2006年02月15日

【ポートランド】モール改造ちょっと待った!

ポートランドを走る路線バスの大半が通る,トランジットモール(バス
モール,バス通り)にLRTが走る懸念の続編(その4)にあたります.
これまでの経緯や計画内容につきましては,末尾に関連過去ログへの
リンクをまとめています.ご参照ください.


先週後半の段階で,モール沿道の商店主などが中心となり,TriMetが進め
ようとしている,バスモールへのライトレール(MAX)乗入れ案は,安全上
問題があるほか,2年にも及ぶ工事期間がダウンタウンに与える経済的な
ダメージも大きいとして,その計画に反対する人達の話が新聞に取り上げ
られました.
モール改造完成後にも,MAXへの車線譲渡から一部のバス路線はモールを
通らないままになりそうですし,ただでさえ少ない中心部の駐車場も消滅
してしまいます.このプランはトランジットモールの再活性化はおろか,
ダウンタウンをかえって不便にして,人が集まらなくなるのではないかと
心配しているのです.そして計画の再考をTriMetに求めました.

TriMetは3月にも連邦政府(FTA)に最終案を提出することになっていて,
残された時間は限られたものになってきています.
TriMet : Tri-County Metropolitan Transportation District of Oregon
FTA : Federal Transit Administration
Transit mall plan draws mix of foes
(Portland Tribuneの2/10付けニュースへのリンク)
Portland Tribune紙は週2回,金曜と火曜に発刊の無料新聞


市民団体の中には,独自の案を提示するところも出てきました.危険性が
指摘されている,ライトレールとバスの進路を交差させることを止め.
それぞれが独自の車線を走ることとし,一般車両の乗入れをバスの交通
量が多くなるラッシュ時には制限するというものです.この独自提案も,
現在の案は2年に及ぶ工事期間が長過ぎで,地域にダメージを与えかね
ないとしています.
この案は,ウィラメット川(Willamette)の河岸を走るフリーウェイを廃止
させるのに一役買ったことで知られる,Riverfront for Peopleという
組織によって提案されました.しかし今のところこれを報じるニュース
サイトは見当たらず,下記ブログに提案内容のPDFファイルへのリンク
や,提案組織へのリンクがあります.
Mall Discontent II (Portland Transport, ブログへのリンク)

そこに今度は前市長が介入してきました.市の側でもTriMet案を再検討
すべきとしていることを,Portland Tribune紙が取り上げています.
Katz joins transit mall fray
(Portland Tribuneのニュースへのリンク)

Katz氏は,2004年12月までポートランド市の市長で,通勤時に公共交通
機関を利用していたそうですから,この問題に無関心ではいられません.

以前も紹介していますが,外部の専門家からなる委員会は,昨年夏の段階
で,TriMetが進めようとしているバスとLRTの車線が,停留所ごとに交差
するようなレイアウトは奨励できないとの報告を出していました.実は
そのことも,今回のニュースソースでもあるPortland Tribune紙が先月
報じるまで,一般には知られていませんでした.
前の女性市長は,もしも自分が在任中に出た報告だったなら,その場で
現在のレイアウトの前提となっている一般車両の車線新設に対し,ひと
騒動を引き起こしていただろうと言い,更に現在一部区画で締め出されて
いる一般車両を,トランジットモール全線を通じて走らせることで,それ
が沿道にもたらす経済効果が,誇張され過ぎているとしています.

安全性の問題のみならず,これまで2車線を独占してきた路線バスが,
MAXと一般車両に車線を譲り渡すことにより,バスはその通行量を減らす
ことになります.モール改造工事中に迂回させられるバス路線の一部は,
MAXモール乗入れ後も,どれだけモールに戻せるか,これも問題です.

工事期間中の迂回案は現在TriMetのサイト上で公開されていて,TriMet
ではコメントを求めていますが,2つあるうちのいずれのケースでも,
これまで中心部では南北のトランジットモールを走っていた一部の路線
が,東西の通り,それもやや中心部から南側にずれた通りを走るように
なっていて,これにも不満や不安の声があがっているようです.

TriMet側は,トランジットモールの車線割振りを今一度設計し直すと,
コストが10%ないしは20%上昇するばかりでなく,完成時期も1-2年遅れる
ことになると反応しています.
政府の予算案(議会通過待ち)でも連邦からの資金が計上され,あとはFTA
の最終的な承認を得るばかりにまできていますが,果たしてこの先どう
なっていくのでしょうか.

「バス通りにLRTが走る懸念」関連過去ログ :
建設コスト上昇ほか (3)
バスとライトレールの走行車線交差の危険性指摘される (2)
バス専用のトランジットモールにLRTを乗入れるプラン (1)
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | 米国北西部1 このエントリーを含むはてなブックマーク
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