2009年01月21日

【キャパシタトラム】スペインとオランダでも

架線がない区間でもバッテリから給電して走る電車は珍しくなくなりつつ
ありますが,バッテリーより効率のよい電気二重層コンデンサなど大容量
キャパシタを車両に搭載するシステムも,相次いで開発されています.

電気二重層コンデンサ(Electric double-layer capacitor)は,自動車の
電力貯蔵用としてハイブリッドカーなどへの採用も見込まれていますし,
鉄道車両への応用では,日本国内でもJR東海の313系電車が,電気二重層
コンデンサーを利用した電力貯蔵システムの試験を行ったとか,ドイツの
マンハイムではトラム車両で実験されたことなどが,知られています.

バッテリと比べてコンデンサ(キャパシタ)は,電気の吸収と放出の効率に
優れ,蓄電と放電を繰り返す用途に向いている上に,バッテリーよりも
長く使えると言われています.
世界で初めてキャパシタをトロリーバスに採用した上海の例を見るまでも
なく,常に発進と停止を繰り返す路面電車向けシステムに適した性能を
持っているようです.

スペインの車両メーカーCAFは,キャパシタ(電気二重層コンデンサ)を
車両に搭載し,停留所で充電を行うトラム用システムを,CAFのお膝元
サラゴサの大学と共同で開発したと,発表しました.
架線レス区間を走る方法として,CAFでは燃料電池やフライホイール,
第三軌条も検討してきましたが,これが一番現実的と考えたようです.
CAF: Construcciones y Auxiliar de Ferrocarriles

20 Ene. CAF desarrolla un tranvía que circula sin necesidad de
tendido eléctrico
(Europa Press ニュースへのリンク)
20 ene CAF presenta un nuevo tranvía sin necesidad de que exista
una catenaria
EFEの記事 (Invertia ニュースへのリンク)

これらの記事によれば,ACRという特にトラムやライトレール車両向けに
開発された急速充電システムにより,架線レス区間の停留所では,25秒で
次の停留所までに必要な電気を蓄えることが出来るとか.
ACR: Acumulador de Carga Rápida

セビリアのメトロセントロ用車両を拝借し,3月末まではサラゴサのCAF
工場内で実験が続けられ,5月にはCAF製100%低床車が走るベレスマラガに
場所を移して試運転を行う予定だそうです.

CAFは,このキャパシタ・システムを新しいモデル,URBOS 3へ搭載する
だけでなく,セビリアやベレスマラガが導入した旧モデルのURBOS 2や,
たとえ他のメーカ製の車両でも,多少の調整で搭載可能とする模様です.

【セビリア】キャパシタトラムは2010年3月登場か?

セビリア市内中心部の大聖堂前では架線の撤去が約束されているものの,
バッテリーでは充電できる架線下区間が今の営業線だけでは短すぎると
指摘されていたメトロ・セントロ(Metrocentro)での運転は,2010年3月
からの予定です.

CAFの発表は,アンダルシア州セビリアでも大きく取り上げられました.
20-01-09 Un tranvía sin catenarias en Sevilla es posible, pero
en marzo de 2010

(abcdesevilla.es ニュースへのリンク)
20.01.2009 CAF desarrolla el tranvía sin catenarias y espera
implantarlo en Sevilla en marzo de 2010

(Diario de Sevilla ニュースへのリンク)

セビリアで架線を取り外したい区間は約400mだそうで,この日サラゴサに
あるCAF工場でメディアに公開された実験では,200m区間を4回充電なしで
走った? そうで,やむを得ず架線レス区間で停車したとしても,再び発進
して次の停留所まで走る分の性能を十分備えているとみられています.

関連ログ:
2008/9/16 【セビリア】路線延長までバッテリーは無理?
2008/9/08 【セビリア】CAFがバッテリー走行実験へ

オランダはブレーキ充電式

オランダのシーメンスも,電気ブレーキで生じた電気をキャパシタに蓄え
架線なしで走れるトラム向けシステムを開発したとの発表がありました.
今の時点ではオランダ語のみ確認済みで,詳細なデータなども見つかって
いませんが,エネルギー消費量を30%節減できるとか.

1/19/2009 Tram rijdt zonder bovenleiding door opgeslagen remenergie
(Siemens Nederland N.V. ニュースリリースへのリンク)
ここでは,ブレーキで得られる電気で架線なしの区間でも走れるトラム
という触れ込みで,これまでは無駄に放出されてきた発電ブレーキからの
電気を30秒足らずでキャパシタに取り込み,蓄えた電気を発車時などの
大きな電力を必要とされる時に取り出して使うとあります.

これがバッテリーでは,発進などに必要な大容量の電気を放出できず,
せいぜい速度を維持したり,空調などの電気を賄う程度だとしています.

電気二重層コンデンサ(DLC)を使うシーメンスのHESシステムは,実車への
装備こそまだのようですが,3/31からRail-Tech Europe 2009(ユトレヒト
開催)に出展予定だそうです.
DLC: Double Layer Capacitor
HES: Siemens Hybrid Energy Storage

内容が間違っていたりリンク切れがありましたら,ご容赦ください.
ボンバルディアは,非接触給電式のトラム車両を開発したそうです.
1/22ドイツのバウツェンでメディアに公開されました
January 22, 2009 Bombardier Presents First Catenary-Free and
Contactless Operating Tram
(Bombardier プレスリリースへのリンク)
posted by NeiTech at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | スペイン語圏 II このエントリーを含むはてなブックマーク
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