2006年04月10日

【デンバー】LRTストの影響は果たして...

コロラド州デンバーと,その周辺の公共交通機関を担うRTDの組合が,
先週一週間ストライキを行いました.この月曜から平常に戻りますが,
先週はライトレール全線と路線バスの過半数,中心部のモールを走る
無料シャトルバス,MallRideが運休となっていました.
RTD : Regional Transportation District
MallRide :16丁目モール(16th Street Mall)内無料シャトルバス
(Downtown Denver Partnership, Inc. 公式サイトへのリンク)

前回デンバーが交通ストに見舞われたのは,1982年の春です.その時は
1ヶ月もストが続き,その後RTDは多くの利用者を失いました.スト以前の
利用者数に戻るには,2年近くを要したといいます.
時は流れ,その間にバスの台数は1.5倍に増えて,LRTも整備されてきて
います.そのLRTは,今年11月にもT-REXプロジェクトに含まれる30キロ
に及ぶ区間が開業し,LRT路線長が倍増することにもなっています.
また,今後も総額47兆ドルに及ぶ鉄道網計画(FasTracks)が控えていて,
その財源の一部となる売上税導入の賛同はすでに住民から得ていますが,
今回のストの影響が何らかの形で現れる可能性もゼロではないでしょう.

RTD 利用者 概要 (対象地域の人口 約250万人)
* 旅客数一日平均 約27万5千人(22万5千人というサイトもあり)
* ローカルバス 約11万人 (州法により,バスの45%は日頃から非組合員
により運転されることになっていて,その分はスト中も運転されました)
* エクスプレスバス 約7000人 (スト中はごく一部を除き運休)
* ライトレール 約2万8千人 (スト中は全面運休)
* MallRide 約5万人 (スト中は全面運休)
モール内の移動手段として定着している低床ハイブリッドバスが,無料
とはいえ,LRTより倍近くも利用者数が多かったとは,少々驚きです.
Downtown Denver's free bus service for commuters and tourists
(RTD 公式サイトへのリンク)

スト突入当初は,公共交通機関への依存度が高い米国東海岸でのストとは
異なり,道路大渋滞などのニュースはあまり見られませんでした.
公共交通機関への依存度が徐々に高くなっているとはいえ,通勤で使わ
れる割合は,わずか5%だそうです.完全に運行を停止したわけではなく,
約半数のバス運行が行われていることもあり,それほどの混乱がないの
かとも思われました.それでも,たとえLRTやバスが止まっても,道路が
それほど混雑しないのなら,その存在意義が問われてしまいます.

道路混雑があまり報道されなかったのは,24年ぶりのストということも
あり,労使交渉の行方のほうが,関心が高かったからかもしれませんし,
実際混雑し始めたのは,スト2日目以降だったのかもしれません.いずれ
にしても先週中ごろ,スト終結への道筋が見え始めたころから,東海岸の
大都市ほどでないにしても,やはり道路は多少混雑していたことが伝わ
ってきました.

州運輸省によれば,ハイウェイの交通量は,前週と比べて6%の増加です
が,前週は学校が春休みのところも多かったので,単純には比較できない
ようです.また,一部のハイウェイでは増加が見られませんでした.
Overuse clogs popular routes to downtown
(4/06付け Denver Postのニュースへのリンク)

スト中のサバイバルガイドでは,Carpool,タクシー,自転車など代替
手段が紹介されていました.Carpoolとは,近所同士で通勤時に車を共用
することで,登録制になっています.
Strike survival guide
(4/02付け Rocky Mountain Newsのニュースへのリンク)

デンバー中心部では,スト期間中に料金を便乗値上げする駐車場もあった
そうです.また,場所の争奪戦も以前には見られないほど熾烈でした.
Parking Lots Increasing Prices During RTD Strike
(4/05付け cbs4denver.comのニュースへのリンク)

24年振りのストで得た教訓を書き出したコラムがあります.
Commuters strike out without RTD
(4/09付け Denver Postのコラムへのリンク)
このコラムニストは,駐車料金の値上げと場所の不足,ハイウェイだけ
ではなく中心部の道路も混雑したこと,学校の問題,通勤時間が伸びた
ことなどを挙げたあと,ライトレールの功績を認めていて,FasTracks
計画に反対するのは間違っているとも書いています.
また,今回労使の仲裁に入らなかったコロラド州州知事は,2004年に行わ
れた,FasTracks建設のための売上税を認めるかどうかの住民投票の際
に,(FasTracksのような)大量交通機関は,道路混雑緩和にはほどんど
無力だと言っとかで,それは誤りだったとも指摘しました.
この共和党の州知事(Bill Owens氏)は,別名12車線のビル(Twelve-Lane
Bill)だそうですので,道路族なのでしょう.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国中部 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/16389994
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック