今年2月シアトル市が路面電車網構築のため,ルートの検討に入ることを
お伝えしていましたが,当時6つ考えられたうち,4つに絞った案が市の
運輸部(Seattle Department of Transportation)から公開されました.
約15マイルに及ぶ拡大網の全てを完成させるには,建設費だけで2010年の
価格換算で6億ドル近くが必要とされています.
報告を受けた市議会議員の中からは,シアトルでは馴染みの深いトロリー
バスのほうが,建設費を三分の一から六分の一に圧縮できるとし,早くも
異論が出ています.
市の試算では,建設費は次のようになっていました.
トロリーバス(架線集電式): マイルあたり700万ドルから800万ドル,
路面電車(streetcar): マイルあたり3000万ドルから4500万ドル(一部の
区間のみ5千万ドル超),比較までにライトレールは同1億ドルから1億6千
万ドルとされています.
システム使用年数は,トロリーバスは30年(舗装は10年),路面電車なら
40年,比較としてライトレールは60年だそうです.
車両関係では,トロリーバスは一台あたり100万ドルで購入できて,耐用
年数は12年に対し,路面電車は同300万ドルで30年以上と見積もられて
います.
運行費用は,トロリーバス1時間あたり$130,路面電車は同$160とされて
いました.路面電車の数字は,サウスレイクユニオンの2008年の数字を,
2010年の価格に換算したものです.ただし,路面電車停留所に5万ドルで
スポンサーを募れば(広告などを出せば?),路面電車の運行費用は1時間
あたり25万ドル分を軽減できる模様です.
懐疑派は,路面電車には多くの人を利用者を誘い出し,自動車を車庫から
出さない力を秘めていることを認めつつも,費用と路線設定の柔軟性より
重要ではないと考えています.
2月には検討されながらも,今回外れた区間には,9%を超える急勾配で
路面電車には無理と判断されたところもありました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
例によって非常に多くの記事が出ていますが,特に詳しいのはシアトル
PI紙です.5/05付けの記事には,絞られた路線の地図と,その内容とは
直接は関係ないものの,市電サウスレイクユニオン線のプロモーション
ビデオのような映像もあります.
May 6, 2008 Transit options: More streetcars or electric trolleys?
May 5, 2008 Streetcar routes have potential, but need cash
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)
この計画には,まだ予算の裏づけがあるわけではありません.建設費は,
昨年12月開業の市電サウスレイクユニオン線(South Lake Union line)と
同様に,市が投じる公的基金と,沿線からの資金拠出の両方でまかなう
ことになる見通しですが,First HillとCapitol Hillへ向かう路線は,
住民投票次第となるものの,Sound Transitの計画に盛り込まれている
ため,可決されればSound Transitからも資金が出る模様です.
1st Avenue沿いの路線(Central Line)は,現在運休中の市電ウォーター
フロント線の路線に近く,高架道路の工事の影響で,近年中の再開が困難
とされる同線の代替ではないかと見るむきもあるようです.
昨年12月に開業した1.3マイルほどの市電サウスレイクユニオン線の利用
状況は,最近は一日の利用回数が1万5千だそうです.
市の運輸部がまとめた計画書は,PDFファイルとして下記サイトから現在
ダウンロード可能になっています.
Seattle Department of Transportation
(シアトル市 公式サイトへのリンク)
または,The Seattle Streetcar Network Concept
(Seattle Streetcar 公式サイトへのリンク)
【シアトル】ストリートカー関連過去ログ:
2008/4/12 海岸沿いの電車は再開が遠のく?
2008/2/20 市電網拡大検討中,落書き洗礼
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
2008年05月07日
2008年04月27日
【Sound Transit】2008年秋にも再挑戦?(2)
昨年11月,公共交通と道路整備のため,シアトルを中心とする周辺3郡の
住民に対して,今後20年間に及ぶ大型増税案を受け入れるかどうかを問う
住民投票がありました.その結果は否決という形で終わっています.
しかし,急増する人口増に対応しなければ道路混雑が激しさを増して,
環境にも良くないとう状況が変わったわけではありません.
シアトルを含むピュージットサウンド(Puget Sound)の域内公共交通を
担うSound Transitは,再挑戦を期して増税率と期間を短縮した草案を
発表しました.売上税の増税によるライトレールの延伸を,どこまでに
するべきかなど,住民の反響を知るための,まずは叩き台です.
2007年の案(Sound Transit 2)と比較すると,まず増税期間が20年から
12年に短縮され,総額も増税率により41%から49%まで低くなっています.
今度のものは2020年までの計画であることから,ST 2020というニック
ネームもあるようです.しかし,財源が縮小することで,ライトレールの
延長距離も短くなります.昨年の案では50マイルだったものが,増税率に
より18マイルか23マイルまでという具合です.
今回発表の増税率は,大人一人年間$55にあたる0.4%(12年間で90億ドル)
と,同$69にあたる0.5%(同104億ドル)の,二つの案があります.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
04/24/08 Sound Transit seeks public comment on mass transit
expansion options (Sound Transit 公式サイトへのリンク)
このニュースリリース文の最後のほうで紹介されているリンク先には,
より詳細な内容が記されていて,各増税案で,どこまでライトレールを
伸ばすかなどを,地図入りで掲載しているページもあります.
公式発表にあわせ多くの記事が出ました.代表紙を紹介します.
April 24, 2008 Sound Transit unveils two tax increase plans
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)
April 25, 2008 Sound Transit turns to citizens in push for
expansion plans (Seattle Times ニュースへのリンク)
景気が冷え込んできた米国で,公共交通網整備のための増税に有権者が
どれだけ理解を示すかどうか不透明だとして,ST内でも慎重な意見も出て
いるそうです.今年11月の大統領選挙と同時に行われる住民投票に諮るか
どうかは,7月末までに決めなければなりません.
ところで,シアトルと空港周辺の間では,ライトレールCentral Linkの
姿が,2009年開業に向けて場所によっては鮮明になっている模様です.
ST公式サイトにあるPhoto of the Weekによれば,近畿車輛製のLRVを4本
連結した試運転が2月に行われていますし,最新号(下段のリンク)では,
ビーコンヒルをトンネルで抜けた先のRainier Valley地区でも,今夏から
試運転が開始される予定と紹介されています.
Photo of the Week:
February 8 - February 14, 2008 Welcome to Stadium Station
April 25 - May 2, 2008 Link light rail overhead lines energized
soon in Rainier Valley
(Sound Transit 公式サイトへのリンク)
関連過去ログ: 2007/11/30 2008年秋にも再挑戦?
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
住民に対して,今後20年間に及ぶ大型増税案を受け入れるかどうかを問う
住民投票がありました.その結果は否決という形で終わっています.
しかし,急増する人口増に対応しなければ道路混雑が激しさを増して,
環境にも良くないとう状況が変わったわけではありません.
シアトルを含むピュージットサウンド(Puget Sound)の域内公共交通を
担うSound Transitは,再挑戦を期して増税率と期間を短縮した草案を
発表しました.売上税の増税によるライトレールの延伸を,どこまでに
するべきかなど,住民の反響を知るための,まずは叩き台です.
2007年の案(Sound Transit 2)と比較すると,まず増税期間が20年から
12年に短縮され,総額も増税率により41%から49%まで低くなっています.
今度のものは2020年までの計画であることから,ST 2020というニック
ネームもあるようです.しかし,財源が縮小することで,ライトレールの
延長距離も短くなります.昨年の案では50マイルだったものが,増税率に
より18マイルか23マイルまでという具合です.
今回発表の増税率は,大人一人年間$55にあたる0.4%(12年間で90億ドル)
と,同$69にあたる0.5%(同104億ドル)の,二つの案があります.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
04/24/08 Sound Transit seeks public comment on mass transit
expansion options (Sound Transit 公式サイトへのリンク)
このニュースリリース文の最後のほうで紹介されているリンク先には,
より詳細な内容が記されていて,各増税案で,どこまでライトレールを
伸ばすかなどを,地図入りで掲載しているページもあります.
公式発表にあわせ多くの記事が出ました.代表紙を紹介します.
April 24, 2008 Sound Transit unveils two tax increase plans
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)
April 25, 2008 Sound Transit turns to citizens in push for
expansion plans (Seattle Times ニュースへのリンク)
景気が冷え込んできた米国で,公共交通網整備のための増税に有権者が
どれだけ理解を示すかどうか不透明だとして,ST内でも慎重な意見も出て
いるそうです.今年11月の大統領選挙と同時に行われる住民投票に諮るか
どうかは,7月末までに決めなければなりません.
ところで,シアトルと空港周辺の間では,ライトレールCentral Linkの
姿が,2009年開業に向けて場所によっては鮮明になっている模様です.
ST公式サイトにあるPhoto of the Weekによれば,近畿車輛製のLRVを4本
連結した試運転が2月に行われていますし,最新号(下段のリンク)では,
ビーコンヒルをトンネルで抜けた先のRainier Valley地区でも,今夏から
試運転が開始される予定と紹介されています.
Photo of the Week:
February 8 - February 14, 2008 Welcome to Stadium Station
April 25 - May 2, 2008 Link light rail overhead lines energized
soon in Rainier Valley
(Sound Transit 公式サイトへのリンク)
関連過去ログ: 2007/11/30 2008年秋にも再挑戦?
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
2008年04月12日
【シアトル】海岸沿いの電車は再開が遠のく?
シアトル(Seattle)でストリートカー(streetcar)と言えば,今や昨年12月
開業のサウスレイクユニオン(South Lake Union)線が思い浮かぶように
なりましたが,2005年11月までは,メルボルンから購入した旧型電車が,
1982年からウォーターフロント地区を走っていました.
港湾沿いに走る路線の北の終端にあった車庫の敷地が,シアトル美術館の
オリンピック彫刻公園(Seattle Art Museum's Olympic Sculpture Park)
の一部として必要とされたため,代わりの車庫が完成するまでの間の,
暫定的な運休との説明が当時され,車体の塗装を真似たバスが路面電車
代行して走るようになりました.
しかしその後,新しい車庫の建設予定地の開発が思うように進んでいない
ことが発覚,電車による運転再開が危ぶまれていました.
そしてとうとう,今度は再開は10年後か永遠にないかもしれないことを
示唆する記事が出てしまいました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
April 11, 2008 Waterfront streetcar: Is it gone for good?
(Seattle Times ニュースへのリンク)
問題は新しい車庫予定地(Pioneer Square)の開発問題です.この遅れで,
新車庫は考えられる最も早い時期でも2010年までは完成しないとされて
います.そして,2012年には港湾沿いに走る1950年代完成の高架道路を
改造する工事が始まることになっています.ウォーターフロント線は,
その高架道の下を走っていたのです.
George Benson Waterfront Streetcar Line Metro Route 99
(King County Metro Transit 公式サイトへのリンク)
老朽化した高架道(Alaskan Way Viaduct)の改造工事が終わるのは2018年
とされていて,工事中は電車は電車が走れません.そこで10年後という
見通しまで出てきたという次第です.
走っていた1920年代製の車両は,ダウンタウン南にあるMetro Transitの
倉庫に保管されているそうですが,売却もありえそうです.
新式の部分低床車が投入されているサウスレイクユニオン(South Lake
Union)のほうは,開業から4か月近くになります.今月初めには軌道に
車体がはみ出していた小型トラックに路面電車が衝突して破損するという
こともあったようです.その際の記事によれば,それまで軽微な衝突は
3件だったとありました.
April 2, 2008 South Lake Union accident takes red streetcar out
of service (Seattle Times ニュースへのリンク)
少々古いものになりますが,関連する過去ログリスト:
2006/11/19 バス代行からの復帰に暗雲(2)
2006/7/01 バス代行からの復帰に暗雲
2005/10/09 車庫没収で路面電車運休に
2005/8/06 ウォーターフロントをゆく路面電車しばしのお別れ?
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
開業のサウスレイクユニオン(South Lake Union)線が思い浮かぶように
なりましたが,2005年11月までは,メルボルンから購入した旧型電車が,
1982年からウォーターフロント地区を走っていました.
港湾沿いに走る路線の北の終端にあった車庫の敷地が,シアトル美術館の
オリンピック彫刻公園(Seattle Art Museum's Olympic Sculpture Park)
の一部として必要とされたため,代わりの車庫が完成するまでの間の,
暫定的な運休との説明が当時され,車体の塗装を真似たバスが路面電車
代行して走るようになりました.
しかしその後,新しい車庫の建設予定地の開発が思うように進んでいない
ことが発覚,電車による運転再開が危ぶまれていました.
そしてとうとう,今度は再開は10年後か永遠にないかもしれないことを
示唆する記事が出てしまいました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
April 11, 2008 Waterfront streetcar: Is it gone for good?
(Seattle Times ニュースへのリンク)
問題は新しい車庫予定地(Pioneer Square)の開発問題です.この遅れで,
新車庫は考えられる最も早い時期でも2010年までは完成しないとされて
います.そして,2012年には港湾沿いに走る1950年代完成の高架道路を
改造する工事が始まることになっています.ウォーターフロント線は,
その高架道の下を走っていたのです.
George Benson Waterfront Streetcar Line Metro Route 99
(King County Metro Transit 公式サイトへのリンク)
老朽化した高架道(Alaskan Way Viaduct)の改造工事が終わるのは2018年
とされていて,工事中は電車は電車が走れません.そこで10年後という
見通しまで出てきたという次第です.
走っていた1920年代製の車両は,ダウンタウン南にあるMetro Transitの
倉庫に保管されているそうですが,売却もありえそうです.
新式の部分低床車が投入されているサウスレイクユニオン(South Lake
Union)のほうは,開業から4か月近くになります.今月初めには軌道に
車体がはみ出していた小型トラックに路面電車が衝突して破損するという
こともあったようです.その際の記事によれば,それまで軽微な衝突は
3件だったとありました.
April 2, 2008 South Lake Union accident takes red streetcar out
of service (Seattle Times ニュースへのリンク)
少々古いものになりますが,関連する過去ログリスト:
2006/11/19 バス代行からの復帰に暗雲(2)
2006/7/01 バス代行からの復帰に暗雲
2005/10/09 車庫没収で路面電車運休に
2005/8/06 ウォーターフロントをゆく路面電車しばしのお別れ?
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
2008年03月13日
【バンクーバー】冬季五輪に市電復活デモへ
カナダのバンクーバー(Vancouver)で2010年2月開催の冬季五輪にあわせ,
将来の路線拡張をにらんだ市電の運転を再開する計画が,市議会により
承認されました.1.8キロの区間でデモンストレーションを行います.
区間は,市が所有する昔の電車を夏季期間だけボランティアが運転して
いる,Granville IslandからScience Worldまでの路線の一部で,やはり
冬季五輪に向けて建設が進んでいる,新交通システム仕様のSkyTrain新線
(Canada Line)に出来る,Olympic Station駅までとなります.
将来は,ダウンタウン方面への延長構想があり,そのためのデモです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
March 11, 2008 Vancouver to rebuild Granville Island streetcar route
(CBC British Columbia ニュースへのリンク)
March 11, 2008 New streetcar line approved by city council
(CTV British Columbia ニュースへのリンク)
5月に運転が再開される,Downtown Historic Railway.
(Transit Museum Society 公式サイトへのリンク)
このページにも,路線延伸計画があることが伺える地図が載っています.
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
将来の路線拡張をにらんだ市電の運転を再開する計画が,市議会により
承認されました.1.8キロの区間でデモンストレーションを行います.
区間は,市が所有する昔の電車を夏季期間だけボランティアが運転して
いる,Granville IslandからScience Worldまでの路線の一部で,やはり
冬季五輪に向けて建設が進んでいる,新交通システム仕様のSkyTrain新線
(Canada Line)に出来る,Olympic Station駅までとなります.
将来は,ダウンタウン方面への延長構想があり,そのためのデモです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
March 11, 2008 Vancouver to rebuild Granville Island streetcar route
(CBC British Columbia ニュースへのリンク)
March 11, 2008 New streetcar line approved by city council
(CTV British Columbia ニュースへのリンク)
5月に運転が再開される,Downtown Historic Railway.
(Transit Museum Society 公式サイトへのリンク)
このページにも,路線延伸計画があることが伺える地図が載っています.
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
2008年03月11日
【米国】公共交通機関利用者増加の立役者?
燃料価格の高騰で,移動手段を自家用車から公共交通に切り替える人が
続出し,公共交通機関の利用者数がうなぎ上りになっていることが報道
されるようになって久しくなります.2007年の数字をまとめたAPTAが発表
した統計が,再びそれを裏付けました.公共交通の利用は前年比2.1%増を
記録し,この半世紀の間で最大となりました.
APTA: American Public Transportation Association
さらにAPTAでは,公共交通機関の種別ごとの増加率を出しています.
それによれば,ライトレールの利用者数増加率が,2007年は6.1%で他の
乗り物を押えてトップになりました.この統計では,ライトレールの中に
近代的なストリートカーや,レトロ感覚の路面電車も含まれます.
そのライトレールの範疇の中でも,ニューオリンズが128.6%,デンバー
66.2%,セントルイス27.0%,フィラデルフィア26.2%,ケノーシャ18.5%
という都市圏ごとの数字もありました.
ケノーシャ(Kenosha)の増加率の高さは興味深いです
ライトレールの次に利用者数の伸び率が高かった種別は,コミューター
レール(Commuter rail)と呼ばれる範疇でした.平均5.5%の伸びを示して
います.地下鉄はその次で3.1%,バスは1.0%でした.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
March 10 , 2008 10.3 Billion Trips Taken On Public Transportation
Ridership In 2007 (APTA 公式サイトへのリンク)
地域によっては,全米平均を大きく上回る増加を示したところもあり,
2009年にライトレールが開業した後の期待が高まります.
March 10, 2008 Sound Transit ridership rose 12.5% in 2007
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)
シアトルを中心とした都市圏では,ハイウェイ経由のエキスプレスバス,
コミューターレイルなどが,増加率を押し上げたようです.特に後者は
収容力が大きく,推測ですが,その増発が効果大だったのかも.
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
続出し,公共交通機関の利用者数がうなぎ上りになっていることが報道
されるようになって久しくなります.2007年の数字をまとめたAPTAが発表
した統計が,再びそれを裏付けました.公共交通の利用は前年比2.1%増を
記録し,この半世紀の間で最大となりました.
