2009年07月02日

【ガルベストン】アイク襲来後のトロリー現状

メキシコ湾沿いのガルベストン市(Galveston)は,2008年9月に襲来した
ハリケーン アイク(Ike)の上陸で,高波による浸水の被害を蒙りました.

1988年から運行を開始していたレトロな趣の路面電車(Galveston Island
Trolley)も例外ではなく,ヴィクトリア朝風の建物で観光客が多く集まる
ストランド地区(The Strand)の軌道や,車庫にいた所有車両の4台全てが
塩分を含む水に漬かってしまいました.今回は,その後の現状を伝える
記事が見つかりましたので,紹介しておきます.

ガルベストン アイランド トロリーの車は,ディーゼル発電機を搭載し,
架線の張られていないガルベストンアイランド内の路線を行き来していた
ものですが,浸水で使い物にならなくなった動力系統や車内設備などの
交換には,一台あたり60万ドルが必要とされています.

車両には一台につき20万ドルの保険が掛かっていますが,残りは連邦緊急
事態管理庁(FEMA)とガルベストン市が,負担を分け合わなければならない
ようです.(一台20万ドルずつ?)
FEMA: Federal Emergency Management Agency

この現状では,いずれは運転を再開することにはなるかもしれませんが,
その時期は全く定かでないということのようです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
July 1, 2009 Trolley repairs waiting on insurance, FEMA funds
(The Galveston County Daily News ニュースへのリンク)

この記事によれば,2007年9月から2008年8月までの輸送実績は22,069人,
運賃収入は$11,213だったそうです.
一方,運行にかかる経費は百万ドルで,ガルベストンアイランド内で路線
バスなども運行しているIsland Transitの予算の四分の一を占めます.

アイク襲来前の時点でも,空気輸送のような有様でしたので,いっそ廃止
してしまえという声も当然上がっていたのですが,導入時に連邦政府から
補助金を受けたため,耐用年数まではそう簡単には廃止できませんし,
ガルベストンの回復を目指す委員会は,今後もトロリーを観光資源として
とらえていく模様です.

【カルベストン】関連ログ: 2008/1/06 トロリー季節運行も視野に

同じくハリケーンによる浸水で多大な被害を蒙ったニューオリンズでも,
その余波は続いています.
独立記念日の三連休が明けた7/06からカナルストリート線(Canal Street
streetcar line)は,当分の間はバスで代行運転されるそうです.これは
カトリーナのもたらした水に漬かった地下埋設のフィーダーケーブルの
交換に伴う措置で,代行期間は八週間に及ぶ予定です.
代行バスは道路中央の軌道上を走らないため,その期間中は歩道から乗降
するようにとの注意も出ていました.

内容が間違っていたりリンク切れがありましたら,ご容赦ください.
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2009年06月29日

架線なしなら軌道もニセモノで代用できる?

米国では,自動車の速度超過を防ぐため,路面に貼り付ける陥没の穴を
模したシールがあるそうです.ポットホールと呼ばれる陥没が行く手に
あれば,たいていのドライバーはスピードを落とそうとするからです.

にせポットホールの効果のほどはともかくも,そのアイディアを拝借し,
ストリートカー(streetcar)が路線バスよりも優位に立つ点の一つである
レールの存在を,実際に道路に鉄軌道を敷くのではなく,ペイントしたり
貼ったりして表現したら,安上がりでないかという話がありました.

一度は邪魔者扱いして撤去され,路線バスよりも特別な措置を施さない
限り速度が速いわけでもない上,資金も余計にかかる路面電車が,今再び
導入されようという動きが活発なのは,バスよりも電車のほうが永続性が
あり,その存在感で利用者は行き先を案ずることなく乗降できるほか,
開発業者にとっても,その地域に多額の資金が投じられてレールが敷かれ
ていれば,おいそれとルートが変わるわけないと安心して投資することが
でき,結果として沿線に経済効果がもたらされ,衰退化していた中心部が
再活性化されて,導入資金を上回るからに他なりません.
英語では不変性とか永続という意味のpermanenceという言葉が,バスより
路面電車が優れている点として,よく使われています.


このPermanenceには,道路上のレールだけでなく空中の架線が含まれる
ことも多いようです.しかし,最近は架線がなくても電車を走らせられる
技術が発達してきて,景観保護だけでなく市電導入の資金節約のため,
架線なしの設計が検討されているところがあります.
今月は話題の多いノースカロライナ州シャーロットのストリートカーも
その一つですが,架線なしでは存在感が少し失われて,永続性も弱まって
しまうのではないかという懸念が,地元紙のDr. Traffic欄に掲載されて
いました.

これに対してシャーロットの市電担当者は,架線がなくなるぐらいでは,
Permanenceが損なわれることはないと考えています.
それならばということで,軌道も鋼鉄製レールでなく塗装か写真シールで
代用して,その上にバスを走らせれば,もっと安上がりになるという話に
発展した次第です.

現実的な話ではなさそうですが,ちょっとした発想の転換につながるかも
しれず,日本では週が明けてしまったものの,週末の読み物として面白い
のではないかと考え,紹介しておきます.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)

Jun. 28, 2009 Imagine the streetcar with painted rail lines
(The Charlotte Observer =Dr. Traffic= へのリンク)

シャーロットに限定したものではありませんが,今月初めには路面電車が
バスに勝る36の根拠と題した話も出ていました.
June 3rd, 2009 36 Reasons Streetcars Are Better Than Buses
(The Infrastructurist へのリンク)

【シャーロット】ストリートカー 2009年6月の話題:
2009/6/14 架線なし燃料電池市電の勧め
2009/6/07 市電建設調査費捻出の賭け

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2009年06月14日

【シャーロット】架線なし燃料電池市電の勧め

カンファレンス関連の話が続きますし,シャーロットは先週も話題になり
ましたが,ノースカロライナ大学シャーロット校(UNC Charlotte)で,
第五回国際ハイドレール(Hydrail)会議が先日開催されていて,そこでの
主要議題の一つ,Hydrailの路面電車版(hydrolley)なら,同市で計画中の
ストリートカー10マイルほどの建設費が,約6千万ドルほど安くなると
いう話を,専門紙ではなく一般メディアが記事に取り上げていました.
UNC Charlotte: University of North Carolina at Charlotte

ハイドレール(Hydrail)とは,一般にはあまり馴染みのない名前かもしれ
ませんが,水素を燃料として走る鉄道車両のことで,日本でも財団法人
鉄道総合技術研究所が開発した車両(R291形試験電車)のみならず,ハイ
ブリッド版も含まれるそうですので,JR東日本のNEトレインなども該当
しそうです.

この路面電車版とも言えるハイドロリー(hydrolley)も,基本原理は同じ
で燃料電池で走るため,建設時に架線を張ったり変電所を設置する必要が
ありません.
コロラド州の会社(Proterra LLC)によれば,架線による給電を行わない
場合,路面電車の建設費は1マイルあたりで4百万ドル節減でき,今回の
報道によれば,運営費も含めて10マイルの路線で6千万ドル浮かすことが
出来るという試算になった模様です.ただし,車両(ハイドロリー)の値段
自体には触れていません.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 11, 2009 Engineers: Charlotte could save $60 million on
streetcar plan
(WCNC-TV NewsChannel 36 ニュースへのリンク)

架線レスで走るワイヤレス・ストリートカーの話は,シャーロット市議会
にも昨秋のうちに伝わっていることが,会議開催に先立つ今春明らかに
されていました.
April 10, 2009 UNC Charlotte Hydrail Conference Spotlights Wireless
Rail Transit
(UNC Charlotte ニュースへのリンク)

International Hydrail Conferenceの案内:
会議の案内: Fifth International Hydrail Conference 11-12 June 2009
(Hydrail 公式サイトへのリンク)
現在ハイドレイル(Hydrail)のトップページにも掲載されています.

カンファレンスのスポンサーにはCATSも加わっていて,最終日(6/12)には
ハイドロリーの夜明け(Dawn of the Hydrolley)と題したテーマのあと,
ライトレールLynxブルーラインの車両基地へ見学会も行われた模様です.
CATS: Charlotte Area Transit System

シャーロットのストリートカーは,先週予備的な調査に予算が辛うじて
ついたばかりです.市の首脳らは前例のない方法に及び腰になりそうとの
ことですが,今回の報道によれば,CATSのストリートカー計画担当者は,
燃料電池車やハイブリッド車も視野に入れそうです.

【シャーロット】ストリートカー関連の直近過去ログ:
2009/6/07 市電建設調査費捻出の賭け

架線レス トラムでは今のところ欧州が先行していますが,導入目的も
形態さえも異なるものが,実用化される日も近いのでしょうか.

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2009年06月09日

【ニューオリンズ】三つの市電新路線計画

全米各地でストリートカー導入計画は目白押しですが,これまでは話が
出ていても,資金難から実現に至りそうにないことが多かったものです.
たとえ連邦政府から補助金を受け取れたとしても,それは計画全体の必要
経費の半額までが限度で,残る半分は何らかの形で地元で負担しなければ
なりませんでした.それに不況が追い討ちをかけているのが現状です.

しかし,景気対策法(ARRA)の元で連邦政府が支援するTIGERと呼ばれる
プログラムに後押しされて,ニューオリンズでは路面電車の新路線を三つ
検討していることが,先月下旬から話題にされていました.
ARRA: American Recovery and Reinvestment Act of 2009
TIGER: Grants for Transportation Investment Generating Economic Recovery

TIGERは地元半額負担の縛りがないなど,通常の審査基準を経ず運輸省の
自由裁量で交付される助成金のため,総額で15億ドルが用意されている
TIGERの獲得を目指して,公共交通だけでなく,全米中の道路や橋など
全ての地上運輸関連インフラ整備計画が,しのぎを削ることになります.

ハリケーン・カトリーナの被災以降,いまだ都市内公共交通の利用者は
被災前の三分の一にも至らない状況ですが,路面電車は被災前の運転区間
まで全面復旧して一年近くが経ち,今年に入ってからRTA全体の利用者の
半数近くを市電の乗客が占めていて,好調に推移している模様です.
RTA: New Orleans Regional Transit Authority

新線建設はRTA利用者を増やすことのみならず,沿線への投資効果による
活性化も期待されていますので,2億ドルまでを限度に支給されるTIGER
プログラムは,競争は激しいと思われますが,まさに千載一遇のチャンス
と言えます.

TIGERの申請締切りは9/15です.それまでに都市内公共交通の運営を請け
負っているVeolia Transportationが推奨する新線計画は,RTAの理事会に
諮られ,そののち計画案は市議会に報告されることになっています.

提案されている三路線は,いずれも既存路線のカナルストリート線と接続
し,オプションでリバーフロント線と接続させる案もあります.

第一案(ロヨラ通りルート)
3300万から3840万ドル,1.57から1.62マイル
第二案(フレンチクオーター ループ)
6360万から8600万ドル,3.9から5マイル
第三案(コンベンションセンター ルート/ループ)
3550万から4500万ドル,1.78マイル

路線図は,6/07付けTimes-Picayuneの記事にPDFファイル版のリンクが
掲載されています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 07, 2009 Federal grant potential financing source for New
Orleans streetcar expansion
(The Times-Picayune ニュースへのリンク)
May 28, 2009 RTA eyeing streetcar extension
(WWL-TV, Channel 4 ニュースへのリンク)

ロヨラ通りとコンベンションセンターの二案は,周辺の土地の大部分が
財力のある開発業者の管理下にあり,民間企業の参入で成功したリバー
フロント線のように,民間資金を呼び込むだろうと言われてます.

フレンチクオーター周回ルートにはそれが期待できないものの,多くの
支持者がいるほか,路線バスの利用も好調な地区です.

ロヨラ通り(Loyola Avenue)のルートは,2年前にも検討されていました.
都市間バス(Greyhound)や鉄道(Amtrak)といった他の公共交通機関と接続
することになるこのルートは,一番FTAに気に入られるとのことですが,
ロヨラ通りがオフィス街であることから,市電が走っても人を呼び込む
ことにはならないと批判されていて,1ブロック南の通りを走らせる話も
あるそうです.

【ニューオリンズ】ストリートカー,直近と関連ログ:
2008/11/27 カナル通りにレッドカー復帰へ
2007/7/31 路面電車の新線計画

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2009年06月07日

【シャーロット】市電建設調査費捻出の賭け

ノースカロライナ州シャーロット市は昨年,東西を横断するストリート
カー建設計画を前倒ししたいと表明していましたが,その計画も組み込ま
れているCATSの長期公共交通整備計画自体が,新税導入か増税なしでは
資金不足で全部を実現することが困難と先月明らかにされていて,市にも
ストリートカー建設に資金を回す余裕はない状態のため,このままでは
市電を走らせることは困難な状態でした.
CATS: Charlotte Area Transit System

しかし先日行われた市議会本投票前の非公式投票で,市電計画の予備的
調査に向けた8百万ドルの予算が来年度は確保されることが,賛成多数で
確実になっていると,伝えられてきました.

資金調達の見通しが立たないにも関わらず調査に費用を割くのは,一見
すると無駄遣いのように思われ,現に票は政党別に賛成反対がきれいに
分かれての僅差でした.

賛成派は,風向きが変わってきた現政権下で,連邦政府からの補助金を
獲得しやすい状況にしておきたいとの思惑があります.
将来,連邦補助金以外の資金の目途が立った時に,強豪揃いの全米各地
との補助金獲得競争で,この不況のうちに少しでも良い位置を確保して
おきたいということです.逆に言えば予備調査を行わなければ,補助金を
もらえることはあり得ません.

加えて調査費の捻出は,市が真剣に市電導入を考えていると開発業者に
シグナルを送ることにもなります.

これを題してギャンブルとした記事が出ていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Jun. 06, 2009 City's budget takes a gamble on streetcar
Jun. 04, 2009 Council keeps streetcar study in city budget
Jun. 03, 2009 Council to debate funds for streetcar
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
06/03/2009 Charlotte City Council alters budget ahead of approval
(News 14 ニュースへのリンク)

増税なしには市電は建設されないことが明らかにされていた記事:
May. 14, 2009 Even with higher sales tax, CATS faces transit delays
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
0.5%増税されれば,売上税からストリートカー計画に資金が回ってきて
2015年にも着工できるとされています.

【シャーロット】ストリートカー関連ログ:
2009/2/21 早々にレールは敷かれるも..

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2009年04月20日

【シャーロット】周りは減便でもトロリー残る

ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)で,ライトレールLynxの
合間を縫って週末にだけ運転される昔風のレプリカ電車(trolley)が,
この景気後退に端を発する経費節減のための減便を逃れ,引き続き土日
限定ではあるものの,運行を続けることを取り上げた記事がありました.

CATSではライトレール(ブルーライン)Lynxの運転間隔拡大(=減便)や,
一部バス路線の運休などに加え,バス運転手や整備士などのレイオフを
含む経費節減策を行っています.
CATS: Charlotte Area Transit System

しかし,年間1万7千? ドルを費やし,一人当たりの運行費用に$29かかる
トロリーは存続することにしました.ライトレールLynxが同$2のところを
10倍以上かかる効率の悪さは,1月2月の利用者数が週末だけとはいえ,
それぞれ月間五百人に満たなかったことも関係しているようです.

その後は気候も暖かくなり,遠足などで平日にも学校関係からの利用が
あったことから,3月は1362名に増えたとされています.

ライトレール工事の運休から昨春復活して一周年を迎えたトロリーは,
効率だけみると真っ先に運休になりそうなものですが,実はこの地域に
先駆けてシャーロットでライトレールが走り始めたのも,このトロリーが
あったからと言われていますし,平日に児童学生が乗ったり,土日も子供
連れの利用が多いことから,将来への投資として存続したのは賢明かも
しれません.

賛美こそしていませんが,それほど批判調ではなかった記事:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Apr. 19, 2009 Cutbacks at CATS don't include trolley
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

時刻表などへのリンクのあるページ: (CATS 公式サイトへのリンク)
CHARLOTTE TROLLEY The Charlotte Trolley is Back on Track!

ライトレールLynxは現在,週末の日中は15分間隔になっています.
その間にトロリーは1時間ヘッドで運転され,ライトレールの駅に設け
られた低床部分で乗降させています.ライトレールは高床部分です.

上の二点は7th Streetにて.
R0012079.JPG R0012091.JPG

左はコンベンションセンター最寄りの3rd Street,右はアップタウンへ
向かう電車が州間高速277号線を跨ぐ直前に停車するMorehead停留所で,
ここはトロリーのみ停車.(LynxではCarsonとStonewallの間)
R0012134.JPG R0012204.JPG

余談になりますが,
トロリーの走る区間ではライトレールも週末平日を問わず時速25マイル
までしか出さないようです.
それが一旦トロリーと軌道を共有する区間を出ると,郊外で駅間隔が長く
なることもありますが,在来線から高速新線へ入った時のTGVやICEなどの
ように,水を得た魚のごとく,ライトレールは倍以上の最大時速55マイル
まで出すようになります.

【シャーロット】関連ログ: 2008/4/17 4/20トロリー運転再開へ

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2009年02月21日

【シャーロット】早々にレールは敷かれるも..

今月初め,ノースカロライナ州シャーロットの中心部アップタウンから
南東に向かう道路,エリザベス・アベニュー(Elizabeth Avenue)の一部で
行われていた改良工事が終了し,1年半ぶりに自動車の通行が再開され
ました.久しぶりにその場を走ったドライバーは,路面に鈍く光る2本の
筋を見つけたかもしれません.

それは,シャーロット市とメクレンバーグ郡(Mecklenburg County)が,
都市交通の長期計画の中で想定しているストリートカー(Center City
Streetcar)用に,早々と敷設された路面電車のレールなのでした.
エリザベス アベニューは,シャーロット市のアップタウンを中心にして
東西に横断する市電計画のルートになっていたのです.

完成後の画像は見つかっていませんが,工事中のものがあります.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Elizabeth Ave Charlotte Streetcar Construction 7
by RACTOD (flickr)
Elizabeth Ave Charlotte Streetcar Construction 7
Taken on November 8, 2008

工事前はこんな様子だったようです.

大きな地図で見る

工事終了を伝える記事も出ていました.次の予定もあります.
February 9, 2009 DOT to reopen section of Elizabeth Ave.
(Charlotte Business Journal ニュースへのリンク)
February 12, 2009 Phase Of Elizabeth Avenue Road Work Ends,
Another Begins
(WSOC-TV Charlotte ニュースへのリンク)

道路の整備にあわせて,このように将来の路線のため早々に軌道を敷いて
しまうことは珍しくありません.工事中は忍耐を強いられた沿線商業者
なども,いずれはここに市電が走り,地域全体が賑わうことを期待して
いるかもしれません.しかし,最速でも今の予定では2018年の開通です.

2018年までに第一期区間を開通させたいとしているこの路面電車路線の
建設には,4億ドル近く必要とされていますが,エリザベス アベニューの
工事完成と時を同じくして,その財源計画を見直す話が出ていました.
景気の大幅な後退で見込みが狂ってきたようです.
02/10/2009 Leaders take another look at streetcar plan
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)
Feb. 10, 2009 Growth from streetcar may not cover its cost
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

Center City Streetcar 計画トップページ: Center City
区間と路線図へのリンクのあるページ: Project Elements
(City of Charlotte & Mecklenburg County Government 公式サイト)

さらに追い討ちをかけるような話も出ています.
2007年11月に開業し,利用好調が続いていたシャーロットのライトレール
Lynxの平日平均利用者が,1月には昨春以降では初めて1万4千人を割り,
昨年7月と比べて17.6%も減少していることが,明らかにされました.
失業率の上昇が影響している模様です.更なる利用者数減少もありうると
CATSではみています.

売上税が落ち込み,CATSへの配当も減ってきているため,3月には路線
バスとライトレールの減便も予定され,さらに長期計画を見直す可能性も
出てきているとか.

Feb. 19, 2009 Downturn blamed for decline in Lynx riders
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
この記事によれば,期待の景気対策法案によるCATSへの配分は,まだ確実
ではないものの2千万から3千万ドルで,これらはバスの新車購入や保守
施設かバスターミナル向けに消えてしまうだろうとのことです.

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2009年02月06日

【サバンナ】リバーストリートカー2/11から

すでに一般へのお披露目は済ませているものの,定期的な営業運転が延期
されていた,ジョージア州サバンナ(Savannah)市ご自慢のバイオ・ディー
ゼルエンジンで電気モーターを動かして走る,ハイブリッド式ストリート
カー(streetcar)は,2/11から同市最大の観光名所になっているリバー・
ストリート(River Street)で,営業運行されることになる模様です.

当面は水曜から日曜の正午から午後7時までで,どうやら月曜火曜と毎月
第一土曜は運休となるようですが,ゆくゆくは午後10時まで週六日運転に
することを,サバンナ市は目指しています.

バイオディーゼル燃料という点を別にすれば,低床化されているわけでも
ない1930年代製造を売りにするような車両が,10ブロックほどの短距離を
行き来して,それこそ何処に行くわけでもない観光客向け乗り物ですが,
その沿線が市内最大の観光ルートにあたっているため,沿線のみやげ物や
レストランへの配送車とか観光バスと,狭い石畳の道を共有しなければ
ならない問題がありました.

路面電車運転開始と同時にリバーストリートは観光バス走行禁止という
話が流布し,数か月前から観光業者らをいらつかせていましたが,市の
説明会で市は徹底して通行を禁じるほどの姿勢ではないことが判明し,
大きな問題には至らない様相です.

商店などへの配送車の荷おろし問題は,路面電車の運転が正午からになる
ため,午前中に荷捌きを行うことで解決し,あとは駐車車両への対応を
次第に強化させていくばかりになるようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
February 4, 2009 Savannah's River Street streetcar ready to debut
(Savannah Morning News ニュースへのリンク)

運賃は基本的には往復乗車で50セントですが,ダウンタウンの移動性を
高め,道路や駐車場の混雑緩和を目指して官民共同で設立された,現在は
フェリーやトロリー(ゴムタイヤ)のDotを運行するSavannah Mobility
Managementが,4万回分の運賃を出すことで同意しているそうです.
その分は無料ということなのでしょう.

バイオディーゼル燃料で走るハイブリッド式路面電車の利用者数予測は,
観光シーズンで一日7百人とみられています.今日Dotのフェリー利用者は
同2千人,トロリーもほぼ同水準とされるため,7百人という数字は控えめ
ではないかという見方もあります.

【サバンナ】関連ログ: 2008/12/07 ハイブリッド式トラム デビューへ

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2009年01月31日

【アトランタ】BeltLineとAmtrakの競合

ジョージア州アトランタ(Atlanta)の市街地をぐるりと回る環状ルートの
ベルトライン(BeltLine)が,計画進行の危機に見舞われています.
中心部から約3マイル(4.8キロ)ほど離れたところで,貨物鉄道の廃線跡
などを再利用してライトレールまたはストリートカーを走らせ,都心から
放射状に伸びて来る高速電車MARTAとの接続を図るという計画です.

ベルトライン計画を前に進めるためには,ルート上に数箇所ある廃線跡が
途切れているギャップをどう埋めるか,現役で貨物列車が24時間頻繁に
行き来しているヤード付近を安全にどう走るか,など問題が山積ですが,
今度の相手はアムトラック(Amtrak)です.

問題はアトランタ中心部からみて北東から東部にあるベルトラインが利用
予定の廃線跡地を,アムトラック(Amtrak)も使いたいとしていることで,
州運輸省も後押ししています.

環状ルートの北東から東の一角をアムトラックが必要としている理由は,
長年あたためられてきた構想で東西南北に走るMARTAの高速電車が交差
するFive Points駅近くに建設予定の総合駅(MMPT)への進入路として活用
したいからです.
MMPT: Multi-Modal Passenger Terminal

アムトラックの長距離列車で,ニューヨークとニューオリンズ間を結ぶ
クレセント(Crescent)は,アトランタでは現在Peachtree Stationに発着
しています.そこは市の北はずれにあたり,バスの連絡しかありません.
MMPTは,アムトラックの悲願でもあるわけで,北東からやって来る列車を
MMPTに導くには,今は市の西側に一旦回りこまないとならないのですが,
ベルトラインのルートを使えば短時間で到達できると主張しています.

先日,ノースカロライナ州シャーロットとアトランタ間に高速列車を走ら
せる構想が明らかにされました.最高速度の引上げなどで今は5時間半
かかっている所要時間を3時間台に短縮させ,4時間で走ってしまう自動車
との競争力を持たせるという話でした.アトランタ側のターミナルは是非
ともMMPTである必要があります.

ライトレールと高速列車の共存を州運輸省は可能とみているようですが,
アトランタ市やベルトラインの関係者は,問題の区間は22マイルのうち
3.5マイルに過ぎないものの,危機感を募らせています.
そもそもベルトラインは,ライトレールを走らせるだけではなく,跡地の
公園化を図り遊歩道や自転車道などを設けて歩行者にやさしい空間とし,
周辺の開発も同時に行い活性化するという狙いが盛り込まれています.

その空間に高速列車が割り込んで通過していくことで,歩行者の危険性が
増し,周辺の開発も進まずに経済効果が乏しいものになるのではないかと
危惧している模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
January 28, 2009 BELTLINE: Amtrak wants land for heavy rail
(Atlanta Journal Constitution ニュースへのリンク)
January 28, 2009 –Metro Atlanta Beltline Rail Project Could Veer
Off Track
(WSB-TV 2 Atlanta ニュースへのリンク)
01/28/09 Most of DOT board, including Doss, didn’t know about
Beltline opposition
(Rome News-Tribune ニュースへのリンク)

下記ページにリンクがあるPDFファイルの地図で位置関係が把握できる
でしょう.問題の区間はDecatur Beltと記された破線部分と思われます.
州内の鉄道地図など: Railroad Maps 参照先=Atlanta Metro Rail Map
(Georgia Department of Transportation 公式サイトへのリンク)

ピードモント公園付近のDecatur Beltの様子(2008年7月撮影):
BeltLine Piedmont Park (flickr へのリンク)

【アトランタ】関連ログ: 2007/5/25 BeltLineと貨物鉄道の共存は?

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2009年01月08日

【シャーロット】電停内に運賃ゾーン設置ほか

ノースカロライナ州シャーロットのライトレールLynxでは,停留所内の
一部区画の立ち入りにも,乗車券やパス類などの運賃支払い証明の所持が
義務付けられることになりました.今週末から一部で実施されます.

シャーロット市議会は,投票で8対2の賛成多数により,CATSが中心部の
Charlotte Transportation Center/Arena,3rd Street,Stonewallと,
南端の終点(I-485/South Boulevard)の,計4つの停留所内にfare zoneと
呼ばれる区画を設けることを,承認しました.
CATS: Charlotte Area Transit System

Fare zoneは停留所により広さがまちまちですが,混雑する停留所への
導入は,電車に乗るつもりがないのに停留所に留まる人を無くすためと
いう説明がされています.今後はゾーン内でも車内と同様に切符類の所持
検査が行われることで,無賃乗車減少にもつながると考えられています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Jan. 06, 2009 Fare zones approved to ease crowds at busy light-
rail stops
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

アップタウンの入り口にあるStonewall駅にも設けられます.
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
LYNX Stonewall Station by James Willamor (flickr)
LYNX Stonewall Station
Taken on October 19, 2008

米国でProof-of-payment(POP)と呼ばれる信用乗車方式では,原則として
改札口などは設けられませんが,ライトレールに関しては,テキサス州
ヒューストンやミネソタ州ミネアポリス,ニュージャージー州などで,
それぞれ名称が多少異なるものの,切符所持を義務付ける,同様の区画が
駅に設けられていました.オレゴン州ポートランドのように,一部駅で
駅入口に切符所持を求める表示を出しているところもあります.
一方,ロサンゼルスではライトレールの一部停留所への改札機導入が予定
されています.

シャーロットに話題を戻すと,昨年末に11月の一日平均乗車人員が発表
されていて,ガソリン価格が下がっていることから,10月よりも減って
いることが明らかにされています.
Dec. 30, 2008 Light rail ridership falls in November
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

シャーロットのライトレール(Lynx Blue Line)は,平日の平均利用者数が
11月は一日15,551人,10月には同16,470人でした.減少傾向はCATS全体に
及んでいます.
また,景気低迷でCATSの運営費をまかなう収入の多数を占める売上税の
税収が減っていて,ライトレールで一部減便などが実施されそうです.

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2009年01月03日

【ノーフォーク】ネーミングライツ売却検討中

施設命名権(ネーミングライツ / naming rights)により,日本でも最近は
公共施設だけでなく,駅名にも企業名が付いたり,併記されることが多く
なりつつあるようです.

米国では都市交通に限っても,ラスベガスのモノレールが,駅と車両に
スポンサー名をつけていたり,ポートランドのストリートカーも,控えめ
ながら名前が書かれていると思います.
最近の例としては,オハイオ州クリーブランドで2008年11月に開業した
BRTが,企業名ではないものの,沿線の病院が命名権を買い,路線名を
ヘルスライン(Healthline)にしています.
BRT: bus rapid transit

バージニア州ノーフォークに建設中で,2010年後半にも開業予定のライト
レールでも,開業後は年間800万から900万ドルとされる運営費の30%を
負担することになっているノーフォーク市が,資金をひねり出すために
命名権の売却を検討中で,5万ドルかけコンサルタント会社に調査させた
結果,20年から30年で最大およそ2900万ドルになることが,地元紙により
明らかにされていました.

ノーフォーク市で建設中の7.4マイル(約12キロ)のライトレールには,
The Tideという名前が付いています.これをスポンサー名に変えた路線名
にすることで,2千万ドルから2500万ドルを得られると予測されますが,
The Tideを残したままでは,その半額程度とされています.停留所は,
各300万ドルから500万ドルになるとの調査結果でした.

その他にも車両基地や,パークアンドライドに名前を付けたり,停留所の
自動販売機やATMの運営権まで売却することも,考えられるそうですが,
市は実際に行うかどうか,決定したわけではありません.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
January 2, 2009 Norfolk could reap $29M for light-rail naming rights
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)
この記事によれば,デトロイトや最近ライトレールが開業したばかりの
フェニックスを含むいくつかの街でも,命名権売却を検討中だそうです.

ノーフォークでは,ライトレール建設費が一年前の2億3210万ドルから,
2億8800万ドル(24%増)に膨れ上がることが,12月に判明しています.
この建設費は,連邦政府からの補助金や州からの資金も充てられますが,
ノーフォーク市も負担しており,今回の高騰で2千万ドル以上増えて,
5370万ドルになります.その分のやりくりも,市は模索中のようです.

【ノーフォーク】直近の話題: 2008/11/24 歩行者増加がLRT成功の鍵

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2008年12月07日

【サバンナ】ハイブリッド式トラム デビューへ

ジョージア州サバンナ(Savannah)で,北米初となるバイオ・ディーゼル
エンジンと電気モータのハイブリッド式ストリートカー(streetcar)が,
この週末にもデビューします.

そしてその後は,週明けから始まる国際環境自治体協議会(ICLEI)などが
中心となって全米各地で行われるLocal Climate Action Week期間中に,
他のハイブリッド車や電動スクーターなどのパレードの先頭に立って,
サバンナの観光名所リバー・ストリート(River Street)を走ります.

ICLEIとは,英語名でLocal Governments for Sustainability,日本では
イクレイ,環境の保全を目指す世界各国の地方公共団体などが参加する
国際的なネットワークと紹介されています.
(元は,International Council for Local Environmental Initiatives)


前回11月の紹介以降,車両の詳細も色々と判明してきました.
お目見えするのは,サバンナ市が2000年に購入していた旧メルボルンの
W-5ですが,バイオディーゼル燃料対応の小型発電機に,交流モーターと
バッテリーを搭載する,ハイブリッド式に改造されています.

このハイブリッド式システムは,試運転で1時間あたりの燃料消費量が
1.5ガロン(5.68リットル程度に相当)以下で,更にPCCカーなみの加速度と
最高時速は28マイル(約45キロ)までの性能が確認されているそうです.
もちろん,架線がなくても走れます.
(最高速はもっと引き上げられるそうですが,リバーストリート走行用
には不要とされ,この性能に留まっているようです)


しかも,バイオディーゼル燃料の原料には,リバーストリート沿線にある
レストランから出される植物油(grease)=廃油? も使うのだとか.燃料は
B20とのことですので,バイオディーゼル含有量は20%です.

ご存知の通り京都議定書では,生物由来であるバイオディーゼル燃料は,
原料となる生物が成長過程で光合成で大気中の二酸化炭素を吸収している
ため,燃焼させても元来大気内に存在した以上の二酸化炭素を発生させる
ことはなく,再生可能エネルギーとみなされています.


足回りだけでなく,営業運行が可能なようにADAで定められた車椅子用の
リフトも搭載し,改造に掛かった費用は20万7千ドルとされています.
ADA: Americans with Disabilities Act

サバンナ市は,1975年にリバーストリートを含むサバンナ川沿いのウォー
ターフロント地区を再生させた頃から,当地では1946年に廃止されていた
路面電車を復活したいという話が出ていました.

表立っては2000年ごろから実現に向けて動き出し,車両の購入とともに,
以前は綿貿易などで使われたと思われる,Norfolk Southern Railwayの
貨物支線だった石畳のリバーストリートに残るレールも,約60万ドルで
購入しています.

営業運転に関する情報は限られていますが,サバンナにはダウンタウンを
周遊できるようにと,Dotと呼ばれる無料の公共交通機関が整備されて
いて,シャトルバス(Dot Express Shuttle)やフェリー(Savannah Belles
Ferry)などがあるのですが,ストリートカーも,その仲間に加わります.
ということで,運賃は無料と思われますが,11月には一往復50セントと
している記事もありました.

市の発表と,非営利組織Creative Coast Allianceのブログ:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 5, 2008 River Street grease to power City vehicles
(City of Savannah 公式サイトへのリンク)
December 5, 2008 A Streetcar to Inspire…
(The Creative Coast Alliance ブログへのリンク)

Dot, Savannah’s fare-free Downtown Transportation system:
RIVER STREET STREETCAR
(Savannah Mobility Management Inc へのリンク)
Dotを運行するSavannah Mobility Managementは,ダウンタウンの移動性
を高め,道路や駐車場の混雑緩和を目指し,官民共同で設立されました.

レトロタッチな路面電車? が,より多くの人をリバー・ストリートに引き
寄せ,簡単に動き回れることで沿道の複数のお店を回ることにもなると
して歓迎されつつも,交通量の多い通りを車と共用することになるため,
懸念を示す声が,改造車両がサバンナに戻る前夜に紹介されていました.
Nov 18, 2008 Streetcar returning to River Street
(WTOC-TV Savannah ニュースへのリンク)

下の場所は,West River Street と East River Street の境界付近を,
Google Maps ストリートビュー(東向き)で見たもので,12/09に行われる
パレードは,リバーサイド・マリオット・ホテルから市庁舎までとなって
いますので,ストリートカーはこの辺りまでになると思われます.

大きな地図で見る

営業運転時のルートは,上記Savannah Mobility Managementのサイトに
路線図が載っていますので,ご参照ください.全部で7つの停留所が設け
られ,距離はGoogle Maps測定で0.6マイル(約1キロ)と出ました.

【サバンナ】関連ログ:
2008/11/15 ハイブリッド式トラム到着へ
2008/8/24 ハイブリッド式トラム11月にも?

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2008年11月27日

【ニューオリンズ】カナル通りにレッドカー復帰へ

ニューオリンズの路面電車にとって,カトリーナ(Hurricane Katrina)の
被害から立ち直る仕上げとも言える,キャンディ・アップル・レッド色の
レプリカ車両(2000シリーズ)が,今度こそカナル・ストリートに戻って
きそうです.これまでにも何度か話は出ていましたが,実現には至って
いませんでした.今回は,関係者らを乗せた2010号車が,11/25に営業線
上を走ったことや,復帰計画の詳細を紹介する記事があります.
RTA: New Orleans Regional Transit Authority

カナル・ストリート線(Canal Street Line)に帰ってくるのは,同線が
2004年4月に運転を40年振りに再開する際にあわせて,旧型車(Perley
Thomas car)を模倣しつつも,今のご時勢にあわせて空調と車椅子用の
乗降リフトなどを装備した,赤いレプリカ車両です.デビューから1年半
近くたった2005年8月,ハリケーン接近で避難していた先(Randolph車庫)
で,堤防決壊による浸水に巻き込まれ,被害を蒙っていたのでした.

このためハリケーン被災後の運転再開は,両線とも1920年代製造という
セントチャールズ線(St. Charles line)の深緑色の車両(Perley Thomas
streetcars)を,やりくりして暫定的に使用していました.

当面は,12月中旬までに6両,その後も年内に3両が,運用に復帰する予定
だそうで,リバーフロント線(Riverfront Line)へも1両充当されるとか.
来年以降も,ひと月に1両の割合で全24両の復帰を目指します.

かかる経費の2400万ドルは,連邦緊急事態管理庁(FEMA)が出しました.
FEMA: Federal Emergency Management Agency

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 25, 2008 Red Streetcars Return For First Time Since
Katrina
(WDSU New Orleans ニュースへのリンク)
November 25, 2008 Red streetcars returning to New Orleans' Canal
Street
(The Times-Picayune ニュースへのリンク)
WDSUの報道には,12/13という具体的な日付も書かれています.
Times-Picayune紙では,RED REVIVALというタイトルも付けられました.

先月下旬には,業界紙のレポートも出ていましたが,ようやく地元紙が
裏付けてくれました.
27 Oct 2008 Streetcar operations are returning steadily
(Railway Gazette へのリンク)

Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Red Streetcar by skooksie (flickr)
Red Streetcar
Taken on November 5, 2008

ストリートカーの話は出てきませんが,かつてはショッピング街として
繁栄しながらも,次第に寂れていき,カトリーナで止めを刺された感の
あるカナル通りのことを,取り上げた記事もあります.
November 25, 2008 Retailers see Canal Street turning the corne
(WWL-TV Channel 4 ニュースへのリンク)

昨年は商店用敷地の四割近くが空きとなっていて,今もイルミネーション
だけが空しくきらめいている状態です.しかし,被災から三年が経ち,
ぼちぼち地元経営の店やレストランなどが戻りつつあるそうです.
次のステップでは,全国展開の小売店業や,女性向けの店などが姿を現し
てきて,次第に回復の道をたどるという話が紹介されています.

最近の【ニューオリンズ】関連ログ:
2008/9/01 三年前の悪夢再び?
2008/7/12 【米国東部】7月上旬Streetcar関連報道から
2008/6/29 全線復旧後も課題山積

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2008年11月24日

【ノーフォーク】歩行者増加がLRT成功の鍵

バージニア州ノーフォーク市(Norfolk)も,1960年代から白人中流階級が
ハイウェイ沿いの郊外へ住居を移し始め,それにあわせてショッピング
モールなどが郊外に出現,市の中心商店街は衰退の一途をたどりますが,
1980年代から市が先頭に立ち,埠頭や倉庫街だったエリザベス川沿いの
ウォーターフロント地区の再開発に着手します.

当時ダウンタウン再生の切り札とされた,フェスティバル・マーケット
プレース(festival marketplace)と呼ばれる商店集合体のWatersideが
ウォーターフロントに1983年に完成,その後も1999年には,マッカーサー
記念館に隣接する市の中心部に,巨大ショッピングセンター(MacArthur
Center)が開業するなど,今では中心街も盛り返しを見せています.

ノーフォークの市長は,今のダウンタウンの成長は偶然に起こったわけ
ではなく,周到に練られたビジョンがあったからだとしています.

そして今度は,2020年に向けたビジョンがまとまりつつあります.10月
上旬には計画の骨子がDowntown 2020 Updateとして公開されました.
それには,従来のビジョンにあったような,大型施設建設などの目玉は
ありません.その代わりに,2010年にはダウンタウンを東西に横断する
ライトレール(The Tide)の開業が予定され,それにあわせた,歩行者に
やさしい空間づくりを目指そうとしていることが伺えます.

ピッツバーグに本拠を置き,ノーフォークのダウンタウン2020年計画を
設計するUrban Design Associatesの担当者は,先ごろ市議会で素案を
発表し,ライトレールなど公共交通機関の駅へ,歩行者が楽しみながら
移動できるよう,歩くのに障害になるような要素を排除して,歩行者の
通行量を増やすことこそ,ライトレール計画の成功につながると,発言
していました.

具体的には,片側三車線の車道がある大通りが歩行者のバリアになると
され,横断歩道を増やしたり,信号機を増設し,前後の信号と連動して
頻繁に赤信号で自動車を止めることにより,車流を遅くすることが考え
られています.これらによって,歩行者が通りの向こう側に行きやすく
なり,徒歩圏が拡大すると考えられています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 23, 2008 2020 plan reshapes Norfolk for light rail and
pedestrians
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)

さて,そのライトレール(The Tide)の近況ですが,先週にはレール敷設が
開始されたというニュースがありました.
もっとも,レールを敷くというより,レールをあらかじめ組み込んである
コンクリート板を,所定の位置に設置したという表現のほうが正しいかも
しれません.

下記記事にレールを組み込んだコンクリート・パネルの画像もあります.
November 19, 2008 Light rail lays its first set of tracks in Norfolk
(WVEC-TV ニュースへのリンク)

The Tideの計画概要と路線図など: Project Overview
プレスリリース一覧ほか: Pressroom
(Hampton Roads Transit 公式サイトへのリンク)

Press Releasesのリストにある,First Light Rail Track Installedが,
PDFファイル版へのリンクで,そこにオリジナル画像がありました.
このような工法は,9か所の交差点で用いられるとのことで,似たような
方法は,パリでT3を建設中にも紹介されていた記憶があります.

The Tideの第一期区間 7.4マイル(約11.9キロ)の東端は,バージニア・
ビーチ(Virginia Beach)市との境界線までです.そこから先は,かつて
バージニア・ビーチ市で行われた住民投票で,ライトレールへの反対票が
多かったために,見送られていた経緯があります.
しかし,近年は風潮が変わり,先ごろの選挙でもライトレールの延長を
望む市長候補が,当選を果たしました.

しかし,延長した場合や,将来ライトレールがスピードアップした場合に
備えて,バージニア州政府の当局(Virginia Department of Rail and
Public Transportation)が,7百万ドルに相当する安全強化対策を施す
ことを提案してきていることが,最近明らかにされています.

9月にLA近郊で発生した列車衝突事故の教訓もあり,通信システムの向上
などのほか,全ての踏切に警報機と遮断機を設けることなどが,盛り込ま
れているようです.かつでは計画に含まれていたものの,予算を絞り込む
ために削除されていたものです.

このご時勢で,ただでさえライトレール(The Tide)計画は当初の予算額
2億3210万ドルを超過するのが明らかな状況と,この10月にも報じられて
います.超えた分はノーフォーク市が請け負わなければなりません.

安全面に関しては,今のままで既に連邦機関(FTA)のお墨付きを得ている
ため,今頃になって言い出してきた州の提案を疑問視する市議もいるよう
ですが,市長らは,州との追加負担の分担も視野に,州の提言を受け入れ
たいとしています.
November 17, 2008 Virginia wants $7 million worth of safety add-
ons to light rail
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)

【ノーフォーク】関連ログ: 2007/10/02 資金調達目処がたち着工へ

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2008年11月15日

【サバンナ】ハイブリッド式トラム到着へ

ジョージア州サバンナ(Savannah)で,サバンナ川に沿う石畳のリバー・
ストリートに,ハイブリッド式の路面電車を走らせるという話は,実現が
目前に迫っています.11/17(月)にも,改造された一両(元メルボルンの
W5クラス756号車)が,サバンナに戻って来る予定です.

サバンナ側からの情報は見つかっていませんが,動力源の改造や車椅子用
リフトの設置などを手がけたElectric Motor and Supply Inc. (EMS)が
ある,ペンシルベニア州アルトゥーナ(Altoona)からの報道で,明らかに
なりました.

記事によれば,ハイブリッド改造された756号車は,アルトゥーナ市内の
試験線(Devorris Center)で,この二日間は試運転が行われています.
もちろん,架線のない線路での走行です.

米国の国定歴史建造物(National Historic Landmark)に指定され,博物館
となっている,サバンナのHistoric Railroad Shops所有の756号車は,
EMS社が,グリーン・ストリートカー・プロジェクト(Green Streetcar
Project)として開発した,ハイブリッド式の動力システムが,搭載されて
います.

グリーン・ストリートカー・プロジェクトのことは,EMS社ウェブサイト
にも記載がありませんし,システムの詳細を紹介する第三者のページも
見つかっていませんが,車載の小型ディーゼル発電機とバッテリーを組み
合わせて,モーターを稼動させるもので,自動車のハイブリッドカーと
同様に,低速域では電気モータを主に使うのでしょう.

EMS社としては,路面電車だけでなく,既存の路線バス車両からスクール
バスまで,エンジンをこのシステムに交換することを考えているとか.
手始めに,同社のあるアルトゥーナで路線バスを運行しているAMTRANに,
白羽の矢を立てているようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 14, 2008 Local company adds system to streetcar
(Altoona Mirror ニュースへのリンク)

アルトゥーナでの試運転の様子(映像): A Streetcar Passes
その他の映像リスト: TranSystemsStreetcar's Channel
From: TranSystemsStreetcar (YouTube へのリンク)
映像には,ペンシルベニア州にある鉄道コンサルタント会社TranSystems
のロゴが使われています.

【サバンナ】関連ログ: 2008/8/24 ハイブリッド式トラム11月にも?

従来のディーゼル発電機と電気モーターを組合せた車両,いわゆる電気式
ディーゼルカーと,ハイブリッド式の大きな違いは,バッテリーの有無と
思われますが,電気式ディーゼルカーを路面走行させていたテキサス州の
メキシコ湾に面したガルベストンは,9月にハリケーン・アイク(Ike)で
街全体が大きな被害を受けました.

生活基盤を立て直すことが優先されるため,どちらかと言えば観光客向け
要素の強かったガルベストンの路面電車(Galveston Island Trolley)は,
10月下旬の時点で依然運休していると思われる記事がありました.

Oct. 23, 2008 $70 million OK'd for Ike repairs
(Houston Chronicle ニュースへのリンク)
連邦運輸省からテキサス州に修繕費用として7千万ドルが支給されると
いう記事の中で,ガルベストン市長は道路や信号機の修理や,路線バスの
改善に加えて,路面電車の再建を希望しているものの,連邦からの資金は
信号機や路面電車には使えないと記されています.

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2008年10月08日

【シャーロット】LYNX利用好調はまやかし?

先月下旬の話で,ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)に2007年
11月開業したライトレールLYNXが,利用予測を上回る好調ぶりを示して
いるため,それを武器に延長計画などの補助金をCATSが連邦政府に求める
予定だということを紹介しましたが,その予測自体が控え目な数字だった
としたら,どうなるでしょう.
CATS: Charlotte Area Transit System

その疑問に答えるかのような,調査報告が発表されました.その中では
利用予測を上回っていると言っても,その予測は今のガソリン価格を想定
したものでなく,数字だけが一人歩きしていると警鐘を鳴らしています.

その他も,利用者の多くは以前は路線バスを使っていた人たちで,車から
乗り換えた人は少ないとか,LYNXがもたらす経済効果はハイウェイより
低く,投資に見合う利益をあげていないなど,辛口な内容に仕上がって
います.ちなみに,調査したのは,2007年11月の住民投票で,売上税増税
(いわゆるtransit sales tax)に,反対票を投じるよう運動していた人が
中心でした.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
October 06, 2008 A Lucky Few Commuters Gain, but Taxpayers Pay
for Charlotte's Light Rail
(John Locke Foundation へのリンク)
地元紙も,すかさず記事を掲載しています.
Oct. 07, 2008 Lynx line isn't paying enough to justify cost
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

自動車利用からの移行が少ないことは,交通量の軽減にもつながらず,
地域全体では0.08%,ライトレールLYNXブルーライン沿線に絞っても,
数パーセントしか影響を与えていないため,大気汚染の緩和を狙う効果も
限定的だとしています.

しかも調査は,開業後の昨年12月から今年7月までの間に,23%伸びていた
利用者数の三分の二は,ガソリン価格をきっかけにしたり,地域の成長や
経済状況などからLYNXを利用しているとみて,上昇一本やりだった夏前に
比べると一服感のある燃料価格が,今後も下がる傾向が続くようなら,
LYNXの利用者数は減るだろうと示唆しています.

Charlotte Observer紙の記事には,補助金などを除く納税者負担分だけで
みても,ライトレールへの投資1ドルにつき,1.20ドル分しか利益が還元
されてなく,たいていのハイウェイが1.50ドルから2ドルの経済効果を
もたらすのに比べて低いと,指摘していることも紹介されています.

【シャーロット】関連ログ:
2008/9/27 利用好調武器に補助金要求?
2007/11/28 週末二日で十万人が体験

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2008年09月27日

【シャーロット】利用好調武器に補助金要求?

ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)で,ライトレールのLynx・
ブルーライン(LYNX Blue Line)が,開業して十か月が経ちます.
今年8月の平日平均利用者数は16,357人を数え,16,895人だった7月より
3.2%下落しているものの,それは季節的なものかもしれません.開業前に
2020年の予測だった同1万6千人を,すでに軽々クリアしています.

この利用好調を武器にして,CATSとしては,ブルーラインの北東部への
延長(Northeast Corridor)計画と,シャーロット中心部と北部とを結ぶ
(North Corridor)コミューターレール計画,それにブルーラインの既存
区間のホーム長さ延長や,追加車両投入などに必要な資金を,連邦機関
(FTA)に来月求めようとしていることが,明らかになりました.
CATS: Charlotte Area Transit System
FTA: Federal Transit Administration

Lynx・ブルーライン建設時には,その費用の半分にあたる2億ドル以上を
補助金として受け取っていますが,シャーロットの中心部から北東部へ,
University Cityまでの11マイル(約18キロ)のライトレール延長に必要な
資金9億ドルのうち,最大8割までを,連邦政府から出してもらおうと,
考えているのです.

政府が7千億ドルの緊急支援策を検討している中で,一見無謀なようにも
見えますが,次期政権がどれだけ公共交通の整備に関心を示すのか,今は
不透明なことや,Lynx・ブルーラインを完成させる資金集めに多大な力を
貸した地元選出の連邦上院議員が健在なうちに,ということのようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Sep. 26, 2008 CATS seeking millions for rail projects
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
8月の利用者数が,CATS全体では引き続き伸び続けているという記事:
September 23, 2008 CATS ridership up in August
(Charlotte Business Journal ニュースへのリンク)

計画概要:
Rapid Transit Planning / LYNX Blue Line Extension
Rapid Transit Planning / North Corridor
(CATS 公式サイトへのリンク)

Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Lynx 3rd Street Station, Charlotte by deritastudio (flickr)
Lynx 3rd Street Station, Charlotte
Taken on September 14, 2008

【シャーロット】関連ログ: 2007/11/28 週末二日で十万人が体験

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年09月10日

【フォートローダーデール】郡電を連邦申請へ

マイアミから北に約40キロ,マイアミと比べて英語が通じ比較的治安が
よいとされる,人口18万強のフォートローダーデール(Fort Lauderdale)
でも,ダウンタウンでループ線のストリートカー(streetcar)を走らせ
ようという計画があります.

似たような構想は,米国の多くの街にありますが,たいていは街の市長が
先頭に立って旗を振っているのに対して,フォートローダーデールでは,
The Downtown Development Authority of Fort Lauderdale (DDA)と
いう機関が,実に7年がかりで計画を進めてきたのでした.このDDAとは,
文字通りダウンタウンの税収と開発を監督しています.

The Waveと名づけられた路面電車システムは,今年3月に路線が2.7マイル
(約4.35キロ)の複線ループ線になるなどの計画の詳細が明らかにされ,
4月にはフォートロダーデール市が予算を出すことに同意していました.

この度は,フォートロダーデール市に郡庁をおくブロワード郡(Broward
County)が,投票によりThe Wave計画の所有者兼オペレーターになると
決めたことが,報じられていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
September 9, 2008 Broward County Commission green-lights
streetcar system
(South Florida Business Journal へのリンク)

DDAのサイトに,計画概要が載っています.
Downtown Fort Lauderdale's Future Streetcar
(Downtown Development Authority へのリンク)

ブロワード郡は,建設に際しては資金を投じませんが,いざ走り始めると
なった暁には,向こう20年間は運営者として,年間220万ドルから250万
ドルとされる運行費を,引き受けることになっています.日本語風に呼ぶ
ならば,市電というよりも「郡電」になるでしょう.

建設に必要な資金は,1億5千万ドル.
フォートローダーデール市は3750万ドルを負担しますが,このうち2700万
ドルは,ダウンタウンの住民や事業者への特殊課税で賄われます.
フロリダ州は,3750万ドルを出す予算を組んでいるそうです.
これで半分に達したところですが,残る7500万ドルは連邦からの補助金を
あてにしています.

今回ブロワード郡が承認したことで,その連邦補助金の申請が行われる
ことになり,7500万ドルを獲得できるかどうかは,今年末か来年初めに
明らかになるそうです.

連邦補助金を獲得できればの話ですが,The Waveは,今ダウンタウンを
走っているSun Trolleyと呼ばれるバスの代わりとして,2012年の運行
開始が予定されています.

路面電車の運転が決まれば沿線への投資が促進され,運転開始後は,ほぼ
同じルートを今走っているSun Trolleyのダウンタウン線の利用率を,
飛躍的に高められると期待されています.Sun Trolleyの同ルートは現在
一日百人程度の利用ですが,これが路面電車化された後には,同6千人に
なると考えられているそうです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年09月01日

【ニューオリンズ】三年前の悪夢再び?

カトリーナから三年余,今度はスウェーデン王家にもあるグスタフという
名前が付けられたハリケーン(Hurricane Gustav)が,ニューオリンズ付近
への上陸を目指すかのごとく北西に進路をとり,メキシコ湾に入ってから
一時カテゴリー4にまで成長し,何の迷いもなくキューバから一直線に
進行中です.

本来ならレーバーデーを含む三連休で賑わうはずのニューオリンズ市にも
避難命令が発令され,ルイジアナ州だけでなくミシシッピー州にかけての
ハイウェイの一部車線では,避難用に全車線が同時に同一(避難)方向に
走れる,Contraflowになっています.

NORTAの路線バスや路面電車も,早いところでは土曜の始発から運休で,
導入されたばかりのバイオガス駆動のバスなどは,ハリケーンの進路に
あたるものの,ニューオリンズより洪水被害にあう確率が低い州都バトン
ルージュへ避難させる予定です.
NORTA: New Orleans Regional Transit Authority

しかし,それ以外の古いバスは留まって,自動車を持たない住民の避難に
一役買います.市内の各地域から,避難のためのチャーターバスや列車が
出発するユニオン駅(NOUPT)までの輸送に,活躍しているはずです.
NOUPT: New Orleans Union Passenger Terminal

一方路面電車は,三年前に歴史的価値がある深緑色のPerley Thomas車が
浸水を免れた車庫,Willow Street Facility(Carrollton Station)に入庫
したほか,今回はRiverfront線上の安全と思われる場所にも数両が留置
された模様です.

現地の金曜日に,避難命令が出される前の情報が載っていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
August 29, 2008 Buses, streetcars to halt service
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

これより遡る8月中旬には,カナルストリート線(Canal Street Line)で
二日間にわたり,同線向けの6両の電車全てが,全く運転できない事態に
陥ったこともありました.

原因は,架線のジャンパ線がオーバーヒートして電気が流れなかったから
だそうです.なぜオーバーヒートを起こしたかは,下記の記事が出た時点
では不明ですが,地下の給電線が三年前のカトリーナで損害を受けていた
可能性も指摘されていました.下記は復旧時の記事です.
August 15, 2008 Canal streetcar back in service
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

その他に,NORTAの経営を民間委託する話がありましたが,その委託先は
三候補のうちで最有力だった,フランスに本拠をおくヴェオリア(Veolia
Transportation)に決まっています.その後の交渉は,レーバーデーまで
にまとまり,運営移行される手はずでしたが,9/25の投票まで延期される
ことになったという記事も,先週出ています.
August 29, 2008 RTA management negotiations go on
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

ヴェオリア新体制では,BRTの導入や,ドアツードアのEasy Busの導入に
加えて,ウェブサイトの刷新も検討されているようです.Google Transit
導入も考えられているそうですが,正式に決まったわけではありません.

関連ログ: 2008/6/29 全線復旧後も課題山積

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2008年08月24日

【サバンナ】ハイブリッド式トラム11月にも?

観光客にとって,ジョージア州の大西洋岸にほど近いサバンナ(Savannah)
最大の見所と言えば,リバー・ストリート(River Street)を中心とした
ダウンタウンだそうです.

その名の通りサバンナ川に沿うリバー・ストリートには,石畳にレールが
敷かれています.そこを,早ければ今年11月にもハイブリッド式の路面
電車が走ることになりそうです.計画より遅れているという形でですが,
地元紙に記事が出ていました.

サバンナ市は,メルボルンのW5クラスのstreetcarを2000年に1両購入し,
記事によれば,現在その車両はElectric Motor and Supply Inc. (EMS)の
本拠地ペンシルベニア州アルトゥーナ(Altoona)で,オーバーホールを
受けていると,みられています.そこでは,1930年代製造の路面電車に,
EMSが提案したハイブリッド式の駆動装置を取り付け,足回りを最新的に
生まれ変わらせようとしているようです.

このハイブリッドとは,自動車のハイブリッドカーのように,ディーゼル
発電機とモーターにバッテリーを組み合わせたもので,記事には「巨大な
プリウス」という言い方も出てきます.ということで,レールが敷かれた
リバー・ストリートには,実は架線は張られていません.

米国で,電気式ディーゼルの路面電車が架線なしの路面を走行している例
は,テキサス州メキシコ湾沿岸の観光地,ガルベストンでも見られます.
それからシステムが多少は進化しつつも,似たような雰囲気になるのかも
しれません.

開業後には,正午から20時までの運行が予定され,午前中は商店などへの
荷捌きに,通りが自動車に開放されるとのことです.

今回は,サバンナ市が8/22に説明会を開催したため,その内容を記事に
したものと思われます.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
2008-08-22 River Streetcar: November at earliest
(Savannah Morning News ニュースへのリンク)

運転開始が遅れる理由に関しては,車椅子用リフト二台を搭載する関係
とともに,FTAが安全性を認め許可する必要があることに触れています.
FTA: Federal Transit Administration
アトランタにあるFTAの支局の管轄になりますが,アトランタMARTAの電車
しか旅客鉄道を取り扱った経験がないらしく,サバンナの関係者らは,
両者は全く異なるので,混同されないことを願っているようです.

さらに,サバンナ市は2台目の電車も購入しています.
一台目に取付けたハイブリッド・システムが思惑通りに性能を発揮する
ようなら,二台目にも同様の改造を施すそうですが,市の資料によれば,
こちらはPCCカーのようです.

メルボルンW-5と思われる車両や通りの画像を含む,2006年ごろの情報:
Georgia Streetcar Systems: Savannah
(John Smatlak - Railway Preservation Resources へのリンク)

下のリンク先は,リバーストリートを走るトロリー(ディーゼルエンジン
バス)を紹介するページで,川沿いの石畳の通りに,線路が敷かれている
のを見ることが出来ます.
Savannah: View Trolley car on River Street (Arounder へのリンク)

また,Google MapsやGoogle Earthでも,ストリート・ビューがカバー
していますので,レールがどこまで伸びているか,追跡することも可能
でしょう.94 E River St‎ (Google Maps ニュースへのリンク)

リバー・ストリートに敷かれているレールは,詳細は不明ですが,綿貿易
などで使われたのか,以前からあったもので,わざわざ敷設したものでは
なさそうです.その線路は修繕を要しそうですし,少し北(川側)へ移設
して,車も同時に通りを走らせる話も,今回の記事に載っていました.

Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Savannah 2008 - Historic Downtown by Aim and shoot! (flickr)
Savannah 2008 - Historic Downtown
Taken on August 11, 2008

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2008年06月29日

【ニューオリンズ】全線復旧後も課題山積

2005年8月にハリケーン・カトリーナ(Hurricane Katrina)で被害を受けて
大打撃を蒙るも,徐々に復旧区間を延ばしてきた現役世界最古とされる
路面電車のセントチャールズ線(St. Charles line)が,3年近くの歳月と
1420万ドルを費やして全線復旧にこぎつけたのは,既報の通り6/22(日)の
ことでした.

それから一週間,最後に復旧した末端区間では,6/28(土)には始発から
10:30まで通常の運行を止めて,祝賀会を開催しています.運転再開後
から正午までは,午前中の運休区間で電車は運賃無料で開放されました.

昨年12月にセントチャールズ通りの西端(Riverbend)まで電車が復活して
以来,近くの店ではお客で賑わっているとのことで,それと同じことが
今回の復旧区間でも期待されています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
June 28, 2008 Carrollton Area Celebrates Return Of Streetcar Line
(WDSU New Orleans ニュースへのリンク)
June 28, 2008 Party for return of St. Charles streetcar line
The Associated Pressの記事 (WWL-TV ニュースへのリンク)
June 28, 2008 Hundreds fete streetcars' return to full St.
Charles route
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

全線で運転を再開した日の記事:
June 22, 2008 Back on line: Streetcars return to South Carrollton
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

ハリケーン襲来後,一度は店を閉めましたが,昨年4月に営業を再開し,
12月には電車も戻ってきて賑わいを取り戻したと記事に紹介されている
観光客に人気のカフェ,カメリア・グリル(Camellia Grill).
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
New Orleans staples by Mira (on the wall) (flickr)
New Orleans staples
Taken on June 26, 2008

今後は,リバーフロント線(Riverfront Line)やカナル・ストリート線
(Canal Street Line)で活躍していた,旧型車(Perley Thomas car)を模倣
しつつも,時代にあわせて空調と車椅子用の乗降リフトなどを装備した
レプリカ車両(2000シリーズ)の復活が待ち望まれます.この車両がねぐら
としてたRandolph車庫は,市内の8割を襲ったというハリケーンによる
浸水に見舞われ,避難していた電車も大きな損害を蒙っていたのです.

当初,2007年夏にも修繕された最初のレプリカ車が復活する予定になって
いましたが実現せず,その後は情報をつかむことも出来ませんでした.
しかし,今回の全線復旧を伝える記事の中に,7月にもカナル通り線を
走ることになると,RTAの代表が発言していることが記されています.
RTA: New Orleans Regional Transit Authority
June 22, 2008 St. Charles Streetcars Back On Track
(WDSU New Orleans ニュースへのリンク)

今年4月とされる様子:
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Oak Street Streetcar Barn by skeletonkrewe (flickr)
Oak Street Streetcar Barn
Taken on April 9, 2008

レプリカ車両は今度こそ戻ってくるかもしれませんが,より深刻な事態が
RTAを悩ませています.
セントチャールズ線では,平日平均で6千から8千人を輸送しているとの
ことです.比較にはなりませんが,2005年上半期のRTA路面電車全体では
同29万人近い数字が記録されています.
これがRTA全体では,利用者数はカトリーナ以前と比べて四分の一程度の
水準に留まっているとされ,路線バスや路面電車を利用してきた人達,
特に低所得者層が,街に戻ってきていないからと言われています.
6/20/2008 New Orleans streetcar reopens as transit struggles
The Associated Pressの記事 (New Orleans Times-Picayune へのリンク)

住民が少ないことから,バスなどの運転本数は削減されていますが,逆に
これが災いしているという指摘もあります.公共交通が充実していれば,
人は戻ってくるというのです.燃料費に加えて保険料の値上げで,ニュー
オリンズでも自動車通勤は高くつきます.

RTAでは,公共交通計画の見直しに取り組んでいて,新しいバスを購入
したり,9月に路線も一部拡充を予定しています.路面電車に関しても,
もっと路線をという声に応えるべく,リバーフロント線のフレンチクォー
ターへの乗り入れなど,新線構想も考えられているようですが,2億ドル
以上と言われる負債を抱え,連邦政府の災害支援も終わりを迎える中で,
RTAは利用率の盛り返しに取り組まなければなりません.

ルイジアナ州の一機関(political subdivision)であるRTAには,運営を
外部に委ねる話が出ていて,選ばれた3候補のうち,コンサルタントは
フランスが本拠のヴェオリア(Veolia Transportation)が最有力候補だと
推薦したことも,最近話題になっていました.
June 26, 2008 Veolia gets top score in judging for RTA job
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

ちなみに,残る2候補は,シンシナティに本拠をおくFirst Transit Inc.
と,2002年12月以降は援助なしに運行を行い,カトリーナ後もここまで
導いてきたRTA組織内の経営陣,即ち現体制の継続です.
この時点では,世界中で公共交通の運営を手がける最大手のヴェオリア
(Veolia Transport)に決まったわけではなく,7/24予定のRTA委員会で
決定がくだされる見通しとのことです.

前回の関連ログ: 2008/5/30 セントチャールズ線6/22に

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2008年05月30日

【ニューオリンズ】セントチャールズ線6/22に

ニューオリンズのセントチャールズ線(St. Charles line)は,ハリケーン
による被災以来初めてとなる全線での営業運転を,5月末にも復活させる
予定でしたが,5/29にRTAが発表したところによれば,現在は6/22(日)の
早朝(始発は午前5時過ぎ?)からを予定しているそうです.
RTA: New Orleans Regional Transit Authority

6/22全線運転再開後,今は所要6分の代行バスが走るCarrollton Avenueの
沿線を中心にした,お祝いのイベントも6/28(土)に計画されています.

詳細は明らかにされていませんが,5月末から先送りされたのは,技術的
問題からのとのことでした.しかし,6/22再開には自信があるようで,
すでに公式サイトにも案内が掲載されています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
The St. Charles Streetcar Line Will Roll Down Carrollton Avenue
(New Orleans Regional Transit Authority 公式サイトへのリンク)

ハリケーン来襲後初となるバスの新車が導入されることを伝える記事の
中に,セントチャールズ線の話も書かれていました.
May 30, 2008 RTA rolls out first new bus since Katrina losses
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

路線バスの話のほうは,カトリーナ以前には370台あったバスは,200台
以上が使えなくなり,残ったバスも12年の耐用年数に近く,ここまでは
だましだまし使っていたということや,従来の車長40フィート(約12m)
から新しいバスは同35フィート(約11m)と短くなったこと,39台の購入
資金1500万ドルのうちの800万ドルは,連邦機関(FTA)が負担した話などが
紹介されています.
短いバスになっても,利用者数がカトリーナ以前と比べて30%程度なので
問題ないそうです.それよりも,環境に配慮したバイオディーゼル車で
あることや,新しい配色を施していることがアピールされました.

ハリケーン被災からストリートカー運転再開までの歩み:
2005/8/29 (Hurricane Katrina 襲来で全面運休に)
* Canal Street Line, Riverfront Line
2005/12/18 被災後初の部分運転再開
2006/4/02 運転再開区間拡大
* St. Charles Avenue Line
2006/12/19 被災後初の部分運転再開(Canal Street - Lee Circle)
2007/11/10 運転再開区間拡大 (Lee Circle - Napoleon Avenue)
2007/12/23 運転再開区間拡大 (Napoleon Avenue - Riverbend)
2008/6/22 全線再開予定

セントチャールズ線 運転再開の歩み:
2006/12/20 セントチャールズ線一部復旧
2007/9/29 ガーデン地区まで復旧へ
2007/11/16 クリスマスプレゼント?!
2007/12/24 運転再開区間が西端に到達

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2008年04月17日

【シャーロット】4/20トロリー運転再開へ

ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)では,ライトレールLynxの
ブルーラインが昨年11月に開業,利用は好調と伝えられています.
その陰で,ライトレール完成まで工事のため運休を余儀なくされてきた
昔懐かしい電車のトロリー(trolley)が,今度の日曜には戻ってきます.

このトロリー,昔風の路面電車と侮ってはいけないようです.今回の記事
には,このトロリーが1996年から走っていたからこそ,1998年に公共交通
への財源とするための増税を問う住民投票で,賛成多数を得られたとする
見解が語られています.

そのトロリーは,2006年にライトレールの建設工事が本格化してから運休
していました.その後,ライトレールLynxが昨年11月に開業し,12月には
百万ドルかけたトロリー用の新しい車庫も落成,軌道を共用するライト
レールのほうも順調なことから,運転再開の準備が整ったようです.

運転区間は以前と同じ,サウスエンド側のAtherton Millとアップタウン
側の9th Streetの間ですが,両端ともライトレールLynxは停車しません.
トロリー専用の停留所です.その他にもトロリーだけ止まる停留所が2つ
ほどあるとのことです.これらの停留所では券売機が設置されないため,
運賃$1.30は車内で支払うことになります.
また,運転されるのはラッシュ時以外の時間帯だけで,それも5月半ば
までは土日だけに限定され,Lynxとの線路共用に問題なしとなれば,平日
にも拡大されることになるのだとか.そうなれば,アップタウンとサウス
エンド地区の間の電車の運転本数が,倍増することになります.単なる
観光客向けというわけではないということのようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Apr. 17, 2008 Trolley joining Lynx on light-rail tracks
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
04/14/2008 Charlotte Trolley ready to hit the road
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)

日曜(4/20)午後1時には式典が開催されます.その席では,1927年から
1938年までシャーロットの市電として活躍し,近年になって奇跡的に復活
した,トロリー85号車もトロリー運転区間を往復するようです.安全上の
理由から運転される機会が大幅に減ってしまう製造後81年の85号車と,
新しいライトレール車両が並ぶシーンが,見られるのかもしれません.

情報は公式サイトに掲載される模様ですが,この時点ではリンクが正しく
機能していませんでした.少し時間がたてば内容を確認できるでしょう.
Welcome to Charlotte Trolley! (公式サイトへのリンク)

将来,シャーロットのライトレールが,北への延伸を果たした際には,
トロリーが走る余裕がなくなるだろうとされています.

トロリー関連 過去ログ:
2007/4/03 トロリー#85 現役引退か?
2006/11/16 トロリー運転再開も遅れ
2005/12/16 LRT工事本格化でトロリー運休

売上税 過去ログ:
200711/21 交通税賛成多数の分析出る

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2008年01月16日

【アーリントン】路面電車計画に弾み

ワシントンDCとポトマック川を挟んで対峙して,有名なところでは米国
国防総省の本部ペンタゴンや,短距離路線専用のロナルド・レーガン・
ナショナル空港などのあるアーリントン郡(Arlington County)の,路面
電車計画が,また一歩前進していました.
先週,税金を地域の交通計画に配分する役目を負う,Northern Virginia
Transportation Authorityという組織が,満場一致で2010年までの予算
配分を承認しましたが,その中にColumbia Pike Streetcarの調査費用
などの分も計上されていました.週明けに各メディアが報じています.

ワシントンDCからのメトロレールも走る,ペンタゴン・シティ(Pentagon
City)から,南西に伸びるコロンビア・パイク(Columbia Pike)通り上を,
隣のフェアファックス郡(Fairfax County)にあるSkyline地区まで結ぶ,
4.7マイル(約7.5キロ)の路線が計画されています.かつては同じルートを
DCからのメトロレール(Metrorail)が支線を伸ばす話もあったようです.

将来は路線網を拡大させる構想もあり,まずはこの路線からスタートする
ことが考えられていて,総額1億3850万ドルと見られています.今回は
2009年と2010年で合計3690万7千ドルが,初期調査費や設計費などとして
認められたとのことです.

他の街の路面電車計画と少々異なるのは,道路(コロンビア・パイク)の
混雑解消の役目も担うことです.これに対しては,道路拡張のほうが有効
とする反対意見もあります.
軌道は道路上に敷設されますが,計画では歩道寄りになっていて,道路
中央は従来通り通過車両の車線として残ります.歩道寄りの車線は路面
電車と自動車が共用することになりますが,電車にはできるだけ赤信号で
停まらないような信号制御がなされる予定とのことです.

バスではなく路面電車にすることにより,DCのメトロと同様に,バスには
乗らない人たちでも,電車なら時には車を捨てて利用する現象が起きる
のではないかとみられているほか,乗降時間が路線バスより短縮できる
と支持派は主張しています.
もちろん沿線への経済効果も期待されていて,コロンビア・パイク沿道
への開発は,より輸送力の高いライトレールを走らせる時と同じくらいに
起きると唱える人もいるそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
January 15, 2008 Streetcar Project Moves Forward
(Arlington Connection ニュースへのリンク)
January 14, 2008 Northern Virginia transportation group selects
projects for funding

(Washington Business Journal ニュースへのリンク)
January 14, 2008 Columbia Pike Streetcar One Step Closer to Reality
(Express: A Publication of The Washington Postへのリンク)
January 14, 2008 Streetcar Plan Has Money and Desire
(Washington Post ニュースへのリンク)

NVTAのプレスリリースから,承認された計画を記したPDFファイル版を
入手することができます.January 11, 2008付けのところです.
NVTA: Northern Virginia Transportation Authority
Press Releases (NVTA 公式サイトへのリンク)

Columbia Pike Streetcarの路線図は,下記サイトでダウンロードできる
PDFファイル版のブローシャの中に記されているのが参考になります.
(View the Columbia Pike Streetcar Project brochure. をクリック)
Pike Transit Initiative (WMATA 公式サイトへのリンク)
WMATA: Washington Metropolitan Area Transit Authority

ワシントンポスト紙では,DCで建設中の路面電車について,Anacostiaと
地名だけ出しています.2007年春の時点で2008年春の完成予定という話が
出ていましたし,チェコでは車両製造工場を出たDC向け車両の試運転が
目撃されています.そろそろ何か話題が出てもよさそうなものですが,
その後の消息はつかめていません.

関連過去ログ: 2006/5/01 路面電車とバスを併用
ここで紹介していた路線バスと路面電車の併用は,今回の報道では全く
触れられていませんでした.計画が変わったのかもしれません.

