2006年10月21日

【パドヴァ】トランスロールを改良?

クレルモン=フェラン(Clermont-Ferrand)とパドヴァ(パドバ)(Padova /
Padua)で,旅客を乗せない状態の実質的な運行を開始していたトランス
ロール(Translohr)が,相次いで案内輪の脱線を起こしていました.
パドヴァでは,地元新聞のパドヴァ版トップページにtram(metrotram)の
文字がない日は,このところありません.先日までは連日のように写真も
掲載されていたほどです.

その中に,脱輪を防止するため,パドヴァでは改造を加えることになった
という記事がありました.
改良点は2つあります.一つは中央のガイドレール上の障害物を察知し,
それを物理的に排除する装置を先頭の案内輪の前に設置することで,二つ
目は,電気的に軌道の異常を発見する?装置です.2つ目は非常ブレーキ
とも連動します.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
パドヴァでの改造内容を伝える記事 :
19 Ottobre 2006 Tram, tutti i carrelli vanno modificati
上段の記事の続編 Il tram ci riprova martedì, dopo le modifiche

行なわれた案内軌条の点検と改修は,多くの時間と労力が割かれただけ
でなく,その影響で道路交通を混乱に陥れました.
20 Ottobre 2006 Rotaie da controllare al millimetro
レール敷設に高い精度が求められるのは,鉄軌道と鉄車輪の場合でも同様
ですが,トランスロールの場合,案内軌条の高さ?(幅?)は最大4.8cmで,
これを超えてはならず,2ミリでもレール面が高く?なると,問題が生じる
ようです.
正式な発表があったのかどうか未確認ですが,パドヴァの脱輪は,軌条
敷設時に生じた,軌道面のわずかな不整が原因とみられています.

disastro(災難)とまで記事で書かれるようになったトラム.
20 Ottobre 2006 Metrotram che disastro. Davanti ...

日付は前後しますが,イタリアで同じトランスロールを導入するメストレ
(Venezia Mestre)とラクイア(L’Aquila)の担当者とともに,走行試験が
行なわれました.そのことを伝える記事 :
18 Ottobre 2006 Tram: oggi qualche giro, da lunedì le corse

これ以外にもありますが,とても読み切れませんでした.
(ここまでは,Il Gazzettino On Line ニュースへのリンク)

ゴムタイヤ式トラムなどの歴史を振り返るフランス語の記事もあります.
20 octobre 2006 Les tramways sur pneus à guidage par monorail
(AgoraVox へのリンク)
中央のガイドレールと鉄車輪のガイドロールを採用した,ナンシーのTVR
でも当初問題があったこと,その後にTVRを開業させたカンでは,ガイド
レールを強化するなどの対策が講じられたこと,両市では現在は問題ない
ものの,ゴムタイヤトラムの売りであった,建設費の安さは幻だったこと
なども取り上げられ,今回のトランスロールの一連の脱輪で,どちらも
中央ガイドレールと鉄車輪ガイドロールの組合せが弱点であると記して
います.それに対して,光学式ガイドウェイバスは問題なく走っている
とありました.しかし,米国ラスベガスで導入されたCivisのBRTでは,
光学式ガイドウェイの使用を,問題があって中止したはずです.


不明な点や,誤訳や誤解はご容赦ください.

直近のトランスロール 関連過去ログ :
2006/10/15 【トランスロール】案内輪逸脱はパドヴァでも
2006/10/14 【クレルモン=フェラン】本格開業はお預け?
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(2) | TrackBack(6) | 欧州(独仏西語圏外) このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
TVRについては、Stadtverkehr誌10月号にも少し詳細な記事が出ていました。
こちらも、建設費は結局路面電車並みとなった事、軸中が重いため、道路の摩耗が激しいと記されています。
Posted by ノクターン at 2006年10月27日 00:17
コメントありがとうございます.
道路の磨耗が激しいというのは,カン(Caen)でTVRを見た際に実感して
きました.タイヤが同じ場所を通るため,その部分が掘られて溝のよう
にもなってしまいます.それを補修した跡が随所にありました.

鉄車輪が全輪重を担う普通の鉄道とは異なり,ゴムタイヤ式トラム
では,TVRにしろトランスロールにしろ,ゴムタイヤと案内輪で輪重を
分担することになると思います.
それでもゴムタイヤの走行輪の輪重が大きいということは,それだけ
案内輪の輪重負担が小さくなっていて,横圧とのかねあいとなる脱線
係数が大きくなっているのでしょう.
その分,案内輪が簡単に脱線しないよう工夫が凝らされているはず
ですが,実験線では問題なく機能していても,いざ路上を走らせて
みたら問題続出というのが,今回の一連の脱線なのかもしれません.
JR北海道にDMV(デュアルモードビークル)という,線路と道路の両方
走れる車両がありますが,その初期開発時に,レール走行時に操舵を
担う鉄車輪と,駆動力を担うゴムタイヤへの輪重の割り振りに苦労
されたという話を聞いたことがあります.
Posted by NeiTech at 2006年10月27日 19:50
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