APTA: American Public Transportation Association
さらにAPTAでは,公共交通機関の種別ごとの増加率を出しています.
それによれば,ライトレールの利用者数増加率が,2007年は6.1%で他の
乗り物を押えてトップになりました.この統計では,ライトレールの中に
近代的なストリートカーや,レトロ感覚の路面電車も含まれます.
そのライトレールの範疇の中でも,ニューオリンズが128.6%,デンバー
66.2%,セントルイス27.0%,フィラデルフィア26.2%,ケノーシャ18.5%
という都市圏ごとの数字もありました.
ケノーシャ(Kenosha)の増加率の高さは興味深いです
ライトレールの次に利用者数の伸び率が高かった種別は,コミューター
レール(Commuter rail)と呼ばれる範疇でした.平均5.5%の伸びを示して
います.地下鉄はその次で3.1%,バスは1.0%でした.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
March 10 , 2008 10.3 Billion Trips Taken On Public Transportation
Ridership In 2007 (APTA 公式サイトへのリンク)
地域によっては,全米平均を大きく上回る増加を示したところもあり,
2009年にライトレールが開業した後の期待が高まります.
March 10, 2008 Sound Transit ridership rose 12.5% in 2007
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)
シアトルを中心とした都市圏では,ハイウェイ経由のエキスプレスバス,
コミューターレイルなどが,増加率を押し上げたようです.特に後者は
収容力が大きく,推測ですが,その増発が効果大だったのかも.
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
2008年02月21日
【ポートランド】隧道進入,市電に連邦補助金
先週土曜の未明,ポートランド圏のライトレールMAXが西に延伸する際に
建設された全長5キロの鉄道専用の山岳トンネル(Robertson Tunnel)に,
飲酒運転の車が奥深くまで進入し,安全が確保された朝10時過ぎまで,
MAXが区間運休となる騒動がありました.
前にも似たような話をオーストリアで紹介していますが,トンネル内に
ある地表から70m下にある北米で最も深い駅に設けられた監視カメラが,
侵入した車が駅にたどり着く様子を捉えていた映像が公開されています.
トンネル内はコンクリート製の枕木ですが,信号ケーブルなどが破損した
ため,TriMetは2万ドルとも6万ドルともされる被害を蒙りました.運転
再開までの代行バスの経費などを含め,進入した自動車の運転手が加入
している保険会社に請求するとのことです.このお騒がせ自動車の進入は
早朝4時台だったため,トンネルで電車とご対面という最悪の事態だけは
免れたのでした.
英語版Wikipediaに,Robertson Tunnelの項目があり,自動車の進入を
許したトンネル東側の入口がどのようになっているかを伺える画像も掲載
されています.
下記は,いずれも公開された映像が見られる記事です.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Feb 20, 2008 Video shows man driving on MAX tunnel tracks
(KATU Portland ニュースへのリンク)
February 19, 2008 Tri-Met cameras capture car in MAX tunnel
(The Oregonian ニュースへのリンク)
ポートランドには,これまで市電延長計画に資金提供を渋るかに見えた
連邦政府が,今月初めに満額(7500万ドル)ではないにしても5千万ドルを
出すという情報がもたらされています.どうやら,2008年度大統領予算
教書の中に予算が盛り込まれた模様です.
AP通信が伝える記事の中にもありますが,このSmall Startsプログラムに
よる連邦補助金の獲得は,路面電車の計画では米国初のことです.
February 5, 2008 Feds approve $50 million for Oregon streetcar line
The Associated Press の記事 (The Oregonian ニュースへのリンク)
意外にもAP通信の記事を各紙が載せただけで他には報道が見当たらず,
2500万ドル差をどうするのかなど,これ以上の情報はつかめていません.
関連過去ログ:
2008/1/01 費用効果重視の政府姿勢に直面
2007/9/27 Small Startsを巡る攻防
2007/8/18 延長開業と東部の市電予算
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
建設された全長5キロの鉄道専用の山岳トンネル(Robertson Tunnel)に,
飲酒運転の車が奥深くまで進入し,安全が確保された朝10時過ぎまで,
MAXが区間運休となる騒動がありました.
前にも似たような話をオーストリアで紹介していますが,トンネル内に
ある地表から70m下にある北米で最も深い駅に設けられた監視カメラが,
侵入した車が駅にたどり着く様子を捉えていた映像が公開されています.
トンネル内はコンクリート製の枕木ですが,信号ケーブルなどが破損した
ため,TriMetは2万ドルとも6万ドルともされる被害を蒙りました.運転
再開までの代行バスの経費などを含め,進入した自動車の運転手が加入
している保険会社に請求するとのことです.このお騒がせ自動車の進入は
早朝4時台だったため,トンネルで電車とご対面という最悪の事態だけは
免れたのでした.
英語版Wikipediaに,Robertson Tunnelの項目があり,自動車の進入を
許したトンネル東側の入口がどのようになっているかを伺える画像も掲載
されています.
下記は,いずれも公開された映像が見られる記事です.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
Feb 20, 2008 Video shows man driving on MAX tunnel tracks
(KATU Portland ニュースへのリンク)
February 19, 2008 Tri-Met cameras capture car in MAX tunnel
(The Oregonian ニュースへのリンク)
ポートランドには,これまで市電延長計画に資金提供を渋るかに見えた
連邦政府が,今月初めに満額(7500万ドル)ではないにしても5千万ドルを
出すという情報がもたらされています.どうやら,2008年度大統領予算
教書の中に予算が盛り込まれた模様です.
AP通信が伝える記事の中にもありますが,このSmall Startsプログラムに
よる連邦補助金の獲得は,路面電車の計画では米国初のことです.
February 5, 2008 Feds approve $50 million for Oregon streetcar line
The Associated Press の記事 (The Oregonian ニュースへのリンク)
意外にもAP通信の記事を各紙が載せただけで他には報道が見当たらず,
2500万ドル差をどうするのかなど,これ以上の情報はつかめていません.
関連過去ログ:
2008/1/01 費用効果重視の政府姿勢に直面
2007/9/27 Small Startsを巡る攻防
2007/8/18 延長開業と東部の市電予算
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
2008年02月20日
【シアトル】市電網拡大検討中,落書き洗礼
昨年12月に開業したシアトル・サウスレイクユニオン・ストリートカー
(South Lake Union Streetcar)が,落書きの洗礼を受けてしまいました.