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2007年12月24日

【ニューオリンズ】運転再開区間が西端に到達

RTAは,セントチャールズ線(St. Charles line)のうち,路線名の由来と
なったセントチャールズ・アベニューを走る全ての区間を,カナル通り
からRiverbendと呼ばれるところまで,12/23に復旧させました.
カトリーナ(ハリケーン)が2005年8月ニューオリンズを襲い,路面電車も
大きな被害を受けて運休してから2年半近く,被害の少なかった都心側の
最初の区間が運転を再開してからも,一年余りの歳月が必要でした.
RTA: New Orleans Regional Transit Authority

最後まで残るセントチャールズ線の末端の運転再開は2008年春の予定と
変わりありませんが,11/10に同線がガーデン地区(Garden District)に
まで戻ってきた後,セントチャールズ通りがミシシッピ川に突き当たり,
電車はその手前で直角に進路を変える場所までの区間は,予定を早めて
一足先に運転を再開できる見通しとみられていました.
(過去ログ: 2007/11/16 クリスマスプレゼント?!)

今回の運転再開区間の沿線には,テューレーン大学(Tulane University)
やロヨラ大学(Loyola University)のニューオリンズ校のキャンパスに,
オーデュポン公園(Audubon Park)などもあります.
セントチャールズ線は8両の車両により,平日は10分間隔,土休日は15分
間隔で運行されます.
今回伸びた電車運行区間の終点から本来の終点までの区間は,バスで代行
されて乗継料金は不要です.

RTAによれば,カナル線もリバーフロント線も,元はセントチャールズ線
向けの深緑色の車両が,引き続き使われているそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Advisories: Historic Perley Thomas Streetcars Roll to the End of
St. Charles Avenue!
(RTA 公式サイトへのリンク)
運転再開区間がさらに伸びることを伝える記事:
December 22, 2007 St. Charles streetcar route to grow again Sunday
(The Times-Picayune ニュースへのリンク)

被災からこれまでの運転再開までの歩み:
2005/8/29 (Hurricane Katrina 襲来で全面運休に)
* Canal Street Line, Riverfront Line
2005/12/18 被災後初の部分運転再開
2006/4/02 運転再開区間拡大
* St. Charles Avenue Line
2006/12/19 被災後初の部分運転再開(Canal Street - Lee Circle)
2007/11/10 運転再開区間拡大 (Lee Circle - Napoleon Avenue)
2007/12/23 運転再開区間拡大 (Napoleon Avenue - Riverbend)
2008年春再開予定区間: Riverbend - Claiborne Avenue (全線再開へ)

関連過去ログ:
2007/11/16 クリスマスプレゼント?!
2007/9/29 ガーデン地区まで復旧へ

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年12月23日

【バーミンハム】ミラノの電車が2009年末に?

米国南部アラバマ州バーミンハム(Birmingham)のダウンタウンに,路面
電車を走らせようという提案が明らかになりました.
イギリスのバーミンガムの話ではありませんので,ご注意を.

同市の属するジェファーソン郡(Jefferson County)で公共交通を運行する
組織,BJCTAから発表されたもので,実現の運びとなれば,ミラノから
ビンテージ車両を10両購入し,2009年末には1マイルほどの路線を10分
間隔で走らせているかもしれません.
BJCTA: Birmingham-Jefferson County Transit Authority
現在,バーミンハム市の人口は23万弱で,かつては市内外に路面電車が
走っていたそうですが,それは,この州でバスの座席を白人に譲る譲ら
ないから始まった公民権運動の起きる,はるか前の話です.

今回の提案では,軌道敷設と車庫建設,車両購入を3300万ドルで行おうと
するもので,1億ドルを超える郡全体の路線バス網改善計画には,連邦
から半分近く補助金が出ることになっていますが,市内のみの路面電車は
対象外です.そこで,年8百万ドルある市の事業許可料(原文: business
license fees)を倍増させる案が承認されれば,これを充てることが考え
られています.

ミラノから買おうとしている車両は1920年代製とのことですので,言及
されていませんが,Peter Witt carsなのでしょう.サンフランシスコの
Fラインという前例があります.
今回の提案には,その価格が1両あたり2万5千ドルから3万5千ドルで,
これを改造すると,車種やエアコンを取り付けるなどの内容により幅が
あり,1両あたり20万ドルから80万ドルになるとあります.10両の購入
予定ですが,そのうち4両は予備車になるとか.
ルートなど詳細が決まるのは2008年2月,ミラノへ車両買い付けに出発
するのが2008年6月末日,着工は2008年11月1日と,提案は細かい日程まで
決めています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 20, 2007 Downtown Birmingham streetcar line proposed
for 2009
(The Birmingham News ニュースへのリンク)
December 20, 2007 Local News Street Cars
(CBS 42 News ニュースへのリンク)
CBS 42 Newsのサイトには,提案内容をパワーポイントで読めるPPT形式の
ファイルもアップロードされていて,記事の最後にリンクがあります.

TRANSIT PLANとタイトルの付いた22ページには,かつてバーミンハムを
走っていた車両の写真が4点(ページ)あり,続いて最近の米国での導入
事例,今後の日程,路面電車だけでなくTRANSIT PLAN全体の各種数字が
並んだあと,最後に経済効果が記されています.公共交通1ドルあたりに
3ドルから9ドルの幅で,平均すると6ドルの見返りがあるのだそうです.

なお,ミラノでは新たに路線を延長したり,低床車の信頼性が欠けると
いう理由から,製造から80年近くが経つPeter Witt carsを,今後も数年
現役で使うとATMが発表したばかりか,塗装をオリジナルのものに戻して
いるという未確認情報もあります.
ATM: Azienda Trasporti Milanesi

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2007年12月10日

【米国】2007年12月09日までの話題

ダイジェスト版になりますが,
まず南東部のバージニア州ノーフォーク市(Norfolk)で,ライトレールの
建設工事が,12/08(土)に着工されました.開業は2010年の予定です.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 9, 2007 The Tide is rising, fans of light rail say
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)
December 9, 2007 Officials break ground on Norfolk's light rail
(WVEC-TV Norfolk ニュースへのリンク)

早くも経済効果があらわれているとか.
December 6, 2007 Norfolk says light rail's benefits already
rolling in
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)

直近の関連過去ログ:
2007/10/02 資金調達目処がたち着工へ

同じ南東部のシャーロットでは,先月開業のライトレールで,運賃徴収が
開始された直後の月曜(11/26)には,一日平均の利用者数予測9100人を
下回ったものの,次第に数字が上がってきているようです.
Dec. 09, 2007 Light-rail ridership high in 1st week
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

直近の関連過去ログ:
2007/11/28 【シャーロット】週末二日で十万人が体験

一方,北東部のシアトルでは,12/12に新しい路面電車が開業します.
ウォーターフロント地区の路線ではなく,サウスレイクユニオン地区を
部分低床車が走ります.
Seattle Streetcar: South Lake Union Line
Streetcar Inauguration Ceremony Opening Day December 12th 2007
(Seattle Streetcar 公式サイトへのリンク)

それに先立ちシアトル市では,他に5つの路線計画を検討中であることが
明らかにされました.
December 7, 2007 South Lake Union streetcar could be just the
beginning
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)
December 6, 2007 More streetcar lines? Report mentions 5 potential
routes
(Seattle Times ニュースへのリンク)

直近の関連過去ログ:
2007/10/28 【シアトル】市電が八週間の試運転を開始

日付は順序が前後しますが,最後にアリゾナ州フェニックスで,12/03に
ライトレール車両が本線上の試運転を開始したそうです.車両は,近畿
車輛製で,2008年末の開業が予定されています.
Dec. 3, 2007 Test run for light-rail trains starts today
(The Arizona Republic ニュースへのリンク)

直近の関連過去ログ:
2007/2/22 【フェニックス】LRT衝突事故への対策(2)

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2007年11月28日

【シャーロット】週末二日で十万人が体験

南仏ニースから大西洋を挟んで約7300キロ隔てた米国南東部シャーロット
でも,同じ日にライトレールLYNX Blue Lineが開業していました.
土日には運賃無料で開放され,月曜からは通貨単位こそ異なりますが,
1.30ドル(ニースはユーロ)の運賃が必要になるところまで同じです.
時差は6時間で,ニースで一般客を乗せ始めた14時は,シャーロットでは
まだ朝8時で,旅客運転はニースのほうが2時間だけ早かったようです.

シャーロットでも,1938年までは路面電車が市内を走っていたそうです.
その後,1998年にはトロリーとして僅かな距離を観光や学習向けとして
復活させていますが,通勤客を対象として道路混雑緩和に役立てようと
する鉄道が復活するまで,70年近く間が空いてしまいました.

開業初日の11/24(土曜)には,最初の4時間(10時から14時まで)だけでも
約3万4千人が乗車,その数字は19時には6万人を超えるまで膨れ上がって
いきます.これは,76のバス路線網を持つCATS全体の平日一日平均利用者
数(6万5千強)にも匹敵する人数でした.
LYNX Blue Lineの輸送力は一日2万5千人とのことですので,当然各駅で
積み残しが発生しました.CATSでは急遽,バスを仕立てて輸送にあたら
なくてはならなかったそうです.
CATS: Charlotte Area Transit System

翌日11/25(日曜)には,前日同様の人が出ると見越し,16本の電車のうち
15本を投入しました.物見遊山の乗客が多少減ったこともあり,11/24の
ような混乱には至らず,9時から18時までで4万人余が乗車しました.
この日13時以降の約半数は,アメリカンフットボールの観戦客(Panthers
ファン)で占められた模様です.
ライトレールLYNX Blue Lineの走るシャーロットには,市内だけで66万
以上の人が暮らしますが,週末の二日間で約10万人が,この地域の新しい
乗り物を体験したことになります.

11/26(月曜)からは運賃が必要です.南端駅を出発した電車の車内では,
8時過ぎには五名在籍の切符検査員のうち一人が,車内改札を早速始めた
そうです.しかし,午後になってCATSが,この日はせいぜい5000人の利用
との見込みを発表,利用予測は初年で平日平均9100人であることから,
各メディアは通勤初日は低迷というようなタイトルで報じました.2025年
までには同18100人の輸送を目指しています.

沿線にパークアンドライドは7か所あり,合計3500台を収容できますが,
営業開始初日となる11/26(月曜)には,朝のラッシュが終わった時点で
収容台数の七分の一に相当する500台程度しか,車が駐車していなかった
そうです.今の段階では路線バスから乗客が移行しただけで,車から通勤
手段を切替えたチョイス・ライダーは,少数に留まっています.

ライトレール駅まで自動車でやってきて,そこに車を置いて電車に乗り
換えると,どうしても時間的には長くなりますが,街中に駐車するより
安上がりで,高騰するガソリン代も多少浮く上に,渋滞にも巻き込まれ
ない利点が浸透してくれればと,CATSは期待しているようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
週末に開放された運転初日の様子が伺える画像があります.
Slideshow: First day of light rail 11.24.07
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
Charlotte - First Lightrail Line Opened Today - #1, #9
(SkyscraperCity フォーラムへのリンク)

路線図,その他の公式案内:
Riding LYNX (CATS 公式サイトへのリンク)

それぞれの時点で鍵となる記事を,古い順に並べてみました.
November 24, 2007 Heavy Delays Don't Phase LYNX Fans
(WSOC-TV Channel 9 Charlotte ニュースへのリンク)
Nov. 25, 2007 Light rail, heavy traffic
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
November 25, 2007 LYNX Has Foggy First Weekday Ride
(WSOC-TV Channel 9 Charlotte ニュースへのリンク)
Nov. 25, 2007 Smaller crowds on light rail's 2nd day
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
Nov. 26, 2007 For CATS, playtime is over
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
November 26, 2007 Plan In Place To Keep Light Rail Riders' Cars
Protected
(WSOC-TV Channel 9 Charlotte ニュースへのリンク)
11/27/07 Light rail finds fewer riders willing to pay
(Rock Hill Herald ニュースへのリンク)

シャーロットのライトレール関連過去ログ:
2007/11/21 交通税賛成多数の分析出る
2007/11/07 【交通税】LRT関連の投票結果は明暗分ける
2007/10/22 開業前でもLYNXに経済効果
2007/8/24 トランジット税の是非
2007/7/30 ライトレール開業11/26に

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2007年11月21日

【シャーロット】交通税賛成多数の分析出る

ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)では,ライトレール(Lynx)
ブルーラインが,感謝祭の連休を間近に控えた月曜日(11/19)に正式開業
した模様です.ただし,この日はテープカットなど式典と関係者らの乗車
だけで,一般旅客が乗車できるのは,連休最中の土曜(11/24)の午前10時
からの予定で,日曜(11/25)までは運賃不要です.

既報の通り,今月初めに行われたメクレンバーグ郡(Mecklenburg County)
住民投票では,売上税の一部にあたるトランジット税の撤廃を求める案が
7割という圧倒的多数で否決され,税の存続が決まりました.
夏の時点ではトランジット税廃止を支持する割合が51%という調査結果が
出ていたことや,税導入が決まった1998年の投票では,賛成が58%だった
ことを考えると,予想を超える大差での勝利だったのです.月曜日には
その票の分析結果が発表されていました.

それによれば,1998年の時点ではトランジット税を支持しながら,今回の
住民投票で民意を問うことにさせた署名で,人数が多かったアフリカ系
アメリカ人が,蓋を開けてみれば8割近くが反対(=トランジット税存続)に
回っていたことが明らかになりました.アフリカ系アメリカ人の指導者に
よれば,トランジット税が支える充実した路線バス網に依存する割合が
高く,一部地域では反対票を投じる推進運動も行われていたとか.

また,1998年以降に新たにシャーロットに転入してきた人たちの存在も
大きかったのです.割合は明らかではありませんが,鉄道網の充実した
米国北東部の都市圏からの移住組が,大量輸送交通機関整備計画を支える
税金の存続に投票しても,全く不思議ではないということです.

この二つの力が,地すべり的な大勝利をもたらしたと言えるようです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Nov. 20, 2007 Black voters key to CATS' big win
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

一般公開を週末に控え,セレモニーが行われたことを伝える記事:
11/19/2007 Leaders cut ribbon on light rail
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)
November 19, 2007 Charlotte’s Light Rail Makes First Official Trip
(WSOC-TV Channel 9 Charlotte ニュースへのリンク)
沿線ガイド: Downloadable Light-Rail Station Guides
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

今年第三四半期のシャーロット中心部の空室率は,全米で最も低い数字
だったという記事もあります.マンハッタン・ミッドタウンの4.9%をも
下回る2.6%でした.
November 14, 2007 Demand for Downtown Office Space Is Strong
(The Wall Street Journal ニュースへのリンク)

シャーロット ライトレール トランジット税 関連過去ログ:
2007/11/07 【交通税】LRT関連の投票結果は明暗分ける
2007/8/24 トランジット税の是非
2007/7/30 ライトレール開業11/26に
2007/4/09 集まったLRT反対署名の疑問
2007/3/28 LRT計画反対署名にCATS反撃

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2007年11月16日

【ニューオリンズ】クリスマスプレゼント?!

ニューオリンズのセントチャールズ線(St. Charles Avenue line)が,
その名前のセントチャールズ・アベニューに戻ってきてから一週間足らず
ですが,クリスマスプレゼントがあるかも?との一報が届きました.

まだ正式に決まったわけではないのですが,可能性としてクリスマスイブ
までに,先週末に復旧したばかりのNapoleon Ave.から,St. Charles
Ave. 沿いにSouth Carrollton Ave.までの,運転再開が可能かもしれない
との見通しを,RTAの担当者が明かしたそうです.
RTA: New Orleans Regional Transit Authority

これは,変電所の能力が延長しても問題ないほど十分であることが確認
できたことを受けてのもので,今後,降雨で遅れている架線柱の塗装を
行う作業員を集め,ハリケーン被災後に解雇した運転手らを再雇用し,
路線の安全性が保証されることが条件ですが,これらは実行可能とRTA
ではみている模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 16, 2007 Streetcar could get Christmas bonus
(The Times-Picayune ニュースへのリンク)
November 15, 2007 St. Charles streetcar line may be extended by
Christmas
(The Times-Picayune ブログへのリンク)
ブログと記事がありますが,どちらも同じ記者による文章です.ブログは
ニュース速報の扱いで,後に情報が補足された記事が公開されました.

記事によれば,先週の土曜にセントチャールズ通りでセレモニーを行い,
日曜から延長区間まで終日営業に入りましたが,3日間で17793人の利用が
あったとか.運転区間延長に際して車両4台を充当していますが,RTAは
5台目の必要にかられています.

クリスマスプレゼントになるかもしれないとされる次の延長は,South
Carrollton Ave.までということですが,これでセントチャールズ線の
全線復旧になるわけではありません.セントチャールズ通り上の区間が
全て復活するだけです.これをGoogle Mapsで表示してみると.
from Canal St to South Carrollton Ave via St Charles Ave
(Google Maps Get directions へのリンク)
表示されるルート上に,報道されている変電所の位置に印を付けました.
セントチャールズ線には全部で3か所の変電所が設けられますが,残る
1つは車庫に設置されるようです.

South Carrollton Ave.との交差点で直角に曲がって進路を北東に変え,
South Carrollton Ave.沿いにSouth Claiborne Ave.までの区間は不通の
まま残ります.その区間を含む全面的な復旧は2008年春の予定です.

11/10に行われたセントチャールズ通りへの復活を祝うパレードの様子
などが,豊富な映像や画像で紹介されているブログがありました.
All about the streetcars of New Orleans November 11, 2007
(Canal Streetcar (dot com) ブログへのリンク)

ニューオリンズのセントチャールズ通りに路面電車が戻ってきたことは,
米国では連休明けとなった今週火曜までに,国内ほとんどの報道機関が
何らかの形で取り上げたようで,電子版ニュースだけでも,膨大な数に
及んでいます.

グラスファイバー製の路面電車の模型を二百個ほど作成して競売にかけ,
得られた収益は路面電車博物館の建設にあてようという,A Streetcar
Named Inspireと呼ばれる運動があるそうで,ひな形が公開されたという
記事もありました.模型は沿線に展示して,車窓からも眺められるように
するとのことですが,競売は2008年初めとされる全線復旧時に同時開催を
目指しています.
November 12, 2007 Artists to decorate streetcar prototype
(The Times-Picayune ニュースへのリンク)
November 11, 2007 Young Leadership Council rolls out N.O.
streetcar art initiative
(The Times-Picayune ブログへのリンク)
ブログのほうに画像がありますが,模型とはいえ長さ6フィート(約1.8m)x
高さ2フィート(約60cm)あります.

関連過去ログ: 2007/9/29 ガーデン地区まで復旧へ

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年11月11日

【バージニアビーチ】隣街のライトレールを

バージニアビーチ市(Virginia Beach)は,バージニア州の本土最東端に
あって最大の人口(約44万人)を誇る街です.西にはノーフォーク市が隣接
していて,さらにその先のニューポートニューズ市までを含めた都市圏
(Virginia Beach-Norfolk-Newport News, VA-NC MSA)では,170万人近い
人が暮らしているそうです.

米国最大規模の海軍基地を擁するノーフォーク市には,東西を横断する
ライトレール建設計画が進行中で,資金調達の目処がたったため,間も
なく着工されて2010年1月の開業を目指しているところです.
第一期区間が全長7.4マイル(約11.9km)となるライトレールThe Tideは,
東端がNewtown Road駅までになっています.そこが,ノーフォーク市と
バージニアビーチ市のちょうど市境にあたっているのでした.

実は,当初そこで路線は終わらずに,バージニアビーチ市のOceanfront
地区まで伸びてくる計画でした.運命を変えたのは,1999年11月の住民
投票です.そこでライトレール検討にはNOという票が12%の差でYES票を
上回り,過半数を得てバージニアビーチ市での話は終わっていました.
その後はノーフォーク市が単独で動き,着工まで一息というところまで
たどり着いたという次第です.

バージニアビーチ市では,1999年の住民投票で否決されたあと,ライト
レール計画のことを口にする政治家はいなくなりましたが,ここにきて
風向きが変わってきました.
ノーフォーク市は着工までこぎ着けるのに苦労しましたが,それを延長
するなら容易と考えたようで,住民らとの対話を模索し始めた模様です.

人口ではノーフォーク市に勝っていても,商業の中心はノーフォークに
あり,バージニアビーチ市はその意味では劣勢です.どちらかというと
リゾート地であるだけに,ノーフォークのライトレールが財政的に成功
するのを見届けてからという慎重な市議もいます.
バージニアビーチには,ノーフォークの海軍基地に通勤する住民も多い
ので,The Tideが海軍基地へ行くことにでもなれば,利用者数が望める
と考えられています.しかし,構想はあっても現状ではノーフォークでも
具体的なところまでは話が進んでいません.

バージニアビーチへの延長には,ノーフォークと同様にNorfolk Southern
鉄道の敷地獲得が必要とされていて,保有会社のNorfolk Southern Corp.
とバージニアビーチ市は,価格交渉に入っている模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Nov. 9, 2007 Is light rail's next stop Virginia Beach?
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)

ノーフォークのライトレール,The Tide関連の過去ログ:
2007/10/02 【ノーフォーク】資金調達目処がたち着工へ

その他,既にお伝えしている通り,ニューオリンズのセントチャールズ線
(St. Charles Avenue line)が,その名前の元になるセントチャールズ・
アベニューに戻ってきました.全線の復旧は今のところ2008年春の予定
ですが,ガーデン地区(Garden District)の中ほどまで復活しました.

土曜日(11/10)には式典が行われ,その後の14時から17時までは無料で
開放され,営業再開は日曜(11/11)からです.
11/09/2007 Advisories Service on the St. Charles Streetcar Line
to Napoleon Avenue Scheduled to Begin November 11

(NORTA 公式サイトへのリンク)
NORTA: New Orleans Regional Transit Authority

ウェブカメラの一覧: Cams Central
(The Times-Picayune へのリンク)
この中のParadecamは,マルディグラ(Mardi Gras)の有名なパレードの
折り返し点を見るため,セント・チャールズ・アベニュー(St. Charles
Ave.)に面したバーのひさしの上にカメラを設置し,それで映し出される
映像を流していますが,たまたま今回延長されたナポレオン・アベニュー
(Napoleon Ave.)の停留所前になるため,最適な観察場所になりました.

式典のパレードの様子などが報道されています.1920年代の電車が何台も
連なってパレードに加わっている様子が伺える画像がありました.
November 10, 2007 Fanfare greets streetcar's return to part of
Uptown
(The Times-Picayune ブログへのリンク)
APの記事を,数多くのメディアが掲載しています.
11/10/2007 N.O. Streetcars Welcomed Back With Party
(The Associated Press ニュースへのリンク)

直近の関連過去ログ:
2007/9/29 【ニューオリンズ】ガーデン地区まで復旧へ

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2007年11月07日

【交通税】LRT関連の投票結果は明暗分ける

今年は11/06が米国では総選挙の日でした.各地で選挙が行われたほか,
数々の項目が住民に是非を問われています.その中には都市交通整備に
関わるものも幾つかありました.
ライトレール建設計画に影響を及ぼすものとしては,シャーロットを擁す
ノースカロライナ州メクレンバーグ郡(Mecklenburg County)と,北西部
ワシントン州のシアトルなど3つ郡の,計二か所で実施されています.

シャーロットでは,1998年にやはり住民投票で認められた交通税の見直し
投票が行われました.売上税の一定額を都市交通の整備に向けることに
反対したグループが,規定の署名を集めて廃止の是非を住民投票に持ち
込んだものです.

同郡の投票時間は,米国東海岸時間で19:30まででした.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
メクレンバーグ郡の公式サイトですが,結果は非公式とされています.
選挙速報: Repeal of the 1/2% Transportation Tax
(Mecklenburg County Board of Elections へのリンク)

上記リンク先では最初のアップデート時から廃止に反対=交通税存続が
全体の7割前後の票を集め,その後も堅調にその割合を維持し,開票率が
20%を超えた,日付が変わる前に存続決定を報じた記事が出ました.
Nov. 06, 2007 Voters decide: Keep transit tax
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

これで心置きなく地域最初のライトレール,LYNXブルーラインが11/24に
開業を迎えられるでしょう.その後の計画もとりあえず安泰です.

シャーロット 交通税関連 過去ログ:
2007/8/24 トランジット税の是非
2007/7/30 ライトレール開業11/26に
2007/4/09 集まったLRT反対署名の疑問
2007/3/28 LRT計画反対署名にCATS反撃

一方,シアトルを中心とするピュージェット(Puget Sound)地域内の3郡,
キング郡(King County),ピアース郡(Pierce County),スノホミッシュ郡
(Snohomish County)では,Sound Transitが策定したライトレール第二期
路線などを含む公共交通整備計画(Sound Transit 2)と,車線追加などの
道路整備を抱き合わせたRoads and Transit案が,賛否を問われました.

米国太平洋時間20時に締め切られた投票の結果は,出だしから反対票が
55-45ぐらいの割合で絶えずリードしています.

各郡の開票結果 (結果は非公式とされています)
キング郡: Proposition No. 1 - Regional Roads and Transit System
(King County Records, Elections & Licensing Services Division)
ピアース郡: Pierce County Unofficial Election Results
(Pierce County Auditor へのリンク)
スノホミッシュ郡: Snohomish County General Election Results
(Snohomish County へのリンク)

Roads and Transitへの反対票がリードしていると報じる記事:
Nov 6, 2007 Regional voters rejecting roads and transit tax plan
Associated Pressの記事 (KOMO Seattle ニュースへのリンク)
November 7, 2007 Proposition 1: Voters hit the brakes
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)

仮に,Proposition 1(Roads and Transit)への反対多数となっても,現在
建設中のライトレール自体が影響を受けることはありませんし,1996年に
賛成多数を得た税金上乗せは,予定通り2028年末まで維持されるものの,
新たな財源を得られないことから,ライトレールの第二期区間は暗礁に
乗り上げることになります.

Sound Transit 2 関連 過去ログ :
2007/9/28 【Roads and Transit】キング郡トップが反対
2007/8/27 【Roads and Transit】マリナーズなどが賛成
2007/4/28 【Sound Transit】ST2最終案まとまり投票へ
2007/4/02 【タコマ】セントラルリンクとの接続早まるか
2007/1/15 【Sound Transit】投票に向け計画煮詰まる
2006/7/17 【Sound Transit】ST2詳細明らかに
2006/3/10 【シアトル】"Sound Transit 2"一年遅れに

その他,建設計画には直接関与しませんが,運行事業者の経営建て直しに
関係してくる,サンフランシスコ市の憲章修正案が市民投票にかけられて
います.現地時間20時に投票が締め切られ,滑り出しでは賛否が拮抗して
いました.

Municipal Election November 6, 2007 Election Summary
(City and County of San Francisco へのリンク)
こちらも結果は非公式扱いとなりますが,市長選では現職が独走で当確の
ようですので,注目はMEASURE AとMEASURE Hになります.
市内の駐車場を増やすことになるProposition H(上記ではMEASURE H)は,
開票直後には反対票が多い状況でした.

関連過去ログ:
2007/10/21 【サンフランシスコ】Muni改革の修正市憲章

この他に,ユタ州でも北部の3郡でコミューターレール(FrontRunner)延長
計画と道路整備のための売上税の増税是非が問われたほか,二か所で路線
バス拡張の財源として同様の投票がありました.

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2007年11月03日

【タンパ】空港ライトレール案が明らかに

フロリダ州タンパ(Tampa)市のあるタンパベイエリア(Tampa Bay Area)
には,その主要地区をつなぐ公共交通整備計画があり,ライトレールも
有力な候補です.今は検討が重ねられているところですが,タンパ市長も
乗り気とか.
人口約270万のエリア広域圏の中で,同33万のタンパ市と,その西南西で
オールドタンパ湾(Old Tampa Bay)を隔てた,セントピーターズバーグ市
(St. Petersburg)(人口約25万)の,双方のダウンタウンを結ぶ路線が,
特に優先的に考えられています.

今回は,タンパ国際空港(TIA=Tampa International Airport / TPA)への
支線計画案が明らかにされました.
タンパとセントピータースバークを結ぶ路線の途中から北に分岐する形に
なり,現在のターミナルへ横付けします.そこからさらに北に計画中の
滑走路の下をくぐり,同じく計画中の北ターミナルに達するものです.
空港当局(Hillsborough County Aviation Authority)も,高額な費用を
必要とするハイウェイの車線増設や改良よりも,経費が抑えられると説明
された,ライトレールが気に入った模様です.

空港支線分として,300フィート(約90m)の長さを持つ駅と,高架路線の
建設見積りは,約3.5マイル(約5.6キロ)で1億9千万ドルから2億3500万
ドルとされています.これには車両代金は含まれていません.
もしも,ライトレールではなくBRTなら,建設費は1億5千万ドルから1億
8500万ドルになるそうです.これらは,空港当局と州運輸省が共同で36万
ドルを出し,コンサルタント会社に算出させました.
これに対して単純な比較ではありませんが,空港へのアクセス改善のため
求められるハイウェイのインターチェンジ改良は2億2千万ドル,タンパ市
ダウンタウンから空港に至るハイウェイの車線増設には4億ドルと,言わ
れています.

タンパベイの公共交通整備の資金捻出のため,売上税の税率をあげるか
どうかを問う住民投票の実施を,2010年までに行う案もでています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
November 02. 2007 Tampa airport proposes to build light rail
corridor
(Sarasota Herald-Tribune ニュースへのリンク)
November 2, 2007 Airport board takes light rail for a virtual ride
(St. Petersburg Times ニュースへのリンク)
November 1, 2007 Light rail proposed to connect airport to
business districts
(Tampa Bay Business Journal ニュースへのリンク)
November 1, 2007 Tampa Airport Announces Plan For Light-Rail
System
(The Tampa Tribune ニュースへのリンク)

タンパ国際空港は,いわゆるサテライト方式を採用した初めての空港と
され,中央に位置するターミナルでは出発時のチェックインと到着時の
荷物受け取りが行われ,そこから英語版Wikipediaではモノレールと記さ
れている新交通システム風のボンバルディア製シャトルで,各航空会社
ごとに分けられた6つあるサテライト(Airside)へ移動し,そこで航空機に
搭乗することになります.
シャトルは1991年導入とのことですが,空港内の移動にこの手のピープル
ムーバーが採用されたのも,ここは早いほうでした.今回コンサルタント
会社の示した計画では,高架路線はサテライトへのシャトルの上を跨ぐ
格好になるようです.サテライト(Airside)は航空会社の運行停止や他の
サテライトへの移動により,今は4つしか使われていない模様です.

また,タンパ国際空港は定時運行率が全米平均より高く,そのおかげか
どうかは定かでありませんが,ビジネス客らの人気調査で今年全米3位に
なっているそうです.考慮されているかどうかは不明ですが,タンパより
上位の二空港には,いずれも鉄道アクセスがあります.

タンパ関連 直近の過去ログ:
2007/10/24 高層コンド完成で乗客増に期待

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年10月24日

【タンパ】高層コンド完成で乗客増に期待

フロリダ州タンパ(Tampa)市の路面電車,TECO Line Streetcarの近況が
入ってきました.
開業五周年を迎え,先日運賃5セントでお祝いしたところ,一日の利用者
数としては過去最高の1万3千人台を突破しました.また,昨年10/01から
1か年度(FY2007)を通した乗客数が,44万人を初めて突破しています.
ただし,2002年開業前の見込みは年間50万人でしたので,予測を下回って
いることには変わりなく,Harbour Islandの開発業者らによる基金も,
500万ドルの元金のうち残りは320万ドルとなり,早ければ2011年には底を
突いてしまいかねないため,手をこまねいているわけにはいきません.

運営する非営利組織のTampa Historic Streetcar Inc.は,来年にかけて
経費節減として午前11時から午後3時までの運行台数を減らすことを継続
したり,車体や停留所のネーミングライツ(naming rights)の販売を促進
するとともに,今春には市から承認されている,タンパ市のダウンタウン
南部への延長計画を前進させたいとしています.

延長計画は3ブロックほどの距離ですが,実現すれば年間8万ドルの運賃
収入増と,年間乗客数が52万人になると見込まれています.
これまで利用者の過半数が観光客やコンベンション参加者で,地元住民の
利用促進のためにも延長は必要とされています.タンパ市と同地域の路線
バスを運営しているHARTは,取得済みの連邦補助金のうちの200万ドルを
来年この延長にあてるため求められることになるようです.
HART: Hillsborough Area Regional Transit

TECO Line Streetcarの路線のうち,Port Authorityからコンベンション
センターにかけてのチャンネル地区(Channel District / Channelside)
には,Google Earthなどの衛星画像の中では建設途上に見える高層マン
ション(コンドミニアム)が続々と完成しています.眺めの良さが売りの
一つですが,窓からは路面電車の姿を捉えることもできるようです.

今年6月ウォールストリートジャーナル(The Wall Street Journal)が,
このタンパの路面電車を記事にしていました.タンパ市が6300万ドルを
投じた市電は,交通機関としては役立たず(dud)でも,沿線開発に拍車を
掛けているという声を取り上げています.
同紙は,チャンネル地区を中心とした沿線では4億5千万ドル相当の住宅や
商業施設が完成し,その他にも4億5千万ドル分の開発が進行中,さらには
11億ドル相当の構想が控えていると記しています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Oct 23, 2007 Streetcar Desired For Use By Tampa Residents
(The Tampa Tribune ニュースへのリンク)
October 19, 2007 Record crowds use streetcar during Oktoberfest
(Tampa Bay Business Journal ニュースへのリンク)

6月のウォールストリートジャーナルの記事は,現在下記関連サイト上で
読むことができます.
June 26, 2007 A Streetcar Named Aspire: Lines Aim to Revive Cities
(RealEstateJournal へのリンク)

左は,高層コンドミニアム(Towers of Channelside)の近くを走る場所,
右は,終点Southern Transportation Plazaの先にある引き上げ線で,
ここからダウンタウンに向けて延長する計画です.ただし,正面に見えて
いる高層ビルのところまでは線路は届かないようです.
TampaTeco01.jpg TampaTeco02.jpg

チャンネルサイド(Channelside)のコンドから眺めた路面電車の様子は,
このブログで紹介されています.
10/14/07 Urban Tour of Homes on the Streetcar
(Tampa Rail ブログへのリンク)

コンドミニアムの販売サイトでは,流石に画像までは載っていないよう
ですが,トロリーに乗って歴史的な街並みを残す歓楽街のイボーシティ
(Ybor City)や,タンパのダウンタウンに行けるとのうたい文句を掲げた
ところもありました.
Find Your Own Paradise (Towers of Channelside, LLC へのリンク)

なお,路面電車の存在が地域の開発にどれだけ影響を及ぼしているか,
本当のところは指標もないだけに,反対派にその点を突かれると答えに
窮してしまうのが現状なのかもしれません.


おまけ: ニューオリンズ開通情報
セントチャールズ線(St. Charles Avenue line)の区間復旧(ナポレオン・
アベニューまで)は,11/10に決まった模様です.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

タンパの路面電車関連 最近の過去ログ:
2007/4/23 延長承認と通勤輸送転換への難問
2007/2/23 乗客減が延長案に暗雲もたらす?
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2007年10月22日

【シャーロット】開業前でもLYNXに経済効果

ノースカロライナ州シャーロットのライトレール(LYNX)ブルーラインは,
9.6マイル(15.5キロ)全線で試運転が行われ,来月開業へ向け,いよいよ
秒読み段階に入りました.
途中停留所に20秒停車して全線を21分で走れることが確認され,25分から
26分という計画上の所要時間をクリアしたこともあり,正式発表こそまだ
ありませんが,11/26の営業開始直前となる土日(11/24-11/25)に先行開業
して無料開放することに,運営するCATSは明るい見通しを持っています.
CATS: Charlotte Area Transit System

運転間隔はラッシュ時7.5分としていますが,5分まで詰めることも可能
とのことで,イベント開催時などに実施することが考えられています.
なお,都心側(Uptown側)に道路との平面交差(踏切)があるなどの関係で,
5分より短い間隔を縮めることは困難な状況です.
また,導入される230名定員のシーメンス製部分低床車は,2本まで連結
することが可能で,ラッシュ時などを中心に重連で運転されることになり
そうです.運転上は3連も可能でも,今はホームの長さが足りないとか.
将来はホーム延長工事を施して対応するそうです.

低床車に混じり,2006年2月まで走っていたトロリー(Charlotte Trolley)
も,同じ路線の一部区間を走ることになりますが,今月に入り運転再開は
2008年2月か3月を見込んでいることが,明らかになっています.

シャーロットでは,トランジット税の存続か廃止かを巡る,住民投票が
11/06に予定されています.ライトレールに反対している組織が所定の
署名を集め,事実上2度目になる投票が実現したものです.投票まで2週間
近くに迫り,インターネット上で検索できる限りでも,双方がメディアを
通じて活発に意見を主張していることが見てとれます.

賛成派は,シャーロット市がライトレールの沿線開発で十数億ドルが投資
されていると発表したことを盾に,ライトレール効果を掲げています.
これは他の地域からも,開業前にライトレールの駅周辺の開発が進んだ例
として取り上げられるに至りました.

