2009年07月05日

【リンツ】南北トラム地下新線計画が進展

このところ立て続けに低床車の受注が続くボンバルディアから,今度は
リンツ(LINZ LINIEN GmbH)より23本のFLEXITY Outlook(Cityrunners)の
注文を受けたとの発表がありましたが,そのリンツでは,かねてより懸案
だった市内地下線計画が進展していることを示す発表が出ています.

リンツの市内サービスを統括する市営の会社LINZ AGの監事会は,この度
ミュールクライス鉄道(Mühlkreisbahn)をリンツ中央駅に乗り入れさせる
RegioLiner計画と,第二の市内トラム路線計画を,リンツで市電などを
運行するLinz Linienに委任しています.調査費用? として2百万ユーロの
予算も計上されました.

ミュールクライス鉄道をリンツ中央駅まで乗入れさせるためには,市内を
南北に縦貫する第二のトラム路線構築が必要不可欠です.
今も中央駅と,ミュールクライス鉄道の発着する街外れのウアファール駅
(Bahnhof Linz Urfahr)を結ぶトラム路線がありますが,既に一日10万人
以上の利用者があるそうで,いずれ飽和状態になるとみられています.

そこで考えられたのが,現在のトラム路線の東側にルートをとり,ほぼ
全線を地下走行する新線計画です.南北の流動を補うだけでなく,市の
東側には開発の見込まれる地域もあり,その交通手段にもなるわけです.
そして第二段階として,ミュールクライス鉄道を中央駅まで導く役目も
果たすことになります.

今後数か月をかけて,南北地下新線の詳細ルートや駅の位置などの検討が
重ねられることになる模様です.

公式発表にはPDFファイル版の地図へのリンクもあります.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
03.07.2009 Aufsichtsrat beauftragt LINZ AG LINIEN mit Studie
(LINZ AG 公式サイトへのリンク)
発表前夜にも報道がありました.
03. Juli 2009 Linz AG beschließt Budget für U-Bahn
(OÖNachrichten Zeitung ニュースへのリンク)
02. Juli 2009 Startschuss für Linzer U-Bahn fällt
(oe24 ニュースへのリンク)

ミュールクライス鉄道の中央駅乗入れに際しては,今の形態のまま乗入れ
するCity-S-Bahnという構想もありましたが,そちらは沿線人口8800人と
1万7千人分の職場を結ぶだけなのに対し,南北地下新線経由のRegioLiner
なら,沿線人口2万人と2万6千800人分の仕事場を結ぶことになるという
分析があるそうです.

冒頭でお伝えしたボンバルディアの発表:
July 3, 2009 Bombardier to Supply 23 FLEXITY Outlook Trams to Linz
(Bombardier 公式サイトへのリンク)

リンツにはFLEXITY Outlook(通称Cityrunners)が33本在籍しています.
今回の追加でペストリングベルク鉄道用の2本を除く本線向けだけで56本
体制になるようです.納入は2011年からとのことでした.

【リンツ】関連ログ: 2008/8/31 ミュールクライス線トラム化? ほか

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2009年06月25日

【ウィーン】中央駅へのU2乗入れ議会が否定

長年の構想が,ようやく実現になりつつあるウィーン中央駅.しかし市内
主要部との接続は,連邦鉄道線以外は限定されたものになりそうです.

ウィーン中央駅(Wien Hauptbahnhof)は,今の南駅(Südbahnhof)を大改造
して建設されます.そして新たにドイツ方面からの西部路線(Westbahn)の
終着駅も兼ねることになるため,従来のターミナル(頭端式)からスルー
運転が可能な線形にすることで,今の南駅より位置が若干移動します.

周辺の再開発が期待されているとはいえ,元々が南駅というぐらいで市内
中心部から南にやや離れた場所にあり,連邦鉄道線(ÖBB)以外に市内各地
との接続も重要な課題です.

中央駅には,そばを通る地下鉄U1のSüdtiroler Platz駅が近くにあり,
さらに2003年に策定された計画(Masterplan Verkehr Wien 2003)にも,
地下鉄U2をカールスプラッツ(Karlsplatz)から南に延長する構想があり,
その南端部(Gudrunstraße駅)が中央駅予定地のすぐ南なる予定です.

このU1と将来のU2の両駅が最寄駅となるわけですが,徒歩連絡だけでなく
空港などに導入されているDCC社のピープルムーバー(Cable Liner)を導入
しようという話も出ています.
DCC: Doppelmayr Cable Car

しかし,ピープルムーバーの輸送力を疑問視し,U2が中央駅と直結しない
限り,やや回り道する後発のU2よりも,都心部と直結して知名度も高い
U1が混雑するだけではないかという懸念が出ていました.

今回の市議会では政党別に意見が分かれたようですが,U2の中央駅への
乗入れ提案は否決され,U1だけで十分との判断が下されました.

中央駅の全面的な開業は2015年が予定され,U2の南部延伸は2019年開通の
見込みとなっています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
24.06.2009 U2 zum Wiener Hauptbahnhof: Gemeinderat sagt Nein
(Die Presse ニュースへのリンク)
24. Juni 2009 Gemeinderat lehnt U2-Station ab
APAの記事 (derStandard.at ニュースへのリンク)

地下鉄以外の軌道系公共交通では,市電D系統(3系統)が中央駅の真下まで
延長されて来るようです.下のほうに地図が載っていました.
Verkehrskonzept: (Hauptbahnhof Wien 公式サイト? へのリンク)
Anbindung des Bahnhofs/ Stadtteils an das Verkehrsnetz
ウィーンで系統番号のあとに「A」が付くのはバスでの運行です.

2003年の計画とU2のウィーン南部への延伸計画概要:
Masterplan Verkehr Wien 2003 Öffentlicher Verkehr
U2 - Süd: Verlängerung von der Station Karlsplatz in Richtung Süden
(Stadtentwicklung Wien 公式サイトへのリンク)

DCC導入例: Mandalay Bay Tram, Las Vegas, USA
(Doppelmayr Cable Car GmbH & Co 公式サイトへのリンク)
この他の導入例は,左側のメニューに載っています.

Uバーンの二駅と中央駅を結ぶピープルムーバの導入には,大雑把な金額
だと思われますが,3千万から4千万ユーロという話も出ていました.

U2を中央駅と直結させることを見送ったのは,地下鉄の使命とは住民の
暮らしている地域と職場などを結ぶものだからということのようですし,
将来の延長にも備えたい(線形を変えたくない)のも理由のようです.

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2009年05月28日

【リンツ】ベストリングベルク鉄道が5/29再開

粘着式では世界最急勾配と言われるペストリンクベルク鉄道が,14か月の
再生工事を終えて,この金曜(5/29)に戻ってきます.その日こそ,リンツ
郊外のペストリングベルク鉄道が開業111周年を迎える日なのでした.

一年余りのバス代行期間中に行われたのは,改軌を含む軌道の更新と,
それにあわせた車両の更新が主です.改軌により,これまで分断されて
いた市内線との直通運転も可能になり,利用者の便宜を図り乗客増を図る
べく,生まれ変わったペストリンクベルク鉄道(Pöstlingbergbahn)は,
ふもと側の駅(Bergbahnhof Urfahr)から市内線の中央広場(Hauptplatz)
まで,運転区間が延長されることになっています.このため接続部分の
軌道に加え,中央広場には専用の折返し線が建設されました.

車両も市内路線の軌間900mmに適応できるものになり,オーストリアの
法令により定められている低床化をはじめとしたバリアフリー化も図ら
れることになりますが,後者は在来車両の改造では実現が困難なため,
在来車にあわせたレトロ調デザインの新車が3本購入されました.
あわせて軌間1000mmの在来車も改軌対応など足回りが改造され,3本が
生き残ります.

当面は代行バスと低床車3本での運行ですが,この夏には改造を施された
在来車も到着予定で,9月か晩秋からは低床車と在来高床車による運用が
開始される模様です.

車両を含む設備の刷新と市内への乗入れにより,利用客の半分を占める
観光客だけでなく,沿線人口は増えているのに従来は振るわなかった,
地元客の利用増が期待されています.

公式発表と運転再開を控えた一般紙の記事:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
25. Mai 2009 Neue Pöstlingbergbahn wird am 29. Mai 2009 eröffnet
(LINZ AG 公式サイトへのリンク)
26. Mai 2009 Pöstlingbergbahn: 111 Jahre altes Denkmal ist nun
fast völlig neu
(OÖNachrichten ニュースへのリンク)
26. Mai 2009 Pöstlingbergbahn fährt ab Freitag in neuem alten Design
(Neues Volksblatt ニュースへのリンク)

運転再開から四日間は,運賃無料で利用できます.
14. Mai 2009 Vier Tage freie Fahrt mit der neuen Pöstlingbergbahn
新生ペストリンクベルク鉄道の案内: Die neue Pöstlingbergbahn
(LINZ AG 公式サイトへのリンク)

ペストリンクベルク鉄道の新たな一ページ:
(新しく入った低床車と,延長されて発着地になった中央広場の様子)
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
sonderfahrt hauptplatz by tschörda (flickr)
sonderfahrt hauptplatz
Taken on May 22, 2009
この画像では,手前がペストリンクベルク鉄道の折返し線で,向こう側に
市電が発着して乗換えの便宜が図られています.

新たに入る低床車の試運転の様子は,下記ページでも紹介されています.
Testfahrt Bergbahn neu Brems- und Testfaht von der neuen Bergbahn
(Linz Linien Fanpage へのリンク)

このボンバルディア製低床車は,1本あたり460万ユーロしました.途中で
製造メーカーが代わるなどもありましたが,当初の4本購入予定を3本に
減らした経緯があるほどです.
単に金額だけみても高いですし,車両の長さは19m少々,立席も含めて
定員88名を考えると,高価な低床式トラムの中でも最高額の部類です.

ベースになっているのは,リンツ市内線にも導入されている,専門誌など
ではCityrunnerとも分類される,車軸を持ちながら低床化を実現した,
FLEXITY Outlookモデルです.
これに,Pöstlingbergbahnにある最急勾配(116パーミル)区間を安全に
上り下りできるよう対策を施した結果が,460万ユーロなのでしょうか.

車両の仕様は,Moderne Schienenfahrzeugeの会議録に詳細があります.
38th Conference 2008
(Conference on Modern Rolling Stock Graz へのリンク)
2008年開催(第38回)分のページ最下段にある,W.Rathberger, M.Petz氏の
PDFファイルが該当します.

主だった仕様を書き出してみると,次の通りです.
車両長さ: 19160mm
車体幅: 2300mm
車体重量: 約27,6 t (空車)
最高速度: 50km/h (勾配区間では25km/hに制限)
対応可能な最小曲線半径: 17m
モーター出力: 105 kW x 4 (合計 420 kW / 572馬力)
ギア比: 1:6.99
常用ブレーキシステム: 電気ブレーキとディスクブレーキ(40kN)
非常用ブレーキ: 一台車に一対の電磁ブレーキ(90kN)
粘着増強: 各車輪に砂散布装置

改軌などの設備投資(1500万ユーロ)と車両(2千万ユーロ)への投資総額は
3500万ユーロでした.このうちリンツ市とオーストリア政府がそれぞれ
1千万ユーロずつを,残る1500万ユーロはLINZ AGが負担しています.

【リンツ】ペストリングベルク鉄道 関連ログ:
2007/6/25 登山鉄道低床化の製造会社変わる
2007/3/20 登山鉄道の低床化と市電乗入れへ

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2009年04月11日

【ウィーン】リングトラム利用率五割で再開

昨秋ウィーンのリングシュトラーセを一周するだけの定期路線が廃止と
なり,これまでの1系統も2系統も,すべて郊外からリングシュトラーセを
半周してまた郊外へ抜ける路線に建て替えられましたが,発表されていた
通り,4/04には観光客向けの一周路線,Vienna Ring Tramが運転を開始
しています.

それから一週間が経ちましたが,利用率3割だった予想を超えて,平均で
5割程度に相当する一日200人の利用があったとの発表がありました.
観光客向けのリング路線は,全面黄色に塗られた旧型車(4867号車)で,
地元客の誤乗は少ないそうです.

運転時間は10時から18時(7月8月は19時)までで,運転間隔は30分,一周を
23.5分かけて,かつての1系統(時計回りの内回り)を走ります.

一周の運賃は6ユーロで,車内でこれを求める利用者が多いようですが,
14ユーロで他の市内路線にも通用する24時間切符なども使えます.
車内には観光名所のそばを通るのにあわせて? 液晶画面と各言語の音声
案内があり,音声はドイツ語,英語はもちろん,フランス語,スペイン
語,イタリア語,ロシア語と,日本語で解説されているそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
11. April 2009 Touristen-Bim: Halbvoll um den Ring
(Wiener Zeitung ニュースへのリンク)
10.04.2009 Auslastung der Wiener Touri-Bim höher als erwartet
APAの記事 (Die Presse ニュースへのリンク)
10.04.2009 Touristen-Bim als Fahrgast-Magnet
(ORF ニュースへのリンク)

内装を含めた画像集は,下記で見ることが出来ます.
Category: Vienna Ring Tram - Wikimedia Commons
(wikimedia へのリンク)

関連ログ: 2008/10/18 2009年4月からリンク循環復活へ

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2009年03月31日

【Siemens】Avenioモデルと無架線対応策発表

コンビーノに続く,シーメンス社の次世代100%低床車モデル,アヴェニォ
(Avenio)の概要が,ウィーンからとして発表されました.
車体の軽量化,低騒音走行,座席数の増加,それとよく判らないものの,
従来の複連接から単連接?への転換などが売り物になります.その車両の
長さは最長73mまで可能とか.この長さは54mのブダペストのコンビーノ
(Combino Plus)を抜き,低床車では世界最長になるそうです.

アヴェニオの第一号を受領するのは,テルアビブとみられています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
2009-Mar-30 The longest low-floor tram in the world: Siemens
presents the Avenio
(英語版)
30.März 2009 Die längste Niederflurstraßenbahn der Welt: Siemens
stellt Avenio vor
(ドイツ語版)

先日のバルセロナに続きセビリアでも,4社で開発された無架線で走る
路面電車向けシステムを紹介する記事が出ていました.

そのうちの一社,シーメンスで開発されてきた架線不要対応システムは
Sitras HESと呼ばれ,その概要もこのほど発表されています.これらの
発表は,ユトレヒトで本日3/31から開催される,Rail-Tech 2009に合わ
せたものかもしれません.

その仕組みは,回生ブレーキに相当する? Sitras MESにより得られる電気
を,電車屋根に搭載する電気二重層コンデンサ(Electric double-layer
capacitor)に充電するというものです.
Sitras HES: hybrid energy storage
Sitras MES: mobile energy storage

下記に挙げたタイトルにも現れているように,架線を張らず旧市街地など
でも景観を損なうことなく電車を走らせられるだけでなく,エネルギーの
節約になることが謳い文句になっていました.新型モデルのみならず,
既存車両への搭載も可能です.

March 30, 2009 Siemens’ energy storage system reduces emissions
by up to 80 metric tons of CO2 per year and enables trams to
operate without an overhead contact line
(英語版)
30.März 2009 Energiespeicher von Siemens spart bis zu 80 Tonnen
CO2 im Jahr und ermöglicht oberleitungsloses Fahren für
Straßenbahnen
(ドイツ語版)
(Siemens AG プレスリリースへのリンク)

Sitras HESは,2.5キロまでの無架線に対応できるそうで,エネルギー
削減量は最大30%と他社並みに絞れます.
すでにリスボン近郊のテージョ(タホ)川南岸のメトロ(MST)で,昨年から
試験が実施されていたそうで,システムを搭載したコンビーノ(Combino
Plus)は,2008年11月から営業運行にも入っているとか.
MST: Metro Sul do Tejo

【キャパシタトラム】関連ログ: 2009/1/21 スペインとオランダでも

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2009年02月24日

【ウィーン】E2タイプの行き先表示を改造

ドイツ語圏の街の路面電車では,複数の系統が同じ線路上を走ってくる
ので,誤乗防止のため先頭に系統番号や行き先の表示は欠かせません.
古くは番号や行先が記された板が車両の目立つ位置に掲げられ,その後は
いわゆる方向幕が登場,行灯のように内側から照らされて夜間も見やすく
なり,最近登場の新型車両では,それがLEDに取って代わられました.
LED: Light Emitting Diode (発光ダイオード)

ウィーンのトラムでも,三世代にわたっている現役の営業車は,それぞれ
投入された時代で主流の方法を採用しています.
そのうち現役では二番目に新しい,というより二番目に古い形式のタイプ
E2(Type E2)の表示方式を,これまでの方向幕式からLED表示に順次改造
するという話題が,地元ウィーンのメディアに取り上げられていました.

対象になるのはタイプE2と,後ろにぶら下がるトレーラーのタイプC5の
合計121本で,前面と側面の表示全てが予定では2010年中には交換される
ことになっており,かかる経費は50万ユーロと報じられています.

日本国内でも方向幕式表示からLED式に改造されるケースは珍しくなく,
今や方向幕は風前の灯の感さえありますが,ウィーン市電の改造理由も,
誤表示が頻繁にあったこともさることながら,何よりモーターなど電動
装置の部品がなくなってきていることに後押しされたそうです.

タイプE2の最も古い車両は,製造後かれこれ30年以上になります.
屋根上に搭載した四角い行灯式の系統番号表示器が特徴的で,今後のE2は
四角い箱はそのままに,番号表示部だけLEDに取り替えられていきます.

すでにオレンジ色LEDに交換された車両は18本あり,6,18,67,D系統に
投入されているとか.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
23.02.2009 Alte Wiener Straßenbahnen bekommen LED-Zielanzeige
(Vienna Online ニュースへのリンク)
23.02.2009 Neues Anzeigesystem für Straßenbahnen
(ORF.at ニュースへのリンク)

左が方向幕時代のタイプE2,右はタイプE1:
WL4310.jpg WL4684.jpg

現役では最古参になるタイプE1では,行き先などを書いたプラスチック製
板を,終点に到着する度に運転士が交換しています.屋根上の系統番号
表示も丸い行灯式の系統票ですが,こちらも板を使った手動交換のため,
いずれもそのまま残るそうです.

記事は触れていませんが,タイプE2の1本だけが2006年12月にLED表示に
改造されて,67系統を走ったという情報もありました.
Type E2 (Wien) (Stadtverkehr-Austria-Wiki へのリンク)

前回の【ウィーン】関連: 2009/1/20 U6の車両世代交代完了ほか

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2009年01月20日

【ウィーン】U6の車両世代交代完了ほか

ドイツ語でUntergrundbahnを省略したU-Bahnは,地下鉄のことで,通常は
路線番号に頭文字のUが付けられます.ウィーンで1989年に誕生したU6も
地下鉄ということになりますが,実態はシュタットバーン(Stadtbahn)や
路面電車路線の高架区間などをあわせて統合したような路線で,車両も
以前から使われていたTyps E6/c6と呼ばれる形式が,そのまま継続して
走りました.

このため1990年代初めには,子供連れの親御さんが,地下鉄に乗ると言い
駄々をこねる子供を前に,Typs E6/c6しかやってこないU6のホームで苦労
したとか.子供の目には路面電車と同じ格好のTyps E6/c6が,どう見ても
地下鉄とは映らなかったのです.

そこにU6専用に製造され低床区画を持つType Tが,1994年頃から本格的に
運転を開始します.これまでの路面電車風の車体とは一線を画し,後に
登場するULFをも彷彿とさせるデザインのType Tは,2000年には78本を
数えるほどに増え,旧型車の扱いになったTyps E6/c6は活躍の場を次第に
狭めていきます.

その後もType Tの改良版となるType T1が増備されるにおよび,ついに
2008年12月には路面電車スタイルのTyps E6/c6は営業の一線を退くに至り
ました.今年に入り1/19には最後の運転が行われたと,地元メディアが
一斉に報じています.

Typs E6/c6は1979年から1990年まで48本製造されていて,近代化を急ぐ
U6からは退きますが,条件さえあえばまだ活躍の場はあります.こちら
でも何度か紹介しているオランダのユトレヒトに11本が売却されたほか,
ポーランドのクラクフにも(1本?)行っているという記載もあります.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
19.01.2009 U-Bahn: Neue Züge für die U6
(Die Presse ニュースへのリンク)
19.01.2009 U6 nun reine Niederflurlinie
APAの記事 (derStandard.at ニュースへのリンク)
16.01.2009 Der Abschied von der "U-Bim"
(derStandard.at ニュースへのリンク)

T1導入以前から近年のE6(画面左)は,下のようにT(画面右)と併結される
機会が多かったようです.
Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
Vienna U6 by pterjan (flickr)
IMG_6074
Taken on May 8, 2007

U6の車両の世代交代は完了しましたが,トラムのほうはと言うと,今回の
Typs E6と同世代に製造されたType E2は,初期の車両は製造後30年を経過
しているものの低床車への置換えはままならず,Cross Border Leasingで
今後も20年近く使い続けなければならない? という話がありました.

18. Jänner 2009 Wer bestimmt, welche Straßenbahnen in Wien fahren?
(Bizeps Info ニュースへのリンク)
どうやら,資金調達のために米国の会社と結んでいた国際的なリース契約
(セール・アンド・リースバック? 契約)の関係と記されています.

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2008年12月10日

【ウィーン】市電にセンサー改良ドア導入

ウィーンでは,路面電車のドアに乗客が挟まれる事故で,この5月にWLは
旧型車のドア挟み検知装置を改造すると発表していました.
WL: Wiener Linien GmbH & Co KG

その新しい装置を備えた第一号車両は,既にウィーン15区のRudolfsheim
車庫に配属されていて,西部を走る10系統,49系統,52系統,58系統を
中心に運用されているとの報道がありました.

従来のドア挟み検知装置は,ドアの縁に取付けられたチューブの空気圧の
変化を探知すると,安全のためドアを開けていましたが,新システムは,
迅速に対応でき,より敏感に探知する光電センサー式を採用しています.

ドアセンサーの改造を受けるのは,古くは1960年代後半から投入されて
いるE1タイプと,動力源を持たないトレーラー(付随車)です.改造は,
2009年末までに行われます.
E1タイプ130本と,トレーラー100本の改造費用は,当初は40万ユーロと
みられていたものの,今では50万ユーロになりました.

一部報道では,1970年代後半から1990年まで製造されたE2タイプも改造
されるように読めますが,おそらくE1だけでしょう.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)

09. Dezember 2008 Erste Wiener Straßenbahn mit neuem Türensystem
bereits im Einsatz
(APA) (derStandard.at ニュースへのリンク)
09.12.2008 Erste Straßenbahn mit neuem Türensystem
(ORF.at ニュースへのリンク)

E1タイプ(Typ E1)は,最長2016年末まで運用されることになるようです.

改造ドアではありませんが,E1タイプの冬場の入り口
WL_Type_E1.jpg

【ウィーン】関連ログ: 2008/5/29 トラム乗降時の事故分析結果ほか

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2008年11月22日

【グラーツ】SバーンがEUの地域優秀賞に

メディアがあまり取り上げていないようなので,地味な話題なのかも知れ
ませんが,欧州内の地域で,すぐれた新機軸や目ざましい業績を挙げた
計画などに対し,合計十部門にわけて今年の欧州ナンバーワンを称える,
European Regional Champions Awards という賞があります.

十部門の一つ,運輸(Transport)部門には,今年3つがノミネートされて
いました.

一つ目は,EUも資金を一部出すCityMobilと呼ばれる計画の一環で,その
うちの一つ,スペインのバレンシアの北に位置するカステリョン・デ・
ラ・プラナ(Castellón de la Plana)市に,今年6月下旬開業したTRAMが,
選ばれました.
トラムと言っても,光学式ガイドウェイ装置付きの電気トロリーバスで,
専用車線を走るため,TVRCasとも呼ばれていました.
TVRCas: Transporte en Vía Reservada de Castellón

次は,オーストリアのグラーツを中心とする,シュタイアーマルク州の
Sバーン(S-Bahn Steiermark)です.こちらは,2007年12月から営業運転を
開始していました.

最後は,ヘルシンキ市のバス停や電停の時刻表などを,付属のカメラを
通じて携帯電話に自動的に表示させる,UpCodeと呼ばれるシステムです.
これは,携帯電話に専用アプリを入れておけば,停留所でUpCodeの二次元
バーコードに携帯電話をかざすだけで,インターネットに接続し時刻表に
アクセスする仕組みだそうで,電車やバスの時刻だけでなく,様々な情報
伝達に応用できるシステムのようです.

結果はタイトルの通り,The Parliament誌と,EU内の地方政府の代表で
構成される諮問機関である地域委員会(CoR)の委員らの投票で,今年の
European Regional Champions Awards 2008 トランスポート部門は,
グラーツのSバーンが獲得しています.CoRのプレスリリースに,今年の
結果一覧が載っていました.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
20 November 2008 Regional Champions Awards 2008 : providing leading
examples for Europe

(EU Committee of the Regions ニュースリリースへのリンク)

ノミネートされた際に紹介された,グラーツのSバーンの概要:
European Regional Champions Awards 2008 Shortlist Information
Transport: Rapid transit railway, Styria, Austria
(The Parliament誌のサイトへのリンク)
その他の計画も英語で紹介され,詳細情報へのリンクもあります.

グラーツSバーンのサイトでは,ニュース欄で紹介されていました.
14.11.2008 S-Bahn Steiermark rast an die Europaspitze
路線図: S-Bahn Liniennetz
(S-Bahn Steiermark 公式サイトへのリンク)

2007年12月のダイヤ改正で誕生したグラーツ都市圏のSバーンは,運転
本数の増大だけでなく,運転間隔を等間隔にして時刻表いらずにしたり,
エアコンを搭載した低床区画のある新型車両を導入しています.
また,交通情報で自動車のドライバーに新しい公共交通機関が生まれた
ことを伝えるなどの宣伝も功を奏したのか,旅客数は前年比で1割増に
なったと紹介されました.

路線網は三段階にわけて拡大され,次は2011年の予定でしたが,最近の
報道では2010年に前倒しされる可能性もあるようです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年10月18日

【ウィーン】2009年4月からリンク循環復活へ

10/26に行われるダイヤ改正で,これまでウィーンのリングシュトラーセ
(Ringstraße)をエンドレスにぐるぐる回っていたトラム1系統と2系統が,
ルートを変更して循環運転を止めることになっています.
関連ログ: 2008/7/03 リング循環系統10/25に廃止

一周5.3キロ? ほどとは言え,東京で言えば山手線,大阪なら環状線に
相当すると言ってもいい,歴史のある都心の循環ルートですので,起点を
リングの外に移し,周回路線に入って約四分の三週したあと,再び輪の
外に抜け出るルートに変更することは,発表時から賛否両論出ていたよう
で,今月に入って実施が近づくにつれ,市議会の一部政党が反対している
などの関連記事が出ていました.

そうした中で改正まで一週間余りになった昨日(10/17),Wiener Linien
(WL)はトラムのリンク循環運転を2009年4月から再開すると発表します.

運転は30分間隔で時間は10時から18時までに留まり,使用車両も一番古い
E1タイプが使われます.しかも,新しい循環運転は内回り(時計回り)の
現トラム1系統のルートを継承するだけで,運賃も他のWL路線とは別建て
となる見込みです.

そして,車内には40席の座席とLCDの情報案内板にヘッドフォンが用意
され,各国言語による沿線の名所案内も行われます.ということで,この
電車は観光客向けなのでした.それでも運行は通年となる見通しで,今の
環状運転で行われている時間調整は,とらない予定だそうです.

公式発表と記事:
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
17.10.2008 4. April 2009: Start Touristenstraßenbahn als Ring-Rund
(Wiener Linien 公式サイトへのリンク)
17.10.2008 Wiener Ring-Linie bleibt - als "Touristen-Bim"
(Die Presse ニュースへのリンク)
17.10.2008 Wiener Grüne und ÖVP begrüßen Touristen-Tram
(Vienna Online ニュースへのリンク)

トラム1系統と2系統によるリンクの環状運転終了は,一つの時代の終わり
としながらも,リンクの輪でエンドレスの周回運転だけを行うようになる
のは,2系統が1985年から?,1系統は1986年から? なのだとか.
それまでは,輪の外からやってきて一周し,その後は再び輪の外に出て
いた? ようです.今回の系統建替えは,その時代の形態に戻るような感じ
になります.

14.10.2008 Ring-Runde: Ende einer Ära
(Die Presse ニュースへのリンク)
この記事によれば,反対の理由としては,循環運転を止めると観光客が
観光バスを利用するようになるとか,市民が車に戻るといったことが,
挙げられている模様です.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年10月13日

【グラーツ】市内にトラムの無料シャトル?

シュタットラー・レールの低床車VarioBahnの話が出たところで,購入を
決めそうと伝えられるドイツのポツダムより先に,VarioBahnを走らせる
オーストリアのグラーツ(Graz)から,市内中心街活性化にまつわる話題が
報じられています.

グラーツでは今春,公共交通機関での携帯電話使用を市長が禁じたことに
端を発し,賛否両論の議論が巻き起こったことがありましたが,今回は
中心部に人を呼び寄せようという目的は同じでも,その方法を巡って,
市長と商店街との間で,ひと波乱ありそうな気配です.

"City-Shopping statt Shopping-City"というスローガンのもと,人口が
25万をやや超え,都市圏では32万規模のグラーツで,市内中心部へ人の
流れを呼び込む手段として,土曜日にも店を開けるというところまでは
問題ないようですが,商店側は駐車場と公共交通機関の両方の無料化を
考えていました.

これに対して市長は,駐車場無料化は逆効果(=短期間向け駐車場は回転が
速い? から)とし,難点の少ない公共交通の運賃無料ゾーンのほうを主張
していました.そして今回,無料のトラムを日中シャトル運転する案を,
打ち出してきた模様です.

ちなみに,スローガンは外来語由来になりますが,Shopping-Cityとは
郊外にある駐車場が無料のショッピングモールのことを指し,それよりも
市内中心部で買い物(=City-Shopping)しようという意味になるようです.

市長の案では,トラムのシャトル運転(Shopping-Tramlinie)は,グラーツ
中央駅(Hauptbahnhof)と,ヤコミニ広場(Jakominiplatz)の間が考えられ
ています.中央駅が市の西外れにあるのに対して,ヤコミニ広場は市庁舎
などからも近く,GVBのトラムが各方面から集まってくる合流点です.
GVB: Grazer Verkehrsbetriebe

中央駅とヤコミニ広場の間には,すでに2つの系統が走り,9時から19時の
間だけで一日4万人が利用し,600本? の路面電車が運行されています.
また,同区間だけの利用者は,路面電車利用客の1割にあたるそうです.

ハブのヤコミニ広場から中央駅のすぐそばまで一緒の路線まで含めると,
全部で4つの系統がありますが,計画ではショッピング・トラムには専用
車両を3本用意し,同区間で7分ヘッドの折返し運転を行うとしています.

同区間のトラムを全て無料開放した場合の費用は,年間210万ユーロ? と
されていますが(土曜だけで年間260万ユーロという情報もあり),3本の
トラムだけを無料にして週五日間の日中走らせるなら,同160万ユーロに
なる? ようです.
その他にも,沿線商店で買い物した場合には,同じ運賃ゾーン内移動用の
24時間切符(24-Stunden-Karte / 3.80ユーロ)を進呈する案もあります.

市長の考えでは,とりあえず金曜と土曜からスタートさせたいようです.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
12.10.2008 Nächste Haltestelle: Gratis-Bim in der City
23.09.2008 GVB und Parken zum Nulltarif: Nagl winkt ab
(Kleine Zeitung ニュースへのリンク)

路線図ダウンロードページ: Liniennetzpläne Download
(GVB 公式サイトへのリンク)
現時点では市長案に留まっていますので,シャトル掲載はありませんが,
ヤコミニ広場にトラムの全系統が集まっている様子が伺えます.

Creative Commonsの条件に基づき,参考画像を貼り付けておきます
お昼時のヤコミニ広場:
Jakominiplatz by zeroK (flickr)
Jakominiplatz
Taken on April 26, 2008

中央広場(Hauptplatz)の様子:
Graz main square by Daniel Sparing (flickr)
Graz main square
Taken on February 11, 2008

平日日中はGVBトラム全系統が走る,JakominiplatzとHauptplatzの間の
トランジットモール区間:
Graz - Herrengasse by thisisbossi (flickr)
MG_0403 - Graz - Herrengasse
Taken on July 1, 2007

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2008年08月31日

【リンツ】ミュールクライス線トラム化? ほか

昨日のグミュンデンと同じオーバーエスターライヒ州で,その州都リンツ
からは,今月多くの記事がありましたが,月末にそれを締めくくるのは,
突然発表された地方鉄道のライトレール化構想です.

連邦交通大臣(厳密にはBMVIT,交通と改革と科学技術の省庁の大臣)を
兼ねるオーストリア社会民主党(SPÖ)の党首と,同党所属の州知事代理,
それにリンツの市長を加えた三人が,リンツを起点に北西へ約58キロの
路線を持つ非電化単線の鉄道を電化し,リンツ中央駅の地下から市電を
延長させる形で直通運転させる構想を発表したのです.
BMVIT: Bundesministerium für Verkehr, Innovation und Technologie
SPÖ: Sozialdemokratische Partei Österreichs

ミュールクライス鉄道(Mühlkreisbahn)は,文字通りリンツとミュール
フィアテル(Mühlviertel)地区を結ぶ鉄道で,現在はオーストリア連邦
鉄道(ÖBB)が運行しています.2005年からは,シーメンス製の部分低床式
軽量ディーゼルカー(Desiro)も投入されました.

ところがこの鉄道,リンツ側のターミナルは幹線の発着するリンツ中央駅
ではなく,街外れのリンツ・ウアファール駅(Bahnhof Linz Urfahr)で,
後で登場する粘着式鉄道では欧州最勾配のペストリングベルク鉄道や,
中央駅への足となる市電も発着していますが,中央駅への直結が長年求め
られていたそうです.実際,市街地を地下で走るCity-S-Bahnと呼ばれる
連絡線構想もありました.

ウアファール駅前から中央駅(Hauptbahnhof)地下に至る市電3系統が,
ほぼ直線で結ばれているのに対し,ミュールクライス鉄道のライトレール
延長構想では,リンツ市街の東側に弧を描くような形で地下を走ります.
途中で総合病院などを経由し,最終的には市電が中央駅地下へ進入する
地下線の南側出入口近くで合流し,中央駅へは南から到達する格好となる
ようです.下記にリンクを張った,OÖNachrichten の記事に地図が載って
います.
時間短縮は,乗換え不要で節約できる10分程度ですが,ライト
レール化により運転頻度を高められる利点があります.

新たに必要となる路線のうち,約5キロは地下線となり,それだけでも
2億7千万ユーロが必要とみられ,ミュールクライス鉄道全線の電化などに
必要な費用が2億2200万ユーロ,増発のため必要な18本の新車購入として
5800万ユーロ,合計5億5千万ユーロが必要になるとみられています.

今の鉄道のままで中央駅まで乗入れるCity-S-Bahn構想より,地下線建設
距離が2キロ長くなり,必要な資金は倍以上に膨れ上がります.そのこと
もあり,発表の翌日には他の政党から,構想は砂上の楼閣で,選挙目当て
ではないかというような非難を一斉に浴びることになりました.実現の
ほどは定かではありません.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
29.08.2008 Straßenbahn von Linz bis Aigen-Schlägl
(ORF.at ニュースへのリンク)
29. August 2008 OÖ: Diskussion um geplanten "Regio-Liner" ins
Mühlviertel
APAの記事 (derStandard.at ニュースへのリンク)
29.08.2008 Fünf Kilometer U-Bahn für Linz: Mühlkreisbahn als
neue Straßenbahn
(OÖNachrichten ニュースへのリンク)

一方,ペストリングベルク鉄道(Pöstlingbergbahn)は,軌間1000mmから
市電のゲージにあわせて900mmへという,異例の改軌工事中で,今年3月
から全面運休中です.改軌と市内乗入れにあわせて,在来車両の改造と
低床車が購入され,予定では2009年3月には市電軌道を通って市内への
乗入が実現するはずでした.

しかし,ボンバルディアに発注している3本の新車完成が遅れ,2009年6月
になるという記事が出ています.
この遅れのため,2009年4月に改造車だけで運休前までの区間の運転を
再開し,その後6月には低床車を加えて市電乗入れという,二段階も検討
されているそうです.
22.08.2008 Pöstlingbergbahn hat Verspätung Neue Wagen fahren erst
im Juni ‘09

(OÖNachrichten ニュースへのリンク)
この記事にもあるように,当初低床車を受注していながら,途中で取消の
憂き目にあったFTDは,今年倒産したそうです.
FTD: Fahrzeugtechnik Dessau AG

ペストリングベルク鉄道関連 過去ログ :
2007/3/20 登山鉄道の低床化と市電乗入れへ
2007/6/25 登山鉄道低床化の製造会社変わる

このほか今月のリンツ市電の話題には,こんなものもありました.
EU加盟国の文化交流も兼ね,年間を通じ欧州規模の芸術行事が開催される
欧州文化首都(Kulturhauptstadt)という持ち回り制度があり,2009年は
リトアニアの首都ビリニュスと,リンツが担当です.

そのKulturhauptstadt 2009にあわせ,リンツ市では市電の終夜運転を,
今後の研究も兼ねて実施することになるというものです.
20.08.2008 Straßenbahn soll 2009 rund um die Uhr fahren
(ORF.at ニュースへのリンク)

リンツ前回の話題: 2008/8/13 新線は2009年3月の着工に

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2008年08月30日

【グミュンデン】湖畔の二駅接続計画を再認識

10月からインスブルックで使われるFlexity-Outlookが,製造地ウィーン
からの輸送途中でザルツカンマーグート地域に立ち寄り,数週間にわたり
その地で同車の走行試験と,デモンストレーションを行う話を今月中旬
紹介しましたが,低床車が到着して二週間余り.8/25までに予定されて
いた時速70キロの走行試験を無事に終え,8/27には招待客らにお披露目
されて,8/28からはTraunseebahnで一般客にも開放されている模様です.

9/04までは,グミュンデン(Gmunden)とフォルヒドルフ(Vorchdorf)を結ぶ
通称Traunseebahn,Lokalbahn Gmunden–Vorchdorfで運転されますが,
フォルヒドルフ地区など沿線の各世帯には無料券が配布され,これまでの
この地の鉄道車両のイメージを一新し,もしかしたら将来導入されるかも
しれない100%低床車Flexity-Outlookの試乗を,促しているそうです.

路面軌道にも地方交通線にも対応できるボンバルディア製100%低床車の
Flexity Outlookは,グミュンデンの路面電車(Straßenbahn Gmunden)線上
でも,9/12から10/01まで運行されることになっています.

関連ログ: 2008/8/14 インスブルック低床車試験

グミュンデンのトラウン湖畔(Traunsee)には,地方鉄道のTraunseebahnと
路面電車の二つの駅があります.両線とも,オーバーエスターライヒ州を
中心に,地方鉄道を五路線持つStern & Hafferl Verkehrsgesellschaftが
運営していますが,この二駅間は川を挟んで700mほど離れていて,今は
連絡されている状態とは言えません.

しかし,すでに両線を接続させる計画は出ていて,技術的に実現可能との
報告もあがっており,2012年という目標も掲げられていましたが,今回の
お披露目の席上で,それが再確認されたことが,記事になっています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
27. August 2008 Die Zukunft auf Schiene bringen
(Stern & Hafferl Verkehrsgesellschaft m.b.H. 公式サイトへのリンク)
28 August 2008 Vorchdorf: Neue Verbindung die Menschen verbindet
(Im-Salzkammergut ニュースへのリンク)
29.08.2008 Schon 2012 könnte die Straßenbahn über die Traun bis
Vorchdorf fahren
(OÖNachrichten ニュースへのリンク)
OÖNachrichtenの記事には地図が掲載されています.

グミュンデン中央駅から最大傾斜100パーミルもの急坂を湖畔まで下って
くる延長2.3キロの路面電車は,Franz-Josef-Platzが現在の終点です.
そこから湖に注ぎ込む川をまたぐトラウン橋(Traunbrücke)を渡って,
トラウン・ゼー鉄道(Traunseebahn)の湖畔駅(Seebahnhof)までの延長が
実現すれば,一日2千人の利用者が増えると予測されているそうです.

その他,トラウン・ゼー鉄道の駅のバリアフリー化の一貫として,先行
して改装された駅(Unterm Wald)も,紹介されたそうです.同線では,
速度向上と安全性向上を目指し,曲線や施設の改修を施す予定です.
どの計画を指すのかは不明ですが,着工は2009年末になりそうだという
記述もありました.

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2008年08月14日

【グミュンデン】インスブルック低床車試験

別の街を走る最新鋭の路面電車が,デモンストレーションなどで他の街を
走ることは,最近では大陸を超えて運ばれる例もあるほどで,同じ国内
では珍しくもありませんが,ウィーンで製造されたインスブルック向けの
100%低床車が,グミュンデン(Gmunden)に立寄って試運転を行うことが,
報道されています.春先にファン向けサイトで紹介されていた話ですが,
現地フォルヒドルフ(Vorchdorf)に低床車が到着したこともあり,一般の
メディアでも取り上げられた模様です.

グミュンデンは,リンツと同じオーバーエスターライヒ州の南にあって,
山と湖に恵まれたオーストリア屈指の観光エリア,ザルツカンマーグート
(Salzkammergut)内に位置し,かつてのハプスブルク家の保養地だった
バート・イシュル(Bad Ischl)に次ぐ1万4千人弱が暮らす湖畔の街です.

ご承知のかたも多いでしょうが,グミュンデンには開業百年を優に超える
路線長2.3キロほどの路面電車(Straßenbahn Gmunden)があります.
トラウン湖(Traunsee)の北端に臨むグミュンデンの湖畔地区と,高台に
あるザルツカンマーグート線(Salzkammergutbahn)の鉄道駅の間を結ぶ,
急勾配もある風光明媚な路線です.

それにもう一つ,湖畔には同じメーターゲージで,直訳するとトラウン湖
鉄道となる,通称Traunseebahn(Lokalbahn Gmunden–Vorchdorf)という
15キロほどの狭軌鉄道も来ています.この鉄道はグミュンデンとフォルヒ
ドルフ(Vorchdorf)を結び,フォルヒドルフで別の標準軌ローカル鉄道
(Vorchdorferbahn)に乗換えると,オーストリアの幹線鉄道(Westbahn)が
走るリンツの南西約40キロほどのランバッハ(Lambach)へ抜けられます.

前置きが長くなりましたが,インスブルックに向かうボンバルディア製の
100%低床車Flexity-Outlook(全長27.6m,車体幅2.4m,重量38t)の1本
(305号車)が,このグミュンデンの二つの鉄道で試験走行を行います.

昨日の記事と7月のPro Gmundner Straßenbahnという協会の情報とでは,
その期間にかなり食い違いがあります.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
13.08.08 Testfahrten mit dem "Flexity-Outlook" auf Traunsee-Bahn
(OÖ Rundschau ニュースへのリンク)
2. Juli 2008 Probebetrieb einer neuen Niederflur-Strassenbahn in
Gmunden
(Pro Gmundner Straßenbahn へのリンク)

試運転は最初Traunseebahnで行われ,一応後から出ているOÖ Rundschauの
記事に基づくと,8/28から9/04までの一週間に,最高速度70キロの性能
試験が行われます.これは,インスブルック市内線では,そこまで速度を
出せないからです.
その際に昨日の記事によれば,旅客は乗せず乗客に相当する重量として,
代わりに砂袋が搭載されるそうです.これがPro Gmundner Straßenbahnの
情報では,それまでに試運転を終え,8/27からTraunseebahnで営業運転を
行うように読めます.

