誕生したピンクライン(Pink Line)の半年間のお試し期間が,終わりに
近づいています.しかし,12/12に開かれた,エルを運行するCTAの役員会
において,試用期間はさらに半年間延長されることになっていました.
CTA : Chicago Transit Authority
左が以前の路線,右が6月以降の路線

この図ではパープルラインを入れ忘れています.また,
資料を基に独自に構成したもので,正確ではないかもしれません.

この図ではパープルラインを入れ忘れています.また,
資料を基に独自に構成したもので,正確ではないかもしれません.
CTA公式サイトで最近公開された12月の月例役員会の議事録によれば,
正式にはWest Side/ West Suburban experimentというピンクラインの
運行により,7月と10月では沿線の乗客数が平均7.3%上昇していること,
10月における前年比でも5.3%の上昇がみられるだけでなく,エリア内の
路線バス利用者数も,7月から10月の間で1.1%の上昇がありました.
さらに聞き取り調査でも,80%が満足との結果を得られたそうで,お試し
期間を半年延長して,季節変動などを確認することになったのです.
ピンクラインは,都心ではこれまでブルーラインとして地下路線を走って
いたものが,映画やドラマなどでも度々登場する高架鉄道ループ(The
Loop)に運転が切り替わったことにより,ループを走る他の路線の運転を
平均21秒遅らせてしまっていることが,先週報道で明らかにされます.
ピンクラインはループ路線を,時計回りに一周して折り返すような形を
とるため,時計回りにループを走る,オレンジライン,グリーンラインの
南行電車,ラッシュ時のみのパープルラインが影響を受けました.
特に,シカゴ第二の空港ミッドウェイ(Midway Airport)とループを結ぶ,
オレンジライン(Orange Line)が平均88秒という1分半近い遅れをこうむる
ことになりました.これでも運転開始当初から比べると改善されている
とのことで,最初は4分余計に掛かっていたそうです.
これに対して反時計回りのブラウンライン,グリーンライン北行電車は,
20秒前後運転時分が短縮されています.もっとも,これはピンクラインの
おかげというわけではなく,前方に電車がいる時の停止位置を改善した
ことで,列車指令が電車を誘導しやすくなったことによります.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Train Schedules (エルの系統図がみやすいページ)
12/20/2006 Board Presentations (議事録 項目別一覧)
West Side Corridor Experiment (PDFファイル)
(CTA 公式サイトへのリンク)
ピンクラインがループを走る他の系統に与えている影響を報じる記事 :
December 18, 2006 Pink Line still gumming up Loop
(Chicago Sun-Times ニュースへのリンク)
ピンクラインには,全面ピンクをまとった2両ユニットがあるそうです.
Pink Line train at Kedzie
by Zolk (flickr)

路面電車では珍しくない配線でも,高架鉄道ではここくらい?
CTA Trains at the Loop Nice Track Work!
by Chris&AmyCate (flickr)

ループの北西の角にある,Tower 18ジャンクション
Pink Line train at Kedzie
by Zolk (flickr)

路面電車では珍しくない配線でも,高架鉄道ではここくらい?
CTA Trains at the Loop Nice Track Work!
by Chris&AmyCate (flickr)

ループの北西の角にある,Tower 18ジャンクション
上の電車は反時計回りのループ走行を終えて北に向かうブラウンライン,
右の電車は時計回りのループ走行に入るグリーンライン南行でしょう.
ピンクラインは,写っているグリーンライン南行と同じように,画像左手
(西側)からループの時計回り(右手/東側)に入り,ループを一周してきた
あとは,下手(南)から左手(西側)に戻ることになります.下のリンク先に
ある2002年撮影の画像と配線図には,下(南)から左(西側)への渡り線が
ありません.
Tower 18 (過去の写真も交えた詳細な解説)
2002年春の配線図 Loop Elevated Track Map (JPGファイル)
(Chicago "L".org へのリンク)
エル(高架鉄道)は百年以上の歴史がありますが,反面,老朽化した施設
にも悩まされています.運転面でも大きく影響を受けていて,徐行区間が
いたるところにあります.それも,曲線やポイント通過とか工事中だから
ということではなく,老朽化により軌道状態がすぐれないためです.
スローゾーン(Slow Zone)と呼ばれる徐行区間は,公式サイトで制限速度
とともに公開されています.例えば今月の例 :
Slow Zone Update - December 12, 2006 (PDFファイル)
(CTA 公式サイトへのリンク)
予算を組んで古い設備を順に更新しつつありますが,それでも問題が絶え
ないのが現状で,ニュースの見出しだけ見ていても,毎週何らかの問題が
発生していることがわかります.
例えば,先週もループ区間に近い高架線上で,脱線事故がありました.
4両編成のうち後の2両が脱線したというもので,電車通過中にポイントが
何らかの理由で切り替わったことが,原因として有力視されています.
December 20, 2006 L train derails
(Chicago Sun-Times ニュースへのリンク)
オレンジラインのループ行は,グリーンラインと合流した後,Roosevelt
駅の手前にある,折り返し線として設けられている?中線の分岐器の所で
脱線しました.事故現場を含む,2002年春の配線図 :
Green Line South Side Main Line Track Map (JPGファイル)
(Chicago "L".org へのリンク)
事故で現場を含む区間が運休になりましたが,翌朝から運転を再開して
います.その際,暫定的に中線を使ったかもしれません.
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
シカゴのピンクライン関連 過去ログ :
2006/2/16 高架鉄道50年振りの営業運転
