リンツ(Linz)の路面電車は,2004年夏,リンツ中央駅(Hauptbahnhof)の
前後1.9キロ区間を地下化しました.それまで中央駅駅前に入る線路は,
北側からしかありませんでしたし,そこで折返すしかなかったのですが,
地下化で南側からもすんなりと進入できるようになった上に,そのまま
北方面へ直通できるようになります.
もちろん,その地下部分は専用軌道で自動車の進入は許されていません.
しかし,この3月にもご紹介したように,時々迷い込んでしまう車があり
ます.今月も,自動車が地下区間を全線走破してしまいました.しかも
今度は,途中駅で路面電車を追い抜いたそうです.
下記報道によれば,幸い乗客が危険にさらされるようなことはありません
でした.今度の進入は前回とは逆の北からで,夜10時ごろの話です.
ちょうど祭りの関係で電車の運行は中央駅以南になっていました.
(見てきたわけではありませんが,双方向折返し可能なように,中央駅の
両端には,地下に折返しのループ線があるようです)
誤進入した自家用車は,途中で引き返すこともなくそのまま走り続け,
遂には先行する電車に追いついてしまいます.そして,最後の駅で電車が
停まった時にとうとう追い越しました.そのHerz-Jesu-Kirche駅は,相対
式ホームで,地下というよりは,そこはもう出口の寸前で青天井になって
いて,天井を支える支柱も線路の間にはありません.
今度の報道でわかったことですが,不審な車両がトンネルに進入した時
には,トンネルの照明が一斉に全部点灯するそうで,それを合図に電車は
徐行して備えることにしています.地下の照明全点灯は,トンネル内を
明るくして視界を確保するとともに,運転手に何かが起きていると伝える
警告にもなっているのでした.
今回も,照明が全部ついたことにより電車が徐行していたため,車が追い
付いてしまったようです.
前回の進入で,南側の地下への出入口には,警告標識が設置されました.
それ以降は誤進入がなくなったとのことです.他に2回ほど途中まで進入
したケースがあったものの,すぐにUターンして事なきを得ました.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
先週の報道から :
22.08.2006 Wieder Geisterfahrer in Linzer U-Bahn
(OÖNachrichten ニュースへのリンク)
出てくる駅名などは,下記で場所を確認できます.
Linz Linien Linienplan (路線図)
(LINZ AG LINIEN 公式サイトへのリンク)
英語版の簡単な解説と,地下区間周辺の路線図 :
Linz Tram - Straßenbahn (UrbanRail.Net へのリンク)
地下区間の設計図や,工事中の時からの画像がまとめられているページ :
(Goethekreuzung側(北側)の進入口の画像もあります)
Austria, Linz, Tramwaytunnel Hauptbahnhof
(Viennaslide へのリンク)
flickr で見る Herz-Jesu-Kirche 駅
Fotoberichte (LINZ MOBIL へのリンク)
膨大な数の画像が出てきますが,そのうちのVorbeugung 17.08.2006に,
Herz-Jesu-Kirche=Bulgariplatz間の(南側の),最近のものと思われる
警告標識を付けた後の出入口の画像が掲載されています.
自動車が間違えて入ってしまうのは,現場を知っているわけではありま
せんが,進入口も舗装されていて,特に夜間はうっかりしてしまうのかも
しれません.
路面電車の一部地下化は今に始まったことではなく,オーストリアでも
ウィーンにありますし,ドイツでも幾つかの都市でみられますが,これら
初期の進入口では,いずれもバラスト軌道などで,意図的にそうしたのか
どうかは不明ですが,車が物理的に進入しづらい構造です.
これに対して最近建設された地下化の例では,路面を走っているのと同じ
構造で地下を走るケースが多いようです.
写真などを見る限り,リンツと同じ年に地下区間が誕生したドイツの
ロストックでは,出入口はバラスト軌道で駅だけ舗装されています.
舗装のほうが軌道保守の面で有利なのでしょうか,それとも緊急車両など
も走れるようにしたのか,あるいは将来路線バスも乗り入れできるように
したか,そのあたりの理由もよくわかりません.
前回 : 2006/3/31 トラム地下駅に迷い込む自動車
2006年08月28日
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