2006年04月26日

【ニューヨーク】地下鉄に強酸で落書き

先日,ドイツのベルリンで,まっさらな路面電車が,わずか10日の間に
落書きなどでひどい姿になったことをご紹介
したばかりですが,今度は
ニューヨークの地下鉄で,新手のグラフィティが流行りだしているという
浮かない話です.

ニューヨークの地下鉄と言えば,1980年代までは落書き電車の代名詞の
ようなものでした.それを長年にわたる駅のリニューアルと,ステンレス
車両の導入で克服してきた経緯があるだけに,意外に思われるかもしれ
ません.しかし,今度の落書きは,ペンキではなく,簡単には消せない
ガラスエッチングの一種なのです.

ガラスに細工するエッチングでは,表面を残す部分に覆いを被せ,残りを
強酸性の薬品で腐食させますが,この薬品(腐食液)に,ペンキや靴磨き
クリームを混ぜて,窓ガラスに落書きするというのが,今のグラフィティ
です.これは昔のペンキによる落書きのようには簡単に落とせず,ガラス
交換しかありません.
半年ほど前から見られるようになった,このエッチング式落書きは,今
では,ほぼ全ての路線の,ほとんどの列車に見られるようになってしまい
ました.唯一の救いは,2000年前後から導入の新型車両には,窓ガラスに
ペットボトルの素材になっている,ポリエチレン・テレフタレートの被膜
(米国ではMylarとして知られる)があるため,落書きされても,それを
剥がすだけで済むというものです.
新車とは,恐らくボンバルディア製R142と,川崎重工製R142Aのことだと
思われます.

昔の落書きと比べ,芸術的センスの欠如もさることながら,厄介なことも
増えています.ガラスを腐食させる薬品は有害で,乾かないうちに指に
でも触れると,やけどの恐れがあります.しかも,昔のグラフィティは,
車庫に忍び込んで書くというのが主流で,その意味では乗客には全く無害
でしたが,今は乗客がいる営業列車で描きますので,危険が伴います.

ちなみに,窓ガラスの交換は1枚につき$130だそうです.
全車両をMylarでコーティングしてしまえば事は簡単かもしれませんが,
費用と有効性の問題から,決定には至っていません.
Graffiti Back in Subways, Indelibly This Time
(New York Timesニュースへのリンク)

ニューヨーク市には,アンチグラフィティ法(Anti-Graffiti Law)という
ものがあり,今年1月から施行されています.しかし,言論の自由を奪う
憲法違反だと,ニューヨーク市は訴えられています.
New York's graffiti law said to violate free speech
(Reuters ニュースへのリンク)
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | 米国北東部 このエントリーを含むはてなブックマーク
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