マサチューセッツ州ボストン(Boston)のBRT(Bus Rapid Transit)シルバー
ライン(Silver Line)を運行するMBTAが,差別問題で沿線のWashington
Street Corridor Coalitionから苦情が申し立てられていた件で,連邦
当局はこれを棄却したという報道がありました.
MBTA : Massachusetts Bay Transportation Authority
シルバーラインの最初に開通した区間は,ダウンタウンとロクスベリー
(Roxbury)やサウスエンド(South End)間を結ぶもので,ワシントン通りを
走っています.
RoxburyとSouth Endはマイノリティが多く住む地域で,そこへ向かうBRT
(バスラピッドトランジット)は,白人の多い地域への交通機関,すなわち
地下鉄やライトレールよりも劣っていて,とても代わりになるものでは
ないというのが,苦情の内容でした.
ワシントン通りのシルバーラインは,BRTと言っても実はおよそ名ばかり
のものでした.専用レーンがあっても,違法駐車に邪魔されたり,これ
からの季節は雪が溜まって,思うように走れないのが実情で,一般のバス
と何ら変わりない状態だったのです.おまけに,優先信号システムさえ,
一部に設置されたのが,この3月からだそうです.
これが,全く新しく導入された公共交通なら,諦めがつくのかもしれま
せん.しかし,この通りには1987年まで地下鉄オレンジラインが走って
いたのです.BRTのシルバーラインは,その代わりにMBTAが導入したもの
だったのですが,全くの期待外れとなり,それが公民権法違反ではないか
という差別問題へと発展していったのでした.
地下鉄オレンジラインは,1987年にルートを北に移しました.
ワシントン通りやRoxburyから地下鉄が奪われた形になりましたが,その
あたりの経緯は,日本語で紹介しているブログがあります.
下記リンク先を参照してください.
さて,訴えは棄却されましたが,連邦当局FTAの公民権局?(Office of
Civil Rights of the Federal Transit Administration)は,MBTAに対し
年4回の報告を義務付けました.乗車率の経緯や,定時運行率,清潔性
などに加えて,専用レーンがどれだけ維持できているかといったような,
具体的な内容が含まれます.
シルバーラインは,2001年当初に平日平均7600名だった乗客数が,今年に
入ってから倍の14700名になっているそうです.
Washington Street Corridor Coalitionはシルバーラインに反対し続け,
Silver Lieと呼んだりして,ライトレールの導入を求めていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 2, 2006 (Boston Globe ニュースへのリンク)
US dismisses discrimination complaint against MBTA
オレンジライン移設のワケ :
October 21, 2005 Bostonが夢見たもの〜1.オレンジと緑の物語
(*Harvard Design留学 日々雑感* ブログへのリンク)
Silver Line (系統図) (MBTA 公式サイトへのリンク)
Downtown CrossingとDudley Squareを結ぶ路線が,今回話題になっている
シルバーラインの第一期区間です.
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
シルバーライン,ワシントンストリート関連 過去ログ :
2005/8/20 シルバーライン BRT対LRT
2005/8/17 地下鉄の路線図にシルバーライン
2006年12月02日
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