2006年11月22日

【アルバカーキ】市電計画は住民投票か?

ニューメキシコ州アルバカーキ(Albuquerque)では,市の中心を東西に
走る目抜き通りのセントラルアベニュー(Central Avenue)に,ストリート
カー(streetcar)を走らせる計画を,同市市長を中心とした市が進めて
います.アルバカーキ市は人口急増の著しい街で,2005年には50万足らず
だった人口が,2010年には54万人を超えるとみられています.

その市電計画は,今月はじめに市議会が計画を承認するなど,ここにきて
矢継ぎ早に事が進みました.しかし,決して安い買い物ではないだけに,
市当局の先走りが警戒されたのか,ブレーキがかかります.

11/06の市議会では,6対3で計画が可決されていますが,今度は財源を
巡る問題(公債の発行)で,再び12/04にも市議会で投票が行われることに
なります.州の規則で,公債の発行が承認されるには9名中7名の賛成を
得なければなりません.前回も反対が3名いたため,今度は通りそうに
ありません.そうなると,今度は市民投票にかけられることになり,来年
2/06が検討されています.路面電車建設の是非を巡る投票ですが,市長は
否決されるとして,何とか投票を回避したいようです.

反対票を投じた市議の中には,市電計画自体を好意的にとらえていても,
資金源と見込む,歳入を担保にした公債(revenue bonds)発行には,住民
投票が欠かせないと主張しています.その返済には交通税があてられる
からです.今週,市の計画が適切かどうか,建設費やその見返り,路面
電車を近年導入した他の都市の近況など,市とは切り離した分析を行う
調査を要求しています.
一般からの反応も厳しいものがあります.最近,市長と賛成派の6名の
市議により,住民投票なしで交通税の期限を2020年まで延長したことも,
不信感となって影響を及ぼしています.
加えて,グレーター・アルバカーキ商工会議所(Greater Albuquerque
Chamber of Commerce)も,路面電車に好意的ではありますが,数週間前
には交通税の投入に賛成との表明を打ち出していたものを,ここにきて
それは市民の投票なしでもという意味ではないと,一歩引き下がる所信を
出しました.

現時点で市が負担する建設費は,1億5千万ドルと見積もられています.
東西に走るCentral Avenueだけでなく,そこからABQ空港へ伸ばす路線も
計画にありますが,こちらはニューメキシコ州が負担することになって
いて,その区間も含め8マイルの総予算は2億7千万ドルです.
ABQ : Albuquerque International Sunport

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Tuesday, November 21, 2006 Voters May Get Say On Streetcar
(Albuquerque Journal ニュースへのリンク)
November 21, 2006 Streetcar backers will seek voters' approval
(The Albuquerque Tribune ニュースへのリンク)

夕刊紙のアルバカーキ・トリビューン紙は,論評解説を載せていますが,
論者は金の無駄遣いとして市電計画に反対の立場を示しています.また,
アルバカーキ市民だけでなく,資金の半分はニューメキシコ州にも依存
する計画のため,州全体でこの問題を注視する必要があるとしています.
November 21, 2006 Commentary: Don't get railroaded by trolley
(The Albuquerque Tribune ニュースへのリンク)
この記事で引き合いに出されたコミューターレールのRail Runnerとは,
正式名がNew Mexico Rail Runner Expressで,5億ドルを投じてBNSFの
貨物線上で,今年7月から運転されています.当初こそ一日平均4千人を
超える利用者がいましたが,物珍しさが薄れた秋口からは,2千人台に
まで落ち込んでしまいました.その二の舞を踏むことになるというのが,
書き出しです.

紹介されているリオグランデ財団法人?のサイトには,財団が路面電車
計画に反対する10の理由が記されていました.
1から3までは金のことで,その他は,推進派が引き合いに出す成功例の
ポートランドとは,人口密度が違いすぎる(アルバカーキが低い)こと,
そのポートランドでも,(これも反対派に良く使われる資料からですが)
ライトレール建設決定前のほうが,全交通量に占める公共交通の割合が
高かった(1982年に2.6%だったのが,2.3%に減った)ということを挙げ,
さらにLAの例を出して,鉄道建設への巨額の出費が,ほかの公共交通の
値上げや運行本数削減を招き,鉄道路線の恩恵を受けない地域が衰退した
ということも記されています.(詳しくは本文をご参照ください)
With City Council Vote on ($224) $270 Million “Modern Streetcar”
Looming, the Rio Grande Foundation Provides 10 Reasons to Oppose

(Rio Grande Foundation へのリンク)

最後になりますが,市のサイトに路面電車計画の概要が載っています.
Albuquerque's Modern Streetcar
Modern Streetcar Proposed Alignment (計画路線図)
(City of Albuquerque 公式サイトへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国中部 このエントリーを含むはてなブックマーク
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