロ,補助金
6千万ユーロと,公債(emprunts)で9800万ユーロとなっています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
路線図も掲載された公式発表(詳細はPDFファイルで提供):
Le Grand Besançon innove en choisissant un tramway optimisé !
(Grand Besançon 公式サイトへのリンク)
AFPの記事: 22/12/2008 Besançon opte pour le tramway
(Moniteur ニュースへのリンク)

しかし,鉄車輪トラムに決まるまでの道のりは決して平坦だったわけでは
なく,ゴムタイヤ式トラムや,トラム反対派により途中から急浮上した
在来線転用案に,BRT(BHNS)も有力候補でした.特に後者は半分近く安く
建設できることもあり,トラムも色々と節約を余儀なくされるようです.
BHNS: Bus à haut niveau de service

節約項目リスト: 23.12 Un tramway optimisés.
(MaCommune.info ニュースへのリンク)

関連ログ:
2008/11/28 【ブレスト】トラム共同購入【ディジョン】
2008/10/10 【ブザンソン】車両未定のTCSP公開討論会

ゴムタイヤ式トラムの余談ですが,
先週はストライキで一週間運休していたフランス北西部カーン(Caen)の
トラムは,月曜から運転を再開したものの,早々に事故で立ち往生した
車両がありました.
鉄軌道トラムなら復旧まで運休かバス代行になるところですが,カーンの
トラム(TVR)は,不通箇所をトラムモードからバスモードに切替えて,
迂回してしのいだそうです.
TVR: Transport sur voie réservée (ボンバルディア製)

事故のことはともかく迂回できてしまうのは,TVRの面目躍如といった
ところですが,同じTVRでもレールなしの区間があるナンシーと異なり,
カーンでは車庫の出入など回送時しか,軌道を外れるバスモードで走る
ことは普段なかったと思います.

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2008年12月21日

【ローザンヌ】トラム計画の4割を連邦補助へ

スイス連邦内閣(Conseil fédéral suisse / Schweizerischer Bundesrat)
が,各地の都市交通の整備に,2011年からの四か年間に投じる,総額15億
スイスフランと,その後の四年間の11億6千万スイスフランの配分を発表
しました.(以下,金額の単位は全てスイスフランです)

2014年までの第一期分で都市・地域別では,チューリヒが3億9500万で
ダントツですが,次はジュネーブの1億9300万,ローザンヌ・モルジュ
(Lausanne-Morges)地域の1億6500万と続きます.
ベルンは1億2900万,バーゼルは1億700万でした.全国から30もの計画が
提出されましたが,そのうち26の計画見積もりの,3割から4割に相当する
金額が提示されています.

交通機関別でみると,第一期分ではSバーンなどの近郊鉄道へ4億7480万,
トラムには2億7550万です.
Sバーン関連への資金のうちの半分以上は,チューリッヒのSバーン計画
(Durchmesserlinie)に充てられます.

トラムへの資金は,ベルン,バーゼル,ジュネーブのほか,ローザンヌで
計画中の路線が含まれ,総工費1億8480万のうち四割に相当する7390万を
連邦が負担することになる模様です.

ローザンヌのトラム計画とは,ローザンヌと西隣りのモルジュが共同で
計画しているPALMの一環で,ローザンヌのFlon駅から西北西に向かい,
途中からはCFF線のすぐ北を並行するように走って,レナン(Renens)の
CFF駅に至る路線です.
PALM: Projet d’agglomération Lausanne-Morges
CFF: Chemins de fer fédéraux suisses =SBB (スイス連邦鉄道)

実はローザンヌのメトロM1号線も,両端こそ同じですが,途中の経路が
全く異なります.また,CFF線のローザンヌとRenens間には今は途中駅が
ありませんが,M1号線も近くを通るMalleyにCFFも駅を新設予定とか.

ローザンヌの公共交通機関へは,このトラムのほかにもRERの改善や,
トロリーバスの新路線などが含まれています.
また2015年からの第二期分では,ローザンヌのFlon駅から北北西へ向かう
トラム路線計画にも,連邦から資金が出ることになりました.

スイス連邦参事会からの公式発表:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
フランス語 19.12.2008 Projets d'agglomération: le Conseil fédéral
propose une répartition des fonds fédéraux

ドイツ語 19.12.2008 Agglomerationsprogramme: Bundesrat schlägt
Verteilung der Bundesmittel vor

(Confédération suisse / Schweizerische Bundesrat 公式サイト)
詳細は右側にあるリンク先のPDFファイルに記されています.

フランス語圏では,週末に数多くの記事が出ました.その一部:
19 décembre 2008 Infrastructures: les projets du Conseil fédéral
(Radio Suisse Romande ニュースへのリンク) フランス語
ローザンヌに焦点を当てた記事:
20.12.2008 Les millions pleuvent sur l’agglomération lausannoise
(24 heures ニュースへのリンク) フランス語

PALMのトラム計画を解説したページ(地図あり):
Transports publics du Projet d’agglomération Lausanne-Morges
28. Mai 2008 La première étape de réalisation des axes forts est
fixée
(bahnONLINE.ch へのリンク) フランス語
このページの地図はクリックで拡大でき,緑色がトラムで,ピンク色は
ナローゲージのLEB(Chemin de fer Lausanne-Echallens-Bercher)です.

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2008年12月20日

【デトロイト】州は道路よりLRT計画を優先

ミシガン州デトロイトでは,新交通システムのピープルムーバー(People
Mover)が運休するほどの大雪と,日本でも報道されている自動車産業への
連邦政府の緊急融資(emergency loan)の話題で,地元紙のトップページは
埋め尽くされた感がありますが,州都ランシングにあるミシガン州議会で
州法を制定する会期が終了したこともあり,今期(2007-2008)に州議会が
承認した法案,見送った法案などの話題も少しだけ顔を覗かせています.

その中には,非営利会社がデトロイトで走らせようとしている,官民共同
出資のライトレール計画を認め,州運輸省に沿線に資金調達の課税を可能
にし,さらにわずか年間8百ドルですが,州が運営費用を補助するための
法案が,議会の承認を得たという内容も含まれていました.

このミシガン州のライトレール関連法案は,当面はデトロイトを視野に
入れたものになりますが,いずれは州全体のモデルになるだろうとも,
言われています.

デトロイトには,ダウンタウンからWoodward Aveを北上するライトレール
計画が,実は二つあります.
その一つが,今回話題になっているThe Regional Area Initial Linkで,
3.4マイル(約5.5キロ)に12駅を設ける予定です.その建設費は1億3百万
ドルと見積もられ,民間からはデトロイトに本社があるソフトウェア会社
Compuware Corp.の創立者や,MLB球団デトロイト・タイガース(Detroit
Tigers)のオーナーといった顔ぶれが,後援者になっています.

リスボンの電車を走らせながらも2003年に廃止されたトロリーほどでは
ないにしても,距離が比較的短いことや,ほぼ全線が道路中央を走り,
沿線にはビジネス街や劇場,球場,博物館,病院などが建ち並んでいる
ことから,ライトレールと言うよりストリートカー(streetcar)のような
感じです.

劇場名がFox Theatreということもあり,L字形の路線だったトロリーが
かつて発着し,今はPeople Moverが走るGrand Circus Park界隈はFoxtown
とも呼ばれることから,このライトレール計画のことをFoxtown railと
呼ぶこともあるようです.

これに対してもう一つの計画は,州運輸省が主体で3億7150万ドルかかる
とされる,距離のより長い路線(10マイル弱/15キロ弱)です.こちらは,
Detroit Transit Options for Growth Study / Woodward Light Railとも
呼ばれています.

詳細は不明ですが,両計画は同じ軌道を走るのではなく,どうやら2009年
初めにも統合されることになるようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 19, 2008 Anti-smoking bill dies in Lansing today
(Detroit News ニュースへのリンク)
December 18, 2008 Mich. lawmakers clear way for rail line in Detroit
The Associated Press (Detroit Free Press ニュースへのリンク)

12/19付けDetroit Newsの記事は,今はライトレールとは無縁のタイトル
になっていますが,少し前までは,州議員たちはライトレールを援助して
道路修理を断念したという,下記のものでした.
Lawmakers aid light rail for Detroit, abandon plans for road repairs

ガソリン税などを引き上げて道路や橋,公共交通などへ投じる資金の財源
とする法案は,ライトレール法案とは対照的に今回は見送られ,2009年に
持ち越しになったのでした.