月曜の未明に車庫のフェンスを壊して中に忍び込み,オレンジ色の車両に
スプレーを吹きかけていったそうです.
オレンジが運行できないことから赤とパープルの2両で運用をこなし,
その間にGoodbye Graffitiなる落書き落とし専門業者の手で元に戻して
もらった模様です.その様子が伺える画像も載っていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
February 20, 2008 Graffiti removed from South Lake Union streetcar
(Seattle Times ニュースへのリンク)
シアトル市電の話題では,少々古くなりますが今月初めにシアトル市が
路線網拡大の検討に入ったことが伝えられています.6つの路線が考え
られていて,下記記事に地図も掲載されています.
February 5, 2008 City to study six new streetcar lines
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)
今のサウスレイクユニオンの路線では,軌道が車道の歩道寄りに敷設され
ているそうです.ポートランド市の初期の路線も同じですが,自転車乗り
にはこれが問題になっています.レールに車輪を取られてけが人が続出
しているのです.そこで新路線では,道路中央寄りにレールを敷くほうが
いいのではないかと提言されています.ポートランド市でも,あとから
開通した区間は中央寄りを走っていることも,例として挙げられました.
February 5, 2008 Put new streetcar tracks in center lane, cycling
advocates say (Seattle Times ニュースへのリンク)
歩道寄りに設けられた停留所は,沿線の再開発を促し,乗降客も安全が
保たれるとされています.
一方,道路中央寄りを走った場合,島式ホームのような形で設けられる
停留所は費用が抑えられるほか,路肩の駐車スペースを減らさずに済む
利点があります.
関連過去ログ: 2007/12/13 新しい路面電車が12/12開通
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
(South Lake Union Streetcar)が,落書きの洗礼を受けてしまいました.
月曜の未明に車庫のフェンスを壊して中に忍び込み,オレンジ色の車両に
スプレーを吹きかけていったそうです.
オレンジが運行できないことから赤とパープルの2両で運用をこなし,
その間にGoodbye Graffitiなる落書き落とし専門業者の手で元に戻して
もらった模様です.その様子が伺える画像も載っていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
February 20, 2008 Graffiti removed from South Lake Union streetcar
(Seattle Times ニュースへのリンク)
シアトル市電の話題では,少々古くなりますが今月初めにシアトル市が
路線網拡大の検討に入ったことが伝えられています.6つの路線が考え
られていて,下記記事に地図も掲載されています.
February 5, 2008 City to study six new streetcar lines
(Seattle Post Intelligencer ニュースへのリンク)
今のサウスレイクユニオンの路線では,軌道が車道の歩道寄りに敷設され
ているそうです.ポートランド市の初期の路線も同じですが,自転車乗り
にはこれが問題になっています.レールに車輪を取られてけが人が続出
しているのです.そこで新路線では,道路中央寄りにレールを敷くほうが
いいのではないかと提言されています.ポートランド市でも,あとから
開通した区間は中央寄りを走っていることも,例として挙げられました.
February 5, 2008 Put new streetcar tracks in center lane, cycling
advocates say (Seattle Times ニュースへのリンク)
歩道寄りに設けられた停留所は,沿線の再開発を促し,乗降客も安全が
保たれるとされています.
一方,道路中央寄りを走った場合,島式ホームのような形で設けられる
停留所は費用が抑えられるほか,路肩の駐車スペースを減らさずに済む
利点があります.
関連過去ログ: 2007/12/13 新しい路面電車が12/12開通
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
2008年01月14日
【ポートランド】運賃無料ゾーン見直し(2)
ポートランドでは1975年以来,そのダウンタウンに米国随一の規模を持つ
運賃無料ゾーン(Fareless Square)が設けられています.かねてからその
存廃が論じられてきましたが,廃止ではなく時間制への移行が検討され,
TriMetは,その提案の公聴会を今週開催します.
TriMet: Tri-County Metropolitan Transportation District of Oregon
運賃無料区画の廃止は,収支改善のためというより治安回復のためで,
無料区間があることで保安上の安全が損なわれていると言われています.
ポートランド市としても,32年前に大気浄化法(Clean Air Act)により,
ダウンタウンの排気ガスを抑制するための手段として導入された運賃無料
区画の役目は既に終え,TriMetの利用率も運賃無料化で増加する時代では
なくなってきたと捉えているようです.
TriMetの資料によれば,平日一日平均8万6千人(うちライトレールMAXは
4万1千400人)が運賃無料区画(Fareless Square)内で乗降し,そのうちの
31%は無料区画内だけの移動だそうです.
TriMetの提案は,シアトルでは無料区画が午前6時から午後7時までである
ことを例に挙げて,ポートランドでは朝7時から午後7時までは従来通りに
運賃無料として,それ以外の時間帯には運賃を支払う必要があるように
制度を改めようとするものです.対象は区域内のライトレールとバスの
両方です.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
公聴会の案内: Fareless Square
Taking action on security
Fareless Squareの案内(PDFファイル版の地図あり):
Ride for free in downtown Portland & Lloyd District
(TriMet 公式サイトへのリンク)
Fareless Squareでの利用は,仕事場へ向かう人と帰宅する人が全体の
半数に及び,昼間働きに来る人たちが多く利用しているので,早朝夜間が
有料でも影響は少ないのではないかとの見方がありますし,運賃が必要に
なっても身の安全が第一ということで,新たな時間外の運賃収入により
保安対策が取れるとも考えられています.
January 13, 2008 Free ride in Portland could be over
(kgw.com ニュースへのリンク)
Jan 13, 2008 TriMet plans hearings on limiting Fareless Square
LocalNewsDaily.comの記事 (Portland Tribune ニュースへのリンク)
TriMetの運行するライトレールMAXでは,車内で暴行事件が起きるなどの
犯罪絡みの話題が,このところ多くなってきていました.MAXに警乗する
警官の数を増やすと,TriMetのサイトにも出ています.
関連過去ログ: 2006/4/22 運賃無料ゾーン見直しか?
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
運賃無料ゾーン(Fareless Square)が設けられています.かねてからその
存廃が論じられてきましたが,廃止ではなく時間制への移行が検討され,
TriMetは,その提案の公聴会を今週開催します.