その後,記事によればFlexity-Outlookは9/10に路面電車軌道の方に移動
して,試運転が続けられますが,今度は路面電車の代わりにという文が
ありますので,旅客営業を行いそうです.
一方,協会の情報では移動は9/05で,許認可が得られれば9/12から10/01
まで旅客営業の予定とありました.最終的に,10/02にインスブルックに
向けてグミュンデンを出発するようです.

フォルヒドルフ到着時の様子を紹介する画像: Die Tram (kommt) ist da!
(das forum über innsbrucks straßenbahn へのリンク)

グミュンデン周辺の鉄道路線図: Strecke der Gmundner Straßenbahn
(Stern & Hafferl Verkehrsgesellschaft 公式サイトへのリンク)

TraunseebahnとStraßenbahn Gmundenの二路線が試運転に応じたのは,
合同でFlexity-Outlookを購入することを検討しているからだそうです.

グミュンデンの軌道線(Straßenbahn Gmunden)の方では,ノルトハウゼン
(ドイツ)向けのコンビーノ(Combino)も,2003年に試運転を行ったことが
あるそうです.

関連ログ: 2008/3/27 【インスブルック】低床車第一号営業運行へ

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2008年08月13日

【リンツ】新線は2009年3月の着工に

リンツ南西の郊外にあるレオンディンク(Leonding)市へ向けた,トラム
新路線の建設に要する認可が全て下り,2009年3月にも着工の運びとなる
ことが,リンツ市のLINZ AGから発表されました.
遅れた理由はわかりませんが,2006年の時点では2007年にも着工している
はずでした.今回の発表によれば,第一期区間の5.3キロは,2011年秋の
開通予定となります.

リンツ中央駅の地下から南西にHarter Plateauへ至る5.3キロの路線を,
10分で結ぶ高速運転は,その間に終点を含めて7つしか停留所を設けない
ことで,もたらされる模様です.通勤などでの自動車利用から路面電車へ
移行してもらうためには,魅力的な速さが求められているようです.
ドイツ語圏ではあまり見かけない,Express-Straßenbahnと記した記事も
ありました.最高時速は70キロとあります.

5.3キロのうち1.3キロは地下走行ですが,2004年に完成しているリンツ
中央駅前トラム停留所の地下化に際しては,1.9キロの地下区間の南側に
今回建設される路線への分岐準備工事を施していました.
この新路線には,現在中央駅発着のトラム3系統が延長の形で乗り入れる
ことになり,100%低床車Flexity Outlook Cシリーズ(Cityrunner)も,
14本追加されます.

その購入費を含めて,2005年時点で総費用は1億5千万ユーロ.
これを,オーバーエーステライヒ(Oberösterreich)州が8割,トラムが
伸びる先のレオンディンク市が2割を負担することになり,並行する道路
(B-139)の混雑緩和が期待されます.
また,いずれは(2015年頃?),同じリンツ=ラント郡(Bezirk Linz-Land)の
トラウン(Traun)市への延長も考えられています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
12. August 2008 Neue Straßenbahnlinie zum Harter Plateau
(LINZ AG 公式サイト PRESSEKONFERENZへのリンク)
公式発表を元に記事も出ています.
13.08.2008 Straßenbahn fährt ab 2011 bis Leonding
12.08.2008 Startschuss für verlängerte Linzer Bim
(OÖNachrichten ニュースへのリンク)
13. August 2008 2009 Baubeginn für Linie 3 zum Harter Plateau
in Leonding
(Neues Volksblatt ニュースへのリンク)

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2008年07月04日

【グラーツ】バリオバーンはシルバーアロー?

シルバーアロー(Silberpfeil)と言っても自動車の話ではありません.
鉄道の世界でも,ドイツ語で銀の矢を意味するSilberpfeilで呼ばれる
車両がドイツ語圏に幾つかあります.オーストリアでもウィーン地下鉄で
走っていますが,グラーツ(Graz)市電に2009年秋の納入が予定されている
新車も,そう呼ばれるのかもしれません.

昨秋GVBが発注した次期100%低床車45本分は,シュタットラー・レール
(Stadler Pankow GmbH)の,バリオバーン(Variobahn)と呼ばれるモデル
でした.45本を9720万ユーロで購入する新車の想像図を掲載した記事が
出ています.
GVB: Grazer Stadtwerke AG

それによれば,配色が従来の白と緑のアレンジから一新し,白をベースに
先頭部分が緑ではなく銀に改められています.銀地に緑色でGVBのロゴを
あしらうのは,CI(コーポレート・アイデンティティ)なのだとか.
シュタットラーのサイトは,先頭が緑色の画像を載せていますので,比較
できるでしょう.

しかし,記事はデザインの話はそこそこに,新車は座席数の少ないことを
批判されているとして,対策が検討されることを紹介していました.
バリオバーンの座席定員は37名で,折りたたみ式の補助椅子をあわせて
47席となっています.これに対してGVBが2001年から投入した100%低床車
の先輩格,ボンバルディア製シティランナー(Cityrunner)は,51名(補助
椅子を含めて54席)です.わずかな差ですが,ピーク時に座席が足りなく
なると非難する声を取り上げていました.

そこで,モジュール式の低床車モデルならではの,中間車体の追加も考え
られるのですが,それには停留所の長さ,特に2本同時に停車する仕様の
停留所(Doppelstationen)での不足が障害になるそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
03.07.2008 Variobahn: Rücker will "Silberpfeile" nachrüsten
(Kleine Zeitung ニュースへのリンク)
この記事7/02には,Variobahn: Neues Design für Grazer Straßenbahn
というタイトルでしたが,一日後には同じアドレスで内容が差換えられて
います.今は古いタイトルで検索すれば,キャッシュに残っていますが,
更新されれば書き換えられてしまうでしょう.

古い記事では,車両の長さが延長できないのは,車庫の問題があるから
という話がありました.グラーツの路面電車は最長でも27mです.
ヴァリオバーンもシティランナー(Flexity Outlook C)も全長27mなのは,
それ以上では車庫の収容が困難になるからのようです.

また,ドア数が少ないことも非難の的になっていました.シティランナー
でも問題になっていて,27mに4ドアでは,低床化によるスムーズな乗降を
可能にした効果を相殺してしまうとのことでした.

なお,グラーツ向けのヴァリオバーン(Variobahn)は,車体幅が2.3mと
シティランナーより10cm広いこともあって,立ち席定員は110名となり,
座席数では負けてても立ち席は20人分増えます.
新車納入は2009年秋が予定され,最初は4系統と5系統に投入されます.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

関連ログ: 2007/10/16 シュタットラーが受注を正式発表

Variobahn: Grazer Stadtwerke AG (GVB), Österreich
(Stadler Rail 公式サイトへのリンク)

バリオバーンは,ニュルンベルクに続いて今年12月にミュンヘンにも納入
される予定ですが,下記記事に画像がありました.営業運転は2009年春
からで,Bildの記事によれば,15, 19, 20, 27系統で運用されるとか.
04.07.2008 Hier rollt Münchens neue Flüster-Tram
(Bild.de ニュースへのリンク)
03.07.2008 Schrauben an der neuen Tram
(Merkur Online ニュースへのリンク)
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2008年07月03日

【ウィーン】リング循環系統10/25に廃止

ウィーンで行われたUEFA欧州選手権2008(UEFA Euro 2008)の決勝戦後も,
ファンゾーン(Fan Zone)として使用された,かつての城壁と堀を環状道路
にしたリングシュトラーセ(Ringstraße)は,通常の状態に戻す大掛かりな
作業のため,7/04までリングの西半分は通行止めです.

この関係で市電も通常ダイヤに戻るのは7/05からで,期間中は東半分の
シャトル運行に留まっていた,中心部を囲むリングをエンドレスに走る
循環系統の市電1系統(時計回り)と2系統(反時計周り)も,これまで通りの
運転は7/05から再開されます.しかし,それも10/25で終了することが
明らかになりました.

路線の廃止ではなく,系統の建て替えです.
Wiener Linienは,10/26から単純にリングを巡回するルートを止めて,
リング外を基点として,リング到達後に半周し,再びリング外に抜ける
ルートに改めることにしました.ちょうど,今のD系統のような形です.
リング外とリングの間は,これまでの路線を踏襲しますが,その系統名は
吸収されて消滅の運命です.

具体的には,
1系統: リング内の時計回りの運行から,南の65系統とN系統の東半分を
継承し,リング内は北半分のみの走行に,
2系統: リング内の反時計回りの運行から,西のJ系統とN系統の北半分を
継承し,リング内は南半分のみの走行に,
なります.消える系統名は,J, N, 65の三つです.

さらに,2009年には現在のD系統を3系統に改称,71系統もリング内の西
半分を走る形に延長の上で4系統に改称されることになりました.
アルファベットと数字が混在していた系統名が,これで整理されることに
なります.アルファベットではO(オー)系統が残りますが,詳細は未定な
ものの,近いうちに番号化されることになる模様です.

ウィーン市電の系統名のつけ方は,実は法則性があって,路線が廃止や
短縮された後も,そのまま受け継がれてきました.
数字の20までは,周回や接線を形づくる路線に与えられ,数字の21以降は
中心部から放射状に伸びる路線に与えられてきました.
アルファベットは,直通系統ということで,複数の放射状の路線同士を
中心部でつないだ格好の路線に与えられています.
今回の措置は,乗客の流動に沿って運行を建て替えるだけでなく,こう
した伝統も打ち破ることにもなります.

公式発表と報道: (外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
02.07.2008 Neues Straßenbahnkonzept am Ring
(Wiener Linien 公式サイトへのリンク)
右側のDownloads欄にあるリンク先に,路線図があります.

02.07.2008 Wiener Straßenbahnen: Aus für Ring-Rundfahrten
APA/Redの記事 (Die Presse ニュースへのリンク)
02.07.2008 Neue Route für Ring-Straßenbahnen
(ORF.at ニュースへのリンク)
02. Juli 2008 Wiener Linien: Neues Konzept für Ring-Straßenbahnen
APAの記事 (derStandard.at ニュースへのリンク)

これらの記事によれば,これまで乗換えを必要としていた経路でも直行
できるため,新しい運転系統により年間70万人の利用増加が見込まれて
いるそうです.それも,ほとんど投資を必要としません.
また,リング上の循環系統(今の1と2系統)で現在行われている拠点停留所
での時間調整(Stehzeiten)を廃止できることから,所要時間を5分程度
短縮でき,運転間隔の短縮も可能なようです.観光協会も歓迎している
ことまで伝えられました.

前回のウィーン関連の話題: 2008/5/29 トラム乗降時の事故分析結果ほか

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2008年06月27日

【ブラチスラヴァ】市電の四線軌道も検討?

越境するかもしれないトラムの話が続きます.2007年末にも取上げた,
オーストリアのウィーンとスロバキアのブラチスラヴァ(Bratislava)と
いう,ツインシティと言ってもいい首都間の国際通勤鉄道です.

先月より,ウィーンからの鉄道のオーストリア側の終点Wolfsthal駅と,
ブラチスラヴァ市内間の直通路線バスが運転を開始したことで,かつては
Električková trať Bratislava-Viedeň(ドイツ語ではPressburger Bahn)
としてウィーンとブラチスラヴァ間を結んでいた鉄道復活の気運が,再び
高まっている模様です.
現在の終点ヴォルフシュタール駅(Wolfsthal)からブラチスラヴァ市の
ドナウ川西岸ペトルジャルカ(Petržalka)地区まで,線路をつなごうと
いうものです.

これまでにも何度となく話は浮上しながらも,4キロほどの延長(復活)は
実現されませんでした.しかし,両市の中心部同士を結ぶようにすれば
どうだろうという発想が,状況を変えていくのかもしれません.
昨年12月末の話ではウィーン市内に焦点がおかれて,南駅発着ではなく,
トラム路線に乗入れてオペラ座の前まで行く案が披露されていました.
今度はブラチスラヴァの番です.

オーストリア領ヴォルフシュタール(Wolfsthal)は,人口千人に満たない
寒村のようですが,ブラチスラヴァ市内の北部と東部で恒常的に起きる
交通マヒに嫌気をさした富裕層や高学歴者らが,ヴォルフシュタールに
移り住んできており?,ヴォルフシュタールとブラチスラバ市内を結ぶ
交通機関の整備が望まれていたようです.先月スロバキア側からだけの
投資で開設された直通路線バスは,所要時間20分でヴォルフシュタールと
ブラチスラヴァを結びます.

鉄道化に際しては,ブラチスラヴァの市電路線への乗り入れも考えられる
ものの,市電は軌間1000mmのため,そのままでは在来線やウィーン市電と
直通運転できません.それにペトルジャルカ(Petržalka)にはDPBの路面
電車(スロバキア語でelektričky)が来ていませんので,これは実現するか
どうか定かではありませんが,ドナウ川を渡った先のブラチスラヴァ市内
区間では,乗り入れ用に四線軌道化するという案も考えられています.
DPB: Dopravný podnik Bratislava

これまで通勤鉄道が実現しなかった原因でもある,4千万とも7千万ユーロ
とも言われる資金の調達方法としては,PPPも検討されています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
26.06.2008 WIEN: Stadtbahn zwischen Wien und Pressburg
(Die Presse ニュースへのリンク)
26. Juni 2008 Pendlerzug: Wien will´s seinem Zwilling zeigen
(derStandard.at ニュースへのリンク)

オーストリア側の最後の駅でS7系統の終点Wolfsthalから,ブラチスラバ
中心部に近く,ドナウ川沿いにあるターミナルのNový mostまで,直通の
路線バスが,5/24から運転を開始するというスロバキア語の案内:
NOVÁ LINKA 901 – "BRATISLAVA – WOLFSTHAL“ OD 24. MÁJA 2008
(DPB 公式サイトへのリンク)
所要時間は20分とのことです.

ブラチスラバ市内交通の系統図: Mapy a schémy
非常に詳しい非公式サイト (mhd.sk へのリンク)
拡大図には,越境路線バス901系統も載っています.

関連ログ: 2007/12/29 【ウィーン】発ブラチスラバ行きトラム?!

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2008年05月29日

【ウィーン】トラム乗降時の事故分析結果ほか

ウィーンの交通安全理事会(KfV)と市電の運行会社(WL)は,共同で市電の
乗降時に起きる事故を調査分析し,その結果を公開しました.
KfV: Kuratoriums für Verkehrssicherheit
WL: Wiener Linien GmbH & Co KG
ここ数か月,乗客がドアに挟まれる事故が注目されていたこともあり,
WLは,旧型車のドア挟み検知装置を改造する計画も発表しています.

ウィーンの路面電車は400キロ前後に及ぶ軌道の大半が路面走行という
こともあり,残念ながら日々の記事検索でもウィーンでの事故報道は常連
です.年間2億人を超える利用者,平日も週末もならして平均すると一日
55万人が利用しているとされますが,今回の分析結果では,このうちの
14%に過ぎない65才以上の女性客が,乗降時の事故件数の65%を占めて
いました.統計的には,1日に1回乗る人が乗降時に事故にあう確率は,
1万3千700年という気の遠くなる歳月の間に1回の割合となるそうです.

なお,乗降時とひと括りにしましたが,乗車時の割合が69%です.また,
半数がけがを負ったとされ,その半数は乗客自身の過失ですが,27%は
ドアに指や体を挟まれたために負ったものでした.

分析は車種ごとにも及んでいます.現在ウィーンの路面電車には大雑把に
3種類がありますが,100%低床のULFは事故件数の18%で,年間あたり平均
100回の運行に14件の割合になり,1970年代後半から投入のE2タイプは
件数の19%で同10件,営業車のなかでは現役最古参で1960年代後半から
投入されているE1タイプが事故件数の63%(同21件)で最多でした.
E2とE1はともに高床車で,ULFから比べると見た目に差はありませんが,
E2には乗降口に折り畳み式ステップがあります.段差が少なくなるため,
これが事故を少なくしているものと考えられました.

乗降時の事故の63%を占めていたE1タイプの車両は,従来の空気圧式の
ドア挟み検知装置を,40万ユーロを投じてより敏感な光電センサー式に,
今後1年半かけて交換することになります.現在E1は230本程度が稼動して
いますが,2014年ごろまでにULFと置き換えられる分もあるため,実際は
190本から200本程度が対象となる模様です.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
27.05.2008 Straßenbahnen in Wien: Sicherheit beim Ein- und
Aussteigen
(Kuratorium für Verkehrssicherheit へのリンク)
28.05.2008 Sicherheit: Wiener Linien rüsten Straßenbahn-Türen auf
(DiePresse.com ニュースへのリンク)
28. Mai 2008 Straßenbahnen: Erste Maßnahmen gegen Einklemmen
(derStandard.at ニュースへのリンク)
28.05.2008 Wiener Linien rüsten Bim-Türen auf
(Kurier ニュースへのリンク)

その他のウィーンの話題では,
6月は,UEFA欧州選手権2008(Fußball-Europameisterschaft 2008)が開催
されます.オーストリアとスイスで共同開催の同大会の決勝戦が行われる
ウィーンでも,他の試合開催都市と同様にファン・ゾーン(Fan Zone)が
設けられます.市役所前広場(Rathauspark)と英雄広場(Heldenplatz),
間を結ぶリング・シュトラーセ(Ringstraße)には,試合中にスタジアムの
外でも7万人が観戦できるよう,9つの大型スクリーンが設置されるとか.
その他にも各種催し物が開かれるため,6/01から7/04まで,リング通りは
一部で一般車両の通行止めとなり,トラムも大きな影響を受けます.

リングを周回しているトラム1系統と2系統は,期間中は東半分だけの運行
になり,1系統として運転されます.また,リングへ乗り入れるJ系統は
バス代行になるほか,D系統はリング東側を迂回運転します.このため,
普段使われない渡り線やループ線が活躍することでしょう.
その他にも,試合日当日は増発や終電の延長なども予定されています.
詳細は下記サイトへ.ファンゾーンには公共交通でお越しくださいとの
案内もありますし,英語版も用意されています.
Wiener Linien (公式サイトへのリンク)

来週月曜(6/01)からということで,注意を促す記事も出ました.
27. Mai 2008 Ab Montag ist die Ringstraße gesperrt, auch die
Straßenbahnen müssen weichen
(derStandard.at ニュースへのリンク)

最後に,今週からT1がU6で営業運行に就いたことが報じられています.
高床のE6/c6の置換え用として配備されたタイプT1は,1992年から2000年
まで導入が続いた部分低床のタイプTの後継で基本的な仕様は同じでも,
エアコンや回生ブレーキなどが装備されています.
27.05.2008 Klimatisierte U-Bahnen auf der U6 unterwegs
(ORF.at ニュースへのリンク)
T1の営業運転開始は,WLからも発表がありますが,下記でも読むことが
できます.
27.05.2008 Neue U6-Garnituren im Einsatz
(Ots ニュースへのリンク)

2009年春にはボンバルディアへ発注したT1の46本全てが揃い,その時点で
U6系統は全車が低床化される予定です.

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2008年05月11日

【ウィーン】地下鉄旅客数は欧州で5番目

ウィーンでは,5/10に地下鉄(U-bahn)2号線(U2)が3.9キロ延長されて,
この6月下旬にサッカーのUEFA欧州選手権2008(通称Euro 2008)の決勝戦が
行われるスタジアム(Ernst-Happel-Stadion)まで,地下鉄の足が確保され
ました.総工費は8億9千万ユーロで,5年の歳月がかかっています.

一方で,並走する路面電車21番系統(Straßenbahnlinie 21)は廃止です.
廃止反対運動には,8千人の署名が集まったそうですが,決定は覆らなか
った模様です.
廃止反対派は,路面電車の運行が代替バスより経費が余計に掛かることが
証明されていないとか,地下鉄だけで5万人以上収容可能なスタジアムで
大型イベントが開催される時に輸送力不足ではないかと指摘し,諦めて
いないようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
10. Mai 2008 U2-Verlängerung in Betrieb gegangen
APAの記事 (derStandard.at ニュースへのリンク)
09. Mai 2008 Grüne Wien: Brauner entscheidet über 21er
(derStandard.at ニュースへのリンク)
10.05.2008"Gemma U-Bahn-Schauen" in Wien: U2 fährt bis zum Stadion
APAの記事 (DiePresse.comニュースへのリンク)

【ウィーン】関連過去ログ: 2008/4/10 21番廃止反対運動持ち上がる

5/10を最後に廃止された21番トラム:
Creative Commonsの条件に基づき貼り付けておきます
the last days.... by rotkraut.c.r (flickr)
the last days....
Taken on May 5, 2008

ところで,ウィーンの地下鉄は2007年には一日131万人を輸送し,今回の
U2の路線延長により,同137万人に増えるだろうと見られています.
これに対する自動車の移動回数は一日160万回とされていて,1980年の
120万回からは増えているものの,1990年代終盤からは横ばいだとか.

また,都市の規模が異なる中での比較は無意味なのかもしれませんが,
このウィーンの輸送人員は,EUにある44都市の地下鉄の中で五番目に多い
ことも,オーストリア交通クラブ(VCÖ)の調査で明らかにされました.
2008-05-09 VCÖ: Wien hat bereits die fünftmeisten U-Bahn-Fahrgäste
in der EU
(VCÖ へのリンク)
VCÖ: Verkehrsclub Österreich

この報告によれば,ウィーンより多いのは断トツでトップのパリ,それに
次ぐものの意外に少ないロンドン,このところ急成長著しいマドリッド,
そしてプラハとなっています.
ウィーンはベルリン,ローマ,ミュンヘンといった大都市を抑えての五位
でした.以下,ベスト20都市まで上記サイトに載っています.

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2008年04月10日

【ウィーン】21番廃止反対運動持ち上がる

ウィーンの地下鉄(U-bahn)2号線(U2)が,5/10に待望の路線延長を迎える
ことになっています.メッセ会場やスタジアムがあるウィーン2区レオ
ポルトシュタット(Leopoldstadt)への乗入れです.今月初めには,関連
施設として,古い映画に出てくる大観覧車で知られるプラーター(Prater)
の駅も新調されました.

その延長開業まで1か月をきり,開通祝賀ムードばかりかと思いきや,
並行する路面電車が廃止されるため,その反対運動が起きていました.

既にプラーター(Prater)からメッセ会場を経てスタジアムまで,不定期で
プラーター止まりの系統がいくつか乗り入れていましたが,これは3/27を
もって終了となっています.
このスタジアムとは,UEFA欧州選手権2008(通称Euro 2008)の決勝戦が
行われるエルンスト・ハッペル・シュタディオン(Ernst-Happel-Stadion)
のことで,その最寄停留所がStadionです.

そして,リンク(オペラ座の前の環状通り)沿いのSchwedenplatzから,
プラーターとシュタディオン(Stadion)を経てPraterkaiに至る,定期路線
の路面電車21番系統も,5/10に地下鉄U2開業と引換えに廃止となって,
プラーターからシュタディオン(Stadion)方面は,事実上路線全廃という
ことになっています.

廃止反対理由としては,路面電車の停留所間隔が250mから350m程度なのに
対して,地下鉄では900m近くに広がってしまうことなどが挙げられている
模様です.しかし,実際にはウィーン地下鉄の平均駅間距離は割と短く,
ドイツ語版ウィキペディアのU-Bahn Wienの項目によれば,最長でもU4の
平均820m,プリメトロとして誕生したU2の既存区間は更に短く,600mと
なっています.
(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
路線再編の詳細は,先月出ていました.
10.03.2008 Neuorganisation von Straßenbahn und Bus entlang der
neuen U2
(Wiener Linien 公式サイトへのリンク)
Leopoldstadt: Neuorganisation von Straßenbahn und Bus entlang der
neuen U2
(Magistrat der Stadt Wien 公式サイトへのリンク)
いずれのページからも,PDFファイル版の地図を見ることができます.

廃止反対のことが書かれた記事:
06. April 2008 Das Straßenbahnsterben in Wien geht weiter
(be24.at ニュースへのリンク)
02.04.2008 U-Bahn ist kein Ersatz für Straßenbahn
(Wien-Heute Chron ニュースへのリンク)

ウィーンの路線検索に便利なサイト:
Wiener Linienplaene Online - Haltestellenplaene Demo
現時点では5/10廃止前の路線図を見ることができます.

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2008年03月27日

【インスブルック】低床車第一号営業運行へ

インスブルックに導入される初の100%低床車,Flexity Outlookモデル
(旧名Cityrunner)22本のうちの第一号が,本日3/27より旅客営業を開始
するとの報道が昨日ありました.
新車導入の話は聞いていても,すでに走っているのかどうかが,よく判ら
ないケースが多い海外で,こういった記事が出ることは助かります.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
26.03.2008 Ab Donnerstag fährt die neue Tram
(ORF ニュースへのリンク)

2本目も待機中とあります.この記事の中にはEuroまでに5本体制になると
読める部分がありますが,これはUEFA欧州選手権2008(Euro 2008)のこと
かもしれません.今年6/07から6/29にかけて,スイスとオーストリアが
共催する,サッカーの欧州王者を決める大会です.インスブルックでも
試合が行われるようです.

年末までに240万ユーロを投じて購入した22本が揃うとのことで,在来
車両と入替えられます.また,2008年1月に既報の通り,さらに10本の
導入が決まっています.

今回の低床車営業開始は,ルートや運営方法などが定まらない,同地域で
考えられているRegionalbahnの第一歩になるという記事もありました.
27.03.2008 Offene Fragen zur Regionalbahn
(ORF ニュースへのリンク)

関連過去ログ: 2007/10/19 初の低床車が引渡される

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2008年01月15日

【オーストリア】越境トラム報道その後 ほか

昨年末の,ウィーン市内から国境を越えてスロバキアの首都ブラチスラバ
(Bratislava / ドイツ語名Pressburg)まで,トラムで直通運転?という
話題で,ルートにあたるブラチスラヴァ鉄道(Pressburger Bahn)に関する
情報をコメントの形でいただいていました.ありがとうございます.
関連過去ログ: 2007/12/29 【ウィーン】発ブラチスラバ行きトラム?!

なお,その実現性について最近も記事が出ていましたが,それによれば
スロバキア側では冷ややかに見ているようで,ブラチスラヴァ市では,
何も話を聞いていないとか.
オーストリア側でも,ウィーンからのSバーン(S7)の終点で,その先の
線路が今は途切れている街のWolfsthalでも,同様の反応だそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
14.01.2008 Badner Bahn nach Bratislava? Slowaken ratlos
(Die Presse ニュースへのリンク)
10. Jänner 2008 Bim nach Pressburg unsicher
(Wiener Zeitung ニュースへのリンク)

次は,インスブルックからです.
導入される100%低床車Flexity Outlookモデル(旧名Cityrunner)22本の
うちの第一号が,昨年10月現地入りしたとお伝えしていましたが,その後
さらに10本追加発注したことが,ボンバルディアより発表されています.
14.01.2008 10 weitere BOMBARDIER FLEXITY Outlook Trams für
Innsbruck
(newstix へのリンク)

インスブルックの低床車は,この3月にも営業運行を開始する模様で,
今回の追加発注により2009年秋には低床車は合計32本体制になります.
このインスブルック向け車両は,ボンバルディア(Bombardier)のウィーン
工場で製造されているそうです.
関連過去ログ: 2007/10/19 【インスブルック】初の低床車が引渡される

最後はオーストリアではありませんが,ルーマニアのオラデア(Oradea
ドイツ語名Großwardein)が,シーメンスの100%低床車ULFを導入すると
いう話です.ULFは,言わずと知れたウィーン市電の主力になりつつある
低床車で,製造元のシーメンスは,コンビーノ問題以降にULFを他の街
にも売り込んできましたが,オラデアが初めての導入例になりそうです.
ULF: Ultra Low Floor

オラデアは,ルーマニア北西部にある人口20万余の都市で,Wikipediaに
よればトラムが3路線ほどあるそうです.現在はTatra T4,KT4Dなどが
活躍中ですが,そこに今春にも最初のULFが納入されるのだとか.
下の記事はルーマニア語で詳細は不明ですし,ULFという言葉は使われて
いませんが,掲載されている画像は紛れもなくULFです.
10. ianuarie 2008 Tramvaie de 27 milioane de euro
(CONTRAST ONLINE ニュースへのリンク)

車両長24mのULF10本の購入は総額2700万ユーロで,1本あたりの価格は
約274万ユーロになるようです.
ちなみに,両数が異なる上に単純な比較はできないのかもしれませんが,
シーメンスがULFを売り込めなかったグラーツ向け24m車は,1本が202万
ユーロ強だったとか.ウィーン向け二次車の24m車(Aタイプ)は,同210万
ユーロだそうです.
追記 : 2008/1/16
ドイツ語の記事がありました.それによれば,総額2700万ユーロは保守
などを含むパッケージになっているそうです.
15. Jänner 2008 Wiener Ulf auch in Oradea
(Wiener Zeitung ニュースへのリンク)
オラデアの話題は最初のほうだけです.


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2007年12月29日

【ウィーン】発ブラチスラバ行きトラム?!

ウィーンはオーストリア国内でも東端にあり,隣接するスロバキアでは
首都ブラチスラヴァ(Bratislava)が同国内の西端にあって,ドナウ川も
流れる両市の間は意外に近いものです.鉄道や都市間バスが1時間前後で
結んでいる他,ブラチスラバの空港(BTS / LZIB)を,括弧つきながらも
ウィーンと記している格安運賃が売り物の航空会社もあるほどです.

スロバキア(Slovakia)も,2007年12月からはシェンゲン協定(Schengen
Agreement)により,協定加盟国との間の国境通過の手続きが簡素化され
ました.空港は2008年3月まで待たなければなりませんが,陸上と水上の
国境では,すでに旅券の提示なしでオーストリアとの間を出入できること
になっているはずで,従来にも増して人の往来が多くなることでしょう.

そのウィーンとブラチスラヴァの鉄道輸送に,ウィーン近郊のバーデン
(Baden)への鉄道を早くから走らせていた,Badner BahnことWLBが興味を
示しているという話題が出てきました.市電(Wiener Linien)の軌道を
使って,オペラ座の前まで電車を乗り入れている会社です.
WLB: Wiener Lokalbahnen
WLBは株式会社で,大半の株はウィーン市が所有しています.

WLBでは現在Wolfsthalまで走っているSバーン(S7)と同じルートを使い,
Wolfsthal(S7の終点)から,ブラチスラヴァ近郊Petržalkaまでの7キロを
整備することを考えています.これはÖBBが走らせている両都市間の経路
とは異なります.大戦後にWolfsthal - Petržalkaの軌道は撤去されて,
以降はそのままなのだそうで,その部分だけで,7千万ユーロは掛かると
見積もられています.

ブラチスラヴァ側は,空港へ乗り入れを考えているようですが,注目は
ウィーン側のターミナルです.今のバーデンへの路線のように,オペラ座
前のような中心部から発着させたいと,WLBでは考えているそうです.
この構想を取り上げた記事は,ウィーンとブラチスラバ間をトラムが走る
というように紹介し,ライトレール(原文もLight Rail)プロジェクトと
呼んでいます.

2012年末か2013年の実現を目指しますが,それには新たに60本の車両が
必要とされ,ウィーン市内のトラム路線網に乗り入れるには,交直両用で
なければなりません.1本あたり300万ユーロとみられます.

空港連絡はウィーン側でも検討されていています.S7がウィーン国際空港
(Flughafen Wien-Schwechat / VIE / LOWW)の地下にある駅も通っている
からです.ブラチスラバからのトラムが,ウィーン空港を経由して同市
市内で市電路線網に乗り入れできれば,中心部と直結してトラムトレイン
のようで便利になるでしょう.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
26.12.2007 Badner Bahn wird Bratislava anfahren
(Wirtschafts Blatt ニュースへのリンク)
27.12.2007 Badner Bahn will nach Bratislava
(Kurier ニュースへのリンク)
Reise Österreich Mit Straßenbahn nach Bratislava: Wiener
Lokalbahnen prüfen Verlängerung der S7

(News Networld ニュースへのリンク)

Kurier紙の記事にあるInfografikをクリックすると,ウィーン側の起点が
オペラ座前(=Karlsplatz)になっている地図を見ることができます.

ウィーンの街中でULFとすれ違うWLBの電車:
Wien8_WLB.jpg

ただしこの話,必ずしも全てのメディアが取り上げているわけではなく,
鉄道関係の情報や意見が交わされる現地の掲示板では,クリスマスで酒を
飲み過ぎたのではないかというタイトルのスレッドがありました.この
数日間に既に10ページ目まで進んでいます.
Was zu viel Alkohol über Weihnachten anrichten kann: Badner Bahn
nach Bratislava
(Eisenbahnforum Österreich へのリンク)

その他,今月はオーストリアのシーメンスが,ウクライナのキエフ(Kiev
/ Київ)向けの路面電車車両を,2011年までの納入で100両受注する
だろうという話がありました.正式契約はまだですが,2008年秋には2本
から5本程度の車両を製作する模様で,詳しいことは不明です.
13. Dezember 2007 Straßenbahn-Großauftrag in Kiew
(APA)の記事 (derStandard.at ニュースへのリンク)

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2007年11月30日

【ウィーン】ULF二次車が58番と62番に登場

すでにドイツ語の路面電車関連の掲示板などで,その勇姿をご覧のかたも
おいでと思われますが,ウィーンご自慢の超低床車ULFの第二次車が,
ようやく今週から営業運行に就いた模様です.投入路線は,西部に向かう
58番と62番で,5車体の短いほうの車両がデビューしています.
ULF: Ultra Low Floor

週の半分が過ぎていますが,ウィーン市からの公式発表があり,それを
受けて各メディアが記事を出していました.
2007年1月に第一号車両が公開された際に,第二次車の特徴を紹介して
いますので,ご参照いただくとして,外観では先頭部の屋根にあるヘッド
ライトの形状が多少異なるだけで,ほとんど見分けがつきません.見た目
での違いは車内にあります.その他にもエアコン付きであることなどが,
各紙の記事では強調されていました.

今年は19本が投入され,今後は年間15本から20本程度で2014年まで増備が
続きます.最終的には第一次車両とあわせてULFは300本の大所帯になる
予定です.第二次車152本は2004年にシーメンス社と契約が交わされ,
総額は3億5700万ユーロで,1本あたりでは車両長さが24m(5車体)と短い
Aタイプが210万ユーロ,同35m(7車体)の長いBタイプは270万ユーロとの
ことです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
29.11.2007 Brauner: Grünes Licht für neue ULF-Garnituren
(Stadt Wien 公式サイトへのリンク)

29.11.2007 Klima-Straßenbahnen nehmen Betrieb auf
(Kurier ニュースへのリンク)
29 November 2007 Klimatisierte ULF-Straßenbahnen erstmals unterwegs
APAの記事 (derStandard.at ニュースへのリンク)

関連過去ログ:
2007/10/26 ULF二次車とU6向けT1の話題ほか
2007/1/19 エアコンつきULF2次車を公開

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2007年10月26日

【ウィーン】ULF二次車とU6向けT1の話題ほか

ウィーンご自慢の100%低床車ULFの第二次車両が,少々もたついている
ようです.今年1月に一般公開されていますが,営業運転にはまだ入って
いない模様です.タイプA1の10本が何ヶ月も車庫に留まったままという
記事が最近ありました.どうやら安全基準を満たしていないため,許可が
出ていないようです.ULFは一次車でも同様のことが一時期ありました.
ULF: Ultra Low Floor

加えて,シーメンスがグラーツ(Graz)に売り込んだULFの価格と比べて,
同じULFでもウィーン二次車の契約額が高いことが指摘されています.
ウィーンの二次車150本が総額3億5700万ユーロで,1本あたり238万ユーロ
であるのに対して,成約にはならなかったものの,グラーツ向け45本分の
提示価格は9100万ユーロだったとかで,1本あたり202万ユーロ強です.

グラーツは車両長24mの車両だけで,ウィーンにはより長い35mの車両も
含まれているからとの説明がされています.35m車は1本270万ユーロで,
価格を平均すると239万ユーロになってしまうということのようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
ULF(二次車)が車庫に留まっていることを伝える記事:
24.10.2007 Ulf bleibt in der Garage
(Die Presse ニュースへのリンク)
ウィーン市電は高い買い物をしたという記事:
24. Oktober 2007 Zu hoher Preis für niedrigere Bim
(derStandard ニュースへのリンク)

非公式ですが,ULF投入路線のリストがあります.
Derzeit kommen die Wiener Ulfe auf folgenden Linien zum Einsatz
(public-transport.net へのリンク)
車庫の改修が終わるとULFが配備され,2008年9月以降に投入される予定の
路線名とその時期: Die ULF kommt nach Währing
(Magistrat der Stadt Wien 公式サイトへのリンク)

今月ウィーン市電は災難続きで,4日間ぐらい連続して衝突事故に遭って
いたこともありました.
その他,ウィーンにはU6向けの新車が最近になって新たに8本追加発注
されたという話題もあります.ボンバルディア(Bombardier)からの発表
ですが,同社のサイトには今のところ見当たらず,プレスリリース専門
サイトに掲載されています.
25.10.2007 Österreich: Wien bestellt acht weitere Fahrzeuge für
die U6
(newstix へのリンク)

2004年の時点ですでに38本が発注されていて,その際は42本がオプション
ということになっていましたが,その中から8本ということのようです.
U6の新しいタイプT1のエアコン付き低床車は今秋にも登場のはずですが,
その情報はまだ見つかっていません.今回追加された8本分は2008年10月
から2009年4月までに納入されるとのことです.

UバーンのU6に新車が投入されることにより,捻出される旧型車両は,
マニラに売却されるはずでしたが,その話は消滅してしまったようです.
これは,ひぐらしさんより9月に情報をいただいていました.
旧型車40本の買い手を募集中と,Wiener Linienのサイトにあります.
経緯には全く触れておらず,買い手がついたかどうかも不明です.
[29.08.2007] Wer will mich?
(Wiener Linien 公式サイトへのリンク)

オーストリアでは,不正乗車を取り締まる係員は,摘発された人が逃亡を
図った時に制止できる権限を持つということを,ウィーンの最高裁判所が
判断したという報道もありました.民間の検査員でも,警官など当局の
到着が間に合わない場合に認められるということのようです.
これはリンツで切符不所持の人物が検査員によりトラムから降ろされた
あと逃亡を図り,検査官との間でもみ合いになって,その結果として負傷
したことを裁判沙汰にしていた件で,リンツの裁判所が下していた判決を
最高裁が覆した形になったそうです.

22. Oktober 2007 Kontrolleure dürfen Schwarzfahrer anhalten
APAの記事 (Die Presse ニュースへのリンク)
APA: Austria Presse Agentur
読み違えているかもしれませんので,詳細など興味をお持ちのかたは,
上記記事をご参照ください.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

関連過去ログ:
2007/1/19 エアコンつきULF2次車を公開
2006/7/24 ULF地下走行解禁近し?
2006/4/06 U6 旧型車マニラへ
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2007年10月19日

【インスブルック】初の低床車が引渡される

インスブルックでは初めての100%低床車,Flexity Outlookの第一号は,
ボンバルディアのウィーン工場からトレーラーで運ばれて,今週初めには
インスブルックに到着していましたが,10/18に正式にIVBに引渡された
との報道がありました.これから2008年末までにあと21本(合計22本)が
納入されることになっています.
今週末(10/19と20)には,この新しいトラムが一般にも公開されるとか.
ただし,営業運転開始は今のところ2008年3月ごろと見込まれています.
11月からインスブルックの軌道上で,長期の試験運転が開始されます.
IVB: Innsbrucker Verkehrsbetriebe

22本のFlexity Outlook(旧モデル名Cityrunner)の代金は,5500万ユーロ
とのことですが,22本のうち16本は市内線向け,残る6本はSTB向けで,
それぞれ資金の出所が異なっています.
STBとは,Stubaitalbahnの略で,インスブルックと隣町のFulpmesを結ぶ
18キロの狭軌鉄道です.インスブルックでは市内線に乗り入れています.

市内線向け16本は4000万ユーロで,インスブルック市が2900万ユーロを,
1100万ユーロはチロル州が負担しています.これに対してSTB向け6本は,
1500万ユーロ全額をチロル州が負担することになっています.

新車は車体幅が在来車よりも1m広い2.4mで,しかも低床車ということも
あり,市内の軌道や停留所では2年に及ぶ改修が行われてきました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
IVB トラムのトップページ: Aktuelles Tram
データ: Zahlen und Fakten zur neuen Tram
到着時の様子: Ankunft der neuen Tram
製造工程中の様子: Produktionstagebuch
(IVB 公式サイトへのリンク)

多くの画像付き記事をインターネット上で読むことができます.
18. Oktober 2007 Straßenbahn offiziell in Empfang genommen
16. Oktober 2007 Neue Tram-Garnituren im Anrollen
(ORF ニュースへのリンク)
18. Oktober 2007 Neue Straßenbahn in Innsbruck
(Südtirol Online ニュースへのリンク)
18.10.2007 Innsbrucks neue Tram soll doch zur Regionalbahn
mutieren
(Tirol Online ニュースへのリンク)

非公式の中では最も充実しているこのサイトに,豊富な画像があります.
Cityrunner wurde präsentiert - erste Innenaufnahmen
(www .strassenbahn .tk へのリンク)

IVBに導入されるFlexity Outlookは,独特の赤,トラムレッド(Tram-rot)
色を全身にまとうはずですが,今回お目見えの車両は,中間車体が黄色と
灰色に塗りわけられています.車体横にIVB-Testtramという文字も見える
ことから,これは試運転の時期だけの注意を促す臨時の塗装のようです.
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2007年10月16日

【グラーツ】シュタットラーが受注を正式発表

シュタイアーマル州(オーストリア)のグラーツ(Graz)が低床車45本を増強
するに際し,グラーツ市内をデモンストレーション走行した実績があり,
本命と目されていた100%低床車両のULFを売り込むシーメンスではなく,
GVBはスイスのシュタットラーを選ぶとの報道が,今年8月にありました.
GVB : Grazer Verkehrsbetriebe (Grazer Stadtwerkeの交通局)

それに対してシーメンスは公式に抗議していましたが,内容を審議して
いた独立行政審判院(UVS)が申立てを先週退けたため,シュタットラーの
正式受注が決まった模様です.それを受けて公式発表も出されました.
UVS: Unabhängigen Verwaltungssenat

GVBに導入されるのは,100%低床車のバリオバーン(Variobahn)45本で,
シュタットラーレール(Stadler Pankow GmbH)との契約は,9700万ユーロ
になるそうです.第一号がお目見えするのは2009年で,2015年までに全車
納入が予定されています.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
晴れて受注を発表できたシュタットラーレールの公式発表:
15.10.2007 Größter Straßenbahn-Auftrag für Stadler Pankow
(Stadler Rail 公式サイトのニュースへのリンク)
一般の報道(Deutsche Presse-Agenturが記事を配信):
15.10.2007 Größter Straßenbahn-Auftrag für Stadler Pankow
dpaの記事 (Berliner Morgenpost ニュースへのリンク)

UVSの決定で,シュタットラーの受注が確定したと伝える記事:
11.10.2007 Freie Fahrt für Variobahn
12.10.2007 Tram-Auftrag: Aufregung bei Siemens
(Kleine Zeitung ニュースへのリンク)
12. Oktober 2007 Jubel in Berlin über Grazer Millionenauftrag
Stadler Rail: "Variobahn kein Außenseiter"

(derStandard ニュースへのリンク)

抗議は,主にバリオバーンが実績に乏しいからということのようです.
Siemens AG Österreichの発表がありました.詳細はこちらを.
24.08.2007 Siemens Österreich erhebt Einspruch im Vergabeverfahren
"Niederflurstraßenbahnfahrzeuge für Graz"

(PR-Inside.com へのリンク)

確かにシュタットラーが手掛けたバリオバーンは,漸くニュルンベルクが
発注した分がシュタットラーの工場内の試験線で走りはじめた段階です.
しかし,Adtranz時代にはドイツのケムニッツ,ヘルシンキ,シドニー
などに販売されて活躍しています.
Adtranz : ABB Daimler Benz Transportation

シュタットラーとして第一号となる,ニュルンベルク向けバリオバーンに
関する記事が先日ありました.画像も掲載されています.
ベルリンPankow区Heinersdorfにある同社工場は,元Adtranzの工場です.
ニュルンベルクのVAGは,車齢30年になるN8タイプの置換え用として,
100%低床のバリオバーン(GTV6)を来年から8本導入します.
VAG: Verkehrs-Aktiengesellschaft Nürnberg

13.10.2007 Viel Licht, Platz und modernste Technik
Nürnberg bekommt acht neue Straßenbahnen
(Nürnberger Zeitung ニュースへのリンク)
この記事はバリオバーンの紹介記事と言っても過言ではないほど詳細が
記されています.それによれば,バリオバーンのコンセプトは1990年代の
Wagon Union GmbHに遡るとか.同社はその後,ABBを経てAdtranzの傘下
となりますが,ボンバルディアのAdtranz吸収に際しては,この分野で
独占的立場にならないように?,バリオバーンの技術はシュタットラーに
2001年6月移管されるに至ったそうです.

すでにボンバルディア(Adtranz)の低床車を多数所有するニュルンベルク
VAGがシュタットラーを選んだのも,シーメンスやボンバルディアより
価格が安かったからだったとか.また,100%低床化の実現にギア不要の
車輪一体型の非同期電動機を採用しているため,保守費も軽減できると
考えられています.このハブモータ(Radnaben-Motor)もPankowの開発と
記事にあり,1995年に特許が取られていました.
5448953 Running gear unit for low-floor rail vehicles
Assignee: ABB Henschel Waggon Union GmbH (Berlin, DE)
(PatentGenius へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

グラーツ関連 過去ログ :
2007/8/11 低床車45本の発注先が決定か
2007/3/24 ウィーンの中古で急場をしのぐ
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2007年08月11日

【グラーツ】低床車45本の発注先が決定か

オーストリアでウィーンに次ぐ第二の都市,とは言っても160万人都市の
首都から比べると,人口29万弱のグラーツ(Graz)は小さく見えるかもしれ
ません.しかし,以前もご紹介しているように,この街にも路面電車が
走っています.車両は60本以上を数えますが,義務付けられている低床化
促進と路線延長に備え,45本で公示額1億1250万ユーロという,世紀の
大発注を行います.グラーツ市の公共事業を司るGrazer Stadtwerkeが,
その次期低床車45本の発注先を決めたという報道が,先日ありました.

3社による競合でした.GVBにCityrunnerというブランド名の全低床車を
2001年に18本納入している実績があるボンバルディア(Bombardier)と,
有名なウィーンの超低床車で,グラーツで試験走行した経験もあるULFを
擁するシーメンス(Siemens-Konzern)に,ヴァリオバーン(Variobahn)を
提示したシュタットラー・レール(Stadler-Rail)です.
GVB : Grazer Verkehrsbetriebe (Grazer Stadtwerkeの交通局)

受注したのは,シュタットラーのバリオバーン(Variobahn)でした.
同社は低床車市場で最近じわじわシェアを拡大してきています.車種は
異なりますが,スイスのバーゼルで2社から60本の大量発注を獲得し,
ドイツの3都市分とあわせて,ここ数年で100本以上の低床車を受注して
います.

しかし,今回この発注先を報じた記事では,サプライズ(Überraschung)
という表現が使われました.ボンバルディアかシーメンスと思われていた
ようです.決め手は,約1億ユーロと提示された価格の安さだけでなく,
技術的なこともあったとされています.

バリオバーンにはいくつか種類がありますが,100%低床を実現するのは,
ドイツのケムニッツ,フィンランドのヘルシンキに,オーストラリアの
シドニーで導入された実績を持つハブモータ,車輪一体型電動機を使用
するタイプです.元々はボンバルディアに吸収されたAdtranzが開発した
ものですが,バリオバーン(Variobahn)の販売権は,Stadler Rail AGに
引き継がれていました.
Adtranz : ABB Daimler Benz Transportation
同車種は,ドイツのボーフム,ミュンヘン,ニュルンベルクなどに今後も
納入予定で,最近ミュンヘン向け車両デザインが公開されています.

実は,ボンバルディアがグラーツでは初めての低床車を納入していると
書きましたが.グラーツで走っているCityrunnerは,ハブモーターを採用
したタイプです.同じFLEXITY Outlookの仲間でオーストリアのリンツが
導入したCityrunnerは,直径の小さい車輪を使い,左右の車輪を車軸で
結びつけた普通の台車で低床化を実現していますが,グラーツのは車輪と
モータを一体化して車軸を省いたことにより,低床化を図った台車です.

ハブモータは価格が高くなりがちで,ばね下重量も大きく軌道次第では
好ましくないため,リンツのCityrunnerでは採用されませんでしたが,
今となってはそちらの方が,Cityrunner改めFLEXITY Outlookシリーズの
中では主流となりました.
お馴染みのマルセイユ,バレンシア,アリカンテなどの新車も同タイプ
ですし,リンツ以降は,ポーランドのウッチを皮切りに,ブリュッセルや
ジュネーブなどでも採用されています.また,10月にはインスブルック
にも到着して,2008年2月まで試運転が行われる予定と聞きます.
グラーツもリンツも,ボンバルディア傘下のBWS Wienが開発しましたが,
ハブモータ式Cityrunnerは,グラーツ以降あとが続かなかったようです.
BWS : Bombardier Wien Schienenfahrzeuge

意図的か偶然かわかりませんが,100%低床のバリオバーン導入決定で,
グラーツはハブモータ式で100%低床車を揃えることになります.新車は
2009年デビュー予定で,2018年までに45本が揃う計画だそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
10.08.2007 Neue "Bims" für Graz: Der Überraschungssieger
(Kleine Zeitung ニュースへのリンク)

現在の低床車両案内 : Unsere Dienstleistungen Straßenbahn
路線延伸計画 : "Graz tramt"Ausbau Linien 4+ 5+ 6+
(GVB 公式サイトへのリンク)

ミュンヘン向けバリオバーンの予想図 :
25.7.07 Erste Ansichten der neuen Tram für München
(Muenchen24.info ニュースへのリンク)

先ほどの記事の最後に,シーメンスが選ばれなかった理由として,同社の
グラーツ工場との関連が記されています.台車を主に製造する工場のはず
ですが,グラーツの政策上で歓迎されないというように読め,よく判りま
せん.それに,シーメンスが静観していないような雰囲気です.こんな
記事も出てきました.
11.08.2007 Zuschlag an Schweizer sorgt für Tram-Eklat
(Kleine Zeitung ニュースへのリンク)

Stadlerはスイスを本拠地にしていることから,記事は同社のことを,
スイスの(Schweizer)と記していますが,それに,スキャンダル?(Eklat)
という言葉がタイトルに加えられています.
この記事によれば,価格はシーメンスの方が安かったものの,Stadlerは
保守の面で好条件だったことと,定員160名が支持されたようです.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

グラーツ市電 過去ログ :
2007/3/24 ウィーンの中古で急場をしのぐ
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2007年07月21日

【ウィーン】空転防止用の砂が問題に

環境にやさしい交通機関であるはずの鉄道が,ある分野では汚染の元凶に
加わっていたという話です.
ウィーンの街中を縦横に走る市電が使っているブレーキ砂(Sandbremse)
は,大気中の浮遊微粒子(Feinstaub),粉塵の原因になっていて,大気
汚染をもたらしているという調査結果が発表されました.

ドイツ語でQuarzsand,直訳すると石英砂ですがセラミックなどを原料と
する乾燥した微粒の砂は,一般には冬場の滑り止め散布剤としての使用は
禁じられているものの,路面電車や地下鉄では空転を防止してブレーキを
補助する砂として使用が続けられていました.

鉄道車両ではブレーキ性能を確実に維持するために,砂を散布する装置の
装着が例外なく法で義務付けられているそうです.砂にはQuarzsandと
呼ばれるキメの細かいものが用いられますが,踏面の乾燥状態を保ち,
高い粘着力を発揮するものが他にないからで,これを他の素材に変える
ことは,ブレーキ特性が変わることから現状では困難と言われています.
このため,従来は鉄道のブレーキ砂でのQuarzsand使用が認められてきま
したが,自動車と同じ程度に公害の原因となっているという結果が出た
以上,そうも言っていられなくなりました.運行事業者のWiener Linien
では,ブレーキ製造メーカに協力を仰ぎ,既に別の方法を模索していると
説明しています.

もっとも,ウィーン自慢の100%低床車ULFは,電動で砂を散布する装置を
備えていて,砂を効率よく撒く仕掛けになっています.これで従来の装置
と比べると砂の消費量を40%から50%にまで減らせることや,2014年までに
ULFはウィーン市電用車両全体の三分の二を占めることになることから,
この装置の効果も期待されているようです.
ULF : Ultra Low Floor

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
19. Juli 2007 Wiener Straßenbahn als Feinstaub-Verursacher:
Kritik von ÖVP
(derStandard.at ニュースへのリンク)
19.07.2007 Bim und U-Bahn als Feinstaub-Sünder
(wienweb.at ニュースへのリンク)
19.07.2007 Feinstaub: Wiener Linien schnüren Paket gegen Feinstaub
(Die Presse ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年06月24日

【リンツ】登山鉄道低床化の製造会社変わる

3か月ほど前に,オーストリアのリンツ(Linz)にある粘着式では世界で
最も急勾配と言われるペストリングベルク鉄道(Pöstlingbergbahn)が,
利用者増を狙いリンツ市電と直通運転を行うべく,改軌工事を行うととも
に,100%低床の新車を購入するだけでなく,在来の車両も改造を行うと
いう話がありました.

その話自体は継続していますが,新車製造と旧型車の改造を手がけるメー
カーが変更されるようです.
価格の問題でFTDとの契約は取り消され,代わりに新車製造は最大手の
ボンバルディア(Bombardier)となり,4本の予定が3本に減ります.1本は
オプションに格下げとなりました.一方,改造のほうはVossloh Kiepeが
請け負うとのことです.
FTD : Fahrzeugtechnik Dessau AG

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
23.06.2007 Pöstlingberbahn: neuer Hersteller für die Wagen
(OÖNachrichten ニュースへのリンク)
23.06.2007 Neuer Produzent für Pöstlingbergbahn
(ORF.at ニュースへのリンク)
Neue Hersteller für Alt- und Neufahrzeuge der Pöstlingbergbahn
(newstix へのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ペストリングベルク鉄道関連 過去ログ :
2007/3/20 登山鉄道の低床化と市電乗入れへ
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2007年03月24日

【グラーツ】ウィーンの中古で急場をしのぐ

オーストリアのシュタイアーマルク州にあるグラーツ(Graz)には,人口
こそ30万人に満たない程ですが,30キロ以上に及ぶ路線に,8つの系統を
もつ路面電車が走っています.現有車両は60本以上を数え,すでに半数
近くが低床化されており,そのうちの18本が100%低床車です.近いうちに
低床区画を持つ在来車を含めて,全車の低床化を目指しているそうです.

ところが,ここにきて低床化率を下げる現象が生じることになります.
ウィーンで使われてきた1960年代の車両を,5本購入するというのです.
もちろん,低床区画などありません.

グラーツでは,3つの系統で路線延長が計画されています.それに伴う
車両不足を補うため,本来であれば,新しい低床車を購入するところなの
ですが,今すぐには資金が出せない状況下で,低床の新車と比べものに
ならないほどの低価格で購入できる,ウィーンの旧型車は魅力的でした.
低床式の新車なら,1編成に約300万ユーロは掛かります.これに対して,
中古なら,改造込みで50万ユーロで済むのでした.1本あたり30万ユーロ
という記事もあります.
ドイツあたりの旧型車が,東欧などで余生を送ることは珍しくありません
が,一時的にしても,低床車が既に導入されている街へ行くのは,あまり
例がないかもしれません.

グラーツでは,新車を今後も導入しないというわけではありません.45本
もの購入を予定しており,既に公示もしているそうです.
しかし,これらがグラーツの街を走るのは,最初の15本で2009年になる
見込みです.今回の中古購入は,それまでのつなぎになるようです.
暫定的とはいえ,低床区画がなく空調もないお古の投入を,利用者らは
好意的に受取っていないようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
買い取るグラーツ側と売り出すウィーン側の双方で記事が出ています.
22.03.2007 GVB kontern Kritik mit "Bim-Qualitätsoffensive"
(Kleine Zeitung ニュースへのリンク)
23.03.2007 "Neue" Straßenbahnen aus den 60er-Jahren
(ORF Steiermark ニュースへのリンク)
23.03.2007 Wien verkauft der Stadt Graz alte Trams
(wienweb.at ニュースへのリンク)
24.03.2007 Wien verscherbelt alte Bims
(ORF Wien ニュースへのリンク)

ボンバルディア(Bombardier)の100%低床車,FLEXITY Outlook Cシリーズ
(旧名称 Cityrunner)や,低床区画を持つ車体を組み込んだ在来車などの
低床車両の案内 : Unsere Dienstleistungen Straßenbahn
路線延伸計画 : "Graz tramt"Ausbau Linien 4+ 5+ 6+
(GVB 公式サイトへのリンク)
GVB : Grazer Verkehrsbetriebe

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2007年03月20日

【リンツ】登山鉄道の低床化と市電乗入れへ

オーストリアのリンツ(Linz)に,2.9キロ区間で標高差255mを上り下り
する,粘着式では世界で最も急勾配と言われる鉄道(Pöstlingbergbahn)が
あります.
Pöstlingbergbahnは,リンツ郊外のペストリングベルク(Pöstlingberg)
地区を走る鉄道で,2008年で110年目を迎えることになりますが,2008年
初めから1年余りの間は,暫定的に運休することになります.それは,
利用者増を狙い,リンツ市電と直通運転を行うべく,改軌工事が施される
からです.

ペストリングベルク鉄道(Pöstlingbergbahn)は軌間1000mmで,リンツ市電
(Linzer Straßenbahn)は同900mmです.市電が先に建設されていました
ので,ペストリングベルク鉄道が900mmで建設していれば,もっと早くに
直通運転が果たせたのかもしれませんが,ドイツ語版ウィキペディアに
よれば,急坂を上るモータを収容するために,当時の技術では900mm用の
車体では幅が足りず,1000mmが採用されたそうです.この軌間の差で,
リンツ市電の3系統がUrfahr駅まで来ているにもかかわらず,レールが
つながっていないのが現状でした.

2006年7月に改軌計画が決定されて,あわせて市電乗入れに必要な新型
車両も4本も発注されます.先週末,その新車の外観と,製造メーカーが
FTDに決まったと,発表されていました.
FTD : Fahrzeugtechnik Dessau AG

新車は,オーストリアの法令に基づき,100%低床が求められます.市電を
走る低床車Cityrunner(現在のFlexity Outlook)と同じく,ドアの高さは
320mmになりました.
外観については,レトロ調にするかどうか,二案が出ていたようですが,
オーストリア連邦の文化財担当の省庁(Bundesdenkmalamt)の意見もあり,
レトロ調が採用されることになりました.

4本の新車導入に加えて,1950年代製造の在来車3本も,改軌にあわせて
改造されます.車体や座席などはそのままに,台車と電動機が交換され
ますが,将来の需要増に応えられるように,2本連結運転ができるように
総括制御化も施されます.

新車は4本で955万ユーロ,在来車改造は535万ユーロで,改軌工事などを
含めた,計画全体では3200万ユーロと見積もられています.
全て順調に進めば,2009年3月末には,ペストリングベルク鉄道が僅かな
距離ですが市電の線路上を走り,ドナウ川を渡って中央広場(Hauptplatz)
までやってくることになります.運転時間も,これまでの20時すぎの終電
ではなく,22時まで延長されます.

市電直通により,多くの観光客が,車やバスではなく鉄道で訪れるように
なることが,期待されているのです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
市電やPöstlingbergbahnを運営する,LINZ AGの公式発表 :
16.03.2007 Die neuen Fahrzeuge für die Pöstlingbergbahn
上記リンク先に,車両の仕様から工事の概要までの情報が,網羅されて
います.一方,下のリンク先は,昨年7月の改軌決定時の発表です.
06.07.2006 Start zur Revitalisierung der Pöstlingbergbahn
(LINZ AG ニュースリリースへのリンク)

リンツ市内 系統図 : Linz Linien Linienplan
(LINZ AG LINIEN 公式サイトへのリンク)
Pöstlingbergbahnは,中央駅からみて北西の方角にあり,リンク先の図
では,左上のほうにあります.

新車のイラストでは,下記記事が他紙より大きめの画像を使っています.
車体は在来車と同じくクリーム色ですが,赤と緑?の帯が入ります.
16.03.2007 Pöstlingbergbahn im neuen Gewand
(ORF ニュースへのリンク)
この他にも,かなりの数の記事が出ていました.
17.03.2007 Neue Pöstlingbergbahn kommt aus der ehemaligen DDR
(OÖNachrichten ニュースへのリンク)

Pöstlingbergの案内(英語版) : The Pöstlingberg Railway
(LINZ AG LINIEN 公式サイトへのリンク)

ペストリングベルク鉄道の麓側の駅(Talbahnhof)と,ÖBBの線路をはさ
んで,市電3系統のループ(Bergbahnhof Urfahr)が,辛うじて確認でき
そうな衛星画像 :
Bergbahnhof Talstation - Mühlkreisbahn(ÖBB) - Bergbahnhof Urfahr
(Kommunalfinder - Der Linzer Stadtplan - へのリンク)
画面右下のほうに移動させていくと,ドナウ川を渡る橋のすぐ先(画面下)
に,中央広場も見えてきます.

Pöstlingbergbahn departs
by currybet (flickr)
Pöstlingbergbahn departs
(Taken on November 3, 2006)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2007年02月28日

【ウィーン】SchwarzkapplerがSバーンにも

切符の検査員の話が続いてしまいますが,ウィーンでは強化の話です.
来る3/01から,ウィーン(Wien)で地下鉄や市電,バスの車内で切符の所持
検査を行う検査員(Schwarzkappler)が,Sバーン(S-Bahn)に進出します.

ウィーンでは,切符の検査員をSchwarzkapplerと呼んでいます.不正乗車
する人のことを,Schwarzfahrerと呼ぶところからきているのだと思われ
ますが,Kappeは帽子の意味があり,以前ご紹介している,その日の検査
路線を通知するSchwarzkappler-Infoでも,いわゆる鉄道帽がシンボルに
使われています.

Sバーンでも,車内改札が行われていた記憶があるのですが,今回のこの
SchwarzkapplerのSバーンへの進出は,ÖBB(オーストリア連邦鉄道)でも,
年間4万人もの不正乗車人数に頭を抱えているからで,ウィーンで市電や
地下鉄,バスを運行するWiener Linienと,協調を図っていくようです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
27. Februar 2007 (derStandard.at ニュースへのリンク)

Kontrollore der Wiener Linien ab März auch in der S-Bahn

27.02.2007 "Schwarzkappler" in Schnellbahn
(ORF ニュースへのリンク)

その日の検査対象路線名を通知するページ :
Schwarzkappler-Info (derStandard.at ニュースへのリンク)
数字だけが路面電車で,Aが付くのは路線バス,Uが付くのは地下鉄です.
向こう3日間の情報が掲載されていますが,3/01以降でもSバーンの路線は
まだありませんでした.

derStandard.atには,この他にも2月だけで次のような話題もあります.
21. Februar 2007 Gefälschte Fahrscheine in Wiener U-Bahn angeboten
06. Februar 2007 Schwarzfahrer im Nachtbus meist ungestraft
(derStandard.at ニュースへのリンク)
ニセ切符が売られているという話と,深夜バスの車内では,切符検査の
代わりに,2ユーロの切符を販売している?というような話です.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ウィーンの検査員関連 過去ログ :
2006/4/03 抜打ちではない切符検査ほか
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2007年01月19日

【ウィーン】エアコンつきULF2次車を公開

ドアのところの床面の高さが19センチしかない,ウィーンの超低床車両
ULFは,1997年秋から市内の路面電車路線に投入されて,すでに第一次
発注分の150編成すべてが活躍中ですが,このたび,その第二次車両の
第一号が,製造元のシーメンス(Siemens)から運行するWiener Linienに
引渡されました. (ULF : Ultra Low Floor)

第一世代が1990年代の技術に基づいて設計されていたのに対し,第二世代
では低床化を実現する構造などの基本的な部分や,ポルシェデザインの
外観などはそのままに,2000年代の製造ということで,随所に改良点が
みられます.
その中でも.利用者にとって最大のセールスポイントは,空調の導入で
しょう.ウィーン市の広報ばかりではなく,現地の報道各紙ともエアコン
(Klimaanlage)というキーワードを見出しに掲げています.

ウィーン(Wien / Vienna)も,最近の気候変動の影響があるのか,日本で
言うところの真夏日(最高気温摂氏30度以上の日)が多くなっています.
たとえば,昨年7月には真夏日が17日もありました.さすがに日本で今年
から新設される猛暑日(同35度以上の日)はありませんが,最高33度を2日
記録しています.また,日本で言う夏日(同25度以上の日)も9日間ありま
したので,昨年7月はクーラーなしでは厳しかったことでしょう.

