2006年10月10日

【パリ】メトロでの外環状線構想

今年7月に就任したRATPの新しい代表が,パリの外周を走るメトロ構想を
復活させるとの発表を先週末に行いました.
RATP : Régie autonome des transports parisiens (パリ市交通公団)

この10年間で,パリの郊外同士の行き来は20%も増えていて,都心を経由
せずに郊外同士を結びつける必要がでてきたためです.métrophériqueと
プロジェクト名を付けられた地下鉄は,パリ市の外周を巡る高速道路,
périphériqueから2-3キロの範囲を走り,都心から放射状に伸びてくる
メトロ(地下鉄)と交差して接続することになります.このため,パリ市内
での標準的な地下鉄の駅間隔距離が2キロなのに対し,Metrophericでは
1キロごとに駅を設けることになるようです.
40キロに及ぶループ地下鉄の建設費は,少なくとも40億ユーロから,上は
60億ユーロにまで達するとみられています.
périphérique : Boulevard périphérique de Paris (全長約35キロ)

このほかにも,今年の投資額は9億ユーロで,前年の7億9千万ユーロを
上回ることになることも発表されています.これはメトロ13号線近代化に
投じられるほか,トラム建設や14号線の延長にも使われます.

また,欧州議会の求め?に従い,競争原理を取り入れていくともありま
した.現在RATPは,一部のRERがSNCFで運行されている以外は,イルド
フランス内の公共交通をほぼ独占的に運営していますが,これがSNCFとの
競争になるのか,他社の参入があるということなのかどうかは不明です.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
先週末の最初の一報は,AFPが記事を配信しました.
07.10.06 La RATP relance le projet de métro autour de Paris,
le "métrophérique"
(20Minutes - avec AFP - ニュースへのリンク)

パリのメトロ環状線計画というのは,これまでにもあったようです.
すでに,パリでは一部の路線をつなぎ合わせると,環状ルートを形成して
いますが,構想でははるかに外側を走る,いわば外環状線になります.
Orbitaleとか,super métro(スーパーメトロ)という言葉がキーワードに
なっていたようで,公式のものは見つけられませんでしたが,今年1月に
投稿された下記ブログに,その概念図らしきものがありました.
10 janvier 2006 Transports en commun : priorité à la banlieue !
(Paris est sa banlieue ブログへのリンク)
記事の中の二番目の画像がスーパーメトロ構想を表していて,クリックで
拡大できます.


現在の話に戻りますと,週が明けて,その反響なども報道されました.
まず,Métrophériqueの構想地図が明らかにされました.ここからは,
20Minutes単独記事へのリンクです.
Carte Le projet de tracé du Métrophérique (PDF)

20Minutesが入手した地図によれば,第一期区間の開業が間近に迫り,
延長も予定されているT3(トラム)よりも,さらに外側を走ることになり,
同じトラムのT1よりは内側を,T2とは一部路線が重複しているところも
ありますが,基本的には外側になるようです.
昔の環状線Orbitale計画の予定線も載っていて,パリ市の東に飛び出す
ように広がるヴァンセンヌの森(Bois de Vincennes)を,Orbitale計画は
パリ市寄りで突っ切るのに対し,Métrophériqueは外側を回りこみます.
その他は,ほぼ昔と変わらない路線になるようです.


続いて単独インタビューや,各方面の反応など :
09.10.06 La RATP rêve de faire un tour en banlieue
09.10.06 Pierre Mongin : «Une boucle de 40 km pour relier les
grandes villes»
(RATPの新代表への質疑応答)
«Il faut de la synergie, assez de cette concurrence SNCF-RATP !»
(20Minutes ニュースへのリンク)

メトロ外環状線計画はトラム路線と重複しますが,郊外対郊外の交通の
利便を高めるには,信頼性が高く,より早い交通機関が求められていると
しています.それには地下鉄が最適で,たとえ60億ユーロを投じても,
すでに10-12%を占める郊外間の移動が,今後20%に増加することに対応
できる上に,intra-muros(環状道路の内側)の交通事情をも改善できる,
地下鉄が必要と判断されたようです.
また,現在郊外から都心への自動車の流入が多いのは,駅にパークアンド
ライドの設備がないからで,ヴァル・ド・マルヌ県(Val-de-Marne)(パリ
の南東にある県)内のRER(A線)の駅のように,市長により駐車場が撤去
された例もあるのだそうです.これに対して,メトロ外環状線の駅では
パークアンドライドを可能にするという話も出ました.
RER : Réseau express régional d'Île-de-France

不明な点や,誤訳や誤解による内容の間違いはご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | フランス このエントリーを含むはてなブックマーク
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