2007年04月01日

【サンディエゴ】トロリー系統建替え提案

先週,カルフォルニア州サンディエゴ(San Diego)の非営利組織,The
Downtown San Diego Partnershipが,サンディエゴ圏でトロリーや路線
バスなどを管轄するMTSに,サンディエゴ中心部でのトロリーの運転系統
見直しを求めました.
MTS : San Diego Metropolitan Transit System
サンディエゴでトロリー(San Diego Trolley)と言えば,1981年に開業
している,米国西海岸では草分け的な存在のライトレールです.

The Downtown San Diego Partnershipとは,非営利の商工会議所のような
組織で,MTSに求めた内容とは,都心を循環するループ路線の開設です.
サンディエゴのトロリーは,線路だけは市内中心部でループを描く形には
なっていますが,実際の運転では循環運転を行なっていません.2008年
8月運転開始を目指し,サンフランシスコのFラインのように,PCCカーを
ループ運転させるべく,現在車両の整備が進められているようですが,
このシルバーラインと呼ばれる計画とは別に,2本連結のトロリーを走ら
せるループ系統を,新設して欲しいというものでした.

その新ループ系統を走らせた上で,サンディエゴ都市圏を南北に貫き,
南はメキシコ国境に接するブルーラインを,中心部ではCストリート経由
ではなく,現在オレンジラインが市内を半周したあと走る海寄りの路線を
通すことにします.また,サンディエゴ東の郊外からやってくるオレンジ
ラインは,中心部の入口を終点として,そこで新ループ系統に乗換えて
もらうというものです.
これにより,サンディエゴの中心部を東西に走るCストリートには,新設
ループ系統と2008年8月予定のシルバーラインが走るだけになります.

ダウンタウンのCストリート(C Street)は,トロリーが走っているにも
かかわらず,人が好んで集まってくるような雰囲気でないのが現状です.
ここをてこ入れする計画も動いているそうですが,MTSがトロリーの新車
投入計画を明らかにしたため,それが支障になると問題視されての今回の
ループ系統新設提案でした.

サンディエゴトロリーの新車とは,2005年夏に開通したグリーンラインに
集中的に投入されている,シーメンス製LRVのS70のことです.開業当初
から走り続けているU2タイプが,間もなく車齢30年を迎えることに加え,
部分低床車のS70のほうが,リフトを使わなければならない在来車より,
車椅子利用者に適しているということもあります.S70への置換えは,
自然な流れのように思われますが,問題は車両の長さにありました.
U2や,その後に増強されたS100モデルは,全長76フィート(23m強)です.
これに対してS70は,88.5フィート(27m弱)と少し長いのです.1本あたり
では4mに満たない差ですが,サンディエゴトロリーの特に混雑するブルー
ラインでは,ピーク時以外でも3本連結が当たり前です.これまで23x3で
先頭から末尾まで70m弱だったものが,S70を3本連ねると80mに達し,その
長さは,Cストリートのブロックを超えてしまうもので,トロリーが停車
してしまうと,必ず交差点を跨いでしまうことになるのでした.
今でも,Cストリートのブロック長と3本連結のトロリーの全長がほぼ同じ
のため,トロリー乗降客が車道にあふれることもあり,危険があります.
車両が更に長くなれば自動車の流れが悪くなり,これをCストリートの
商店主や沿線の人たちは恐れているようです.

そこで,新設ループ系統には,2本連結だけの短いトロリーを専用に運転
することが考えられているのですが,MTSは,この案に反対です.
ブルーラインからの大量の利用者が,短いトロリーにどっと押し寄せる
ことになりますし,オレンジライン利用者は乗換えが必至となってしまい
ます.これでは客離れにつながりかねません.
ループ系統の新設と系統建替え以外の対案として,例えばCストリート
上の電停を廃止するとか,移設することなども考えられています.
現時点でこの問題の結論は出ていません.
ちなみに,この話を紹介している記事によれば,Cストリートのトロリー
利用者数は,MTSの資料に基づくと一日約3万5千人だそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
03/28/2007 - Downtown Partnership Calls on MTS to Provide Centre
City Trolley Loop Downtown

(The Downtown San Diego Partnership プレスリリースへのリンク)

この問題を取り上げた記事 :
March 30, 2007 Partnership suggests city-center trolley loop
(San Diego Union Tribune ニュースへのリンク)
記事の下のほうに,現在と提案後の路線図が掲載されています.

トロリーの系統図や,車両諸元など :
* San Diego Trolley System Map & Timetables
* Metropolitan Transit System Fact Sheets
(MTS 公式サイトへのリンク)
下段のリンク先から,San Diego Trolley Light Rail Vehicleの仕様を
記したPDFファイルをダウンロードすることができます.

その昔,サンディエゴも路面電車が縦横に走っていたそうです.1949年を
最後にバスに取って代わられますが,その時代,電車はCストリートより
1ブロック南のブロードウェイ(Broadway)を走っていたようです.

Cストリートは,サンディエゴのトロリーが路面を走る,数少ない場所
になります.1981年にトロリーが開業してからしばらくの間,この路面の
北側の線路は限定的にしか使えなかったようです.これは車道との距離が
近すぎるため,関連当局が規制したらしいです.
その後,ヨーロッパ風のトランジットモールを目指し,5th Avenue Stop
から西に3ブロックは車道を歩道にして,車両通行を制限しています.

5th Avenue StopからCストリートの東側
sandiego0593.jpg

5th Avenue StopからCストリートの西側
sandiego0585.jpg
撮影時期は,どちらも2005年5月

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

サンディエゴ トロリー関連 過去ログ :
2006/7/26 トロリー25周年を迎える
2006/4/30 LRTグリーンライン効果大
2005/12/15 PCCカーがやってきた!
2005/9/01 トロリー利用者急増中
2005/8/24 PCCカーの復活を夢みて
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国南西部 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/37473151
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック