2008年07月20日

【米国東部】7月中旬Streetcar関連報道から

ワシントンD.C.の路面電車試験線と,スクラップ寸前のPCCカーを購入
しようとしていたペンシルバニア州ランカスターの,続編です.

【ワシントンDC】
ワシントンD.C.南東部のアナコスティア(Anacostia)に建設が予定されて
いる,路面電車のデモンストレーション路線は,前回紹介の直後に出た
ワシントンポスト紙の記事によれば,今後が予定通り運ぶなら,2009年末
までには,今はチェコのオストラヴァ(Ostrava)でレールが敷かれるのを
待つ3本の部分低床車が,走っていることになりそうです.

地元行政の議員の要請で急遽7/14に開かれた公聴会も,特に計画の進行を
左右する事態にはならなかった模様です.

4300万ドルとも4500万ドルともされる,この1.3マイル(約2.1キロ)ほどの
路面電車の試験路線は,文字通り将来ワシントンD.C.の中心部を含めた
ほぼ全域に路面電車網を展開するための布石となるはずにも関わらず,
軌道を敷く場所がなかなか定まらず,進展が遅れていました.

元々は,ロナルド・レーガン・ナショナル空港のポトマック川対岸にある
ボリング空軍基地(Bolling Airforce Base)と,メトロレール(Metrorail)
グリーンラインAnacostia駅前を経由して,ペンシルバニア・アベニュー
(Pennsylvania Avenue)の南東部との間を,アナコスティア川に沿う形で
結ぶ計画でした.
ちょうど貨物鉄道CSXの線路敷地があり,そこを利用する予定でしたが,
交渉に失敗します.2005年には一般道上を走る計画に改められるものの,
これも沿線住民の反対にあい,挫折してしまいます.2006年1月になって
止む無く今のルートに落ち着きますが,路線は空軍基地からAnacostia駅
までに距離が半減されました.このあたりの話は,ワシントンポスト紙が
カバーしています.

今のルートは,下にリンクを張ったBeyondDCにサムネイルとPDFファイル
版の地図へのリンクがあります.
2006年1月のルートでは,DDOTは反対に遭いませんでした.それもその
はずで,このルート上にはコミュニティが全くないのです.やはり下に
リンクを張ったGreater Greater Washingtonには,沿線の様子をとらえた
画像も紹介されています.
DDOT: District Department of Transportation

そんなところに低床車を走らせて誰が乗るのか,路面電車がもたらす沿線
への経済効果をあの場所で実現できるのか,といった疑問が,路面電車
支持派からも出ていたのが,先の公聴会につながったようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
July 12, 2008 Transit Plan on Track
(Washington Post ニュースへのリンク)
Jul 14, 2008 Connecting communities (or not)
(Greater Greater Washington へのリンク)
July 15th, 2008 When the perfect is the enemy of the good
(BeyondDC へのリンク)

メトロレールのペンタゴンシティ(Pentagon City)駅から,南西に伸びる
コロンビア・パイク(Columbia Pike)通りを進む,ヴァージニア州の北部
アーリントン(Arlington)にも路面電車計画もありますが,こちらも今回
ワシントンポスト紙の記事によれば,州による資金調達がうまく行かず,
遅れているとのことです.

関連ログ:
2008/7/12 【米国東部】7月上旬Streetcar関連報道から
2008/6/14 【公共交通】車通勤から切替で年1800ドル節約 (前半のみ)
2008/4/25 【ワシントンDC】路面電車はチェコで待機中
2008/1/16 【アーリントン】路面電車計画に弾み

【ランカスター】
ペンシルバニア州の南中部に位置するランカスター(Lancaster)市が,
ニューヨーク市ブルックリン(Brooklyn)で半ば放置されていたPCCカーを
非営利団体が1500ドルで落札し,整備して市内に建設するループ路線に
走らせようとしていた話がありました.

その後,ブルックリンにあった元SEPTAのPCCカーは,ランカスターに送ら
れることなく,今月初めにスクラップになってしまいます.
SEPTA: Southeastern Pennsylvania Transportation Authority

そこで非営利団体のLancaster Streetcar Companyは,ボルチモアにある
路面電車博物館(Baltimore Streetcar Museum)から,やはり元SEPTAの
PCCカー3両を3万ドルで購入していました.その1両目がランカスターまで
約75マイル(120キロ)かけて陸送されるという記事が出ています.

今後,35万ドルから40万ドルをかけて再生する構想がありますが,実現
すれば,車体はPCCカーのままでも,回生ブレーキを導入するなど今風の
技術が導入されるそうです.
3年以内の運転が望まれていますが,路面電車を知らない世代も多い中,
車両の展示だけでも,路面電車計画を議論する機会を提供するだろうと,
考えられている模様です.
Jul 16, 2008 1st streetcar for city line arriving here
(Lancaster Online ニュースへのリンク)

一方,ブルックリンのPCCカーがスクラップになってしまった話は,下の
ブログに画像入りで掲載されています.
July 11th, 2008 Trolley Car Destructoporn: Fourth Ave. SEPTA Car
Gets It

July 14th, 2008 Could Fourth Ave. SEPTA Car Murder Have Been
Avoided?
(Gowanus Lounge へのリンク)

関連ログ: 2008/5/10 【ランカスター】落札したPCCカーの運命は?

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国北東部 I このエントリーを含むはてなブックマーク
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【D.C.】アナコスティア計画は2012年に?
Excerpt: ワシントンD.C. 南東部のメトロレール,アナコスティア(Anacostia)駅 周辺で計画中のストリートカーは,3月の時点で運輸省(D.C. Department of Transportatio..
Weblog: 海外LRTニュース・ひろい読み
Tracked: 2009-04-04 07:01
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