2006年12月21日

【モンペリエ】花柄模様のトラムが走る街

パリに路面電車が復活したのと同じ日(12/16)に,フランス南部の地中海
にほど近いモンペリエ(Montpellier)で,路面電車(Tramway)の2号線が
暫定的な営業運転を開始しました.モンペリエでは既にトラムの1号線が
2000年に開通している上に,世界的な大都市パリの影に隠れてしまい,
フランス以外では報道されていないようですが,初めて見る人には冗談に
思えてしまう,極めて印象的なデザインのトラムが走っています.

モンペリエは,中世から学園都市として知られ,2004年には25万人弱が
暮らしていると見積もられています.周辺の都市圏まで含めると,1999年
現在でその数は約46万人にまで膨れ上がります.
そのモンペリエと周辺の公共交通機関を運行するTaMは,2000年7月に路面
電車を開業しました.今やフランスのトラム車両を席巻する,アスルトム
(Alstom)のモジュール式低床型電車シタディス(Citadis)が,最初に導入
された路線になります.
TaM : Transports de l'Agglomération de Montpellier

15,2キロの路線は,順調に利用者数を増やし続け,当初は3車体(全長30m
クラス)だった車両は,5車体(同41mクラス)に増えました.今年に入って
からは,一日の利用者数が13万人を大きく超える記録も打ち立てている
ほどです.利用者数で欧州最大級の路線に成長すると言われるパリのT3
では,開業人気で賑わう土日に12万人を輸送したと伝えられていますが,
その人数をもしのぐものです.
予想を大幅に上回る乗客数は,路線バスとの接続が充実し,パークアンド
ライドが整備されていることなどにより,もたらされているようです.
TaMは,公共交通だけでなく駐車場も運営する,フランスでは珍しい交通
事業者です.

今回開通した2号線は路線長が19.8キロで,これはフランスでは一番の
長さになるそうです.全線乗ると小一時間かかりますが,モンペリエを
含む5つのコミューンを結び,当面は先輩格の1号線の約半分,一日平均
5万2千人が利用するものと見られています.
ここで,ようやくその2号線の車両の話にたどりつきました.2号線の車両
は,部分低床だった1号線とは異なり,100%低床のシタディス(Citadis
302)が採用されます.5車体で約32mの車両には,200人以上が乗車可能
です.こちらも,将来の需要増加に備えて,7車体42mにまで延長できる
ようになっています.もちろん,1号線車両との部品などは,できる限り
共用可能にしたとのことで,これがモジュール式の良いところでしょう.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
これが2号線トラムの電車です.花電車とかイベント用の特別塗装という
わけではなく,2号線を走るトラムは,全てこのデザインなのです.

2006年07月03日 新型トラム by うふふ
新型トラム

無料開放された週末のひとコマ 2006年12月17日 トラム2号線A by うふふ
トラム2号線
トラム2号線

(フランス!フランス!フランス!フランス留学日記へのリンク)
これら画像の無断転載はご遠慮ください

オレンジを下地にして,緑,黄,赤の三色の花を車体全面にあしらった
トラムは,1号線と同じくElizabeth Garouste氏とMattia Bonetti氏の
コンビがデザインを手掛けています.1号線は青地に白いツバメが飛び
交うもので,これまた一度見たら忘れられないものです.

トラムに描かれた花柄のデザインは,1970年代カルフォルニアのヒッピー
スタイルとも言われているようですが,デザイナーとしては,自由と創造
の理念?を高め,自然や色彩?,太陽などとの絆を広げるために花を使った
そうです.そしてその花びらは,シンプルに,そして熱烈で?南方を思い
起こさせる四色,黄赤緑橙で描かれています.
トラムではあまり用いられない,鮮やかな色使いを施すことで,トラムを
元気印の素(地域活性化の源)にしようとしました.

これが功を奏したようで,賛否両論はあるものの,街に溶け込んでいる
さまは,今回画像の使用を許可してくれた,モンペリエ在住のうふふさん
も,気に入られているとのことです.
青空に舞う白い燕が描かれたトラムや,花柄模様のトラムが似合う街,
モンペリエに興味を持たれましたら,街の歴史や見所も飽きさせずに紹介
してくれる,うふふさんのブログ,フランス!フランス!フランス!
尋ねてみてください.

2号線は1/08まで仮ダイヤで走り,朝7時から夜10時までの運転ですが,
その後ダイヤ改正が行われ,早朝5時から未明の1時まで走ります.

モンペリエの公共交通を運行する事業者のサイト :
Découvrez la carte dynamique du réseau 2007 (路線図)
La ligne 2 Le projet > Présentation (2号線の情報)
(TaM 公式サイトへのリンク)

モンペリエ郡のサイトでも,トラム2号線開業が報じられています.
La ligne 2 du tramway de Montpellier Agglomération sur les rails
samedi 16 décembre
(Montpellier Agglomération へのリンク)

フランスでの報道 :
14-12-2006 Les tramways ont le vent en poupe
(Univers-Nature ニュースへのリンク)
開業前のこの記事では,2年半の工期と4億ユーロを投じてまでトラムを
建設したのは,大気汚染と騒音を軽減することが目的と記しています.

samedi 16 décembre 2006 Le tramway à fleurs de Montpellier fait
carton plein
(AP via Yahoo! Actualités ニュースへのリンク)
18/12/2006 Montpellier a inauguré sa deuxième ligne de tramway
(Le Moniteur ニュースへのリンク)

今年4月の時点で公開された花模様の車両と2号線の資料 :
(デザイナーの経歴や意図なども,ここに記されています)
première rame de la ligne 2 (PDFファイル)
(Montpellier Agglomération 公式サイトへのリンク)
ご注意 : PDFファイルを開いた瞬間にも,花柄模様が飛び出してきます.

モンペリエのトラムウェイに関する情報満載のページ(フランス語) :
Infos ligne 2 (2号線の歴史 - 2001年9月から開業日まで)
Infos rames réseau (モンペリエのシタディス情報)
(Tramway de Montpellier ファンサイト?へのリンク)
今年4月のところに,パリのT2(Tram Val de Seine)に導入されたCitadis
302より,モンペリエ向けの車両が高いこと挙げ,違いは花柄のデザイン
だけではないかと,疑問を呈しています.24本発注したモンペリエが1本
あたり約241万ユーロに対して,13本発注のパリT2は約162万ユーロで,
1本につき80万ユーロも価格差があるのです.
また,オレンジ一色で車庫に納入されている様子も撮影されています.
花びらの正体は,広告向けに使われるシールなのかもしれません.

今年4月に花柄のトラムがTaMに納入された時の専門誌の記事(英語) :
May 2006 Montpellier Citadis rolled out
(Railway Gazette へのリンク)
100%低床の2号線と同じ仕様の車両が,1号線にも3本投入されることに
なっています.こちらは,花柄ではなくツバメになるようです.

開業日に撮影された2分少々の映像で,利用者へのインタビューがあり,
動く花柄トラムも垣間見ることができます.
la ligne 2 et vous Posted by Paxou
(Dailymotion へのリンク)

モンペリエでは,2010年末の開通を目指して3号線の計画も進行中です.
さて,今度はどんなデザインになるでしょう.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | フランス I このエントリーを含むはてなブックマーク
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