2006年07月22日

【ミュンヘン】英国庭園の横断は架線レスで?

街中の公園としては世界でも最大級の広さがある英国庭園(Englischer
Garten)を横断する路線を,何とか開設したいSWMとMVGは,問題の場所
だけ反対理由に挙げられている架線を張らずに,電車を通す方法を探る
ようです. SWM : Stadtwerke München GmbH
ミュンヘン市(München)の公共サービスなどを管轄.
路面電車,地下鉄Uバーンやバスなどの市内公共交通機関を運行するMVG
(Münchner Verkehrsgesellschaft mbH)などを子会社にもつ.


英国庭園を横切る市電路線は,百年前から計画があったものの,景観破壊
などを理由に今日まで建設されずにいます.
問題の区間は,市の東側のBogenhausen(13区)と,西のNeuhausen(9区)の
間を結ぶ路線の一部にあたっていて,8kmの路線のうち前後6kmはとうに
完成して電車が走っていますが,英国庭園に阻まれた部分は,庭園を所有
するオーバーバイエルン(Oberbayern)政府が建設に反対していました.
SWM側は,裁判所にまで話を持込みましたが,今年3月末にバイエルン州
行政裁判所(Verwaltungsgerichtshof)がSWMの主張を退けていたのです.
ここまでは「市電路線を巡る百年論争」で紹介しています.

しかし,SWMとMVGはあきらめません.Tram-Nordtangenteと呼ぶ北側の
バイパス路線は,それだけ必要とされているのです.都心部に流れこむ
交通量を減らせると考えられているからで,架線レスで電車を走らせる
方法を探ることになります.

方法としては,フランスで採用されている地表集電(APS)のような,地上
にも大掛かりな装置を必要とするものではなく,近年は性能向上と軽量
化がめざましい,蓄電池を車体に搭載するバッテリートラムが考えられ
ています.具体的には,Stadler Railに発注した100%低床車Variobahnの
一両に,"Supercaps"と呼ばれる高機能のコンデンサを大容量で軽量化
されたバッテリとして屋根上に搭載して,2008年かその翌年にはテストを
開始させたいとしているのです.
軸重制限を越えない重量分だけの搭載でも,ブレーキにより生じる電力を
蓄積して,1km程は給電なしでも走れるようになるだろうとのことです.

下でリンクを紹介している南ドイツ新聞の記事によれば,誤訳かもしれ
ませんが,ミュンヘンでは架線のない区間がまだあった20世紀初めの頃,
その区間だけ蓄電池で駆動する機関車をトラムに連結して走らせていた
こともあるようです.


19.07.2006 Tram durch den Englischen Garten:
(MVG プレスリリースへのリンク)
20.07.2006 Moratorium im Verfahren, neue Technik ohne Fahrleitung
weiterentwickeln
(MVGと同じ内容)
(Stadtwerke München GmbH へのリンク)

19.07.2006 Batterie-Tram durch den Englischen Garten?
(Süddeutschen Zeitung ニュースへのリンク)
20.07.2006 Englischer Garten - Der Tram-Traum
(Münchner Wochenanzeiger ニュースへのリンク)

未完成の市電区間は,Elisabethplatz - Tivolistraße間で,現在は路線
バスが走っています.(橙色の点線部分)
muc01.png
青 : 路面電車(Tram)
灰色(点線) : 地下鉄(U-Bahn)
灰色(太線) : ドイツ鉄道,Sバーン
赤字のHauptbahnhof : ミュンヘン中央駅 所在地
資料を基に独自に構成したもので,正確ではないかもしれません

flickr で見る,Englischen Garten

ヴァリオバーン(Variobahn)は,低床車両の追加として昨年秋に3本が発注
されました.オプションとして19本も含まれています.
(リンク先はStadler Rail AG 公式サイト英語版)

Variobahn導入を発表するプレスリリース :
14.10.2005 Modernisierung der Münchner Straßen-bahnflotte:
SWM bestellen drei Variobahnen

(MVG プレスリリースへのリンク)

ヴァリオバーンは,ADtranzから販売されていた低床車で,ギアのない
ハブモータで駆動する方法により,車軸をなくして低床化を実現します.
Stadler Railは,ADtranzを吸収したボンバルディア(Bombardier)から
製造ライセンスを買っていました.ミュンヘン市電で活躍中の低床車は,
ボンバルディア(元AEG)製ですが,この発注では見積り額の折り合いが
つかなかったと言われています.

誤訳や誤解で内容が間違っている可能性もあります.ご容赦ください.

関連過去ログ :
2006/3/17 市電路線を巡る百年論争
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | ドイツ I このエントリーを含むはてなブックマーク
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Excerpt: 昨日最後にミュンヘンのバリオバーン(Variobahn)の話題を出したあと, ビルト(Bild)紙と同じタブロイド新聞のAbendzeitung紙が,違う切り口で バリオバーンの記事を出していました...
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Tracked: 2008-07-05 12:00
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