その他にも,第一世代と比べた第二世代ULFの特徴としては,軽量化が
挙げられています.空調搭載にもかかわらず重量を抑えられたのは,駆動
モータを水冷式から空冷式に改めたことで簡素化できたからだそうです.
軽量化だけではなく,保守費も安くなり,車両購入価格も先代を現在の
価格に換算すると,安くなっているそうです.ちなみに,第二次車両も
150編成が発注されていて,契約は約3億5700万ユーロとのことです.

内装も違いがあります.
一次車では座席の腰掛け部分はモケット張りでしたが,二次車では全て
プラスチックに変わっています.これは清掃を容易にするだけでなく,
破壊行為(バンダリズム)対策でもあり,防火仕様でもあります.
また,車内の色の組合せが変わりました.座席は赤,手すりは黄,床は
黒(グレー?)となっています.黄色の手すりは視覚に障害を持つ人にも
認識しやすくするためで,床の色は清潔感を高めるためだそうです.

今年は,その後19編成が納入される予定で,2014年までに年間15から20
編成ずつ引渡されていきます.2014年末には第一世代とあわせてULFは
300編成の大所帯となり,ウィーン市電の車両の三分の二を占めることに
なっています.
現在ULFが投入されている路線数は半分以下の15に留まりますが,増強に
より,2008年中ごろには,ほぼ全ての路線に投入できるようです.

ただし,Die Presseのオンライン記事によれば,ULFが投入されない例外
として,37系統と38系統が記されています.これは両系統の車両を管理
する車庫がULF対応になっていないからとしていますが,記されている
Betriebsbahnhof Nussdorfer Straßeは,その所在地からGTL車庫のこと
だと思われますが,GTLでは既にULFが投入されているD系統なども担当
していますので,よくわかりません.
GTL : Betriebsbahnhof Währinger Gürtel

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
ウィーン市のウェブサービスでは,若干の画像へのリンクもあります.
(Rk-Fotoservice: www.wien.gv.at/ma53/rkfoto/ )
Rieder: Neue ULF-Serie mit Klimaanlage kommt
(Magistrat der Stadt Wien ウィーン市役所 公式サイトへのリンク)

各紙の報道 :
18.01.2007 Straßenbahn mit Klimaanlage
(Die Presse.com ニュースへのリンク)
18.01.2007 Klimatisierte ULFs ab Sommer unterwegs
(ORF.at ニュースへのリンク)
18. Jänner 2007 ULF: Klimatisierte Generation fährt ab Sommer
(derStandard ニュースへのリンク)

お披露目された52号車(5車体のAタイプで車番は連番)の画像 :
Rollout des ULF der zweiten Generation (m.B.)
(Bahnnews-Austria 掲示板へのリンク)

Die Presseで,ULF導入が見送られるとされる2路線と車庫の情報 :
* Linie 37 (Wien)
* Linie 38 (Wien)
* Betriebsbahnhof Währinger Gürtel (GTL)
(Stadtverkehr-Austria-Wiki へのリンク)

オンライン路線図検索 : Wiener Linienplaene Online
一番左の電停サインについている点滅する丸をクリック,現れる番号を
クリックすることで,その系統の路線図がフラッシュで表示されます.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

Foto: Christian Fürthner

新しい車内の様子

これらの画像は,Magistrat der Stadt Wien / rk-Fotodienstより

こちらは1次車の車内(2004年1月時点)
Wien7-ULF_inside.jpg

ウィーン トラム ULF関連 過去ログ :
2006/11/18 ULF専用の駅時刻表を試行
2006/7/24 ULF地下走行解禁近し?
2005/9/24 低床車ULFが2007年には全線に
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2006年12月17日

【Schwarzfahrer】リンツの検査員は災難

オーストリアのリンツ(Linz)の路面電車や路線バスなど公共交通機関で,
無賃乗車を摘発する係員の負傷が相次いでいます.
年間150万人とされるリンツの公共交通利用者のうち,切符を持たずに
乗ったり,不正乗車をはたらくSchwarzfahrerは,全体の3%と言われて
います.そして月に2件の割合で,それを摘発する検査員が殴打される
など病院送りになっていて,飲酒機会の増える12月は,既に6件を数える
そうです.

これはリンツに限った話ではないと思われますが,オーストリアではここ
までの例はないらしく,年間利用者数が7億5千万人で,そのうち5%から
6%が不正乗車(Schwarzfahrer)とみられるウィーン(Wien)や,リンツの
ように路面電車が走っているグラーツ(Graz)では,暴力無縁とまで言わ
なくても,件数はリンツより少ないようです.
ちなみに,関係はないと思いますが,リンツでは違反が見つかった時の
罰金は40ユーロ,ウィーンやグラーツでは60ユーロです.

リンツでは,4年前の2002年から切符の所持検査を民間の警備会社に委託
しています.検査員には警官のような拘束権限がありません.
切符の検査にかける時間は月間で3千時間で,年間にして50万から百万の
乗客が,検査を受けていることになるそうです.

先日もドイツのボンで,不正乗車を減らすために,バス乗車を前扉からに
限り,運転手に切符を提示させる方法に,一部の路線で変更する試みを
開始するという話がありました.しかし,ボンの場合でも乗客数が多く,
前からの乗車限定は遅延につながると懸念されているようで,時間を限り
夜間だけ実施するような形になるかもしれません.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
リンツの記事 :
16.12.2006 Faustrecht in Straßenbahn: Schwarzfahrer schlagen
Kontrollore krankenhausreif

(OÖNachrichten ニュースへのリンク)
15. Dezember 2006 Ticket in die Notaufnahme
15. Dezember 2006 Das harte Leben der Schwarzkappler
(derStandard ニュースへのリンク)

ボンの記事 :
07.12.06 Kontrollen in Bussen und Bahnen
(Kölner Stadt-Anzeiger ニュースへのリンク)
06.12.2006 Busfahrgäste müssen demnächst vorne einsteigen
(General-Anzeiger (Bonn) ニュースへのリンク)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

不正乗車にまつわる 関連過去ログ一覧 :
2006/4/03 【ウィーン】抜打ちではない切符検査ほか
2006/3/01 【Muni】過半数が無賃乗車?!
2006/2/26 【ロサンゼルス】地下鉄に改札設置か?
2006/2/06 【Schwarzfahrer】ドイツのテューリンゲン州では少数
2006/1/13 【ブラウンシュヴァイク】不正乗車への対応
2005/12/19 【ベルリン】不正乗車と運賃体系と検査員
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2006年12月11日

【ウィーン】ULFで荷物預りと配送受付

ウィーンでは,クリスマスのショッピングにあわせた無料の小荷物配送と
一時預かりのサービスが,超低床車両で知られるULFを使って先週土曜
(12/09)に行われました.受付けた小荷物は週明けに配送され,そこでは
カーゴトラムのウィーン版GüterBimが,一役買っています.

Packerl Bimと呼ばれるこのサービスは,2本のULFを専用に仕立てて,
都心部と21区のフロリスドルフ(Floridsdorf)のそれぞれで,1時間ごとに
ULFを走らせながら,主要電停や途中の側線のある電停で少し停車し,
その間に宛先を記した小荷物を持ち込むと,無料で配送してくれるという
ものです.また,一時預かりとして荷物をULFの中に置いておくことも
できたようで,どちらにしても,買い物帰りに重い荷物を持ち歩く必要を
なくすことに貢献しました.

都心のほうは,オペラ座の前(Kärntner Ring Oper),ウィーン国立劇場前
(Burgtheater / ブルク劇場),リンクの北東で地下鉄U1とU4が交差して
いるSchwedenplatzの3か所で,Floridsdorfのほうは,SバーンやU6号線の
乗入れるFloridsdorf駅前のFranz-Jonas-Platzをはじめ,トラム26番や
31番の走る4か所に停車して受付しました.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
一日だけのサービスで予定が終了したため,サイト上から削除されました
が,今のところGoogleのキャッシュに公式案内が残っていました.
[07.12.2006] Die Güter Bim wird zur Packerl Bim
(Google キャッシュに残る,Wiener Linien 公式サイトへのリンク)
停車する電停と,その時間はPDFファイルで配布されていました.
Fahrplan PackerlBim (PDFファイル)
(Wiener Linien 公式サイトへのリンク)

配送を担当する Die GüterBim (トップページ)
Die GüterBim wird zur PackerlBim (ニュースのページ)
(GüterBim 公式サイトへのリンク)

運転される週の初めに各紙が報道しています.
04. Dezember 2006
Straßenbahn als Gratis-Depot für Weihnachtseinkäufe
(derStandard.at ニュースへのリンク)
04.12.2006 Straßenbahn als Packerldepot
(Google キャッシュに残る,ORF ニュースへのリンク)

ファンサイトには早くも画像がアップロードされました.
Weihnachts- und Packerl-Bim
(Das Straßenbahnjournal へのリンク)
全部で5ページあります.Weiderボタンをクリックして進んでください.
最初の2ページは,クリスマス装飾の電車(Weihnachtsbim)で,3ページ目
からが今回話題のPackerl-Bimです.
Wiener Spezialität: "Packerl-Bim" Von Leopold Roswald
(fotocommunity へのリンク)
こちらでは,上のファンサイトではわからなかった,車内や側面の様子が
少し伺えます.

無料で実施されましたが,実は今年8月末から本格的な運行を開始して
いる貨物輸送専用の路面電車(GüterBim)が,70万ユーロを費やしながら,
全く利益を出して儲かっていないということで,批判する政治家もいた
ようです.

今回のサービスは,運行したWiener Linienや,Wiener Einkaufsstraßen
(ウィーナーショッピングストリートとでも訳すでしょうか)などが,参画
しています.

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.
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2006年11月18日

【ウィーン】ULF専用の駅時刻表を試行

出入口の床面の低さで世界一とされる,ウィーン(Wien / Vienna)市電の
ULF専用の時刻表が,電停に掲示されているようです.十日前に記事が
ありました.日本でも低床車両の走っている街で見かけることですから,
そう珍しいことではありませんが,桁違いにトラム路線網の規模が大きい
ウィーンでは,当面一路線で試されることになります.
ULF : Ultra Low Floor

ウィーンで路線バスや路面電車を運行するWiener Linienは,ULFを現在
150本所有し,32ある市電路線のうち15の路線に投入しています.単純に
計算しても1路線10本の割合ですが,これまで電停でいつULFが来るかは
わからず,ホットラインなどに電話して確認する必要がありました.記事
では50分も待ったという話も紹介されています.

10/30から試行されているのは,リンク(Ring)のDr.-Karl-Renner-Ringと
ウィーン14区のHütteldorfを結ぶ49系統です.平日は早朝から3分から6分
間隔で電車が走るうち,ULFは1時間におおむね3本から5本の割合で投入
されていて,机上ではULFの待ち時間は最大でも20分です.
ULFが専用時刻表の通りに運転されるかどうかなど,49系統で少なくとも
1ヶ月様子をみて,他の路線に広げていくかどうか判断されるようです.

なお,2007年から2014年の間に,ULFは150本追加されて合計300本になる
予定です.また,2007年6月には路線バスの低床化も完了する予定です.
2016年には身体障害者平等法(Behindertengleichstellungsgesetz)が,
公共の乗り物や建物で施行されることになっているそうです.

(外部リンクは新しいウィンドウで開きます)
各路線の各駅ごとの時刻表は,PDFファイルで見ることも可能です.
Linie 49 (nur Niederflurfahrzeuge - ULF) (ULF専用の駅時刻表)
Linie 49 (49系統の通常の駅時刻表)
リンク先はいずれもPDFファイル.(Wiener Linien へのリンク)

記事 : (derStandard.at ニュースへのリンク)
08. November 2006 "Ulf" wird pünktlich und verlässlich

オンライン路線図検索 : Wiener Linienplaene Online
一番左の電停サインについている点滅する丸をクリック,現れる番号を
クリックすることで,その系統の路線図がフラッシュで表示されます.

量産先行車を含めて152本のULFが投入されているウィーンでの一コマ :
Wien6(ULF) Wien2(ULF)

誤訳や誤解で内容が間違っていましたら,ご容赦ください.

ウィーン ULF関連 過去ログ :
2006/7/24 ULF地下走行解禁近し?
2005/9/24 低床車ULFが2007年には全線に
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2006年08月28日

【リンツ】トラム地下駅で今度は追抜き

リンツ(Linz)の路面電車は,2004年夏,リンツ中央駅(Hauptbahnhof)の
前後1.9キロ区間を地下化しました.それまで中央駅駅前に入る線路は,
北側からしかありませんでしたし,そこで折返すしかなかったのですが,
地下化で南側からもすんなりと進入できるようになった上に,そのまま
北方面へ直通できるようになります.

もちろん,その地下部分は専用軌道で自動車の進入は許されていません.
しかし,この3月にもご紹介したように,時々迷い込んでしまう車があり
ます.今月も,自動車が地下区間を全線走破してしまいました.しかも
今度は,途中駅で路面電車を追い抜いたそうです.

下記報道によれば,幸い乗客が危険にさらされるようなことはありません
でした.今度の進入は前回とは逆の北からで,夜10時ごろの話です.
ちょうど祭りの関係で電車の運行は中央駅以南になっていました.
(見てきたわけではありませんが,双方向折返し可能なように,中央駅の
両端には,地下に折返しのループ線があるようです)

誤進入した自家用車は,途中で引き返すこともなくそのまま走り続け,
遂には先行する電車に追いついてしまいます.そして,最後の駅で電車が
停まった時にとうとう追い越しました.そのHerz-Jesu-Kirche駅は,相対
式ホームで,地下というよりは,そこはもう出口の寸前で青天井になって
いて,天井を支える支柱も線路の間にはありません.

今度の報道でわかったことですが,不審な車両がトンネルに進入した時
には,トンネルの照明が一斉に全部点灯するそうで,それを合図に電車は
徐行して備えることにしています.地下の照明全点灯は,トンネル内を
明るくして視界を確保するとともに,運転手に何かが起きていると伝える
警告にもなっているのでした.
今回も,照明が全部ついたことにより電車が徐行していたため,車が追い
付いてしまったようです.

前回の進入で,南側の地下への出入口には,警告標識が設置されました.
それ以降は誤進入がなくなったとのことです.他に2回ほど途中まで進入
したケースがあったものの,すぐにUターンして事なきを得ました.

(以下,リンク先は新しいウィンドウで開きます)
先週の報道から :
22.08.2006 Wieder Geisterfahrer in Linzer U-Bahn
(OÖNachrichten ニュースへのリンク)

出てくる駅名などは,下記で場所を確認できます.
Linz Linien Linienplan (路線図)
(LINZ AG LINIEN 公式サイトへのリンク)
英語版の簡単な解説と,地下区間周辺の路線図 :
Linz Tram - Straßenbahn (UrbanRail.Net へのリンク)

地下区間の設計図や,工事中の時からの画像がまとめられているページ :
(Goethekreuzung側(北側)の進入口の画像もあります)
Austria, Linz, Tramwaytunnel Hauptbahnhof
(Viennaslide へのリンク)

flickr で見る Herz-Jesu-Kirche

Fotoberichte (LINZ MOBIL へのリンク)
膨大な数の画像が出てきますが,そのうちのVorbeugung 17.08.2006に,
Herz-Jesu-Kirche=Bulgariplatz間の(南側の),最近のものと思われる
警告標識を付けた後の出入口の画像が掲載されています.

自動車が間違えて入ってしまうのは,現場を知っているわけではありま
せんが,進入口も舗装されていて,特に夜間はうっかりしてしまうのかも
しれません.

路面電車の一部地下化は今に始まったことではなく,オーストリアでも
ウィーンにありますし,ドイツでも幾つかの都市でみられますが,これら
初期の進入口では,いずれもバラスト軌道などで,意図的にそうしたのか
どうかは不明ですが,車が物理的に進入しづらい構造です.

これに対して最近建設された地下化の例では,路面を走っているのと同じ
構造で地下を走るケースが多いようです.
写真などを見る限り,リンツと同じ年に地下区間が誕生したドイツの
ロストックでは,出入口はバラスト軌道で駅だけ舗装されています.

舗装のほうが軌道保守の面で有利なのでしょうか,それとも緊急車両など
も走れるようにしたのか,あるいは将来路線バスも乗り入れできるように
したか,そのあたりの理由もよくわかりません.

前回 : 2006/3/31 トラム地下駅に迷い込む自動車
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2006年07月24日

【ウィーン】ULF地下走行解禁近し?

ウィーン地下鉄の新車量産車が,なかなか当局からの営業運転の認可を
得られないという話がありましたが,市電の低床車ULFにも,似たような
話がありました.
防火対策の水準が低いため,地下区間を運行できないという問題です.
ウィーン市電には,3.3kmほどのトンネル区間があります.1950年代に
着工されて,1960年代終盤には予定区間全てが開通していますが,この
地下化は,言うまでもなく道路の混雑を回避するためです.ドイツ語で
ベルトを意味するギュルテルと呼ばれる,Gürtel Straßeの下に建設され
ました.同じように地下化された区間もありましたが,そちらは地下鉄
(U-Bahn)に転用されています.

超低床車とも言われるULFは,この3.3km(Eichenstraße - Südtiroler
Platz間)の走行が認められていないのです.現在ULFは全路線での運用を
目指していますが,これまでこの地下区間を走る18系統と62系統に投入
されなかったのは,このためだそうです.
もっとも,地下区間を走る距離にも依存しているのか,初期の段階から
ULFが投入されてきた,6系統と65系統は,同じ地下区間の一部を走って
います.ですから,丸っきり地上のみというわけでもないようです.
該当区間の電停名と系統番号は,下記サイトがわかりやすいでしょう.
Premetro lines (Horst Prillinger氏のサイト-英語版-へのリンク)

下記報道によれば,運行するWiener Linienは,車内に追加の消火器を
設置するなど地下区間の走行認可を得られるように措置を施していて,
あとは時間の問題で禁止を解かれ地下も走れるようになりそうです.

しかし,その問題とも絡んで,斬新な構造が災いするのかシーメンスの
Simmering工場に居ることの多いULFは,動かない時間が長くなるので,
それによりブレーキや車軸に不具合が生じてしまうこともあるそうです.

21. Juli 2006 Auch die Tram "Ulf" hat Tunnelprobleme
(derStandard.at ニュースへのリンク)

そのほか先週は,地下鉄の新車量産車の投入が,安全ではないとの理由
により当局の認可が下りず,またまた先延ばしになるかもしれないという
話もありました.
9/02に地下鉄U1路線の北側の終点が,現在のKagranからLeopoldauまで
延長開業されるのに伴い,必要な車両数を確保するため同時にUバーンの
新車量産車(Vタイプ)運転開始が予定されていました.
すでにご紹介している通り,Vタイプの量産車は,納入も遅れが繰り返さ
れていて,2000年11月オーストリアのKaprunで発生した,ケーブルカー
火災事故を教訓に,安全基準が厳しくなったことも,遅れた理由の一つに
挙げられていて,春からの投入予定が遅れていたのです.

今度の問題の一つには,地下区間での非常時の避難手順がありました.
これは,最大1300名の乗客を,緊急避難時には70cmしかないトンネル壁と
車体の隙間をつたわって誘導する必要があったのですが,実は,定員が
878名だったので,その人数なら問題なしと解消されたようです.
予定通り9/02には営業運転できるようになりそうですが,最初の1300名と
いうのは,設計上可能な重量から割り出した人数だったとのことです.
なんだか狐につままれたような話でした.

21. Juli 2006
Klimatisierte Garnituren sollen bis 2. September rollen
20. Juli 2006
Noch mehr Verspätung für neue U-Bahn
(derStandard.at ニュースへのリンク)

関連話題 過去ログリスト :
2005/9/24 低床車ULFが2007年には全線に
2006/3/14 地下鉄新車の量産車登場ほか
2006/5/31 Uバーン新車は9月に延期
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2006年07月07日

【インスブルック】中心街改修で軌道撤去

インスブルック(Innsbruck)で,長らく議論が重ねられていた話に決着が
つきそうです.
インスブルック中央駅の西にあり,中心街を南北に走るマリアテレジア
通り(Maria-Theresien-Straße)は,インスブルック随一のショッピング
街で,現在自動車の通行が禁じられる歩行者天国になっています.
同時にインスブルック交通会社(IVB)が運行する路面電車が一部を通行
する,トランジットモールでもあります.
このマリアテレジア通りを改修するにあたり,市電をこれまで通りに走ら
せるか,それとも軌道を撤去してしまうか,という問題がありました.

最終的な市議会による決定は来週ですが,マリアテレジア通りの北半分
から路面電車を追放することが,ほぼ確実になったようです.
一般の自動車も引続き通行できませんが,旧市街で摘要されているのと
同様に,納品や配送の車両は,午前中限定で走れるようになります.
また,観光用の路線バス(ts)が走っていますが,これも引続き継続され,
締め出されるのは市電だけです.

現在マリアテレジア通りの北半分(北はMarkt-/Burggrabenから,南は
Anichstraßeまで)は,単線の軌道が走っています.下に系統図のリンクを
紹介しますが,2つの系統で市内を循環するループ線の一部として使わ
れているようです.200m前後の区間には,電停が1か所あるだけで,周囲
には代替になる路線も用意できそうなことから,この通りの区間が廃止に
なっても,それほど大きな影響はないかもしれません.トラムがなくても
人は集まってくるのでしょう.報道によれば,市民と商店オーナーらへの
アンケート結果でも,軌道撤去に賛成が優勢だったようなことが記されて
いました.

理由は,費用の問題もさることながら,景観上の問題です.

軌道を外すのと同時に架線も取り外されますが,どうもこれが目的のよう
です.通りの中ほどにアンナ記念柱(Annasäule)という塔がありますが,
架線がなくなれば,ゴールデンルーフ(Goldenen Dachl)まで見通しが利く
ようになる(原文ではfreie Sichtachse)というのです.
(今でもマリアテレジア通りから,ゴールデンルーフを見ることができ
ますが,確かに視界に架線が入ってしまいます.下記にリンクを紹介した
flickr にある画像でも確認できます)


インスブルック市からの公式発表 :
Aus dem Stadtsenat am 11. Jänner
Aus dem Stadtsenat am 5. Juli 2006
(Stadt Innsbruck 公式サイトへのリンク)
上段は今年1月の問題提議で,下段がほぼ決定を伝えるものです.

