トラムの話題がもう一件ありました.
アルストムの首脳が会見で語ったところによれば,同社は二年後の完成を
目指し,新たにトラムを導入する際の総予算を,今より最大で30%も節約
する新規導入モデルを開発するそうです.
これにより,市内の路線バスにもトータルコスト面で対抗できることに
なるため,人口10万人前後の街にも市電導入のチャンスが生まれます.
ローコストトラム(Low Cost Tram)は,車両だけでなく,諸設備全てを
低価格に抑えます.30年間でみれば,導入から維持までの総経費をバスと
比較しても,ひけをとりません.
バスは30年間で車両を3回程度入替える必要がありますが,トラムなら
不要です.またバスの場合,30年もの間にはガソリン代やメンテナンス
費用が上昇していくものと説明されていました.
ローコストトラムでは,停留所などは簡素なものになるものの,車内には
お金を掛け,乗り心地は損なわないようにします.これくらいの経費は
大した額にならないからだとか.
トラム導入の風潮を感じつつも,小規模の街では資金不足からこれまでは
断念せざろう得ませんでしたが,長い目で見てトラム導入を低価格に抑え
られるモデルが登場すれば,導入への妨げが減るため,アルストムにして
みればトラムを売込める市場を拡大できる思惑もあるでしょう.
この時点では,発言がUITP会議の開催されたウィーンで行われたからか,
ドイツ語の報道しか見つかっていません.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Juni 12, 2009 Alstom Transport-Präsident Mellier: Low Cost Tram
soll Bus Konkurrenz machen
(Deutsche Business News ニュースへのリンク)
この低価格に抑えるトラムシステムは,フランス北部のヴァランシエンヌ
(Valenciennes)にあるアルストムの工場内で,開発されるそうです.
内容が間違っていたりリンク切れがありましたら,ご容赦ください.