縦貫するウィラメット川(Willamette River)に架けられる,新しい橋の
CG画像が掲載され,Connecting Portland-styleと大見出しが付けられて
いました.ポートランド・スタイルの意味するところは,この橋は鉄道と
歩行者,自転車,そしてもしかしたら路線バスは渡れても,車は通れない
ということのようです.
ブリッジタウンとも呼ばれるほど橋の多いポートランドでも,新しい橋は
34年ぶり(完成予定時には42年ぶり?)になるようで,しかも今度の橋は
30階建てビルと同じ位の高さがあるかもしれないと書き出しにあります.
橋のデザインには斜張橋(cable-stayed bridge)が候補に挙がっていて,
その主塔の高さが380フィート(約116メートル)あるのでした.
下には地図も掲載されていて,おおまかな架橋場所と同時に,いくつかの
候補があることもわかります.
ちなみに,ウィラメット川に架かる橋は,コロンビア川との合流地点から
ポートランド市内だけでも11か所あります.市内最後の橋は16.5マイル
(約26.6キロ)さかのぼったところです.
このうち1本は鉄道橋で,自動車の通れない唯一の橋です.その他には
車と共にライトレールMAXからAmtrakまで走る,有名な二層構造の昇開橋
スチールブリッジ(Steel Bridge)がありますが,残りは全て道路橋で,
最も新しい橋は1973年建造だそうです.
ザ・オレゴニアンに取り上げられた橋は,ポートランド・ストリートカー
(市電)のループ化計画では最後のピースになり,ウィラメット川の東岸に
渡った路線が,今の路線と再び合流する時の架け橋となるものです.
と同時に,ライトレールMAXのサウス・コリドー第二期(South Corridor
Phase II)区間として,現在工事が行われているモールの南端から,この
橋を渡ってクラカマス郡(Clackamas County)ミルウォーキー(Milwaukie)
市(人口約2万)まで延長される計画の路線も渡ることになっています.
Portland-Milwaukie Light Railとも呼ばれるMAXの延長計画は,ダウン
タウンからミルウォーキー市(Milwaukie)までの6.5マイル(約10.5キロ)
で,ベットタウン化されたクラカマス郡北西部とポートランド間の交通を
改善する目的で建設が予定されています.順調に運べば2011年に着工,
2015年開通を目指します.
そこで重要な鍵になるのが,ウィラメット川をどう渡るかでした.計画
策定に中心的な役割を果たすオレゴン地域政府メトロ(Metro)は,既存の
橋では無理があるとして,2003年に新しい橋の建設を承認しています.
また,今年2007年6月には,債券の売却益2億5千万ドルを橋の建設費に
充当するとする法案が議会を通過していました.ライトレール計画全体
では8億8千万ドルという数字が記事にあります.
どこで川を渡るかは,予定地周辺の土地所有者の関心の的です.当初の
Marquam BridgeとRoss Island Bridgeの間には変わりはありませんが,
西岸は2003年決定時に想定されていたRiverPlaceよりも,さらに南に移動
することになりそうです.市電が南に伸びることに伴い,サウス・ウォー
ターフロント(south waterfront)地区の開発が進んだことや,市内最大の
雇用者を抱える大学(OHSU)の施設などがあるため,利用者が多く見込める
範囲が南下していったのです.
OHSU: Oregon Health & Science University
現時点で色々な候補があることが,記事の略図でも説明されています.
橋の新設そのものは特にニュースというほどのものではなく,路面電車や
ライトレール用に建設される橋ですので,自動車が通れないということも
織り込み済みだったでしょう.また,記事を読んでいくとわかりますが,
斜張橋に決定されているわけではなく,費用や環境への影響のバランス,
ルート次第で今後決められるとのことで,2009年になりそうです.
ここで取り上げるまでもなかったかもしれませんが,あとあとこの路線を
調査などで振り返る時,この手の記事が参考になることも多いことから,
紹介してみました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
October 05, 2007 Could this be PDX's next bridge?
表紙のPDF版: See the current week's front pages from The Oregonian
10/05発行分の一面を収めたPDFファイルは,このページのFridayのリンク
先に,次の発行分(10/12)と入替えられるまで掲載されているでしょう.
(The Oregonian ニュースへのリンク)
記事のページには掲載されていない画像や橋のルート候補の図などは,
このブログに載っています.
October 05, 2007 A new bridge over the Willamette -- but not for
cars (PDX Greeen ブログへのリンク)
TriMetの進めている計画の概要: Rail & Bus Projects
(TriMet 公式サイトへのリンク)
TriMet: Tri-County Metropolitan Transportation District of Oregon
リンク先の略図で黄色い破線で描かれているのが,Portland-Milwaukie
Light Railです.
Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けます
Three Bridges Two Buildings by egazelle (flickr)

手前から奥に向かって,Hawthorne, Marquam, Ross Island bridgesの
順に見えますが,ここにもう一本の橋が将来加わります.
ポートランドの橋の話題が続きますが,次は別の川です.
市の北端にはコロンビア川(Columbia River)が流れていて,対岸は人口
16万弱を数えるワシントン州のバンクーバー(Vancouver, WA)市です.
ポートランドとの行き来は,コロンビア川をインターステイト・ブリッジ
(Interstate Bridge)で渡ることになりますが,C-TRAN運行の路線バスも
走る,この老朽化した橋の架け替えが問題になっています.2本の平行
する橋のうち,現在北行き車線に使われている橋は1917年,南行き車線は
1958年建造だとか.
Columbia River Crossingと呼ばれる新しい橋の計画は,架け替えにする
のか,それとも古い橋を残して1本別に新設するのかなど,さまざまな
問題点が未解決になっています.公共交通専用車線を用意する場合に,
それがライトレール向けなのか,バス向けなのかも未定です.
Columbia River Crossing (公式サイトへのリンク)
これらを決める鍵になるとも言える報告書が,専門の委員会によって来年
2008年2月に発表されるとの報道がありました.
October 07, 2007 Reports on new bridge due Feb. 1
(The Columbian ニュースへのリンク)
1994年,ワシントン州バンクーバーのあるクラーク郡(Clark County)の
住民らは,投票でライトレールMAXの乗り入れを拒否していたそうです.
ポートランド側では2004年,MAXイエローラインがコロンビア川のすぐ
近くまで開通しています.
Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けます
Entering Oregon sign. by shellEProductions (flickr)

最後は,再びウィラメット川に戻ってきます.
ポートランド市内でウィラメット川に架かる橋としては最も南にあり,
加えて数マイルに渡って代わりのないセルウッド橋(Sellwood Bridge)
は,交通量の多い橋ですが,2004年に亀裂が発見されてから架け替えか
改修かの必要性に迫られていました.
Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けます
Sellwood Bridge by vj_pdx (flickr)

こちらも数案が出ている中で,将来は路面電車用にも転用可能な車線を
織り込んだ案もあることが,先週明らかにされています.
October 2, 2007 Ideas unveiled for Sellwood Bridge solutions
(KGW Portland ニュースへのリンク)
先週末に市議会と市長により,将来ライトレールに転用できる車線を含む
向こう百年の耐用年数がある設計が承認された,ミネアポリスで8月に
崩落した橋(I-35W bridge)の架け替え計画が影響しているかどうかは,
定かではありません.
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
ポートランド関連 最近の過去ログ:
2007/9/27 Small Startsを巡る攻防
2007/8/18 延長開業と東部の市電予算
2007/8/10 旧信号扱所をMAXが再利用へ
