2007年01月19日

【ウィーン】エアコンつきULF2次車を公開

ドアのところの床面の高さが19センチしかない,ウィーンの超低床車両
ULFは,1997年秋から市内の路面電車路線に投入されて,すでに第一次
発注分の150編成すべてが活躍中ですが,このたび,その第二次車両の
第一号が,製造元のシーメンス(Siemens)から運行するWiener Linienに
引渡されました. (ULF : Ultra Low Floor)

第一世代が1990年代の技術に基づいて設計されていたのに対し,第二世代
では低床化を実現する構造などの基本的な部分や,ポルシェデザインの
外観などはそのままに,2000年代の製造ということで,随所に改良点が
みられます.
その中でも.利用者にとって最大のセールスポイントは,空調の導入で
しょう.ウィーン市の広報ばかりではなく,現地の報道各紙ともエアコン
(Klimaanlage)というキーワードを見出しに掲げています.

ウィーン(Wien / Vienna)も,最近の気候変動の影響があるのか,日本で
言うところの真夏日(最高気温摂氏30度以上の日)が多くなっています.
たとえば,昨年7月には真夏日が17日もありました.さすがに日本で今年
から新設される猛暑日(同35度以上の日)はありませんが,最高33度を2日
記録しています.また,日本で言う夏日(同25度以上の日)も9日間ありま
したので,昨年7月はクーラーなしでは厳しかったことでしょう.

その他にも,第一世代と比べた第二世代ULFの特徴としては,軽量化が
挙げられています.空調搭載にもかかわらず重量を抑えられたのは,駆動
モータを水冷式から空冷式に改めたことで簡素化できたからだそうです.
軽量化だけではなく,保守費も安くなり,車両購入価格も先代を現在の
価格に換算すると,安くなっているそうです.ちなみに,第二次車両も
150編成が発注されていて,契約は約3億5700万ユーロとのことです.

内装も違いがあります.
一次車では座席の腰掛け部分はモケット張りでしたが,二次車では全て
プラスチックに変わっています.これは清掃を容易にするだけでなく,
破壊行為(バンダリズム)対策でもあり,防火仕様でもあります.
また,車内の色の組合せが変わりました.座席は赤,手すりは黄,床は
黒(グレー?)となっています.黄色の手すりは視覚に障害を持つ人にも
認識しやすくするためで,床の色は清潔感を高めるためだそうです.

今年は,その後19編成が納入される予定で,2014年までに年間15から20
編成ずつ引渡されていきます.2014年末には第一世代とあわせてULFは
300編成の大所帯となり,ウィーン市電の車両の三分の二を占めることに
なっています.
現在ULFが投入されている路線数は半分以下の15に留まりますが,増強に
より,2008年中ごろには,ほぼ全ての路線に投入できるようです.

ただし,Die Presseのオンライン記事によれば,ULFが投入されない例外
として,37系統と38系統が記されています.これは両系統の車両を管理
する車庫がULF対応になっていないからとしていますが,記されている
Betriebsbahnhof Nussdorfer Straßeは,その所在地からGTL車庫のこと
だと思われますが,GTLでは既にULFが投入されているD系統なども担当
していますので,よくわかりません.
GTL : Betriebsbahnhof Währinger Gürtel

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
ウィーン市のウェブサービスでは,若干の画像へのリンクもあります.
(Rk-Fotoservice: www.wien.gv.at/ma53/rkfoto/ )
Rieder: Neue ULF-Serie mit Klimaanlage kommt
(Magistrat der Stadt Wien ウィーン市役所 公式サイトへのリンク)

各紙の報道 :
18.01.2007 Straßenbahn mit Klimaanlage
(Die Presse.com ニュースへのリンク)
18.01.2007 Klimatisierte ULFs ab Sommer unterwegs
(ORF.at ニュースへのリンク)
18. Jänner 2007 ULF: Klimatisierte Generation fährt ab Sommer
(derStandard ニュースへのリンク)

お披露目された52号車(5車体のAタイプで車番は連番)の画像 :
Rollout des ULF der zweiten Generation (m.B.)
(Bahnnews-Austria 掲示板へのリンク)

Die Presseで,ULF導入が見送られるとされる2路線と車庫の情報 :
* Linie 37 (Wien)
* Linie 38 (Wien)
* Betriebsbahnhof Währinger Gürtel (GTL)
(Stadtverkehr-Austria-Wiki へのリンク)

オンライン路線図検索 : Wiener Linienplaene Online
一番左の電停サインについている点滅する丸をクリック,現れる番号を
クリックすることで,その系統の路線図がフラッシュで表示されます.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

Foto: Christian Fürthner

新しい車内の様子

これらの画像は,Magistrat der Stadt Wien / rk-Fotodienstより

こちらは1次車の車内(2004年1月時点)
Wien7-ULF_inside.jpg

ウィーン トラム ULF関連 過去ログ :
2006/11/18 ULF専用の駅時刻表を試行
2006/7/24 ULF地下走行解禁近し?
2005/9/24 低床車ULFが2007年には全線に
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(2) | TrackBack(2) | オーストリア このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
海外LRTニュース・ひろい読み
を毎日読んでいます。
どうしてこんなに詳しく、それも世界各国各都市の事情をチェックできるのか不思議です。 ニュースソースのそのソースはどこからなのでしょう。 知りたいところです。 今後も読みますので頑張ってください。
Posted by 近藤譲治 at 2007年01月21日 18:37
コメントと激励ありがとうございます.
ニュースの収集は,各言語のGoogleやYahooのニュース検索を使うだけで,
特別なものは何もないです.ウィーン市のプレスリリースも,その方法で
見つかりました.今後ともよろしくお願いします.
Posted by NeiTech at 2007年01月22日 19:36
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