TriMet: Tri-County Metropolitan Transportation District of Oregon
運賃無料区画の廃止は,収支改善のためというより治安回復のためで,
無料区間があることで保安上の安全が損なわれていると言われています.
ポートランド市としても,32年前に大気浄化法(Clean Air Act)により,
ダウンタウンの排気ガスを抑制するための手段として導入された運賃無料
区画の役目は既に終え,TriMetの利用率も運賃無料化で増加する時代では
なくなってきたと捉えているようです.
TriMetの資料によれば,平日一日平均8万6千人(うちライトレールMAXは
4万1千400人)が運賃無料区画(Fareless Square)内で乗降し,そのうちの
31%は無料区画内だけの移動だそうです.
TriMetの提案は,シアトルでは無料区画が午前6時から午後7時までである
ことを例に挙げて,ポートランドでは朝7時から午後7時までは従来通りに
運賃無料として,それ以外の時間帯には運賃を支払う必要があるように
制度を改めようとするものです.対象は区域内のライトレールとバスの
両方です.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
公聴会の案内: Fareless Square
Taking action on security
Fareless Squareの案内(PDFファイル版の地図あり):
Ride for free in downtown Portland & Lloyd District
(TriMet 公式サイトへのリンク)
Fareless Squareでの利用は,仕事場へ向かう人と帰宅する人が全体の
半数に及び,昼間働きに来る人たちが多く利用しているので,早朝夜間が
有料でも影響は少ないのではないかとの見方がありますし,運賃が必要に
なっても身の安全が第一ということで,新たな時間外の運賃収入により
保安対策が取れるとも考えられています.
January 13, 2008 Free ride in Portland could be over
(kgw.com ニュースへのリンク)
Jan 13, 2008 TriMet plans hearings on limiting Fareless Square
LocalNewsDaily.comの記事 (Portland Tribune ニュースへのリンク)
TriMetの運行するライトレールMAXでは,車内で暴行事件が起きるなどの
犯罪絡みの話題が,このところ多くなってきていました.MAXに警乗する
警官の数を増やすと,TriMetのサイトにも出ています.
関連過去ログ: 2006/4/22 運賃無料ゾーン見直しか?
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
2008年01月11日
【シアトル】【シャーロット】券売機の問題
昨年11月と12月に開業し,米国ではProof-of-payment(POP)とも呼ばれる
運賃支払自主管理制度を導入したライトレールと路面電車が,相次いで
券売機の不具合に頭を痛めていることが報道されています.
昨年12/12に開業の,シアトル・サウスレイクユニオン・ストリートカー
(South Lake Union Streetcar)では,年内は運賃が無料でした.その後
1月から片道1.50ドルの運賃が必要になったものの,車内に設置された
券売機が現金を受付けないことがあり,乗客が切符を買えないケースが
続出しているとのことです.メディアの中には一時間に10人が切符を購入
できなかったことを観察して,これは15ドルの損失と報じていました.
シアトルの市電では,券売機は停留所ではなく電車の中間車体部にのみ
設置されています.ポートランド市内のストリートカーと同じです.
運行しているキング郡のMetro Transitと車両メーカ(Inekon)で修理に
あたっているとのことですから,ポートランドと同じで車両メーカ製なの
かもしれません.(ポートランドで導入当時の契約はSkoda)
ストリートカーを所有するシアトル市では,路上駐車用の駐車ステッカー
販売機で,市電の切符も買えるようにすることを計画していて,1/20には
開始されるそうですが,11ある停留所のうちの4か所だけで,それ以外は
車内の券売機利用が続きます.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
January 9, 2008 New streetcar doesn't want your money?
(Seattle Times ニュースへのリンク)
January 9, 2008 South Lake Union Trolley Passengers Still
Enjoying A Free Ride (KIRO 7 Seattle-Tacoma ニュースへのリンク)
KIRO 7 の記事によれば,当初一日3千人いた利用者は,1千人に減って
いるようです.
関連過去ログ: 2007/12/13 【シアトル】新しい路面電車が12/12開通
シアトルから3700キロ近く離れたノースカロライナ州シャーロットでは,
昨年11月開業のライトレールLynxに開業前の予想を上回る利用があり,
今後の計画路線の利用者数予測の数字を押し上げ,実現に近づける効果を
表す可能性も出てきました.
シャーロット・ボブキャッツ・アリーナ(Charlotte Bobcats Arena)で
試合があったり,その他イベントが開かれた週末には,平日の倍以上と
なる2万人以上が利用しているそうです.
しかし,ここでも開業以来の券売機の不調に悩まされ続けています.
運賃収受を開始した営業開始の11/26以降,15駅に設置された35の券売機
のうち15で故障が発生しているそうで,最初は切符が印字されないという
不具合でした.それは12月には解決しましたが,今度はつり銭の金額が
正しくないとか,全く出ないという現象に見舞われているようです.
シャーロットのライトレールでは,車内ではなく駅のホームに券売機が
設置されていますが,切符がまともに買えないことに苛立ち,片道運賃
1.30ドルを支払わずに乗車する者も出てきました.
券売機は,テキサス州ダラスに本拠をおくACSという会社から210万ドルの
契約で導入しています.
ACS: Affiliated Computer Services
ACSはヒューストンのライトレールなどにも券売機を卸していますが,
他の街では問題なく稼動しているとのことで,シャーロットだけの現象に
首をかしげているとか.今はフランスから専門家を派遣して対応している
そうです.
Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けておきます
LYNX, 7th St. Station (by Justin Ruckman flickr)

Taken on November 24, 2007
カード類の取扱は春以降になるそうで,今は現金でしか買えません.
Jan. 06, 2008 Ticket machines haunt light-rail line
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
01/10/2008 CATS to fix faulty ticket machines
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)
Charlotte Observerの記事によれば,券売機からの収入は最初の一月で
21万4千ドルだったそうです.これは一日あたり5300人の利用に相当する
数字だそうですが,実際は一日平均1万2千人以上が利用しているとされて
います.もっとも,運賃半額の子供やシニアの人数や,切符購入不要の
バスからの乗継,月間パスを使っている人もいるため,差の全てが未払と
いうわけでもなく,CATSでは無賃乗車は実際には5%程度とみています.
