2006年09月13日

【バーゼル】2008年秋に全コンビーノ復帰か

コンビーノ(Combino)の修繕問題で,バーゼル(Basel)BVBから昨年11月に
修理のため工場入りしていた1編成は,完了予定を過ぎても満足な結果を
得られず帰還が遅れていましたが,ある装置を加えることでシーメンスの
コンピュータシュミレーション上で35年間の車両設計寿命を満たすことが
確認できたとして,12月にも戻ってくることが明らかにされました.
残りの27本についても,一度に6本までを限度にドイツのクレフェルト
(Krefeld)工場に運ばれて,2008年秋までには全車の改修を終えられる
とのことです.それにより,2008年6月から開催される,欧州サッカー
連盟(UEFA)主催のEURO 2008大会の輸送は,何とかしのげそうです.
BVB : Basler Verkehrs-Betriebe (バーゼル交通会社)

BVBは,コンピュータによる理論的な車両構体の強度解析だけではなく,
実地測定による裏付けを欲していますが,スイス連邦の当局が資料を受け
取って,認可が下りるものとみています.
追加される装置とは,車体間の相互の動きを圧力で制御する,一種の揺れ
制御装置(原文ではhydraulische Wanksteuerung)で,これで車体の位置を
適正に保つことにより,アルミ車体の接合部への負担が軽減されて車両
寿命が延びるとともに,乗り心地も向上するとしています.なお,費用は
明らかにされていません.

修理のための工場入場が本格化することにより,トラム2系統では低床
車両が全く走らない状態が2年続きます.2系統に低床車を一切入れない
代わりに,他の系統への低床車の割合を高めるものですが,2系統が選ば
れたのは,他のトラム路線や,低床バスが導入されている路線と重複して
いる区間が多いからだそうです.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
路線図 Liniennetz (BVB 公式サイトへのリンク)

バーゼルは次に導入する低床車を,Stadler Rail AG(シュタットラー)の
Tangoに決定していますが,最初の車両が到着するのが2008年の予定で,
それから少なくとも2年間は試運転が行なわれることになっています.

バーゼルの地元紙による今回の報道 :
12.09.2006 Basler Combino-Trams sollen zur EURO 08 saniert sein
(Basler Zeitung ニュースへのリンク)

今年7月初めの時点でも,入場しているBVBのコンビーノが戻ってくるのは
12月の見通しと言われていました.その場合は営業運行への復帰は2007年
になることから,残りの27本も同じくらい時間が掛かるなら,その半分が
修理を終えるだけでも6-7年は必要だと,同紙は書いていたものです.

コンビーノのような車両では,間に連接部分を挟む(同一車体内ではない)
台車中心間の距離が従来の車両に比べて長くなり,車体間の連結部分に
大きな力が加わることになります.しかし,他の車種には設けられている
車体間ダンパがコンビーノにはなく,動きを吸収にづらい連結方式だった
ことから,走るたびに車体にストレスが溜まっていきました.

このため,設計どおりの車両寿命まで走らせるには,連接上部に生じる
車体間のねじり力から構体を保護すること,台車と車体の結合からくる力
から構体を保護すること,その他の力からも耐えられるように,構体を
強化することの3つが必要とされてきました.その方法として,以前から
今回の措置のような対策は,5車体コンビーノではアムステルダムの車両
などで実験されて提案されていたはずです.
今回は,計算によって7車体のバーゼル車にも有効な方法が提示された
というのが,ニュースになったのかもしれません.


他の都市のコンビーノに関しては,先月次のような報道がありました.
16.08.2006 Combino noch nicht repariert
(Märkische Allgemeine ニュースへのリンク)
ポツダムの記事ですが,タイトルからして良い話ではないようです.

30.08.2006 Sanft und fest dank der Combino-Kur
(Badische Zeitung ニュースへのリンク)
こちらはバーゼルと同じ7車体のコンビーノを所有する,フライブルク
(Freiburg)の記事です.タイトルでは良さそうな話ですが,残念ながら
記事を読むことが出来ません.

下記画像のような,S字カーブで生じる車体間の捻れによる力が,過小
評価されたのが間違いの元でした.おまけに,詳細な実験の結果,即座に
安全性を損なうことにはならないことが後で判明しますが,それこそ後の
祭りだったのです.
走行距離が同じなら,車体構成によって亀裂を生じさせる影響の強弱が
異なりますが,フライブルクが採用した7車体の両運転台が,一番影響を
受けやすいとのことです.


バーゼル(Basel) 片運転台方式7車体 :
左は,建物の横線と比べると判るように,下り坂の入口です.
右のようなS字カーブを通るたびに,車体は悪影響を受けます.
BVB_Combino1.jpg BVB_Combino2.jpg

フライブルク(Freiburg) 両運転台方式7車体 :
VAG_Combino1.jpg

誤訳や誤解で内容が間違っている可能性もあります.ご容赦ください.

バーゼル コンビーノ関連 過去ログ リスト :
2006/5/09 新車はTangoに決定
2006/4/05【Combino】バーゼル車の改修に遅れが
2005/11/25 車体改良でコンビーノ旅立つ
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | スイス このエントリーを含むはてなブックマーク
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