The Regional Area Initial Linkの路線想像図

大きな地図で見る

【デトロイト】関連ログ: 2008/4/23 ライトレール 対 路面電車?

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2008年12月19日

【ハエン】4.7キロの市電路線4月にも着工へ

人口11万6千のアンダルシア州ハエン(Jaén)で,かねてより話の出ていた
トラム路線は,アンダルシア州とハエン市が合意に達し,早ければ2009年
4月にも着工の運びとなりました.工期は20か月とされています.

北部にある大学,住宅地,工業地と中心部,そして南部を結ぶ4.7キロの
路線には,停留所が10か所に設けられ,そこをトラムは11分半で結ぶ予定
ですので,平均時速は約20キロです.

建設費は9600万ユーロと見積もられ,軌道敷設を中心とするインフラは,
アンダルシア州が進めている,自動車に代わる環境に配慮した都市輸送
機関のプロモーションの一環として資金が投じられます.
5本を予定しているトラム車両は,ハエン市が購入する形になるものの,
州は815万ユーロを補助する? 模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
18.12.08 El primer tranvía jienense unirá en 11 minutos el centro
y Los Olivares

16.12.08 La Junta aprueba una partida económica para las cocheras
del tranvía de Jaén
(Ideal Digita ニュースへのリンク)

路線図や想像図などは,12/18付け記事の右上にあるリンク,Y ADEMÁS
Proyecto del tranvia de Jaén (Junta de Andalucía) PPT - 21,1 MB
から,アンダルシア州政府の計画をPPT形式のファイルでダウンロード
出来るようになっています.

北部では,架線柱を使わず街路灯の柱で架線を支持することによって,
景観が見苦しくならないよう配慮します.これは,現在セビリアの大聖堂
前の状況や,カディスで建設中のトラムトレインがサン・フェルナンド
地区を走る時と同じようになるのでしょう.

州の計画概要では,トラムは街に溶け込み馴染むとか,街を変える原動力
とみなされていますが,後者は,都市間道路を街中の道路に転換すると
いう意味でも使われている模様です.

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2008年12月18日

【トゥールーズ】エアバスとアルストムのコラボ

シタディスのノーズ絡みの話が続いてしまいますが,トゥールーズ向け
車両が完成し,ラ・ロッシェエル(La Rochelle)に近いエイトレ(Aytré)に
あるアルストムの工場でトゥールーズ関係者らに公開されました.

トゥールーズと言えば,エアバスの工場があることでも知られています.
それにちなみ,デザインにはエアバス社も協力したという先頭形状は,
空気力学的な曲線を描き,大都市と航空産業のきづなを連想させると,
アルストム社の発表にありました.

昨年9月に実物大模型が公開されましたが,その制作費や五年間の保守費
まで含めて,最初の18本から24本に増えた契約は,しめて6570万ユーロ
になるそうです.

投入されるトラムE系統は2010年11月末の開業予定です.シタディスも
それにあわせて2009年5月から2010年2月までの間に納入されます.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
17 Dec 2008 Toulouse metropolitan area sees the first tramset of
its Citadis tramway at Alstom’s La Rochelle site

(Alstom 公式サイトへのリンク)
画像は以下の記事で.
16 décembre 2008 Les rames du futur tramway
(Pyrénéesinfo.fr ニュースへのリンク)
décembre 17, 2008 Exclusif : toutes les photos du futur Tramway
de la ligne E
(Toulouse 7 ニュースへのリンク)
17 Décembre 2008 Un tram au nez d'Airbus
(Sud Ouest ニュースへのリンク)

下は,文字情報満載の記事.
18/12/2008 On a testé le tram' toulousain
(LaDépêche.fr ニュースへのリンク)
この記事によれば,シタディス(Citadis 302)にはTORAというグループが
あり,採用したトゥールーズ(Toulouse),オルレアンB号線(Orléans),
ランス(Reims),アンジェ(Angers)の頭文字TORAを並べたものです.
車体幅2.40m,高さ3.20m,重量40トン,全長32mで五車体というところ
まで共通のようで,七車体(42m)への増車も容易に可能です.
この記事にはモンペリエやニースでは,開業一年後にして増車を実施済み
と書かれていますが,ニースは??

【トゥールーズ】関連ログ: 2008/6/21 トラムE線レール敷設開始

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2008年12月17日

【パリ】トラムT2とT3の延長計画が進展中

パリ市の西隣りにあるオー=ド=セーヌ県(Hauts-de-Seine)を走るトラム
T2号線に,新しい装いの車両がお目見えしているようです.

T2には,開業当初はアルストムのTFSが導入されていましたが,今は全車
シタディス(Citadis 302)に置き換えられています.
TFS: Tramway français standard

今月中旬から走り始める車両も延長用に増強される同一形式ですが,その
前面に目だった変化が見られます.
T2は旧鉄道線を転用したこともあり,軌道は専用敷地内でしたが,パリ
市内に延長される区間では,道路上を自動車などと同じように走る機会も
あり,衝突の可能性も出てくるため,それを考慮した前面形状に変更した
のだそうです.

2009年(末?)に予定される,パリ市内ベルサイユ門(Porte de Versailles)
への延長は,本体工事など新たな段階に入ったとして先週発表があり,
そこで新しい車両のノーズのことにも触れています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
11 décembre 2008 Le prolongement du Tramway T2 d’Issy-Val-de-Seine
à Paris-Porte de Versailles

(Préfecture de la Région d'Ile de France 公式サイトへのリンク)
下のほうに,延長区間の詳細を紹介するページへのリンクがあります.

画像は,下記記事に掲載されています.12/12付けCaradisiac.comが一番
判りやすいかもしれません.
16 décembre 2008 Prolongement du tramway T2 : d'autres infos
12 décembre 2008 Design : voici le nouveau tramway T2
(Caradisiac.com ニュースへのリンク)
12 décembre 2008 Le tramway T2 change de look
(Actualités Paris ニュースへのリンク)

Porte de Versailles駅では,メトロ12号線とトラムT3との乗換えが可能
になりますが,パリ15区のこの界隈は経済開発も進んでいるそうです.

一方パリ市内では,トラムT3号線の延長計画も,着々と進行中です.
T3延長計画は市議会で満場一致で承認され,南縁部に留まっていた路線は
2012年末にはパリ市の東縁を北上し,北縁にあたるPorte de la Chapelle
(パリ18区)に到達の予定です.総工費は8億2千万ユーロ.大半をパリ市と
イルドフランスが負担し,国は補助しません.
パリ市は2009年に7年振りの増税? を行うそうです.

[16/12/2008] Tramway : le prolongement voté à l'unanimité
(Mairie de Paris パリ市 公式サイトへのリンク)
16-12-2008 Paris: l'extension du tramway des Maréchaux (T3) votée
à l'unanimité
AFPの記事 (ParisObs.com ニュースへのリンク)

トラムT3号線の延長区間は14.2キロと現在の倍近い距離で,合計約22キロ
になりますが,この22キロをトラムが通しで運転されることはなく,パリ
12区のヴァンセンヌ門(Porte de Vincennes)で運転を二分割することを
決めた模様です.
これは通しの運転では雪だるま式に遅れが積み重なることがあり,それを
避けるためだそうです.

この件を含めて計画の詳細は,下記PDFファイルに載っています.
11/12/2008 Prolongement du Tramway T3 de la Porte d'Ivry à la
Porte de la Chapelle
PDFファイル
(Mairie de Paris パリ市 公式サイトへのリンク)


【パリ】関連ログ: 2007/10/12 T3延長の進展と環状線計画の話題

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2008年12月16日

【ミラノ】1/07までウェルフェア・トラム走る

車内の画像が掲載されたページが見つかりましたので,リンク先を最後に追加すると
ともに,内容も一部を修正しました.


この週末は,チューリッヒで中央駅と空港を結ぶトラムが営業運転を開始
したり,ミラノとボローニャを結ぶ高速新線が開通したりと,欧州では
鉄道ダイヤ改正にあわせた話題で持ちきりでした.

