2008年04月14日

【セントラルコリドー】知事の拒否権で危機

ミネソタ州州都セントポール(St. Paul)と,同州最大の都市ミネアポリス
(Minneapolis)の,いわゆるツインシティ(Twin Cities)間を結ぶことに
なるライトレール計画,セントラルコリドー(Central Corridor)が暗礁に
乗り上がりかかっています.

セントラルコリドー計画は,建設費見通しが9億9百万ドルに膨れ上がった
ものの,ツインシティなど7郡の広域行政と地域計画立案の機関である
メトロ・カウンシル(Metropolitan Council)の承認を2月下旬に得て,
次は建設費の半分を出してくれる連邦政府への申請を,この夏に控えて
いるところでした.

ところが先週初め,ミネソタ州の州知事が,州の負担となる7千ドルの
拠出を定める法案に,一部条項の拒否権を行使,その中にはセントラル
コリドーが含まれていたため,州からの補助金が宙に浮いた形になって
しまったのです.

金額自体は,9億ドル超の予算のうちの一割にも満たないものですが,
州知事は計画に賛成と見られていただけに,代案は全く考えられてなく,
その分の穴が開いてしまうのと同時に,これが州からの賛同を得られて
いないと連邦機関(FTA)に解釈されると,予算の半分を賄う連邦補助金を
獲得できないかもしれないという問題がありました.
しかも,5月中旬までの州議会開催中に決着をつけないと,8月のFTAへの
申請に間に合わないという,切羽詰ったものです.

州知事は,州の借り入れ金が膨大になることを避けたく,総額で約2億
ドルに相当する条項に拒否権を使い,削除させました.
その中の最大のプロジェクトがライトレールだったのです.その他にも,
州都セントポールに関連する計画案があり,就任当時からライトレール
計画推進を公言しているセントポール市長は,所属政党が異なることも
あってか,怒りを隠せない様子が伝えられていました.
州知事にしてみれば,セントラルコリドー計画に関しては,今一度内容を
見直すように,という意図がある模様です.電車は検査入場させるという
言い方をしていました.

しかし,議会開催中に解決できないと,今年の補助金申請は困難になり,
それがもたらす翌年への遅れは,更なる予算増加を意味しています.
すでに当初予定より遅れていて,その影響だけで4千万ドルも高騰して
現在の9億ドルを突破するに至っていました.また,ここまでFTA内での
セントラルコリドーの優先順位は高くなっているとされているものの,
来年になれば,これが列の一番後ろに回ることになりかねず,これまでの
努力が水泡に帰してしまうと懸念されています.

今や全米各地で公共交通計画が始動していて,連邦からの補助金獲得は
熾烈な競争になっています.今回ミネソタ州知事の拒否権行使の報道は,
ライバルの街に笑みをもたらしたという発言も紹介されていました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
一連の報道が落ち着いた後,情報更新と要点をまとめた公共放送サイトに
掲載されている記事:
April 11, 2008 Pawlenty's LRT veto -- good negotiating strategy?
April 9, 2008 Central Corridor's funding fight could send project
to the back of the line
(Minnesota Public Radio ニュースへのリンク)
4/09の記事には路線図なども掲載されています.

州知事が一部条項に拒否権を下した書類は,PDFファイル版で見ることが
できます.Bill Log: Legislation for 2008
(Office of Governor Tim Pawlenty 公式サイトへのリンク)
リストの下にVeto Messagesリストがあり,2008 Chapter 179のPage 6に
該当部分があります.

膨大な数の記事が出ていますが,第一報から一日たった時点での記事:
04/08/2008 Central Corridor dead or alive?
(Pioneer Press ニュースへのリンク)
April 8, 2008 Democrats say it's up to Pawlenty to revive rail
money
The Associated Pressの記事
(Minneapolis-St. Paul Star Tribune ニュースへのリンク)
04/08/2008 Sorry, St. Paul -- budget ax falls hard on capital city
(Pioneer Press ニュースへのリンク)

連邦補助金獲得には,沿線からの同意も必要です.もちろん,ルートも
確定していなければなりません.
しかし,この州知事拒否権問題が生じた後でさえ,敷地の中をセントラル
コリドーが走ることに懸念を示し続けてきた大学が,当初案の北側への
迂回ルートを,再び支持し始めたという報道もありました.
4/11/2008 U of M Regents reaffirms support for northern alignment
for Central Corridor light rail line

(UMN News ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国中部 このエントリーを含むはてなブックマーク
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