ライトレールが通勤者に利用されるための重要な要素の一つに,パーク&
ライド制度があります.いわゆる公共交通利用を前提とした無料の駅前
駐車場なわけですが,ポートランドでは,他の都市圏に比べて,乗客数
あたりの駐車スペース数が少なく,ダウンタウンに近い,TriMetのライト
レール沿線にあるパークアンドライドでは,すでに利用率が非常に高く,
2009年に控えているニ本の新規路線開業後も増設が困難なため,ますます
毎朝の競争が激しさを増すとみられてます.
都心部に近いライトレール駅のパークアンドライド利用率が高いことは,
特に珍しい話ではありません.ポートランドの場合,もっとも近いのは,
東のGatewayと西のSunsetですが,それぞれ収容台数は444台と630台で,
いずれも九割以上の利用率とか.その他にも九月の調査でライトレール
沿線のTriMet直営駐車場の6か所が,同様の結果だったそうで,平日朝に
繰り広げられる争奪戦が,目に浮かんできそうです.
TriMetが保有もしくは契約している,全部で一万台近い施設全体では,
利用率は三分の二に留まっていて,場所によって利用率のばらつきが相当
ある形ですが,TriMetとしてはパークアンドライド増設よりも,通勤者に
自宅から公共交通を利用して欲しいと望んでいます.それが今回記事の
タイトルにもなりました.
パーク&ライドの建設と維持に,TriMetは利用者一人あたり月間で$30ドル
から$50を負担していることになりますが,この経費もさることながら,
TriMetの哲学としては,駅前スペースを駐車場に割くのはもったいないと
いう発想があり,駐車場よりも,利用者を呼び込む駅前の開発が,求め
られている模様です.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
October 25, 2008 TriMet wants you to ride, not park
(The Oregonian ニュースへのリンク)
Park & Ride Locations Free 24-hour parking for TriMet riders
(TriMet 公式サイトへのリンク)
TriMet: Tri-County Metropolitan Transportation District of Oregon
The Oregonian の記事にある画像に,ポートランドの利用者数あたりの
駐車スペースの割合が,他の米国西部の諸都市と比べて格段に低いことを
示すグラフが含まれていました.数値はFTAによるものだそうです.
ポートランド 0.03
サクラメント 0.07
デンバー 0.08
ダラス 0.08
ソルトレークシティ 0.14
この差について記事には,ポートランドではスプロール現象が,それほど
深刻ではないとして,公共交通の乗り場まで車を長距離走らせる必要が
なく,車ナシでも比較的容易に到達可能だからという,TriMet担当者の
説明が載っています.
カナダの研究機関によれば,公共交通での通勤時間は20分が理想的で,
30分を超えると重荷になるそうですし,乗換えも心理的に不利に働くとの
ことです.TriMetの考える通勤方法は,これを強いるものになるとか.
ポートランドの西で,ブルーラインが走るビーバートン(Beaverton)の
市長も,TODには理解を示しながらも,車なしは現実的ではないと考え,
今よりも良いフィーダーバス路線網を構築するか,当座のしのぎででも
パーク&ライドを増設する必要があると発言していることが,紹介されて
いました.
TOD: Transit Oriented Development
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
2008年10月27日
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