先週は降雪とストライキで不自由な目にあった市民も多かったと思われる
ミラノから,クリスマスで車体全面を電飾でいっぱいに飾ったトラムが,
今月末まで午後5時から中心部を走る話を,聞いたかたもおいでかもしれ
ません.しかもそのトラム,1920年代製造のPeter Wittで,三両も用意
されています.年末にミラノを訪れる人の目を楽しませてくれることで
しょう.下記リンク先に,画像が多数紹介されています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Merry Xmas by Milan Peter Witt's cars
(SkyscraperCity フォーラムへのリンク)

下の画像は,そのうちの一台,Tram turistico 1847号車です.
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
by .....antonio.....'s photostream (flickr)

Taken on December 7, 2008

クリスマス電車は,国内外でも数多くありますが,コンテストで路面電車
部門というものでもあれば,今年はミラノが一番かもしれません.

さて,路面電車をレストランにしたり,貸し切ってパーティを開催する
ことも可能な車両は,各地にあります.ミラノにもレストラン・トラムが
あるそうですし,月曜の夜にもゴア氏が興した視聴者投稿参加型テレビ
current TVのItalia局が,パーティートラムを走らせたそうです.

しかし,今回取り上げたフィットネスセンターのようなウェルフェア・
トラムというのは,珍しいでしょう.

紹介する記事は,上記クリスマス電飾の電車の画像を載せているように,
そのうちの一両の,外観からは伺い知れない車内は,木製の座席を撤去,
三つの区画に分割しています.

区画の一つには,100%フレッシュジュースなどを中心にしたドリンク
バーがあり,
他の区画では,最新式のインドア用サイクリングマシンが置いてあり,
フィットネスに励むことが出来たり,
専任スタッフからスキンケアやマッサージまで無料で受けられてしまう
というものです.

下の記事に,そのトラムの車内と思しき画像も載っています.ドリンク
バーの画像では,窓枠に電飾が見えていますので,これがクリスマス電車
ということが判ります.
09.12.2008 Un tram chiamato benessere in giro per la città
(Affari Italiani ニュースへのリンク)

イタリア語ですが,ブログでも盛んに紹介されています.
9. Dicembre 2008 A Milano il Tram del Benessere: massaggio relax,
fitness e dieta come in un Centro Benessere Spa fino al 7 Gennaio
2009
(MondoBenessereBlog へのリンク)
09 dicembre 2008 Un tram chiamato benessere
(02blog へのリンク)
14 Dicembre 2008 Milano e il tram della linea benessere
(PuoiViaggiare.com へのリンク)

追記: 2008/12/19
下のリンク先に,車内外の画像が全部で10枚あります.
[18 dicembre 2008] Massaggi e cyclette, al via il tram del fitness
FOTOGALLERIA (La Repubblica Milano.it へのリンク)

車両は,どうやら1847号車のようです.

スポンサーは,GetFIT Clubというイタリア国内にチェーン展開している
フィットネスクラブです.
運転は1/07までで,週末にはミラノ中心部の広場に午後一時間停車する
機会もある模様です.

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2008年12月15日

【アムステルダム】カーゴトラムの会社破綻

アムステルダム(Amsterdam)で計画中だったカーゴ・トラムを運行する
営業権を獲得していた会社シティカーゴ(CityCargo)社が,計画の遅れで
収入源がなく,会社経営を断念した模様です.

カーゴ・トラムのアムステルダム版は,外周道路周辺にある集配所で荷を
トラックから専用トラムに載せ代え,専用車両は市電路線網を走り市内の
集配所に至り,そこで電気自動車に再度積み替えて輸送することにより,
貨物トラックの市内流入を防ぐことが狙いでした.

その試みはオランダ国外からも関心が寄せられ,にわか改造のトラムを
使った試運転も,昨年無事に終わっていたところです.

しかし,頻繁な荷物の積み替えや,専用車両とは言え一般旅客が利用する
市電路線網を走ることで輸送時間が掛かりすぎることと,設備の改修に
資金が予想以上に必要になることが問題視されて,最初は大いに乗り気
だったアムステルダム市が,最後は見捨てた形になったようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
13 dec 2008 Vrachttram van de baan
(De Telegraaf ニュースへのリンク)
13-12-2008 Vrachttram Amsterdam definitief van de baan
(Truckstar ニュースへのリンク)
13-12-08 Vrachttram komt er niet
(Het Parool ニュースへのリンク)
Het Paroolの記事が,一番詳しく書かれています.

すでに今月初めから状況は報じられていました.
08.12.2008 Vrachttram van CityCargo in zwaar weer
(Transport Online ニュースへのリンク)

【アムステルダム】関連ログ: 2008/9/13 シティカーゴ計画が危機?

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2008年12月14日

【クラクフ】中央駅地下のトラム新線開通

ポーランドのクラクフ(Kraków)で,中央駅の地下を横断する快速トラム
(KST)専用トンネル区間が開通しました.12/11午後から開通式が行われ,
翌12/12は始発電車から営業運転に入っています.
KST: Krakowski Szybki Tramwaj

KSTはクラクフ市内を南北に縦断する路線で,北のKrowodrza Górkaと,
南のKurdwanów pętlaを結ぶ路線は,これまでの34系統から中央駅経由の
50系統に改められました.地図上で見ると中央駅経由が大回りになるのは
明らかですが,廃止前の34系統は平日の朝8時台の全線所要時間が39分
程度だったのに対し,新設の50系統では僅かに長い同41分程度でダイヤが
組まれ,投入される車両も部分低床車だけです.

クラクフ中央駅(Kraków Główny Osobowy)経由の50系統と,廃止された
34系統のルートの違い:

KrakowskiSzybkiTramwaj2.png

ポーランド語版ウィキペディア,Tramwaje w Krakowieにある路線図に加筆修正

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
2008-12-11 Rusza szybka „50”
(市公式サイト Magiczny Krakow へのリンク)
2008-12-10 Uruchomienie tunelu tramwajowego pod Dworcem Głównym
PKP
(MPK Kraków 公式サイトへのリンク)
MPK Kraków: Miejskie Przedsiębiorstwo Komunikacyjne S.A. w Krakowie

地元メディアではありませんが,開通日の様子を見せる画像が多い記事:
2008-12-11 Rusza Krakowski Szybki Tramwaj. Kiedy w Szczecinie?
(Kurier Szczecinski ニュースへのリンク)

営業運転後に記者が利用して区間ごとの所要時間を紹介する記事:
13 grudnia 2008r. Szybki tramwaj wciąż nie może się rozpędzić
(NaszeMiasto.pl ニュースへのリンク)
この記事によれば,新線区間は4分少々で走っていました.
公式には中央駅の地下を潜り抜ける新線により,15キロの区間を30分で
結ぶはずですが,実際には45分程度掛かっているようです.

系統図: MAPKI KOMUNIKACYJNE
(MPK Kraków 公式サイトへのリンク)
Linie Tramwajoweが,トラム路線図.

下記ページでは,新線区間のかぶりつき映像を見られます.
[Kraków] KST, linia N-S, etap I (Tunel KCK) #961
(SkyscraperCity フォーラムへのリンク)
道路トンネルのように,駅の前後の照明は非常に明るく,その間の区間も
夜間より見通しが利くぐらいに照明をつけています.
また,数が少ないので閉塞信号かどうかはわかりませんが,信号機も一応
ありました.速度は,それほど早くないように見受けられます.

関連ログ: 2008/11/01 中央駅地下のトラム開通間近

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2008年12月13日

【フェニックス】LRTにNBAオールスター広告?

アリゾナ州フェニックス(Phoenix),テンピー(Tempe),メサ(Mesa)を結ぶ
Valley Metroのライトレール,METRO Light Rail開業(12/27)まで,あと
二週間に迫りました.

今月初めには,試運転中の電車が赤信号を無視した自動車にぶつけられ,
道路と軌道が交差点などで空間を共有する場所が多く予測されていたとは
言え,早くも衝突事故の洗礼にあいましたが,低速だったことが幸いし,
けが人は双方とも出ませんでした.

自動車ドライバーに対してだけでなく,歩行者やライトレール利用者にも
マナーを守るよう呼びかけられています.
歩行者には,指定以外の場所で路面軌道を横切らないように求められ,
フェニックス市内で違反が見つかった場合,$140の違反切符を切られる
こともあるそうです.これまで牛歩のような機関車牽引の貨物列車しか
身近でなかった住民に,電車の早さを侮ってほしくないからです.視察
などで訪れても,路面軌道を気軽に横切ってしまう人は,要注意です.


