2007年12月22日

【ニース】【ルマン】開業一ヶ月後の状況

先月11月,フランスで新たに二つの街でトラム(tramway)が開業してから
ひと月が経過しようとしています.
開業前後には華々しかった報道も今は影をひそめ,情報はあまり得られて
いませんが,ルマン(Le Mans)では一日約5万人の利用があると,英国の
不動産関連のサイトが伝えています.トラム沿線では,1500戸の住宅が
新築中ともあります.

一方,ニース(Nice)では3週間半が経過した時点での問題点を洗い出した
無料紙Metroの記事をウェブサイトで読むことができ,路線のほぼ中心に
なるマセナ広場の停留所(La station Masséna)では,一日3万5千5百人の
利用があると報じていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
18th Dec 2007 French Transport Revolution
(Homes Worldwide ニュースへのリンク)
20-12-2007 Le tramway trouve sa place dans la ville
(Metro France ニュースへのリンク)

Metroによれば,他の都市では当たり前の一日二回ある朝夕のピークが,
ニースのトラムには見られず,こぶが一つのラクダに例えられています.
19時ごろまでがピークになるようですが,これはクリスマスシーズンで
時期的に買い物客が多いことや,年齢層の高さによるものと,記事の中で
識者が分析していました.
また,現在T1の全区間(Las Planas - Pont Michel)所要時間が平均42分の
ところを,30分にすべき(する予定?)とか,現在所有20本のうち16本で
運用されているところを,1本増やして平日日中7分間隔から6分間隔に
すべき(する予定?)ともあります.

公式の時刻表によれば,Las Planas - Masséna間が21分,Pont Michel -
Masséna間で26分とあり,合計すると47分になっています.
Horaires Ligne T1: Las Planas - Pont Michel
(Ligne d'azur 公式サイトへのリンク)
Ligne d'azur: transports en commun de l'agglomération Nice Côte d'Azur
始発駅の朝8時台をみても,前半は14分間隔の出発となっています.

今月中旬に乗車する機会がありましたが,確かに今のままでは体感的にも
遅く感じます.これは速度の問題というよりも,信号機との連動の問題
で,赤信号はボタン操作で短縮できますが,流れとしての制御がなされて
いないようで,極端な場合は信号機のある交差点ごとに停車するという
状況でした.これは開業直後の他の都市でも見られることなので,周囲が
慣れ次第.改善されていくものなのかもしれません.

ニースのトラムでは,バッテリー走行が注目されています.ゴムタイヤ式
トラムでは先例がありますが,鉄レール式トラムでは世界初の営業運行
でしょう.Saft製Ni-MH(ニッケル水素)バッテリパックが各トラムの屋根
上に搭載され,架線のない区間も自走できるようになっています.

このバッテリ走行区間に関しては,ウェブ上にはあまり資料がないよう
ですが,停留所名では次の区間になります.
* Masséna と Opéra - Vieille Ville の間 約440m
+ Opéra - Vieille Ville と Cathédrale - Vieille Ville の間は架線あり
* Cathédrale - Vieille Ville と Garibaldi の間 約470m
途中320mほど750V直流電流の架線下走行を挟んでいます.
距離に関しては,少々異なる数字も見られますが,いずれにしても架線
なしの区間は,それぞれ500m未満です.下にリンクを紹介する業界紙の
記事によれば,車内で空調を効かせた状態でも,加速度0.5 m/s2で時速
30キロまで出せるそうです.
アルストムのサイトによれば,バッテリーは温度差の激しくない状況で
使われていれば,最低でも5年の寿命があるとか.リサイクルも可能な
ようです.

22 Oct 2007 Nice: Trams return to the Côte d'Azur
(Railway Gazette へのリンク)
The battery, autonomous on-board system
(Alstom 公式サイトへのリンク)

ここからは見たまま情報になりますが,運転台にはバッテリ残量を示す
表示があり,架線なしの区間一回走行で容量の10%少々を消費している
ことが見てとれます.途中に挟まれている給電区間で2%前後を回復し,
次のバッテリー走行で再び10%少々を消費.二つの区間を走り終えると
残量は概ね80%になっていました.残量計は目測で75%ぐらいまで緑色の
地色があり,それ以下は黄色と赤になっています.

今はクリスマス向けの電飾も見所の一つ(La station Masséna):
Nice_Massena1.jpg

架線のないマセナ広場(Place Masséna)を走るトラム:
Nice_Massena3.jpg Nice_Massena4.jpg

まだまだ工事たけなわのガリバルディ広場(Place Garibaldi):
Nice_Garibaldi.jpg
工事が終わるのは2008年3月ごろと言われています.

折りたたまれたパンタグラフのところにバッテリが搭載されています.
Nice_Massena2.jpg
マセナ広場には,クリスマス市がたっていました.

【ニース】関連 最近の過去ログ:
2007/11/27 トラム開業二日で18万人が体験
2007/11/10 【フランス】2007年11月トラム開通ラッシュ
2007/7/22 バッテリー区間でも試運転開始

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(3) | フランス I このエントリーを含むはてなブックマーク
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