米国では,Smart Growthと呼ばれる都市計画手法があります.
無秩序に土地を開発するのではなく,住宅と職場,店舗を一つの建物に
まとめて密度を高め,コンパクトで歩きやすく自転車も走りやすくして,
更にTOD(交通主導型開発)として鉄道駅に隣接させるというものです.
TOD: Transit-Oriented Development

シャーロットでは,この方法でライトレール(ブルーライン)の沿線開発が
著しく,2000年から2007年に,これまで寂れていたSouth Boulevardの
土地価値を52%上昇させたと報告されているそうです.市全体では40%の
上昇でした.South Boulevardのそばをブルーラインが走ります.
市によれば,2005年以来沿線に2億9100万ドルの新規開発がライトレール
駅周囲0.5マイル(800m)で行われているとしていますし,CATSによれば,
沿線には更にあわせると16億ドルの計画があるとしています.
ちなみに,ライトレール(ブルーライン)の建設費は4億6270万ドル,年間
運営費は1100万ドルとされています.
米国でも鉄道は人を輸送するだけでなく,Smart Growthを支え,開発を
誘導する役割でも注目される存在になってきました.

これに対して反対派の言い分としては,これらの投資は必ずしもライト
レールが走るからということではなく,CATSも認めているように時期が
良かったこと,また,開発の著しい地区は都心のアップタウンに隣接した
場所で,潜在的に開発される要素があったとし,更にその効果が今後の
計画路線にも波及するかどうかは疑問だとして,トランジット税の廃止を
唱えています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Oct. 21, 2007 CATS focused on light rail's timing
Oct. 07, 2007 Developers putting business on the ligh-rail line
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

ライトレール反対派にしてみれば,CATSは人を運んでいるだけでよく,
開発のことまで口を挟むべきではないと考えているのです.

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シャーロット ライトレール関連 最近の過去ログ:
2007/8/24 トランジット税の是非
2007/7/30 ライトレール開業11/26に
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2007年10月02日

【ノーフォーク】資金調達目処がたち着工へ

3年に及ぶ審査の末,バージニア州ノーフォーク市(Norfolk)で計画されて
いるライトレールThe Tideは,2億3210万ドルと見積もられている予算の
うち,55%に及ぶ1億2790万ドルを,連邦の補助金プログラムNew Startsに
より得られることが正式に決まりました.
9/29までの連邦議会の60日間にわたるレビュー期間の間に,何も異議が
出なかったことを受けての手続き終了で,10/01に市と州,連邦機関FTA
との間で助成金契約(FFGA)が交わされた模様です.
FTA: Federal Transit Administration
FFGA: Full Funding Grant Agreement

残りは,連邦から別の補助金制度(STP)で3830万ドルとその他100万ドル,
地元負担はノーフォーク市(City of Norfolk)3300万ドル,バージニア州
(Commonwealth of Virginia)3190万ドルです.
STP: Federal Surface Transportation Program

これで計画は大きく前進し,11月中には着工される見通しとなりました.
ただ,今後の計画変更などで2億3210万ドルを超える分は,市の負担に
なります.例えば,建設に際して道路を掘り返しますが,図面に載って
いないパイプ類が出て工事が遅れたり,駅の設置場所などに反対している
グループとの調整で設計変更の可能性もあります.これらにより経費が
かさんでも,超過分はノーフォーク市が出すことになっています.

工事が順調に進めば2010年前半の開業が予定されて,使われなくなった
貨物線の跡地を利用した7.4マイル(11.9キロ)の路線を,一日7130人から
11400人が利用するものと予測されています.
しかし,これはスターター路線と呼ばれているように第一歩に過ぎず,
更なる路線拡張が検討されています.
FTAの試算によれば,ノーフォーク市内の他の場所や隣接地域への延伸が
目標になり,オールド・ドミニオン大学(ODU)や,その先にある海軍基地
(Naval Station Norfolk),別の方向では空港(Norfolk International
Airport / ORF)などが目的地として,現在考えられています.
ODU: Old Dominion University

車両はシーメンス製の部分低床車(Avanto)で,購入はノースカロライナ州
シャーロットで11月下旬にも開業する予定のライトレールLYNXとの抱き
合わせ(piggybacking)とすることが先週決まっていて,予備品まで入れた
購入価格は,9本で3600万ドルとされています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
September 30, 2007 Norfolk's light rail gets the green light
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)
October 1, 2007 Funding gets Norfolk light rail on track
(WVEC Norfolk ニュースへのリンク)

The Tideというライトレールの名称は,今年6月に決まりました.
公式サイト トップページ: The Tide Light Rail
計画概要と地図: Project Overview
資金調達関係: Funding and Next Steps
(Hampton Roads Transit 公式サイトへのリンク)

こちらにも路線図がありますが,なかなか繋がらないかも.
Interactive: Animated map of Norfolk's light rail
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)

車両の共同購入で話が出たついでになりますが,シャーロットのライト
レールLYNXは,11/26の正式開業前に11/24と11/25の土日は無料開放する
ことが検討されているようです.まだ決まったわけではありません.
ちなみに11/24には,フランスのニースでもトラムが開業する予定です.

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【ノーフォーク】関連 過去ログ:
2006/9/04 LRT計画のFTA認可が間近に
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2007年09月29日

【ニューオリンズ】ガーデン地区まで復旧へ

ニューオリンズのセントチャールズ線(St. Charles Avenue line)の復旧
区間を,RTAでは10月中にもガーデン・ディストリクト(Garden District)
まで延長させようと目指していることが,明らかになりました.
ハリケーンによる被災後,キャナル・ストリート(Canal Street)から,
リーサークル(Lee Circle)まで,単線ループの軌道距離で1.5マイルほど
(約2.4キロ),営業距離相当では0.7マイル(約1.1キロ)程度の区間は,
全線バス代行から2006年12月に電車の運転を再開していました.
RTA: New Orleans Regional Transit Authority

今回は,リーサークルからナポレオン・アベニュー(Napoleon Avenue)
との交差点までの,距離にして2.2マイル(約3.5キロ)の延長で,その後
残る未復旧区間は3.5マイル(約5.6キロ)前後に減ります.
これらの距離は,道路距離をGoogle Mapsで計測した非公式のものです.
実際とは異なりますので,あくまでも参考値としてお願いします.

現時点で全線復旧見通しは2008年春になるとみられ,FTAが1420万ドルを
投じています.

被災から2年余が経ち,全通には至りませんが,一種独特な雰囲気の漂う
ガーデン・ディストリクト(Garden District)にまで,ストリートカーが
ようやく戻ってきます.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
September 28, 2007 Streetcar Might Run To Napoleon In October
(WDSU New Orleans ニュースへのリンク)

この記事によれば,月曜には路面電車10両体制の運行テストが行われる
そうです.7月の時点では7両でしたので,増えたのでしょう.その後,
火曜から金曜までは変電所の作業になり,ガーデン・ディストリクトには
電車は走らないとのことです.

現在,RTAのサイトでは,Calliope St. からUpperline St. まで,架線に
600ボルトの直流電流を2年振りに流すと注意喚起しています.Upperline
St. は,Napoleon Avenueからさらに5ブロック西に進んだ通りです.
SAFETY NOTICE The overhead catenary system on the St. Charles..
(RTA 公式サイトへのリンク)

復旧区間が延長された後のセントチャールズ線を,Google Mapsで表示
してみました.
from Canal St to Napoleon Ave via St Charles Ave, Lee Circle
(Google Maps Get directions へのリンク)

水浸しになった赤い電車の修復第一号は,この夏にもお目見えするとの
ことでしたが,これに関する情報は得られていません.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ニューオリンズ 部分復旧後のセントチャールズ線 関連過去ログ:
2007/7/31 路面電車の新線計画
2007/7/09 カナル通りの電車増発
2006/12/20 セントチャールズ線一部復旧
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2007年08月24日

【シャーロット】トランジット税の是非

ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)では,同市を含むメクレン
バーグ郡(Mecklenburg County)内の住民に課されている,売上税7.25%の
うちの公共交通機関整備のために後に追加された0.5%分のトランジット税
(交通税)の是非を巡って,11月に住民投票が予定されています.1998年に
やはり住民投票で可決され採用されたこの税が,再び住民の選択に委ね
られる経緯は,こちらでも簡単に触れてきました.投票まで2か月余りと
なり,地元ではこの夏この話題が注目を集めている模様です.

シャーロット都市圏(Charlotte metropolitan area)の人口は年々増え
続け,2000年には人口133万だったものが,2006年には同158万に,同じ
ペースで増加が続くと,2014年には200万人を突破する勢いだそうです.
これだけの人の移動を支えるのに,ライトレールやバスは不可欠とする
0.5%分の交通税(transit tax)存続派と,大金を掛けて公共交通を整備
しても,渋滞は減らないと考える交通税廃止派の戦いです.

メディアの中には,交通税(transit tax)の特集ページをインターネット
上に開設するところも出てきました.有権者各自が存廃どちらに投じるか
決める前に,その論点を整理することができます.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
地元の有力紙Charlotte Observerは,交通税の特集ページをサイト上に
設置しました. Special Reports Transit Tax

とかく,色々と問題が持ち上がったライトレール,LYNXブルーラインが
注目されがちですし,交通税廃止を求めて住民投票に持ち込んだ団体も,
その計画廃止を目指していますが,建設費の多くは連邦政府からの補助
金で賄われており,今年2007年には6900万ドルになるとみられる交通税
からの税収の65%は,CATSが運行する路線バスに流れていることから,
交通税の廃止は,現在の路線バス網に大きな影響を与えます.
CATS : Charlotte Area Transit System
Aug. 23, 2007 What neither side is saying about transit
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)

そのCATSが運行する路線バスに関して,1998年の交通税の導入が与えた
影響が,わかりやすく紹介されています.
Aug. 19, 2007 How well is Charlotte's bus system working?
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)
CATSの路線バスは,シャーロット都市圏の人口増と1998年の交通税導入に
裏づけられた路線拡大で,利用者を破竹の勢いで増やしていきました.
乗車率で66%増,累計800万回の新規利用がもたらされ,これだけの増加は
米国ではあまりないとされています.

路線網拡大は,それまで対象としていた自動車を持てず路線バスしか移動
手段がない客層だけではなく,自動車を所有していても,あえて経済的な
理由や環境への配慮からバス通勤を選択するchoice ridersと呼ばれる
客層の比率を増やしていきます.交通税導入前は10%だったchoice riders
は,今日では40%にまで増えているとみられています.

しかし,彼ら(choice riders)を引き付けるための増便や,郊外への路線
拡大は,経費増加と引き換えでした.運行予算は2510万ドルから8530万
ドルにまで増えていきます.更に1マイルあたりの平均利用者数が減り,
運賃収入で賄える経費の割合も27%から17%前後に落ち込んで,いずれも
全米平均を下回る結果となりました.これらが批判の的になっています.

それでも,交通税廃止による路線バスの縮小は,以前のようなバスしか
移動手段のない人たちを主に乗せて走る規模に戻り,choice ridersが
自動車通勤に戻ることを意味しています.

一方で,もしも交通税が廃止される場合,財産税(property tax)の増税が
穴埋めとして検討されています.
今週も,市議会議員らから構成される交通税支持派のグループが活動を
開始して,前にも似たような話がありましたが,交通税廃止後の予測を
繰り返しています.
たとえば,年収5万7千ドルで課税価格16万ドルの家に住む世帯は,現在
年間$39の交通税を支払っているとされますが,交通税が廃止されると,
年間$58を財産税の増税という形で支払うことになります.この金額は,
ライトレールの運行が減便され,路線バス網が縮小される場合のもので,
ライトレールを計画通りに運行し,路線バス網を現状維持するとなると,
財産税の増加分は$171になるというものです.交通税が存続されれば,
$39で済みます.ただし,$39の中には食料品やガソリン代からの分は,
含まれていません.
交通税支持派のキャンペーン開始を伝える記事 :
Aug. 23, 2007 Residents focus of pro-transit campaign
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)

同紙などが行った世論調査では,郡内の住民のうち52%が交通税継続を
支持,45%が撤廃に投じるとの結果が出ました.人種,年齢層,学歴,
支持政党ごとの存廃支持の割合なども記されています.
Aug. 23, 2007 Fight over transit tax close, poll shows
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)

審判が下されるのは11/06,ライトレールLynxの開業は11/26の予定です.
それらを全て見届けて,公共交通畑一筋に,交通税導入直後からCATSで
陣頭指揮をとってきたCEOが,12/21に引退するとの報道もありました.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

シャーロットのトランジット税 関連過去ログ :
2007/3/28 LRT計画反対署名にCATS反撃
2007/4/09 集まったLRT反対署名の疑問
2007/7/30 ライトレール開業11/26に
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2007年07月31日

【ニューオリンズ】路面電車の新線計画

超強力ハリケーンによる被災から,二年近くが経過するニューオリンズ
(New Orleans)では,いまだ数万人が避難生活を強いられているとか.
移動手段を公共交通に頼っていた人たちが街に戻らないため,地域交通を
支えるRTAは利用者数が被災前の20%以下になり,人員を整理し規模を縮小
しながら懸命の営業を行っています.当然,経営には余裕がありません.
RTA : New Orleans Regional Transit Authority

しかし,再建されつつある街中の将来の移動手段として,そろそろ路面
電車の新路線を真剣に検討する時期という意見もあるようです.地域が
大きく変貌しようしている時に,それを促進する媒体としての路面電車の
役割に,期待が持たれている様子です.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
July 30, 2007 RTA hears pitch to add Loyola loop to streetcar
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

記事で紹介されている新路線を提言しているのは,Regional Planning
Commissionです.同組織の公式サイトによれば,ニューオリンズ周辺の
各地区で公選された役職者や,市民などで構成される委員会です.
Regional Planning Commission

提言しているルートは,カナル通り(Canal Street)から分岐して,ロヨラ
通り(Loyola Avenue)を南西に進み,市役所(City Hall)のそばを通った
のち,Amtrakが発着するNew Orleans Union Passenger Terminalに至り,
そこから南東に進路を変えて,現在セントチャールズ線(St. Charles
line)の暫定的な終点となっているリーサークル(Lee Circle)の手前で,
カナル通りに戻る通り(Carondelet Street)の路線に合流するというもの
で,記事のタイトルにもあるように,ループ運転を行うようです.
軌道は路上に敷かれて経費削減のために中央分離帯(neutral grounds)を
走らないとありますので,自動車と車線を共用する併用軌道でしょう.
また,セントチャールズ線がカナル通りからリーサークルまでは方向別に
単線で並走していますので,新路線も単線かもしれません.

NewOrleans07-1.png
黄色の破線が,検討されるロヨラ・アベニューなどの新線区間です.

ロヨラ・アベニューには,沿線に市役所やアムトラックの駅があるなど,
潜在的に需要があるものとみられ,そこに路面電車を走らせるのは,実に
20年近く前から検討されてきた構想なのだそうです.
問題は資金で,建設費は3千万ドルとみられています.これを二期に分け
1500万ドルずつとして,提言する委員は連邦政府から500万ドルの資金を
用意する手立てはついているようです.

RTAは,この提案に否定的ではありませんが,まだ,様子見の感があり
ます.今は,老朽化した路線バス車両の更新に手が一杯で,とりあえず
提案している委員会が,連邦予算獲得には不可欠な環境影響調査に着手
できるように支援することと,今後2年以内に,将来利用客がどれほど
見込めるかを調査するために,ロヨラ・アベニューのルート上にバスを
走らせて欲しいと言われている模様です.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ニューオリンズ RTA関連過去ログリスト :
2007/7/09 カナル通りの電車増発
2006/12/20 セントチャールズ線一部復旧
2006/8/06 運賃の収受再開
2006/6/06 路線網大幅縮小は回避
2006/5/29 救援終了後の不安
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2007年07月30日

【シャーロット】ライトレール開業11/26に

サウスカロライナ州シャーロット(Charlotte)で建設中のライトレール,
Lynxのブルーライン(Blue Line)は,ひょっとすると11月末の予定よりも
早く開業できるかもしれないとの期待がもたれていましたが,その芽が
半ば摘み取られてしまったようです.

予定より早い開業には,ライトレール計画の将来を左右する投票の前に,
実物を有権者に体験してもらうという重要な意味がありました.
すでにご紹介しているように,メクレンバーグ郡(Mecklenburg County)の
1998年に制定されたトランジット売上税の見直しを希望する署名が規定の
数に達したため,今年11月の選挙の際に住民投票で同地域のライトレール
計画などの主要財源となっている0.5%の売上税の是非が問われることに
なっているのです.

先週,新たに二週間ほどの工事の遅れが明らかになり,はじめは11月末も
危ぶむ報道が流れましたが,その後11/26の開業予定には影響がないと
いうことが判明,しかし,投票以前の開業は困難になってきた模様です.
二週間の遅れというのは,ブルーライン南端の軌道敷設工事で,それでも
CATSは,Lynxブルーライン(Blue Line)の開業を11/26予定としています.
CATS : Charlotte Area Transit System

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Jul. 26, 2007 CATS chief scolds light-rail builder
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
07/25/2007 Officials expect no delay for light rail
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)
News 14の報道によれば,早期開業の可能性が全くなくなったわけでは
ないように読めますが,果たしてどうなるでしょう.

シャーロット中心部(アップタウン)を始めとする路線の北部では,すでに
開業後は営業用車両となるシーメンス製の部分低床車Avantoが走り込んで
います.が,その際の警告音が慣れない沿線住民に不快に思われたり,
今年初めに発表されたノースカロライナ州立大学(UNCC)の報告が,ライト
レール計画に好意的だったのは,中立を欠いた立場だったからではないか
との疑惑が沸き起こり,それに対しての調査が開始されたりと,ここの
ライトレールは,依然として紙面を賑わせています.
UNCC : University of North Carolina at Charlotte
この調査報告は,CATSのライトレールの建設費と運営費は,他の類似する
都市のものと変わりないと結論付けていました.

LYNX Blue Line - South Corridor : Construction Update
中心部 : South Corridor - Center City Construction Update
(Charlotte & Mecklenburg County Government 公式サイトへのリンク)

アップタウンのバスターミナル(Charlotte Transportation Center)の
近くには,Lynxの駅も設けられます.
(Charlotte Transportation Center/Arena Station)
将来は地域交通の要となるその駅の予定地近くに,不意に試運転電車が
現れたところ :
CATS_Lynx1.jpg
ここでは道路よりも高いところを走り,交差する道路とは立体化されて
いますが,アップタウン内でも一部は平面交差で踏切があります.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

シャーロットのライトレールLynx関連 最近の話題 :
2007/6/27 Lynx車両基地完成で一般公開
2007/4/09 集まったLRT反対署名の疑問
2007/3/28 LRT計画反対署名にCATS反撃
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2007年07月09日

【ニューオリンズ】カナル通りの電車増発

ニューオリンズ(New Orleans)の目抜き通りを深緑色の路面電車が走る,
RTAのキャナルストリート線(Canal Street line)が,7/08から増発され
ました.
RTA : New Orleans Regional Transit Authority

これは,利用できる電車がこれまでの4両から7両に増えたこと,運行速度
(表定速度?)を時速8マイルから同10マイルに引き上げたことで,これまで
30分近い運転間隔だったものを1時間4本,約15分間隔での運行を可能に
したとのことです.3本に1本が,New Orleans Museum of Artに行くのに
便利な支線(Carrollton spur)に入ります.

増えた車両は,ハリケーンによる被災を免れたセントチャールズ線(St.
Charles Avenue line)向けの電車と思われます.赤い電車が戻ってくる
までには,まだ少し時間が掛かるようです.
なお,カナル通り(Canal Street)には路面電車を補完する形で路線バスも
走っていますが,こちらは車両が3台から2台に減らされます.バスが残る
のは,セントチャールズ線向け深緑色の車両(Perley Thomas streetcars)
には,車椅子用のリフトが搭載されておらず身障者の利用ができないため
で,それを補うためにリフトを備えたバスが運行されているのでした.
カトリーナによる浸水で損害を受けた赤いキャナルストリート線(Canal
Street line)向けの車両には,車椅子対応のリフトが備わっています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
July 04, 2007 Streetcars to pick up pace starting Sunday
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

PDFファイル版による路線図と,路線ごとの時刻表へのリンク :
ROUTES (RTA 公式サイトへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

セントチャールズ線関連 2006年以降の過去ログリスト :
2007/4/12 タイムススクエアに電車展示【NY】地下鉄着工
2006/12/20 セントチャールズ線一部復旧
2006/8/06 運賃の収受再開
2006/6/06 路線網大幅縮小は回避
2006/5/29 救援終了後の不安
2006/4/01 路面電車運行の区間延長
2006/2/01 ボストンから助っ人来る
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2007年06月26日

【シャーロット】Lynx車両基地完成で一般公開

今月初めメクレンバーグ郡(Mecklenburg County)のトランジット売上税を
見直す機会をつくろうとしている署名が規定の数に達していることが確認
され,今年11月の選挙でこの地域のライトレール計画などの主要財源と
なっている0.5%の売上税の是非が問われることが正式に決まり,2月に
ささやかれていた先行開業の話も最近は聞かれなくなるなど,このところ
開業前から逆風の強いCATSのライトレールLynxですが,その車両基地が
先週の土曜(6/23)に完成,一般公開されたというニュースがありました.
CATS : Charlotte Area Transit System

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Jun. 24, 2007 Light rail facility draws tours, questions
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

この記事の情報によれば,車両基地はClanton Roadの近くとのことで,
駅で言えばNew BernとScaleybarkの間にあるようです.
Google Mapsではいくつか空き地が見えますが,特定はできません.
また,工事は85%が完了して11月には開業予定と発表されたほか,見学者
からの質問に答える形で,Lynx向けシーメンス製車両のお値段が1本270万
ドルであることなども記されています.
LYNX Blue Line - South Corridor
(Descriptionの中にPDFファイル版の路線図があります)
車両概要 : Light Rail Vehicles
(City of Charlotte & Mecklenburg County Government 公式サイト)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

シャーロットのライトレールLynx関連 最近の話題 :
2007/4/09 集まったLRT反対署名の疑問
2007/4/03 トロリー#85 現役引退か?
2007/3/28 LRT計画反対署名にCATS反撃
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2007年05月25日

【アトランタ】BeltLineと貨物鉄道の共存は?

ジョージア州アトランタ(Atlanta)には,環状交通整備計画があります.
市の中心部から約3マイル(4.8キロ)ほど離れたところで,貨物鉄道の廃線
跡や所有地を利用しながら,ライトレールまたはストリートカーを走らせ
ようとしているベルトライン(BeltLine)計画です.
市の中心から放射状に伸びてくる高速電車MARTAとの連携を図るほか,
軌道交通を整備するのと同時に沿線に緑地帯や歩行者道なども設けたり,
一部では周辺地域の再開発も行うことで,自動車の利用を少しでも少なく
しようとしています.
MARTA : Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority

完成まで先の長い話ですが,今直面している問題は,利用しようとして
いる敷地の持ち主の貨物鉄道会社が,場所を提供しそうにないことです.
問題の場所は,アトランタの中心からみて北西の区間です.この近くに
一大ヤードを築き,フロリダと北東部の間のゲートウェイとしているのは
CSX Transportationで,一日24時間ひっきりなしに貨物列車が走る脇を,
ベルトラインでは路面電車もしくはライトレールを走らせようとしている
のですが,安全上の問題から連邦の規則に抵触するのでした.

連邦鉄道局(FRA)の連邦規制基準(CFR)では,衝突の危険性がある場所で,
重量級の貨物列車,例えば石炭や木材などを満載した貨車と,旅客列車を
走らせることを禁じています.
FRA : Federal Railroad Administration
CFR : Code of Federal Regulations
これは同じ軌道上を走れないというばかりでなく,線路が別でも隣接して
いれば同じく許可できないということのようです.

しかし,具体策は明かされていないものの,アトランタ市ではこの困難を
何とか克服しようと試みているようです.

これまでにも同様の話を,デンバーの例でみてきました.
また,ニュージャージー州リバーラインのように,運用時間帯を完全に
分離して解決したところもあります.リバーラインでは,貨物列車は深夜
だけの運転として,残りの時間帯はライトレールを走らせています.
ただし,アトランタの場合には貨物列車が24時間運転されているので,
この策は使えません.どうなるのか今後が注目されます.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
May 25, 2007 Safety concerns could hurt streetcar dreams
(Daily Report ニュースへのリンク)
記事の中では,アトランタを南北に縦貫する目抜き通りのピーチツリー
ストリートに路面電車を走らせる計画にも触れ,ベルトラインがこれと
リンクすることになるだろうとも記しています.

問題の場所,Atlanta Water Works付近を走る予定の計画図 :
Detail Map 7: Marietta Street to Piedmont Hospital - NorthWest
(Beltline Partnership のサイトへのリンク)

記事にあるFRAの連邦規制基準は下記で読めそうですが,該当する文が
掲載されているかどうかは確認していません.
Title 49--Transportation
FEDERAL RAILROAD ADMINISTRATION, DEPARTMENT OF TRANSPORTATION
PART 209--RAILROAD SAFETY ENFORCEMENT PROCEDURES
PART 211--RULES OF PRACTICE
(U.S. Government Printing Office へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

アトランタ ベルトライン構想の関連過去ログ :
2005/9/21 ベルトライン構想ほか
アトランタ ピーチストリート関連 最近のログ :
2007/2/15 ピーチツリー通り大改造案
貨物鉄道が旅客列車の運行を拒むケース :
2007/4/10 【デンバー】FasTracks計画を狂わせたもの
記事で紹介されているニュージャージーのケース :
2006/9/18 【River LINE】夜間運転区間の延長計画
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2007年05月19日

【運賃無料日】オゾンレベルに応じバス無料

特定の日に運賃が無料になるという米国の話題が続きます.
バージニア州北部の3つの郡内では,5/01から9/15までの夏の間,一帯を
管轄するMWCOGが出す天気予報に基づき,光化学スモッグ警報が出る日
には,域内路線バスの全線を運賃無料で開放しています.
MWCOG : Metropolitan Washington Council of Governments

大気中の地表表面のオゾン量により,大気汚染指標(AQI)がCode Orange
またはCode Redとされる日には,その日はワシントンDCにも走っている
WMATAメトロバス(Metrobus)のヴァージニア州北部地域内を始めとする,
域内9つの事業者が運行する路線バス全てが無料です.VREやDCのメトロ
レール(Metrorail)などの鉄道は対象外です.
WMATA : Washington Metropolitan Area Transit Authority
VRE : Virginia Railway Express

これまでもCode Red Daysにはバスが無料でしたが,それより一つ基準が
緩いCode Orange Daysまで,この夏から範囲が広げられました.
域内にはワシントン ダレス国際空港(Washington Dulles International
Airport / IAD)も含まれています.
これによって,一人でも多くが自動車を自宅に置いて,バスで出かけて
くれることが期待されています.
レッドまたはオレンジの警報が発令されているかどうかは,関係サイト上
でも表示されます.

同様の試みは,西海岸のベイエリアでも行われていて,こちらでも何度か
紹介しました.ベイエリアのように運賃を無料にする日数の制限はない
ようです.Code Red Daysは,1999年からの5年間には29日ありました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
案内 : Code Orange and Red Bad Air Days
対象地域地図 : NVTC District Map
(NVTC 公式サイトへのリンク)
NVTC : Northern Virginia Transportation Commission

2003年末にまとめられた報告書をPDFファイルで読むこともできます.
上記案内にリンクがあります.タイトル : Effectiveness of Free Bus
Fares on Forecast Air Quality Code Red Days - Interim Report
興味をお持ちのかたは,詳細をそれでご覧になるといいでしょう.

オゾンが引き起こす大気汚染に関する専用ページも用意されています.
Ride the bus Free in Northern Virginia on forecast Code Orange
and Red Bad Air Days! RIDE FREE Northern Virginia
(NVTC - RIDE FREE のサイトへのリンク)

Air Quality Index(AQI)ごとの条件,対策などがまとめられたページ :
Air Quality Forecast and Action Guide
(MWCOG 公式サイトへのリンク)
コードレッドよりも厳しい条件として,コードパープル(Code Purple)も
存在しますが,これは健康上のために屋外での長時間作業や激しい作業を
避けることが推奨されています.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ベイエリア スペア・ディ・エア・デー関連 過去ログ :
2007/1/26 2007年【運賃無料】3日分の予算承認される
2006/8/01 2006年【運賃無料日】その成果と是非
ヴァージニア州北部を取り上げた過去ログ :
2006/5/01 【アーリントン】路面電車とバスを併用
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2007年05月14日

【母の日】タンパでは家族同伴なら運賃無料に

今年は5/13が母の日でした.ウィキペディアに各国の母の日一覧が掲載
されていて,それによれば,五月第二日曜日を母の日としている国は,
米国やドイツをはじめとしてかなりの数になりますが,英国やフランス,
スペインなど,違う日に定めているところもあるようです.

各地で催し物などがあったと思われますが,フロリダ州タンパ(Tampa)
では,テコライン ストリートカー(TECO Line Streetcar)が,家族同伴の
母親を対象に,この日だけは運賃を無料にしたという話がありました.
片道は$2,一日乗車券なら$4です.

この路面電車は,タンパの旧市街地で観光客らが集まるYbor City地区
から,ホテルやコンベンションセンター(Tampa Convention Center)に
近く,HART運行の路線バスと乗換え可能なSouthern Transportation
Plazaまで,途中も水族館(Florida Aquarium)の近くを通るなど,わずか
約2.3マイル(約3.7キロ)ほどの距離ですが,観光客に人気のようです.
観光客らも基本的に自家用車かレンタカーで見て回ることが多いタンパ
で,空調付きのレトロ調車両を用い,2002年から運行されています.

$4の一日乗車券(1-Day Unlimited Ride Fare Card)は,HARTの路線バス
や,トロリー(ゴムタイヤ走行)にも有効です.
HART : Hillsborough Area Regional Transit Authority

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
5/13/2007 Mothers get free ride in Tampa
(Tampa Bay's 10 News ニュースへのリンク)

公式サイトには,特に案内はありませんでした.
沿線の見所なども入った路線図 : Streetcar Map
(TECOline Streetcar System 公式サイトへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

タンパ テコライン ストリートカー 最近の話題 :
2007/4/23 >【タンパ】延長承認と通勤輸送転換への難問
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2007年04月23日

【タンパ】延長承認と通勤輸送転換への難問

フロリダ州タンパ(Tampa)の市議会が,同市内を走る路面電車TECO Line
Streetcarの延長計画を承認したと,先週末に報道がありました.
現終点のSouthern Transportation Plazaからコンベンションセンター横
からFranklin Streetを北上し,Whiting Streetまで4ブロックほど,距離
にして0.3マイル強(約536m)の区間です.

建設費は単線の場合は370万ドル,複線の場合は560万ドルとのことで,
両方記されているところをみると,まだ決まっていないようです.現在
路面電車を運行する事業所のHARTでは,430万ドルの連邦補助金が期待
できると考えていますが,そのためにはHARTの理事と,当然FTAの承認も
必要です.順調に運べば2010年までに開通できるとしています.
HART : Hillsborough Area Regional Transit

TECO Lineは,昨年一年間の利用者が40万人近くでした.乗客は観光客が
65%を占めています.観光施設のそばを走るので目論見どおりですが,
昨年の運賃収入は54万ドルほどで,年間240万ドルとされる運行経費を
賄うには遠く及びません.この数字だけ見れば,規模は全く異なりますが
サンフランシスコMuniと同じくらい全米平均を大きく下回っています.
これを少しでも改善していくため,今後は通勤需要を取り込むことが考え
られています.幸い沿線にはコンドミニアムなどが建設され始め,沿線
人口は今後増加する見込みです.しかし,自動車なら6分のところを,
路面電車では22分(+運行間隔15分)も掛かってしまうため,今後沿線の
人口が増えたからといって,黙っていても利用者が増えるという状況では
ありません.

延長に伴う運行経費の増加は微々たるもので,延長による運賃収入増に
より相殺できると考えられていますが,延長される区間には観光施設は
なく,地元の利用を促進していかなければなりません.しかし,電停には
駐車場を設ける場所もなく,また,現在は午前11時からの運転ですが,
これを通勤に使える時間に変更するのかどうか,問題は山積みです.
延長は,将来タンパ市内をぐるりと回る路面電車網を構築する構想の一環
となっている模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
延長をタンパ市議会が承認する前後に出た記事 :
4/19/2007 Street Car wants to expand and serve commuters
(Tampa Bay's 10 ニュースへのリンク)
Apr 20, 2007 City Finishes Paying Housing Scandal Cost
(The Tampa Tribune ニュースへのリンク)(前半は違う話題の記事です)
April 20, 2007 City okays extension of streetcar line
(St. Petersburg Times ニュースへのリンク)

下記ブログには延伸予定地の画像のほか,将来タンパ市内を循環する市電
計画図などへのリンクがあります.
4/20/2007 City Council Approves Streetcar Extension
(Tampa Rail へのリンク)

Streetcar Map (公式サイトの路線図)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

テコライン ストリートカー 延長関連 過去ログ :
2007/2/23 乗客減が延長案に暗雲もたらす?
2006/8/11 ストリートカー延長へ動き出す
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2007年04月09日

【シャーロット】集まったLRT反対署名の疑問

イースターの休暇ということもあり,関心を惹く記事が見つからなかった
週末でしたが,先日ご紹介したばかりのノースカロライナ州シャーロット
(Charlotte)で,メクレンバーグ郡(Mecklenburg County)のトランジット
売上税を見直す機会をつくろうとしている署名活動に関する記事が,再び
出ていました.

地域の公共交通を運営するCATSの,主要な財源となっているトランジット
売上税は,1998年に住民投票で58%の支持を取り付け,今やCATSに欠かせ
ない存在となっていますが,そのCATSがすすめるライトレール建設を柱と
する長期計画に対し,人口密度の低いシャーロットにライトレールは不要
で,資金を他に回すべきと訴えるグループが求めていた再投票請願です.
CATS : Charlotte Area Transit System

この反対運動の発起人らのグループから委託を受けて,実際に署名集めの
作業を行なっていた組織が,6万3千人分の有権者の名前を集めたとして,
署名運動は先月で終了,現在それが有効かどうかをオブサーバーが点検
しているところで,これまでのところ,2万6千人分を終えています.
署名には住民投票におけるIDも登録しているようで,署名した人の性別,
人種や居住地域,支持政党がわかりますが,それをまとめた結果では,
トランジット売上税の是非を再投票することを求めるのは,民主党を支持
するアフリカ系アメリカ人の女性が多いということが判明しました.
点検が終わった23,800人分のうち,女性が62%を,有権者では郡内に28%
しか登録されていないアフリカ系アメリカ人が57.7%を,共和党が優勢の
地で民主党支持者が62.5%を,占めているという結果が出ていたのです.

署名活動は郡内全地域で同時進行していたため,残る署名の傾向も大差
ないものと見られていることから,この署名集めを疑問視する声が挙がり
はじめました.署名を受付ける係員が,ライトレールやバスの話などの
正確な説明をせずに,減税を求めることに賛成するかどうかだけで集めた
のではないかという疑いです.

1998年の時は,トランジット売上税はアフリカ系アメリカ人からは大いに
支持されていたのに,10年経ってみて,売上税は低所得者に負担が大きい
というのに,ライトレールは自分達の住んでいる地域にはなかなかやって
来そうにないということが判り,失望してしまった可能性もありますが,
名前一つにつき$1程度が支払われる署名集めの人たちに,うまく丸め込ま
れた可能性もあるようです.
ちなみに,ライトレール反対派の発起人グループは,共和党支持の白人
男性陣でした.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Apr. 08, 2007 Transit petition found surprising support
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

シャーロットのライトレールLynx 直近の過去ログ :
2007/3/28 LRT計画反対署名にCATS反撃
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2007年04月03日

【シャーロット】トロリー#85 現役引退か?

今年で製造から80年を迎える路面電車が,昨年の営業運転を最後にして,
今後は旅客を乗せて走ることがなくなるかもしれません.

ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)で,1927年から1938年まで
市電として活躍し,その後は事務所や住居として使われつつも,1988年に
千ドルで保存団体に買い取られた85号電車は,25万ドルの修繕を施され,
その後はボランティアの手により,架線もない中で,牽引するディーゼル
発電機から給電される形ながらも,1996年に営業運転を復活します.
そして,その短い路線が将来はライトレール路線になるとして,電化と
軌道のアップグレードが施され,2004年からライトレールの工事が本格化
する2006年2月まで,往年の姿で運転され続けていました.

2006年にトロリーが運休となった時点で,最古参のナンバー85は,CATSが
18万ドルを投じて改修を受けます.ライトレール規格の路線上でも走れる
ように,架線電圧(750V化)に対応できるようにしたほか,足回りの強化
なども図られました.
CATS : Charlotte Area Transit System

しかし,車体強度か足りないことから,重量があって速度も早いライト
レールLynxの車両と,万が一にも衝突した場合に乗客の安全を確保でき
ないという連邦当局の指摘を受けて,CATSでは営業運行に供さないことに
したことが判明しました.
CATSが計画している,将来ダウンタウンを走る路面電車の軌道上を走ら
たらどうかという意見が出たものの,併用区間での自動車との衝突に耐え
られるような車体でもないとして,それも実現の見込みがありません.
また,サンフランシスコの例も挙げられましたが,営業時のライトレール
との共用区間がほとんどないことや,1台につき百万ドル単位の修繕費を
掛けていて,CATSに言わせれば,あれはほとんどレプリカのようなもの
だいうことで,参考例にはなりませんでした.
85号車は,今後は展示専門に回ることになりそうで,今年11月に再開が
予定されていますが,2004年に導入された,3台のGomaco製レプリカに
より運転されることになりそうです.