CATS: Charlotte Area Transit System
関連過去ログ: 2007/11/28 【シャーロット】週末二日で十万人が体験
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
運賃支払自主管理制度を導入したライトレールと路面電車が,相次いで
券売機の不具合に頭を痛めていることが報道されています.
昨年12/12に開業の,シアトル・サウスレイクユニオン・ストリートカー
(South Lake Union Streetcar)では,年内は運賃が無料でした.その後
1月から片道1.50ドルの運賃が必要になったものの,車内に設置された
券売機が現金を受付けないことがあり,乗客が切符を買えないケースが
続出しているとのことです.メディアの中には一時間に10人が切符を購入
できなかったことを観察して,これは15ドルの損失と報じていました.
シアトルの市電では,券売機は停留所ではなく電車の中間車体部にのみ
設置されています.ポートランド市内のストリートカーと同じです.
運行しているキング郡のMetro Transitと車両メーカ(Inekon)で修理に
あたっているとのことですから,ポートランドと同じで車両メーカ製なの
かもしれません.(ポートランドで導入当時の契約はSkoda)
ストリートカーを所有するシアトル市では,路上駐車用の駐車ステッカー
販売機で,市電の切符も買えるようにすることを計画していて,1/20には
開始されるそうですが,11ある停留所のうちの4か所だけで,それ以外は
車内の券売機利用が続きます.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
January 9, 2008 New streetcar doesn't want your money?
(Seattle Times ニュースへのリンク)
January 9, 2008 South Lake Union Trolley Passengers Still
Enjoying A Free Ride (KIRO 7 Seattle-Tacoma ニュースへのリンク)
KIRO 7 の記事によれば,当初一日3千人いた利用者は,1千人に減って
いるようです.
関連過去ログ: 2007/12/13 【シアトル】新しい路面電車が12/12開通
シアトルから3700キロ近く離れたノースカロライナ州シャーロットでは,
昨年11月開業のライトレールLynxに開業前の予想を上回る利用があり,
今後の計画路線の利用者数予測の数字を押し上げ,実現に近づける効果を
表す可能性も出てきました.
シャーロット・ボブキャッツ・アリーナ(Charlotte Bobcats Arena)で
試合があったり,その他イベントが開かれた週末には,平日の倍以上と
なる2万人以上が利用しているそうです.
しかし,ここでも開業以来の券売機の不調に悩まされ続けています.
運賃収受を開始した営業開始の11/26以降,15駅に設置された35の券売機
のうち15で故障が発生しているそうで,最初は切符が印字されないという
不具合でした.それは12月には解決しましたが,今度はつり銭の金額が
正しくないとか,全く出ないという現象に見舞われているようです.
シャーロットのライトレールでは,車内ではなく駅のホームに券売機が
設置されていますが,切符がまともに買えないことに苛立ち,片道運賃
1.30ドルを支払わずに乗車する者も出てきました.
券売機は,テキサス州ダラスに本拠をおくACSという会社から210万ドルの
契約で導入しています.
ACS: Affiliated Computer Services
ACSはヒューストンのライトレールなどにも券売機を卸していますが,
他の街では問題なく稼動しているとのことで,シャーロットだけの現象に
首をかしげているとか.今はフランスから専門家を派遣して対応している
そうです.
Creative Commonsで利用できる画像がありましたので貼り付けておきます
LYNX, 7th St. Station (by Justin Ruckman flickr)

Taken on November 24, 2007
カード類の取扱は春以降になるそうで,今は現金でしか買えません.
Jan. 06, 2008 Ticket machines haunt light-rail line
(The Charlotte Observer ニュースへのリンク)
01/10/2008 CATS to fix faulty ticket machines
(News 14 Carolina ニュースへのリンク)
Charlotte Observerの記事によれば,券売機からの収入は最初の一月で
21万4千ドルだったそうです.これは一日あたり5300人の利用に相当する
数字だそうですが,実際は一日平均1万2千人以上が利用しているとされて
います.もっとも,運賃半額の子供やシニアの人数や,切符購入不要の
バスからの乗継,月間パスを使っている人もいるため,差の全てが未払と
いうわけでもなく,CATSでは無賃乗車は実際には5%程度とみています.
CATS: Charlotte Area Transit System
関連過去ログ: 2007/11/28 【シャーロット】週末二日で十万人が体験
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
2008年01月01日
【ポートランド】費用効果重視の政府姿勢に直面
小規模な公共交通整備計画に資金を提供する,連邦政府のSmall Starts
プログラムがスタートして2年余り,期待されていた中心部を繁栄させる
目的も兼ねるストリートカー(路面電車)はこれまで一つも対象にならず,
制度を手がけたオレゴン州選出の連邦議会議員のお膝元とも言えるポート
ランド(Portland)の市電延長計画も,審査を通らない危機にさらされる
可能性を昨秋紹介していましたが,苦しい情勢と続報が届いています.
昨年秋にポートランドが連邦公共交通局(FTA)へ助成金を申請したのは,
市内のウィラメット川(Willamette River)東岸地域への路面電車延長計画
(Eastside Streetcar Loop Project)で,2001年以来,中心部を含む川の
西岸を走る路線を,そのままそっくり東岸にコピーするような形です.
2001年に開業したその路線は,寂れていた地域に活気を蘇らせ,沿線には
建設費を大きく上回る投資が行われるなどの経済効果を及ぼしました.
その再現が東岸でも期待されています.
FTA: Federal Transit Administration
FTAが路面電車計画に資金拠出を渋るのは,費用対効果を重視している
からです.輸送力の大きい連接バスなどを専用レーンに走らせるといった
形態のBRT(bus rapid transit)には補助金を出しても,初期投資がかさみ
輸送力も小さい路面電車は,不経済と映っているのです.しかも,ライト
レールとは異なり,規模の小さい路面電車は,どこに行くわけでもなく
街の中心街を巡回する程度で,渋滞緩和効果があるわけではありません.
これに対して,オレゴン州選出の二人の連邦議会議員らは,沿線への投資
効果まで考慮するように働きかけますが,ホワイトハウス直属で各省庁の
予算査定なども行う行政管理予算局(OMB)は,申請された計画に補助金を
出すべきかどうかの審査に際し,費用対効果の基準を引き上げるように
FTAに命じていました.
