2006年03月19日

【シンシナティ】幻の地下鉄を現実に?

東京に地下鉄ができる以前に,オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)では
地下鉄が建設されようとしていました.1916年に現在の価値で1億ドルを
越すプロジェクトが投票で承認されます.しかし,1920年に着工された
ものの,その後の政争や政治腐敗,自動車の台頭などに見舞われて,
大恐慌を迎える前に工事は中止されました.
その時の地下道のうち2.2マイル分が,80年以上経た今日もひっそりと
道路(Central Parkway)の下に残っているそうです.上を道路が走って
いることもあり,状態は良好だそうで,地下道内を巡るツアーも時々は
行われているようです.

幻のシンシナティ地下鉄のことを簡潔にまとめたサイト :
Cincinnati Subway (英語版 Wikipediaへのリンク)
シンシナティ地下鉄計画 (日本語版 Wikipediaへのリンク)
(シンシナティの地下鉄のことを詳細に載せたサイトへのリンクもあり)

幻の地下鉄 探訪ツアーの画像集(102枚あります) :
Cincinnati Advance Subway Tour - 22 Oct '05
(J.D. Ellis (jdellis) のサイトへのリンク)
地下道への入口がある中央分離帯のバードアイ画像(東向き)
Tunnel entrance at Central Parkway and Race Street
画面で上下に走る片側4車線の道路が,かつては運河で,今は地下鉄を
走らせるため造られた地下建造物の上を走るCentral Parkway.
向きは逆ですが,上のトンネルツアーの画像集95枚目に出てくる場所で,
このあとのCincinnati Enquirerの記事にも出入口の写真があります.
(Windows Live Localへのリンク)

今回その地下道に鉄道を走らせ,3か所に設けられている地下駅も再活用
しようという動きがあります.シンシナティの当局では80年前の地下道を
現在の基準に適合させて,地下鉄として再利用可能かどうか,改修には
どれだけの経費が掛かるのかなどを調査することになっていて,年内には
結論が出そうです.
Subway plan resurfaces
City study to take another look at abandoned tunnels
(3/15付けCincinnati Enquirerのニュースへのリンク)
Cincinnati revisits abandoned subway
(3/16付けThe Plain Dealer (Associated Press)のニュースへのリンク)

上記ウィキペディアにもありますが,シンシナティのあるハミルトン郡
(Hamilton County)では,売上税の税率を引き上げて,シンシナティと
その周辺地域に,LRTなど軌道系を含む都市交通網を26億ドルかけて構築
しようとしたことがあります.しかし,その是非を問う2002年11月の住民
投票で,反対票が賛成の2倍となる大差で否決されていました.
実現はなりませんでしたが,この時すでに地下道がライトレールを走らせ
られる規格であることが確認されていたようです.

2002年当時の計画図,その後の動きを下記サイトで見ることが出来ます.
Cincinnati Metro Area Commuter & Light Rail Planning
(CINCINNATI-TRANSIT.netへのリンク)

上記サイトの後半にもありますが,今年に入ってからも,LRT建設を巡る
話は絶えず出ているようです.道路混雑は年々ひどくなる一方です.
シンシナティの位置するオハイオ州をはじめ,川一つ隔てたケンタッキー
州や,すぐ近くのインディアナ州では,人口の増加がうなぎのぼりで,
どんどん都心より離れた地域に住むことを余儀なくされています.
米国の他都市で成功している例を目にした賛成派は,再び計画を練って
います. Light rail dream is not dead
(2/06付けCincinnati Postのニュースへのリンク)

ライトレールとは別に,市内を南北に縦貫するストリートカー(路面電車)
を走らせようという計画もあります.直線で3.5マイルくらいの距離です
が,建設コストは1億ドル,運営費は年間200-300万ドルです.
Streetcar Desire Two set to roll out new rail master plan
(2/10付けCincinnati Business Courierのニュースへのリンク)

地下道の話に戻りますが,もしも,今回の調査で建設費が膨大になる
ことが判明すると,地下道はすでに一部の区間で行われているように,
地上の建造物の重さに耐えられるように,永久に封鎖されるわけでは
ないものの,地下空間を建造素材で充填されてしまうかもしれません.
posted by NeiTech at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国北東部 このエントリーを含むはてなブックマーク
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