実はこの話題,ノスタルジックに訴えるというよりは,またCATSが杜撰な
ことをしでかした,というような形で報道をされています.
昨年には予算超過が発覚するなど,このところのCATSにはいいところが
ありません.今やCATSの一挙手一投足が注目されているなかで,今度は
使えもしない車両に18万ドルも投じていたことで,これまた無駄遣いでは
ないかと指摘されたのでした.車体強度が足りずに,ライトレールと同じ
線路の上を走れないということが,修繕前になぜ判らなかったのかという
ことです.
2004年よりトロリーを走らせていた区間をライトレール化するにあたり,
数年しか経ってない軌道や駅などを,一旦撤去したらしく,それも問題に
されていたようで,CATSは75%を再利用していると弁解していました.

85号引退の詳細な話は先週のうちに報道されていますが,今週に入って
からは,この無駄遣いの部分だけが強調されるような記事をAPが配信し,
周辺地域のニュースサイトも取り上げるようになっています.

さらに追い討ちをかけるかのごとく,先週ご紹介した0.5%のトランジット
売上税廃止の署名運動も,再投票に必要な規定数に達していることが確認
されたという報道もあります.
今年11月には,ライトレールLynxブルーラインが開業する予定になって
いますが,その上旬に行われる住民投票で,その運営をも揺るがしかね
ない審判を受けることになりそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
先週明らかにされた,トロリー85号はもう走らないかもという記事 :
Mar. 30, 2007 Trolley vs. train: No. 85 loser, CATS says
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
3/30/2007 Trolley 85 pulled from city tracks
(News 14 Charlotte ニュースへのリンク)
週が明けてからの記事 :
Apr. 02, 2007 Despite $180,000 repair, Charlotte's oldest trolley
won't be used
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

支援を求めるシャーロット トロリーからの呼びかけ :
March 29, 2007 Charlotte Trolley Asks Supporters To Be Vocal
(Charlotte Trolley, Inc. 公式サイトのニュースへのリンク)

Gomaco Trolley Companyで改修作業を受けていた85号車 :
Charlotte, North Carolina - Trolley #85
(GOMACO Corporation Inc. のサイトへのリンク)
今年2月には作業が完了し,シャーロットに戻ったと記されています.

CATSの主要な財源となっている,トランジット売上税の住民投票を再度
求める署名が,規定の数に達していると確認されたことを伝える記事 :
Apr. 03, 2007 Light-rail petition has 63,000 signatures
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

シャーロットのライトレールLynx 直近の過去ログ :
2007/3/28 LRT計画反対署名にCATS反撃
シャーロットのトロリー関連 過去ログ :
2006/11/16 トロリー運転再開も遅れ
2005/12/16 LRT工事本格化でトロリー運休
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2007年03月28日

【シャーロット】LRT計画反対署名にCATS反撃

ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)都市圏で進行中のライト
レール計画を阻止すべく,反対署名を集めるためのウェブサイトが立ち
上がっていて,今月初めの時点で約3万人まで集まっているそうです.

署名人数の目標は47,875人.これだけ集めると,今年11月の選挙で計画の
大きな財源となっている,メクレンバーグ郡(Mecklenburg County)で物を
買う時に課せられる売上税0.5%分を,公共交通の整備に使っている現在の
税制の是非を,住民に問うことができるようになるのです.
この0.5%のトランジット売上税は,1998年の投票時に58%の賛成多数で
住民に承認されて,翌年から摘要されているものです.

反対派の言い分としては,ライトレール建設はお金の浪費で,人口密度が
高くないシャーロット市とその近郊(メクレンバーグ郡)では,バス路線の
整備で十分だというものです.その意見を通すために,トランジット税の
仕組みを断ち切ろうと試みているのでした.

トランジット税の是非が,もう一度住民投票にかけられそうになるとみた
シャーロット市の首脳陣は,11月の投票で,この交通整備用財源が消滅
した時のことを想定し,それがもたらす影響を口にし始めました.仮に
この税が廃止されると,代わりに財産税が値上がりすることになるだろう
というものです.

それにあわせて今週初め,実際にバスを運行し,ライトレールも運営する
CATSのCEOは,トランジット税が廃止されることになったら,路線バスの
充実はおろか,反対に路線網や運転時間帯を縮小せざろう得なくなると
して,想定されるシナリオを発表しました.
CATS : Charlotte Area Transit System

0.5%の売上税は,CATSの昨年の予算1億1280万ドルのうち,60%を占めるに
まで至っています.CATSでは,これを元にライトレールだけではなく,
路線バス網の拡充をも行ってきました.これが断ち切られると,バスも
大きな影響を受けます.トランジット税の制度が導入される前の路線バス
網は小規模で,お粗末なものだったそうです.ここで財源を失うことは,
その時代に戻ることを意味していました.

LYNXブルーライン(ライトレール)の約9.3マイル(約15.5キロ)に及ぶ路線
建設費は,4億6270万ドルにまで膨れ上がっていますが,この建設費の
約半分は,連邦(FTA)から補助金が出ています.
FTA : Federal Transit Administration

CATSではトランジット税が廃止された場合,考えられる4つのシナリオを
発表しました.いずれも財産税を値上げすることを前提にしたもので,
その上げ幅により将来が決まります.
それによれば,財産税の増税が最小限に留まった場合,ライトレールの
運行停止(まだ開業していませんが,実施時には開業しているはず)と,
バス路線の大幅縮小と運転時間短縮という結果になります.
もしも,このシナリオになった場合には,住民は財産税の値上げよりも
大きな負担になると思われるツケを,更に支払う可能性もあります.
ライトレールを運行しない場合,その建設を援助した連邦政府に,代金を
返済しなければならないのです.なお,これは非現実的とされています
が,ライトレールのシステム一切合財を,第三者に売りに出すという手も
あるにはあるようです.

その他の話題としては,今月半ばにシーメンス(STS)が,リンクス ブルー
ライン(LYNX Blue line)向け車両(S70モデル)の16本目をシャーロットに
運び込み,これでCATSとの契約分は完納したという発表がありました.
STS : Siemens Transportation Systems Inc.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
3/1/2007 Petition would put transit tax on ballot
3/7/2007 City shows need for transit tax
3/27/2007 Erasing one tax could increase another
(News 14 Charlotte ニュースへのリンク)
CATSの想定するシナリオを,より詳しく掲載した記事 :
Mar. 27, 2007 CATS: Tax cut may mean bus cuts
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)
サイト訪問者の投票も行われていて,閲覧した時点でトランジット税の
廃止に反対なのは,57%となっていました.廃止すべきは43%です.

0.5%の公共交通整備向け売上税を廃止すべく,住民投票にもう一度かける
ために,署名を集めているサイト : Stop The Train Mecklenburg
閲覧した時点でアクセスカウンターは,1万2千台を示していました.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

シャーロット ライトレール関連 最近の過去ログ リスト :
2007/2/15 Lynx部分先行開業も視野に
2006/11/17 2030年大量輸送計画承認
2006/11/16 トロリー運転再開も遅れ
2006/9/29 5年後に決定延期とLRT危機
2006/9/09 LRT設計問題で経費膨れる
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2007年02月23日

【タンパ】乗客減が延長案に暗雲もたらす?

フロリダ州タンパ(Tampa)と,市内の歓楽街イボーシティ(Ybor City)を
結ぶ路面電車,TECO Line Streetcarの乗車人数が,はじめて前年度を
割っていたことが,明らかにされました.
これまで,微増ながらも前年度の数字を開業以来3年連続でクリアして
きた乗車人数が,2006年度は2005年度を10%も下回ったというものです.

確かではありませんが,減少した理由は2つ考えられています.
一つには,期間中に開催されたコンベンションの性質が,ビジネス指向の
強いものが多かったからのようです.コンベンション開催件数は,2005年
よりも2件減っているものの,動員人数はほぼ同じとされているなかで,
路面電車の利用が減ったのは,滞在日数に比較的余裕のあるレジャー型の
コンベンションよりも,ハードスケジュールのビジネス型コンベンション
が多かったからではないかというものです.
もう一つは,運賃値上げです.2005年10月に,これまで片道$1.5だった
ものが,同$2に上がっていました.地元の利用に影響を与えたようです.

タンパ市とHARTが,共同で所有するTECO Lineを運営する非営利組織,
Tampa Historic Streetcarの会長は,集計時期の切りかたが悪いとか,
今後は沿線にコンドミニアムが立ち並んで利用者が増えると力説していま
すが,それは,延長案が承認されるかどうかを控えているからでした.
HART : Hillsborough Area Regional Transit

延長計画は,現在の終点Southern Transportation Plazaから,コンベン
ションセンターの横を北上して,Whiting Streetまでの4ブロックほど
ですが,ただでさえ,この路面電車は運賃や広告の収入の割りに,経費が
掛かりすぎると指摘されています.延長案が通るかどうかの大事な時期に
乗客が減っていると知られるのは,痛手になるかもしれません.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Feb 23, 2007 Streetcar Ridership Decrease Is A First For The System
(The Tampa Tribune ニュースへのリンク)

Ybor Trolley - The Teco Line by hyku (flickr)
Ybor Trolley - The Teco Line
Taken on April 22, 2006

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

テコライン ストリートカー 延長関連 過去ログ :
2006/8/11 ストリートカー延長へ動き出す
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2007年02月15日

【アトランタ】ピーチツリー通り大改造案

ジョージア州アトランタ(Atlanta)では,南北を走る目抜き通りのピーチ
ツリーストリート(Peachtree Street)に,路面電車を復活させる計画が
進行中です.2002年のあるスピーチがきっかけで始まった話は,2006年
始めにはアトランタの市長が特別委員会(タスクフォース)を任命するまで
になり,計画を練らせていました.
昨年夏には,アトランタのミッドタウンやバックヘッド(Buckhead)など,
裕福な人たちが住む地域だけでなく,アトランタの市全体を素晴らしい
ものに変えていくためには,従来の案にはなかった南側への路線延長も
必要との提案もなされています.
そしてこのたび,その特別委員会(Peachtree Corridor Task Force)が,
計画の詳細を明らかにしました.最終的な市長への提言は,今年3月下旬
に予定されています.

計画は,市電復活だけではなく,ピーチツリーストリート(Peachtree
Street)全体を20年計画で大改造するものです.
その内容は,新しく広々とした歩道や自転車用の専用レーン設置,照明
設備の改善,400mごとに小さな公園や広場を設けるほか,道路下のユー
ティリティにも手を加えて改善していきます.そしてもちろん,路上には
南北を縦貫する15マイル(24キロ強)と,ダウンタウン内をループ運転する
4マイル(約6.4キロ強)の路面電車が走ることになるというものです.

見積もられたお値段は,全て含めて10億ドル($1 billion)になりました.
このうち,市電建設分は2路線で4500万ドル($450 million)ですが,電車
開通により沿線で40億ドル($4 billion)相当の新規開発が行われると,
見積もられています.
これまでは,その資金調達方法が明確ではありませんでしたが,今回の
提言で,それも明らかになりました.
10億ドルのうち半分は,沿線を特別税制区域に指定して,特別税を徴収
することにより,賄おうとしています.
これは,ピーチツリーストリート沿いに住宅や商業向けに関わらず資産を
持つ全ての人を対象に,その資産価値に応じて課税することで,税率は
未定ですが,30万ドルのコンドミニアム所有者なら,年間250ドル相当の
増税になるだろうとみられています.
しかし,この案に対しては,今後論議の的になるかもしれないとされて
いますし,これでは説明が不十分とする声も,早くも上がっています.
ダウンタウンとミッドタウン(Midtown),北部のバックヘッド(Buckhead)
は,すでにCIDに指定されていて,営業用不動産所有者らは,その地域
向上のための税金を別に支払っているからです.
CID : community improvement districts

計画は3段階にわけられ,最初はダウンタウン(downtown)とミッドタウン
(Midtown)地区で着手され,その次は北部のバックヘッド(Buckhead)へ
伸ばし,最後はダウンタウン以南,昨年夏に延長が提言された区間です.
市が計画を承認すれば,第一期の着工は2年以内に行えるようです.

また,ピーチツリー(Peachtree)という通りの名前の変更も計画されて
います.ダウンタウン以南の,第三段階で市電がたどりつく南端まで,
ホワイトホール通り(Whitehall Street)に改名するそうです.
通りの名前が変わることで,住所も変更されることになりますが,これ
まで北部の影に隠れて開発が遅れていた南部に,市電を走らせることを
はじめとする改良の手を加え,イメージ刷新を図るためかもしれません.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
路線図などの地図も掲載された,計画の詳細を伝える記事 :
02/14/07 A new Peachtree for $1 billion
(The Atlanta Journal-Constitution ニュースへのリンク)

文面だけですが,同じ内容が関連団体のサイトにも掲載されています.
* Peachtree: The makeover
(Peachtree Corridor Task Force へのリンク)
* Peachtree: The makeover
(Atlanta Streetcar, Inc. へのリンク)

一方,昨年10月に,今回の市電計画案とほぼ同じルートでピーチツリー
ストリートを走る,その名もザ・ピーチ(The Peach)という名前のバス,
公式にはRoute 110の乗車が振るわないとの記事もありました.
同じルートを走ることで,市電復活の成否の試金石になるとみられていま
した.専用塗装の新車まで用意したのに,知名度がまだ低いようです.
02.14.07 'The Peach' could pave way for streetcar
(Creative Loafing Atlanta ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ピーチツリーストリートを走る路面電車計画の関連過去ログ :
2006/7/21 市電計画への試金石
2006/6/16 市電計画路線の延長案
2005/11/23 ピーチツリーストリートに電車を
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【シャーロット】Lynx部分先行開業も視野に

サウスカロライナ州シャーロット(Charlotte)でCATSが建設中のライト
レール,Lynxのブルーライン(Blue Line)は,もしかすると工事の進んで
いる区間だけを先行して開業することになるかもしれません.
CATS : Charlotte Area Transit System

予定では今年11/26に全線開業となっていました.しかし,工事の遅れて
いる区間があり,建設業者にはっぱを掛けていますが,遅れている区間の
完成を待っていたのでは,契約期限の2007年末(12/31)までに営業開始
できない可能性が出てきたため,今週初めに部分開業も検討中という話が
伝わってきました.
今後3か月間,遅れが取り戻せるかどうか様子をみながら,先行開業に
掛かる追加費用に見合う効果があるかどうかなども分析した上で,シャー
ロット市が部分先行開業に踏み切るかどうかを決定することになります.

シャーロット市長は部分開業に懐疑的なようですが,ライトレール開業を
待ちわびているアップタウン(uptown)の事業者などは,このニュースを
歓迎しています.

工事が遅れているのは,南北に約9.3マイル(約15.5キロ)に及ぶブルー
ラインの南半分にあたる,Pineville方面です.先行開業させる場合は,
予定通り建設が進んでいる路線の北半分になることが考えられています.

現時点で4億6270万ドル($462.7 million)に膨れ上がった,このブルー
ラインの建設費の約半分は,連邦(FTA)が賄っています.
FTA : Federal Transit Administration

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
部分開業の可能性が報じられている地元メディアの記事 :
Tuesday, Feb 13, 2007 CATS schedule slipping?
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)
2/13/2007 Portion of light rail could open early
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)
February 13, 2007 Eyewitness News Learns Parts Of Charlotte's
Light Rail Line Could Open Earlier Than Expected

February 14, 2007 Uptown Charlotte Light Rail May Open Early
(WSOC-TV 9 Charlotte ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

シャーロット ライトレールの遅れ関連 過去ログ :
2006/11/17 2030年大量輸送計画承認
2006/9/29 5年後に決定延期とLRT危機
2006/9/09 LRT設計問題で経費膨れる
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2007年01月31日

【マイアミ】市電計画は先行き不透明に?

フロリダ州マイアミ(Miami)のダウンタウンに,7マイル弱(11キロ弱)の
南北ループ線と,3マイル弱(4.7キロ弱)の東西ループ線の2つのループを
建設する,2億ドルのマイアミ ストリートカー計画は,昨秋まで順調に
計画が進んでいましたが,このところ足踏み状態です.
昨秋には,マイアミ市の委員会(Miami City Commission)が,この計画の
説明を受けて承認していく予定でした.しかし,それが延び延びになり,
今や早くても今年3月より前に,それが実現することはないだろうとする
報道がありました.

市内の人口は約38万強を数えるマイアミ市には,軌道系の都市交通として
マイアミデイド郡(Miami-Dade County)内に路線を広げる,高架鉄道の
メトロレール(Metrorail)と,同市のダウンタウンを同じく高架で走る,
新交通システムのメトロムーバー(Metromover)があります.
ストリートカーの守備範囲は,メトロムーバと同様に通勤鉄道のメトロ
レール線の東側になり,メトロムーバのカバーしていない,北部を中心に
路線を設けようとしています.そこは住民も多く,公園や各種施設なども
数多く建設されている地区になります.

しかし,市のコミッショナーに計画を諮れないのは,確実に賛成多数を
得られるとは言えない状況だからのようです.
路面電車の建設は費用が掛かりすぎ,ダウンタウンを循環するバスを改善
したほうが安い上に,バスなら状況の変化でルートも柔軟に変えることが
できるとして,それだけの資金を投じるなら,生活にもっと必要なこと
(警察や消防とか,増え続ける年金負債の救済など)に投資すべきだと主張
する反対派もいますが,どちらとも態度を決めかねている様子見の人が
多勢です.それだけ大型の高額で複雑なプロジェクトなのです.

反対派の説く路線バスの優位性に対しては,バスに乗らなくても鉄道なら
乗る人が多いことは,調査で示されているという話も出てきます.

市では,民間の建設業や,鉄道車両メーカー,国際銀行などからなる,
コンソーシアムを公募して,長期契約によるDBOM(設計,建設,運営,
保守)を採用する道も探っています.
記事によれば,このようなPPPは,西ヨーロッパでは珍しくないものの,
主要な公共交通では米国にはないと記しています.
ラスベガスのモノレールは該当すると思われますが,主要な公共交通とは
見なされていないのかもしれません.乗車率も落ち込んでいます.

PPP : public-private partnership

この手法が実現した場合,2008年なかばまでにコンソーシアムが選ばれ,
市電の運転開始は2011年初頭になると見られています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Mon, Jan. 29, 2007 Commission not on board yet for streetcars
Tue, Jan. 30, 2007 Miami trolley's momentum seems to have stalled
(Miami Herald ニュースへのリンク)
どちらもほぼ同じ内容ですが,1/30付けのほうが読みやすいと思います.

同紙のスペイン語版の記事 : タイトルが不確かな将来になっています.
Jan. 30, 2007 Incierto futuro del proyecto del tranvía en Miami
(El Nuevo Herald ニュースへのリンク)

マイアミ市電計画の公式内容 :
* Miami Streetcar Project (トップページ)
* Miami Streetcar Project Frequently Asked Questions (Q&A)
* Project Fact Sheet (PDFファイル)
(City of Miami マイアミ市 公式サイトへのリンク)
Project Fact Sheet内に,提案されている路線図があります.

メトロムーバー(Metromover)の路線図 : Metromover Map/Stations
(Miami-Dade County マイアミデイド郡 公式サイト Transit へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

マイアミ ストリートカー関連 過去ログ :
2006/5/25 市電復活への道(近況)
2006/3/08 路面電車計画に東西線の追加
2006/2/24 路面電車計画に補助金獲得へ
2005/11/19 ストリートカー復活へ弾み
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2007年01月03日

【アトランタ】高速電車MARTAに新駅設置を

ジョージア州アトランタ(Atlanta)と周辺の郡を含む都市圏で,バスと
48マイル(約77キロ超)の高速電車を運行しているMARTAは,全米第9位の
規模になるそうです.
MARTA : Metro Atlanta Rapid Transit Authority
高速電車には年間7千万人の利用がありますが,移動手段の主役は自動車
です.これまでMARTAは,少しでも多くの利用者を獲得し,収入を得る
ために,路線延長ばかりを視野に入れてきましたが,それには1マイルで
1億ドルもの建設費が掛かることもあり,方向転換して駅間が空いている
区間に,新駅を設置することを検討し始めた,という記事がありました.

系統図を見るだけでも一目でわかるように,MARTAの高速電車には極端に
駅と駅の間が広がっている区間がいくつかあります.鉄道建設時には,
未開発で利用が見込めなかったのでしょう.しかし,そのような場所でも
今やビルが建ち並んでいる場所があり,駅から1キロも歩かなければなら
ない所も多くなってきているのです.

ただし,新駅設置と一口に言っても,MARTAの高速鉄道は高架か地下を
走る,完全立体交差化された路線です.地表を走る鉄道に相対式ホームを
増築するのとはワケが違い,その建設費も侮れないものでした.記事で
紹介されている例では,地下化か高速道路上に駅を張り出す必要がある
ようで,最大で3億ドルすると見積もられています.

それでも,新駅設置で飛躍的に便利になる場所が多くなることも確かな
ようです.例えば,アトランタ五輪開催時に使用され,今では野球場と
して使われている,Turner Field(ザ・テッド)などが記事では紹介されて
います.また,こちらでも紹介した環状ルートのベルトライン(BeltLine)
との乗換え駅にもなります.
Turner Fieldに関しては,徒歩圏内になるというわけではなく,シャトル
バスなどが必要ですが,今はダウンタウンから運転されているようで,
それよりは距離が短くなるというものです.


記事は,ワシントンDCのWMATA,メトロレール(Metrorail)レッドライン上
に,2004年11月に開設された新駅のことについても触れています.
WMATA : Washington Metropolitan Area Transit Authority

その新駅,New York Ave-Florida Ave-Gallaudet U駅は,ユニオン駅と
北隣の駅の間に建設されました.Amtrakに乗ってニューヨーク方面から
ワシントンDCのユニオン駅(Union Station)に到着する直前,Amtrakの
軌道のすぐ西側を,レッドラインの線路が寄り添って走ります.ホームを
設けるような隙間は両者の間にはありません.そこでWMATAは,レッド
ラインの線路そのものを,新たな高架線路を建設して西側に張り出し,
そこに島式ホームを建設したのでした.
この新駅設置には,1億2千万ドルがかかりましたが,WMATAでは初めての
試みとして,その中には民間からの投資2500万ドルも含まれています.

MARTAでは,新駅設置予算を組んでいるわけではありません.路線延長や
ベルトラインもあります.今はまだ新駅設置の費用対効果の研究に着手
しようとしている段階です.ワシントンの例にあった1億2千万ドルでも,
アトランタで計画中の26マイルのコミューターレールの費用に匹敵するの
だそうで,工事には4年の歳月を要しました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Schedules & Maps Rail Schedules/Maps (系統図)
(MARTA 公式サイトへのリンク)

MARTAで新駅設置の調査が始まったことを伝える記事 :
01/02/07 MARTA studies closing rail gaps
(The Atlanta Journal-Constitution ニュースへのリンク)
1/2/2007 In-Fill MARTA Stations Under Study
(WXIA-TV Atlanta ニュースへのリンク)
Jan. 02, 2007 MARTA to study closing gaps between intown stations
(Macon Telegraph ニュース-APの記事-へのリンク)

新しい中間駅の候補地になっている場所を,1993年と2002年の上空からの
画像で比較してみると,この間にも建物が増えていることがわかります.
(1984年に開通した,Arts Center駅とLindbergh Center駅の間)
Atlanta, Georgia, United States (TerraServer へのリンク)
Urban Areas (4/6/2002) 2002年
Aerial Photo (1/27/1993) 1993年

記事で紹介された,ワシントンDCのメトロにおける新駅設置例 :
New York Ave-Florida Ave-Gallaudet U (Washington Metro)
(英語版 Wikipediaへのリンク)
External linksに,公式サイトや,地図,豊富な画像のあるサイトへの
リンクがあります.

原図はWikimedia Commonsより
加筆部分は資料を基に構成したため不正確の可能性あり


MARTA_Infill-stations.png

薄緑色の楕円が,新駅設置を発案した民間人が提案する4区間
薄いピンク色の線は,ベルトライン計画にあるループ線予定地
(薄い青の線は高速道路)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

アトランタ MARTA,ベルトライン関連 過去ログ :
2005/12/17 車社会で生き延びていくために
2005/9/21 ベルトライン構想ほか
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2006年12月20日

【ニューオリンズ】セントチャールズ線一部復旧

ニューオリンズ(New Orleans)を走る,現役では世界最古の路面電車,
セントチャールズ線(St. Charles Avenue line)は,ハリケーンによる
被害が甚大で,現在はバスが代行していますが,電車が戻ってきます.
残念ながら,まだ一部分に過ぎませんが,カナル通り(Canal street)と
リーサークル(Lee Circle)間の1.2マイル(約1.93キロ)で,12/19に運転を
再開しました.時間も限定的で,朝9時から夕方6時(18時)までです.
8月の時点で,このCBD(Central Business District)内を年内再開として
いましたから,ここまでは予定通りです.
このあとリーサークルから先は,Napoleon Avenueまで来夏に,そして
RTAでは全線復旧を,多少遅れて2008年晩春か初夏としていて,それまで
バス代行が続きます.
RTA : New Orleans Regional Transit Authority

セントチャールズ線では,ハリケーン・カトリーナの襲来時に辛うじて
浸水を逃れた,Willow Street facility(Carrollton Station)に車両が
置かれていたため,電車は事なきを得ましたが,被災前から修復が必要と
された軌道の損害,特に架線などが大きな被害を受けました.これらを
復旧するのにかかる費用は,1200万ドルと見積もられています.
セントチャールズ線の無事だった35両は,車両が水浸しになり使いものに
ならず,軌道の被害は小さかったキャナルストリート線(Canal Street
line)とリバーフロント線(Riverfront Line)に,貸し出していました.
今回の運転再開では,この深緑の電車の2両が使われます.

架線関係の修復は,現在のところ,560本の架線柱のうち150本以上の
交換が終了していますが,まだまだ先が長いようです.
変電所は,1ヶ所に集約していたものが被害を受けたため,今後は3ヶ所に
分散することになります.ただし,今回はボストンから借りているポータ
ブルのもの(発電所?)をキャナルストリート線と共用,リバーフロント
線は,自前のものが使えるようになり,今は独自に給電されています.
来夏のナポレオン・アベニューまでの復旧時には,分散させる1つ目の
変電所がそばに設けられるのだそうです.

なお,10月の話ですので,すでに雑誌などで紹介されていて重複となる
かもしれませんが,水浸しで使えない新しい赤い車のほうは,連邦政府
から修理の補助金が2160万ドル出ています.1両につき,修理に80万から
百万ドルがかかると言われていましたので,連邦からの金で全車修理が
可能になる見込みです.早ければ来夏には修理完了の第一号がお目見え
する予定で,その後は2ヶ月に1両の割合で戻ってくる計画です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
公式リリース : 2006-12-18
ST. CHARLES STREETCARS RETURN TO CENTRAL BUSINESS DISTRICT
St. Charles Streetcar Line Update
(RTA公式サイトへのリンク)

運転再開前夜の地元紙の記事 :
Tuesday, December 19, 2006 STREETCAR LURCHES FORWARD
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

運転再開後には,各地で報道されています.
Reutersの記事では,全線復旧は2007年末になっています.
Historic streetcar rolls through New Orleans again
(Washington Post ニュースへのリンク)
Associated Pressの記事 :
* A bit of New Orleans' iconic streetcar line back in service
* Streetcars roll again on St. Charles line
(KATC3 ニュースへのリンク)

災害復旧絡みで,連邦からの資金も大量に投入されているため,米国連邦
運輸省からもプレスリリースが出ています.
December 19, 2006 Streetcar Service Returns to St. Charles Line,
U.S. Secretary of Transportation Mary Peters Announces

(U.S. Department of Transportation ニュースへのリンク)

被災した路面電車の修理代は,連邦政府が払うことになると伝える記事 :
Wednesday, November 01, 2006 Streetcars getting back on track
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

資料を基に独自に構成したもので,正確ではないかもしれません
msy06-3.png

緑 : セントチャールズ線(St. Charles Avenue line)
赤 : キャナルストリート線(Canal Street line)
青 : リバーフロント線(Riverfront Line)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

セントチャールズ線 関連 過去ログリスト :
2006/8/06 運賃の収受再開
2006/6/06 路線網大幅縮小は回避
2006/5/29 救援終了後の不安
2006/4/01 路面電車運行の区間延長
2006/2/01 ボストンから助っ人来る
2005/12/21 セントチャールズ線は2006年秋の再開か
2005/12/15 路面電車 2005/12/18営業再開予定
2005/12/13 路面電車 復活に向けた試運転
2005/11/16 電車復帰への道は険しそう
2005/10/06 交通機関に4700万ドル
2005/10/02 セントチャールズ線バス代行で
2005/9/05 路面電車の車庫も浸水か?
(ニューオリンズ関連は,カテゴリを米国中部から南東部に変更しました)
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2006年11月17日

【シャーロット】2030年大量輸送計画承認

シャーロット(Charlotte)の話が出たところで,近況を報告します.

大型公共事業での予算超過問題はつきものですが,連邦政府が補助金を
出している現在建設中の公共交通計画の中で,予算オーバーに陥っている
のは,全米で2件しかないそうですが,その一件がシャーロットのライト
レールLynxでした.
(もう一件はサンディエゴ北部のDC運転によるライトレールです)

経緯は以前ご紹介していますので省略しますが,Lynxの予算超過問題の
その後の状況としては,先月下旬,超過する分を上乗せした新予算による
FFGA枠内での計画遂行をMTCが承認,これでCATSは引続き建設と完成後の
運営を行えるようになります.これは特に変化なしということですが,
以前からと同様に,営業開始は2007年12月31日までが条件です.
FFGA : Federal Full Funding Grant Agreement
MTC : Metropolitan Transit Commission
CATS : Charlotte Area Transit System

次に,Lynxが走るサウスコリドー(South Corridor)を含む,地域全体の
計画が見直しになりました.2002年に2025 Transit Corridor System
Planが発表されていますが,完成が5年先送りの形となり,2030年プラン
になります.総予算も2025の時の60兆ドルから,新しい 2030 Corridor
System Planでは,一気に90兆ドルにまで膨れ上がりました.
この財源になるのは,半分近くが地元のメクレンバーグ郡(Mecklenburg
County)に課せられる売上税のうちの0.5%分からです.1998年以来,現在
年間6500万ドルになるこの資金を元に,CATSはバス路線網を広げ,ライト
レールを建設しています.しかし,長期的な視野に立つこの計画では,
連邦政府とノースカロライナ州からの補助金も欠かせません.完成予定が
先送りになるのは,建設費の高騰が原因です.

今週,MTCの投票で,この2030 Corridor System Planが満場一致で承認
されました.すでに工事中のLynx(サウスコリドー)の次に整備する方面も
決まります.それによれば,コミューターレールによるノースコリドー
(North Corridor)が最初で,次がライトレールのノースイーストコリドー
(Northeast Corridor)になりました.
この順番は決まっていたようなものでした.9名のMTCの委員には,沿線
市町の首長も入っていますが,北方面の沿線がMTC委員に3名もいたこと,
それに沿線の開発業者の後押しも強かったようです.
建設費も安く,既存の貨物線(Norfolk Southern O-Line)にコミューター
レールを走らせるため,25マイルと距離の長さにも関わらず,北東方面の
距離が約半分のライトレールの7億4千万ドル強の三分の一近い,2億6千
万ドル強(第一期分のみ)で済みます.ただし,予想利用者が少ないため,
連邦からの補助金はあてにできず,州や沿線の開発業者が資金面で頼りに
されています.運転開始予定は2012年です.

北東方面への11マイルのライトレールは,現在建設中の南方面からのLynx
(ブルーライン)の延長にあたり,2011年着工で2013年開通を目指します.
目的地のユニバーシティ・シティは,文字通りノースカロライナ大学の
シャーロット校があり,現学長はそのキャンバス内に駅を設けようと意欲
的です.そうすれば予想利用者数が膨れ上がり,連邦が多額の建設費に
金を出すのです.

残りの方面とダウンタウン周辺の路面電車に関しては,2002年時の計画
より遅くなり,優先されるこれら2つの方面が開業後に設計に着手して,
2020年から2034年の開通予定となります.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
(近況) South Corridor and 2030 Plan Budget Update
November 16, 2006 - MTC Approves 2030 Corridor System Plan:
Sets The Course For Next 24 Years
(2030年計画プレスリリース)
Rapid Transit Planning (交通整備計画一覧)
(CATS 公式サイトへのリンク)

地元有力紙による詳細な記事 :
Wed, Nov. 15, 2006 Vote on long-term transit plan expected
Thu, Nov. 16, 2006 Rail plans to north, university roll ahead
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)
今回の話は,11/16の記事からに依るものが多いです.


ニュース専門のケーブルテレビ局による記事
11/15/2006 Commission to discuss transit projects
11/16/2006 MTC plans north, northeast corridor
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

シャーロット ライトレールLynxと交通整備計画関連 過去ログ :
2006/9/29 5年後に決定延期とLRT危機
2006/9/09 LRT設計問題で経費膨れる
2006/8/24 LRTとBRT どちらを選ぶ?
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2006年11月16日

【シャーロット】トロリー運転再開も遅れ

米国の民間航空業界では再編の動きが日本でも報じられていますが,その
主役の航空会社が拠点の一つにする,サウスカロライナ州シャーロット
(Charlotte)では,ライトレールのLynxが現在建設されています.
その他にも,将来を見据えた路面電車建設計画もありますが,実は今年
2月まで路面電車(トロリー)がシャーロットの街を走っていました.
シャーロットの中心部にあたるアップタウン(uptown)から,サウスエンド
地区(South End)までの2マイル少々の距離を,1996年からクラシックな
車両で運転が行われています.しかし,郊外からの大量輸送機関として
ライトレールを建設するにあたり,同じ軌道敷を利用することになり,
その本格的な工事が今年2月から開始されるのに伴い,路面電車の運行は
一年間休止されることになったのです.

このCharlotte Trolleyは,当初架線を張らずに電源車を連結した運転
でしたが,2004年には電化されて本格的な運行を開始し,一時運休までの
2年近くの間に,約40万人が利用していたそうです.客層は主に週末の
観光客や,コンベンション参加者などが主な利用客ですが,児童の遠足
などの利用が25%も占めているのも,このトロリーの特徴です.

予定ではライトレールより一足早く,2007年2月の運転再開でした.
しかし,Lynxの工事に遅れが生じ,さらに安全上の規則の問題により,
ライトレールより先にトロリーの運転を再開することは出来ないことが,
今回明らかにされました.

地域の公共交通を担い,路線バスやライトレールのLynxを建設している
CATSの代表者は,ライトレールの運転開始前にトロリーを再開させること
など,今考えると非現実だったと言ったそうですが,工事が遅れている
問題の他にも,ライトレールが走れるよう敷き直された軌道の安全確認を
終えるまで,旅客営業を行えないとCATSのコンサルタントが決定を下した
とのことです.
CATS : Charlotte Area Transit System

なお,運休前まで踏切では係員が降りて自動車を止めてから,トロリーを
横断させていましたが,今度運転が再開された暁には,それも昔話になる
ようです.また,ラッシュ時にはLynxが増発される関係で,平日の朝夕の
ラッシュ時間には,トロリーは運転されなくなります.
再開は9ヶ月遅れとなりそうですが,これまで同様,人々に郷愁を呼び
起こすだけではなく,子供たちの教育の一環としての利用が,今後も期待
されています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Wed, Nov. 15, 2006 Trolley running late on restart
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

シャーロット トロリー関連 過去ログ :
2005/12/16 LRT工事本格化でトロリー運休

シャーロット ライトレールの遅れ関連 過去ログ :
2006/9/29 5年後に決定延期とLRT危機
2006/9/09 LRT設計問題で経費膨れる
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2006年11月15日

【リッチモンド】発祥の地でLRTシンポジウム

先日の中間選挙で最後までもつれたバージニア州.その州都リッチモンド
(Richmond)で,今週金曜にライトレールのシンポジウムが開催されると
いう記事がありました.バージニア州は,リッチモンドをはじめとして,
海軍基地の街として知られるノーフォーク(Norfolk),ワシントンDC近郊
アーリントン郡(Arlington)と隣接のフェアファックス郡(Fairfax),その
他にRoanokeやCharlottesvilleで,ライトレールもしくはストリートカー
計画があります.
シンポジウムでは,今回これらが取り上げられ,ライトレールが都市圏の
道路混雑解消に果たす可能性を,広めようとしています.

実は,リッチモンドは米国で初めて電気運転によるトロリー,路面電車が
ちゃんと走った街なのだそうです.その後19世紀終盤には路線網を拡張
していきますが,自動車やバスとの競争に敗れ,20世紀半ばまでに全廃
となりました.現在バージニア州には,ライトレールや路面電車の走る
街が一つもない状況が続いています.

リッチモンド(Richmond)の計画は,ライトレールというよりは,どうも
路面電車に近いようですが,今回の記事によれば,建設に1億5千万ドル
以上,年間の維持費に120万ドルと見積もられる金額で敬遠されたのか,
進展がありません.