報道 :
5. Juli 2006 Lostag für Innsbrucks Maria-Theresien-Straße
6. Juli 2006 Ibk: Senat kickt Straßenbahn aus der Prachtstraße
(Tirol Online ニュースへのリンク)

報道に出てくる建造物 : (どちらもドイツ語版 Wikipediaへのリンク)
マリアテレジア通りにある Annasäule (ドイツ語版のみ)
Goldenes Dachl (英語版へのリンクあり)

ファンサイトでもこの件を伝えています :
Tram muss aus der nördlichen Maria-Theresien-Strasse weichen
(www. strassenbahn. tk へのリンク)

現在の路面電車 路線 :
IVB fahrplan // liniennetzplan (PDFファイルの公式系統図と路線図)
(IVB 公式サイトへのリンク) IVB : Innsbrucker Verkehrsbetriebe
非公式サイト Innsbruck: System Map (Tramwaycafe へのリンク)

周辺地図 :
ワンクリックで見ることができるのが,他に見つけられませんでした.
Maria-Theresien-Straße (Google Maps) サテライトモード不可

多少操作が必要ですが,軌道敷らしきものまで確認できる地図 :
Online-Stadtplan (Stadt Innsbruck へのリンク)
Viewの中から「Stadtplan」を選択,その下の「Adressen」はそのまま,
Straßeのリストから「Maria-Theresien-Straße」を選び,Hausnr.は何も
選択せずにStart Searchボタンをクリックすると,通りに面して住所が
Maria-Theresien-Straßeの建物全てが色づけされます.

flickr で見る Maria-Theresien-Strasse (Most relevant)

インスブルック 過去ログ : 2006/5/04 低床車受入れ準備工事
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2006年06月26日

【ウィーン】今年108歳の駅が修繕で夏季閉鎖

ウィーンの元シュタットバーン(Wiener Stadtbahn,ウィーン環状鉄道
と紹介されることもある鉄道)で,現在はUバーン6号線(U6)の一部となっ
ている19世紀の世紀末に開業した高架鉄道では,オーストリアを当時も
今も代表する建築家,オットー・ワーグナー(Otto Wagner)が駅舎を設計
しましたが,100年以上前の姿そのままで,今でも現役で使っている駅が
いくつかあります.

そのうちの一つ,Gumpendorfer Straße駅が,修繕工事のため7/03から
9/01までの夏休み期間,一時閉鎖されることになりました.この駅は旅行
客に馴染みの深い西駅(Westbahnhof)の一つ南に位置し,駅舎もホームも
記念物に指定されていますので,共に修繕は入念に行われるようです.
U6-Station Gumpendorfer Straße in den Sommerferien gesperrt
(ウィーン市 公式サイトへのリンク)

短信ながら,報道もされています.
Station Gumpendorfer Straße wird gesperrt
(ORF.at ニュースへのリンク)
U6: Gumpendorfer Straße über Sommer zu
(wienweb.at ニュースへのリンク)

非公式サイトながら,わかりやすい路線図 :
U-Bahn Wien | Netzplan Wien S-Bahn und U-Bahn
City only (PNG, 51K) (Horst Prillinger氏のサイトへのリンク)

オットー・ワーグナー (オットー・ヴァーグナー)
(日本語版 ウィキペディアへのリンク)

左 : Gumpendorfer Straße駅舎とウィーンのトラム(ULF)
左側の高架がU6で,駅前の路面を市電が2系統走っています
右 : 駅と高架橋のディテール
背後に走っているのは,1995年から導入されている低床車(T)
Gumpendorfer1.jpg Gumpendorfer2.jpg

ホームの様子
Gumpendorfer3.jpg

ウィーン U6関連 過去ログ :
2006/4/06 U6 旧型車マニラへ
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2006年06月03日

【リンツ】南西への通勤路線実現化へ

すでに路面電車3路線が走るリンツから,南西にあるLeondingに向けた
新路線建設が,州政府から承認?されたようです.(abgesegnet)
5.5キロの路線は,1億5千万ユーロの建設費が見込まれますが,リンツが
首都になっているオーバーエーステライヒ州(Oberösterreich)が,その
8割を負担,路線延長先のレオンディンク(Leonding)市が2割負担です.

着工は2007年半ばで,その2年後の開通を目指します.リンツ側の起点は
リンツ中央駅で,そこからしばらく地下を走り,地上に顔を出してから
は,連邦道路の中央分離帯に既にある緑地帯の中を専用軌道で走ります.
トンネルも既存ですし,地上の用地も確保されているため,2年という
短期間で完成させられるようです.
路線図は,OÖNachrichtenの記事に掲載されていました.

この路線は,リンツへの通勤客輸送用に特化され,5.5キロを15分,表定
速度は時速22キロに達しますが,これは,電停の間隔を中心部のほぼ倍,
平均して500mにまで広げることにより,可能になるもようです.開業後
には一日平均2万人の利用が見込まれ,リンツに通勤する日に約15万人の
うちの三分の一,5万人が通うリンツ南西部の道路混雑を緩和すると期待
されています.

Neue Straßenbahn am Linzer Stadtrand
(ORF Oberösterreich ニュースへのリンク)
Nun ist es fix: Ab 2009 fährt Straßenbahn bis Leonding
(OÖNachrichten ニュースへのリンク)

新路線が通ると思われる道路の中央分離帯の画像
Kremstal-Bundesstraße B139
(ドイツ語版 Wikipediaへのリンク)

Linz Linien Linienplan (路線図)
(LINZ AG LINIEN 公式サイトへのリンク)
地下のリンツ中央駅というのは,てっきりトラムの駅と思いましたが,
トラムの路線図とOÖNachrichtenの記事の地図を比べてみると,そうでは
なく,Untergaumbergや,Gaumbergを通るので,Linzer Lokalbahn(LILO)
の線路のようです.LILOは,Leonding Lokalbahn駅も通りますが,先が
長いので競合することはないでしょう.
Strecke der Linzer Lokalbahn (LILO 路線図)

LILOのリンツ中央駅が地下化されているわけではないと思いますので,
記事にあるU-Bahnのようにとか,トンネルというのは,よく判りません.
LILOの下記ページには,2006年11月に統合駅オープンと記されています.
Technische Daten der LILO
ただし,実際には昨年11月に供用済で,Nahverkehrsgleisと呼ばれる,
近距離路線専用ホームがÖBBのホームに隣接して新設されて,LILOは自前
のターミナルから移ってきたようです.

リンツでは,以前こんな話題も紹介していますが,こちらはトラム路線
での話です.
トラム地下駅に迷い込む自動車
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2006年05月31日

【ウィーン】Uバーン新車は9月に延期

ウィーン地下鉄(U-Bahn),U1, U2, U3, U4向け次世代向け車両,Vタイプ
は,先行試作車が2000年末より投入され,量産車はこの春から営業運行に
就いている予定でした.しかし,それが9月まで延期されていたことが,
明らかにされています.

量産車は,納入も遅れが繰り返されていました.2002年6月に発注された
25編成(4M2Tの6両編成)は,最終的に2009年までの納入となっています.
2000年11月オーストリアのKaprunで発生した,ケーブルカー火災事故を
教訓に,安全基準が厳しくなったことも,遅れた理由の一つに挙げられて
いますが,11編成が揃った現時点でも,当局から承認が下りないのです.

原因はブレーキの不調にあるようです.新しい車両は,少々意味不明です
けど,ブレーキがある程度無い状態にある?ということで,ブレーキ製造
メーカーをシーメンスに変えて,新たに取り付けています.
それに加えて,車両基地での検査作業では,新車は下から行なわなければ
ならない?のに,Erdberg駅に隣接する車両基地は,リフトで対応できる
ピット線?が1線しかないという問題もあるようです.

延期される9月というのは,U1路線の北側の終点が現在のKagranから,
Leopoldauまで延長される時のことを指しています.

少し前になりますが,報道がありました.
Neue U-Bahn braucht noch neue Bremsen
(5/23付け derStandard.at ニュースへのリンク)

報道の最後の段落には,在来車両の数編成が,すでに金がなくてぴいぴい
している状態?で,検査間隔を5千キロから7500キロに引き上げたと記され
ていますが,これもU4での頻発する故障が理由だそうです.

Vタイプ車両の説明(非公式 英語版) : V stock
(The Vienna Metro Systemへのリンク)

過去ログ 2006/3/14 地下鉄新車の量産車登場ほか
この時点では,春に投入される予定でした.
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2006年05月04日

【インスブルック】低床車受入れ準備工事

インスブルック交通会社(IVB)では,ボンバルディア(Bombardier)から,
100%低床車両の FLEXITY Outlook Cシリーズ(旧名称 Cityrunner)を,
22編成(オプション10編成)購入すると,昨秋発表していました.
総額5100万ユーロの契約です.FLEXITY Outlookは,同じオーストリアの
リンツ(Linz)とグラーツ(Graz)でも採用されていて,2007年の夏か秋には
最初の編成が,インスブルックに送られているはずです.

その低床車にあわせた,地上側の改修工事が開始されるとの発表が今回
ありました.公式サイトからの情報や,報道されている内容からかいつま
んでみると,まず,低床車にあわせた電停の改修があります.これは高さ
とか長さの関係でしょうか.なお,在来車両の車体幅は判りませんが,
新車は2.4mです.

それとともに,新しい低床車は在来車よりも軸重が40%大きいため,下水
道施設?(Kanalnetz)の約20のマンホール?縦坑?(Schächte)を,低床車の
重量に耐えられるように,10月末までに更新するなどしなければならない
そうです.作業は一つの下水溝あたり5週間かかります.

ちょっと計算があいませんが,FLEXITY Outlookは約37トンと下記報道に
ありますので,軸数で割ってみました.
FLEXITY Outlook(6軸) 37トン,軸重 約6.167トン
在来車(6軸) 19.5トン,軸重 約3.25トン
在来車(8軸) 25トン,軸重 約3.125トン

これらの改修工事の間も,多少の迂回措置が取られても,IVBが運行する
系統(1, 3, 6と,Stubaitalbahn)は,運休することないとしています.

Noch ein Jahr bis zur neuen Straßenbahn
(ORF.at ニュースへのリンク)
Innsbruck bekommt 22 neue Niederflur-Garnituren
(derStandard.at ニュースへのリンク)
Neue Tram bringt zahlreiche Baustellen bei IVB und IKB
(Tirol Online ニュースへのリンク)

IVB : Innsbrucker Verkehrsbetriebe GmbH
die tram kommt!
(IVB 公式サイトへのリンク)

インスブルックでは,同じFLEXITY Outlook(旧名Cityrunner)を,2001年
から導入し,スペインのヴァレンシア(Valencia)にも貸出ししたことが
ある,ポーランドのウッチ(Łódź)(Lodz)から借りて,発注した車両が到着
するまで,試験走行させる計画が当初あったそうですが,この1月に断念
していました.どうやら今回改修を行なう必要が判明したことが,原因の
一つだったのかもしれません.この部分は誤訳・誤解の可能性があります
ので,真相は,出典元の下記サイト,news欄,2006/1/16付ニュース,
"Leih-Niederflurbahn kommt doch nicht"をご参照ください.
Gegenwart und Zukunft von Innsbrucks Bahnen
(strassenbahn.tkへのリンク)

今回の件は他にもよく判らないことだらけです.derStandard.atの記事
では,新しい低床車に2億2千万ユーロが投じられるという書き出しで始ま
っています.こちらの冒頭にも紹介しているように,ボンバルディアとの
車両購入契約は5100万ユーロです.一方で,2006年に掛かる工事への経費
は,160万ユーロとのことです.差引きして残る1億7千万ユーロを超える
金額は,何に費やされるのでしょう.

また,2008年末までに,購入するFLEXITY Outlookが全て納入されるの
だと思われますが,それと同時に現在の在来車両を,全て交換すると読め
ます.これもderStandard.atの記事にありました.原文は次の通り.
"Ende 2008 soll der gesamte Fuhrpark ausgetauscht sein."

公式サイトによれば,IVBでは路面電車を30編成所有しているようです.
fuhrpark (IVB 公式サイトへのリンク)
下記サイトの"Fahrzeuge"メニューで数えると,廃車などもあり27編成に
なります.22編成+オプションなら,全車置換えなのかもしれません.
DIE Seite über Innsbrucks Straßenbahn
(Inntram.at へのリンク)
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2006年04月06日

【ウィーン】U6 旧型車マニラへ

ウィーンで地下鉄(U-Bahn)を名乗りながら,他の地下鉄とは異なる路面
電車風の車両が用いられているのがU6です.走行路線は19世紀の末まで
遡る,シュタットバーン(Wiener Stadtbahn)が地下鉄に生まれ変わった
こともあり,他と同じ地下鉄車両を走らせられなかったそうです.

このU6を走る路面電車タイプの車両(E6+c6)は,最近では1995年から投入
されている,Tタイプ車両に取って代わられています.また,「2005年
輸送実績と今後の計画発表
」でも紹介していますが,低床車のタイプT
車両は増備されることになっています.Tタイプは幅が広く収容能力が
高いほか,低床で乗降ステップがない現代仕様です.
1980年代前半に生まれたE6/c6は,引退するにはまだ早すぎるとはいえ,
両運転台で両側にドアを持つ車両は,ウィーンでは他に活躍の場を見出せ
そうにありません.そこでこの度,E6/c6のほとんどと言える40編成が,
フィリピンのマニラで第二の生活を送ることになりました.マニラ側と
引渡しの調印が行われたそうです.
40 Wiener U-Bahn-Garnituren für die Philippinen BILD
(Bundesministerium für Verkehr, Innovation und Technologie プレス
リリースへのリンク)


いくつかのニュースサイトでも報じられています.
Alte U6-Garnituren für Inselreich
(Heuteonlineのニュースへのリンク)
40 U6-Garnituren auf die Philippinen verkauft
(Krone.atのニュースへのリンク)
U6 40 Garnituren für Philippinen
(wienweb.at のニュースへのリンク)
Wiener U-Bahn-Garnituren für Phillipinen
(vienna.at(Vienna Online)のニュースへのリンク)

マニラで走る前には,空調の導入,ドア口の高さ調整,電気ケーブルの
新調などの改造が施されるようで,専門家らが,経済面と技術面の詳細を
詰めていきます.
マニラは行ったことがありませんが,ライトレール LRT-1で使用される
のでしょうか.マニラのLRTAのサイトには,まだ何も載っていないよう
です. LRTA : Light Rail Transit Authority
Manila Light Rail Transit System
(英語版 Wikipediaへのリンク)

ウィーンの地下鉄に詳しい下記サイトによれば,Tタイプだけの運用に
なることにより,U6の最高速度は時速60キロから同80キロに引上げられ
るようです.Tタイプ車両導入後は,全列車に低床車両を組み込むため,
E6+c6が単独で運行されることはなく,E6+c6は必ずTタイプと連結させ
られていましたが,この連結で問題が生じることも多く,しばしば運休に
追い込まれていたそうです.それも昔話になるのでしょう.
Die Wiener U-Bahn
(Horst Prillinger氏のサイトへのリンク)

U6では,19世紀末のオットー・ワーグナー(Otto Wagner)の手による駅舎
でさえ,現在はエレベータなどが設置されて車椅子対応です.
しかし,ステップなし低床車で,車体幅が2,65mあるTタイプの車両でも,
ホームと車両の隙間は車椅子には広すぎるほど開きます.それを解消する
ように要請を受けて,WLではTタイプの車両の全てのドア口に,黄色の
ゴム製の縁を取り付けたそうです.これで隙間を6センチ縮めて,車椅子
でも乗降が容易になるようにしました.WL :Wiener Linien
U6-Garnituren mit Gummileisten für Rollifahrer ausgerüstet
(3/29付け ウィーン市のプレスリリースへのリンク)
また,下記サイトに小さな画像があります.
Wiener Linien GmbH & Co KG
(Wiener Linien 公式サイトへのリンク)
[29.03.2006] Neues Service für behinderte Menschen のところ
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2006年04月02日

【ウィーン】抜打ちではない切符検査ほか

乗車前に切符提示を求められない,自己申告システム(honor system),
いわゆる信用乗車制では,抜き打ちでの乗車券所持検査があってこそ成り
立つものですが,実はその日ごとの検査対象路線が,事前に公開されて
いる都市もあります.速度違反取締り場所の事前通告のようなものです.

ウィーンでは,次のサイトで日付と路線名を知ることができます.
Schwarzkappler-Info
(Der Standardのサイトへのリンク)
Schwarzkappler Warnung
(vienna.atのサイトへのリンク)
Fahrscheinkontrolle
(VORmagazinのサイトへのリンク)

Der Standardのサイトでは,コメントも受付けていますし,有料でSMS
(ショートメッセージ)を携帯電話に送ることもできます.
vienna.atのサイト(Vienna Online)では,今日の分という表示で日付が
ないところに一抹の不安が残りますが,他サイトでは載せていない路線も
挙げて,たとえば朝は要注意とか警告しています.

もちろん,これらは当局が意図的に流しているもので,Der Standardの
冒頭には,検査対象路線で多くの切符を買ってくださることに感謝する
云々という文章が載っています.
Wiener Linienの狙いは,正にそこにあります.違反者には60ユーロの
罰金が待っています.事前に路線を警告しておけば,少なくともその路線
利用者は,その日だけでも切符を事前に買うでしょう.広大な路線網を
抱える交通事業者にとっては,抜き打ちで行うより効果があるのかも
しれれません.

英語のブログですが,ウィーンの検査員を話題にしたものがありました.
"Schwarzkappler-Info"
(Metroblogging Vienna ブログへのリンク)

この公開は今に始まった話ではなく,少なくとも6年前には既にウェブ
サイト上にありました.その効果かどうかはわかりませんが,不正乗車客
(Schwarzfahrer)の割合は,以前にも紹介していますが,例年4%から6%
ということだそうです.「2005年輸送実績と今後の計画発表

6年前に10日間ほどウィーンに滞在し,毎日のようにあちこち出かけた
ことがありますが,切符の検査員に遭遇したのは1日だけでした.土曜日
だったのですが,相次いで乗った路面電車2本と地下鉄の3回連続です.
事前にサイトをチェックしていたわけではありませんが,それまで全く
出会わなかったのに,続く時には続くものだと思ったものです.


ウィーン 最近の交通関係の話題 :
U-Bahn- und S-Bahn: Teilsperren zu Ostern
(ウィーン市 公式サイトへのリンク)
イースターの休暇期間に,ウィーン市内の中心を走り抜けるSバーンが
10日間(4/08-17),地下鉄U6号線がイースターの週末の3日間(4/15-17),
いずれも工事の都合で部分運休になります.イースターの時期は利用者が
少ないため,この時期が選ばれたそうです.

Kampagne gegen "Duft von Leberkässemmel"
(Der Standardのサイトへのリンク)
米国あたりでは通勤車両での飲食は,はっきりと禁止されていますが,
ウィーンでも臭いの強い食べ物を食べるのを,車内では禁止しようという
動きがあるようです.乗客への調査によれば,好きな香りではラベンダー
85%,バニラ73%に対して,タマネギとレバーケーゼ(Leberkäse)はゼロ
ということで,レバーケーゼを挟んだ,おいしそうなゼンメルのサンド
イッチの画像も記事に載っているのですが,車内で食べるのはご法度に
なりそうな雲行きです.
Leberkäse : レバーなどを使ったミートローフ状のハムというかパテの
ようなもの.肉の蒲鉾という表現も近いかもしれません.

このニュースを取り上げた日本語のブログがありました.
車内の食べ物のにほい
(まつげのつぶやき ブログへのリンク)
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2006年03月31日

【リンツ】トラム地下駅に迷い込む自動車

リンツには900mmゲージの路面電車が走っています.Cityrunnerと呼ば
れる低床車も走るほか,2004年9月には,リンツ中央駅の前後を地下化
しています.その地下区間に自動車が迷い込んでしまったのが,昨年の
10月でしたが,その時の監視カメラの映像がインターネット上に流れて
しまいました.百聞は一見にしかずです.
Car in the subway (YouTubeへのリンク)

VWゴルフが走り抜ける駅は,全部で3つ出てくると思われます.
Herz-Jesu-Kirche
flickr で見るリンツ(Linz)の路面電車
Straßenbahn kommt an (ecker's photostreamへのリンク)

Unionkreuzung
Auto im U-Bahntunnel (Bahn Linzへのリンク)

最後に出てくる駅が,Hauptbahnhof(中央駅)でしょう.
Linz Linien Linienplan (路線図)
(LINZ AG LINIEN 公式サイトへのリンク)

Auto im Bim-Tunnel: Angst vor Nachahmern
(3/28付け OÖNachrichtenのニュースへのリンク)
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2006年03月14日

【ウィーン】地下鉄新車の量産車登場ほか

ウィーンの地下鉄(U-Bahn),U1からU4までの路線への次世代向け車両と
して,Vタイプと称する車両が用意されています.その先行試作車1編成は
2000年末より営業運転を行なっていましたが,その量産車がようやく,
この春から営業運行に就く見通しとなりました.

