サウスカロライナ州シャーロット(Charlotte)では,都市圏の公共交通の
輸送力を,4倍に増強する交通整備計画を2002年に立てました.
その2025 Corridor System Planには,シャーロットの中心街,アップ
タウン(Uptown)から放射状に5方向へ,鉄道または,BRT(バスラピッド
トランジット)などの大量輸送機関を延ばしていく案が含まれています.
すでにシャーロット市の人口は約65万人,都市圏全体では160万人に達し
ようとしています.
今年2月にLynxというニックネームが付けられた輸送網のうち,南方面に
延びるSouth Corridorは,ライトレールという形で建設中で,2007年には
開業する見込みになっています.こちらでも何度か取り上げました.
その他の方面では,北へ向かうNorth Corridorは,通勤鉄道(Commuter
Rail)が,北東方面へのNortheast Corridorでは,ライトレールが検討
されています.残る2方面では,西へのWest Corridorが路面電車かBRT,
今回報道のあった南東方面へのSoutheast Corridorは,ライトレールか
BRTのいずれかが選ばれることになっています.
南東へのSoutheast Corridorでは,主に主要道路のインデペンデンス通り
(Independence Boulevard)上に,都心から14マイル弱のライトレールか
BRTを敷こうとするもので,最終的には,シャーロット市を周回する環状
高速道路のI-485と交差する,人口2万人強の衛星都市,Matthews市まで
至ります.
計画の具体的内容は,この地で路線バスを運行し,Lynxも運営することに
なるCATSのサイトをご参照ください.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
CATS : Charlotte Area Transit System
2025 Corridor System Plan 5方面への交通整備計画概要
南東方面への Southeast Corridor
(CATS 公式サイトへのリンク)
Southeast Corridorにどのモードを使ったらいいのか,CATSの調査報告が
8月上旬に発表されました.それによれば,ライトレールは費用がBRTより
高くつく上に,予想される輸送人員もBRTより少ないとなっています.
8月上旬に行なわれたプレゼンテーションが,32ページのPDFファイルで
掲載されています.Southeast Corridorの路線図や両者の比較も載って
います. August 2 and 3, 2006 Public Meeting Presentations
(CATS 公式サイトへのリンク)
厳密には,選択肢は次の3つがあります.
Light Rail, Bus Rapid Transit, Bus Rapid Transit with HOV
ライトレールとBRTでは,前者のほうがお金が掛かるのは当然としても,
予想輸送人員が低いのは,計画される運転間隔に差があるためでした.
車両個々の輸送量ではライトレールの方が上回りますが,ライトレールが
7.5分間隔を想定しているのに対して,BRTでは3分間隔なのです.ライト
レールはLRV17本を,BRTはバス33台を使うことになっています.
LRT : 建設費 5億8500万ドル,2030年輸送人員予測14400人/日
BRT : 建設費 3億2500万ドル,2030年輸送人員予測16000人/日
この報告を受けて,メクレンバーグ郡(Mecklenburg County)内の市長や,
同郡とノースカロライナ州運輸省の担当者らからなるMTCが,8/23に投票
で,ライトレールかBRTかを決めることになっていました.
MTC : Metropolitan Transit Commission
MTCでは市民も意見は言えますが,直接の投票権はありません.
BRT(バスラピッドトランジット)が有利となる数字が示され,これでは
ライトレールだと連邦政府からの補助金を得られない可能性が高いとされ
ながらも,住民には鉄道建設を期待する声が多く,MTCでの投票結果が
注目されました.
MTCによる投票前夜の報道 :
Wed, Aug. 23, 2006 LIGHT RAIL GRIDLOCK
Wed, Aug. 23, 2006 Will it be light rail, busway or nothing?
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)
しかし,予定されていた8/23には結論を出せず,9月に延期となるという
報道が入ります.LRT対BRTの結果は,早くても来月に持ち越しです.
8/23/2006 Southeast light rail debate continues
(News 14 Charlotte ニュースへのリンク)
Thu, Aug. 24, 2006 Choice put off on bus or rail
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)
決定先送りは,データ的にはBRTを選ぶべきでも,住民への配慮が政治的
には必要だからということのようですが,決定延期でライトレール案が
急に有利になるものでもなさそうで,8名の構成員からなるMTCのうち,
5人はBRT案に票を投じるだろうと見られています.
また,今回の延期は次なる議論,建設中のサウスコリドーの次はどこを
建設すべきか,という懸案にも影響を与えそうだとのことです.
この件は,来月続報が入りましたら,また紹介します.
シャーロット ライトレール 関連過去ログ リスト:
2006/6/12 LRV間もなく到着
2006/3/28 Lynx成功の鍵はzoning変更に
2006/2/14 渋滞緩和策の切り札が渋滞を招く?
2005/12/16 LRT工事本格化でトロリー運休
2005/8/27 LRT開業まであと1年半
2006年08月24日
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【シャーロット】5年後に決定延期とLRT危機
Excerpt: 南東方向へのモード選択は5年後に決定先送り, そして建設中のLynxにも危機が?
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