バージニア州は自動車中心の社会で,免許所持者は510万人なのに登録
台数は730万台で,これは州内に張り巡らされたハイウェイの1マイルに
126台の車両が走っていることに相当するばかりか,州内全人口のほぼ
一人に一台の割合になるのだそうです.
2000年時点の話ですが,過去10年間に車両一台が走るハイウェイの距離が
24.3%上昇しているのに対し,同じ時期の公共交通は,この州では公共
交通機関は路線バスが中心となりますが,わずかに6.4%しか伸びていない
のでした.

今回の記事では,州内で一番計画が進展している,ノーフォークの例を
取り上げると共に,ライトレールは多額の予算を要するものの,環境への
悪影響が軽減されること,ライトレールや路面電車により街が再生する
利点を強調しています.後者の例では,ポートランドの話を引き合いに
出していました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Monday, November 13, 2006 Light rail: born and reborn in Virginia
リッチモンドは,米国での路面電車発祥の地 :
First successful electric trolley system built here
(いずれも,Richmond Times-Dispatch ニュースへのリンク)

シンポジウムの案内 : Virginia Light Rail Symposium
(Virginia Association of Railway Patronsへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ヴァージニア州 関連 過去ログ :
2006/9/04 【ノーフォーク】LRT計画のFTA認可が間近に
2006/5/01 【アーリントン】路面電車とバスを併用
2005/12/02 【ノーフォーク】NSの廃線跡用地をLRT用に購入
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2006年10月31日

【マートルビーチ】観光地でも路面電車を

米国の路面電車計画ブームは,観光地をも例外にはしていません.
サウスカロライナ州マートルビーチ(Myrtle Beach)は,米国南部の大西洋
岸では主要な観光地です.シャーロットから南東に250キロ近く,アト
ランタからは東に500キロ少々離れた海岸沿いには,60マイル(百キロ弱)
にも及ぶ砂浜だけではなく,40以上のバラエティに富むゴルフコース,
そして数々のショッピングモールや,シーフードレストランなどが軒を
連ね,人々を惹きつけてやみません.年間の訪問者は1400万人とも言わ
れています.

この地に人々は車か航空機でやってきます.そして,マートルビーチの
地域内の移動にも,車が主に使われていました.このため夏休みなどは
渋滞が発生しています.地域内には路線バスも一部に走っているものの,
30分間隔で利便性が高いとは言えません.
マートルビーチ市では,かねてより渋滞緩和策として,観光客が車を置い
ても気軽に地域内を移動できるような,輸送機関を求めていました.
モノレールが長年その候補に挙がっていたのですが,建設費が高いため,
実現化されていないという経緯があります.そこで今回登場した案が,
今米国各地で復活が検討されている,ストリートカーでした.
ラスベガスのようなモノレールを目指していたものの,そこまでは資金の
目途が立たず,路面電車にしようとしているのかもしれません.また,
路面電車も集客の目玉になると考えているのでしょう.

マートルビーチには,2つの大きな空き地があります.一つは昨年閉鎖
されたショッピングモール(Myrtle Square Mall)で,これは新設された
モールとの競争に敗れて閉鎖されたようです.そして,この秋にやはり
閉園した,半世紀以上の歴史を持つ遊園地,パビリオン(Pavilion)です.
この2つの広大な土地が,今後どうなるかは決まっていません.しかし,
これらがきっかけで,公共輸送機関の整備が再検討され始めたようです.


ルートなど詳しいことは決まっておらず,コンサルタントに依頼しただけ
で,予算などもまだ出ていません.また,予算不足で公共バスの運行で
さえままならず,路線削減を講じなければならない街に,数百万ドルを
投じてまで,路面電車を建設することへ懐疑的な反対派も居ます.

恐らくは3マイルから4マイル(約4.8キロから6.5キロ)ほどの距離になると
考えられていて,この程度の規模であることや,移動時間の短縮がされる
わけでもないため,連邦政府からの補助金はあてにできず,沿線の土地
所有者や商店主などへの特別税など,民間の資金で建設されることになる
ようです.関係者らは,次回は3週間後に検討会議を開く予定です.

(リンク先は新しいウィンドウで開きます)
Mon, Oct. 30, 2006 Streetcar trend sparks MB planners to action
(Myrtle Beach Sun News ニュースへのリンク)
Tue, Oct. 31, 2006 Myrtle Beach considers trolley system
(Charlotte Observer ニュース-Associated Press記事-へのリンク)

Beach Area Map (マートルビーチとその周辺の地図)
(Myrtle Beach Area Convention and Visitors Bureau へのリンク)

右上に閉店したモール,左下に閉園した遊園地が枠で囲まれています.
Myrtle Square Mall and Myrtle Beach Pavilion
(Wikimapia へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2006年09月29日

【シャーロット】5年後に決定延期とLRT危機

ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)都市圏の公共交通網整備
計画で,輸送機関をバスラピッドトランジット(BRT=Bus Rapid Transit)
にするかライトレールかの決定が,先月から先送りになっていた話があり
ました.シャーロットから南東方向の衛星都市,マシューズ(Matthews)へ
向かうSoutheast Corridorです.
2006-08-24 LRTとBRT どちらを選ぶ?
今週水曜に委員会が開かれ,委員による投票の結果,BRTにするかLRTに
するかの結論を下すのを,少なくとも5年先まで遅らせることにしたと
いう報道がありました.

委員会(Metropolitan Transit Commission)ではBRTを望んでいましたが,
ライトレール派の声も多く,鉄道でなければ沿線にあたるIndependence
Boulevardのビジネスの助けにはならず,地域の活性化にもならないと
し,建設費は高くても,長期的にはその見返りがあるはずと主張していた
のです.委員が賛成多数で結論を5年先に延期したのは,今ここで決定を
下して,将来ライトレールへ(BRTからの転用?)の道を閉ざすことを避け
たいということもさることながら,時間をかけてライトレール派の声を
鎮めようという狙いもあるようです.

サウスイーストコリドー(Southeast Corridor)への大量輸送公共交通の
導入は,今回の決定延期により,着工が当初予定の2010年は無理となり,
早くても2011年か,それ以降の着工になることが確実となりました.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
CATS : Charlotte Area Transit System
2025 Corridor System Plan 5方面への交通整備計画概要
サウスイーストコリドー Southeast Corridor 計画概要
(CATS 公式サイトへのリンク)

5年先に結論を持ち越すという報道 :
September 28, 2006
Commission Delays Vote On Mass Transit In Southeast Charlotte
(WSOCTV.com ニュースへのリンク)
Thu, Sep. 28, 2006 Rail? Bus? Neither for now
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)
9/28/2006 Officials put off SE light rail decision
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)

一方,シャーロットではSouth Corridorに建設中のライトレール,Lynxの
試運転が行なわれていますが,その予算超過が今月初めに発覚した件が
ありました. 2006-09-09 LRT設計問題で経費膨れる

この話題で今週は持ちきりでした.関係者らが予算オーバーを以前から
知っていたことが判明,CATSのCEOが辞職を求められる一幕もあったそう
です.CEOは続投を表明しましたが,関係者らは今週順番にシャーロット
市議会で追求されていました.

一連の騒動の後,ライトレールに投入される0.005%(half-cent)の売上税
を,他の交通関係に税金を回そうという動きが出てきました.売上税を
投入することを廃止にする動議を,2007年11月の住民投票に盛り込もうと
しているのです.この住民投票にかけられるかどうかは,5万人以上の
署名が必要ということで,専用ウェブサイトまで立ち上げられました.
Stop The Train Mecklenburg

ライトレールへの税金投入停止を求める声があるという報道 :
9/26/2006 County GOP calls for light rail cuts
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)
September 28, 2006
Some Leaders, Residents Call For Repeal Of Tax Funding Light Rail
(WSOCTV. ニュースへのリンク)

二つの話題の過去ログ :
2006-09-09 LRT設計問題で経費膨れる
2006-08-24 LRTとBRT どちらを選ぶ?
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2006年09月27日

【タンパ】Google Transitで経路検索可能に

オレゴン州ポートランドとその周辺で運転されている,TriMetのバスと
MAXのスケジュールで,2005年12月より試験的に運用されてきたGoogle
Transitが,このたびその地域を増やしました.

Google Transitとは,二ヶ所の住所を入れると,その間を公共交通機関で
移動する場合の経路,時刻などが表示されるものです.経路はGoogle
Maps上で表示されますので,サテライトモードに変更したり,拡大や画面
移動も思いのままになります.
時間の指定は可能ですが,残念ながらバスやライトレールなどのモード
選択はできません.しかし,ワンクリック(Drive Thereをクリック)する
だけで,公共交通機関利用から,自動車で移動する場合の経路にも切り
替えできます.

今回加わったのは,オレゴン州Eugene (Lane Transit District),ペン
シルベニア州Pittsburgh (Port Authority),ワシントン州Seattle (King
County Metro),ハワイ州Honolulu (TheBus),そしてフロリダ州Tampa
(HART).カッコ内は,路線検索できる交通事業者の名前です.

HARTの担当者によれば,Google Transitで検索できるようになることで
基本的にHARTの経費負担はなく,HARTの技術スタッフが時間外に作業した
だけで済んだとのことです.
ポートランドTriMetでの試行以来,多くの交通事業者がGoogle Transitに
注目していたようです.
HART : Hillsborough Area Regional Transit Authority

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
タンパがGoogle Transitで検索できるようになったことを伝える報道 :
Sep 26, 2006 Google Makes Public Transit Easy In Tampa
(Tampa Tribune ニュースへのリンク)

Google Transit (トップページへのリンク)
各地のサンプルで試してみると,今回追加のうち,ユージン(Eugene)と
ホノルル(Honolulu)で運賃が出ます.さらに,それが自動車で移動した
場合と比べて安いかどうかまで一目瞭然になっていました.自動車移動の
費用は,1マイル44.5セントで計算されているそうです.

早速,実際にタンパTECO Lineの起終点で使ってみました.
Transit Trip Planner Take the Hillsborough Area Regional Transit
800 - Tampa Historic Street Car (Google Transit へのリンク)

路面電車のTECO Lineが,800番系統として表示されるはずです.
日付は9/27 午後5時を選択していますが,他の時間に変えることもでき
ます.また,画面左側に表示されている出発時刻の欄には,所要時間も
加えられていて,800番の路面電車では20分所要となっています.これ
より時間の短いものは,すべて路線バスです.出発時刻をクリックする
だけで,経路などの表示が変わります.
Drive There をクリックすると,自動車の場合の経路が表示されますが,
こちらの所要時間はあてになりません.同じ区間が3分と出ます.距離
(2.4マイル)から機械的に算出しているだけのようです.

TECO Line Streetcar
(Tampa Historic Streetcar Inc. 公式サイトへのリンク)

タンパ ストリートカー関連 直近の過去ログ :
2006/8/11 ストリートカー延長へ動き出す
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2006年09月09日

【シャーロット】LRT設計問題で経費膨れる

サウスカロライナ州シャーロット(Charlotte)で建設中のライトレール
は,当初の予定から遅れて現在は2007年11月には開業することになって
いますが,今週再び予算超過問題が浮上して,場合によっては更に遅れる
ことになるかもしれません.建設費の48%を補助金で出した連邦政府との
取り決めで,完成期限は2007年12月31日までと定められているのですが,
2005年5月から着工し,現時点で全体の56%の工事が終了したところです.

9.6マイル(約15.4キロ)の路線は,最初の計画では2億2700万ドルで建設
されるはずでした.最近はそれが4億2700万ドルに膨れ上がっていたの
ですが,更に増えるというのです.
ライトレールを建設し,運営するCATSは,この設計を担当したParsons
Transportation Groupを予算が超過した原因をつくった張本人として,
同社に損害賠償を求める動きを示しました.設計ミスにより,工事が進む
たびに問題が見つかり,例えば同じ場所を二度掘り返すなど,予定外の
費用が掛かったと言うものです.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
CATS : Charlotte Area Transit System

設計上の問題点は,建設の段階になって初めて見つかるありさまで,その
せいでCATSは予算をどれくらい超過するのか,その金額を具体的に示す
ことすらできない状況です.
Parsonsは,カルフォルニア州パサデナに本社をおき,昨年は30億ドルを
越す収益をあげた,交通インフラのデザインなどを手がける会社です.
ROADS & HIGHWAYS (Parsons Corporation へのリンク)

2005年にその座を外されるまでは,Parsonsはライトレール計画の筆頭
設計者でした.しかし,最近の度重なる間違いにより,計画から完全に
外れることになります.今や問題はParsonsとCATSだけに留まらず,CATS
と市の担当者の監督責任など,市長や市議会の政治問題にまで発展して
いるようです.

多くの報道がありますが,異なる機関から時系列順に並べてみました :
Sep. 06, 2006 Light-rail price is on the rise again
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)
September 6, 2006
CATS could be out millions over light rail mistakes
(WCNC ニュースへのリンク)
September 8, 2006 City turning up the heat on CATS
(Charlotte Business Journal ニュースへのリンク)

WCNCのニュースには,TV放映されたビデオへのリンクが現在ありますが,
そのビデオの中には,搬入された第一号のLRVが,すでに完成している
区間で試験していると思われる走行の様子も映っています.行き先表示は
愛称名であるLYNXになっていました.

大型の公共事業では,訴訟沙汰は珍しくないそうです.
シャーロットではありませんが,ワシントン州シアトルでは,これとは
逆に,施工主のSound Transitが,建設請負業者から費用上昇分を求める
訴えを受けていました.
Friday, September 8, 2006
Contractor sues Sound Transit for additional light-rail money
(Seattle Times ニュースへのリンク)

シャーロット 関連過去ログ :
2006/8/24 LRTとBRT どちらを選ぶ?
2006/6/12 LRV間もなく到着
2006/3/28 Lynx成功の鍵はzoning変更に
2006/2/14 渋滞緩和策の切り札が渋滞を招く?
2005/12/16 LRT工事本格化でトロリー運休
2005/8/27 LRT開業まであと1年半
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2006年09月04日

【ノーフォーク】LRT計画のFTA認可が間近に

米国海軍の基地があることで知られる,ヴァージニア州ノーフォーク市
(Norfolk)で計画中のライトレール計画に,今月中にも連邦(FTA)からの
最終的な認可がおりるようです.
FTA : Federal Transit Administration

ワシントンDCから南に約250キロにあるノーフォーク市は,郡に属さない
独立市で,2000年の人口は23.4万人ほどですが,周囲を含めた都市圏まで
範囲を広げると,165万人弱が暮らしています.

2000年に着手以来6年の月日を要し,ここ3年はHRTとノーフォーク市の
当局がFTAに提出した,利用者数見込みや,建設費,財政,ダウンタウン
駐車場削減計画などの書類が,突っ返されることの繰り返しでしたが,
昨年10月には推薦評定(recommended rating)に昇格し,12月にこちらでも
紹介していましたが,最終的な認可は目前とされていました.
それからなお一年近く掛かったのは,FTAがHRTに更に細かな分析を求めて
いたからです.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
HRT : Hampton Roads Transit (地域でバスなどを運行する事業者)

FTAの厳しい審査の目を通れば建設開始も間もないようで,現時点では
2007年後半には着工され,2009年後半から2010年初めにかけての開業が
予定されていて,7.4マイル(約11.9キロ)の路線に,一日6500人から1.2万
人が利用すると予想されています.

建設費は当初2億ドル強でしたが,FTAから予算超過の危機評価(risk
assessment)分を求められて,2億3210万ドルになりました.このうちの
1億2800万ドルを連邦政府からの補助金で賄い,残りをノーフォーク市,
ヴァージニア州と,地域交通財源から,公平に分担することになります.
運営には年間620万ドルが必要とされ,これも連邦,市,州からの資金が
投入されますが,運賃は現行のHRTのバスと同じ$1.5になりそうです.

Hampton Roads Transit LRT Home
Project Map (計画路線図)
(HRT 公式サイトへのリンク)

何年もかかって漸く連邦の審査をパスしたことを伝える報道 :
September 2, 2006
Norfolk light-rail line passes federal review, years of delay
(The Virginian-Pilot ニュースへのリンク)

昨年10月の段階の報道が,HRTサイト内にPDFファイルの形で掲載されて
います.(October 19, 2005付けThe Virginian-Pilotの記事)
Light-rail line gets push forward in Norfolk (PDFファイル)
(HRT 公式サイトへのリンク)

東側の終点予定地 Newtown Road (市の東端) 西向き
Norfolk State University (NSU) Station 予定地 西向き
この駅は高架になる予定で,駅の東側に車庫が設けられるそうです.
(Windows Live Local Bird's eye へのリンク)
どちらにも古い線路が写っていますが,これはNSのものです.路線は,
7.4マイルのうち約5マイルを,NSの貨物線跡地を走ります.
NS :Norfolk Southern Railway

過去ログ : 2005/12/02 NSの廃線跡用地をLRT用に購入
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2006年08月24日

【シャーロット】LRTとBRT どちらを選ぶ?

サウスカロライナ州シャーロット(Charlotte)では,都市圏の公共交通の
輸送力を,4倍に増強する交通整備計画を2002年に立てました.
その2025 Corridor System Planには,シャーロットの中心街,アップ
タウン(Uptown)から放射状に5方向へ,鉄道または,BRT(バスラピッド
トランジット)などの大量輸送機関を延ばしていく案が含まれています.
すでにシャーロット市の人口は約65万人,都市圏全体では160万人に達し
ようとしています.

今年2月にLynxというニックネームが付けられた輸送網のうち,南方面に
延びるSouth Corridorは,ライトレールという形で建設中で,2007年には
開業する見込みになっています.こちらでも何度か取り上げました.

その他の方面では,北へ向かうNorth Corridorは,通勤鉄道(Commuter
Rail)が,北東方面へのNortheast Corridorでは,ライトレールが検討
されています.残る2方面では,西へのWest Corridorが路面電車かBRT,
今回報道のあった南東方面へのSoutheast Corridorは,ライトレールか
BRTのいずれかが選ばれることになっています.

南東へのSoutheast Corridorでは,主に主要道路のインデペンデンス通り
(Independence Boulevard)上に,都心から14マイル弱のライトレールか
BRTを敷こうとするもので,最終的には,シャーロット市を周回する環状
高速道路のI-485と交差する,人口2万人強の衛星都市,Matthews市まで
至ります.

計画の具体的内容は,この地で路線バスを運行し,Lynxも運営することに
なるCATSのサイトをご参照ください.
(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
CATS : Charlotte Area Transit System
2025 Corridor System Plan 5方面への交通整備計画概要
南東方面への Southeast Corridor
(CATS 公式サイトへのリンク)

Southeast Corridorにどのモードを使ったらいいのか,CATSの調査報告が
8月上旬に発表されました.それによれば,ライトレールは費用がBRTより
高くつく上に,予想される輸送人員もBRTより少ないとなっています.

8月上旬に行なわれたプレゼンテーションが,32ページのPDFファイルで
掲載されています.Southeast Corridorの路線図や両者の比較も載って
います. August 2 and 3, 2006 Public Meeting Presentations
(CATS 公式サイトへのリンク)

厳密には,選択肢は次の3つがあります.
Light Rail, Bus Rapid Transit, Bus Rapid Transit with HOV
ライトレールとBRTでは,前者のほうがお金が掛かるのは当然としても,
予想輸送人員が低いのは,計画される運転間隔に差があるためでした.
車両個々の輸送量ではライトレールの方が上回りますが,ライトレールが
7.5分間隔を想定しているのに対して,BRTでは3分間隔なのです.ライト
レールはLRV17本を,BRTはバス33台を使うことになっています.

LRT : 建設費 5億8500万ドル,2030年輸送人員予測14400人/日
BRT : 建設費 3億2500万ドル,2030年輸送人員予測16000人/日

この報告を受けて,メクレンバーグ郡(Mecklenburg County)内の市長や,
同郡とノースカロライナ州運輸省の担当者らからなるMTCが,8/23に投票
で,ライトレールかBRTかを決めることになっていました.
MTC : Metropolitan Transit Commission
MTCでは市民も意見は言えますが,直接の投票権はありません.

BRT(バスラピッドトランジット)が有利となる数字が示され,これでは
ライトレールだと連邦政府からの補助金を得られない可能性が高いとされ
ながらも,住民には鉄道建設を期待する声が多く,MTCでの投票結果が
注目されました.

MTCによる投票前夜の報道 :
Wed, Aug. 23, 2006 LIGHT RAIL GRIDLOCK
Wed, Aug. 23, 2006 Will it be light rail, busway or nothing?
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)

しかし,予定されていた8/23には結論を出せず,9月に延期となるという
報道が入ります.LRT対BRTの結果は,早くても来月に持ち越しです.
8/23/2006 Southeast light rail debate continues
(News 14 Charlotte ニュースへのリンク)
Thu, Aug. 24, 2006 Choice put off on bus or rail
(Charlotte Observer ニュースへのリンク)

決定先送りは,データ的にはBRTを選ぶべきでも,住民への配慮が政治的
には必要だからということのようですが,決定延期でライトレール案が
急に有利になるものでもなさそうで,8名の構成員からなるMTCのうち,
5人はBRT案に票を投じるだろうと見られています.
また,今回の延期は次なる議論,建設中のサウスコリドーの次はどこを
建設すべきか,という懸案にも影響を与えそうだとのことです.
この件は,来月続報が入りましたら,また紹介します.

シャーロット ライトレール 関連過去ログ リスト:
2006/6/12 LRV間もなく到着
2006/3/28 Lynx成功の鍵はzoning変更に
2006/2/14 渋滞緩和策の切り札が渋滞を招く?
2005/12/16 LRT工事本格化でトロリー運休
2005/8/27 LRT開業まであと1年半
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2006年08月11日

【タンパ】ストリートカー延長へ動き出す

フロリダ州タンパ(Tampa)と,市内の歓楽街イボーシティ(Ybor City)を
結ぶ路面電車 TECO Line Streetcarが,路線延長を探り始めました.

現時点ではまだまだ予備的な段階ですが,HARTline(HART)では,約20万
ドルを投じ,4ブロック分約2.4マイルの延長に掛かる費用を,半年の環境
事前調査などを行った上で,業者に算出させることを決めました.
いつも路面電車に反対して,今年初めには電車を運休させる寸前にまで
追い込んだ二人の理事は,今回はたまたま理事会に欠席したため,話が
すんなり通ったようです.
Organization Chart (HART 公式サイトへのリンク)
HART : Hillsborough Area Regional Transit Authority
(タンパを含むヒルズボロー郡のバスなどの公共交通機関を運営する当局)
路面電車(TECO Line Streetcar System)は,HARTlineから独立している
Tampa Historic Streetcar Inc.という非営利組織が運営していますが,
実際の電車の運行はHARTlineが行っています

Aug 8, 2006 Streetcar Expansion Study To Cost About $200,000
(Tampa Tribune ニュースへのリンク)
August 9, 2006 HART board details system expansion
(Tampa Bay Business Journal ニュースへのリンク)

上段の報道では,選定された業者が,2年前の高速道路建設現場での崩落
事故に関して,ヒルズボロー郡の当局から訴えられていることを伝えると
ともに,理事の一人が,大きな会社だから道路と鉄道では担当者が違う
(から問題ない)だろうというコメントも載せています.

延長が計画されているのは,現在の終点Southern Transportation Plaza
から,コンベンションセンターの横を北上して,Whiting Streetまでの
第二期区間の一部です.現在の終点は,Google Mapsのサテライトモード
で見る限り,第一期の開業時からだと思いますが,終端部分が既に北向き
になっています.
Streetcar Map (公式サイトの路線図)
The completed TECO Line Streetcar system (路線図)
(Tampa Rail へのリンク)

タンパ ストリートカー 過去ログ :
2006/3/02 土俵際で残る路面電車
2006/1/17 開業を早まったのかも
2005/10/16 3周年を迎えた路面電車の懸念
2005/8/26 沿線住民にも路面電車税を
2005/8/22 路面電車に落雷
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2006年08月06日

【ニューオリンズ】運賃の収受再開

ニューオリンズ(New Orleans)でバスと路面電車を運行するRTAに対して,
FEMA(米国緊急事態管理庁)は6月末で終わることになっていた補助金を,
11月末までは継続することにしましたが,その際RTAに,これまで無料
だった運賃を,有料化することを条件としてあげていました.
RTA (NORTA) : New Orleans Regional Transit Authority
FEMA : Federal Emergency Management Agency
DHS,Department of Homeland Security(米国国土安全保障省)の一部

それに基づき,昨年10月限定的に運行を再開していたバスや路面電車は,
復旧以来初めてとなる運賃収受を8/06(日)から行ないます.これまでは
無料で利用できましたが,8/06(日)からは運賃額が被災前と同額で,大人
片道$1.25,乗換えには別途20セントの追加が必要です.なお,パス等の
発行はすぐには行なわれず,9月からになるようです.
Home (トップページ)
Fares (運賃)
(RTA公式サイト へのリンク)

AP通信による記事 :
8/5/2006 Free transit rides ending for New Orleans
(Times Picayune (The Associated Press) ニュースへのリンク)

現在RTAは,路面電車(Streetcar)2系統,路線バス28系統,運休中の市電
セントチャールズ線の代行バス1系統を運行しています.
報道によれば,月間利用者数は昨年末から比べて数千人増え,6月には
67万4千人にまで回復していますが,被災前には路線規模が今の倍近く
あったものの,利用者は月間340万人にものぼっていました.
人口が減ったニューオリンズの規模にあわせて,RTAも規模を縮小しよう
としていますが,今回の運賃有料化は,その一環でもあるようです.

一方,先週中ごろには,車両は無事だったものの,架線などをハリケーン
カトリーナ(Hurricane Katrina)に破壊されたセントチャールズ線(St.
Charles Avenue line)の復旧工事として,リーサークル(Lee Circle)で
車線規制が開始されました.規制は一週間程度のものですが,RTAでは
架線修復工事を行なっていて,カナル通り(Canal street)とリーサークル
の間,CBD(Central Business District)内の1.5マイルを,年内には先行
復旧させたいとしています.
全線での工事完了は,現在2007年末が見込まれています.

Wednesday, August 02, 2006 Streetcar work disrupts Lee Circle
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

Lee Circle (Bird's eye) 航空写真(現時点での画像は被災前のもの) :
eastward (東向き)
westward (西向き)
southward (南向き)
(Windows Live Local へのリンク)

リーサークルから北(カナル通り側)は,線路は双方向が1ブロック離れて
走っています.リーサークルとカナル通りでぐるりと回ってくる,時計
回りのループ運転になるのでしょう.
Canal street (東向き)
(Windows Live Local へのリンク)


msy06-2.png

緑 : セントチャールズ線(St. Charles Avenue line)
資料を基に独自に構成したもので,正確ではないかもしれません

市街地やその周辺が当時浸水していった様子を,Flashで再現している
ページがありました.
An interactive timeline of New Orleans' deluge (Flash)
(New Orleans Times-Picayune ニュースへのリンク)

カトリーナ以降 ニューオリンズ 過去ログ一覧 :
2006/6/06 路線網大幅縮小は回避
2006/5/29 救援終了後の不安
2006/4/01 路面電車運行の区間延長
2006/2/01 ボストンから助っ人来る
2005/12/21 セントチャールズ線は2006年秋の再開か
2005/12/15 路面電車 2005/12/18営業再開予定
2005/12/13 路面電車 復活に向けた試運転
2005/11/16 電車復帰への道は険しそう
2005/10/06 交通機関に4700万ドル
2005/10/02 セントチャールズ線バス代行で
2005/9/05 路面電車の車庫も浸水か?
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2006年07月21日

【アトランタ】市電計画への試金石

ジョージア州アトランタ(Atlanta)を南北に貫くピーチツリーストリート
(Peachtree Street)に,ストリートカー(路面電車)を導入しようという
動きで,先月計画路線を南へ2マイルほど延長する案を紹介したばかり
ですが,市長が今年始めに任命した特別委員会(タスクフォース)では,
今度は北への路線をあと半マイル伸ばす案を出してきました.DeKalb郡
にあるMARTAのBrookhaven/Oglethorpe駅まで行くことになりそうです.
タスクフォース(The Peachtree Corridor Task Force)では,この案も
含めて来年初めにアトランタ市長に提案を出す予定です.
MARTA : Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority

July 11, 2006 Peachtree streetcar could reach further north
(Atlanta Business Chronicle ニュースへのリンク)
July 17, 2006 Ahead of the curve
(Atlanta Journal Constitution ニュースへのリンク)

一方,市電計画とは別に,アトランタのダウンタウンでは観光客の足を
確保するため,名所やホテルなどを回るループ運転のバスが4月下旬から
走り始めました.Atlanta Tourist Loopと名付けられて,専用のバスが
MARTAにより30分間隔で運転されています.
Atlanta Tourist Loop (路線図など)
(MARTA 公式サイトへのリンク)
April 28, 2006 MARTA's Atlanta Tourist Loop (ATL)
(Atlanta Downtown Improvement District へのリンク)

そして今度は,ピーチツリーストリート(Peachtree Street)を,バック
ヘッド(Buckhead)からダウンタウンまで乗換えなしで直行する路線バスが
運行されることになります.現在も路線バスはありますが,乗換えを必要
としますし,同区間には高速電車もあることから,アトランタのダウン
タウンとバックヘッド間の行き来に使われることはありませんでした.

"The Peach"(ザ・ピーチ)と命名されるこのバスも,MARTAが特別塗装か
アートを施された車両で30分おきに運行されることになっています.
これによりMARTAの運営費は,年間60万ドル増となるそうです.
ピーチツリーストリートには,MARTAの高速電車が開通する1970年台まで
市バスが走っていましたが,高速電車の開業で,バス路線網の再編が行わ
れた際に分断されていました.

バックヘッドのBuckhead Coalitionが音頭をとったこのザ・ピーチは,
ダウンタウンの北側に位置するビジネス街であり,またショッピングの
メッカにもなっているバックヘッドと,近年沿道の開発が著しいピーチ
ツリーストリートを結びつけ,観光客と地元客の両者の利用が見込まれて
います.道路混雑緩和も期待されているようです.

June 27, 2006 MARTA: Time ripe for 'Peach' bus route
(Atlanta Journal Constitution ニュースへのリンク)
JULY 20, 2006 Peachtree to get new bus service
(TheStorygroup.com ニュースへのリンク)

ところで,相次いで走り始めるこれらのバスは,奇しくも路面電車計画
路線と重複しています.
ザ・ピーチの仕掛け人,アトランタの元市長でBuckhead Coalitionの代表
は,路面電車計画に批判的です.わずかな資金で達成できるバス路線網の
改善で足りるというのです.路面電車は建設に3億3500万ドルかかると
見積られていますが,南北へ路線を延ばせば,それだけ建設費も上がる
ことでしょう.
しかし,ザ・ピーチは路面電車の代用ではありませんが,市電計画の資金
調達ができるまで,同様のサービスを提供するものとしています.
アトランタストリートカー(Atlanta Streetcar, Inc.)の代表者も,この
バスに否定的ではありません.これらのバスが集客力を示せば,おのずと
路面電車計画にも好影響を与えるでしょう.

関連過去ログ :
2005/11/23 ピーチツリーストリートに電車を
2006/6/16 市電計画路線の延長案
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2006年06月16日

【アトランタ】市電計画路線の延長案

ジョージア州アトランタ(Atlanta)には,高速電車が東西南北に2路線が
すでにありますが,それに加えて南北を走る目抜き通りのピーチツリー
ストリート(Peachtree Street)に,路面電車を復活させる計画が進行中
です.市長が今年始めに任命した特別委員会(タスクフォース)により,
現在計画が練られているところですが,タスクホースの前身とも言える
非営利団体,Atlanta Streetcar, Inc.が想定した路線を,南側に2マイル
延長することにしたようです.

そこでアトランタの周囲を循環する予定の,ベルトライン(Beltline)と
接続することになります.
ベルトラインもまだ現実のものではありませんが,都心から2〜4マイル
(3.2〜6.4km)離れたところを,ぐるりと囲む全周35kmの貨物線や線路用地
があり,そこを将来LRTか鉄道に転用しようという構想です.
The BeltLine Partnership: (トップページ)
Maps (全体像,地域別の詳細地図など)
(公式サイトへのリンク)

南側への延長により,南部での開発が促進されるのが期待されるほか,
アトランタ市電は南北2か所でベルトラインと連絡することになり,特に
今回の延長案により,南側の接続地点では,MARTAの高速電車(オレンジ
ライン)も駅を新設することで,アトランタの軌道系公共交通機関が,
そこで乗換え可能になります.
MARTA : Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority
Getting There >> Schedules & Maps >> Rail (高速電車 路線図)
(公式サイトへのリンク)

これまでの路線は,アトランタのミッドタウンやバックヘッド(Buckhead)
など,裕福な人たちが住む地域を通るだけでしたが,アトランタ市の一部
を素晴らしいものにしようとしているのではなく,市全体を素晴らしい
ものにしようとしているのだという,市の公共住宅機関の言葉を記事では
引用していました.

ピーチツリー・コリドー・タスクフォース(Peachtree Corridor Task
Force)では,来年の早い時期までに,市長への提言を予定しています.
New streetcar plan extends to S. Atlanta
(The Atlanta Journal-Constitution ニュースへのリンク)

アトランタ ストリートカー : Atlanta Streetcar (トップページ)
Proposed Route (計画中の路線図) 今回の延長案はまだ未反映
(公式サイトへのリンク)

関連過去ログ :
ベルトライン構想ほか
ピーチツリーストリートに電車を
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2006年06月12日

【シャーロット】LRV間もなく到着

サウスカロライナ州シャーロットのCATSが,ライトレールのLynxブルー
ラインで走らせる,最初のLRVがカルフォルニア州サクラメントにある
シーメンス工場から,送り出されたそうです.
一旦ロサンゼルスへ向かい,そこからアリゾナ州,ニューメキシコ州,
テキサス州,ルイジアナ州,アラバマ州,テネシー州を経て,運ばれて
いくそうです.シャーロット到着時には,地元メディアからの報道がまた
あることでしょう.今回は16本のうちの1本目です.
CATS : Charlotte Area Transit System

シーメンスのサイトには,先月のポートランドでのS 70受注のニュースが
掲載されているだけで,代わりに下記サイトが取扱っています.

Siemens Transportation Systems Delivers Charlotte's First Light
Rail Vehicle; The First Siemens S70 LRV Heads East

(Business Wire (press release)へのリンク)

4月にご紹介していた,車両構体からの製造ではないと思われ,ドイツ
から運ばれた部品を組み立てた,従来の方式によるものでしょう.

シャーロット ライトレール 関連過去ログ :
2006/3/28 Lynx成功の鍵はzoning変更に
2006/2/14 渋滞緩和策の切り札が渋滞を招く?
2005/12/16 LRT工事本格化でトロリー運休
2005/8/27 LRT開業まであと1年半

S 70 関連過去ログ :
2006/5/11 【ポートランド】新MAXはAvanto顔に
2006/4/07 【シーメンス】米国サクラメント工場拡張
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2006年06月06日

【ニューオリンズ】路線網大幅縮小は回避

先週の話になりますが,FEMAからの資金援助が打ち切られる6月末以降
には,場合によっては路線網の大幅縮小の可能性もRTAが示唆していた
件で,連邦政府からの資金投入が予想より多額になることがわかり,RTA
では存続規模をまだ決めていないものの,「救援終了後の不安」で紹介
していたような,最悪の事態は回避される見込みです.
RTA : New Orleans Regional Transit Authority
FEMA : Federal Emergency Management Agency

RTAは,来年少なくとも1880万ドルを連邦からの支出として受取ることに
なりましたが,その金額は,利用者数などを反映して決められるらしく,
本来なら被災後の水準で算出され,この半分程度の額になるはずでした.
しかし,FTAが先週の金曜日,被災前の利用者数で計算することに決めた
のです.
FTA : Federal Transit Administration

これなら,バス25路線とストリートカー2路線を,土日も夜間も維持可能
と見られています.
New Orleans troubled transit system gets some relief
(6/03付けTimes Picayune ニュースへのリンク)
記事はThe Associated Pressのものです


なお,それとは別の話になりますが,今年のハリケーンシーズンに備え,
FEMAなどでは,RTAのバス3000台とAmtrakの列車を,緊急時の避難用に
使うことになるようです.RTAのバスドライバーが避難した際には,州兵
(National Guard)の部隊がバスを運転します.
Hurricane evacuation plan calls for buses, trains
(5/31付け Metro Magazine ニュースへのリンク)

追記 : 2006/6/24
FEMAからの補助金が,ハリケーンシーズンが終了する11/30まで延長
されることが,正式に決まったそうです.
Buses roll through summer in N.O.
New Orleans buses get extended federal subsidy (AP)
(6/23付け Times Picayune ニュースへのリンク)
上段はウェブサイト3ページに及ぶ詳細な記事,下段はAP通信による
短信です.
人口が激減したことにより,これまでRTAの運営を支えてきた売上
税が減少し,さらに被災後の運転再開時から運賃を徴収していない
ため,危機が伝えられていました.なお,運賃収受は8/06から再開
されることになります.

