大打撃を蒙るも,徐々に復旧区間を延ばしてきた現役世界最古とされる
路面電車のセントチャールズ線(St. Charles line)が,3年近くの歳月と
1420万ドルを費やして全線復旧にこぎつけたのは,既報の通り6/22(日)の
ことでした.
それから一週間,最後に復旧した末端区間では,6/28(土)には始発から
10:30まで通常の運行を止めて,祝賀会を開催しています.運転再開後
から正午までは,午前中の運休区間で電車は運賃無料で開放されました.
昨年12月にセントチャールズ通りの西端(Riverbend)まで電車が復活して
以来,近くの店ではお客で賑わっているとのことで,それと同じことが
今回の復旧区間でも期待されています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 28, 2008 Carrollton Area Celebrates Return Of Streetcar Line
(WDSU New Orleans ニュースへのリンク)
June 28, 2008 Party for return of St. Charles streetcar line
The Associated Pressの記事 (WWL-TV ニュースへのリンク)
June 28, 2008 Hundreds fete streetcars' return to full St.
Charles route (New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)
全線で運転を再開した日の記事:
June 22, 2008 Back on line: Streetcars return to South Carrollton
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)
ハリケーン襲来後,一度は店を閉めましたが,昨年4月に営業を再開し,
12月には電車も戻ってきて賑わいを取り戻したと記事に紹介されている
観光客に人気のカフェ,カメリア・グリル(Camellia Grill).
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
New Orleans staples by Mira (on the wall) (flickr)

Taken on June 26, 2008
今後は,リバーフロント線(Riverfront Line)やカナル・ストリート線
(Canal Street Line)で活躍していた,旧型車(Perley Thomas car)を模倣
しつつも,時代にあわせて空調と車椅子用の乗降リフトなどを装備した
レプリカ車両(2000シリーズ)の復活が待ち望まれます.この車両がねぐら
としてたRandolph車庫は,市内の8割を襲ったというハリケーンによる
浸水に見舞われ,避難していた電車も大きな損害を蒙っていたのです.
当初,2007年夏にも修繕された最初のレプリカ車が復活する予定になって
いましたが実現せず,その後は情報をつかむことも出来ませんでした.
しかし,今回の全線復旧を伝える記事の中に,7月にもカナル通り線を
走ることになると,RTAの代表が発言していることが記されています.
RTA: New Orleans Regional Transit Authority
June 22, 2008 St. Charles Streetcars Back On Track
(WDSU New Orleans ニュースへのリンク)
今年4月とされる様子:
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Oak Street Streetcar Barn by skeletonkrewe (flickr)

Taken on April 9, 2008
レプリカ車両は今度こそ戻ってくるかもしれませんが,より深刻な事態が
RTAを悩ませています.
セントチャールズ線では,平日平均で6千から8千人を輸送しているとの
ことです.比較にはなりませんが,2005年上半期のRTA路面電車全体では
同29万人近い数字が記録されています.
これがRTA全体では,利用者数はカトリーナ以前と比べて四分の一程度の
水準に留まっているとされ,路線バスや路面電車を利用してきた人達,
特に低所得者層が,街に戻ってきていないからと言われています.
6/20/2008 New Orleans streetcar reopens as transit struggles
The Associated Pressの記事 (New Orleans Times-Picayune へのリンク)
住民が少ないことから,バスなどの運転本数は削減されていますが,逆に
これが災いしているという指摘もあります.公共交通が充実していれば,
人は戻ってくるというのです.燃料費に加えて保険料の値上げで,ニュー
オリンズでも自動車通勤は高くつきます.
RTAでは,公共交通計画の見直しに取り組んでいて,新しいバスを購入
したり,9月に路線も一部拡充を予定しています.路面電車に関しても,
もっと路線をという声に応えるべく,リバーフロント線のフレンチクォー
ターへの乗り入れなど,新線構想も考えられているようですが,2億ドル
以上と言われる負債を抱え,連邦政府の災害支援も終わりを迎える中で,
RTAは利用率の盛り返しに取り組まなければなりません.
ルイジアナ州の一機関(political subdivision)であるRTAには,運営を
外部に委ねる話が出ていて,選ばれた3候補のうち,コンサルタントは
フランスが本拠のヴェオリア(Veolia Transportation)が最有力候補だと
推薦したことも,最近話題になっていました.
June 26, 2008 Veolia gets top score in judging for RTA job
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)
ちなみに,残る2候補は,シンシナティに本拠をおくFirst Transit Inc.
と,2002年12月以降は援助なしに運行を行い,カトリーナ後もここまで
導いてきたRTA組織内の経営陣,即ち現体制の継続です.
この時点では,世界中で公共交通の運営を手がける最大手のヴェオリア
(Veolia Transport)に決まったわけではなく,7/24予定のRTA委員会で
決定がくだされる見通しとのことです.
前回の関連ログ: 2008/5/30 セントチャールズ線6/22に
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
