2008年09月18日

【シュコダ】15T(ForCity) 試作車公開

旧型車両置換え用として,一つの街だけで200本以上の発注が期待されて
いるのは,昨日紹介したベルリンだけではありません.チェコのプラハ
(Praha / Prague)向け新型100%低床車両も,そのプロトタイプが,車両
メーカーŠkodaの本拠地プルゼニ(Plzeň / Pilsen)で公開されました.
モデル名ŠKODA 15T,通称ForCityです.

この時期の公開は,9/23-9/26にベルリン市内で開催される国際鉄道技術
専門見本市,Innotrans 2008への出展を見越してのことです.期間中は,
今後はまず見られることもない,ForCityとFLEXITY Berlinの並びがある
のかも知れません.ForCityは,これまで部分低床車の実績が豊富だった
シュコダの,初の100%低床車となりました.

今後の予定は,2009年前半に搭載システムが多少異なる二種類の試作車が
プラハ市内を走ります.その結果をみて,量産車に向けて最適な組合せを
決めて,量産第一号は2009年末の運行開始を目指しているようです.
最終的には2017年までに250本が配備され,500両(750両?)在籍している
旧型車両(Tatra T3)(全長14m)を,置き換えることになっています.

プラハDopravní podnik hl. m. Prahyが現在導入を進めている部分低床車
Škoda 14Tの納入状況は,60本の契約のうち,未納18本を残すばかりと
なりました.年内も数本が届いた後,2009年には完納となる見通しです.
ポルシェ(Porsche)のデザインが特徴の同車は,そこで打ち止めとなり,
その後はŠkoda 15T(ForCity)の出番となります.

一本あたりの価格 (9/10掲載の記事より)
Škoda 14T: 5000千万チェコ・コルナ(50 milionů korun) 約296万ドル
Škoda 15T: 6600千万チェコ・コルナ(66 milionů korun) 約391万ドル
車両寸法と定員比較
Škoda 14T: 30.25m x 2.46m,座席69,立ち席210,部分低床
Škoda 15T: 31.4m x 2.46m,座席61,立ち席239,全低床

Škoda 15T プロトタイプお披露目の公式発表:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
17. září 2008 ŠKODA TRANSPORTATION představila za účasti
primátora hl. m. Prahy Pavla Béma novou tramvaj pro Prahu ŠKODA
ForCity
(ŠKODA TRANSPORTATION s.r.o. 公式サイトへのリンク)
英語版プレスリリースは,まだ掲載されていませんが,ForCity情報は,
4月時点のものがあります.
04/16/08 Introducing a new type of tram - the 100% low-floor
vehicle ŠKODA ForCity

(ŠKODA TRANSPORTATION s.r.o. 公式サイト英語版へのリンク)

一般記事: (iDNES.czには,画像が豊富に掲載され,ビデオもあります)
17.9.2008 Dnes poprvé vyjela nová tramvaj pro Prahu. Má šestery
dveře, šestnáct motorů a GPS
(iDNES.cz ニュースへのリンク)
17/09/2008 OBRAZEM: Nová tramvaj pro Prahu. Město jich koupí 250
za 20 miliard
(Pražský deník ニュースへのリンク)
17. 9. 2008 Praha bude mít 250 nových tramvají, v Brně jsou dvě
zrekonstruované
(ČT24 ニュースへのリンク) zdroj: ČTK
先週出ていた新車購入に関する記事:
10.09.2008 DPP nakoupí nové tramvaje dříve, ušetří na renovaci
starších typů
(Finanční noviny ニュースへのリンク) zdroj: ČTK

iDNES.czの記事や画像からも判りますが,プロトタイプではシステムだけ
でなく,座席に関しても選択肢が用意されています.タトラT3と同じく
プラスチック製(中間車体)のほか,モケット張り(先頭車体),木製(後部
車体)で,後部車体は,座席にあわせて天井も木目調の化粧板?になって
います.記事タイトルにはGPSという文字が入っていますが,これは文字
通りグローバル・ポジショニング・システムで,車両の位置案内表示に
使われるそうです.

台車は車端と車体間の連接部にあるのが特徴で,車輪は全輪駆動です.
各輪専属の同期電動機は,それぞれが独立して制御されるため,車輪や
軌道の磨耗を旧型車両並みに抑えられるとか.その他にも通常の砂では
なく,シリカと呼ばれるきめ細かい粒子がスリップ防止用に用意され,
散砂量を減らせるようです.

ForCityのデザインは,チェコ出身のPatrik Kotas氏で,これまでトラム
関連だけでもタトラの部分低床車や,プラハも導入しているメトロ車両
(metra M1)も手掛けています.特に後者は前面形状がそっくりです.

ところで,旧型車置換えで200本以上の低床車発注が見込まれる街には,
カナダのトロントもあります.シュコダは,宿敵関係にあったイネコンと
提携してトロントからの受注を狙いますが,提携発表から数日も経たない
うちに,トロント側は,今後の交渉相手を100%低床車を製造している三社
(ボンバルディア,シーメンス,アルストム)だけに絞ることが,明らかに
されていました.

【シュコダ】関連ログ:
2008/8/23 イネコンと提携トロント目指す
2008/5/28 15T(ForCity)の話題あれこれ

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

トロントTTCは,先の入札で誰もが確実視したボンバルディアからの低床
車両(Flexity Outlook)提案を蹴っています.
これに関しては,ベルリンやプラハのように,Flexity・Torontoといった
特注を造らせたいとか,航空機で言うところのローンチカスタマーになり
たいからと,邪推されてもしかたなさそうです.TTCの軌道施設は,欧米
標準からみて確かにやや特殊と言えますから,そこを走る車両も,既存の
量産品では無理があるのかもしれません.
TTC: Toronto Transit Commission
ローンチカスタマー: メーカーに製造開発を踏み切らせるだけの規模の
発注を行う顧客のことで,設計に大きく関与することもあります.

posted by NeiTech at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | 欧州(独仏西蘭伊以外) このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

【シュコダ】ForCity プルゼニで試運転中
Excerpt: チェコのプラハ(Praha / Prague)市電の旧型車置換え用として開発された シュコダ初の100%低床車(通称ForCity)が,昨秋公開された工場のある プルゼニの市内線で,先週から夜な夜な試..
Weblog: 海外LRTニュース・ひろい読み
Tracked: 2009-03-23 12:01

【プラハ】市内でメディアにForCity公開
Excerpt: プラハ市が注目する100%低床トラムのプロトタイプは,これまで試験が 行われていたプルゼニから移動し,初めてプラハでお披露目されました. その期待ぶりは,市の公式サイトのトップページの左上に,画像入り..
Weblog: 海外LRTニュース・ひろい読み
Tracked: 2009-06-16 12:03
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。