お目見えする予定です.これで,新規開業区間の2.4キロと,これまでは
車庫への出入や,フェア開催中に臨時電車が走るだけだった数百mほどの
連絡線が,新たにメトロバレンシアの営業路線に加わることになります.
営業開始は9/24とされていていましたが,残念ながらまだです.しかし,
今週中や数日中との記事が出てきて時期が近づいていることを伺わせ,
何事もなければ木曜(9/27)からという説もあります.
| 追記 : 2007/9/28 2004年9月の着工から3年余,2.45キロの区間は9/27に開業しました. |
誕生するのはT6系統で,T4やT5と同様に低床車が路面を走る形態です.
新たに2680万ユーロを投じて2.4キロの軌道が敷設された,バレンシア市
北部で5万人ほどが住むとされるTorrefiel,Orriols地区は,T6開設の
おかげで,途中メトロ3号線へ乗換えが必要ながらも,バレンシア中心部
への交通の便が改善される見込みです.
T6のルートは,Torrefiel,Orriols地区からの新線を経て,かつて狭軌
鉄道の一大ターミナルだったPont de Fustaの近くで,既存トラム路線の
T4と合流,東の海岸方面へ向かいます.そのままT4の終点にあたるループ
線に入り,途中からT4とT5の連絡線へ転線して,メトロ5号線とトラムの
結節点であるMarítim-Serreriaに至ります.路線長は9.2キロだとか.
このルートは,3年前から実施されている,Plan de Infraestructuras
Estratégicas (PIE) 2004-2010の一環として,Tranvía Orbital(Tranvía
Circular)とも呼ばれる環状線計画の北東部の一部をなしています.
PIE 2004-2010は総額148億9600万ユーロですが,このうち交通機関には
22億9700万ユーロが充当され,バレンシアだけではなくアリカンテへも
振り分けられているようです.
新線区間は,バレンシア市の旧市街地などの地下をトンネルで走る計画の
T2と,将来は路線を共用する見通しです.T2は,新線がT4と合流する地点
(Primat Reig付近)から,Pont de Fustaへ向かう予定です.
使用する車両は,車両の両端に運転台のあるFlexity Outlookモデルの
100%低床車が充当されます.T4に投入されている車両は,ごく一部を除き
片側にしか運転台がないため,終点にループのあるところにしか入線でき
ません.T4とT5の連絡線以南には行けないのです.
(以前,T5の終点Neptúにはループがあると書いてしまいましたが,実際
にはありませんでした.古い計画図を見ていたようです)
FGVの公式サイトの路線図には,まだT6は掲載されておらず,他にわかり
やすい地図が見つかっていませんが,Valencia Metroの項目で書かれた
英語版Wikipediaの路線図か,無料新聞20 minutosのPDFファイルが一番
いいかもしれません.スペイン語版Wikipediaは,未着工の計画線まで
全て載せているため,少々見づらいです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
営業開始予定日が近づき,T6開業関連の記事が出てきました.
23/09/2007 Infraestructuras abrirá al público la nueva Línea T-6
de Metrovalencia (Panorama Actual ニュースへのリンク)
24 de septiembre de 2007 El tranvía de Orriols empezará a
funcionaresta semana (Las Provincias ニュースへのリンク)
24 de septiembre de 2007 El Consell anuncia la apertura en unos
días de la nueva línea del tranvía orbital
(Levante ニュースへのリンク)
24.09.2007 El tranvía llevará desde el jueves a 50.000 vecinos de
Orriols y Torrefiel a la playa
PDF Pincha aquí para ver cómo queda la nueva línea
(20 minutos ニュースへのリンク)
FGVのサイトにあるPIE2004-2010関連の概要: Metrovalencia crece
路線図: plano red metro
FGV: Ferrocarriles de la Generalidad Valenciana
(FGV公式サイトへのリンク)
バレンシアのT4は,スペインには都市交通としての路面電車が全く残って
いない1994年に誕生しました.その路線は,当時街中の地平を走っていた
狭軌鉄道を転換したもので,1988年その鉄道の郊外地上区間から都心部へ
地下で直通するメトロ1号線が開通して以来,利用者が減っていた区間が
T4号線となっています.沿線住民からは廃止して欲しいとの要望があり,
そののままでは存続さえ危ぶまれていたところを,当時スペインでは全廃
状態に近く,マイナスの印象さえあった路面電車に転換という形で発展的
解消を図ったのは,相当な英断だったことでしょう.今はルネッサンスの
ごとくトラムが復活しているフランスでさえ,ストラスブールが同じ年の
半年後に開業するところです.
トラム化にあたり,当時ドイツなどで一般的になりつつあった低床車を
採用します.乗り場をそれにあわせて低くするとともに,軌道にも大きく
手を加えます.平行して走る道路と線路を隔てていた柵を全て取り払い,
これまで線路を横断できなかった道路を交差できるようにして,鉄道で
分断されていた地域の一体化を図りました.更に,軌道上からバラストを
除去して(埋めて)表面を舗装し,道路と軌道が一体となった路面電車に
したようです.下に,その前後を比較できる写真が掲載された資料への
リンクをつけましたが,こうしてバレンシアのトラムは復活しました.
このトラム化を英語で詳しく解説したPDFファイルの資料があります.
この資料はセルカニアスの話題とセットですが,最後の数ページには,
トラムT4への転換前と転換後の軌道と周辺の様子を,定点撮影した写真
数組が載っています.
CONVERSION OF RAILWAY LINES FOR SUBURBAN PASSENGER SERVICES
(The World Bank へのリンク)
狭軌鉄道時代には線路が10本近くあり,バレンシア中央駅とも呼ばれて
いたらしいPont de Fusta駅は,今は道路にされた部分も多いながらも,
複線が2組並んでいるなど,往時をしのぶ広さがあります.その広さは,
T4に投入された車両が片運転台ということもあり,昔の駅舎だった建物の
前を,敷地からはみ出すことなくループを描いて回れるほどです.
Live Searchのバードアイ画像をご覧になれるかたは,こちらも.
かつてのターミナル,Pont de Fusta駅 (南向き)
T6開業で新設される停留所,Alfauir (北向き)
(Windows Live Local bird's eye へのリンク)
Primat Reigの先でT4から分岐したT6(T2)は,上のAlfauirの先まで,昔は
狭軌鉄道が走っていた線路跡を走ります.この区間は1995年メトロ3号線
開業と引換えに廃止され,T4になった区間とは異なり,緑地化という別の
運命をたどったのだと思われます.しかし,一部だけながら12年ぶりに
また電車が走ることになりました.
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
前回のバレンシア 過去ログ: 2007/4/14 空港とマリーナを1路線で直結