利用者に対しても,運賃支払いを自主性に任せるproof-of-paymentが採用
されますが,これを違反した時の罰金も,最大$500と高額に設定されて
いて,近隣地域と比べて数倍も高いものになりました.
取り締まりや車内外の警備にあたるのは,前にも紹介しているように,
自治体ごとに異なります.フェニックス市内では制服警官,テンピーと
メサ市内の区間では警備員を雇っています.

さて,そのValley Metroのライトレールの最近の話題には,車体広告の
可能性が取り上げられていました.

2003年に,ライトレール開業から一年間は,50本のライトレール車両は
無広告とする方針が採用されていましたが,その時期とは状況も変わり,
深刻な不況で財政を助けるためもあり,とりあえずの一回限りで例外を
検討することになりました.

考えられているのは,2月に行われる北米プロ・バスケットボールNBAの
オールスターゲームの広告です.2009年にはフェニックスのUS Airways
Center(旧America West Arena)で開催され,Washington at 3rd Streetが
最寄り駅なのです.

北米の鉄道事業者は,車両への広告をとらないことが多いようですが,
Valley Metroも,電車をきれいに統一性をもって見せるため,広告を一切
とらないことを決めていました.

仮に例外が決まると,3本の近畿車輛製車両にはNBAオールスターゲームの
ラッピング広告が施され,2つの駅にも広告が出ることになり,それを
きっかけに,ライトレールの無広告方針は転換されるかもしれません.
試算では,10本の車両と28駅中20駅に広告を出すと,年間150万ドルの
収入になるとのことです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Dec. 10, 2008 Light-rail trains could have ads after all
(The Arizona Republic ニュースへのリンク)
ラッピングではありませんが,Valley Metroの路線バスには広告を掲げて
いる車両があります.

Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Exciting Assignment - Light Rail! by Daniel Greene (flickr)
Exciting Assignment - Light Rail!
Taken on November 15, 2008

今日(12/13)には,フェニックス市のクリスマスツリー点灯式にあわせて
無料試乗会も行われる模様です.

【フェニックス】関連ログ: 2008/5/12 LRT衝突事故への対策(3)

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2008年12月12日

【米国】市電計画ブームに米国製も誕生へ

昨日のパリー・ビープル・ムーバーズ(Parry People Movers)や,先日の
サバンナのように,ハイブリッド式を売りにして,環境に負担をかけず,
架線なしでも走れる新興勢力が台頭してきたかに見える米国路面電車市場
ですが,旧来からのシステムという意味ではクラシックで,それでいて
モダンなデザインに乗降が容易なことを売りにする低床型の路面電車も,
全米規模のストリートカー計画ブームに応えるべく,負けてはいません.

これまで米国の近代的な路面電車市場は,チェコの二社が事実上独占供給
している状態ですが,2009年早々にもここに風穴が開きます.

オレゴン州ポートランド近郊に本拠をおくオレゴン・アイアン・ワークス
(Oregon Iron Works, Inc. )が,チェコのシュコダ(Skoda)と独占的な
技術譲渡契約を結び,バイアメリカ(Buy America)法にかなう米国製の
車両を,子会社(United Streetcar, LLC)を通じて現在製造中で,2009年
初めにもデビューする予定であることは,以前も紹介しました.

ウェブサイトで検索しても,その近況は途絶えていましたが,業界紙の
Metro Magazineの12月号に,その特集記事が載っていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 2008 Oregon Ironworks builds first U.S.-built modern
streetcar
(Metro Magazine Features へのリンク)

大量発注されることの多いライトレールとは異なり,投資額も路線規模も
小さく,発注数が少数になりがちなストリートカーでは,大手メーカー
より小回りのきく中堅のほうが都合が良いようで,Oregon Ironworksは,
注文が二両でも三両でも喜んで引き受けるとしています.

この記事の中には,寒地向け仕様と暖地向け仕様の二種類が製造されて
いることや,将来は今の3車体バージョンに5車体バージョンを加えたり,
速度を引き上げライトレールにも対応できる車両や,バッテリーなどで
架線のない区間も走れるシステムを構築する計画があることが,明らかに
されています.

ユナイテッド・ストリートカー(United Streetcar, LLC)製造の車両は,
現時点ではポートランドの市電延長計画とか,今月末にもライトレールが
開業するフェニックスに近い,ツーソン(Tucson)での近代的路面電車導入
計画が,購入の候補になっている模様です.

その他にもMetro Magazine誌(ウェブ版)今月号には,特に目新しい情報は
ないものの,昨今の米国路面電車事情をまとめた記事もありました.
December 2008 Streetcar Systems Ready for Resurgence and Hungry
for Money
(Metro Magazine Features へのリンク)

【ポートランド】関連ログ: 2008/7/10 米国製低床車姿を現し始める

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2008年12月11日

【PPM】Parry Transitとして米国市場に上陸

英国ウェスト・ミッドランズに本拠を置くParry People Movers Ltdが,
低コストで短期間に導入可能の,超軽量車両で温暖化ガス排出量も少ない
ストリートカー(streetcar)を引っさげて,米国市場に上陸します.
米国での名称は,Parry Transit.

先日ジョージア州サバンナで,植物油由来のバイオディーゼル燃料を使う
ハイブリッド式のストリートカーが無事デビューしたという情報も届いて
いますが,今度は,車載フライホイールで運動エネルギーを蓄積,水素
燃料電池などとのハイブリッドも可能な,軽量ストリートカーです.

一昨日にも紹介している通り,米国の公共交通利用者は増加傾向が続き,
燃料価格が下がっても,環境への配慮,エネルギー自給率の向上,都市
中心部の活性化などで,今後もその傾向は衰えないとみられ,加えて来年
からの政権交代ともあわせ,他国からも市場参入の機会を伺う企業がある
という話は珍しくなくなりました.

その中でもパリー・ビープル・ムーバーズ(PPM: Parry People Movers)
は,その独自技術により異色の存在になるでしょう.
また,官民パートナーシップ(public/private partnerships)を形成し,
従来の軌道系交通機関より短期間で,Parry Transitを導入できるという
ビジネスモデルも,開発しているそうです.

本国イギリスでは,フライホイールを搭載した軽量車両が,日曜運休と
なるストールブリッジ(Stourbridge)のStourbridge Town line(約1.3km)
という,いわゆる盲腸線上で,日曜だけの限定的な試験運転を2006年から
開始していました.

そののち車両(PPM60)は正式に英国でClass 139と形式名を与えられて,
ロンドンとバーミンガムやリバプールなど間の都市間列車や,ウェスト・
ミッドランズなどの地域内列車などを運行しているフランチャイジーの
ロンドン・ミッドランド(London Midland)によって,この12月にも再び
ストールブリッジ・タウン線(Stourbridge Town line),Stourbridge
JunctionとStourbridge Town間で,従来のディーゼルカーに代わり運転が
開始される予定だそうです.

米国には,この車両をそのまま売り込むわけではなく,その技術を盛り
込んだトラム,路面電車,ライトレールなどを提供する模様で,現在は
米国内での拠点探しを行っているとのことです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Parry People Movers : Press Releases
(Parry People Movers Ltd 公式サイトへのリンク)
12/10付けのプレスリリースは,現時点ではPDFファイル版です.
ウェブ版は,各プレスリリース代行サイトにあり,下記はその一つです.
Dec 10, 2008 Parry Transit Launches as Demand Soars for Affordable,
Alternative Rail
(Marketwire ニュースへのリンク)

英国の雑誌などではお馴染みと思いますが,PPMとはこんな感じです.
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Parry People Mover at Stourbridge by R P Marks (flickr)
Parry People Mover at Stourbridge
Taken on October 1, 2006

関連ログ: 2008/12/07 【サバンナ】ハイブリッド式トラム デビューへ

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2008年12月10日

【ウィーン】市電にセンサー改良ドア導入

ウィーンでは,路面電車のドアに乗客が挟まれる事故で,この5月にWLは
旧型車のドア挟み検知装置を改造すると発表していました.
WL: Wiener Linien GmbH & Co KG

その新しい装置を備えた第一号車両は,既にウィーン15区のRudolfsheim
車庫に配属されていて,西部を走る10系統,49系統,52系統,58系統を
中心に運用されているとの報道がありました.

従来のドア挟み検知装置は,ドアの縁に取付けられたチューブの空気圧の
変化を探知すると,安全のためドアを開けていましたが,新システムは,
迅速に対応でき,より敏感に探知する光電センサー式を採用しています.

