2007年11月09日

【Roads and Transit】出口調査結果明らかに

シアトル,タコマ,エバレットなどに代表されるピュージェットサウンド
(Puget Sound)地域の三つの郡,スノホミッシュ郡(Snohomish County),
キング郡(King County),ピアース郡(Pierce County)では,急増する地域
内の移動需要に応えるために,ライトレール建設に代表される都市交通
整備計画(ST2)と,RTIDの道路整備計画を,売上税と自動車税を増税する
ことで共同実施しようとしましたが,11/06の住民投票で反対票が56%と
賛成票を上回り,三郡共同のRoads and Transit案は否決されました.
ST2 : Sound Transit Phase 2
RTID : Regional Transportation Investment District

2007 General Elections Results 投票結果:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Proposition No. 1: A Regional Roads and Transit System
(Washington Secretary of State 公式サイトへのリンク)

これにより,Sound Transitが計画していたライトレール路線のうち,
North Link (University Linkのワシントン大学以北とエバレット方面),
East Link (シアトルから東方のワシントン湖にかかる浮き橋を渡り,
マイクロソフトの本社などもあるシアトル東のベルビュー方面へ)と,
Central Link(建設中)の空港から南へ延伸してTacoma Linkへの接続の
三路線と,その他の鉄道による都市交通では,シアトル市内First Hill
地区の路面電車も,現時点で棚上げになってしまいました.

ただし,現在建設中のシアトルの中心部(バストンネル)から,シアトル・
タコマ空港へ至るCentral Linkは予定通り2009年中の開業見込みですし,
バストンネルの北側からワシントン大学までのUniversity Linkも,来年
着工の予定に変わりはありません.12月中に開業予定のシアトル北部の
路面電車(South Lake Union Streetcar)にも影響ありません.

ST2 計画地図: Mapping the Future -- Sound Transit Plan
(SoundTransit 公式サイトへのリンク)
Roads and Transit全体の計画図 Sound Transit 2 & RTID Project Map
(Roads and Transit 公式サイトへのリンク)

道路や橋の補強と鉄道建設を組み合わせ,必要とされる180億ドルに及ぶ
巨費を捻出するため,米国でまれにみない増税を五十年間にわたり実施
する試みは,過半数の住民から拒絶されてしまいましたが,環境保護団体
シエラクラブ(Sierra Club)から,いわゆる出口調査の結果が発表され
ました.それを受けて一部メディアが内容を報道しています.

例えばシアトルタイムス紙は,地球温暖化に懸念を示す人たちでも,その
6%はRoads and Transitに反対票を投じていたという書き出しで始まる
記事を出しています.その6%が賛成に回っていたとしたら,もしもは禁物
ですが,結果は拮抗していただろうとしています.前述の環境保護団体
シエラクラブも,反対の立場をとっていました.
また,シアトルPI紙の公式ブログでは,反対票を投じた人の半数近くが,
ライトレールへのタコマ(Tacoma)への延長に反対だったということなど,
調査内容をまとめています.

出口調査の結果は,Roads and Transitに反対するキャンペーンのウェブ
サイトから現在ダウンロードできます.
Nov 8, 2007 Exit Poll released
(No RTID へのリンク)
Crosstabsが,項目ごとに地域別や性別の割合も出していて,最も詳細な
内容になっています.

November 8, 2007 Poll: Global warming caused some to vote no on
Proposition 1
(Seattle Times ニュースへのリンク)
November 8, 2007 As RTID rides off into the sunset -- er, fog
bank -- exit poll shows interesting twists

(Seattle Post Intelligence blog ブログへのリンク)

これらでも取り上げられている調査結果を抜粋してみると;
都市交通(Transit)だけだったら賛成していた人: 52% (反対36%)
地域別ではシアトル市内が64%,その他のキング郡と他の2郡は40%台後半
ですが,不明回答もあるため反対より割合が勝っています.
道路整備(Roads)だけだったら賛成した人: 45% (反対39%)
道路と都市交通で投票自体は別々でも,今回は賛否をどちらも同じにする
必要がありました.どちらかだけ賛成で片方は反対という投票はできない
仕組みにしていたのです.

反対理由に特定の計画を挙げた人の割合は19%に過ぎませんが,その中で
ライトレールへのタコマ(Tacoma)への延長に反対の人: 47%
これは地域別にみても地元ピアース郡でさえ43%あり,反対された計画の
中で断トツのトップでした.

反対した人の理由で,増税負担が重いのでと答えた人: 45%
税に限定して,最大の懸念は期間が50年間に及ぶためとした人: 35%
売上税は10ドルにつき6セント増で,このうち道路に1セント,都市交通に
5セントが配分され,平均的な世帯で年間$150の増税に相当し,実施され
ていれば,シアトルでは売上税が9.4%になっているところでした.また,
自動車税は査定額1万ドルにつき80ドル増しになるはずでした.

この手の財源は道路の有料化が望ましいとした人: 54% (一般税は25%)
ワシントン湖をわたる2つの幹線道路(SR520とI-90)の有料化に賛成: 70%
Roads and Transit(Proposition #1)に反対票を投じた人のなかでは,
財源を有料道路化に求めるべきとする人の割合が65%に及びました.

賛成票を投じた人の理由は,
都市交通計画: 35%,道路計画: 11%,両方: 54%
賛成の理由に都市交通計画を挙げた人は,地域別でみるとシアトル市で
43%にのぼり,他の地域の30%台を引き離しています.

調査はサンプルが5千人で,投票日の二日前から当日にかけて自動的に
選択された相手への電話調査に基づくものだそうです.

これらの調査結果を踏まえ,早くも来年11月の大統領選と同時に行われる
住民投票に向けた動きも,見られはじめているそうです.

Roads and Transit(Proposition #1)関連過去ログ:
2007/9/28 キング郡トップが反対
2007/8/27 マリナーズなどが賛成
Sound Transit 2 関連過去ログ:
2007/4/28 【Sound Transit】ST2最終案まとまり投票へ
2007/1/15 【Sound Transit】投票に向け計画煮詰まる
2006/7/17 【Sound Transit】ST2詳細明らかに
2006/3/10 【シアトル】"Sound Transit 2"一年遅れに

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 米国北西部 このエントリーを含むはてなブックマーク
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【Sound Transit】2008年秋にも再挑戦?
Excerpt: 投票後に行われた聞き取り調査の結果が, Sound Transitから発表されていました
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Tracked: 2007-11-30 00:00