1998年当初は2003年に導入される予定でした.それが2000年には2004年
からになり,2002年の段階で2005年納入,2006年営業運転開始とされ,
度重なる遅れがありました.
2002年6月に,日本流で言う4M2Tの6両編成が25本発注され,2009年までに
納入されることになっています.
量産車の完成が遅れた理由の一つには,2000年11月にオーストリアの
Kaprunで発生した,ケーブルカー火災事故の悲劇を教訓に安全基準が
改められ,それに対応する必要があったこともあるようです.
Wien: Erste neue U-Bahnen sind ausgeliefert
(derStandard.atのニュースへのリンク)

ウィーンのUバーンと言えば,このサイト(英語版)が参考になります.
V stock (The Vienna Metro Systemへのリンク)
Vタイプ車両はウィーンでは初めての,空調付き地下鉄になるそうです.
また,前述の安全基準の強化により,椅子が金属製になり,煙センサーも
増やされてるとのことです.

derStandard.atの記事では,この他にも以前ご紹介している,ウィーンの
シーメンス工場で製作中だった,ハンガリーのブダペスト向けコンビーノ
(Combino)の第一号が落成して,ブダペスト側に引渡されたことが載って
います.2月の過去ログ(【Combino】ブダペスト向けウィーンで製造中)
に,追記の形で情報を追加しました.
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2006年03月11日

【クラーゲンフルト】路面電車復活ならず

オーストリア南部のケルンテン州の州都クラーゲンフルト(Klagenfurt)
は,交通の要衝でもありますが,同時に恐らくディーゼル車から排出され
ている,粒子状物質の値が非常に高くなっていました.

それもあり,クラーゲンフルトでは1963年まで走っていた,路面電車の
復活を検討し始めます.インスブルックの調査機関に,その実現の可能
性を探らせていたのですが,否定的な結果が昨日もたらされました.
Doch keine "Bim" für Klagenfurt
(Kleine Zeitungのニュースへのリンク)
Keine Straßenbahn für Klagenfurt
(ORFのニュースへのリンク)

建設コストが高くなり過ぎて,運営できないだろうというものです.
東西を結ぶ路線が想定されていたようで,ÖBB(オーストリア連邦鉄道)
との乗入れは考えられていません.新路線の建設コストは,キロあたり
1200万ユーロから2000万ユーロとされ,全体では1.5億ユーロないしは
2億ユーロ(150円換算で300億円)の投資が必要とのことです.
これに対して,見積もられた利用者数は,一日1万7千人でした.
バスで運べる人数なので,路線バスを充実させたほうがいいということ
のようです.

バス専用レーンが検討され,BRT(bus rapid transit)のようになるのかも
知れませんが,結局バスそのものは,天然ガスを燃料とするバスよりも
安上がりということで,ディーゼルエンジンのバスになりそうです,

オーストリアでは,ディーゼルエンジン車へのフィルター取り付けや,
バイオディーゼル燃料の普及に補助金を出しているそうです.

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2006年02月23日

【ウィーン】2005年輸送実績と今後の計画発表

ウィーン市は,公共交通機関の2005年利用実績などを発表しました.
市電,バス,地下鉄の利用者数は,一日200万人,年間で7億4700万人に
達し,これまでにない記録的な人数であることともに,新規開業がない
にもかかわらず,2004年比で1150万人の増加となりました.
利用者のうち,年間パス(定期券)所有者は,31万3千人となり,2004年比
で8500人増えており,このような定期的な利用客の増加と定着が,総利用
者数を底上げしているようです.
ウィーン市内で移動する人?(Stadt zurückgelegten)のうち,昨年公共
交通機関が使われた割合は,34%に及び,Wiener Linienは,ヨーロッパで
最も成功している交通事業者ということだそうです.

これまでの投資で,路線バスの低床車率は,88%になっており,この3年半
の間で35%増えました.市電の低床車率は,これはすなわちULFのことに
なるかと思いますが,現在27%,この3年半の間で70%の伸びです.
ULFは,2007年には全路線に投入されることが,昨年報じられています.
ULF : Ultra Low Floor

ここまでが昨年の実績で,次は今後の計画に関してです.
2006年の投資額は,4億4900万ユーロで,このうち3億ユーロ近くが地下鉄
建設費にまわされ,残りの1億5100万ユーロが,路面電車とバス,地下鉄
の新車や,その他の案内情報版などの,設備投資にあてられます.

地下鉄の建設では,U1の延長工事は,今年9月の開業に向けて既に大詰め
を迎えているでしょう.となれば,資金の大半は,U2延長にあてられる
のだと思われます.U2の延長は,2008年と2010年の完成に向けて工事中
の,総額13億ユーロのプロジェクトです.

地下鉄車両のほうでは,空調付きのVタイプ量産車が導入されるほか,
シュタットバーン(Wiener Stadtbahn)の高架を利用し,路面電車タイプの
車両(E6+c6)も残るU6では,1995年から投入されている,出入口に段差の
ない,Tタイプの車両が,2008年までに38両導入されることになります.
これで2008年には,E6+c6のステップ付き車両が引退して,U6の100%低床
化が図られます.

詳細やその他は,原文をご参照ください.
Rieder: Wiener Linien sind beliebt wie nie zuvor
(APA OTSのプレスリリースへのリンク)

以下は,このプレスリリースを基にしたと思われる記事ですが,上記では
触れられていない事柄として,運賃値上げは今年は無いこと,地下鉄の
新車Vタイプは,10本か11本が投入されること,そして不正乗車のこと
が,加えられています.
Wiener Linien: 747 Millionen Fahrten
(Wiener Zeitungのニュースへのリンク)
Wiener Linien mit Fahrgastrekord
(Kurierのニュースへのリンク)
報道は他にもありますが,内容はAPAの記事で同じのため,省略します.
この2紙には,ちょっとした画像もありますので,紹介しました.


不正乗車(Schwarzfahrer)に関しては,その割合が4%から6%ということ
で,比率は例年と比べて横ばいだそうです.関係者によれば,改札口の
あるパリの地下鉄と比べても,不正乗車率は高くないそうです.Kurier紙
では,"Schwarzfahrer"が一つの段落の見出しになっていますが,やはり
この問題への関心が高いのかもしれません.
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2006年02月09日

【Combino】ブダペスト向けウィーンで製造中

1編成の長さが世界で最も長い路面電車が,ハンガリーのブダペストに
もう間もなく登場することになっていますが,その製造はオーストリアの
ウィーンで行われています.

40編成のコンビーノ(Combino)を,140万ユーロでブダペスト(Budapest)の
BKVより受注していたシーメンス(Siemens)は,ウィーンのSimmering工場
で製作中とのことで,最初の2編成は3月にもトラムの4番と6番が走り,
投入予定でもある当地の Nagykörút(大環状通り?)で,100日間にわたり
6千キロに及ぶ走行試験に入るとのことです.
BKV : Budapesti Közlekedési Részvénytársaság (Rt.)
Grand Boulevard (Budapest) (英語版Wikipediaへのリンク)

定員350名,全長54mの長いトラムは,年内に20編成が投入される予定に
なっているようです.
Wiener Straßenbahnzüge für Budapest
(ORFのニュースへのリンク)

ハンガリー語なので詳細不明ですが,公式サイトに画像などがあります.
「villamos」がトラムという意味の言葉なのでしょう
A Combino villamos
2006. január 19. A Combino "menyegző" (製造中の画像)
Készülnek a villamosok Képgaléria (製造中の画像多数)
Márciusban megérkezik az első két új alacsonypadlós villamos
Budapestre
(想像図や諸元など)
(BKV公式サイトへのリンク)

元SGP,今はシーメンス傘下のSimmering工場は,ウィーン市電のULFを
手掛けていましたが,世界ブランドのコンビーノ(Combino)の製造も行う
ことになり,意義深いというようなことをORFニュースは記しています.

追記 (2006/3/14) :
第一号が落成し,ブダペスト側に引渡されたことが3/13付けで報道されて
います.ブダペストから市長もやってきました.
Made in Vienna: Siemens-Niederflurstraßenbahn für Budapest
(ウィーン市公式サイトへのリンク)
ULF-Tramway Wien beliefert Budapest
(wienweb.atの3/13付けニュースへのリンク)

3/13付けの記事によれば,年内に25編成を納入,その後2007年半ばまでに
今回発注分の40編成全てを納入するとなっています.
ウィーン市公式サイトでは画像も用意されていて,rk-Fotoservice:の
右横からたどっていくと,13.03.2006(日付)のAnsicht Bild 3に,貨車に
搭載されて出発を待つ,6車体から構成されて54メートルの長さを誇る,
世界最長の路面電車の姿を見ることができます.
コンビーノでは7車体のものもありますが,短い車体も含まれています.
今回のブダペスト向けは,6車体全てが長く,台車も持っています.これ
までの短車体に台車があり,長車体は台車なしとは異なっています.

追記 (2006/3/30) :
下記報道(ドイツ語)によれば,6月中旬にも4番と6番系統で営業運転に
就く予定です.それまでに投入予定路線では,架線の更新や電停の
拡張とかさ上げ(道床を下げる)などが行われ,その工事期間中は
バス代行になるようです.
,,Massenverkehr kein Symbol der Armut“
(3/20付け? Budapester Zeitungのニュースへのリンク)

夜間に行われた試運転が,静止画と動画で紹介されています.
First test ride of the "Combino Supra" in Budapest
(上下ともTrams of Hungaryのサイトへのリンク)(英語版)
A clickable imagemap of the lines and some of the important
"tram places"
(簡単な路線図)
Descriptions sorted by routes:Route 4/6 (路線概要)
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2006年01月05日

【ウィーン】路面電車も制限時速50キロに?

記事原文がドイツ語のため,誤訳誤解があるかもしれません.
ウィーン市が昨年12月中旬に打ち出した,ウィーン市内の道路を一部を
除き制限時速50キロにすることは,かなりの反響を呼んでいるようです.
道路標識などの整備も来週までには整えてられるようですが,ここにきて
例外と目されていた路面電車も対象であることが報じられました.

速度制限は大気汚染の緩和が目的です.2年間の期限限定付で,もしも
2年後に効果が現れなければ,制限を撤廃するというものですので,排気
ガスを出さない路面電車には摘要されないはずでした.
しかしウィーン市は,法的な懸念?(rechtlichen Bedenken)から,例外を
認めない?としていました.

これに対して路面電車を運行するWiener Linienは,市当局に働きかけ,
結局は2週間後には元の例外扱いに戻る?ように読めました.
路面電車が50キロ制限を受けるのは,どうやら短期間のようです.

なお車と分離されているOberlaaやRodaun方面の専用軌道上や,サイド
リザベーションの区間(Simmeringer Hauptstraße)などは,現在でも例外と
して認められていると思われます.

一連の報道
Tempo 50: Extrawurst für die Bim
(Vienna Onlineのニュースへのリンク)
Auch Straßenbahn muss 50 fahren
(ORF.atのニュースへのリンク)
Tempo 50 gilt auch für die Bim
(Vienna Onlineのニュースへのリンク)
Tempo 50 gilt auch für Straßenbahnen
(News Networldのニュースへのリンク)
Panne bei Tempo 50
(Wiener Zeitungのニュースへのリンク)


今回の読解は全く自身がありません.もしかしたら全く逆のことを書いて
しまったかもしれませんので,お気づきの方は情報共有のためにもコメ
ント欄でお知らせいただけると幸いです.
コメントはシステム上すぐには反映されませんので,もしも表に出るのを
望まれない場合には,その旨をお書き加えいただければ,記事を訂正の
上でコメントは削除して,人目に触れないようにいたします.
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2005年09月24日

【ウィーン】低床車ULFが2007年には全線に

ウィーン市電(路面電車)では現在150両の超低床車両のULFが活躍中ですが,
当局は昨年シーメンスに発注した150両が2006年から納入されるのに伴い,
2007年中には全路線にULFを投入したいとしています.
これまでULFは10路線に集中して投入されてきましたが,今後は全ての路線で
全車両とまではいかないまでも,ULFが運転されることになりそうです.
ULF : Ultra Low Floor

地下鉄U2が運休している関係で,リンクの1系統と2系統が増発されています
が,その分に既にULFが充当されているほか,10月からはD系統と49系統への
新たな投入が発表されました.1-2系統はU2運転再開後もULFがそのまま残る
ようです.どの路線がどこを走るかがよく判るサイトとしては,Wiener
Linienplaene Online
がお勧めです.
今回の追加を含めるとULF投入系統は,2005年秋の段階で次の通りです.
D, J, 1, 2, 6, 26, 31, 43, 44, 46, 49, 65, 67, 71

昨年発注分の150両はこれまでのULFから若干の変更があるようで,旅客サー
ビス面では空調の導入があります.来年から納入が始まり,2014年に完了の
予定です.そのためULFが市内全線に行き渡るのは2014年とされていました.

これまでの方針では,選ばれた路線に限られた両数のULFを集中して投入して
きました.投入路線によっては全車がULFに切り替わったところもあります.
しかし利用者の要望もあってこの方針を変え,ULFの恩恵が市内に早く広く
行き渡るようにしたのです.ウィーンには日常運転されている系統は全部で
33あります.最終的にULFは300本になりますから,これを押しなべれば一つ
の系統にULFが約9本ずつということになります.

ULFは床の高さが19cmと世界で一番低く,まるで別の星からやって来たくらい
に従来の路面電車とシステムが異なりますので,その保守や検修を行う車庫
にもそれなりの設備と人材が必要です.その車庫の対応も2007年末までには
市内全ての車庫で完了予定です.それにあわせて乗務員の訓練から架線の
強化なども行っていくようです.

Wiener Linien starten ULF-Offensive
(wien.atのニュースリリースへのリンク)
ULF-Offensive der Wiener Linien
(Der Standardのニュースへのリンク)
ULFs ab 2007 auf allen Linien
(oesterreich.ORF.atのニュースへのリンク)

フォトライブラリー
Wien2(ULF)
ULFなら安全地帯のない場所でも,まるで地下鉄を乗り降りするように,ワン
ステップで直接路上からの乗降が可能になります.乗降りの際に運賃収受を
行ないませんので,電停に到着するとご覧のようにどっと人が溢れます.
(地下鉄U1の終点 Reumannplatz近くのトランジットモール)

Wien3(ULF)
床を低くしたので,機器類は全て屋根に載せています.
(U6と43系統が交差するAlser Strasseで,U6のホームから撮影)
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2005年09月20日

【ウィーン】相次ぐトラムの衝突事故ほか

世界最大級の路面電車網を誇るウィーンですから,それだけ事故も多いので
しょうし,他で多発していても新聞沙汰になっていないとか,ウェブサイト
で検索できないだけかもしれませんが,トラムと自動車,トラックとの衝突
事故が少し多すぎるような気がします.それを懸念する記事は今のところは
ないようですので,杞憂なのかもしれませんが....

この1ヶ月間に少なくとも7件です.
9/15 Zwei Verletzte bei Straßenbahnunfällen (60と37)
9/07 Wieder Unfälle mit Straßenbahnen (31と43)
9/05 Zehn Verletzte - Lkw fuhr in Straßenbahn (43)
8/30 Straßenbahn krachte in Auto (O)
8/22 Straßenbahn krachte in Lkw (33)
(oesterreich.ORF.atのニュースへのリンク)

それぞれ日付,記事タイトル,衝突のあった系統番号の順に並べています.
43系統の2件はトラムの車両が超低床式電車のULFで,9/05は側面にトラック
が突っ込んできて,負傷者も多数出たほかULFの損傷も大きいようです.
(ニュースサイトに画像も掲載されています)

8/22の事故は,40年起きたことのない少々珍しく,そして深刻な事故です.
原因がトラム側にあり,それも不具合が生じた際にバッテリーも効かなくな
ってしまったため,制御不能に陥っていたのです.2つある回路が両方とも
同時にダウンしてブレーキが全く効かないままトラックとぶつかりました.

事故の原因にまでつっこんだ記事は上段の1件しか見当たらず,あとは下段の
ファンサイトでした.再発がないように根本的な対策が施されたのかどうか
まではわかりません.
"Bim-Crash" wegen defekter Stromkreise
(Vienna Onlineのニュースへのリンク)
Kurioser Unfall
(Straßenbahnjournalのサイトへのリンク)

おまけ
その他にウィーンのトラムの話題では,今年4月に発足したハイダー氏率いる
政党 BZÖ(Bündnis Zukunft Österreich)が,選挙戦の前哨戦としてトラムを
使ったというものがありました.車両は新型の低床車両ULFではなく旧来の
古いタイプが使われた模様です.この政党はイメージカラーがオレンジです
が,ウィーン市電が塗装変更を禁止していることもあり,オレンジ色には
できなかったようなことも記されていると思います.オーストリアの政治は
ドイツ語以上によくわかりませんが,旧型車両を使ったのは政党側の意図が
あってのことでしょうか,それとも単に運用の都合だったのでしょうか.
Mit Straßenbahnfahrt in den Wahlkampf
(oesterreich.ORF.atのニュースへのリンク)

古い町並みをバックにする旧型車両と,新しい建物をバックにする新型車両
(新しい建物は図書館で,Uマークは地下鉄駅を示すものです)
Wien1
(Urban-Loritz-Platzにて)
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2005年09月09日

【ウィーン】地下鉄U2が3週間運休に

9/10〜10/02の3週間,ウィーンの地下鉄U2号線が工事で運休になります.
これはSchottentor(ショッテントーア)駅〜Schottenring(ショッテンリンク)
駅の間の改造工事が行われるためで,U2が現在の終点Schottenring駅から
ドナウ川運河の下をくぐって延長されるのに伴う改造です.
現在Schottenringでは,ドナウ川運河に向かって地下を走ってくるU2は,
運河と平行するU4号線との平面乗換えを可能にするため,駅手前でカーブを
きりますが,延長に際してはこれを解消し,将来はU4や運河と立体交差する
ように変わります.それにあわせて新Schottenring駅は,ウィーンで初めて
となるドナウ川運河の真下に造られる予定で,新しいU2はそのまま運河の下
をウィーン1区から2区へと進みます.
非公式ですが延長区間を含むウィーンの地下鉄路線図が,The Vienna Metro
サイトにあります.(参考:Stadtentwicklung Wien: Zukunft Donaukanal)
Schottenring周辺の地図 リンクできない際はご容赦ください
(この地図上ではパープルがU2,グリーンがU4になります)


運休となる地下鉄の代わりに,1ブロック離れてほぼ並走するリンクのトラム
(路面電車)1系統(内回り)と2系統(外回り)が,通常の6分間隔から3分間隔に
増発されることになっています.途中までJ系統とD系統も利用できます.

U2はウィーンの地下鉄の中で一番短く,現在わずか3.5kmしかありません.
その間に2年前までは7駅もありました.1駅閉鎖されて現在は6駅ですが,
それでも駅間距離はトラムなみの短さです.これはU2の前身がプリメトロ
(Premetro)というトラムを都心部だけ地下化したものだったからです.

王宮や旧市街地を囲むリンク(Ring)と呼ばれる環状道路が建設された際に,
同時にそのすぐ外側に物資輸送用の道路が建設され,のちにトラムも走って
いました.第二次大戦後,急増する自動車に対応するためトンネル建設案が
出ますが,結局地下に通すのはトラムになりました.1966年にプリメトロが
完成します.その後ウィーンでも地下鉄を建設することになり,その第一期
としてプリメトロを延長したU2号線が1980年に開業しました.

U2は2003年より延長工事を行っており,観覧車で有名なプラーター遊園地
(Prater)の最寄りの北駅(Nord)を通ることにもなっています.完成は遅れて
いますが,2008年から翌年にかけて段階的に開通する予定です.

それとは別に9/14には,Volkstheater(フォルクスシアター)駅で火災訓練が
行われ,地下鉄新型車両(V形式)の耐火性能も試されるようです.

参考記事
U2 ab Samstag für drei Wochen gesperrt
(Der Standardのニュースへのリンク)
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | オーストリア このエントリーを含むはてなブックマーク

2005年09月04日

【ウィーン】路上の配給電車走り出す

ウィーン市内を網羅している路面電車上を走る貨物列車が,8/31から運転を
開始したようです.車両自体は5月にお披露目されていて,すでに鉄道雑誌
などでも紹介されていたと思います.

ドイツのドレスデン,スイスのチューリッヒに次ぐ,3都市目の路面貨物列車
になるのでしょうか.ドレスデンではフォルクスワーゲンの工場に出入する
本格的な貨物輸送で,チューリッヒはゴミ収集と聞いていますが,ウィーン
での目的は,市内にちらばった車庫を結んで部品交換や供給などを行うため
のようです.路面電車の車庫だけでもウィーンでは市内に十か所以上はあり
ますから,その間でのやりとりも頻繁にあるのでしょう.さしずめ配給電車
のような感じです.
これまでトラックで行っていたものを路面電車に移行するわけですが,あれ
ほど路面電車が発達しているウィーンで,今までトラックが配給していた
ほうが,むしろ不思議なくらいです.

GüterBimと呼ばれる貨物路面電車は,小型電気機関車と貨車の組合わせ
からなり,13トンの貨物まで搭載できるようです.貨車の方は19mの車長が
ありますので,最新型ULFの短い方の全長24.2mにも迫る長さです.それだけ
長いと曲線通過などが気になるところですが,いくつかの制限があるものの
Uバーン(地下鉄)の路線を含め市内全線に乗入れ可能なようなことが性能表に
記されています.(原文がドイツ語なので間違っているかもしれません)
公式サイトにあるPDFファイル Technische Details

運転日は月水金だけで時間は9時から14時までに限られています.5月の段階
では夜間に運転されるように紹介されていましたが,変更されたようです.
日中ですので旅客輸送の妨げにならないよう配慮されるとのこと.

wikipedia ドイツ語版での説明 GüterBim
(URLにウムラウトが含まれています)
これによれば市内での貨物鉄道輸送は50年振りのようです.

画像は公式サイト(gueterbim.at)のほか,Das Straßenbahnjournal
あります.特に後者はファンのサイトですので,興味深い画像のほか,順に
クリックしていくと5月にウィーン市内をデモンストレーション走行した際の
ルートも載っています.

参考記事
Wiener Linien starten GüterBim
(oesterreich.ORFのニュースへのリンク)
Die GüterBim ist auf Schiene
(Viena Onlineのニュースへのリンク)
Straßenbahn will Lkw ersetzen
(Die Presse.comのニュースへのリンク)
posted by NeiTech at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | オーストリア このエントリーを含むはてなブックマーク
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