ドアセンサーの改造を受けるのは,古くは1960年代後半から投入されて
いるE1タイプと,動力源を持たないトレーラー(付随車)です.改造は,
2009年末までに行われます.
E1タイプ130本と,トレーラー100本の改造費用は,当初は40万ユーロと
みられていたものの,今では50万ユーロになりました.

一部報道では,1970年代後半から1990年まで製造されたE2タイプも改造
されるように読めますが,おそらくE1だけでしょう.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)

09. Dezember 2008 Erste Wiener Straßenbahn mit neuem Türensystem
bereits im Einsatz
(APA) (derStandard.at ニュースへのリンク)
09.12.2008 Erste Straßenbahn mit neuem Türensystem
(ORF.at ニュースへのリンク)

E1タイプ(Typ E1)は,最長2016年末まで運用されることになるようです.

改造ドアではありませんが,E1タイプの冬場の入り口
WL_Type_E1.jpg

【ウィーン】関連ログ: 2008/5/29 トラム乗降時の事故分析結果ほか

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2008年12月09日

【米国】2008年第三四半期も公共交通利用好調

今年第三四半期に米国で公共交通機関を利用した人数は,地下鉄,バス,
通勤鉄道(コミューターレール),そしてライトレールなど,全ての部門を
通じて依然として堅調な数字を示していました.APTAが発表しています.
APTA: American Public Transportation Association

7月から9月の第三四半期では,7月に最高値を更新したガソリン価格が,
その後一転して下落し始め,更には失業率が上昇してきた頃に相当し,
これは公共交通の利用者数が減少する兆候と見られていただけに,平均で
前年比6.5%の増加は,専門家たちをも驚かせたようです.

ガソリン価格は下落傾向だったとは言え,9月の時点では全米の小売平均
価格が1ガロン3ドル台後半に留まり,前年から比べると,まだ高い状態
でした.10月には同3ドル台前半にまで下がり,2ドル台に向けて急降下
しましたが,一部地域の10月の速報値では,公共交通の利用者数は前年
より高い数値を示しているそうです.

交通機関別に見ると,伸び率が顕著だったのは,やはりライトレールで
8.5%増,以下バスは7.2%増,コミューターレール6.3%増,地下鉄5.2%増
となっています.
ライトレールの中には,近代的な車両を投入したストリートカーや,逆に
レトロ調の車両を使う路面電車も含まれています.

APTAの代表に言わせると,全米各地でもれなく増加を示し,さらに全ての
交通機関でも軒並み増えているのは珍しいとのことです.また一方で,
自動車の移動距離が前年比4.6%減っていて,米国では国民が倹約モードに
入っていることが伺えます.

しかし景気後退は,公共交通機関を運営する事業者の財政状況をも蝕んで
います.金融危機の直撃を受けたり,売上税からの税収が減るなどで,
値上げに踏み切ったり,需要が旺盛なのに供給を増やせないどころか,
逆に節約のため減便する事業者さえあるほどです.

先週末には,景気刺激策として次期政権による五十年来の大規模な公共
事業投資の骨子が発表されていますが,今回の数字は,大規模な全米規模
へのインフラ投資のうち公共交通に回す金額を,より多くすることになる
だろうとの期待が持たれています.
APTAでも公共交通への投資は,環境に負担をかけないグリーン・ジョブを
より多く生み出し,雇用創出になると考えています.

APTAの発表と,それに基づく記事:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 8, 2008 Public Transit Ridership Surges as Gas Prices
Decline - Highest Quarterly Transit Ridership Increase in 25 years

(APTA Transit Newsへのリンク)
December 8, 2008 New Ridership Record Shows U.S. Still Lured to
Mass Transit
(Washington Post ニュースへのリンク)

前年比で15%以上を示したライトレール部門
ボルチモア 19.63 %
ミネアポリス 18.28 %
サクラメント 16.48 %
ニューアーク 15.88 %
ロサンゼルス 15.34 %
ダラス 15.22 %

一方で,ボストン(-2.10%)やサンディエゴ(-3.96%)などのように,前年割
している場所も,あるにはあります.
テキサス州では,9月にハリケーンの直撃を受けた関係と思われますが,
ヒューストン(-11.19%),ガルベストン(-38.89%)と,二桁減の事業者も
あります.ヒューストンのライトレールは,ハリケーン通過後も交差点の
道路信号が停電で点灯せず,安全のため一週間ほど運転再開を見合わせて
バス代行になりましたので,その関係かもしれません.

データ詳細は,APTAの発表ページから二回クリックで,PDFファイル版に
到達できるはずです.

関連ログ: 2008/3/11 【米国】公共交通機関利用者増加の立役者?

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2008年12月08日

【プウォツク】トランスロール導入検討中

ポーランド中央に位置する人口13万人近い街のプウォツク(Płock)では,
登録車両約8万5千台のうち,全人口の半分に近い数に相当する約6万台が
乗用車として登録されているそうで,これは一世帯あたりで1.5台になる
のだとか.

一方,路線バスなどの公共交通利用者は一日一万人とみられ,トラムを
導入するのに十分な需要があるとして,プウォツク市では,中心部への
自動車乗り入れを抑えるべく,2012年開業を目指したトラム導入計画を
推し進めています.

その計画は,トランスロール(Translohr)を前提にしています.
計画は三段階に分かれ,第一段階は約10キロの路線に車両8本の購入で,
約2億4100万ズウォティ(Złoty)(約6200万ユーロ)と見積もられ,これを
鉄軌道トラムにした場合は,約2億7500万ズウォティ(約7100万ユーロ)に
なるという数字が示されています.全体では,4億ズウォティ(1億ユーロ
強)と言われています.

先週,一般向けの説明会が行われて,その様子が報じられていました.
記事によれば,トランスロールは実用化レベルとは言い難く,脱線なども
起こしていて安全ではないのではないか,という質問が市民から出て,
驚いた市長が脱線が本当なら確認すると応えてしまい,あわてて担当者が
脱線はシステム上の問題ではないと,その場を収める一幕もあったとか.
その他にも,市民は技術的な部分への関心が高かった模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
2008-12-05 Tramwaj w Płocku - za i przeciw
2008-11-25 Radni czarno widzą tramwaj
2008-11-24 Tramwaj w Płocku? Za czy przeciw? Głosuj!
(Gazeta.pl ニュースへのリンク)

市は,説明会に先立ち計画の概要を専用サイトで紹介していました.
Tramwaj w Plocku? ZDECYDUJ!
(Urząd Miasta Płocka へのリンク)

PREZENTACJEには,鉄軌道のトラムよりもトランスロールが優位な点が,
紹介されています.
急勾配(最大13%)や急曲線(最小半径10.50m)に対応でき,車体も小ぶりな
ため,狭い路地など小回りが利きやすいことや,軌道敷設に際して基礎を
浅く(従来70cmから最大1m必要だった深さを24cmから30cm程度に)できる
こと,バッテリー走行が可能であることなどが,挙げられていました.

【オルシュティン】
ポーランドでは,プウォツクの北北東で,人口はプウォツクよりやや多い
17万5千のオルシュティン(Olsztyn)も,トラム導入計画を持っています.

オルシュティンの計画は,2015年の完成を目指しますが,トラムかバスか
車種選定がまだです.しかしここでも,トランスロールがゴムタイヤ式
トラムとして,候補に挙がっていました.
2008-12-04 Lepszy tramwaj, czy autobus? Wkrótce decyzja
2008-11-21 Tramwajem do studenckiego miasteczka?
(Gazeta.pl ニュースへのリンク)

ロール社の人員削減
トランスロールのメーカーであるロール(Lohr Industrie)が,100名の
人員削減を発表したというニュースも,先週ありました.Modalohrの受注
状況によっては,400名削減になる可能性もあるそうです.

しかし,問題は自動車部門にあるようで,トランスロールには直接関係
ないようです.2009年には回復が望めないとしても,2010年にはトランス
ロールの製造で1200名の雇用を生み出せる見込みがあるとか.
05/12/2008 Au moins 100 suppressions de postes chez Lohr Industrie
フランス語 (L'Usine Nouvelle ニュースへのリンク)
05. Dezember 2008 Lohr streicht bis zu 400 Arbeitsplätze
ドイツ語 dpaの記事 (Badische Zeitung ニュースへのリンク)

2010年からのトランスロール製造は,パリ近郊のサンドニからサルセルへ
向かう新路線(Saint Denis / Garges-Sarcelles)向けでしょうか.
モダロール(Modalohr)とは,アルプス越え用の特殊なピギーバック輸送
向けの貨車のことです.

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2008年12月07日

【サバンナ】ハイブリッド式トラム デビューへ

ジョージア州サバンナ(Savannah)で,北米初となるバイオ・ディーゼル
エンジンと電気モータのハイブリッド式ストリートカー(streetcar)が,
この週末にもデビューします.

そしてその後は,週明けから始まる国際環境自治体協議会(ICLEI)などが
中心となって全米各地で行われるLocal Climate Action Week期間中に,
他のハイブリッド車や電動スクーターなどのパレードの先頭に立って,
サバンナの観光名所リバー・ストリート(River Street)を走ります.

ICLEIとは,英語名でLocal Governments for Sustainability,日本では
イクレイ,環境の保全を目指す世界各国の地方公共団体などが参加する
国際的なネットワークと紹介されています.
(元は,International Council for Local Environmental Initiatives)


前回11月の紹介以降,車両の詳細も色々と判明してきました.
お目見えするのは,サバンナ市が2000年に購入していた旧メルボルンの
W-5ですが,バイオディーゼル燃料対応の小型発電機に,交流モーターと
バッテリーを搭載する,ハイブリッド式に改造されています.

このハイブリッド式システムは,試運転で1時間あたりの燃料消費量が
1.5ガロン(5.68リットル程度に相当)以下で,更にPCCカーなみの加速度と
最高時速は28マイル(約45キロ)までの性能が確認されているそうです.
もちろん,架線がなくても走れます.
(最高速はもっと引き上げられるそうですが,リバーストリート走行用
には不要とされ,この性能に留まっているようです)


しかも,バイオディーゼル燃料の原料には,リバーストリート沿線にある
レストランから出される植物油(grease)=廃油? も使うのだとか.燃料は
B20とのことですので,バイオディーゼル含有量は20%です.

ご存知の通り京都議定書では,生物由来であるバイオディーゼル燃料は,
原料となる生物が成長過程で光合成で大気中の二酸化炭素を吸収している
ため,燃焼させても元来大気内に存在した以上の二酸化炭素を発生させる
ことはなく,再生可能エネルギーとみなされています.


足回りだけでなく,営業運行が可能なようにADAで定められた車椅子用の
リフトも搭載し,改造に掛かった費用は20万7千ドルとされています.
ADA: Americans with Disabilities Act

サバンナ市は,1975年にリバーストリートを含むサバンナ川沿いのウォー
ターフロント地区を再生させた頃から,当地では1946年に廃止されていた
路面電車を復活したいという話が出ていました.

表立っては2000年ごろから実現に向けて動き出し,車両の購入とともに,
以前は綿貿易などで使われたと思われる,Norfolk Southern Railwayの
貨物支線だった石畳のリバーストリートに残るレールも,約60万ドルで
購入しています.

営業運転に関する情報は限られていますが,サバンナにはダウンタウンを
周遊できるようにと,Dotと呼ばれる無料の公共交通機関が整備されて
いて,シャトルバス(Dot Express Shuttle)やフェリー(Savannah Belles
Ferry)などがあるのですが,ストリートカーも,その仲間に加わります.
ということで,運賃は無料と思われますが,11月には一往復50セントと
している記事もありました.

市の発表と,非営利組織Creative Coast Allianceのブログ:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 5, 2008 River Street grease to power City vehicles
(City of Savannah 公式サイトへのリンク)
December 5, 2008 A Streetcar to Inspire…
(The Creative Coast Alliance ブログへのリンク)

Dot, Savannah’s fare-free Downtown Transportation system:
RIVER STREET STREETCAR
(Savannah Mobility Management Inc へのリンク)
Dotを運行するSavannah Mobility Managementは,ダウンタウンの移動性
を高め,道路や駐車場の混雑緩和を目指し,官民共同で設立されました.

レトロタッチな路面電車? が,より多くの人をリバー・ストリートに引き
寄せ,簡単に動き回れることで沿道の複数のお店を回ることにもなると
して歓迎されつつも,交通量の多い通りを車と共用することになるため,
懸念を示す声が,改造車両がサバンナに戻る前夜に紹介されていました.
Nov 18, 2008 Streetcar returning to River Street
(WTOC-TV Savannah ニュースへのリンク)

下の場所は,West River Street と East River Street の境界付近を,
Google Maps ストリートビュー(東向き)で見たもので,12/09に行われる
パレードは,リバーサイド・マリオット・ホテルから市庁舎までとなって
いますので,ストリートカーはこの辺りまでになると思われます.

大きな地図で見る

営業運転時のルートは,上記Savannah Mobility Managementのサイトに
路線図が載っていますので,ご参照ください.全部で7つの停留所が設け
られ,距離はGoogle Maps測定で0.6マイル(約1キロ)と出ました.

【サバンナ】関連ログ:
2008/11/15 ハイブリッド式トラム到着へ
2008/8/24 ハイブリッド式トラム11月にも?

内容が間違っていたりリンク切れがありましたら,ご容赦ください.
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2008年12月06日

【ボストン】地下鉄に折畳式座席で定員増

混雑緩和のため,一部車両で座席を折り畳み式にして,ラッシュ時には
立ち席だけにする試みが,ニューヨークの地下鉄でも行われる予定と,
この夏紹介されていました.
その車両はまだ登場していないはずですが,一足先にボストンの地下鉄で
車内に通常の座席を2席(4席?)だけ残し,あとは全て収納式に改造した
車両を,次の月曜から試験導入することが明らかになりました.

路線は,ハーバードなどへの足として重宝されているレッドラインです.
28編成のうちの一編成で,6両編成のうちの2両を,車内の大半の座席を
収納式に改造した車両にして,Big Redという名前で呼んでいます.
改造されたのは,ボンバルディアが1993年に製造したステンレス車で,
確認されている車両番号は,01802でした.

お年寄りや体の不自由な人のため,わずかな座席数だけを残し,ラッシュ
時には座席を収容してスペースを空けることで,在来車よりも定員を27名
増やすことができ,輸送量を一割増やすことができるとか.在来車の座席
定員は50名前後でした.MBTAは,利用者のBig Redへの反応を見ることに
なります.
MBTA: Massachusetts Bay Transportation Authority

ニューヨークでは,10両編成の地下鉄一編成に試験車両を4両組み込み,
座席収容の状態で収容人数を18%増やせられるというものでした.

ボストンMBTAは莫大な赤字を抱え,利用者が増えても容易に増発や増車が
できない状況のため,この方法で多少でも混雑を緩和できればと考えて
いる模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 4, 2008 T removing Red Line seats
December 5, 2008 Standing room only on T sparks groping concern
(Boston Herald ニュースへのリンク)
December 4, 2008 MBTA to experiment with nearly seatless subway cars
(The Boston Globe ニュースへのリンク)
12/04/2008 Stand a little longer with Big Red (tm)
(Universal Hub | All Boston, all the time へのリンク)

改造車両ではありませんが,地上区間を走るレッドライン:
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Exiting the Station - Charles MGH by Eric Kilby (flickr)
Exiting the Station - Charles MGH
Taken on September 27, 2007

似たような試みは全米各地でも.
Boston Globe紙の記事には,シカゴとサンフランシスコでも,座席数を
減らして輸送力を増強する試みを既に実施しているとあります.

シカゴでは,座席を収容してスペースを空けるのではなく,座席を一部
撤去する方法がとられています.39席のうち12席または14席を取り外し,
座席定員は減りましたが,座席一人分につき立席定員二名を詰め込める
ようになり,在来車が一両に90名乗せられるところを,115名まで増やす
ことが可能とか.この9月から営業路線に投入されています.

こちらも車両にはMAX - High Capacity Carという名前があり,9月の段階
では2両だけで,ブラウンライン(Brown Line)に投入されていますが,
いずれ他の線区でも試されるようです.

