2007年09月23日

【ベルギー】沿岸と首都の各トラム延長計画

今日はベルギーの話題が2つになりました.
ベルギーが北海に面する海岸近くをひたすら走り続けるベルギー沿岸軌道
(Kusttram)の路線網を拡大させる計画を,フランデレン(フランドル /
フランダース)地域政府(Vlaamse Regering)が発表しています.
鉄道だけで複線で89キロ,さらにそれに接続する路線バスを強化増強した
公共交通網を,2022年までに構築するものです.

フランデレン(フランダース)地域政府(Vlaamse Regering)が運営する会社
De Lijnにより運行されているベルギー沿岸軌道(Kusttram)は,全線が
西フランデレン州(西フランダース州 / West-Vlaanderen)を走ります.
現在はオランダ国境に近いクノック・ヘイスト(Knokke-Heist)から,北海
沿岸を西南西に進み,オーステンデ(オステンド / Oostende)を経て,
フランス国境に近いデ・パンネ(De Panne)まで至ります.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
ルートは正確ではありませんが,地図上でベルギー沿岸軌道の位置を表す
と,だいたい次のリンク先のようになります.Knokke-Heist - De Panne
(Google Maps へのリンク)

Neptunusと呼ばれる計画のうち,Kusttramの路線延長は長期的なもので
2014年以降になる模様ですが,北海沿岸の各拠点から内陸に伸びる路線が
主になります.
* ゼーブルッヘ(ゼーブルージュ / Zeebrugge)からは,この地域の中心で
州都でもあるブリュッへ(ブルージュ / Brugge)へ,
* オーステンデ(オステンド / Oostende)からも,ブリュッへへ,
* コクシード(Koksijde)から,フールネ(Veurne)へ,
* デ・パンネ(De Panne)から,ダンケルク(Duinkerke / Dunkerque)へ,
となります.最後のダンケルクはフランス領で,これだけは内陸ではなく
北海沿岸沿いに進み,国境を越えることになるため,フランス側の承諾も
必要とされます.

これらの延長路線では,Kusttramの車両が走ることになるのか,あるいは
ライトレールなど(原文ではlightrailtram,lighttrain)になるかは,
検討の上で最適なものが選ばれるとのことです.
ゼーブルッヘやオーステンデとブリュッへの間には,既にベルギー国鉄
NMBSの直流電化された線路が走っているため,それらを活用しつつ電車を
どうするかということなのかもしれません.
NMBS: Nationale Maatschappij der Belgische Spoorwegen
(=SNCB: Société Nationale des Chemins de Fer Belges)

Neptunus計画は,ここ五年間で70%以上伸びている西フランデレン州内の
De Lijn利用者増加に対応することと,自動車に代わる交通機関の確保を
目的として,トラムの延長だけでなく,路線バスとの接続改善など公共
交通網の統合を目指し,4億3千万ユーロの投資が必要とされています.
詳細は,De Lijnのサイトに掲載されています.
Het Toekomstplan West-Vlaanderen (2007-2022)
(De Lijn 公式サイトへのリンク)

いくつか記事も出ました.
20/9/2007 De Lijn: opnieuw tram Brugge-Knokke en Brugge-Oostende
(Stadsomroep Brugge ニュースへのリンク)
21 september 2007 Neptunusplan De Lijn wil dubbel zoveel West-
Vlaamse reizigers
(Krant van West-Vlaanderen ニュースへのリンク)

しかし,西フランデレン州の計画は遅きに失したという声もあるようで,
同じフラマン語共同体(Vlaanderen)に属す,フランデレン地域圏中部の
東フランデレン州(Oost-Vlaanderen)とアントウェルペン(アントワープ /
Antwerpen)を州都とする北部のアントウェルペン州にはPegasusplan,
東部のリンブルグ州(Limburg)はSpartacusplanという,De Lijnやバス,
NMBSの接続を改善する同様の計画がすでに実施されているところでした.
20 september 2007 'De Lijn investeert niet in West-Vlaanderen'
(Het Nieuwsblad ニュースへのリンク)

さて,ベルギーの首都ブリュッセルにもトラムの話題があります.
市内450か所の交差点にトラムやバスの通行を優先させる信号機システム
(lichtbeïnvloedingssystemen)を導入することになりました.このうち
150か所は2008年春までに設置するそうです.加えて,路上を優先的に
走るため,2011年までにトラムの専用軌道(eigen bedding)化を,現在の
60%から90%までに引き上げる予定です.同時に,バスも専用レーンを
9%から40%にします.

また,ブリュッセルの路面電車を運行するMIVBが,新線建設の免許を申請
したとの記事もありました.系統建替えではなく新線建設は(最近では)
まれなことだとか.
MIVB: Maatschappij voor het Intercommunaal Vervoer te Brussel

将来はブリュッセル北駅と空港を結ぶことになるかもしれない路線の一部
区間で,新しいトラムの車庫が近くにできたNMBSのBordet駅近くから,
Leopold III通り沿いにWahislaanまでの部分のみです.詳細は未定ながら
欠番の26番(tramlijn 26)が割り当てられるようです.

19-09-2007 Altijd groen licht voor Brusselse trams en bussen
21-09-2007 En daar komt tram 26...
(Brussel nieuws ニュースへのリンク)

PDFファイルの路線図は,ここからダウンロードできます: MIVB Netplan
(MIVB 公式サイトへのリンク)
ここで得られる路線図では,バスもトラムも同じ線になっています.

26番トラム建設予定 想像図: Leopold III-Laan/N22 - Bordet station
(Google Maps へのリンク)
あくまで記事に出てきた地名を結んだだけで,実際は異なる可能性が高い
でしょう.また,空港の位置がわかるような縮尺に調整しました.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.


posted by NeiTech at 19:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | ベネルクス このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
Kusttramはいつの間にかDe Panneから鉄道駅のあるAdinkerkeまで路線が延びていたんですね。Google Earthで路線や沿線風景を追っていくのもなかなか楽しいです。
 私が住む水戸にも半世紀ばかり前まで路面電車がありましたが、路面電車廃止ブームのトップを切って市議会に促される形で姿を消してしまいました。
 日本も欧米の歴史を追うようにいつかまた地方都市でも路面電車が復活して欲しいですね。僅か数キロの郊外ショッピングセンターまでの道のりを乗用車で渋滞に苛立ちながら過ごすよりも、トラムで市街地に行ってゆったりショッピングや食事を楽しみたいものです。
Posted by Atsushi KAJIMA at 2009年05月06日 11:25
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