2007年01月08日

【ユージーン】BRTグリーンライン 1/14開業へ

オレゴン州ユージン(Eugene)とスプリングフィールド(Springfield)を,
日中16分で結ぶBRTが,来週1/14から営業運転を開始する予定です.
BRT : Bus rapid transit
使用される連接バスが少し変わっていて,車体の両側にドアがあります.
運転台のある進行方向左側にも,中扉と後扉(後部車体)の2つがあり,
右側には,前扉も加わって片側3か所です.さらに,ルートの6割に専用
レーンが設けられますが,それが道路中央にも設けられるだけでなく,
バス停も島式ホームのようになっている場所がいくつかあったり,場所に
よっては道路幅の制約からか,中央に一車線だけ設けられた専用レーン
を,詳細は不明ですが双方向で使うようです.

このバス ラピッド トランジットの名称は,Emerald Express,通称EmX
(エムエックス)と言います.エメラルドとは,両市のあるウィルメット
ヴァレー(Willamette Valley)が,別名エメラルドヴァレーとも呼ばれて
いることからきているそうです.

ユージーン市の人口は約14万強,スプリングフィールド市は約5万人強
ですが,ユージーンにはオレゴン大学(University of Oregon)もあり,
両市を含むレーン郡(Lane County)のうち,特にユージーン都市圏での
公共交通機関を担うLEDでは,年間830万人を輸送しています.
LED : Lane Transit District

BRTの導入は,LED公式サイトのFAQページによれば,大気汚染の軽減が
目的だったようです.オレゴン州では,自動車の排気ガスが大気汚染の
原因の半分とみられていて,州法によりLEDが担当する地域では,今後
10年以内に全自動車の走行距離数を減少に転じさせること,20年後まで
には10%減少させることなどが求められています.これに対応するため,
自動車の利用を止めさせるような移動手段が求められました.州内には
ポートランドのライトレールMAXという良い見本があり,これを導入する
ことも検討されましたが,沿線人口などから無理があると判断されて,
より少ない投資で利用者を惹き付けるBRTが採用されました.

BRTは,この地域の幹線にあたる,ユージンとスプリングフィールド間の
フランクリン コリドー(Franklin Corridor)に,最初に導入されます.
グリーンラインとも呼ばれる4マイル(約6.4キロ)の建設費は,バス専用
レーンや停留所,車両購入などを含めて約2400万ドルです.
EmXは,更に第二期区間も計画されていて,今年着工できそうです.

EmXでは,ライトレールに似せた外観を施した,長さ60フィート(18m強)の
連接バスが専用で使われます.前述の通り,左右両側に乗降ドアが設け
られたバスは,定員が100名少々,座席数は44,車椅子用スペースが2か所
あるほか,自転車も前方のラックではなく車内に3台まで搭載できます.
在来の車両より20%燃費を向上させるとされる,New Flyer Industries製
ハイブリッドバスは,一台あたり96万ドルです.
しかし,このバスの最大の特長とも言える両側ドアのおかげで,バスの
納入が遅れたため,それだけではないようですが,当初は2006年秋に運転
開始となるところを,徐々に遅れて最終的に今月に延期されていました.

場所に応じて臨機応変に走る場所を変えられるのがBRTの強み,という
ことで,専用レーンだけでなく,前述のように双方向の専用レーン(=単線
ということか?)もありますし,自動車と車線を共用する区間もあります.
専用レーンが60%を占めることと,バス停の間隔を500m超にすることで,
これまで22分程度掛かっていた所要時間を,16分にまで短縮することに
なっています.運転間隔は,日中10分ごとです.

先週の記事によれば,バスの運転手が習熟運転を行なっているそうで,
2週間前までは最速でも17分掛かっていたものが,最近では最速13分に
まで短縮できるようになり,今後も運転の習熟度が上がり,交通信号優先
システムを調整することで,1/14開業までに16分運転の目途がつきそう
とのことでした.
運転には通常の路線バスと異なり,訓練が余計に必要です.これまでに
無かった進行方向左側のバス停に幅寄せしなければならないからです.
島式ホームのバス停への停車練習などもあり,最低でも40時間の訓練を
受けなければならないでそうです.

EmXグリーンラインが走ることになる路線では,現行の路線バスが一日平均
2800人を輸送しています.EmX変換後には,これが五割増の4200人になる
だろうとされています.
運賃は,LEDの路線バスが片道$1.25になるところを,EmXグリーンライン
だけは当分の間は無料です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
EmX Green Lineの概要 :
EmX Service starts January 14th! Riding EmX information
EmX - Frequently Asked Questions (FAQ)
(LED 公式サイトへのリンク)

試運転の様子が年頭に報道されていました.
January 4, 2007 Slow going for LTD rapid transit test runs
最初の試運転が行なわれた後の記事 : November 10, 2006
The first of the LTD rapid transit buses makes its debut
(どちらも,The Register-Guard ニュースへのリンク)

専門誌の特集記事 :
April 2006 BRT Takes Center Stage at Lane Transit District
(Metro Magazine (Features) へのリンク)
LEDでは,以前ハイブリッドバスの導入に失敗した苦い経験があります.
インタビュー形式で綴られる記事には,そのようなエピソードにも少し
触れながら,公式サイトや報道では見つけられなかった内容も含みます.

Metro Magazineにも記載がありますが,LEDはクリーブランドと共同で
両側ドア付きの連接バスを購入しました.メーカーのサイトには,RTAの
バスが紹介されています.
Cleveland BRT Pilot Bus - 2006
(New Flyer Industries へのリンク)

EmX (Set) by functoruser より
ユージーンのターミナルを出る試運転バス
EmX at Eugene Station
by functoruser (flickr)
EmX at Eugene Station

島式ホームの様子
Dads' Gates Station
by functoruser (flickr)
Dads' Gates Station
(2007年1月)

今後も,EmX (Set)に,新しい画像が追加されるかもしれません.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ユージーンBRT関連 過去ログ :
2005/10/11 バス ラピッド トランジットが来秋開業
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | 米国北西部 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/31080573
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

【ユージーン】BRT(EmX)運転開始直後の状況
Excerpt: 運転開始直後の速報値では利用者数が予想に達しているものの, 所要時間は目標を達成できていません
Weblog: 海外LRTニュース・ひろい読み
Tracked: 2007-01-27 19:00

【ユージーン】チョイス・ライダーひきつける
Excerpt: オレゴン南部のユージン(Eugene)とスプリングフィールド(Springfield) 間の4マイル弱(6キロ強)を,路線バス時代の所要時間21分から,全線の 約60%をバス専用レーン走行にした上で停...
Weblog: 海外LRTニュース・ひろい読み
Tracked: 2007-09-30 19:00