2008年09月07日

【AC Transit】路線バス版のATO?

サンフランシスコ湾の東側(サンフランシスコの対岸)に広がるアラメダ郡
サンレアンドロ(San Leandro)で,次世代の路線バスに採用されるかも
知れないシステムが報道機関などに公開され,それを搭載したバスが,
関係者らを乗せて初めて研究所の外に出て公道を走りました.

外観こそ何の変哲もないAC Transitの連接バスですが,サンレアンドロの
East 14th Streetを,運転手がハンドルから手を離しているのに,途中の
バス停では正確に幅寄せして止まりながら,約1マイル走ったのです.
AC Transit: Alameda-Contra Costa Transit District

道路付近には,見た目にはガイド装置などは設置されておらず,光学式
ガイドウェイのような,路面ペイントもありません.ハンドル操作不要の
仕組みは,磁気式ガイドウェイシステムを採用したゴムタイヤ式トラムの
Phileasと同じで,道路に埋め込まれた磁石でした.

公道での試走に先駆け,車線中心に沿って1m間隔で磁石マーカーが埋め
こまれていました.バスはセンサーを搭載していて,それでマーカーの
磁場を検知し,車載コンピューターが位置を割り出して制御するという
方法だそうです.このおかげで,バス停でも歩道とバス乗降口との間は,
常に1cm以内まで正確に停車することが出来るのです.

ここまでなら,いわゆるガイドウェイバスです.今回の公道上の実験でも
そこまでに留まっていますが,このシステム,実験場内ではハンドル操作
だけでなく,アクセルやブレーキ操作まで自動で行えるそうです.

そこまではPhileasでも可能なようですが,さらに,鉄道のような増結
とはいかないまでも,路面電車の続行運転より短い車間で追従するソフト
連結のような運転も可能です.トヨタが開発したIMTSで行われた,隊列
走行のようなイメージです.
IMTS: Intelligent Multimode Transit System

というのも,実はこのシステム,路線バス用に開発されたものではなく,
カリフォルニア大学バークレー校に本拠をおくPATHが,ハイウェイ上の
専用車線で,自動車の隊列走行を行うために研究していたものでした.
PATH: California Partners for Advanced Transit and Highways

そちらの方は,すでに1997年にサンディエゴで,ハイウェイのHOVレーン
(相乗り奨励のため複数が乗った自動車のみ走行可能な車線)での隊列走行
デモンストレーションを行っていたそうです.
HOV: High Occupancy Vehicle

今回のAC Transitでのデモは,カリフォルニア州の運輸省(Caltrans)が,
Automated Bus Guidance System demonstration projectの名のもとに
32万ドルを投じ,PATHが技術を流用して実施したものでした.
Caltrans: California Department of Transportation

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
05 September 2008 Researchers showcase automated bus that uses
magnets to steer through city streets

(UC Berkeley 公式サイト -プレスリリース- へのリンク)
09/05/2008 Bus of future rolled out for first test drive
(Contra Costa Times ニュースへのリンク)
September 05, 2008 The hands-free future of Bay Area buses
(KGO-TV San Francisco ニュースへのリンク)

KGO-TVの記事にはビデオがあり,ドライバーが手を離した状態で自動的に
ハンドルが回っている(操舵されている)様子を,道路に磁石が埋められて
いることを示す映像なども交えて,紹介しています.

磁気ガイダンス・システムに関しての概要:
Magnetic Guidance System (MGS) (PATH へのリンク)
路線バスへなどのほか,除雪車への応用も考えられていたようです.

米国のガソリン価格も,原油価格が下がったことにより,日本と同様に
価格上昇に一服感があり,8月以降は下落傾向ですが,ベイエリアでの
今年に入ってから利用者数は,PATHによればライトレールが12%増加して
いるのに対して,路線バスは4%の上昇に留まっています.
また,2007年のデータによれば,全米の路線バスの利用者層は,鉄道の
利用客層よりも,所得が低い傾向にあるそうです.

現在AC Transitには,BRTの導入計画があります.ライトレールよりも
建設が安上がりなBRTですが,今回公開されたようなシステムを採用する
ことで,少しでも鉄道のイメージに近づけ,これまで鉄道は利用しても,
バスは敬遠してきた人たちにも,BRTに乗ってもらいたいとしています.
BRT: Bus Rapid Transit

この時点では,磁気誘導システム導入のことには触れられていませんが,
AC TransitのBRT計画の情報は,下記にあります.
BRT in the East Bay (AC Transit 公式サイトへのリンク)

今回のシステム導入には,1マイルにつき1万5千ドル,AC TransitのBRT
計画全体では,500万ドルの追加投資が必要と見積もられています.

関連ログ: 2008/6/09 【Douai】Phileasトラム開業時期未定に?

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国ベイエリア このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。