2007年12月29日

【ウィーン】発ブラチスラバ行きトラム?!

ウィーンはオーストリア国内でも東端にあり,隣接するスロバキアでは
首都ブラチスラヴァ(Bratislava)が同国内の西端にあって,ドナウ川も
流れる両市の間は意外に近いものです.鉄道や都市間バスが1時間前後で
結んでいる他,ブラチスラバの空港(BTS / LZIB)を,括弧つきながらも
ウィーンと記している格安運賃が売り物の航空会社もあるほどです.

スロバキア(Slovakia)も,2007年12月からはシェンゲン協定(Schengen
Agreement)により,協定加盟国との間の国境通過の手続きが簡素化され
ました.空港は2008年3月まで待たなければなりませんが,陸上と水上の
国境では,すでに旅券の提示なしでオーストリアとの間を出入できること
になっているはずで,従来にも増して人の往来が多くなることでしょう.

そのウィーンとブラチスラヴァの鉄道輸送に,ウィーン近郊のバーデン
(Baden)への鉄道を早くから走らせていた,Badner BahnことWLBが興味を
示しているという話題が出てきました.市電(Wiener Linien)の軌道を
使って,オペラ座の前まで電車を乗り入れている会社です.
WLB: Wiener Lokalbahnen
WLBは株式会社で,大半の株はウィーン市が所有しています.

WLBでは現在Wolfsthalまで走っているSバーン(S7)と同じルートを使い,
Wolfsthal(S7の終点)から,ブラチスラヴァ近郊Petržalkaまでの7キロを
整備することを考えています.これはÖBBが走らせている両都市間の経路
とは異なります.大戦後にWolfsthal - Petržalkaの軌道は撤去されて,
以降はそのままなのだそうで,その部分だけで,7千万ユーロは掛かると
見積もられています.

ブラチスラヴァ側は,空港へ乗り入れを考えているようですが,注目は
ウィーン側のターミナルです.今のバーデンへの路線のように,オペラ座
前のような中心部から発着させたいと,WLBでは考えているそうです.
この構想を取り上げた記事は,ウィーンとブラチスラバ間をトラムが走る
というように紹介し,ライトレール(原文もLight Rail)プロジェクトと
呼んでいます.

2012年末か2013年の実現を目指しますが,それには新たに60本の車両が
必要とされ,ウィーン市内のトラム路線網に乗り入れるには,交直両用で
なければなりません.1本あたり300万ユーロとみられます.

空港連絡はウィーン側でも検討されていています.S7がウィーン国際空港
(Flughafen Wien-Schwechat / VIE / LOWW)の地下にある駅も通っている
からです.ブラチスラバからのトラムが,ウィーン空港を経由して同市
市内で市電路線網に乗り入れできれば,中心部と直結してトラムトレイン
のようで便利になるでしょう.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
26.12.2007 Badner Bahn wird Bratislava anfahren
(Wirtschafts Blatt ニュースへのリンク)
27.12.2007 Badner Bahn will nach Bratislava
(Kurier ニュースへのリンク)
Reise Österreich Mit Straßenbahn nach Bratislava: Wiener
Lokalbahnen prüfen Verlängerung der S7

(News Networld ニュースへのリンク)

Kurier紙の記事にあるInfografikをクリックすると,ウィーン側の起点が
オペラ座前(=Karlsplatz)になっている地図を見ることができます.

ウィーンの街中でULFとすれ違うWLBの電車:
Wien8_WLB.jpg

ただしこの話,必ずしも全てのメディアが取り上げているわけではなく,
鉄道関係の情報や意見が交わされる現地の掲示板では,クリスマスで酒を
飲み過ぎたのではないかというタイトルのスレッドがありました.この
数日間に既に10ページ目まで進んでいます.
Was zu viel Alkohol über Weihnachten anrichten kann: Badner Bahn
nach Bratislava
(Eisenbahnforum Österreich へのリンク)

その他,今月はオーストリアのシーメンスが,ウクライナのキエフ(Kiev
/ Кив)向けの路面電車車両を,2011年までの納入で100両受注する
だろうという話がありました.正式契約はまだですが,2008年秋には2本
から5本程度の車両を製作する模様で,詳しいことは不明です.
13. Dezember 2007 Straßenbahn-Großauftrag in Kiew
(APA)の記事 (derStandard.at ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(2) | TrackBack(1) | オーストリア このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
戦前は市電でブラチスラバに行けたと書いてある本にいくつかお目にかかって大変興味を持っていた者です。現在は空港までは増強されてSバーン化されて国境近くのWolfsthalまでS7が行っていますが、いつかToday'sRailway誌に探訪記が載っていましたが、もともと軽量電車用なので橋梁がこれ以上重い電車は使えないとありました。スロバキア側にはドナウ川にかかる橋があってこれが使える状態なのかが気にかかるところです。ブラスチバ市内は本駅に接続せずFilialkaという駅で終わり、当時は同市市電につながっていたのではないかと思います。ウイーンの方もKleinSchwechatから真っ直ぐに市内に入り第三の男に出てくる墓地の前を通る市電につながっていたのではないかと思います。一度ウイーンの友人に聞いてみたいと思っています。しかし確かに復活の話は聞いていないのでクリスマスのたわごとかもしれませんね。
Posted by H.Usui at 2007年12月30日 03:39
EISENBAHN Oestrreichの1/2008にPressburgerbahnの歴史と現状についての記事が載っています。
この記事は12/2007と1/2008の2回で、現在も運行している2本のウィーン〜ブラチスラバ(Pressburg)間の鉄道ルートと、現在は途切れている旧Pressburgerbahn・現S7について変遷を紹介しているものです。
1/2008には旧Pressburgerbahnルートの現状の写真が4枚掲載されています。
発売から間もないですから、洋書屋さんで手に入るのではないかと思います。ご参考まで。
Posted by ケンタ at 2008年01月12日 22:56
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/75341019
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

【オーストリア】越境トラム構想その後 ほか
Excerpt: 昨年末の,ウィーン市内から国境を越えてスロバキアの首都ブラチスラバ (Bratislava / ドイツ語名Pressburg)まで,トラムで直通運転?という 話題で,ルートにあたるブラチスラヴァ鉄道(...
Weblog: 海外LRTニュース・ひろい読み
Tracked: 2008-01-15 19:00