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2006年05月29日

【ニューオリンズ】救援終了後の不安

米国では間もなくハリケーンシーズンを迎えますが,ルイジアナ州ニュー
オリンズ(New Orleans)の公共交通機関は,新たな試練を迎えようとして
います.連邦政府(FEMA)からの補助金が,6月末で終了するのです.
バスやストリートカーを走らせるRTAでは,人員削減と,大幅な路線網の
縮小を迫られる可能性があります.
RTA : New Orleans Regional Transit Authority
FEMA : Federal Emergency Management Agency

想定される最悪のケースでは,8割のレイオフとなり,カトリーナ被災前
には1340名いた従業員が,現在は約800名ですが,連邦からの補助金が
途絶えたあとは,150名にまで減らさなければならない可能性があり,
路線網も,被災前には46のバス路線が,現在は28路線のみ復活している
ものの,それが17路線にまで減らされて,更に土日と夜間の運転も休止
ということになります.
バス路線は,セントラル ディストリクト(Central Business District),
CBDに集約されるため,レイクビュー(Lakeview)地区や,東部地区では,
全く路線バスが走らない状況になります.
路面電車(ストリートカー)は,被災後に復活した1路線だけ維持できます
が,やはり土日と夜間は運休です.現在は2路線が復活していますが,
RiverfrontかCanalか,どちらかが残るのかは言及されていません.

もっとも,RTAの責任者は,連邦からの援助がある6月末までは,運賃を
無料にしていたものが,その後は有料化により運賃収入が得られることに
なりますので,その他からの収入もあわせて,3500万ドル以上を得られる
と当てにしていて,最悪のシナリオは免れたいとしています.
この金額があれば,バス25路線とストリートカー2路線を,土日も夜間も
維持できるのだそうです.
一方,コンサルタントらは,運賃収入と,売上税やホテル税などは,3000
万ドルと見積もっています.ハリケーン被災前には9500万ドルでした.

Deep cuts to New Orleans transit system may be on the horizon
RTA prepares for big cuts in June
(5/27付け Times Picayune ニュースへのリンク)
上段は,The Associated Pressの記事で,下段のダイジェスト版です.
今回の報道の詳細は,下段のほうをご参照ください.


カトリーナ以降 ニューオリンズ 過去ログ一覧 :
2006/4/01 路面電車運行の区間延長
2006/2/01 ボストンから助っ人来る
2005/12/21 セントチャールズ線は2006年秋の再開か
2005/12/15 路面電車 2005/12/18営業再開予定
2005/12/13 路面電車 復活に向けた試運転
2005/11/16 電車復帰への道は険しそう
2005/10/06 交通機関に4700万ドル
2005/10/02 セントチャールズ線バス代行で
2005/9/05 路面電車の車庫も浸水か?

非公式路線概略図 (PNGファイル)
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2006年05月25日

【マイアミ】市電復活への道(近況)

マイアミ市のダウンタウンに,6.75マイルの南北ループと,2.89マイルの
東西ループの,2つのループ路線をもつストリートカー,マイアミ市電の
建設を目指す計画は,順調に進んでいるようです.マイアミには,1940
年台まで,路面電車が走っていました.

住民への説明会も,第2次ワークショップが6/01に市の主催により開催
されますし,6月から11月末まで地形測量も行なわれることとなり,その
業者が選定されています.測量では,予定されている9マイル超の路線の
地形や地質などの調査だけに留まらず,ユーティリティ(=電気,ガス,
水道などの,道路に沿って設置された,電柱,ガス管,水道管など)や,
排水溝なども対象になります.

9月か10月までに環境分析を終えて,正式なルートと配線なども決定し,
市の委員会(Miami City Commission)が,プロジェクト承認を検討する
ことになっているようです.

資金調達も,見通しが立っているようで,最終的な財務計画を2007年春
にまとめるために,7月にも検討されはじめることを,計画者らは期待
しています.
Transit officials to ask city for land survey for streetcars
(Miami Today ニュースへのリンク)

記事にもありますが,市民集会などで質疑応答された内容は,公式サイト
FAQのページに反映されているとのこと.以前にも紹介していますが,
内容が確かに充実しています.また,マイアミらしい懸念として,路面
電車の架線がハリケーン襲来に耐えられるかという問題もありました.
これには特効薬は示されませんが,その架線が,景観を損なわないのかと
いう問いに対しては,トロリー線のみの直接吊架式なら,カテナリ式の
ライトレールや,トロリーバスのようなワイヤーだらけになりませんし,
景観改善(landscaping)や樹冠(tree canopy)により,シングルワイヤーが
目立たなくされるという説明が,なされています.

Miami Streetcar Project
(マイアミ市 公式サイトへのリンク)
このページから,路線図やFAQのページへのリンクなどがあります.

マイアミ ストリートカー 関連過去ログ :
路面電車計画に東西線の追加 2006年3月
予算が高騰し,開業も遅れますが,重要な場所を結ぶ必要から,東西の
路線が計画に追加されています.
路面電車計画に補助金獲得へ 2006年2月
建設費を賄うためには,連邦政府から資金を得る必要があり,そのため
市の担当者は,連邦政府の役人との会談を用意しました.
ストリートカー復活へ弾み 2005年11月
米国上下両院の予算交渉委員会が,マイアミ市の計画するダウンタウンの
ストリートカー計画に,200万ドルを与えることを承認していました.
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2006年05月22日

【シャーロット】店名に「ライトレール」

2007年開業後には,Lynxと呼ばれることになるサウスカロライナ州シャー
ロット(Charlotte)のライトレール沿線に,Light Rail restaurantと,
ライトレールそのものずばりを名付けられたレストランが,先週オープン
したそうです.

これは,LRTが走るSouth Boulevardに,元々Flamingo Restaurantとして
親しまれていたファミリーレストランが,LRT工事に伴って閉店していた
ものを,新しいオーナーが工事終了後に名前を改称して営業を再開した
もののようです.メニューにも,さっそくライトレールウィング(Light
Rail Wings)(手羽先)なるものが登場しているとか.全部のメニューに
ライトレールをかぶせるわけではないものの,Light Railがお店のテーマ
だと,新店主は語っているそうです.
Flamingo changes name to Light Rail restaurant
(5/17付け The Charlotte Observer ニュースへのリンク)

以前の店名で住所を検索し,衛星画像で見てみましたが,記事にもある
ように,駅前ではなく,電停と電停の中間に位置しているようで,Lynx
開業後も,乗客の利用を目当てにしているわけではなさそうです.
Light Rail Restaurant 8045 South Boulevard Charlotte, NC 28273
(Google Maps へのリンク)
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2006年04月01日

【ニューオリンズ】路面電車運行の区間延長

3月に予定されていた,カナルストリート線(Canal Street Line)の電車
復活が,少し遅れましたが4/02からとの発表がありました.
(4/01に紹介するのは気が引けましたが,これはホントの話です)

Canal Street transit line restored
(3/31付け Times Picayuneのニュースへのリンク)
ただし,上記記事の段階では,途中でわかれてシティパーク(City Park)
へ向かう,Carrollton spurが路面電車の運行になるのは,数ヵ月後に
なることになっていました.

ところが,NORTAのサイトには,Carrollton spurの電車運転時刻も載せて
いて,カトリーナ以前のルートへ復帰するとあります.
NORTA : New Orleans Regional Transit Authority
現在公式サイトでは,トップページにアドバイザリー(Advisory)が掲示
されていますが,2006-03-31付けで4/02からのダイヤ改正詳細がまとめ
られています.
電車時刻表によれば,およそ30分に1本の割合の運転に留まりますので,
二手に分かれた先の区間では,1時間に1本程度です.そのため,平行して
走るバスの運転も残ります.電車本数が少ないのは,車両数が増えない
のに,距離が伸びるため止むを得ないことです.既に紹介している通り,
リバーフロント線と共に,カトリーナ以前にはセントチャールズ線を
走っていた深緑色の電車が走ります.この辺りの経緯は,過去ロゴを
ご参照ください.

Times Picayune紙の記事か,NORTAのサイトのどちらかが間違っている
わけですが,日付が改まって4/01付けのTimes Picayune紙の記事で解消
されました.シティパーク(City Park)へ向かう Carrollton spurも,
同時に電車運行開始となるようです.
Canal streetcar to run to City Park
(4/01付け Times Picayuneのニュースへのリンク)

3/31付けの記事では,Carrollton spurが電車運行再開から取り残される
のは,分岐地点の交差点の信号機を制御する機器を新たに購入する必要が
あることが,先週になって判明したからだそうです.
これがないと,路面電車は直進なら問題ありませんが,右左折する際は
自動車と衝突する危険性があります.そのためカスタムメイドのスイッチ
ボックスをドイツから買わなければならないそうで,FEMAの承認待ちと
いうことでした.FEMA : Federal Emergency Management Agency

4/01付けの記事によれば,その機器は間に合わないものの,交差点では
RTAの係員の手により,文字通り手信号で交通整理を行なうとあります.
これで一件落着でした.

Carrollton Avenue and Canal Street
(Windows Live Local bird's eye へのリンク)
リンク先の画像では,キャナル通り(Canal Street)の中央を走る本線と,
交差点で分岐して右側に曲がり,カロルトン街(Carrollton Avenue)の
中央を進む支線が見えるはずです.

4/01までは,カナルストリート線の電車運行は,フレンチマーケットから
クロザ通り(Crozat Street)まででした.今回の復活路線を延長できる
のは,ボストンからコンバータを借りられたことによります.

カトリーナ以降 ニューオリンズ 過去ログ一覧 :
2006/2/01 ボストンから助っ人来る
2005/12/21 セントチャールズ線は2006年秋の再開か
2005/12/15 路面電車 2005/12/18営業再開予定
2005/12/13 路面電車 復活に向けた試運転
2005/11/16 電車復帰への道は険しそう
2005/10/06 交通機関に4700万ドル
2005/10/02 セントチャールズ線バス代行で
2005/9/05 路面電車の車庫も浸水か?
暫定路線図
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2006年03月28日

【シャーロット】Lynx成功の鍵はzoning変更に

先月の話になりますが,ノースカロライナ州シャーロットで建設中のLRT
には,Lynx(リンクス,ネコ科オオヤマネコ)と名前が付きました.
Light rail will be called the Lynx
(2/23付けNews 14 Carolinaのニュースへのリンク)

シャーロットには猫が他にもいます.そもそもライトレールを運営する
事業者が"CATS"ですし,シャーロットをホームとするNBAのチーム名も
ボブキャット(Charlotte Bobcats)です.
もっとも,猫つながりでリンクスと命名したわけではないようで,実は
大衆に勝手に呼び名を付けられるよりも,先に付けておいたほうがいい
という判断からのようです.
なお,開業予定は2007年秋にずれ込んでいました.
CATS : Charlotte Area Transit System

Lynxという名称は他の分野でも広く使われているようです.ちなみに,
交通機関では,フロリダ州オーランドとその周辺で路線バスを運行して
いるCentral Florida Regional Transit Authorityが,Lynxを名乗って
いるばかりか,そちらでもライトレールの計画もあるようです.
オスロとストックホルムをX2000で結んでいた列車はLinxでした.


次のニュースは,開業を遅らせるものではありませんが,ライトレール
建設に伴い,沿線ではゾーニング(zoning)の変更が行われます.しかし,
その再考を求める地区が現れたという話題です.

ゾーニングとは,土地の利用方法を,その土地や周辺にあわせて決めて
いく建築規制ですが,その改訂が,シャーロットではLRTの成功に欠かせ
ないものと考えてられいます.駅を中心に据え,周囲に商業地区と住宅
地区をバランスよく配置するTODを行うには,ゾーニング変更がシャー
ロットでは必須とされているのです.
他の都市とは異なり,ゾーニングの改訂を行わず自然に任せたままでは,
交通機関の利用率が上がらないと,計画の責任者は語っています.
シャーロットも1938年までは路面電車が走っていました.しかし,それ
から70年近くも,軌道系の都市内公共交通機関はありません.
TOD : Transit-oriented development (公共交通指向型都市開発)

今回そのゾーニング改訂に異議を唱えたのは,Dilworth(ディルワース)
という地域です.シャーロットのダウンタウンに相当するUptownのすぐ
南に位置していて,70年前のストリートカーも線路を伸ばしていました.

問題は,住宅やショッピングセンターなどを建設するデベロッパーに,
駐車場設置を義務付けないことと,19世紀の末に開発されて,低層住宅で
構成されている地域に,建物の高さ規制がなくなることです.ただでさえ
駐車場が不足気味なので,これ以上賑わっても車を置く場所がないという
ことですが,なぜかLRTで集客という考えはないみたいです.

妥当なゾーニング変更ではないという,猛烈な市への働きかけにより,
決定は1ヶ月先送りとなり,その間に市はその変更しない場合の,周辺
地域への影響を調査することになりますが,1ヶ月という短期間で懸念が
払拭されるとは,Dilworthの住民は思っていないようです.
Dilworth light-rail dispute develops
(Charlotte Observer のニュースへのリンク)
Dilworth disputes light rail rezoning
(News 14 Carolinaのニュースへのリンク)

シャーロット ライトレール Lynx 公式サイト :
CATS / Rapid Transit Planning / South Corridor
(シャーロット市とメックレンバーグ郡の公式サイトへのリンク)

シャーロット ライトレール 関連過去ログ :
渋滞緩和策の切り札が渋滞を招く?
LRT工事本格化でトロリー運休
LRT開業まであと1年半
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2006年03月08日

【マイアミ】路面電車計画に東西線の追加

マイアミストリートカーの公聴会が,3/08に開催されます.
前回,建設コストの見積は1億3000万ドルと紹介していました.マイアミ
市の公式サイトにある"Project Update Brochure 2005"でも,2004年の
金額ながら1億3226万ドル弱となっています.

しかし,今回紹介するMiami Herald紙の記事では,2億ドルに膨れ上がる
となっています.市の公式サイトにある前述のブローシャをよく見ると,
2つのループからなる路線のうち,そのブローシャには南北のループしか
載っていません.東西のループは後から密かに追加され,それがコストを
膨らましているようです.
これまで公然のように2つのループから成ると紹介していましたし,市の
サイトに掲載の路線図でも,東西のループが記されていますが,Miami
Herald紙によれば,この公聴会が東西ループの公式発表の場になるのだ
そうです.

Public to have chance to chime in on proposed Miami streetcar
system; new spur proposed

(Miami Heraldのニュースへのリンク)

マイアミ市公式サイトにある路線図へのリンク
Miami Streetcar Project
現在,"Proposed Route, February 2006 (Subject to Change)"という
表示がありますが,前に見たときには無かったような....


東西ループの行き先には,複数の病院,メディカルリサーチセンターに,
裁判所から弁護士事務所などを抱えるCivic Center総合施設などがあり,
通勤需要が高いことが考えられ,それをストリートカー計画に盛り込む
ことになりますが,当初はトロリースタイルの循環バスが検討されていた
ようです.

記事によれば,南北ループに東西ループを加えることで,早ければ2008年
とされていた開業は,順調にいっても2010年になるそうです.
また,その運営も市営に限定せず,公私で広範囲に検討されるようです.
独立組織の創設や,通勤電車のMetrorail,バスや無料の新交通システム
(Metromover)を運行する,Miami-Dade Transitとの共同運営に加えて,
私企業へのDBOM(設計,建設,運営,保守)も選択肢に含まれます.


マイアミ ストリートカー 関連過去ログ :
路面電車計画に補助金獲得へ 2006年2月
建設費を賄うためには,連邦政府から資金を得る必要があり,そのため
市の担当者は,連邦政府の役人との会談を用意しました.
ストリートカー復活へ弾み 2005年11月
米国上下両院の予算交渉委員会が,マイアミ市の計画するダウンタウンの
ストリートカー計画に,200万ドルを与えることを承認していました.
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2006年03月02日

【タンパ】土俵際で残る路面電車

フロリダ州タンパで,2002年開業のレトロ調ストリートカー(路面電車)
を運行するHARTlineが,バスに専念したいことを理由に,運行を他に譲り
たいとしていた問題で,2/28にHARTlineと,電車のオーナーであるTampa
Historic Streetcar Inc.との間で,初の会議がありました.TECO Line
Streetcarの将来が,その場で議論されたのです.
HARTline : Hillsborough Area Regional Transit Authority
(タンパを含むヒルズボロー郡のバスなどの公共交通機関を運営する当局)
路面電車(TECO Line Streetcar System)は,HARTlineから独立している
Tampa Historic Streetcar Inc.という非営利組織が運営していますが,
実際の電車の運行はHARTlineが行っています

両者の初会議があることを報じるニュース
Streetcars: Half Full Or Empty?
(The Tampa Tribuneの2/26付けニュースへのリンク)

記事では,予測される議題として,路面電車運営の再検討,タンパ港湾
当局からの財政支援を確実にすること,路面電車の軌道とCSXの線路が
交差する地点に掛ける経費の削減,沿線の自宅所有者にも路面電車特別税
を負担してもらうかどうか,などを挙げています.
いずれも過去ログでも紹介しています.


この運営システムの再検討こそ,HARTlineが求めているものです.通勤客
対象のバス運行に集中し,観光客しか乗らないような,ノスタルジックを
売りにする路面電車の運行からは手を引きたいためです.HARTline自身が
負担するわけではありませんが,赤字も当初予想されていた以上でした.
HARTlineの理事を務める,Hillsborough郡のコミッショナー2名が,路面
電車の運行に反対しています.

現在赤字の補填には,基金(endowment)があてられています.その基金も
予定の10年間より早く,底をついてしまうのではないかとも言われていま
すが,少なくとも2009年までは持ちそうで,それまでにコンドミニアム
などの建設が進み,沿線の人口が増えて,地元客の利用も増えていくの
ではないかと期待されています.
この基金(endowment)の出所がよくわかりませんが,何でも1990年台後半
に,ダウンタウンとHarbour Islandをつなぐ橋を走っていた,ピープル
ムーバー(空港にあるような新交通システム)を,1999年に廃止する際の
協定に基づき得られている?ようです.
ピープルムーバーに関する資料は,ウェブサイト上にはほとんどないよう
で,画像も見つかっていません.判っているのは,今は跡形もなく撤去
されているということです.廃止の理由は,利用者があまりにも少なかっ
たからでした.


反対派の理事の一人は,週末だけの運転に縮小すれば,廃止ではないの
で,連邦政府からの補助金を戻さなくて済むし,赤字も圧縮できると発言
していました.路面電車支持派は,もちろんその案にも反対です.
現在利用者数の三分の二が,週末の乗車ですが,もしも週末だけの運転
になってしまうと,電車の運行が頼りないように見えて,沿線への投資が
減ると考えているからです.

さて,その結果は,実は二つにわかれています.
下記の記事では,路面電車の将来は決まらず,再び話し合いの場がもた
れるとしています.
Battle over Tampa's streetcar leaves taxpayers in the middle
(ABC Action Newsのニュースへのリンク)
これに対して,二人の理事が反対したものの,HARTlineによる運行のまま
残ると,下記の記事では報じています.
Tampa trolley troubles
(Bay News 9 Tampa Bayのニュースへのリンク)
どちらが正しいのだろうかと思案しているところに,日付が変わり次の
ニュースが舞い込み,最悪の事態は回避され現在のまま維持されることが
判明しました.
HARTline Stays In Streetcar Business
(The Tampa Tribuneのニュースへのリンク)

会議では,残り少なくなる基金以外の方法で,赤字を埋める方法の模索
や,ダウンタウンの奥深くまで走らせるため,2-3マイルの延長すべきか
どうかは結論を出せず,3月に再び会合することになったそうです.

しかし,路面電車は,新聞社には嫌われているのかと伺わせるような,
辛らつな記事もありました.
All Aboard For The Ride Of Your Wallet
(The Tampa Tribuneのニュースへのリンク)


タンパ ストリートカーの危機,過去ログ :
2006年1月 開業を早まったのかも (運行会社の拒絶)
2005年10月 3周年を迎えた路面電車の懸念 (危機の前兆)
2005年8月 沿線住民にも路面電車税を (今回議題の一つに?)
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2006年02月24日

【マイアミ】路面電車計画に補助金獲得へ

マイアミ市には,ダウンタウンに2つのループ路線からなる,ストリート
カー(路面電車)を,建設する計画があります.
来月から,住民へ向けての説明会も開催されますが,それに先立ち,今週
には連邦政府からのお役人らが,マイアミにやってくるため,連邦から
資金獲得するための,会談が用意されています.

ストリートカー計画の詳細につきましては,下記公式サイトに路線図も
ありますので,ご参照ください.
Miami Streetcar Project
(マイアミ市公式サイトへのリンク)

今回の記事では,建設コストの見積が,1億3000万ドルとなっています.
この金額には,6.75マイルの南北ループと,2.89マイルの東西ループの
軌道,道路やユーティリティ(=電気,ガス,水道などの,道路に沿って
設置された,電柱,ガス管,水道管など)の移設や改良などのコスト,
電車や保守車両,設計などに加えて,交差する鉄道線路(Florida East
Coast Railway)との信号機設置費なども,含まれているそうです.
また,年間の運営コストは,350万ドルと見積もられています.

建設費を賄うためには,連邦政府から資金を得たいところです.こちらで
何度か紹介した,"Small Starts"と呼ばれる,連邦補助金プログラムを
受けられるかどうかが,まず一つの鍵となります.このプログラムで得ら
れるのは,最大でも7500万ドルまでです.

それとは別に,1998年に発効された,Transportation Equity Act for
the 21st Century,通称TEA-21(=米国の21世紀に向けた国民輸送と交通
の公平法)に基づき,5000万ドルの獲得を目指して,Alternate Analysis
(代替分析?)と,Environmental Assessment(環境アセスメント,評価)が
行われていて,結果はこの夏に出るとのことです.
2005年に発効され,"Small Starts"を含む,同じ公平法のSAFETEA-LUに
よる補助金と,TEA-21による補助金は,重複して受けられるようです.
Miami, federal transit officials meet to discuss streetcars
(Miami Todayのニュースへのリンク)

プロジェクトの公式サイト(上記にリンクあり)には,公的機関や,地域
社会との,約半年が見込まれる調整局面に,この2月から入るだろうと
ありますので,ほぼ計画通りに,ことが進んでいるのかもしれません.

過去ログ :
ストリートカー復活へ弾み 2005年11月
米国上下両院の予算交渉委員会が,マイアミ市の計画するダウンタウンの
ストリートカー計画に,200万ドルを与えることを承認していました.

"Small Starts" 連邦補助金プログラム関連の過去ログ :
ワシントン州 【イサクワ】路面電車導入への手助け
ミネソタ州 【ミネアポリス】LRTだけでなく路面電車も再生へ
連邦予算 【FY07】交通関連は議会予算案を下回る
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2006年02月14日

【シャーロット】渋滞緩和策の切り札が渋滞を招く?

ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)では2007年夏ごろの開業を
目指し,ライトレール建設工事が現在たけなわです.今月に入ってから
ライトレールと軌道敷を共用するため,古典的な車両で運転されていた
路面電車(トロリー)が工事期間中の運休に入りました.

米国でのLRT導入は,道路の混雑緩和がその目的の一つでもありますが,
完成後のライトレールが,その意に反して渋滞を引き起こすのではないか
という懸念が持ち上がりました.

全長10マイルのシャーロットのLRTは,道路と交差する場所が20か所ほど
ありますが,そのうちLRTが高架となる立体交差化するのは4か所だけで,
残り16か所は踏切になります.
ラッシュ時には片方向だけでも4分間隔でLRTが走ると,これらの場所で
道路は渋滞するのではないかという心配です.4か所に限っては交通量が
多いためLRTが高架化されますが,全線高架では建設費が2倍にも3倍にも
膨れ上がるため,交通量の比較的少ない場所では,平面交差のままとされ
たのでした.

CATSのプロジェクトマネージャは,貨物列車に比べるとはるかに短いLRV
通過で踏切が閉まるのは,せいぜい40秒前後だとして,楽観視している
ようです.CATS : Charlotte Area Transit System

路線の南半分では,LRTは貨物鉄道(Norfolk Southern)から線路敷地を
購入し,貨物線と並走していますが,アップタウン(都心部)寄りの北側
では,これまで貨物線が走っていなかったこともあり,踏切それ自体が
自動車のドライバーにとって新しい体験になるかもしれません.
また途中には線路が一旦道路の上下(南北)車線の間に入り,また出て行く
という場所があります.南行車線では,その前後で2回も踏切を通らなけ
ればなりません.南行は都心部から郊外に向かう方向ですので,朝では
なく夕方のラッシュになりますが,この場所が渋滞のネックになるのでは
ないかと考える人もいます.

記事では危険性についても触れていて,オレゴン州ポートランドでMAX
開業後の犠牲者数が20年で18名だとか,テキサス州ダラスでは10年で7名
というような事例に加えて,遮断機を取り付けても,米国では反対側の
車線にまで遮断機を設けないため,車で反対車線に回りこんで踏切に進入
し,4人がダラスでは犠牲になっていることも伝えています.
CATSではこの反対車線を経由して踏切突破ができないよう,中央分離帯を
遮断機の手前では少し高くしたり,これまで不定期で時々しか貨物列車が
通らなかった線路を,歩行者が油断して渡らないように,貨物線とライト
レールの間にフェンスを設けるなどの対策を講じるそうです.
Fast trains expected to slow traffic
Light rail to halt vehicles on 16 streets at South Boulevard
(The Charlotte Observerのニュースへのリンク)

シャーロット ライトレール 公式サイト :
CATS / Rapid Transit Planning / South Corridor
(シャーロット市とメックレンバーグ郡の公式サイトへのリンク)

シャーロット ライトレール 関連過去ログ :
LRT工事本格化でトロリー運休
LRT開業まであと1年半
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2006年02月01日

【ニューオリンズ】ボストンから助っ人来る

世界最古の路面電車の歴史が,ハリケーン カトリーナで一時中断して
いましたが,路線網のうちの一部は昨年クリスマス前に営業運転が再開
しています.現在キャナルストリート線では南端のごく一部,ミシシッピ
川河岸からCrozat通りまでしか走れませんが,これをさらに先に伸ばす
ために必要なポータブル整流器が,埃にまみれていたボストンからニュー
オリンズに貸出しされることになり,今週末に届けられるとのニュースが
舞い込みました.

このポータブル整流器はMBTAが22年前から使っていたものの,機器更新で
使わなくなっていたものです.しかしニューオリンズのNORTA(RTA)では,
これが宝にも見えるでしょう.60フィート(18メートル強)のユニットは,
RTAが全米中を探した中で,ニューオリンズのストリートカーを走らせる
600Vに適応できる唯一のものだったそうです.
NORTA : New Orleans Regional Transit Authority
MBTA : Massachusetts Bay Transportation Authority
(MBTAは地元ボストンで"T"と呼ばれています)

トレーラーに積まれた3個のコンバータは,途中バージニアで修理を受け
たあとニューオリンズには金曜にも到着しますが,これを使ってRTAでは
マルディグラの始まる2/28までに,再開区間の延長を図るようです.
このコンバータはマサチューセッツ州がニューオリンズに1年間無償で
貸出しするもので,その輸送費はMBTAが一旦立て替えているようですが,
RTAでは連邦政府に請求して返済する計画だそうです.
T loaner to power Big Easy's trolleys
(Boston Globeのニュースへのリンク)

昨年クリスマス前の営業再開にまつわる過去ログ :
路面電車 復活に向けた試運転
路面電車 12/18営業再開予定
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2006年01月17日

【タンパ】開業を早まったのかも

2002年に開業したフロリダ州タンパの路面電車が,9月以降運転できなく
なるかもしれません.
先週HARTlineの理事会席上で,一部から路面電車の運行請負いを止めたら
どうかという声があがったのです.理事会には路面電車開業前から電車に
賛成しない人たちがいて,バスだけにしようということのようです.
HARTline : Hillsborough Area Regional Transit Authority
(タンパを含むヒルズボロー郡のバスなどの公共交通機関を運営する当局)

路面電車(TECO Line Streetcar System)は,HARTlineから独立している
Tampa Historic Streetcar Inc.という非営利組織が運営していますが,
実際の電車の運行はHARTlineが行っています
HARTlineはすぐに路面電車運転から撤退しないものの,これまで契約更新
時に,自動的にHARTlineによるオペレーションが約束されていたものを,
入札制度を通じることにして,Tampa Historic Streetcarが運行者探しの
責任を負う形にしました.次の契約更改は9月で,一応HARTlineでは応札
するようですが,もしも担い手が見つからなければ,事実上の営業停止に
追い込まれてしまいます.

参考報道
Hillsborough Bus System Might Dump Tampa Trolley
(Tampa Tribuneの1/10付けニュースへのリンク)
Do We Own A Streetcar Named Expire?
(Tampa Tribuneの1/13付けコラムへのリンク)
Streetcar may have to find new operator
Some on HARTline's board prefer someone else run the streetcar
that carries few city and county residents.
(St. Petersburg Timesの1/16付けニュースへのリンク)

当初の報道ではよく判らないことが多かったため,紹介を控えていました
が,St. Petersburg Timesの記事は大変詳しく,参考になる数字も掲載
されています.

HARTlineの代わりに,興味を持つ民間企業に委託する手もありますが,
公共鉄道事業は儲かりません.APTAのデータとして,収入のうち旅客運賃
収入が占める割合は,米国では平均27%という数字を示しています.
タンパでは2003年10月から2004年9月までのFY2004のデータで調べると,
収入187万ドル弱のうち運賃収入は約24%の45万ドル弱で平均以下でした.
APTA : American Public Transportation Association
FY2004 (公式サイトのPDFファイルへのリンク)

Tampa Historic Streetcarは路面電車の運転経費として,HARTlineには
1時間あたり$108,年間では158万ドルを支払っています.加えて赤字に
ならないよう,Tampa Historic Streetcarでは補助金のない代わりに企業
等からの寄付金による基金があり,これを取り崩して補填しています.
このためHARTlineは路面電車関連ではの収支トントンなのです.
しかしHARTlineは解雇した電車運転手から訴えられて和解したことや,
この他にも問題があり,路面電車が政治的に重荷(political liability)
だと言います.

また客層にも問題があるかもしれません.
利用客の三分の二が観光客で,地元の利用が少ないのです.これは沿線
住民が少ないことや,路線が短すぎて必要なところに行かないなどの理由
があるようです.現在コンドミニアムなどが建設中で,数年後には沿線
人口も多くなるかもしれません.それまで営業を休止したらどうかという
意見まであります.

過去ログ
10月 3周年を迎えた路面電車の懸念 (危機の前兆)
8月 沿線住民にも路面電車税を (結局見送られた?)
8月 路面電車に落雷
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2005年12月21日

【ニューオリンズ】セントチャールズ線は来秋再開か

深い緑色の路面電車が,カナル通りに帰ってきて数日が経ちますが,次の
ステップの情報が入ってきました.
車両は無事だったものの,架線などをハリケーン カトリーナ(Hurricane
Katrina)に破壊されたセントチャールズ線(St. Charles Avenue line)の
復旧工事が,来年1/09から開始される予定です.1100万ドルを掛けて,
カトリーナで被災しなければ9月から開始されるはずだった,架線やその
他の電力関係の設備のオーバーホールを兼ねて行なわれるそうです.

オーバーホールが必要だったのは,この路線へ600Vを供給する変電所が
1940年代のものという古さであったことと,3ヶ所ある変電所が,どれも
路線の中ほどに集まっていたため,今回全て被災してしまったのですが,
これを2つは路線の両端に分散させるなどの必要があったのです.もしも
被災前に変電所を分散していれば,早い機会に末端での再開が可能だと
いうことのようです.

復旧工事によりRTAでは,カナル通り(Canal street)から,CBD(Central
Business District)内の1.5マイルを,早ければ2006年10月か,遅くとも
同年12月までに暫定再開させたいとしています.ただしこの日程は万事
うまく運んだ場合のスケジュールで,再びハリケーンの襲来があったり,
工事中に何らかの問題があれば話は別です.
RTA (NORTA) : New Orleans Regional Transit Authority

Rebirth in works along St. Charles
But streetcars won't rumble until at least next fall
(Times-Picayuneのニュースへのリンク)
この記事によれば,カナル通りから,リーサークル(Lee Circle)の少し先
Calliope streetまでが,セントチャールズ線の暫定区間になるよう
です.RTAは全線の運転再開時期については言及しませんでした.工事を
請け負う Boh Bros Construction Co., L.L.C.からの情報が求められる
ところです.

費用は一部保険で賄われるほか,FEMA(Federal Emergency Management
Agency)(=連邦緊急事態管理庁)が,足りない分を補うのでしょう.一方
カトリーナ前に予定されていたオーバーホールでは,FTA(Federal
Transit Administration)(=連邦交通局)が補助金を出していました.

なお一部で運転が再開されたキャナルストリート線(Canal Street line)
と,全線再開のリバーフロント線(Riverfront Line)の車両修繕は,連邦
政府からの援助を7000万ドルまで使えることになったそうです.
$70 million available for streetcar repairs
(Times-Picayuneの12/18付けニュースへのリンク)


12月15日 路面電車 12/18営業再開予定
12月13日 路面電車 復活に向けた試運転
11月16日 電車復帰への道は険しそう
10月06日 交通機関に4700万ドル
10月02日 セントチャールズ線バス代行で
9月05日 路面電車の車庫も浸水か?
8月29日 ハリケーン・カトリーナ 襲来 (ウィキペディア)
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2005年12月17日

【アトランタ】車社会で生き延びていくために

人口約470万人を擁し,28ものカウンティ(郡)からなるアトランタ都市圏
(Metro Atlanta)で,公共交通機関を担う6事業者が,運輸計画理事会
(Transit Planning Board)を共同で新設する運びになりました.車社会の
アトランタとその周辺で,各事業者が生き延びていくための結成です.

アトランタ都市圏では,長らくMARTAだけが公共交通機関を運営してきま
した.アトランタ市を含む2つの郡内に限られますが,高速電車とバスを
運行しています.
MARTA : Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority
しかし近年になると,アトランタ市外の周辺地域の人口が急増し,他の
幾つかの郡でもバス運行を始めるようになります.(下記の事業者)
Cobb Community Transit
Gwinnett County Transit
C-TRAN など
また11の郡とGRTAが共同で運行する Xpressというバスもあります.
GRTA : Georgia Regional Transportation Authority

ところがこれらはいずれも財政危機に直面しており,MARTAはそれまで
蓄えていた予備金を2009年までに使い果たしてしまいますし,新設のバス
事業者は,連邦政府からの開業資金をあと2年で打ち切られます.

こうした状況の中でこの組織は,各事業者の計画を立案する機能をコー
ディネイトし,州や地域自治体からより多くの財政援助を獲得することを
目的としています.個々の事業者では自前のエリアだけの整備にとらわれ
成し得ない地域交通網の構築を,新組織で十分な資金を元に行うべきと
ARC委員長は語っているようです.
ARC : Atlanta Regional Commission

また今後2年間に,共通運賃の導入や各事業者の重複路線の削減,案内
電話番号や公式ウェブサイトの共通化などが考えられているほか,2年後
には現行のシステムのみならず,構想段階のプロジェクト,こちらでも
紹介しているベルトライン(Beltline)のLRT構想や,ピーチツリースト
リートの路面電車
(Atlanta streetcar)などをも,法的な強制力を持って
監視できる地域の公的機関を設立していきます.
New regional transit board approved
(Atlanta Business Chronicleのニュースへのリンク)
Officials endorse new transit planning board
(Atlanta Journal-Constitutionのニュースへのリンク)
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2005年12月16日

【シャーロット】LRT工事本格化でトロリー運休

ヴィンテージトロリー(旧型車両の路面電車)を運行しているノースカロ
ライナ州のシャーロット(Charlotte)は,来年2月から路面電車の運行を
一年間休止することを発表しました.
これは2007年に開業を予定しているLRT(ライトレール)関連の工事の関係
です.現在は単線になっている区間を複線化するほか,橋の拡張とあり
ますので,恐らくフリーウェイに架かる橋を広げる工事なのでしょう.

2004年6月より電化された本格的な運行を開始していたCharlotte Trolley
は,同名の非営利組織とシャーロット市の当局(CATS)により運営されて
います.わずか2マイルほどの距離ですが,昨年CATSが運営するように
なった際の見込みの,倍以上となる年間26万4千人を輸送しています.

シャーロットの中心部を縦貫していて,主に週末の観光客や,コンベン
ション参加者などが主な利用客ですが,学校が引率する児童の利用も
多く,全体の25%を占めているのが特徴かもしれません.
ちなみにシャーロットの中心部は,ダウンタウンではなくアップタウン
(Uptown)と呼ばれています.
CATS : Charlotte Area Transit System

運休に伴いシャトルバスが運転されることになっていて,通勤にも若干
使われていることもあり,利用者に対する説明会も行なわれます.しかし
商売上トロリーの恩恵を受けていた人たちにとっては,頭痛の種です.
Trolley to shut down for a year
(News 14 Charlotteのニュースへのリンク)

Volunteers to stay busy with trolley idled

They'll revive bid to build museum, work on vintage vehicles
(Charlotte Observerのニュースへのリンク)

Observerの記事では,路面電車の博物館建設をCharlotte Trolley Inc.が
再申請したことも報じられています.

