このまま両者の争いになれば,どちらが残って11月に勝利しても米国では
初の冠が付く野党の大統領候補者選びが,日本国内でも話題です.
一方,1/08の予備選で4位に甘んじたニューメキシコ州の知事は,結果を
受け止めレースから撤退すると発表するそうですが,ライトレールという
言葉を使っていた唯一の候補者でした.残る野党からの候補者も,公共
交通整備には前向きのようで,政権交代が行われれば,自分たちの計画に
連邦補助金がおりるかもしれないと期待する向きもあるようです.
ミズーリ州カンザスシティ(Kansas City)の市議会で,先ごろワシントン
在任のロビイストが,市の推すライトレール計画は,現政権下では連邦
補助金を得られる見込みがないと報告し,もしも,野党の候補者が来年
ホワイトハウス入りすれば,公共交通整備向けの予算が増額され,FTAが
資金を出すかもしれないと説明していたことが,報道されています.
カンザスシティが申請を検討しているのは,FTAのNew Startsプログラム
です.ポートランドの件で紹介していたSmall Startsと比べると,この
New Startsは規模の大きい計画が対象で,手続きも十年近くに及ぶそう
です.また,その名の通り新規事業でなければなりません.
Small Startsプログラムでは,バスよりも多くの初期投資を要する路面
電車をこれまで一切承認しておらず,沿線への投資が増える経済効果が
全く考慮されていませんでした.
2008/1/01 【ポートランド】費用効果重視の政府姿勢に直面
New Startsプログラムでも,承認されにくい条件と承認されやすい条件が
あることを,一連の報道から伺うことができます.
カンザスシティが候補の一つに考えている計画は,ライトレールと路面
電車(streetcar)の特性をあわせ持ったハイブリッドです.
これは,予算などの問題から,比較的短い距離を先行して整備し,後から
規模を大きくしていくというもので,駅間距離も短く,車両も大型では
ないというところが路面電車の特性です.一方,ライトレールの特性と
しては,道路上を走りながらも,軌道敷きは自動車が乗り入れできない
専用レーン化するということがあります.
ロビイストによれば,この計画では短距離路線であることと,駅間距離が
短いことが,New Startsプログラムで資金を得るのに障害になるとのこと
です.つまり,路線距離も駅間距離も長いライトレールが,今のFTAでは
好まれているようです.
この他,気候変動問題と絡み,沿線からの同意がきちんと得られているか
どうかとか,低所得者や自動車を持たない世帯数なども勘案されます.
カンザスシティのライトレール計画は,様々な案を出して比較検討する
段階ですので,短距離の先行路線から始めることが決まったわけではあり
ませんが,連邦からの支援に頼らずに先行路線を建設しようという考えも
あります.これに対してロビイストは,地元資金だけで先行すると,将来
連邦資金が必要になっても,先行路線の利用実績が反映されないとして,
頼るなら最初から連邦補助金を使うことを勧めています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
January 9, 2008 Change in party at White House could help fund
light rail in KC (Sun Tribune ニュースへのリンク)
January 8, 2008 City moves forward with light rail plans
(KC Community News ニュースへのリンク)
January 7, 2008 Another step in selling light rail in KC: Punt
the word 'streetcar'?
(KansasCity.com Prime Buzz ニュースへのリンク)
Jan. 03, 2008 Change in White House could help funding for
streetcars, lobbyist says
(The Kansas City Star ニュースへのリンク)
野党が政権を奪還したところで,実際にどれだけ変わるのかは定かでは
ありませんが,野党候補の連邦上院議員は,そのキャンペーンの中で,
連邦政府が出す公共交通への補助金の増額を,昨年8月の時点で公約して
います.これは,ミネソタ州で高速道路の橋が崩壊し,米国各地で老朽化
した交通インフラの安全性が懸念されていた頃の話です.
8/8/2007 Hillary Clinton Announces Rebuild America Plan
(Hillary for President 公式サイトへのリンク)
この上院議員のように,明確な数字を挙げている候補者は与野党ともに
いない模様ですが,各候補者の公共交通に対する取り組みをまとめていた
ブログがありました.下は野党候補者の分です.
September 28, 2007 The Democratic Presidential Candidates and
Transit (Live from the Third Rail ブログへのリンク)
与党候補者の取り組みは,この翌日に投稿されています.
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
2008年01月10日
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