2005年09月21日

【アトランタ】ベルトライン構想ほか

ジョージア州アトランタは,市としては人口42万5千人ですが,周辺地域を
含めた都市圏全域ではその十倍の471万人近くの人口を擁し,全米でも9位に
位置づけられている大都市です.
地下鉄が十字型に整備されており,1979年には東西を結ぶ路線が先に開業,
2年後は南北を結ぶ路線も開業しました.現在の路線長は79.2kmです.
MARTA (公式サイトの地図へのリンク)
MARTA : Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority
この地下鉄は第三軌条方式で路線は地下か高架を走り,一部に日立製車両が
導入されています.また開業当初からの車両は,現在ALSTOMが2007年までに
順次修繕を行なっています.
アトランタは人口が急増していますが,この地下鉄は残念ながら利用者数が
伸び悩んでおり,1985年をピークにオリンピックが開催された年を除き微減
傾向にあります.地下鉄駅周辺の開発が一段落してしまい,他の地域に人口
が流入しているのでしょうか.道路の渋滞は激しい都市です.

前置きが長くなりましたが,この停滞気味の地下鉄とは別に,都心から2〜4
マイル(3.2〜6.4km)離れたところを,ぐるりと囲む全周35kmの貨物線や線路
用地がアトランタにはあります.そしてそれを将来LRTか鉄道に転用しようと
いう計画が,ベルトライン(Beltline Transit)と呼ばれる構想です.
アトランタの周辺45の町を結ぶこのベルトラインの半マイル(800m)の範囲内
には,すでに10万人が住んでいるとされ,今後25年間に15万人が新たな住民
として加わるとみられています.ベルトラインは交通手段だけではなく,
緑地やトレイルを設けたり,地域の開発や改善の場を提供することになって
います.BeltLine concept Map (公式サイトの地図へのリンク)

このベルトラインのうちの一部,Norfolk Southern Railway Company(NS)の
線路を買い取ったWayne Mason氏が,このたび交通の専門家を雇い入れ,自分
が所有する区間に導入する交通機関の候補を絞り込む調査を開始しました.
Transit experts will explore Beltline options
(Atlanta Journal-Constitutionのニュースへのリンク)
Mason氏が所有するNS部分は,ベルトラインの北東部分,高速I-85号線から
MARTAの東西線までになります.途中には公園やショッピングモールの他,
元大統領ゆかりのカーターセンター(Carter Center)があります.

ベルトライン開発はアトランタ都心部を改造する市の計画の一部でもあり,
市議会はTAD(Tax Allocation District)指定も視野に入れています.その
ためには交通機関の導入が欠かせないようですが,Mason氏はこれを急がせる
ために,シャーロットやタンパ,ポートランドなどでストリートカー(路面
電車)やライトレール(LRT)に携わっている専門家を招きました.

Mason氏はこの春ポートランドを訪れており,その際ストリートカー(市電)に
強烈な印象を受けたようです.それは建設が他の候補より安く時間もかから
ないばかりではなく,ポートランドの市電がほとんど連邦予算なしで,地元
と民間から資金を調達したことにより,役所手続きによる待ち時間を回避
したこともあります.

この区間だけ先行しても,将来他の区間が別のモードを選択する可能性も
ありますが,Mason氏は意に介していないようです.全体がループを形成して
いても,そこを通しで環状運転する必要がないからでしょう.


〜〜ストリートカー(路面電車)計画〜〜

アトランタにはベルトラインとは別に,資金調達の目処は立っていないよう
ですが,路面電車の構想もあります.
非営利団体のAtlanta Streetcar, Inc..が手がけているもので,アトランタの
目抜き通りピーチツリー通り(Peachtree St.)を併用軌道で8マイル(12.9km)
走るほか,ダウンタウンのループ線3.5マイル(5.6km)も計画されています.
アトランタ ストリートカー 計画ルート (公式サイトへのリンク)

ピーチツリー通り上を走る路線は,MARTAの地下鉄南北線とほぼ同じ場所を
通ることになりますが,地下鉄は駅間隔が長いため,目抜き通り沿いの目的
地へ行くのに不便なケースが多いこと,地下鉄は駅が地下や高架で地表の
様子が伺えず,訪問者には不安があることから,こまめに電停を設ければ
一定の需要があるとみています.そればかりでなく相乗効果で地下鉄の利用
者増も狙っています.歴史をひもとくと,第二次世界大戦前後まではピーチ
ツリー通りにも路面電車が走っていました.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(3) | 米国南東部 このエントリーを含むはてなブックマーク
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