CTAのプレスリリースと,地元紙の報道:
09/12/2008 CTA to Test Reduced-Seat Rail Cars on Brown Line
(Chicago Transit Authority 公式サイトへのリンク)
September 12, 2008 CTA train cars with fewer seats hit tracks
Friday during afternoon rush
(Chicago Tribune ニュースへのリンク)

車内の映像は,Chicago Tribune紙の記事にあります.
CTAのMAX - High Capacity Carでは,乗車前に乗客に容易に区別できる
ようにと,ドア周りに表示があります.
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Max high capacity car @ Addison brown line by interpunct (flickr)
Max high capacity car @ Addison brown line
Taken on November 4, 2008

サンフランシスコのBARTで行われているのは,68席あるC-2タイプの車両
から,ドア付近の座席を6席ずつ撤去するというもので,2007年夏から
徐々に改造しているようです.今年5月に紹介されていました.
May 9, 2008 6 seats removed from some BART cars
(San Francisco Chronicle ニュースへのリンク)

関連ログ: 2008/8/03 【ニューヨーク】地下鉄で無座席車を導入か

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2008年12月05日

【ミラノ】チニゼッロ・バルサモへの路線開通

ミラノと,その北北東に位置し,7万3千人が暮らすチニゼッロ・バルサモ
(Cinisello Balsamo)を結ぶライトレール(metrotranvia)が,この週末に
開業します.

トラム11系統の終点Bignamiから北に向かい,チニゼッロ・バルサモの
街に入るまでは道路に沿いつつも車道と分離された軌道が新たに敷かれ,
チニゼッロ・バルサモでは道幅の狭さから自動車を排除した路地なども
通り,ループを成すvia Monte Ortigara(通り)付近に達します.

運転系統としては,ミラノ市内のラゴスタ広場(Piazzale Lagosta)から
ミラノ市内線を走り,チニゼッロ・バルサモに至る全長8.5キロになり
ますが,6700万ユーロを投じ四年の歳月をかけて建設された新線区間は,
Google Mapsでの計測では4キロ少々でした.費用のうち9百万ユーロは,
ロンバルディア州が出したそうです.

このライトレール,Metrotranvia Milano-Cinisello Balsamoは,21本の
35m車で運転されるとありますので,ミラノで7100番台を割り当てられた
Sirio(アンサルド・ブレダ製)と,7000番台のFlexity Outlook Eurotram
(ボンバルディア製)が充当されるのでしょう.どちらも7車体です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
04-12-2008 Trasporti/ Al via metrotranvia da Milano a Cinisello
Balsamo
(Virgilio Notizie ニュースへのリンク) Apcomの記事
04/12/2008 Mobilità sostenibile: arriva la metrotramvia Milano
Cinisello
(CronacaQui Milano ニュースへのリンク)

公式サイトの路線図(画面右が北): Il percorso
路線データ一覧: I numeri
(Metrotranvia Milano-Cinisello Balsamo へのリンク)

一部は道路から外れるため正確なルートではありませんが,Google Maps
でMetrotranvia Milano-Cinisello Balsamoの路線を表してみました.

大きな地図で見る

Bignami停留所(手前)から,延伸する先を見渡したストリートビュー.
この先で折返しのループ線が分岐し,さらにその先で新しい複線の軌道が
見えてきます.

大きな地図で見る

ここでは,BignamiからGaribaldi FS駅に向けて南下する,自動運転の
メトロ5号線(M5)も,工事中です.

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2008年12月04日

【セビリア】メトロ開業2009年にずれ込む

人口70万のセビリア(Sevilla / Seville)では,その西方と南東の郊外を
結び,郊外では高架,セビリア中心部は地下を100%低床車が走るメトロ
(Metro de Sevilla)の1号線(Línea 1)が,建設されています.

長い間待ち望まれてきたメトロは,今年9月末に開業との話も出ていた
ものの,工事の遅れなどから9月には12/20開業に修正されていました.
しかし,駅の工事現場で路盤陥没事故が先週発生し,その対応から開業の
再延期が懸念されていましたが,早くても2009年1月にずれ込むことが,
昨日正式に発表されました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
3 de diciembre de 2008 El incidente de Puerta de Jerez aplaza la
puesta en servicio del Metro de Sevilla

(アンダルシア州当局※ 公式サイトへのリンク)
※ Junta de Andalucia - Consejeria de Obras Publicas y Transportes

03/12/2008 Sevilla.- AMPL.- La Junta anuncia que la inauguración
de la Línea 1 del metro se retrasará "al menos un mes"

(Europa Press ニュースへのリンク)
03.12.2008 El socavón de Puerta de Jerez retrasa la inauguración
del metro al menos un mes
(20minutos.es ニュースへのリンク)
03.12.2008 El estreno del Metro se retrasa indefinidamente
(Diario de Sevilla ニュースへのリンク)

英語で読める崩落事故の記事(画像あり):
Nov 27, 2008 Sevilla newspaper kiosk disappears down a hole
(Typically Spanish ニュースへのリンク)

深さ6mに及ぶ穴があいたのは,難工事のため当初から12/20開業には間に
合わず,2009年に遅れて開設される予定だった,プエルタ・デ・ヘレス
(Puerta de Jerez)駅の工事現場です.

穴は工事現場と歩道を仕切る柵の外側まで広がり,発生は夕方でしたが,
幸いけが人は出なかったものの,街灯と新聞売店が陥没の道連れになり
ました.通りの向かいには観光客も多く訪れる商店が並び,一足先に昨年
開業した市内電車メトロセントロ(Metrocentro)との乗換え駅でもあり,
軌道もすぐそばを走っているところです.

下はGoogle Mapsのストリートビューで,画面右に陥没に飲み込まれた
新聞スタンド.この通りを画面奥に進んでいくと,左手に噴水が見えて
きますが,その向こう側にメトロセントロの軌道があります.

13 Calle Almirante Lobo

セビリアでは,1970年代前後から地下鉄が計画されていて,一旦は着工
されながらも,財政難と脆弱な土壌で工事が歴史的建造物へ影響を及ぼす
との懸念から,1980年代に計画は中止に追い込まれていました.
その後,技術的な問題は解消され,2000年には計画が再びたてられて,
当初の予定では2006年に開業しているはずでした.

今回の崩落事故が起きる前も,開業まで二十日に迫った時点で,都心部の
区間(NerviónとPlaza de Cuba間)は,試運転電車がまだ走っていなかった
という報道もあります.やはり工事の関係だったようです.
なお,東側の一部の区間では,1980年代までに着工していたトンネルを
流用しているそうです.

路線図へのリンクがある公式サイトのページ: Línea 1
(Metro de Sevilla 公式サイトへのリンク)

Diario de Sevillaの記事には,右側にObras del metroというタイトルの
4分少々のビデオがあります.西から東に各駅が紹介されていて,10月の
時点のものらしく,試運転の映像はNervión以東に限られています.

メトロ・デ・セビリャの特徴の一つには,ホームドアの設置があります.
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Visita Sevilla21 al Metro de Sevilla, 5/Nov/2008
by Andvaranaut (flickr)
Visita Sevilla21 al Metro de Sevilla, 5/Nov/2008
Taken on November 5, 2008

その他にも,下記リンク先でセビリア・メトロの画像を見られます.
flickr Group Pool: Metro de Sevilla

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2008年12月03日

【バーゼル】ドイツへ市電延長12/06着工式

バーゼル市電の8系統を,ドイツ領内ヴァイル・アムマイン駅(Bahnhof
Weil am Rhein)まで延長させる計画が,見込み通り次の土曜日(12/06)に
着工式を迎えるに至りました.

計画線は,トラム8系統の終点Kleinhüningenから,北に1.00キロ走り,
そこで国境を渡ってドイツに入ります.国境からは1.50キロちょっとで,
ヴァイル・アムマイン駅にかかる道路橋上に設けられる停留所(Bahnhof
Weil)に到着です.さらに線路は道路の跨線橋を渡りきった先まで伸び,
そこに折返しループ線が設けられます.新線区間は全部で2.80キロ.

本格的な工事は,スイス側の最初の停留所Kleinhüningeranlage周辺で
2009年1月中旬から開始される予定です.11月中旬より,工事の認可を
得ていました.工事は日中だけ行われ,夜間はありません.この機会に
道路を掘り返して,ケーブル類も交換したりします.最後にレールが敷設
され,その部分の工事完了は2010年末の予定で,その後は橋の工事に取り
掛かり,スイス領内の完成は2012年半ばになるとか.ドイツ側の工事完了
とあわせて,2012年末までには開通させたいとしています.

公式発表と,それを伝える記事:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
02. Dezember 2008 Tramverlängerung Nr. 8: Start mit Werkleitungsbau
Mitte Januar 2009

(Kanton Basel-Stadt 公式サイトへのリンク)
下にある「Übersichtsplan Ch und D」が,計画図へのリンクです.次の
サムネイルが表示される画面に出て来るvolle Grösseをクリックすると,
拡大されます.

02.12.2008 Mit dem 8er nach Weil: Ab 2012 Realität
(Basler Zeitung ニュースへのリンク)
2. Dezember 2008 BVB-Tramverlängerung Nr. 8: Start mit
Werkleitungsbau Mitte Januar 2009

(bahnONLINE.ch へのリンク)

現在,ドイツからスイスのバーゼルに越境して通勤している人は,一日
一万人いるそうですが,このうち公共交通を利用しているのは,二千人に
留まっています.トラム8系統が延長された暁には,少なくともこれを
三千人すべきとの期待が寄せられています.

【バーゼル】関連ログ: 2008/6/26 国境越えトラム新線建設合意に

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2008年12月02日

【ストックホルム】フディンゲに新線計画

先週初めの話になりますが,ストックホルムの南に位置するフディンゲ・
コミューン(Huddinge)に,新たにトラム(ライトレール)を建設する計画が
公式に調査を開始したという発表がありました.
コミューン(kommun)とは,スウェーデンの基礎自治体の単位です.


フディンゲ・コミューンは,ストックホルムと通勤列車(Pendeltåg)や,
地下鉄(tunnelbana)といった軌道系交通機関と結ばれていますが,新設を
目指すトラム(Spårväg)は,最終的な起終点は近郊列車の駅になり,途中
でも地下鉄レッドラインと3駅(第一期はSkärholmenとFruängenの2駅)で
接続する路線になります.

計画されている路線図も公開されていますが,文字で書くと,ストック
ホルム南部のエルヴヒョー(アルブショー?)(Älvsjö)駅と,フディンゲ・
コミューン内のFlemmingsberg駅間の,まっすぐ走る近郊列車では10分も
かからない距離を,西側に大回りして18キロかけて結び,全部で14駅が
設けられる予定です.
ストックホルムから見て南にあるからか,サウス・トラム(Spårväg Syd)
と呼ばれています.

起終点となる近郊列車の二駅は,ストックホルム圏内で乗降客数のトップ
テンに入ります.Älvsjöは,2006年の時点で冬場の平日平均1万1千人で,
第三位です.(出典: ウィキペディアのスウェーデン語版)
今回本格的に検討されることになったトラム(ライトレール)は,一日最大
3万人の利用が予想されています.ちなみに,ストックホルムで2000年に
開業したライトレール(Tvärbanan)は,現在同4万5千人が利用とか.

導入の目的は,この地域の人口や雇用,学生らが今後急増することが予想
されていて,それに対応するためとなっています.
第一期区間の終点近くにあり,目的地の一つKungens Kurva地区一帯は,
ショッピングセンター街になっていて,家具量販店イケア(IKEA)の世界
最大敷地面積とされる店舗もあり,そこから名をとったIKEA駅が路線図に
記されていました.

建設費は30億スウェーデン・クローナ(約2億9240万ユーロ)とみられ,
財源のあてはなく,これからの交渉となるようです.このこともあり,
着工は早くても2013年となっています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
フディンゲ・コミューンの発表: Startskott för Spårväg Syd
(Huddinge kommun 公式サイトへのリンク)
2008-11-24 Startskott för Spårväg Syd
(ストックホルム市 Stockholms stad 公式サイトへのリンク)

各メディアとも路線図付きで記事を載せました.
2008-11-25 Spårväg syd ska binda ihop pendel och t-bana
(Dagens Nyheter ニュースへのリンク)
2008-11-24 Startskott för spårväg Syd
(yimby.se へのリンク)

(Kungens KurvaにあるIKEAの店舗周辺)



今後は,フディンゲ・コミューン(Huddinge kommun),ストックホルム市
(Stockholms stad)に,SL(Storstockholms Lokaltrafik)が協議に加わる
ことになるそうです.

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2008年12月01日

【フィラデルフィア】CBTCでトロリー遅延続く

フィラデルフィア市西部からの通勤の足となっている,SEPTAのグリーン
ラインは,現地ではトロリー(Trolley)として親しまれる,5路線の路面
電車で運行されています.5本の支線が終結する形となる都心側は,並行
する地下鉄ブルーライン(Market–Frankford Line)と複々線のトンネルを
共用し,この4キロ弱の区間では,トロリーしか停まらない駅があること
から,ニューヨークの地下鉄のように,グリーンライン(トロリー)は,
外側の二線を走っています.

このことから,SEPTAグリーンライン(トロリー5線)のことを,Subway–
Surface Trolley Linesと,まとめて呼ぶこともあるようです.(SEPTA
では,旅客営業上はルート番号で案内しています)
SEPTA: Southeastern Pennsylvania Transportation Authority

現在,グリーンラインは一日9万人を輸送しているそうで,ピーク時の
トンネル区間では,運転間隔が50秒にもなるとか.それでも,四十年前の
トロリー最盛期(同24秒)の倍以上に車間が開いているそうです.

50秒間隔でも,ひっきりなしに路面電車がやってくる高頻度運転になり
ますから,地上ならいざしらず,見通しの悪い地下では衝突事故も絶え
ないようで,平均して年に二回程度は起きているそうです.今年7月にも
3台のトロリーを巻き込む衝突が発生し,けが人も出ていました.

もちろん,安全対策が皆無だったわけではありません.2005年から無線式
CBTCを部分的に導入しています.
CBTC: Communication-based train control
これは,軌道回路を用いず,無線により互いに列車の位置を検知して,
車載コンピューターにより車両間隔を安全に保つ,移動閉塞の一種です.
これが部分的導入に留まっていたのは,ピーク時の稼動には問題が指摘
されていたからです.

今年7月の衝突は,このような保安装置が稼動していれば防げたとされた
ため,SEPTAは,ラッシュ時もCBTCによる運行を最近開始したそうです.

ところが,グリーンラインのように50秒に一台が走る運転頻度に,CBTCの
システムが追いついていけないのか,たちまち各トロリーはスムーズに
走れなくなり,ピーク時には30分から一時間の遅れが日常化します.

車内信号が赤を表示すると,2秒以内に速度を落とさなければならない
ようですが,それが頻発して停車と発車を繰り返し,地上信号機時代の
マニュアル運転時のようには走れなくなってしまったのでした.

毎日の遅れで利用者だけでなく,トロリーの運転手までもが苦情を発して
いる状態となり,ついにフィラデルフィア市も,SEPTAに苦言を呈するに
至りました.

安全をとるか遅れ解消に努めるべきか,難しい選択に直面したSEPTAは,
ピーク時にも稼動させなければ,問題を解決できないとして,このまま
ピーク時にもCBTCによる運行を続けつつ,ボンバルディア(Bombardier)に
問題の修復を行わせているそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Nov. 30, 2008 SEPTA's collision-avoidance program delaying trolleys
(The Philadelphia Inquirer ニュースへのリンク)

SEPTAがSubway–Surface Trolley LinesにCBTCを導入することになった
きっかけについても,記事は触れています.
それによれば,地下鉄ブルーライン(Market–Frankford Line)向けの車両
(M-4)の納入が遅れ,さらに重量超過もあったため,交渉の結果,金銭に
よる補償を得る代わりに,SEPTAは車両製造メーカーのBombardier(当時
Adtranz)からCBTC導入を受け入れたのだとか.
約2500万ドルに相当する代物でしたが,まともに働くようになるまで,
結局SEPTAは数百万ドルを注ぎ込まなければならなくなりました.

SEPTAがグリーンラインにCBTCを導入する話は,2002年の専門誌に記事が
出ていました.
June, 2002 CBTC: will SEPTA be first?
(Railway Age ニュースへのリンク)

Philadelphia Inquirer紙には,CBTCは空港のライトレールで実績がある
と書かれていますが,シアトル・タコマ空港やサンフランシスコ国際空港
の新交通システム(AirTrainなど)の話なのでしょう.
また,地下鉄トンネル内のような環境下での無線式CBTCの採用は,当時
ただでさえ困難を伴っていたようです.

【フィラデルフィア】直近ログ: 2008/11/20 空しい3百万ドルの軌道

サンフランシスコのMuniでも,十年前に似たようなことがありました.
フィラデルフィアと同じ名前でマーケット・ストリートの地下を走る,
上下二段式の複々線トンネルでの話です.

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