トロリーはLRT開業後も運転されると思いますが,一方でこんな記事も
ありました.それによればサウスエンド地区では,住民らがトロリーの
運休と,それに取って代わるLRTの説明を受けるようです.
South End Neighbors Discuss Community Issues
(WSOCtv.comのニュースへのリンク)
サウスエンド(South End)地区は,LRTの走る予定で現在工事中の,サウス
大通り(South Boulevard)が通り,現在はシャーロットトロリーの終点に
もなっています.
Charlotte Trolley Map (路線図)
(シャーロットトロリー公式サイトへのリンク)

なお肝心のライトレールは,今年8月の段階でLRT開業まであと1年半
紹介していましたが,当初2007年4月に開業予定が,予算の超過を抑える
ため,工期を延長して8月以降の開業にずれこんでいます.
Light rail setback means more delays
(News 14 Charlotteの11/29付けニュースへのリンク)

建設中のLRT公式サイト (CATS公式サイトへのリンク)
CATS / Rapid Transit Planning / South Corridor
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2005年12月15日

【ニューオリンズ】路面電車 12/18営業再開予定

ハリケーン カトリーナ(Hurricane Katrina)の襲来後,初の運転となった
月曜の試運転の翌日に行われたスタッフのミーティングで,RTAは今度の
日曜からの仮営業再開を決めました.当初はクリスマスイブまでの再開
でしたから,一週間近く繰上げたことになります.
READY TO ROLL (Streetcars will return to N.O. on Sunday)
(Times Picayuneのニュースへのリンク)
RTA (NORTA) : New Orleans Regional Transit Authority

セントチャールズ アベニュー線(St. Charles Avenue line)車両*の35両
のうち8両を使って,キャナルストリート線(Canal Street line)の一部と
リバーフロント線(Riverfront Line)の全線で営業を再開します.
* Perley A. Thomas Streetcar

リバーフロント線
French MarketからConvention Centerまでの全線
キャナルストリート線
French MarketからCrozat Streetまで
Google Localによる位置確認

どちらも3月までは無料で開放されることになっています.なお両線とも
朝から夜までの運転に留まり,被災前にキャナルストリート線の一部で
行われていた24時間(終夜)運転は行われません.

各線とも3両ずつが運用に就き,残る2両は予備車になります.
フレンチマーケット電停からカナル通りの分岐まで,両線とも同じ線路を
走ることになるのは,被災前と同じです.
上記記事では,ハイブリッド キャナルストリート/リバーフロント線と
記されていますが,RTAのサイトにアップロードされている被災前の路線
図で確認する限り,キャナルストリート線のうちシティーパーク行の45
系統(Route 45)は,リバーフロント線をフレンチマーケットまで走って
いました.もう一方の墓地行の42系統(Route 42)はカナル通りの南端で
折返ししていたようです.

この区間では車庫がありませんが,側線などがあるようですので,そこに
留置でしょうか.

この営業再開は,日本でも映像付きで報じられるかもしれません.
日本時間 月曜日の海外ニュースは要チェックですね.

キャナルストリート線が,なぜ部分再開に留まるのか,セントチャールズ
線はどうなっているのかなどは,先日詳細を紹介していますので,ここ
では割愛します.【ニューオリンズ】路面電車 復活に向けた試運転
ご参照ください.これまでの経緯についてのリンクもあります.
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2005年12月13日

【ニューオリンズ】路面電車 復活に向けた試運転

ハリケーン カトリーナ(Hurricane Katrina)で被災して以来,初めてと
なるストリートカーの運転が,試運転ながら月曜日に行われました.

ニューオリンズでは,車両は無事でも軌道が損害を受けているセント
チャールズ線(St. Charles Avenue line)があり,もう一方で軌道は無事
でも車両が損害を受けているキャナルストリート線(Canal Street line)と
リバーフロント線(Riverfront Line)がありました.
(電車復帰への道は険しそう でNY Times紙の記事を紹介)

しかしRTAではこれを逆手にとって,セントチャールズ線の車両を使って,
キャナルストリート線を限定的に運転再開させようと目論んだのです.
1960年代後半,旧キャナルストリート線がバスに取って代わられるまでは
珍しくもなかった光景が,40年の空白をおいて復活するとも言えます.
RTA (NORTA) : New Orleans Regional Transit Authority

そのための試運転が月曜日に行われたのですが,先週の段階でAPによる
報道もあり,地元だけに留まらず注目を集めていました.
Streetcars may roll again on some New Orleans lines
(Times Picayuneの12/09付けニュースへのリンク)

月曜日の試運転の様子は,当日夕方から再びAPにより報じられたほか,
その翌日にも詳細な報道がありました.地元の期待がうかがえます.
Historic streetcars tested on Canal line
Service may return by Christmas Eve

(Times Picayuneの12/13付けのニュースへのリンク)
N.Y. Times editorial adds to N.O. debate
(2theadvocate.comのニュースへのリンク)
Tests to determine when streetcar traffic resumes in New Orleans
(Times Picayuneの12/12付けのニュース(AP)へのリンク)
Streetcars could be running on Canal Street soon after successful test
(地元テレビ局WWLのニュースへのリンク)
画像はこちらのブログに豊富にあります.抜擢された930号車が,簡単な
クリスマス向けの飾りをつけている様子がわかります.
Canal Street Line Test
930 on Canal - Video
(All about the streetcars of New Orleansのブログへのリンク)

セントチャールズ線の路面電車を,キャナルストリート線の車庫に運ぶ
のも,セントチャールズ線を通すわけにもいかず,自前の牽引車両も被災
して失っていたため,大変な作業だったようです.結局はトラックに牽引
させて道路で移動したようですが,車庫を出たとたんに連結部が故障し,
二台目に交換した上でたどりついたとのこと.
またキャナルストリート線は被災程度は低かったものの,軌道上には被災
後の破片などが散乱していたため,RTAでは一週間前から除去作業を行っ
ていました.それでも一度は泥にはまってしまったようです.
更にダウンタウン近くでは,警察の先導が必要でした.長らく路面電車が
走っていなかったため,軌道上には駐車車両などがあったのです.

月曜日の試運転は成功しました.しかし営業運転再開に向けて,まだまだ
試運転の回数をこなす必要があります.また十分な電力を確保できるか
どうかという問題もあり,それを見極めなければなりません.
仮の営業再開は,キャナルストリート線のごく一部(南端部)と,リバー
フロント線全線の僅か1.5マイル程で,クリスマスイブまでの営業再開を
目指しています.市民の足としてはほど遠い規模ですが,何といっても
ニューオリンズ復興のシンボルにしたいのでしょう.
RTAの幹部によれば,ストリートカーは無料開放になりそうです.

キャナルストリート線が南端部のごく一部(ミシシッピ川河岸からCrozat
まで)の再開に限られるのは,架線に電気を供給する整流器が損害を受け
ているからです.全線での再開は,米国の他の鉄道から調達するらしい
整流器の入手から設置,稼動まで,まだまだ時間が掛かるとのコメントが
ありました.

しかしもう一つ,もしかしたら厄介な問題になるかもしれないことがあり
ます.それはセントチャールズ線のパーレイ トーマス車(Perley Thomas
Streetcar)は,米国の歴史的建造物に指定されていて,勝手に移動でき
ないのです.この許可を関係組織に求めなければなりません.

実は車両をスワップする案と,この歴史的建造物指定の件は,11月の段階
で,上記のブログで紹介されていました.
The 900s on Canal - Dangerous Precedent...
(All about the streetcars of New Orleansのブログへのリンク)

1920年代に建造された件の車両(Perley A. Thomas streetcar)は,1964年
にカナル通りから現在のセントチャールズ線に移ってきましたが,セント
チャールズ線そのものと共にNational Register of Historic Places
指定されています.(データベースの検索結果は次の通り)
RESOURCE NAME : St. Charles Streetcar Line
ADDRESS : St. Charles Ave. route from downtown to Carrollton
LISTED : 1973-05-23

登録されたものは,保存方法が他にあり得ない場合に限り移動が許される
ようです.また移動させる場合には,現状を損なわないようにあらゆる
措置が施されなければなりません.セントチャールズ線の900番台の車両
を他の線区で運用できるかどうか,この条項があることでブログは懸念を
示していました.


上記WWLのサイトによれば,キャナルストリート線とリバーフロント線の
車両は,損傷状況を見極めるために製造元でもあるペンシルベニア州の
会社(Brookville Equipment Corporation)に送られているようです.

これまでの経緯 (逆時系列順)
電車復帰への道は険しそう
交通機関に4700万ドル
セントチャールズ線バス代行で
路面電車の車庫も浸水か?


セントチャールズ線の架線修復に関しては,未だ目途が立っていません.
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2005年12月02日

【ノーフォーク】NSの廃線跡用地をLRT用に購入

ヴァージニア州ノーフォーク市は,米国海軍の基地があることでも知られて
いますが,ワシントンDCから約250キロ南に位置し,2000年の段階で周辺
都市を含めた人口が156万人になる都市圏を形成しています.

そこでもライトレール計画が進行中で,最新の情報ではノーフォーク市が
Norfolk Southern Railway(NS)から5マイルほどの使用されなくなっていた
貨物線跡を購入したところまで進展したそうです.もちろんそこにLRTが
走ることになっていて,その部分を含む第一期区間の7.5マイルは,ノー
フォークのダウンタウンから東に伸びる予定です.
Hampton Roads Transit LRT Home
(公式サイトへのリンク)

この10月には長年待ち望んでいたFTAからの計画承認(endorsement)を得て
おり,NSからの線路用地購入は,FTAから最終的な認可(approval)をもらう
ための最終条件の一つになっていました.
FTA : Federal Transit Administration

購入価格は500万ドルに加え,NS本社に隣接する市営の駐車場を割安料金で
提供することも含まれているもようで,あわせると760万ドル相当です.
過去には今回よりも長い距離でのNSとの交渉で苦い経験があっただけに,
区間を分割して交渉にあたり,FTAに申請した予算内で用地を獲得できた
ことは,LRT実現の大きなステップとなるでしょう.

ちなみにFTAが求めていたのは,NSからの線路用地購入のほかに,市内の
駐車スペースを制限する方針を,ノーフォーク市に取らせるということも
ありました.これは少しでも公共交通機関の利用を促進できるようにとの
ことで,ダウンタウンのビジネス街で,事務所面積の平方フィートごとの
割合で制限台数が決まるようです.

FTAの承認を得た時と,今回NSからの購入が決まったことを報じるサイト
Deal reached for light rail segment in Norfolk (12/02)
An inch closer for light rail (10/21)
Light-rail line gets push forward in Norfolk (10/19)
(Virginian Pilotのニュースへのリンク)

早ければ2ヶ月以内に最終的な認可をFTAから得て2007年に着工,2009年の
開業を目指しますが,建設費の半分は連邦からの資金で賄われます.
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2005年11月23日

【アトランタ】ピーチツリーストリートに電車を

ジョージア州アトランタの目抜き通りピーチツリーストリート(Peachtree
Street)を行き交う路面電車が,いよいよ数年後にはお目見え(復活)する
ことになるかもしれません.

二年前に設立された非営利団体のAtlanta Streetcar, Inc.(ASC)が路面電車
の導入を勧め,今その次のステップへ進もうとしています.
2002年よりその座に就いているShirley Franklin市長が,今週の月曜日に
新たな特別委員会(タスクフォース)を指名しました.都市再生計画に精通
するデベロッパー二人が中心になっています.この委員会が今後ASCの
あとを継ぐことになりました.
これにより市長の二期目の最終年(2010年)までには,同市をほぼ南北に貫く
ピーチツリーストリート上を,南は同市のダウンタウンから北はバック
ヘッド(Buckhead)まで12マイルほど走り,地下鉄のMARTAや,やはり
構想中のLRTベルトライン(Beltline Transit)とも接続する路線が走っている
可能性が高まりました.その他ASCが推奨したダウンタウンを循環する路面
電車も走っているでしょう.
MARTA : Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority

これらは観光客に人気の場所を巡ることにもなり,観光客にとってもより
魅力的な都市になることを目指しています.

非営利団体から,市長やタスクフォースに名を連ねるビジネスリーダーが
先導するようになり,具体的な話はまだなもののアトランタのストリート
カー復活は,より現実味を帯びてきたことにはなりますが,建設コストが
3億3500万ドル,年間の維持費は2300万ドルに及ぶ資金をどう調達するか,
これが最大の課題で市長もそれを認めています.
これまで連邦からの基金からホテル税やレンタカー税などによる観光客
負担まで,多岐にわたり検討されていますが,恐らく住民への課税はなく,
沿線の企業に負担を求めていくことになりそうです.

連日にわたり報道された記事
Franklin unveils big plans for Peachtree corridor
(Atlanta Journal Constitutionのニュースへのリンク)
Streetcar could be built in 3 to 4 years
(Atlanta Business Chronicleのニュースへのリンク)
Streetcars in Atlanta's Future?
(WXIA-TVのニュースへのリンク)
Mayor takes wheel of trolley project
(Atlanta Journal Constitutionのニュースへのリンク)
Mayor to take over Atlanta streetcar project (AP)
(Macon Telegraphのニュースへのリンク)
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2005年11月19日

【マイアミ】ストリートカー復活へ弾み

米国上下両院の予算交渉委員会が,マイアミ市の計画するダウンタウンの
ストリートカー計画向けとして,マイアミ市に200万ドルを与えることを
承認するニュースがありました.
Miami may get $2M for streetcars
(South Florida Business Journalのニュースへのリンク)

マイアミ市は,ダウンタウンの主な場所を南北に結ぶ路面電車(ストリート
カー)路線を計画しています.予算次第で距離は前後するようですが,
とりあえず10キロ弱になる見込みです.下記サイトのProposed Routeが
路線図を含んだページになっています.
Miami Streetcar Project
(マイアミ市の公式サイトへのリンク)

Frequently Asked Questionsのページには,何故バスではなく路面電車が
必要になるのかが記されています.
それによれば,ダウンタウン内の交通需要が高まるなか,専用線が必要な
鉄道の路線拡張には限度があること,自動車以外の交通機関を整備したい
ことから,併用軌道を走る路面電車が選択されたとしており,バス増車で
対応しない理由としては,路面電車は一台でバス数台分の輸送力があり,
運行維持費がバスより安くなることと,路面電車はバスより人を惹きつける
ことを挙げています.
後者は路面電車が便利で,快適で,魅力的で,頼もしさがあることから,
バスに乗らない人でも路面電車には乗り,公共交通機関の利用者数が増えた
と,米国他都市の例が示していることを紹介していました.

マイアミのダウンタウンに路面電車が復活すれば,1940年台以来のことに
なります.

なおマイアミにはこれとは別にライトレールの計画があります.
マイアミ-デイド郡がすすめるBayLink計画です.こちらはマイアミ市と,
Biscayne湾を隔てたマイアミビーチ市(Miami Beach)を結ぶものです.
Rail Projects - Bay Link (Miami Beach Extension)
(マイアミ デイド郡の公式サイトへのリンク)
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2005年11月16日

【ニューオリンズ】電車復帰への道は険しそう

ハリケーン カトリーナ(Hurricane Katrina)で被災した,ニューオリンズの
ストリートカーの現状が明らかになってきました.

やはりキャナル ストリート ライン(Canal Street line)の24両は,ハリ
ケーン襲来前に車庫に戻ったものの,その後の二週間に及ぶ浸水で,車輪と
モータが腐食してしまったそうです.リバーフロント ライン(Riverfront
Line)の7両のうち6両も同じくです.一方セントチャールズ アベニュー
ライン(St. Charles Avenue line)の35両は,車庫が浸水しなかったので
無事ですが,架線がずたずたの状態です.

浸水被害の車両の修繕には,一両につき100万ドル掛かるとか.これだけ
でも3千万ドルになりますが,NORTAでは連邦政府からの補助金をあてに
しています.セントチャールズアベニューラインの復旧には架線の修復が
必要ですが,まだまだ電気が通じていない家も多い中,路面電車の架線
復旧作業は優先事項ではありません.
NORTA : New Orleans Regional Transit Authority
NORTAのサイトでは,カトリーナ以前の路線図を再掲するようになりました.

厳しいタイトルのニューヨークタイムス紙
The Streetcars Don't Run Here Anymore
(New York Timesのニュースへのリンク)

NYタイムス紙の記事で知りましたが,このサイトはカトリーナ後も更新を
再開していました.かなり情報が豊富です.11月分は現状ではないと
思いますが,10月分ではセントチャールズアベニューのカトリーナ後の
様子などが写真入りで掲載されています.
All about the streetcars of New Orleans
October 2005 (October 26, 2005 St. Charles Avenue)
(seashell softwareのブログへのリンク)

このブログでの過去ログ
【フィラデルフィア】9/04からPCCカー復活 後半の一部のみ(8/30付け)
【ニューオリンズ】路面電車の車庫も浸水か? (9/05付け)
【ニューオリンズ】セントチャールズ線バス代行で (10/02付け)
【ニューオリンズ】交通機関に4700万ドル (10/06付け)
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2005年10月16日

【タンパ】3周年を迎えた路面電車の懸念

この週末は開業3周年記念ということで,路面電車が5セントで乗り放題
だったようです.
RIDE THE STREETCAR FOR JUST 5¢ October 15th
(Tampa's Downtownのサイトへのリンク)

HARTlineの理事会は,ストリートカー(TECO Line Streetcar System)向けの
2006年分の予算,250万ドルを僅差で先週承認しました.
HARTline : Hillsborough Area Regional Transit Authority
(タンパを含むヒルズボロー郡のバスなどの公共交通機関を運営する当局)

しかし路面電車(ストリートカー)の財政的な頭痛の種はまだ残っています.
その財政事情の問題とは,予算の半分が連邦政府や市の基金からの払戻しに
依存していることで,今は520万ドルある基金も,長期の利子所得を生む
ための寄付と意図されており,その見返りも当初は8%と計画されていました
が,現在は2%以下になっていることです.

さらに心配事は他にもあります.現在得ているタンパ港湾局(Tampa Port
Authority)からの15万ドルの寄付金を2007年以降も得られるかどうかや,
計画時に見積もられた不動産税からの収入と利用者の増加が,果たして
思惑通りに今後いくかどうかなどです.タンパ市は路面電車が予算不足でも
救済はできず,HARTlineに任せるしかないという話もありました.

TECO Line Streetcarの路面電車は,HARTlineから独立している Tampa
Historic Streetcar Inc.という非営利組織が運営しています.実際の電車の
運行はHARTlineが行っていますが,運行だけではなく経営もHARTlineか,
タンパ市当局にすることも検討されているようです.

HARTlineでは,今日明日の問題ではないものの,財政危機は確実にやって
くると認識しています.

HARTline OKs Streetcar Budget, But Concerns Persist
(Tampa Tribuneのニュースへのリンク)

今後の状況次第では,沿線の商業向け土地の所有者だけでなく,住宅地と
して土地を所有している人や,沿線住民にも路面電車税を課税しなければ
ならないのかもしれません.

2003年10月から2004年9月までのFY2004データ
* 乗車人数は42万6千人弱で,うち土曜日が約33%,一日平均1184人.
* 収入 187万ドル弱,支出 259万ドル弱,差し引き72万ドル弱の赤字
* 収入では運賃収入は45万ドル弱と,予算の40万ドルを上回ったものの,
16万6千ドル見込んでいたFund Balanceがゼロ.
* 支出は予算では30万ドルだったCSX Crossingが87万ドル強に.

これは途中にあるCSX(貨物鉄道)との交差部分があり,ここでの障害が路面
電車の運休や遅れの原因にもなっています.CSX線も路面電車も通行量が
多いこともあり,安全確保も大変ですが,CSXへの保険の支払が支出増の
どうも一因になったようです.
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2005年10月06日

【ニューオリンズ】交通機関に4700万ドル

米国連邦運輸省のミネタ長官が,ニューオリンズとバトンルージュ(Baton
Rouge)の両都市の交通機関(ニューオリンズ RTA,バトンルージュ CATS)に,
交通網の復興(RTA)と拡大(CATS)のために,4700万ドルの緊急資金を提供する
ことを発表しました.
U.S. Transportation Secretary Mineta Announces $47 Million to Restore
and Expand Transit Services in New Orleans and Baton Rouge

(U.S. Department of Transportationのニュースリリースへのリンク)

RTA : New Orleans Regional Transit Authority
CATS : Baton Rouge Capital Area Transit System

ニューオリンズでは被災地域に戻った市民のためのバス輸送に,一方州都の
バトンルージュでは避難のため人口が倍増しているのに,バスが対応でき
なくなっているのを改善するために資金が使われます.先日ネーギン(Nagin)
市長が申し入れていたライトレール(LRT)や,ニューオリンズの路面電車に
関しては,何も触れられていません.路面電車に関しては,生活路線の12番
セントチャールズ線がバス代行ながらも真っ先に復活していますが,残りは
被害が甚大なのかもしれませんし,リバーフロント線のような観光路線は
後回しになるのでしょう.

RTAのウェブサイトには,先日は連絡先がトレーラーになっていましたが,
今は特にその記載がなくなっています.ただし郵便の宛先やGMの居場所は
バトンルージュになっています.またバス路線の復活が増えて8路線になって
います.

そのRTAのサイトのForumで紹介されていたリンク先に,被災後と思われる
キャナルストリート線(Canal Street Line)車両の画像がありました.
Canal Streetcars Drying Out
見た目には問題なさそうに見えますが,日本でも報じられたネーギン市長が
市職員を一時解雇したことを伝えるニュースサイトには,路面電車側面に
掲げられた市長自身の広告に,水面の跡が残っているとして,囲み記事の
扱いで画像を紹介しています.
Nagin Lays Off 3,000 City Workers
(ABC Newsのニュースへのリンク)
その水面の跡というのがよく判りませんが,広告の高さまで水に浸かって
いたのなら,時間と金がかかりそうです.

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2005年10月02日

【ニューオリンズ】セントチャールズ線バス代行で

RTAのサイトを見てみました.連絡先がトレーラーになっていたり,Useful
Linksに,FEMA(Federal Emergency Management Agency)があったりします.
そして中央に一際目立つように,4つの路線での運転再開を告げていました.

ハリケーンカトリーナ(Katrina)の被害を受ける前にはストリートカー(路面
電車)で運転されていた12系統,セントチャールズ(St. Charles)線も,その
4路線の中に含まれています.路線は以前と同じようですが,タイトルの通り
当分の間は電車ではなくバスでの代行運転で,朝8時から夕方6時までです.
RTA : New Orleans Regional Transit Authority

ニューオリンズの住民の中には,ルイジアナ州の州都バトンルージュ(Baton
Rouge)へ避難している人も多いと聞きます.そのためバトンルージュでは
人口が倍増し,当地のCATS(Capital Area Transit System)によるバスの運行
も大変なようです.ニューオリンズのRTAのバスを移動して,救援するような
話もありました.実際にどうなっているかはわかりません.

またニューオリンズの市長がホワイトハウスに要求した内容の一つに,州都
バトンルージュまでのライトレール建設計画もありました.途中空港を経由
して全長80マイル(128km)にも及ぶものです.いざという時には避難手段と
しても使われるのでしょう.

容易ではないのでしょうけど,少しずつ復興への道を歩みだしたようです.
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2005年09月21日

【アトランタ】ベルトライン構想ほか

ジョージア州アトランタは,市としては人口42万5千人ですが,周辺地域を
含めた都市圏全域ではその十倍の471万人近くの人口を擁し,全米でも9位に
位置づけられている大都市です.
地下鉄が十字型に整備されており,1979年には東西を結ぶ路線が先に開業,
2年後は南北を結ぶ路線も開業しました.現在の路線長は79.2kmです.
MARTA (公式サイトの地図へのリンク)
MARTA : Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority
この地下鉄は第三軌条方式で路線は地下か高架を走り,一部に日立製車両が
導入されています.また開業当初からの車両は,現在ALSTOMが2007年までに
順次修繕を行なっています.
アトランタは人口が急増していますが,この地下鉄は残念ながら利用者数が
伸び悩んでおり,1985年をピークにオリンピックが開催された年を除き微減
傾向にあります.地下鉄駅周辺の開発が一段落してしまい,他の地域に人口
が流入しているのでしょうか.道路の渋滞は激しい都市です.

前置きが長くなりましたが,この停滞気味の地下鉄とは別に,都心から2〜4
マイル(3.2〜6.4km)離れたところを,ぐるりと囲む全周35kmの貨物線や線路
用地がアトランタにはあります.そしてそれを将来LRTか鉄道に転用しようと
いう計画が,ベルトライン(Beltline Transit)と呼ばれる構想です.
アトランタの周辺45の町を結ぶこのベルトラインの半マイル(800m)の範囲内
には,すでに10万人が住んでいるとされ,今後25年間に15万人が新たな住民
として加わるとみられています.ベルトラインは交通手段だけではなく,
緑地やトレイルを設けたり,地域の開発や改善の場を提供することになって
います.BeltLine concept Map (公式サイトの地図へのリンク)

このベルトラインのうちの一部,Norfolk Southern Railway Company(NS)の
線路を買い取ったWayne Mason氏が,このたび交通の専門家を雇い入れ,自分
が所有する区間に導入する交通機関の候補を絞り込む調査を開始しました.
Transit experts will explore Beltline options
(Atlanta Journal-Constitutionのニュースへのリンク)
Mason氏が所有するNS部分は,ベルトラインの北東部分,高速I-85号線から
MARTAの東西線までになります.途中には公園やショッピングモールの他,
元大統領ゆかりのカーターセンター(Carter Center)があります.

ベルトライン開発はアトランタ都心部を改造する市の計画の一部でもあり,
市議会はTAD(Tax Allocation District)指定も視野に入れています.その
ためには交通機関の導入が欠かせないようですが,Mason氏はこれを急がせる
ために,シャーロットやタンパ,ポートランドなどでストリートカー(路面
電車)やライトレール(LRT)に携わっている専門家を招きました.

Mason氏はこの春ポートランドを訪れており,その際ストリートカー(市電)に
強烈な印象を受けたようです.それは建設が他の候補より安く時間もかから
ないばかりではなく,ポートランドの市電がほとんど連邦予算なしで,地元
と民間から資金を調達したことにより,役所手続きによる待ち時間を回避
したこともあります.

この区間だけ先行しても,将来他の区間が別のモードを選択する可能性も
ありますが,Mason氏は意に介していないようです.全体がループを形成して
いても,そこを通しで環状運転する必要がないからでしょう.


〜〜ストリートカー(路面電車)計画〜〜

アトランタにはベルトラインとは別に,資金調達の目処は立っていないよう
ですが,路面電車の構想もあります.
非営利団体のAtlanta Streetcar, Inc..が手がけているもので,アトランタの
目抜き通りピーチツリー通り(Peachtree St.)を併用軌道で8マイル(12.9km)
走るほか,ダウンタウンのループ線3.5マイル(5.6km)も計画されています.
アトランタ ストリートカー 計画ルート (公式サイトへのリンク)

ピーチツリー通り上を走る路線は,MARTAの地下鉄南北線とほぼ同じ場所を
通ることになりますが,地下鉄は駅間隔が長いため,目抜き通り沿いの目的
地へ行くのに不便なケースが多いこと,地下鉄は駅が地下や高架で地表の
様子が伺えず,訪問者には不安があることから,こまめに電停を設ければ
一定の需要があるとみています.そればかりでなく相乗効果で地下鉄の利用
者増も狙っています.歴史をひもとくと,第二次世界大戦前後まではピーチ
ツリー通りにも路面電車が走っていました.
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2005年09月05日

【ニューオリンズ】路面電車の車庫も浸水か?

ニューオリンズはまだ公共交通機関が必要とされるような状況ではありませ
んが,どの程度被害が及んでいるのか気になるところです.Google Mapsでも
路面電車の車庫がある地区は載っていませんでしたが,NOAAのサイトで掲載
している航空写真に車庫が写っているものがありました.

8/31撮影の画像を見る限り,車庫の近くの道路まで浸水しているようです.
残念ながら車庫も浸水しているのではないでしょうか.

Hurricane Katrina Base Map
(National Oceanic and Atmospheric Administration(NOAA)内へのリンク)
航空写真インデックス New Orleans市街地

Carrollton Station (車庫) 周辺 (いずれも8/31撮影の画像へ直接リンク)
St. Charles AvenuesとCarrollton Avenuesにかけて
車庫は左端真ん中あたりの白い建物.周辺の道路は黒く写っていて,浸水し
ていることを物語っています.セントチャールズ線(St. Charles Line)は,
ちょうど雲をはさむV字形のように走っていました.下端はミシシッピ川.
Carrollton AvenuesとCarrollton/Claiborne(終点)にかけて
上の画像とは天地が逆になっています.真ん中よりやや上の左端の白い建物
が車庫で,1ブロック下から斜め右下に向かってCarrollton Avenuesが通って
いました.真ん中の下端近くに,家屋がない公園があったと思われる場所が
ありますが,その横が終点でした.そのあたりは完全に水没しています.

Google MapsによるCarrollton Station(車庫)

停電の影響もあるのか,それどころではないのか,RTA(Regional Transit
Authority)のサイトはハリケーン カトリーナ(Katrina)が通過した日から
ダウンしたままです.最後に見た時は接近の前日,現地時間日曜日でしたが
路面電車はその日の朝からすでに運休しており,バスも昼からは帰庫すると
いう内容が記されていた記憶があります.

キャナルストリートの電車を製造したBrookville Equipment Corporation
RTAが被災した路面電車の修復を話し合っているというニュースもあります.

New Orleans knocked out
(Light Rail Transit Association のニュースへのリンク)

=== 追加 ===

Carrollton Stationは,セントチャールズ線(St. Charles line)とリバー
フロント線(Riverfront Line)の車両が使っています.キャナルストリート線
(Canal St. Line)は,Canal St. Station(別名 A.Philip Randolph Station)
が使われています.Canal St. Stationの場所がわからなかったのですが,
ようやく見つけ出しました.

Canal St. Station(A. Philip Randolph Operations Facility)周辺の状況
(NOAAサイト内にある8/31撮影の画像へのリンク)
Canal Street : Galvez Streetから Gayoso Streetまで
画面の上が東,キャナルストリート(Canal Street)は右上(南東)から左下
(北西)に向かって斜めに走っていますが,このあたりは完全に水面下です.
画像の中央一番下にバスと路面電車のキャナルストリート線の車庫が見えて
います.小さな白い長方形がたくさん見えるのがバスでしょう.路面電車は
バスの群れの画面では左側に見える建物だと思われます.
Canal Street : Gayoso Streetから Carrollton Avenueまで
上の画像の北西側にあたります.車庫は中央の上の方にあり,その下(南西)
側をキャナルストリートが画面左下(北西)に向かって走っています.こちら
ではNorth Carrollton支線の分岐する交差点までが写っています.

Google Mapsの被災前の画像をリンクしていますが, まだ路面電車の車庫が
完成する前のもののようです.Randolph Station
Katrinaボタンをクリックすると,8/31の画像に切り替わります.
2003年11月の空撮画像 An aerial view of Canal Station
(H. George Friedman, Jr.氏のサイトへのリンク)
このリンク先の画像は画面の上が南西で,車庫敷地内の北(画面で右下)側に
路面電車の施設があるようです.

Update on Hurricane Katrina disaster and public transport
(Light Rail Now Projectのニュースへのリンク)

この記事によれば,セントチャールズ線とリバーフロント線の車両が使う
Carrollton Stationへの水害は,それほど深刻ではないかもしれません.
これに対してCanal St. Stationは浸水がひどそうです.

逆に軌道に関しては,キャナルストリート線が主にコンクリート道床なのに
対して.セントチャールズ線は芝生軌道で土のため心配されるところです.
NOAAの画像で見る限り,ちょうどセントチャールズ通りあたりまで浸水が
達している場所があります.
St. Charles Ave. : Polymnia St.から6th St.まで
St. Charles Ave. : 6th St.からNapoleon Ave.まで


ニューオリンズには2回ほど行っていますが,最後に訪れてから十年以上経っ
ています.その2回とも路面電車でガーデンディストリクトの街並みを楽しん
だものです.実は今年3月に訪問の計画を立ててホテルの予約まで入れていた
のですが,事情により場所を変更してしまいました.
今はとても大変な状況のようですが,必ず復興すると信じています.

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2005年08月27日

【シャーロット】LRT開業まであと1年半

ノースカロライナ州シャーロットでは州で初めてのLRTが今年5月から建設中
です.まだ3ヶ月足らずですが地元のニュースサイトが取り上げました.
Light-rail line begins to take shape
(News 14 Charlotteのニュースへのリンク)

シャーロットは一度も訪れたことがないので土地勘がありません.そんな時
便利なのがGoogle MapsやMSN. Virtual Eathです.リンクは中心街側の終点
となる予定のSeventh Street駅周辺を表示するばずです.

よく見るとすでにレールが単線で敷かれているようです.衛星画像を線路に
沿って南西の方角にドラッグしていくと,複線になりました.ここで交換を
行なうのでしょうか.でもLRTは予定では複線のはずで,行違い設備の必要は
ないはずです.実はこれはLRTに先立ち開通していたシャーロットトロリーの
線路でした.このトロリー=路面電車は,路線が非電化のうちに開業していま
すが,架線が張られるまでの何年かの間は,発電機をぶら下げて運転されて
いました.線路は将来LRTと共用するようです.

この路面電車は,1938年までシャーロットを走っていた車両を改造したもの
をはじめとして,いずれも車齢50年以上のつわもの揃いです.なおこれとは
別に,将来はダウンタウンに路面電車を復活させる計画もあります.

建設中のLRTの詳細は,CATS=Charlotte Area Transit Systemのサイトが参考
になります.開業は2007年春を予定していて,工期が2年と短いのは路線の
ほとんどが貨物線など,すでに線路が敷かれた場所を通るからでしょう.
CATS / Rapid Transit Planning / South Corridor
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2005年08月26日

【タンパ】沿線住民にも路面電車税を

フロリダ州タンパの路面電車が,いかにも順風満帆のように先日は書いてい
ますが,実は予期しなかった保険などが嵩んで昨年は210万ドルの営業損失に
なりましたし,問題も抱えているようです.

運営費対策では,これまで沿線の商業者だけに課税していたものを,住民に
まで対象を広げた新税にすることが可能かどうか調査することになります.
New Streetcar Tax Could Be Studied
(Tampa Tribuneのニュースへのリンク)

沿線は米国の住宅景気に支えられているのか,コンドミニアムの建設が進ん
でいて,それにより住民が増えれば路面電車税(正式にその名前が付いている
わけでなく,ここで便宜的にそう呼ぶだけの税金)による収入増が期待できる
とみています.

この調査までは市議会が承認しましたが,実際に住民らが路面電車税を払う
ことになるかどうかは未定です.水道料金の値上げも予定されていますし,
一部の住民は渋滞の一因となる路面電車に反感さえ持っています.
元々コンベンションセンターやホテルなどのシャトル輸送を目的にしていて
観光客向けです.計画時には住宅景気でコンドミニアムが建つとは考えられ
ていませんでした.

路面電車沿線ということで土地が値上がりした地主は別として,商売を営む
人には,線路から離れていて恩恵にあずかれないと不満もあるようです.
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2005年08月22日

【タンパ】路面電車に落雷

今月初めにもミネアポリスのLRTが,変電所への落雷でストップするなどの
ニュースがありましたが,今度はトロリー(路面電車)に直撃です.

路面電車への落雷というのはあまり聞きませんが,絶対数が少ないからで,
鋼鉄製ボディにトロリーポールですから,雷には絶好の標的ですね.

Lightning strikes Tampa trolley
落雷を受けた時トロリーは停車中で,屋根から火が吹きましたが車掌が消し
止めて事なきを得ました.また誰も乗っていなかったそうです.

フロリダ州には一度も足を踏み入れたことがないのですが,タンパは落雷が
多い場所のようです.NHLにもライトニング(Tampa Bay Lightning)という
チームを持っているほどです.

タンパでは2002年秋にダウンタウンを走るトロリー(路面電車)が復活しまし
た.Birney Safety Carsのレプリカ車両です.(Gomaco Trolley Company製)
タンパも1946年まで路面電車が走っていました.今回の復活はルートが違い
ますが,先代がBirney Safety Carで,今回のレプリカは通し番号になって
いる懲りようです.なおモーターや台車枠などは,イタリアはミラノの路面
電車から部品が流用されましたが,もちろん車椅子対応と必需品のエアコン
が取り付けられたほか,交差点信号機の優先権を与えるトランスポンダー
など,現代の路面電車に必要な機器が一通り搭載されています.
これらの情報は,Transportation Research BoardのLRT News Vol 18, No.2
に詳しく掲載されています.

沿線にはホテルをはじめコンベンションセンター,クルーズ船ターミナル,
水族館などが建ち並び,運営に際しては民間企業の強力な支援のもと非営利
企業を通じて沿道への新税導入,命名権付与などと引き換えの寄付金,広告
収入,そして片道$1.50の運賃収入によって賄われます.また最初の3年間は
Hillsborough Area Regional Transit (HART)からのCMAQ(congestion
mitigation and air quality)基金も使われます.
(タンパはHillsborough郡に属しています)

American Public Transportation Association(APTA) Heritage Trolley
SubcommitteeのTampa Project Descriptionのページが参考になります.

タンパ TECO Line (公式サイトへのリンク)
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