OMB: Office of Management and Budget
費用有効度の審査には,高い密集度になるようなゾーニングや,道路混雑
緩和のために自動車の走行距離を減らすかどうかも組み合わされます.
ポートランドの申請は,今のところこの審査をパスできない状態にある
ことが明らかにされました.
全米60近くの街で同様の計画があるとされながら,申請に尻込みして他の
方法に鞍替えしたり,他の財源を探すところもある中で,路面電車として
初のSmall Starts摘要を目指して申請したポートランドですが,計画を
進める上での時間的な制約も迫るなかで,厳しい状況に陥っています.
路面電車がいかにバスよりも有効であるかを,ポートランドがFTAに認め
させ,2008年夏までに総予算の半分に相当する7500万ドルが申請通り承認
されれば,着工に向けた資金を2008年度予算から捻出できるそうです.
それが出来なければ,延長計画自体を遅らせるか,建設資金拠出を抑え
なければなりません.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 27, 2007 Federal rules prefer buses over streetcar
expansion (The Oregonian ニュースへのリンク)
この記事にはありませんが,Portland StreetcarのCACによれば,費用
有効度に対するFTAの評価が少なくともミディアムになると期待されて
いたとのことです.ミディアム評価は,2月の2008年度大統領予算教書の
中に予算が盛り込まれることを意味するそうです.
CAC: Citizens Advisory Committee
The Oregonian紙の記事は,この話題を追い続ける記者によるもので,
その内容は賛成派だけでなく,反対派のブログもネタにしています.
そこではストリートカーのもたらす経済効果そのものを疑っていることは
もちろんのこと,賛成派がストリートカーは輸送機関ではなく経済開発と
主張するならば,運輸省(DOT)ではなく住宅供給都市開発省(HUD)に資金を
出させようとするべきではないかとあります.
31st December 2007 The Biased FTA Won’t Give Portland Its
Streetcar Subsidies (The Antiplanner ブログへのリンク)
その他,Small Startsで資金を得たBRTの例が紹介されていました.
HUD: Department of Housing and Urban Development
関連過去ログ:
2007/9/27 Small Startsを巡る攻防
2007/8/18 延長開業と東部の市電予算
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
プログラムがスタートして2年余り,期待されていた中心部を繁栄させる
目的も兼ねるストリートカー(路面電車)はこれまで一つも対象にならず,
制度を手がけたオレゴン州選出の連邦議会議員のお膝元とも言えるポート
ランド(Portland)の市電延長計画も,審査を通らない危機にさらされる
可能性を昨秋紹介していましたが,苦しい情勢と続報が届いています.
昨年秋にポートランドが連邦公共交通局(FTA)へ助成金を申請したのは,
市内のウィラメット川(Willamette River)東岸地域への路面電車延長計画
(Eastside Streetcar Loop Project)で,2001年以来,中心部を含む川の
西岸を走る路線を,そのままそっくり東岸にコピーするような形です.
2001年に開業したその路線は,寂れていた地域に活気を蘇らせ,沿線には
建設費を大きく上回る投資が行われるなどの経済効果を及ぼしました.
その再現が東岸でも期待されています.
FTA: Federal Transit Administration
FTAが路面電車計画に資金拠出を渋るのは,費用対効果を重視している
からです.輸送力の大きい連接バスなどを専用レーンに走らせるといった
形態のBRT(bus rapid transit)には補助金を出しても,初期投資がかさみ
輸送力も小さい路面電車は,不経済と映っているのです.しかも,ライト
レールとは異なり,規模の小さい路面電車は,どこに行くわけでもなく
街の中心街を巡回する程度で,渋滞緩和効果があるわけではありません.
これに対して,オレゴン州選出の二人の連邦議会議員らは,沿線への投資
効果まで考慮するように働きかけますが,ホワイトハウス直属で各省庁の
予算査定なども行う行政管理予算局(OMB)は,申請された計画に補助金を
出すべきかどうかの審査に際し,費用対効果の基準を引き上げるように
FTAに命じていました.
OMB: Office of Management and Budget
費用有効度の審査には,高い密集度になるようなゾーニングや,道路混雑
緩和のために自動車の走行距離を減らすかどうかも組み合わされます.
ポートランドの申請は,今のところこの審査をパスできない状態にある
ことが明らかにされました.
全米60近くの街で同様の計画があるとされながら,申請に尻込みして他の
方法に鞍替えしたり,他の財源を探すところもある中で,路面電車として
初のSmall Starts摘要を目指して申請したポートランドですが,計画を
進める上での時間的な制約も迫るなかで,厳しい状況に陥っています.
路面電車がいかにバスよりも有効であるかを,ポートランドがFTAに認め
させ,2008年夏までに総予算の半分に相当する7500万ドルが申請通り承認
されれば,着工に向けた資金を2008年度予算から捻出できるそうです.
それが出来なければ,延長計画自体を遅らせるか,建設資金拠出を抑え
なければなりません.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
December 27, 2007 Federal rules prefer buses over streetcar
expansion (The Oregonian ニュースへのリンク)
この記事にはありませんが,Portland StreetcarのCACによれば,費用
有効度に対するFTAの評価が少なくともミディアムになると期待されて
いたとのことです.ミディアム評価は,2月の2008年度大統領予算教書の
中に予算が盛り込まれることを意味するそうです.
CAC: Citizens Advisory Committee
The Oregonian紙の記事は,この話題を追い続ける記者によるもので,
その内容は賛成派だけでなく,反対派のブログもネタにしています.
そこではストリートカーのもたらす経済効果そのものを疑っていることは
もちろんのこと,賛成派がストリートカーは輸送機関ではなく経済開発と
主張するならば,運輸省(DOT)ではなく住宅供給都市開発省(HUD)に資金を
出させようとするべきではないかとあります.
31st December 2007 The Biased FTA Won’t Give Portland Its
Streetcar Subsidies (The Antiplanner ブログへのリンク)
その他,Small Startsで資金を得たBRTの例が紹介されていました.
HUD: Department of Housing and Urban Development
関連過去ログ:
2007/9/27 Small Startsを巡る攻防
2007/8/18 延長開業と東部の市電予算
誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
