2007年10月14日

【オレンジ郡】歩く距離を伸ばす路面電車を

カルフォルニア州オレンジ郡(Orange County)サンタアナ(Santa Ana)市で
路面電車の計画が浮上しつつあります.
ロサンゼルスから鉄道でサンタアナに向かうのはあまり一般的ではない
かもしれませんが,ユニオン駅からMetrolink(コミューターレール)の
オレンジ・カウンティ線(Orange County Line)に乗り込むこと小一時間,
途中アナハイムなどを通り列車はサンタアナ駅に到着します.
人口35万強のサンタアナ市では,この鉄道駅がダウンタウンから1マイル
近く離れていて,その間に路面電車を走らせることが,市の関係者の心を
つかんでいるようです.最近もポートランドで市電を視察してきており,
月曜(10/15)にも市議会で最初の説明が行われるとの報道がありました.

これはコミューターレールMetrolink利用客の便宜を図るというよりも,
10/08に市が発表していた100ブロック以上の中心部を大改造する計画,
Renaissance Planに組み込む構想のようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
October 12, 2007 Santa Ana getting serious about streetcars
October 8, 2007 Santa Ana plan aims for downtown rebirth
(Orange County Register ニュースへのリンク)

Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けます
サンタアナ駅 Santa Ana Depot (by Valerita flickr)
Santa Ana Depot

市のルネッサンス計画: Renaissance Specific Plan
(City of Santa Ana へのリンク)
今の段階ではストリートカーの文字は見当たりません.

市が路面電車を検討していることを伝える10/12付けの記事の中には,
ポートランドでは路面電車のことを,walk extenderと考えていることが
伺えます.路面電車は,人々をある場所から別の場所へと動き回りやすく
する手段になっているということで,路面電車があれば街中で人は行動
範囲を広げます.これが都市計画の立案者にとって魅力的なのでしょう.

walk-extenderという言葉は見慣れないので,ウェブサイトを検索して
みると,今年8月にThe Oregonianの社説がこの言葉を使っていました.
ポートランドで計画されている,川の向こう岸にも市電を走らせることに
関する論説です.
その中では,路面電車が心理的に距離を縮めることで,路面電車が走って
いないない場合より,人は長い距離を歩くことになるとして,2001年に
開業した最初の区間で起きた沿線への経済効果が,対岸の区間でも起きる
だろうと考えられています.
August 19, 2007 Go east, Streetcar
(The Oregonian 社説へのリンク)

ポートランド市電関連 最近の過去ログ:
2007/9/27 Small Startsを巡る攻防
2007/8/18 延長開業と東部の市電予算

再びオレンジ郡の話に戻りますが,路面電車への期待はサンタアナ市だけ
ではないとして,アナハイムやアーバイン(Irvine)市の名前も先の記事
では挙げられています.これら3つの街はLAからオレンジ郡に向かうと,
アナハイム,サンタアナ,そしてアーバインの順に並んでいます.

アーバイン(Irvine)にもコミューターレール(Metrolink)のオレンジ・
カウンティ線の駅があります.人口はアナハイムよりやや少ない20万強の
アーバイン市では,5マイルほどの計画があり,今年8月には2億8千万ドル
とされる建設費と700万ドルの年間運営費の予算が,市議会で承認されて
いました.
August 16, 2007 Transit system would cost $280 million
(Orange County Register ニュースへのリンク)

計画はMetrolinkのアーバイン(Irvine)駅を中心として,線路の北にある
海兵隊の基地跡に建設される公園(Great Park)や,駅からみて南西にある
Irvine Spectrum Centerというモール街を,専用軌道で結ぶものです.
アーバイン市のサイトに略図が載っています.
Irvine Guideway: Spectrum/Great Park Guideway Project
(City of Irvine 公式サイトへのリンク)

市のサイトの情報は最新のものではないようですが,上の記事によれば,
グレートパーク(Great Park)へ向かう3.4マイル(約5.5キロ)は路面電車
で,アーバイン・スペクトラム・センター(Irvine Spectrum Center)に
向かう1.6マイル(約2.6キロ)の路線は専用レーンを走るバスになるよう
です.どちらも原則として路面走行で,アーバインの鉄道駅だけが高架に
なる模様です.路面電車の区間では,架線が景観に与える影響を最小限に
するため,両脇に並木を植えるとか.

建設のための財源は,1億2130万ドル分は頓挫したオレンジ郡のライト
レール計画,CenterLine向けの資金からで,この使用には州の承認が必要
となります.記事ではProposition 116となっている項目です.9820万
ドル分はRenewed Measure M fundsとありますが,これはオレンジ郡の
資金で,この使用にはOCTAの承認が必要です.アーバイン市など地元の
負担は2560万ドルで,残りは州からの別の資金で賄います.
OCTA: Orange County Transportation Authority

運営費(年間700万ドル)は,オレンジ郡からの資金が360万ドル分,残りは
運賃収入が300万ドル,広告収入40万ドルがあてにされているようです.
アーバイン市の次の取り組みは,州とOCTAに働きかけることです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

アーバイン関連 過去ログ:
2006/2/01 【アーバイン】LRT計画が一部分復活か
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国南西部 このエントリーを含むはてなブックマーク
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